説明

複素環を有する新規縮合多環式化合物及びその医薬用途

下記式で表される縮合多環式化合物、その類縁体及びこれらの製薬学的に許容される塩、これらを含有する糖輸送増強作用剤、血糖降下剤及び医薬組成物を提供する。この縮合多環式化合物は、薬効が高く副作用が少ない糖尿病治療効果を有する。



(式中、Rはアルコキシ基、R'はオキサゾリルプロポキシ基、チアゾリルプロポキシ基、R"は水素原子を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規縮合多環式化合物及び該化合物を有効成分とする糖尿病治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
II型糖尿病の薬物治療は、食事療法あるいは運動療法により十分な改善が見られない患者の治療法として位置づけられており、これまでに血糖降下作用を司る内因性ホルモンであるインスリンを用いた製剤や、あるいはインスリン分泌促進や末梢インスリン抵抗性改善などの作用を有する経口血糖降下剤が開発されてきた。現在は経口血糖降下剤を用いることにより血糖を厳密に調節する方法がII型糖尿病の薬物治療の主流となっているが、高血糖を是正するのに十分なインスリン作用が得られない場合には、インスリン療法が主要な手段として行われている。一方、I型糖尿病に対しては、患者のインスリン分泌能が廃絶しているため、インスリン療法の投与が唯一の治療法になっている。
このように重要な治療法として用いられているインスリン療法であるが、注射剤であるために手技の煩雑さや患者の教育という問題があり、コンプライアンスの向上という面から投与法の改善が強く望まれている。近年、注射剤に変わる各種非注射製剤によるインスリン投与法の開発がいくつか試みられているが、吸収効率が低いことや吸収が安定しないなどの問題から実用化には至っていない。
インスリンの主要な血糖降下作用の一つとして、末梢細胞の糖輸送能力を増強することにより血液中の糖分を末梢細胞へ取り込ませ、結果的に血糖値を低下させる作用があげられる。このように、末梢細胞の糖輸送作用を増強することにより血糖値を降下させるような新たな経口薬剤が見出されれば、糖尿病疾患に対して有望な治療法となると予想され、例えば特許文献1に記載の化合物が知られている。
【0003】
【特許文献1】WO 02/44180公報
【発明の開示】
【0004】
本発明は、薬効が高く副作用が少ない糖尿病治療薬を開発して提供することを目的とする。
本発明は、又、糖輸送増強作用剤を提供することを目的とする。
本発明は、又、血糖降下剤を提供することを目的とする。
本発明は、又、糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬を提供することを目的とする。
本発明は、又、複素環を有する新規縮合多環式化合物を提供することを目的とする。
本発明は、又、医薬組成物を提供することを目的とする。
【0005】
本発明者らは糖尿病の治療薬として有用な、強力な糖輸送増強作用を持つ化合物を鋭意検討した結果、ある特定の縮合多環式化合物が上記効果を有することを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
(1) 下記一般式(I)で示される縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。

