説明

視聴設定支援システム

【課題】 データ配信サーバから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データを配信する場合に、中継装置の負荷を軽減し且つ視聴可能者数を最大にする視聴設定支援システムを提供する。
【解決手段】 ユーザ別に視聴対象端末Tを特定する第1端末特定部11と、視聴データが経由する中継装置を特定する第1中継装置特定部12と、経由する視聴データの通信量が最大通信量を上回る集約対象中継装置を特定する第2中継装置特定部13と、集約対象中継装置を経由して視聴データが配信される端末Tを特定する第2端末特定部14と、第2端末特定部14が特定した端末Tの1または複数を選択して集約対象端末Tとし、集約対象中継装置を経由する視聴データの通信量が削減されるように、集約対象端末Tを視聴する集約対象ユーザの夫々について視聴可能な端末を1つ選択して視聴対象端末Tとして再設定する端末集約部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ配信サーバから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データが配信される場合において、視聴データの配信対象となる端末を設定する視聴設定支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、災害対策中継等では、データ配信サーバから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データを配信して、複数のユーザに同時に視聴させる必要がある。更に、災害対策中継等では、できるだけ多くのユーザが、リアルタイムで視聴することが望ましい。
【0003】
このように、視聴データのリアルタイム処理が必要で、且つ、できるだけ多くのユーザが視聴することが望ましい場合、データ配信サーバと端末の間に設置されたルータ等の中継装置の通信負荷が増大する傾向にある。中継装置の通信負荷の増大により通信速度が低下すると、音声途切れ等の通信品質の低下を招くことになる。
【0004】
通信品質を維持するための技術としては、例えば、中継装置を経由するデータの通信量が一定量を超えた場合に、経由するデータの内、リアルタイム処理が必要なデータを、文字データや静止画データ等のリアルタイム処理が必要ではないデータに比べて優先する制御を行う通信制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、通信品質を維持するための他の技術としては、映像タイトルと配信時間を設定した配信スケジュールに従って映像配信を行う場合に、予め同時に配信可能な最大ユーザ数(視聴データ数)及び最大映像タイトル数を設定しておき、すでに他のユーザによって予約されている映像タイトルに重複して予約する場合の視聴料金を安く、新規に映像タイトルを予約する場合の視聴料金を高く設定する映像配信装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2に記載の映像配信装置では、すでに他のユーザによって予約されている映像タイトルに重複して予約する場合の視聴料金を安く設定するので、予約設定における映像タイトルの集約を促して配信される映像タイトル数を抑えることが可能になり、結果として、映像配信装置の負荷を抑えることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−20028号公報
【特許文献2】特開2002−185947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の通信制御装置では、リアルタイム処理が必要なデータだけで通信量が一定量を超える場合は、負荷軽減が難しく、音声品質を維持することが困難になるという問題があった。
【0009】
これに対し、上記特許文献2に記載の映像配信装置は、予約数を配信可能な視聴データ数以下に抑えることから、通信品質の維持は可能になる。
【0010】
しかし、上記特許文献2に記載の映像配信装置は、複数回に亘って配信されることが予定されており、リアルタイムで視聴するという概念がなく、予約数を制限するのみでは、最先の配信時刻において視聴データを視聴するユーザ数を最大にすることは困難である。
【0011】
尚、例えば、企業等において、会議室や講演会場に設置された端末等、比較的多数のユーザが同時に視聴可能となる端末や、個人所有のPC等、1または比較的少数のユーザのみが同時に視聴可能となる端末が混在するような環境では、比較的多数のユーザが同時に視聴可能な端末にユーザを可能な限り集約すれば、より多くのユーザが同時に視聴可能になる。特に、配信時刻が1度しか設定されていない場合や、上述した災害対策中継等のように最先の配信時刻での視聴が望ましい場合等には、より多くのユーザが、最先の配信時刻で視聴できるようになることが望ましい。
