説明

複数フライトのオーガを有する材料混合機

本発明は、材料、特に家畜飼料を一緒に混合するための、1つ以上の数のフライトを有するオーガを含む混合機に関する。この複数フライトを有するオーガは、一般的に垂直軸の周りに回転する。フライトは、底部にキッカーナイフと、フライトの周辺部にチョッパーナイフを含んでいる。フライトの上面は、オーガがその周囲を回転するシャフトに対して垂直であってもよく、または、混合している材料をオーガと接触させ続けるために、凹面形状、または、おおむね上方に向かって傾斜していてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、バルク材料を混合する装置に関し、さらに詳細には、垂直オーガを有する農業用飼料混合機に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のタイプの農業用混合機が知られている。1つのタイプの混合機は、垂直軸混合機として公知であり、これは、頂部が開口しているタブを有し、タブの中には、1つ以上のオーガが、1つまたは複数の垂直軸の周りに回転するようにして設けられている。各オーガは、1つのフライトを有し、このフライトは、オーガシャフトからおおむね半径方向に外側に向かって延びている。フライトは、オーガシャフトの周りに螺旋状のパタンを形成している。典型的には、フライトは、オーガの底部では比較的長い直径を有し、オーガの頂部に近くなると、比較的狭い幅を有するようにテーパ状になっている。
【0003】
乾草、穀物、サイレージ、飼料添加物、糖蜜、動物性脂肪、およびその他の材料成分を含む材料は、開口した頂端を通してタブの中に投入することができる。そして、オーガを回転させて材料成分を混合することができる。典型的には、ドア、または同様の1つまたは複数の開口を、タブの底部、または底部の近くに設けて、混合を終えた混合物を排出させるようになっている。オーガには、ナイフまたは鋭い端部を設けて、乾草等の大きな材料成分を細断することができる。オーガが回転するにつれて、タブの中の材料は、オーガの底端によって引き込まれて、オーガフライトの螺旋状の表面に乗って、オーガフライトの頂部まで上昇し、そこでオーガとの接触をなくし、タブの底部に向かって重力によって落下する。この動作によって、材料成分を、調合および混合して、家畜用混合飼料等の所望の混合物にすることができる。
【0004】
垂直軸混合機の1つの例は、特許文献1(米国特許第5,462,354号)に示されている。そのすべての内容は、参照のために本明細書に組み込まれる。特許文献1で示されているように、垂直軸混合機をトレーラに搭載して、それをトラクタまたは他の牽引車両が牽引することができる。また、混合機をトラック等の自己推進型の車両に搭載できるとが知られている。
【0005】
オーガが回転すると、混合している材料成分によって、オーガに合力が加えられる。オーガの上にかかる荷重は、不均一になる傾向があり、そのため、混合機の疲労が増大する。また、不均一な力が、オーガをその正常な垂直中心線から傾けるので、混合機の床がゆがまされる可能性がある。オーガに対するこの不均一な荷重はまた、混合機、および混合機を搭載したトラックまたはトレーラに、不要な振動、または揺れを発生させる可能性がある。
【0006】
前記混合物は、オーガの頂部からサージ状に外れる傾向にあり、フライトが垂直軸の周りに回転するときに、このサージは、フライトの最高部で起こる。この周期的なサージを平均化、または低減させることは望ましいことである。
【0007】
垂直軸混合機が遭遇する別の困難な問題は、混合されているいくつかの材料(特に、乾草またはほつれた材料)が、フライトの下面と混合機の床との間に割って入り込む可能性があることである。これにより、妨害物が形成され、この妨害物によって、電力によるオーガの回転速度が低下させられる可能性がある。
【0008】
また、混合時間を低減して、操作作業者の時間を効率よく使用できることが望ましい。その理由は、混合操作の時間が長くなると、飼料が損傷される可能性があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,462,354号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の第1の目的は、改善された垂直軸混合機を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、オーガが回転するときに、オーガにかかる荷重を均一化しうる垂直軸混合機を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、混合速度を増加させた垂直軸混合機を提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、オーガフライトの下側表面と、混合機タブの床との間に割って入り込む飼料に関連する問題を軽減した垂直軸飼料混合機を提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、垂直軸混合機の中のオーガの回転によって発生する揺れと振動を低減させることである。