【0006】
{式中、Aは芳香環基、複素環基、または脂肪族環基を示し、Bは置換基を有してもよい芳香環、置換基を有してもよい複素環、または置換基を有してもよい脂肪族環を示し、Cは置換基を有してもよい複素環基を示し、Tは基中の二つの炭素原子が二重結合、三重結合を有しても良く、また基中の炭素原子が−O−、−S−,−NH−に一部が置換されても良い、置換基を有しても良い炭素数1〜7個からなるアルキレン基を示し、R1,R2およびR3は、同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいベンジルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアリールビニル基、または置換基を有してもよいアリールエチニル基を示し、−X−および−Z−は同一または異なってもよく、それぞれ独立して−O−、−NH−、−NR6−、−S−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−CR45−、または−CO−(式中R6は置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、または置換基を有してもよいスルホニル基を示し、R4、R5は同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)を示し、−W−は−NR9−、−O−、または−CR78−(式中R9は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し、R7、R8は同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)を示し、−Y−は窒素原子または−CH−を示し、a,b,cはそれぞれの炭素原子の位置を示す。但し、
i)上記置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アリール基、ヘテロアリール基からなる群から選ばれる。
ii)Xが−CH2−、−CR45−のとき、Yは窒素原子である。
【0007】
(2)Bが置換基を有してもよい脂肪族環であり、Cが置換基を有してもよい複素環基であり、−X−が−NH−、または−NR6であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−または−CR45−であり、−W−が−NR9−であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である上記(1)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(3)Cの置換基を有してもよい複素環基が、置換基を有してもよいヘテロアリール基である上記(2)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【0008】
(4)Aがフェニル基であり、Cのヘテロアリール基が置換基を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいチエニル基、置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいイソキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいオキサジアゾリル基、置換基を有してもよいチアジアゾリル基、置換基を有してもよいピリジル基、置換基を有してもよいピリドニル基、置換基を有してもよいピリダジニル基、置換基を有してもよいピリミジニル基、置換基を有してもよいイミダゾリル基、置換基を有してもよい4−オキソチアゾリジン−2−チオニル基のいずれかである上記(2)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(5)Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環である上記(4)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(6)一般式(I)の−X−が−NH−または−NMe−であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−であり、−W−が−NH−であり、Aがベンゼン環であり、Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環であり、Cが置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である上記(5)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【0009】
(7)一般式(I)の−X−が−NH−または−NMe−であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−または−CR45−であり、−W−が−NH−であり、Aが複素環基であり、Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環であり、Cが置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である上記(2)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(8)一般式(I)の−Z−が−CH2−であり、Aがヘテロアリール基である(7)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(9)R1,R2およびR3の少なくとも一つが、−H、−F、−Me、−OMe、−OEt、−SMe、−OCF3のいずれかで、残りが−Hである上記(6)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【0010】
(10)一般式(I)のa,b,およびcの炭素原子の絶対配置が、それぞれ独立してRまたはSである上記(6)〜(8)のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(11)一般式(I)のaおよびbの炭素原子の絶対配置がともにRであり、cの炭素原子の絶対配置がRまたはSである上記(10)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
(12)一般式(I)のaおよびbの炭素原子の絶対配置がともにSであり、cの炭素原子の絶対配置がRまたはSである上記(10)記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
また、本発明はさらに、以下の発明を提供する。
(13)上記(1)記載の縮合多環式化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分とする糖輸送増強作用剤。
(14)上記(1)記載の縮合多環式化合物または製薬学的に許容される塩を有効成分とする血糖降下剤、糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬または医薬組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における糖輸送増強作用とは、生体膜を介する糖輸送能力を増強させる作用を示し、生体膜の外側から内側への糖輸送または生体膜の内側から外側への糖輸送のどちらに対する作用でもよい。具体的に例えばインスリン作用、すなわち筋肉細胞内および脂肪細胞内へのグルコース輸送を増強させる作用などがあげられる。
糖輸送の糖とは、生体内に存在する5単糖または6単糖を示し、具体的に例えばグルコース、マンノース、アラビノース、ガラクトース、フルクトースなどがあげられ、好ましくはグルコースがあげられる。
低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、具体的に例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがあげられ、好ましくはメチル基、エチル基などがあげられる。
アリール基とは、炭素原子で構成される炭素数5〜12の単環または2環よりなる芳香族置換基を示し、具体的に例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基などがあげられ、好ましくはフェニル基があげられる。
【0012】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