【0012】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、中継装置の負荷を軽減し、且つ、視聴可能者数を最大にする視聴設定支援システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る視聴設定支援システムは、データ配信サーバから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データが配信される場合において、前記視聴データの配信対象となる端末を設定する視聴設定支援システムであって、前記視聴データを視聴するユーザ別に、前記ユーザの位置情報、開始時刻及び終了時刻を含むスケジュール情報を記憶したスケジュールDBと、前記端末別に、前記端末が設置された位置及び最大視聴可能人数を含む端末情報を記憶した端末情報DBと、前記データ配信サーバと前記端末との間に設置され、前記視聴データを中継する中継装置の接続情報を記憶した中継装置情報DBと、を備える記憶手段と、コンピュータのデータ処理により、前記視聴データの配信対象となる端末を決定する演算処理手段と、を備え、前記演算処理手段が、前記ユーザ別に、前記スケジュールDBに記憶された前記スケジュール情報から前記視聴データの配信時刻における前記位置情報を取得し、取得した前記位置情報と前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を前記ユーザの視聴対象端末として前記記憶手段に記憶する第1端末特定処理を行う第1端末特定部と、前記中継装置情報DBに記憶された前記接続情報に基づいて、前記データ配信サーバから配信される前記視聴データの夫々が、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末に到達するまでに経由する前記中継装置を特定する第1中継装置特定処理を行う第1中継装置特定部と、前記第1中継装置特定部が特定した前記中継装置の夫々について、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末と前記中継装置情報DBに記憶された前記接続情報に基づいて、経由する前記視聴データの通信量を求め、前記通信量が前記中継装置の夫々に設定された最大通信量を上回る前記中継装置を集約対象中継装置として特定する第2中継装置特定処理を行う第2中継装置特定部と、前記中継装置情報DBに記憶された接続情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末から、前記集約対象中継装置を経由して前記視聴データが配信される前記端末を特定する第2端末特定処理を行う第2端末特定部と、前記第2端末特定部が特定した前記端末の1または複数を選択して集約対象端末とし、前記集約対象端末を視聴する前記ユーザを集約対象ユーザとし、前記集約対象中継装置を経由する前記視聴データの通信量が削減されるように、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第1端末集約処理を実行する端末集約部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
更に好ましくは、上記特徴の視聴設定支援システムは、前記端末集約部が、前記第2端末特定部が特定した前記端末の複数を選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象中継装置に接続された前記端末であって、前記視聴対象端末以外の前記端末から、前記集約対象端末の数以下の数の前記端末を選択可能端末として選択し、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末、及び、前記選択可能端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第1副処理、前記第2端末特定部が特定した前記端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第2副処理、及び、前記第2端末特定部が特定した前記端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記通信量が前記最大通信量未満の前記中継装置に接続された前記端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第3副処理を実行可能に構成され、前記集約対象端末の夫々について、前記第1副処理、前記第2副処理及び前記第3副処理の少なくとも何れか1つを前記第1端末集約処理として実行する。
【0015】
更に好ましくは、上記何れかの特徴の視聴設定支援システムは、前記第1端末特定部による前記第1端末特定処理を実行し、更に、前記第1中継装置特定部による前記第1中継装置特定処理、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理、前記第2端末特定部による前記第2端末特定処理、及び、前記端末集約部による前記第1端末集約処理を、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理において前記集約対象中継装置が特定されなくなるまで、この順に繰り返し実行する。
【0016】
更に好ましくは、上記何れかの特徴の視聴設定支援システムは、前記演算処理手段が、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末に基づいて、前記データ配信サーバが配信する前記視聴データの配信数を求め、前記配信数が、前記データ配信サーバが同時に配信可能な前記視聴データの数である最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定する配信数判定処理を実行する配信数判定部を備え、前記端末集約部が、前記配信数判定部において前記配信数が前記最大視聴データ配信数を上回ると判定された場合に、前記視聴対象端末の1または複数を前記集約対象端末として選択し、前記集約対象端末を視聴する前記ユーザを集約対象ユーザとし、前記配信数が削減されるように、前記集約対象ユーザの夫々について、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第2端末集約処理を実行する。
【0017】