【0015】
本発明の別の目的は、オーガが回転するときのサージが平均化された垂直軸混合機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1つの実施形態においては、本発明は、底壁と、おおむね上方に向かって延在している側壁とを備えるタブを有する農業用混合機である。選択的に回転可能な混合オーガは、タブの底壁から、おおむね垂直に上方に向かって延在している。オーガは、おおむね垂直軸の周りに回転可能なシャフトを有している。さらにオーガは、シャフトから半径方向に外側に向かって延在している1対の螺旋状フライトを備えている。フライトは、オーガシャフトの底部における比較的広い幅から、シャフトの頂部における比較的狭い幅まで、テーパ状にすることができる。フライトの下側部分で、タブの底壁に近接したところに、キッカーを装着することができる。キッカーは、半径方向に、内側または外側に向かって移動させて調整できるように装着することができる。また上下に調整することもできる。各フライトは、凹面状をした上面を有することができる。各フライトは、オーガシャフトに取り付けられている内側縁部よりも高い位置にある外側縁を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トレーラの上に搭載された、本発明の1つの実施形態による混合機の側面図である。
【図2】自己推進型のトラックの上に搭載された、本発明の1つの実施形態による混合機の側面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による混合機の平面図である。
【図4】図3の混合機タブの側面から見た部分断面図である。
【図5】本発明の1つの実施形態によるダブルフライトオーガの斜視図である。
【図6】図5のオーガの側面図である。
【図7】図6のオーガの平面図である。
【図8】図7の線8‐8における断面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態によるオーガの断面図であり、ここでは、オーガのフライトは、凹面形状の頂部表面を有している。
【図10】本発明の別の実施形態によるオーガの断面図であり、ここでは、オーガのフライトは、内部縁部よりも高くなっている外部縁部を有している。
【図11】本発明の1つの実施形態による、3つのフライトを有するオーガの斜視図である。
【図12】図11に示す、3つのフライトを有するオーガの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の1つの実施形態による混合機100を含むトレーラ10を示す。トレーラ10は、トラクタ等の牽引車両(図示せず)に取り付けるための牽引トング12を備えている。動力取り出し接続体14が、牽引車両から動力を取り出して、混合機100に動力を供給するために設けられている。梯子16が、混合機100の前端の近くに設けられている。
【0019】
混合機100は、頂部が開口しているタブ102を有し、家畜飼料または他の材料を混合するためのコンテナを備えている。混合機100は、垂直軸の周りに回転し、タブ102に加えられた材料を混合して所望の混合物にするための、少なくとも1つの垂直オーガ(図示せず)を備えている。ギアボックス104は、動力を動力取り出し装置からオーガへ伝達する。当業者には、混合機の内部にある回転可能なオーガに対して動力を供給するための、多くの機構が公知であると思う。好適な可変速度トランスミッションは、特許文献1(出願人:Neier)に開示されている。この全ての内容は、参照用として本明細書に組み込まれる。この混合機では、タブ102の下部において混合物を排出することができる。ゲート106は、ユーザによって選択的に上下させることができる。図1に示されているタブ102の側面に設けられたゲート106の代わりに、前面ゲート、または背面ゲートを設けることもできる。また、コンベヤまたはそれと同様のものを、ゲートとともに使用して、混合物の排出および給餌に役立たせることもできる。梯子16は、上側プラットフォーム18とレーリング20とを備えている。梯子16およびプラットフォーム18によって、ユーザは、タブ102の頂縁部から、タブ100の内部を検視することができる。梯子16はまた、混合するための材料を、タブ102の中に投入することに役立たせることができる。