アルキル基とは、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、具体的に例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、tert-オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、などがあげられ、好ましくはn-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、n-ヘキシル基、2-ヘキシル基、tert-オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基などがあげられ、より好ましくは、イソプロピル基、tert-ブチル基、tert-オクチル基、1−アダマンチル基などがあげられる。
【0013】
アルコキシ基とは、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基を有するアルコキシ基を示し、具体的に例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-へプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、2−シクロヘキシルエトキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基、1−アダマンチルメチルオキシ基、2−(1−アダマンチル)エチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などがあげられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基があげられる。
アルキルチオ基とは、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖状または環状のアルキル基を有するアルキルチオ基を示し、具体的に例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロブチルチオ基などがあげられる。
【0014】
アルキルスルホニル基とは、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖状または環状のアルキル基を有するアルキルスルホニル基を示し、具体的に例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、ヘプタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ノナンスルホニル基、デカンスルホニル基、ウンデカンスルホニル基、ドデカンスルホニル基などがあげられる。
アシル基とは、ホルミル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルキル基を有するアシル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルケニル基を有するアシル基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルキニル基を有するアシル基、または置換されていてもよいアリール基を有するアシル基であり、具体的に例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基などがあげられる。
アシルオキシ基とは、ホルミルオキシ基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖もしくは環状のアルキル基を有するアシルオキシ基、または置換されていてもよいアリール基を有するアシルオキシ基を示し、具体的に例えばホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基などがあげられる。
【0015】
アルキルアミノ基とは、アルキル基で一置換もしくは二置換されたアミノ基であり、そのアルキル基の例は前記「アルキル基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基などがあげられる。
アルコキシカルボニル基とは、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基を有するアルコキシカルボニル基を示し、具体的に例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などがあげられる。
カルバモイル基とは、窒素上に炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基を有してもよいカルバモイル基であり、具体的に例えばカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−ピロリジルカルボニル基、N−ピペリジルカルボニル基、N−モルホリニルカルボニル基などがあげられる。
スルホニル基とは、硫黄原子上に炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖または環状のアルキル基を有してもよいスルホニル基であり、具体的に例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、などがあげられる。
【0016】
芳香環とは、炭素原子で構成される単環または2つの環からなる芳香環をあらわし、具体的に例えばベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環などがあげられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環などがあげられる。
複素環とは、炭素および窒素、酸素、イオウなどで構成される5〜7員の1〜3つの環からなる複素環をあらわし、具体的に例えば、ピリジン環、ジヒドロピラン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾピラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、ピラゾロピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、ベンゾジアゼピン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、などがあげられ、好ましくはピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、フラン環、チオフェン環などがあげられる。
【0017】
芳香族環基とは、置換基を有しない単環、二環、三環等の芳香族炭化水素基をあらわし、例えばフェニル基、ナフタリル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等があげられる。
複素環基とは、環原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する5〜8員の単環〜3環式の置換基を有しないへテロ環基を示す。
{なお、環原子である任意の炭素原子がオキソ基で置換されていてもよく、硫黄原子又は窒素原子が酸化されオキシドを形成してもよい。また、ベンゼン環と縮環していてもよく、
また、該へテロ環基は、架橋されていてもよく、また、スピロ環を形成しても良い。}
例えば、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基(=ピリミジニル基)、ピラジニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾイル基、テトラゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンズオキサゾリル基(=ベンゾオキサゾリル基)、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基(=ベンゾイミダゾリル基)、インダゾリル基、ベンズイソキザゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ベンゾフラザニル基、ベンゾチアジアゾリル基、プリニル基、キノリル基(=キノリニル基)、イソキノリル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、プテリジニル基、イミダゾオキサゾリル基、イミダゾチアゾリル基、イミダゾイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリジニル基、ピロリニル基、ピラゾリニル基、イミダゾリニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、チアゾリジニル基、ピペリジニル基(=ピペリジル基)、ピペラジニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジオキソラニル基、ホモピペリジニル基(=ホモピペリジル基)、ホモピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル基、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−イル基、3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−6−イル基、7−アザビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−イル基、2−アザトリシクロ[3.3.1.1]デカン−4−イル基、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル基、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル基、3−アザスピロ[5.5]ウンデカン−9−イル基、2−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル基、2−アザスピロ[4.4]ノナン−7−イル基、8−アザスピロ[4.5]デカン−2−イル基等が挙げられる。