更に好ましくは、上記特徴の視聴設定支援システムは、前記演算処理手段が、前記ユーザ別に、前記視聴データを視聴する優先度の入力を受け付ける優先度取得部を備え、前記端末集約部が、前記優先度取得部が取得した前記優先度に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記視聴対象端末を1つ検索し、前記視聴対象端末が検索された場合は、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定して前記記憶手段に記憶し、前記視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、前記視聴データの視聴対象から除外して前記記憶手段から前記視聴対象外ユーザと前記視聴対象端末の情報を削除する第4副処理、及び、前記優先度取得部が取得した前記優先度に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末の複数を選択して前記集約対象端末とし、前記視聴対象端末以外の前記端末から、前記集約対象端末の数以下の数の前記端末を選択可能端末として選択し、前記集約対象端末を視聴する前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末、及び、前記選択可能端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記視聴対象端末を1つ検索し、前記視聴対象端末が検索された場合は、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定して前記記憶手段に記憶し、前記視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、前記視聴データの視聴対象から除外して前記記憶手段から前記視聴対象外ユーザと前記視聴対象端末の情報を削除する第5副処理を実行可能に構成され、前記配信数判定部が算出した前記配信数が、前記最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定し、前記配信数が前記最大視聴データ配信数を上回ると判定した場合に、前記第4副処理及び前記第5副処理の少なくとも何れか1つを前記第2端末集約処理として実行する。
【0018】
更に好ましくは、上記特徴の視聴設定支援システムは、前記第1端末特定部による前記第1端末特定処理を実行する第1処理と、前記第1中継装置特定部による前記第1中継装置特定処理、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理、前記第2端末特定部による前記第2端末特定処理、及び、前記端末集約部による前記第1端末集約処理を、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理において前記集約対象中継装置が特定されなくなるまで、この順に繰り返し実行する第2処理と、前記配信数判定部による前記配信数判定処理と、前記端末集約部による前記第2端末集約処理を実行する第3処理と、を実行可能に構成され、前記第1処理、前記第2処理及び前記第3処理を、この順に、前記第3処理の前記配信数判定処理において、前記配信数が前記最大視聴データ配信数以下と判定されるまで繰り返し実行する。
【発明の効果】
【0019】
上記特徴の視聴設定支援システムによれば、視聴データを視聴させたい全てのユーザを視聴対象とし、中継装置の通信量を通信品質が維持できる量となるように、ユーザが視聴する端末を変更するように構成したので、通信品質の維持を図りつつ、ユーザの数を最大にすることが可能になる。また、上記特徴の視聴設定支援システムによれば、端末毎に、最大視聴可能人数を設定しているので、比較的多数のユーザが視聴可能な端末と、比較的少数のユーザのみが視聴可能な端末とが混在する環境であっても、通信品質の維持を図りつつ、ユーザの数を最大にすることが可能になる。
【0020】
更に、上記特徴の視聴設定支援システムによれば、ユーザの夫々に対し、自動的に視聴する端末を指定できるので、視聴データの配信を管理する管理者の手間を増大させることがない。
【0021】
上記特徴の視聴設定支援システムにおいて、ユーザ別に優先度を設定するように構成し、優先度の低いユーザを視聴対象から除外するように構成すれば、全ユーザの視聴が可能でない場合であっても、より視聴させたいユーザを優先させて視聴させることが可能になる。例えば、企業等では、過去及び現在の役職や職歴等によって、管理職や視聴データに関連する業務に十時する社員については、優先して視聴させ、その他の社員についてもできるだけ多くの社員が視聴できることが望ましい場合が考えられるが、上記特許文献2に記載の特許文献2に記載の映像配信装置では、先着順に視聴可能となるため、優先度の高いユーザが視聴できなくなる可能性がある。これに対し、上記特徴の視聴設定支援システムにおいて、ユーザ別に優先度を設定するように構成した場合には、優先度の高いユーザをより適切に視聴させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る視聴設定支援システムの概略構成例を示す概略ブロック図である。
【図2】データ配信システムにおける各装置の接続構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明に係る視聴設定支援システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1端末集約処理後の視聴対象端末の設定例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る視聴設定支援システム(以下、適宜「本発明システム」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明システムの実施形態について、図1〜図3を基に説明する。尚、本実施形態では、本発明システム1が所定企業に設置され、社員を視聴データのユーザとする場合について説明する。