【0020】
図2は、本発明の1つの実施形態による混合機100を含むトラック22の実施形態を示す。トラック22は、キャブ24およびフレーム26を有している。混合機100のタブ102は、トラックフレーム26の上に搭載されている。ドライブライン28は、トラックキャブ24の内部のエンジン(図示せず)から、混合機100の一部であるギアボックス104に動力を供給する。ギアボックス104は、混合機100内部のオーガ(図2には示されていない)に回転動力を伝達する。梯子16は、トラックフレーム26の上に搭載され、プラットフォーム18およびレーリング20を備えている。梯子16によって、ユーザは、タブ102の頂縁部から、混合機100の内部を検視することができる。ゲート106は、タブ102の底部のところ、または底部の近くに設けられていて、それにより、混合物が混合され終わった後に、その混合物を排出することができる。当業者には、混合機100をトラック22に搭載し、オーガに動力を伝達するための多くの機構が公知である思う。
【0021】
図3は、本発明の1つの実施形態による混合機100の平面図である。混合機100は、頂部が開口しているタブ102を有し、また、底壁112からおおむね上方に向かって延在している、前面および背面の側壁108および端部壁110を備えている。壁108および110は、底壁112から上方に向くのに従って、外側にテーパ状に広がり、タブ102の頂部の開口は、底壁(床)112よりも大きくなっている。バッフル114が、前面壁および背面壁108の内部に沿って設けられている。バッフル114は、タブ102を、隣接および連続した混合チャンバに部分的に分離している。それぞれの混合チャンバには、材料を混合するオーガ200が設けられている。バッフル114は、オーガ200が動作するエリアの内部に材料を保持する役目を持っている。各オーガ200は、中央シャフト202を有し、中央シャフトから、第1のフライト204と第2のフライト206とが、半径方向に外側に向かって延在している。
【0022】
図4は、図3の混合機100の側面図である。図4では、前面壁108の一部を取り除いて、タブ102の内部を示している。図4から分かるように、各オーガ200は、軸208の周りに回転するようになっており、軸208は、おおむねタブ102の床112と直交している。従って、混合機100が水平に置かれている場合、例えば、混合機100が平坦な大地の上に置かれたトラックの上に搭載されている場合には、オーガ200は、おおむね垂直軸の周りに回転すると考えられる。底壁112の下に搭載されているギアボックス104は、オーガ200に動力を伝達する。当業者には、多くの他の機構を使用して、回転動力をオーガ200に伝達することができることは理解しうると思う。例えば各オーガは、自分自身で直接駆動できるモータを備えることができる。オーガ200は、チェーン駆動によって駆動することもできる。混合機100は、任意の数の駆動機構を有利に使用しうるようになっていれば、どのようなタイプの駆動にも限定されるものではない。従って、図4の混合機100は、いずれの特定な駆動機構にも接続されていないように示されているが、混合機100は、オーガ200を回転させる何かの駆動機構に接続されて動作するようになっていると理解しなければならない。
【0023】
図5〜図8は、本発明の1つの実施形態によるオーガ200を示す。図5は、オーガ200の斜視図である。図6は、図5のオーガ200の側面図である。図7は、オーガ200の平面図であり、図8は、オーガ200の断面図である。
【0024】
オーガ200は、中央シャフト202を有し、中央シャフト202は、上側部分210と下側部分212とを有し、下側部分212は、ステップ状に、上側部分210よりも直径が大となっている。オーガ200は、第1のフライト204を有し、第1のフライト204は、シャフトの周りを、スパイラルパタン状に取り巻いている。ここに示している実施形態では、フライト204は、シャフト202の周りを、1周(360°)を2回よりも少し多く巻いている。図5〜図8に示す実施形態では、第1のフライト204は、上面214を有し、上面214は、おおむねシャフト202から半径方向に外側に向かって、垂直方向に延在している。上面214がシャフト202に関して垂直であるということは、図8の断面図によく示されている。第1のフライト204は、下側部分216を有し、下側部分216は、シャフト202の下側部分212から、外側方向に向かって延在している。第1のフライト204もまた、上側部分218を有し、上側部分218は、シャフト202の上側部分210から、外側方向に向かって延在している。