【0018】
脂肪族環基とは、置換基を有しない炭素数3〜10個の非芳香族炭化水素基を示し、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
脂肪族環とは、炭素原子で構成される単環または2つの環からなる脂肪族環をあらわし、具体的に例えばシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、デカリン環、ノルボルナン環などがあげられ、好ましくはシクロヘキサン環があげられる。
ヘテロアリール基とは、炭素および窒素、酸素、イオウなどで構成される5〜7員の1〜3つの環からなる芳香族複素環基をあらわし、具体的に例えば、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、ナフチリジニル基、キナゾリル基などがあげられ、好ましくは2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ピラゾリル基などがあげられる。
【0019】
アリールオキシ基とは、酸素原子上にアリール基を有するアリールオキシ基であり、そのアリール基の例は前記「アリール基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などがあげられる。
ヘテロアリールオキシ基とは、酸素原子上にヘテロアリール基を有するヘテロアリールオキシ基であり、そのヘテロアリール基の例は前記「ヘテロアリール基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−ピリミジニルオキシ基などがあげられる。
アリールアミノ基とは、窒素原子上にアリール基で置換されたアリールアミノ基であり、そのアリール基の例は前記「アリール基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、フェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などがあげられる。
アリールビニル基とは、アリール基で1位または2位が置換されたビニル基であり、そのアリール基の例は前記「アリール基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、1−フェニルビニル基、2−フェニルビニル基などがあげられる。
アリールエチニル基とは、アリール基で2位が置換されたエチニル基であり、そのアリール基の例は前記「アリール基」で示したものがあげられる。具体的に例えば、フェニルエチニル基などがあげられる。
【0020】
“置換基を有してもよい”とは、置換基を有し無い場合、及び置換基を有する場合には、上記(I)に記載の置換基により、少なくとも1個以上置換されていることを示し、該置換基は同一または異なっていてもよく、また置換基の位置および数は任意であって、特に限定されるものではない。
本発明では、また、一般式(I)で表される請求項1記載のラクタム化合物または製薬学的に許容されるその塩としては、式中、次のものが好ましい。
9としては水素原子、メチル基が好ましい。
1、R2、R3としては水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、ベンジルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、または置換基を有してもよいアリールエチニル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、がより好ましい。
【0021】
−X−としては−NH−、−NR6−(R6は低級アルキル基を示す)、−O−、−S−、または−CH2−が好ましく、−NH−または−NMe−がより好ましい。
−Y−としては窒素原子が好ましい。
−Z−としては−NH−または−CR45−(R4,R5は同一または異なってもよく、それぞれ独立して水素原子または置換基を有してもよい低級アルキル基を示す)が好ましく、−CH2−がより好ましい。
−W−としては−NH−、−NR9−(R9は低級アルキル基を示す)、または−CH2−が好ましく、−NH−または−NMe−がより好ましい。
Aとしては芳香環基または複素環基が好ましく、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましく、フェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
Bとしては置換基を有してもよい芳香環または置換基を有してもよい脂肪族環が好ましく、置換基を有してもよいベンゼン環または置換基を有してもよいシクロヘキサン環がより好ましく、置換基を有してもよいシクロヘキサン環がさらに好ましい。
Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環である場合、aおよびbの炭素原子の絶対配置としてはRまたはSであるのが好ましく、Rであるのがさらに好ましい。
【0022】
Cとしては置換基を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいチエニル基、置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいイソキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいオキサジアゾリル基、置換基を有してもよいチアジアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基、置換基を有してもよいピリドニル基、置換基を有してもよいピリダジニル基、置換基を有してもよいピリミジニル基、置換基を有してもよいイミダゾリル基、置換基を有してもよい4−オキソチアゾリジン−2−チオニル基が好ましく、特に置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基が好ましい。
Tとしては原子数1〜2からなる結合が好ましく、−CH2−、−CR1112−、−CR1314−CR1516−、−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)がさらに好ましく、この中でも−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−が特に好ましい。
【0023】
製薬学的に許容される塩とは、具体的に例えば十分に酸性である本発明化合物についてはそのアンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩などが例示され、これらが好ましい)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩などが例示され、これらが好ましい)、有機塩基の塩としてはたとえばジシクロヘキシルアミン塩、ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカン塩、ヒドラミン塩、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸の塩などが挙げられる。さらに十分に塩基性である本発明化合物ついてはその酸付加塩、例えば塩酸、硫酸、硝酸、りん酸などの無機酸塩、または酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸塩などが挙げられる。また、場合によっては含水物あるいは水和物であってもよい。
また本発明は、全ての光学異性体及び幾何異性体などの異性体、水和物、溶媒和物もしくは結晶形を包含するものである。
【0024】
本発明の化合物は特許WO 02/44180記載の方法を使用または応用することにより合成することができる。
例えば、本発明の化合物(I)において、XおよびWが―NH―、Zが―CH2―、Yが窒素原子、Aがベンゼン環で、Bがシクロヘキサン環である化合物(IV)は、下記のように、特許WO 02/44180記載の化合物(II)と、既知の方法またはそれを応用した方法により合成することができるカルボン酸(III)とを特許WO 02/44180記載の方法に従って縮合することにより合成することができる。