【0025】
先ず、本発明システム1の適用対象となるデータ配信システムの構成について、図2を基に説明する。ここで、図2は、データ配信システムの概略構成例を示している。図2に示すように、データ配信システムは、データ配信サーバS、複数の中継装置R、H及び複数の端末Tを備えて構成されている。
【0026】
データ配信サーバSは、本実施形態では、同一時刻に同一の視聴データを600まで配信可能に構成されている場合を想定して説明する。また、視聴データに必要なデータ通信量を0.5[Mbps/端末]として説明する。
【0027】
中継装置R及び中継装置Hは、上記特許文献1に記載された中継装置と同様に、視聴データが配信される際には、視聴データを最優先に処理し、視聴データ以外のデータを制限する制御を行うように構成されている。
【0028】
また、説明のため、図2では、中継装置Rは、データ配信サーバSから端末方向への下り通信量が300[Mbps]のルータを想定しており、中継装置H1〜Hn(nは任意の整数)が接続されている。中継装置H1は、下り通信量が100[Mbps]のスイッチングハブを想定しており、中継装置H11及びH12が接続されている。中継装置H2は、下り通信量が100[Mbps]のスイッチングハブを想定しており、中継装置H21及びH22が接続されている。中継装置H11は、下り通信量が10[Mbps]のスイッチングハブを想定しており、端末T11〜T1x(xは任意の整数)が接続されている。中継装置H12は、下り通信量が10[Mbps]のスイッチングハブを想定しており、端末T21〜T2y(yは任意の整数)が接続されている。中継装置H21は、下り通信量が10[Mbps]のスイッチングハブを想定しており、端末T31〜T3z(zは任意の整数)が接続されている。中継装置H22は、下り通信量が10[Mbps]のスイッチングハブを想定している。
【0029】
更に、図2では、端末T11〜T117、端末T31〜T3zとして、PC等の比較的最大視聴可能人数が少ない端末を想定しており、端末T118〜T1x、端末T21〜T2yとして、会議室等の比較的最大視聴可能人数が多い端末を想定している。
【0030】
〈システム構成〉
先ず、本発明システム1の概略構成例について、図1を基に説明する。
【0031】
本発明システム1は、データ配信サーバSから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データが配信される場合において、視聴データの配信対象となる端末を設定するシステムであり、コンピュータのデータ処理により、前記視聴データの配信対象となる端末を決定する演算処理手段2と、ハードディスク等の不揮発性記憶装置及び演算処理手段2における演算結果や各種DBから取得した情報を一時的に記憶するRAM等で構成される記憶手段20を備えて構成されている。
【0032】
記憶手段20は、視聴データを視聴するユーザ別に、ユーザの位置情報、開始時刻及び終了時刻を含むスケジュール情報を記憶したスケジュールDB21と、端末別に、端末が設置された位置及び最大視聴可能人数を含む端末情報を記憶した端末情報DB22と、データ配信サーバSと端末との間に設置され、視聴データを中継する中継装置の接続情報を記憶した中継装置情報DB23と、を備えて構成されている。
【0033】
スケジュールDB21は、スケジュール情報として、ユーザ別に、ユーザに各別に割り当てられたユーザIDと複数の単位スケジュール情報を記憶している。単位スケジュール情報には、作業内容、作業場所(ユーザの位置情報)、開始予定時刻、終了予定時刻が含まれている。
【0034】
端末情報DB22は、端末情報として、端末別に、端末に各別に割り当てられた端末ID、端末が設置された位置、及び、最大視聴可能人数を予め記憶している。具体的には、最大視聴可能人数は、例えば、PC等の端末の場合は、コンピュータの画面の大きさ等に基づいて設定し、会議室等に設置された音響映像機器等の端末の場合には、設置された会議室の収容可能人数を最大視聴可能人数として設定する。
【0035】
中継装置情報DB23は、接続情報として、中継装置別に、中継装置に各別に割り当てられた装置ID、及び、接続された機器のIDを記憶している。
【0036】
演算処理手段2は、ユーザ別に、スケジュールDB21に記憶されたスケジュール情報から視聴データの配信時刻における位置情報を取得し、取得した位置情報と端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて視聴可能な端末を1つ選択し、選択した端末をユーザの視聴対象端末として記憶手段20に記憶する第1端末特定処理を行う第1端末特定部11と、中継装置情報DB23に記憶された接続情報に基づいて、データ配信サーバSから配信される視聴データの夫々が、記憶手段20に記憶された視聴対象端末に到達するまでに経由する中継装置を特定する第1中継装置特定処理を行う第1中継装置特定部12と、第1中継装置特定部12が特定した中継装置の夫々について、記憶手段20に記憶された視聴対象端末と中継装置情報DB23に記憶された接続情報に基づいて、経由する視聴データの通信量を求め、通信量が中継装置の夫々に設定された最大通信量を上回る中継装置を集約対象中継装置として特定する第2中継装置特定処理を行う第2中継装置特定部13と、中継装置情報DB23に記憶された接続情報に基づいて、記憶手段20に記憶された視聴対象端末から、集約対象中継装置を経由して視聴データが配信される端末を特定する第2端末特定処理を行う第2端末特定部14と、第2端末特定部14が特定した端末の1または複数を選択して集約対象端末とし、集約対象端末を視聴するユーザを集約対象ユーザとし、集約対象中継装置を経由する視聴データの通信量が削減されるように、集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて集約対象ユーザが視聴可能な端末を1つ選択し、選択した端末を、集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定し記憶手段20に記憶する第1端末集約処理を実行する端末集約部15と、を備えている。