第1のフライト204の下側部分216は、その最下部における比較的大きい直径から、その頂端における比較的小さい直径に、テーパ状に直径が小となっており、シャフト202の下側部分212の頂部で終わっている。第1のフライト204の上側部分218は、おおむねその下端点から、シャフト202の頂部のごく近くに至るまで、一定の幅を有し、その下端で、下側部分216の頂部と出会っている。上側部分218の頂部付近では、シャフト202の周りに、近似的に1/8周にわたって、外側に向かって、テーパ状に僅かに幅が広がっている。第1のフライト204の下側部分216のピッチは、おおむねその全範囲にわたって一定である。第1のフライト204の上側部分218のピッチもまた、おおむねその全範囲にわたって一定である。しかしながら、上側部分218のピッチは、下側部分216のピッチと比較して、僅かに急勾配になっており、材料を垂直方向に、急速に移動させることができるようになっている。
【0025】
図5〜図8に示す実施形態では、第2のフライト206は、第1のフライト204と同一のものであるが、第2のフライト206は、第1のフライト204から180°だけオフセットしている。フライト204、206のそれぞれは、フライト204または206の底部に非常に近接して配置されているキッカーナイフ220を備えている。キッカーナイフ220は、鋭いリーディングエッジを有し、フライト204または206のリーディングエッジの上を移動させて調整できるようになっている。図6からよく分かるように、ナイフ220のリーディングエッジは、フライト204および206の最下点の僅か下の方向に位置している。キッカーナイフ220は、タブ102の底壁112(図4参照)をこすり取るか、または、殆んどこすり取る役目を有する。キッカーナイフ220のトレーリングエッジは、フライト204および206の上面214から、僅かに高くなっている。図7の平面図から分かるように、キッカーナイフ220のリーディングエッジは、おおむね回転軸208から、キッカーナイフ220の外側縁部に向かって考えられる半径方向の線から、内側方向に傾いている。キッカーナイフ220の内側への傾きは、混合している材料を回転軸208に向かって内側方向に導いて、材料とオーガ200との接触を保持するのを助ける、またはそれを促す役目を有している。フライト204および206には、スロットが設けられており、これにより、キッカーナイフ220を、タブ床112(図4参照)の輪郭曲線と一致するように調整することができる。キッカーナイフ220は、ナイフの先端縁部が床112に極力接触するように調整されることが望ましい。これによって、材料がオーガ200の下に割って入る、またはオーガ200の下に貯まってしまうのを防ぐことができる。
【0026】
フライト204および206のそれぞれには、複数のチョッパーナイフ222が設けられている。チョッパーナイフ222は、おおむねフライト204および206の外側縁部から、半径方向に外側に向かって延在している。チョッパーナイフ222は、鋭くしたリーディングエッジを有し、このリーディングエッジを使用して、乾草、または混合している材料の塊を細断または砕くことができる。チョッパーナイフ222の鋭くなっているリーディングエッジは、おおむね回転軸218とチョッパーナイフ222の外側縁部との間に引かれた仮想的な半径に対して、外側に向かって傾いている。ナイフ222は、フライト204および206に装着され、フライト204および206に形成されたスロットの中に、ボルトまたはネジによって調整ができるようになっている。フライト204および206にナイフ220および222を装着するための多くの機構は、当業者には、公知であると思う。これらは、ボルト、ネジ、溶接を含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
フライト204および206のそれぞれは、キッカー224を含み、キッカー224の頂縁部は、フライト204および206の上側表面214よりも急勾配のピッチを有する。これにより、混合されている材料は、上方向に、またオーガから離れて外方向に送られて、混合機100の底部に落ちてくることができる。
【0028】
図9は、本発明におけるオーガの代替的実施形態200Aの断面を示す。図9に見るように、オーガ200Aは、上面214Aを有し、上面214Aは、シャフト202から垂直方向に外側に向かって平坦な面状に延在しているのではなくて、凹面形状をしている。この凹面状の上面214Aは、混合している材料を上面214Aの上に保持するように働くか、またはそれを促し、半径方向に外側に向かって、オーガ200Aから離れて行かないようにしている。
【0029】