(Rはベンゼン環上の置換基を示す。)
【0025】
また、上記化合物(IV)においてTが―CH2―であり、Cが置換基を有してもよいチアゾールである化合物(VI)は、化合物(II)とマロン酸モノエステルとの縮合により得られる化合物(V)のエステル部分を公知の方法に従ってチアゾール環へ誘導することによっても合成することができる。

(Rはベンゼン環上の置換基を示し、R'はチアゾール上の置換基を示す。)
【0026】
また、上記化合物(IV)においてTが―CH2―CH2―であり、Cが置換基を有してもよいオキサジアゾールもしくはチアジアゾールである化合物(VIII)は、化合物(II)とこはく酸モノエステルとの縮合により得られる化合物(VII)のエステル部分を公知の方法に従ってオキサジアゾール環もしくはチアジアゾール環へ誘導することによっても合成することができる。

(RおよびR'はそれぞれ環上の置換基を示し、Uは酸素原子もしくは硫黄原子を示す。)
【0027】
また、上記化合物(IV)においてTが―CH2―であり、Cが置換基を有してもよいピリドンである化合物(X)は、化合物(II)とクロロ酢酸無水物との縮合により得られる化合物(IX)に対するクロロ基の置換反応によっても合成することができる。

(RおよびR'はそれぞれ環上の置換基を示す。)

また、上記の反応を応用することにより、上記以外の本発明の化合物も合成することができる。
なお、上記の方法で得られる本発明の化合物は、通常有機合成で用いられる、抽出、蒸留、結晶化、カラムクロマトグラフィー等の手法を用いて精製することができる。
【0028】
得られた本発明の化合物は後述するように、糖輸送増強作用を有し、この作用を介した疾患に対する治療を行うのに有用である。すなわち、糖輸送増強作用により血糖値を降下させることにより、糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬として有用である。
本発明の化合物を糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬として使用する場合、経口投与、静脈内投与、または経皮投与することができる。投与量は投与する患者の症状、年齢、投与方法によって異なるが、通常0.001〜1000mg/kg/日である。
【0029】
本発明の化合物は常法により製剤化することができる。製剤の形としては注射剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、クリーム剤、座薬などが挙げられ、製剤用担体としては、例えば、乳糖、ブドウ糖、D-マンニトール、澱粉、結晶セルロース、炭酸カルシウム、カオリン、デンプン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エタノール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム塩、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アセチルセルロース、白糖、酸化チタン、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガント、メチルセルロース、卵黄、界面活性剤、白糖、単シロップ、クエン酸、蒸留水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、マクロゴール、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ブドウ糖、塩化ナトリウム、フェノール、チメロサール、パラオキシ安息香酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム等があり、製剤の形に応じて、本発明の化合物と混合して使用される。
さらに、本発明の製剤中における本発明の有効成分の含有量は、製剤の形によって大きく変動し、特に限定されるものではないが、通常は、組成物全量に対して0.01〜100重量%、好ましくは1〜100重量%である。
【0030】
本発明の化合物は糖輸送増強作用を有し、糖尿病疾患に対する治療を行うのに有用である。すなわち、糖輸送増強作用により血糖を降下させ、糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬として有用である。
【0031】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に述べるが、これに限定されるものではない。
実施例1〜45
下記表1に記載した化合物1〜47及び表1−2に記載の化合物48〜55は、特許WO 02/44180記載の方法に従い合成した。
ただし、表中の略号は、No:実施例・化合物番号、R:ベンゼン環上の置換基、R':アシル基、R'':アルキル基、D:化合物データ、MS:ESI-MS m/z、N1:1H−NMR(DMSO-d6、TMS内部標準、δppm)を示す。Rの置換基前の数字はベンゼン環上の置換基の位置を示す。
【0032】












【0033】

















【0034】















【0035】
















【0036】



















【0037】

【0038】
(表1の続き)