図10は、本発明の1つの実施形態によるオーガの代替的実施形態200Bを示す。図10の断面図にしめすように、オーガ200Bは、フライト204および206を有し、フライト204および206の上面214Bは、おおむねフライト204または206がシャフト202に取り付けられている、低い位置の点から、シャフト202から離れた、高いところに位置している外側縁部に向かって、上方向に延在している。この上方に向かって傾斜している上面214Bもまた、混合動作の間にオーガが回転するときに、混合している材料がオーガ200Bの上に停まるように作用する。
【0030】
オーガ200は、硬く耐久性のある材料(鋼、または他の金属等)で形成することが望ましい。キッカーナイフ220およびチョッパーナイフ222は、ナイフの鋭い縁部を保持するために、更に硬い金属で形成することが望ましい。当業者には、本明細書に記載しているオーガ200を形成するためのものとは異なる材料および方法が公知であると思う。
【0031】
図11および図12は、本発明の別の実施形態における、3つのフライトを有するオーガ300を示す。図11は、3つのフライトを有するオーガ300の斜視図である。図12は、図11のオーガ300の平面図である。
【0032】
オーガ300は、中央シャフト302を有し、中央シャフト302は、上側部分310および下側部分312を含み、下側部分312は、上側部分310と比較して、ステップ状に太い直径に変化している。オーガ300は、第1のフライト304を含み、第1のフライト304は、スパイラル状にシャフト302の周りを巻いている。ここに示す実施形態では、第1のフライト304は、シャフト302の周りの完全な360度の1周を、2周より僅かに多く巻いている。第1のフライト304は、下側部分316を含み、下側部分316は、シャフト302の下側部分312から、半径方向に外側に向かって延在している。第1のフライト304もまた、上側部分318を含み、上側部分318は、シャフト302の上側部分310から、半径方向に外側に向かって延在している。第1のフライト304の下部分316は、その最下部における比較的大きい直径から、その上端における比較的小さい直径に、テーパ状に直径が減少しており、シャフト302の下側部分312の頂部で終えている。第1のフライト304の上側部分318は、一般的に、その下端点からシャフト302の頂部のごく近くに至るまで、一定の幅を有し、その下端点で、下側部分316の頂部と出会っている。上側部分318の頂部付近では、シャフト302の周りに近似的に1/8周にわたって、外側に向かってテーパ状に僅かに幅が広がっている。第1のフライト304の下側部分316のピッチは、おおむねその全範囲にわたって一定である。第1のフライト304の上側部分318のピッチもまた、おおむねその全範囲にわたって一定である。しかしながら、上側部分318のピッチは、下側部分316のピッチと比較して、僅かに急勾配になっていて、オーガ300が回転するときに、材料を垂直方向に、急速に移動させることができることが望ましい。
【0033】
オーガ300は、3つのフライトを含んでいる。従って、オーガ300は、第1のフライト304に加えて、第2のフライト306、および第3のフライト307を含んでいる。第3のフライト307は、螺旋状のパタンで、シャフト302から半径方向に外側に向かって延在している。フライト304、306、および307のそれぞれは、おおむね同一のものであるが、それらは、シャフト302の周りに、等しい間隔でオフセットしている。図11および図12の実施形態では、3つのフライトが存在するので、各フライトは、隣接したフライトから120度だけオフセットしている。さらなるフライトを追加することも可能であり、本発明の主たる利益は維持される。フライトはシャフト302の周りに等距離だけ離して設置することにより、オーガ300にかかる負荷が、オーガが回転するときに、オーガの周りに等しく分布することが望ましい。従って、n個のフライトを含む、複数フライトのオーガでは、隣接したフライトのオフセット角度は、360/nなる演算によって決定されることが望ましい。
【0034】
フライト304、306、および307のそれぞれには、フライトの下側部分の、最も低い位置にあるリーディングエッジのところにキッカーナイフ320が設けられている。このキッカーナイフ320は、オーガが搭載されている混合室の輪郭曲線に一致するように調整可能であることが望ましいと考えられる。フライト304、306、および307のそれぞれにはまた、複数のチョッパーナイフ322が備えらえて、混合している材料を細断または粉砕できることが望ましい。一般的に、2つのフライトを有するオーガ200(上記の200A、および200B)に関して記載した特徴は、図11および図12に示す、3つのフライトを有するオーガ300に対しても当てはまる。3つのフライトを有するオーガ300は、さらなるフライトを含むという点が異なるだけである。
【0035】
本明細書に記載している混合機100を使用するために、ユーザは、最初に、混合機100を目で検視して、混合機100には障害物がなく、動作できる状態にあることを確認する必要がある。本発明による混合機100は、典型的に、任意の一回に混合することができる材料の最大重量に従って階級づけることができる。ユーザは、混合機が過負荷にならないように注意をしなければならない。動作を開始するために、ユーザは、オーガ200を動力源に接続して、オーガ200を回転させなければならない。例えば、図1においては、PTO接続14が動力取り出し装置に取り付けられて、ギアボックス104が、オーガ200に動力を供給するように調整されなければならない。当業者には、オーガ200に動力を供給するための多くの機構が公知であると思う。オーガ200をアイドリング速度で運転しておけば、タブ102の開口した頂部からタブ102に乾草を投入することができる。乾草を投入した後に、穀類または他の産品をタブ102に加えることができる。いずれかの粉砕されやすい材料成分は、材料成分投入の工程で極力遅れて加えることが望ましい。乾草と穀類が加えられた後に、高含水量の材料(サイレージまたはグリーンチョップ等)をタブ102に加えることができる。最後に、糖蜜、動物性脂肪、または液体サプリメントを混合物の中に加える。所望の混合物が完成するまでは、混合物は、オーガが数分間回転したままで、タブ102の中に停まらなければならない。混合した混合物を排出するために、ゲート106を開放し、混合物をタブ102から取り除く。最良の結果を得るためには、オーガを高いRPM速度で回転させることにより、タブ102からの均等な流れと内容物の一掃を確実に行うことが必要である。
【0036】
オーガ200が回転するときに、タブ102の中の材料成分は、フライト204および206の上側表面214と接触するようになると考えられる。タブ102の床112の上のいずれの材料成分も、キッカーナイフ220のリーディングエッジによってこすり取られると考えられる。キッカーナイフ220のリーディングエッジを、キッカーナイフ220のリーディングとエッジ床と112との間のいずれのギャップも減らす、または取り除くように調整することにより、ギャップがある場合に乾草または他の材料成分とがオーガ200の底部と床212との間に割ってはいるために、妨害物を生じないようにすることができる。さらに、キッカーナイフ220のリーディングエッジの角度が内向きに傾いていることは、おおむね材料成分をオーガ200のセンタ208に向かって内部の方向に導くので、オーガ200が作用するエリアに材料成分を停まらせるように働く。従って、材料は、オーガ200の回転に合わせて、おおむねフライト204または206の上に乗って上昇する。材料がオーガ200の頂部に到達すると、キッカー224は、材料をオーガ200から離して上方向に投げ上げて、従って、材料は、底部に落ちて、再度混合されることになる。オーガ200が回転するときに、チョッパーナイフ222は、オーガ表面の外にある材料と接触をして、材料を粉砕または細断することができる。
【0037】
オーガ200は、おおむね同一のフライトで直径が互いに異なっている、2つのフライト204および206を含んでいるので、シャフト202の上の荷重は、一般的に、シャフト202の任意の位置における直径にわたって均一化される傾向にある。これは、シャフト202の上の応力、および床112の上の応力が低減されるので重要である。これらの応力は、通常、オーガ200が回転する時の均等でない合力によって生ずるものである。更なる結果として、オーガ200がその回転軸204の周りに揺れること、およびそれによって生ずる振動を低減することができる。この結果、混合機100の動作が円滑になり静かになる。材料が混合される速度もまた、増加する。オーガ200の各1回の回転に対して、フライト204および206によって持ち上げられる材料の量は、単一のフライトを有するオーガと比較して増加する。この結果、効率がよく、かつ、迅速な材料の混合を実現することができる。単一のフライトを有するオーガはまた、オーガの頂縁部が回転する度ごとに、材料がオーガの頂部から離れて落ちることによって、周期的なサージを発生させる傾向にある。2つのフライトを有する場合には、所与のスポットには、オーガの各回転で、フライトの頂縁部が2回通過することになり、サージは平均化される。この結果、混合物が混合し終わってからの材料の排出を均一化することができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を記載してきた。しかし当業者は、上記で議論した多くの詳細に関して、特に、形状、寸法、およびパーツの構成に関して、それらの変形を行うことができることは言うまでもない。このような変形は、本発明の範囲に含まれ、本発明は、特許請求の範囲の中で説明している用語の広い一般的な意味によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0039】