【0039】

【0040】
実施例56
(工程1)
WO 02/44180記載の下記構造式(XI)で示される化合物(277mg, 0.649mmol)のメタノール(6.5ml)溶液にヒドラジン水和物(0.96ml, excess)を加え、50℃にて26時間撹拌した。減圧下にて溶媒を留去し、粗ヒドラジドを得た。粗ヒドラジドのピリジン(6.5ml)溶液に。0℃で無水酢酸(332mg, 3.25mmol)を加え、2時間撹拌した。減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノール:塩化メチレン(1:4)の流分より、工程1化合物を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ=0.50-3.40(13H, m), 1.84(3H, s), 3.72-3.90(5H, m), 3.96(1H, m), 5.82(1H, brs), 6.66(1H, brs), 6.73(1H, brs), 6.86-7.35(4H, m), 9.73(2H, brs)
MS(ESI) m/z 470(M+H)+, 468(M-H)-


(工程2)
工程1化合物(132mg, 0.281mmol)のジオキサン(14ml)溶液にオキシ塩化リン(0.13ml, 1.40mmol)を加え、90℃にて1時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、1N−水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下にて溶媒を留去した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン=1:5)で精製し、化合物56(32mg, 25%)を得た。
実施例57
実施例56と同様の方法に従い、化合物57を得た。
【0041】
実施例58
実施例56の工程1化合物(173mg, 0.369mmol)のジオキサン(7.4ml)溶液に五硫化ニリン(204mg, 0.922mmol)を加え、90℃にて3.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、減圧下にて溶媒を留去した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン=1:5)で精製し、化合物57(27mg, 16%)を得た。
実施例59
実施例58と同様の方法に従い、化合物59を得た。
実施例60
(工程1)
WO 02/44180記載の下記構造式(XII)で示される化合物(200mg, 0.639mmol)、ジクロロメタン(15ml)およびピリジン(0.15ml, 1.92mmol)からなる懸濁液に、0℃にて、クロロ酢酸無水物(164mg, 0.958mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液を加え、室温にて15時間撹拌した。反応液を濃縮しトルエンを用いて共沸した後、ジクロロメタンに溶かし、0.1N−塩酸および飽和食塩水で順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:19〜1:3)で精製することにより、工程1化合物(162mg, 65%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ=0.50-3.40(9H, m), 3.59(1H, d, J=12.9Hz), 3.72(1H, d, J=12.9Hz), 5.09(1H, d, J=10.8Hz), 5.15(1H, d, J=10.8Hz), 5.61(1H, brs), 6.68(1H, brs), 6.71(1H, brs), 6.87-6.96(1H, m), 7.00-7.07(1H, m), 7.10-7.18(1H, m), 7.26-7.46(6H, m)
MS(ESI) m/z 466(MH+), 464(M-H)-