8 断面
10 トレーラ
12 牽引トング
14 動力取りだし接続
16 梯子
18 上側プラットフォーム
20 レーリング
22 トラック
24 キャブ
26 フレーム
28 ドライブライン
100 混合機
102 タブ
104 ギアボックス
106 ゲート
108 側壁
110 端部壁
112 底壁
114 バッフル
200、200A、200B、300 オーガ
202、302 中央シャフト
204 第1のフライト
206 第2のフライト
208 回転軸
210 シャフトの上側部分
212 シャフトの下側部分
214 フライトの上面
214A オーガ200Aの上面
214B オーガ200Bの上面
216 第1のフライトの下側部分
218 第1のフライトの上側部分
220、320 キッカーナイフ
222、322 チョッパーナイフ
224 キッカー
304 第1のフライト
306 第2のフライト
307 第3のフライト
310 中央シャフトの上側部分
312 中央シャフトの下側部分
316 第1のフライトの下側部分
318 第1のフライトの上側部分
320 キッカーナイフ
322 チョッパーナイフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用混合機であって、
底壁と、おおむね垂直方向に延在している側壁とを有するタブと、
前記タブの中の混合オーガとを備え、
前記混合オーガは、おおむね垂直軸の周りに選択的に回転可能なシャフトを有し、前記オーガは、前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在している1対の螺旋状フライトを更に含み、
前記フライトは、互いにオフセットしていることを特徴とする混合機。
【請求項2】
前記1対の螺旋状フライトの中の1つの下側端部のところに、ナイフを備え、前記ナイフは、前記底壁の輪郭曲線と一致するように調整可能なリーディングエッジを有していることを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項3】
前記ナイフは、トレーリングエッジを有し、前記トレーリングエッジは、前記一対の螺旋状フライトの中の前記1つの頂部表面から離れた場所に設置され、キッカーとして動作することを特徴とする、請求項2に記載の混合機。
【請求項4】
前記ナイフの前記リーディングエッジは、回転の方向に対して内側に向かって傾いており、混合している材料を、前記シャフトに向かって導くことを特徴とする、請求項2に記載の混合機。
【請求項5】
前記フライトの中の前記1つに装着された複数のチョッピングナイフを更に備え、前記チョッピングナイフのそれぞれは、回転方向に対して、おおむね外側に向かって傾いているリーディングエッジを有することを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項6】
前記螺旋状フライトのそれぞれは、凹面形状をした上面を有することを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項7】
前記螺旋状フライトのそれぞれは、上面を有し、この上面は、前記シャフトから前記上側表面の外側縁部に、おおむね上方向に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項8】
前記シャフトは、下側部分と上側部分とを備え、前記下側部分は、前記上側部分から外側に向かってステップ状に出ていることを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項9】
前記フライトのそれぞれは、前記シャフトの前記下側部分に装着された下側部分と、前記シャフトの前記上側部分に装着された上側部分とを含み、前記フライトのそれぞれの前記上側部分は、前記フライトの前記下側部分よりも急勾配のピッチを有していることを特徴とする、請求項8に記載の混合機。
【請求項10】
前記フライトは、互いに180度オフセットしていることを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項11】
前記オーガは、前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在している第3の螺旋状フライトを更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の混合機。