【0042】
(工程2)
2−ヒドロキシピリジン(61.0mg, 0.640mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、炭酸カリウム(88.0mg, 0.640mmol)を加えて5分間撹拌した後、工程1で得られた化合物(50.0mg, 0.128mmol)を加え90℃にて15時間撹拌した。酢酸エチル−水で分液し、水層からジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮して得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=1:4)で精製することにより、化合物60(29.3mg, 51%)を得た。
実施例61、63
化合物61、63は、実施例60と同様の方法で得られた。
実施例62
化合物62は、WO 02/44180記載の方法に従い合成した。
【0043】
実施例64
(工程1)
実施例60工程1に記載の化合物(XII)(214mg, 0.684mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(6.8ml)溶液にマロン酸モノエチルエステル(361mg, 2.73mmol)およびWSC・HCl(393mg, 2.05mmol)を加え室温にて23時間撹拌した。減圧下にて溶媒を留去した後、酢酸エチル−水で分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧下にて溶媒を留去し、粗アシル体(ジアシル体との混合物)を得た。
粗アシル体のエタノール(7.5ml)溶液に28%アンモニア水(7.5ml)を加え50℃にて72時間撹拌した。室温まで冷却後6N-HClを加えて中和し、減圧下にて溶媒を留去した。残渣にメタノールを加え、不溶物をろ過により除去した。減圧下にて溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン=1:4)で精製することにより工程1化合物(195mg, 72%)を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ=0.50-3.60(11H, m), 3.73(1H, d, J=16.7Hz), 3.83(1H, d, J=16.7Hz), 3.85(3H, s), 4.01(1H, m), 5.67(1H, br s), 6.86-7.57(8H, m)
MS(ESI) m/z 399(M+H)+, 397(M-H)-
(工程2)
工程1化合物(183mg, 0.460mmol)の1,2−ジメトキシエタン(12ml)溶液に五硫化二リン(204mg, 0.920mmol)を加え50℃にて30分撹拌した。減圧下にて溶媒を留去した後、薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン=1:8)で精製することにより工程2化合物(26mg, 14%)を得た。
1H-NMR(300MHz, DMSO-d6) δ=0.50-3.40(9H, m), 3.72(1H, d, J=15.8Hz), 3.76(1H, d, J=14.9Hz), 3.83(1H, d, J=14.9Hz), 3.90(3H, s), 4.02(1H, m), 4.15(1H, d, 15.8Hz), 5.67(1H, br s), 6.70(2H, d, J=11.7Hz), 6.86-7.35(4H, m), 9.25(1H, br s), 9.56(1H, br s)
MS(ESI) m/z 414(M+H)+, 412(M-H)-
【0044】
(工程3)
工程2化合物(22mg, 0.053mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(52mg, 0.266mmol)を加え50℃にて3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、PS-TsNHNH2(220mg, 0.532mmol)を加え室温にて3時間30分撹拌した。ろ過によりレジンを除去し(塩化メチレンで洗いこみ)、減圧下にて溶媒を留去した。残渣を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:塩化メチレン=1:10)で精製することにより化合物64(9mg, 39%)を得た。
下記表2に化合物56〜64の構造式と化合物データを示す。ただし表中の略号は、No:実施例番号、R:ベンゼン環上の置換基、R':アシル基、D:化合物データ、MS:ESI-MS m/z、N1:1H−NMR(DMSO-d6、TMS内部標準、δppm)を示す。Rの置換基前の数字はベンゼン環上の置換基の位置を示す。




























【0045】




















【0046】

【0047】
実施例65
(糖輸送活性評価)
1.ラット脂肪細胞の取得
雄性ウィスターラット(体重150-200g)6頭を断頭放血後に開腹し、傍精巣脂肪組織を合計6g摘出した。これを5%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含む6mlのKRH(クレブスリンガーヘペス:組成、塩化ナトリウム130mM、塩化カリウム4.7mM、リン酸2水素カリウム1.2mM、硫酸マグネシウム1.2mM、塩化カルシウム1mM、ヘペス25mM、pH=7.6)中で2mm角に細断し、24mgのコラゲナーゼ(タイプI)を加えて約40分間消化処理を行い、単離された脂肪細胞約6mlを得た。バッファー交換によりコラゲナーゼを除去後、2%BSA/KRH溶液を加えて再浮遊させ、脂肪細胞懸濁液45mlを得た。
【0048】
2.糖輸送活性評価
本発明化合物の糖輸送活性評価は文献記載の方法(アニューアル・レビュー・オブ・バイオケミストリー、55巻、1059頁、1986年)を参考に行った。すなわち、上記脂肪細胞懸濁液をポリスチレン製試験管に200μlずつ分注し、被験物質(10mg/mlのジメチルスルホキシド溶液をKRHで希釈)の溶液を100μl加え、震とう後、37℃で30分間培養した。
糖輸送活性は単位時間あたりに取り込まれた2-[14C(U)]-deoxy-D-glucoseの量を測定することにより評価した。すなわち前培養を終えた脂肪細胞懸濁液に2-[14C(U)]-deoxy-D-glucoseを添加し(最終濃度0.5μCi/サンプル)、5分後にサイトカラシンB(最終濃度10μM)を加えることにより糖輸送を停止させた。フタル酸ジノニルを重層させてから遠心して脂肪細胞とバッファーを分離させ、脂肪細胞層に含まれる2-[14C(U)]-deoxy-D-glucoseの量を液体シンチレーションカウンターで測定し、取り込まれた糖の量を定量した。本評価系において糖輸送増強作用を有するインスリン(100nM)はインスリン非添加対照群に比べ7倍程度の増強作用を示した。
表3に、本発明化合物の糖輸送活性評価結果を示す。表中の糖輸送活性はインスリン(100nM)の増強作用を100%とした場合の、増強作用50%に相当する被験化合物の濃度(EC50:μg/ml)として求めた。(表中の略号は、No:実施例番号、A:糖輸送活性をそれぞれ示す。)
【0049】
表3
No A
14 0.0060
20 0.064
22 0.090
25 0.020
27 0.050
33 0.10
34 0.070
38 0.021
41 0.10
42 0.060
43 0.070
44 0.060
46 0.040
52 0.040
55 0.0040

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示される縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。

{式中、Aは芳香環基、複素環基、または脂肪族環基を示し、Bは置換基を有してもよい芳香環、置換基を有してもよい複素環、または置換基を有してもよい脂肪族環を示し、Cは置換基を有してもよい複素環基を示し、Tは基中の二つの炭素原子が二重結合、三重結合を有しても良く、また基中の炭素原子が−O−、−S−,−NH−に一部が置換されても良い、置換基を有しても良い炭素数1〜7個からなるアルキレン基を示し、R1,R2およびR3は、同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよいベンジルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアリールビニル基、または置換基を有してもよいアリールエチニル基を示し、−X−および−Z−は同一または異なってもよく、それぞれ独立して−O−、−NH−、−NR6−、−S−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−CR45−、または−CO−(式中R6は置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、または置換基を有してもよいスルホニル基を示し、R4、R5は同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)を示し、−W−は−NR9−、−O−、または−CR78−(式中R9は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し、R7、R8は同一または異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)を示し、−Y−は窒素原子または−CH−を示し、a,b,cはそれぞれの炭素原子の位置を示す。但し、i)上記置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アリール基、ヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ii)Xが―CH2−、−CR45−のとき、Yは窒素原子である。
【請求項2】
Bが置換基を有してもよい脂肪族環であり、Cが置換基を有してもよい複素環基であり、−X−が−NH−、または−NR6であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−または−CR45−であり、−W−が−NR9−であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である請求項1記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Cの置換基を有してもよい複素環基が、置換基を有してもよいヘテロアリール基である請求項2記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aがフェニル基であり、Cのヘテロアリール基が置換基を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいチエニル基、置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいイソキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいオキサジアゾリル基、置換基を有してもよいチアジアゾリル基、置換基を有してもよいピリジル基、置換基を有してもよいピリドニル基、置換基を有してもよいピリダジニル基、置換基を有してもよいピリミジニル基、置換基を有してもよいイミダゾリル基、置換基を有してもよい4−オキソチアゾリジン−2−チオニル基のいずれかである請求項2記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環である請求項4記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項6】
一般式(I)の−X−が−NH−または−NMe−であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−であり、−W−が−NH−であり、Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環であり、Cが置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である請求項5記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項7】
一般式(I)の−X−が−NH−または−NMe−であり、−Y−が窒素原子であり、−Z−が−CH2−または−CR45−であり、−W−が−NH−であり、Aが複素環基であり、Bが置換基を有してもよいシクロヘキサン環であり、Cが置換基を有してもよいオキサゾリル基、置換基を有してもよいチアゾリル基、置換基を有してもよいピリジニル基であり、−T−が、−CR1112−、−CR1314−CR1516−または−CR17=CR18−(式中R11〜R18はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基を示す)である請求項2記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項8】
一般式(I)の−Z−が−CH2−であり、Aがヘテロアリール基である請求項7記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項9】
1,R2およびR3の少なくとも一つが、−H、−F、−Me、−OMe、−OEt、−SMe、−OCF3のいずれかで、残りが−Hである請求項6記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項10】
一般式(I)のa,b,およびcの炭素原子の絶対配置が、それぞれ独立してRまたはSである請求項6〜8のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項11】
一般式(I)のaおよびbの炭素原子の絶対配置がともにRであり、cの炭素原子の絶対配置がRまたはSである請求項10記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項12】
一般式(I)のaおよびbの炭素原子の絶対配置がともにSであり、cの炭素原子の絶対配置がRまたはSである請求項10記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分とする糖輸送増強作用剤。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分とする血糖降下剤。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分とする糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管症、耐糖能異常、または肥満症の予防および/または治療薬。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項記載の縮合多環式化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物。

【国際公開番号】WO2005/042536
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515193(P2005−515193)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016217
【国際出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】