【請求項12】
垂直軸農業用混合機の中で使用するための混合オーガであって、
前記混合オーガは、
シャフトと
前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在している第1の螺旋状フライトと、
前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在している第2の螺旋状フライトとを備えていることを特徴とする混合オーガ。
【請求項13】
前記第1の螺旋状フライトの下側端部における第1のナイフと、前記第2の螺旋状フライトの下側端部における第2のナイフとを更に備え、前記第1のナイフは、前記第1のフライトに対して調整可能なリーディングエッジを有し、前記第2のナイフは、前記第2のフライトに対して調整可能なリーディングエッジを有していることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項14】
前記第1のナイフは、前記第1の螺旋状フライトの頂部表面から離れたところに位置するトレーリングエッジを有し、前記第2のナイフは、前記第2の螺旋状フライトの前記頂部表面から離れたところに位置するトレーリングエッジを有していることを特徴とする、請求項13に記載の混合オーガ。
【請求項15】
前記第1および第2のナイフの前記リーディングエッジは、内側に向かって傾いていることを特徴とする、請求項13に記載の混合オーガ。
【請求項16】
前記第1および第2のフライトに装着された複数のチョッピングナイフを更に備え、前記チョッピングナイフのそれぞれは、おおむね外側に向かって傾いているリーディングエッジを有していることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項17】
前記螺旋状フライトのそれぞれは、凹面形状をした上面を有していることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項18】
前記螺旋状フライトのそれぞれは、上側表面を有し、前記上面は、前記シャフトから、前記シャフトから半径方向に外側に向かった部分へ、おおむね上方向に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項19】
前記シャフトは、下側部分と上側部分とを備え、前記下側部分は、前記上側部分から外側に向かってステップ状に出ていることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項20】
前記フライトのそれぞれは、前記シャフトの前記下側部分に装着された下側部分と、前記シャフトの前記上側部分に装着された上側部分とを含み、更に、前記フライトのそれぞれの前記上側部分は、前記フライトの前記下側部分よりも急勾配のピッチを有していることを特徴とする、請求項19に記載の混合オーガ。
【請求項21】
前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在している第3の螺旋状フライトを更に備えていることを特徴とする、請求項12に記載の混合オーガ。
【請求項22】
農業用混合機であって、
タブと、
前記タブの中の混合オーガとを備え、
前記混合オーガは、おおむね垂直軸の周りに回転可能なシャフトを有し、前記オーガは、前記シャフトから半径方向に外側に向かって延在しているn個の螺旋状フライトを更に含み、n≧2であり、各螺旋状フライトは、隣接しているフライトから角度360/n度だけオフセットしていることを特徴とする農業用混合機。
【請求項23】
前記タブの中に第2の混合オーガを更に備え、前記第2の混合オーガは、第2の一般的には垂直軸の周りに回転可能な第2のシャフトを有し、前記第2の混合オーガは、前記第2のシャフトから半径方向に外側に向かって延在している第2の混合オーガ螺旋状フライトを含んでいることを特徴とする、請求項22に記載の農業用混合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−512093(P2013−512093A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541152(P2012−541152)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057721
【国際公開番号】WO2011/066244
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(506308046)ロト ミックス エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】