【0037】
本実施形態では、演算処理手段2は、更に、記憶手段20に記憶された視聴対象端末に基づいて、データ配信サーバSが配信する視聴データの配信数を求め、配信数が、データ配信サーバSが同時に配信可能な視聴データの数である最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定する配信数判定処理を実行する配信数判定部16、ユーザ別に、視聴データを視聴する優先度の入力を受け付ける優先度取得部17、及び、処理結果を出力する出力部18を備えている。
【0038】
〈本発明システム1の処理動作〉
本発明システム1の処理動作について、図2及び図3を基に説明する。
【0039】
本発明システム1は、先ず、優先度取得部17が、ユーザ別に、視聴データを視聴する優先度の入力を受け付ける(ステップ#10)。ここで、優先度は、例えば、「高」「中」「低」の3段階に設定され、現在及び過去の役職や所属部署、業務内容等に応じて予め設定されている。具体的には、管理職等にあるユーザを優先度「高」とし、管理職以外のユーザで視聴データの内容から視聴が推奨されるユーザを優先度「中」とし、その他のユーザを優先度「低」とする。尚、優先度は、「高」「低」の2つとしても良いし、更に複数に分類しても良い。
【0040】
引き続き、第1端末特定部11が、ユーザが視聴可能な視聴対象端末を選択して記憶手段20に記憶する第1端末特定処理を行う(ステップ#20、第1処理)。
【0041】
具体的には、第1端末特定部11が、ユーザ別に、ユーザIDをキーとしてスケジュールDB21を検索してスケジュール情報を取得し、スケジュール情報から、視聴データの配信時刻が開始時刻と終了時刻の間にある単位スケジュール情報の作業場所をユーザの位置情報として取得する。更に、第1端末特定部11は、端末情報DB22から、端末の設置された位置が、ユーザの位置情報に合致する、或いは、ユーザの位置情報から所定の範囲内にある端末情報を、ユーザが視聴可能な端末の端末情報として取得する。ユーザが視聴可能な端末の端末情報が複数検索された場合には、ユーザの位置から最も近い位置にある端末を、ユーザの視聴対象端末とする。第1端末特定部11は、視聴対象端末を選択すると、ユーザIDと視聴対象端末の端末IDを対応付けて記憶手段20に記憶する。
【0042】
引き続き、本発明システム1は、中継装置の通信量に基づいて端末の集約を行う第2処理を実行する(ステップ#30)。
【0043】
具体的には、先ず、第1中継装置特定部12が、中継装置情報DB23に記憶された接続情報に基づいて、視聴データを中継する中継装置を特定する第1中継装置特定処理を行う(ステップ#31)。具体的には、第1中継装置特定部12は、例えば、図2において、破線内の端末T11〜T117、T21、T31〜T316が視聴対象端末として特定されている場合、端末T11〜T117に配信される視聴データは、端末T11〜T117とデータ配信サーバSの間にある中継装置R、中継装置H1、中継装置H11で中継されることになる。同様にして、端末T21に配信される視聴データは、中継装置R、中継装置H1、中継装置H12で中継され、端末T31〜T316に配信される視聴データは、中継装置R、中継装置H2、中継装置H21で中継されることになる。即ち、図2の場合、中継装置R、中継装置H1、中継装置H2、中継装置H11、中継装置H12、中継装置H21が、視聴データを中継する中継装置として特定される。
【0044】
引き続き、第2中継装置特定部13が、中継する視聴データの通信量が最大通信量を上回る中継装置を集約対象中継装置として特定する第2中継装置特定処理を行う(ステップ#32)。具体的には、図2において、中継装置H11、H12、H21の下り通信量が10[Mbps]となっているので、通信品質の観点から、2割程度のトラフィックの余裕を持たせるとすると、最大通信量は、10[Mbps]×0.8=8[Mbps]となる。ここで、視聴データに必要なデータ通信量を0.5[Mbps/端末]とすると、中継装置H11では、17台の端末T11〜T117が接続されているので、通信量=0.5[Mbps/端末]×17=8.5[Mbps]となり、最大通信量8[Mbps]を上回ることになる。また、中継装置H12では、1台の端末T21が接続されているので、通信量=0.5[Mbps]となり、最大通信量8[Mbps]より小さくなる。同様に、中継装置H21では、16台の端末T31〜T316が接続されているので、通信量=0.5[Mbps/端末]×16=8[Mbps]となり、最大通信量8[Mbps]を上回らない。従って、図2の場合は、中継装置H11が集約対象中継装置として特定される。
【0045】
第2中継装置特定部13による第2中継装置特定処理(ステップ#32)において、集約対象中継装置が特定された場合は(ステップ#33でYES分岐)、第2端末特定部14が、中継装置情報DB23に記憶された接続情報に基づいて、集約対象中継装置を経由して視聴データが配信される視聴対象端末を特定する第2端末特定処理を行う(ステップ#34)。具体的には、図2の場合、集約対象中継装置T11に接続された視聴対象端末T11〜T117が特定される。
【0046】
引き続き、端末集約部15が、集約対象中継装置の通信量を削減するための第1端末集約処理を行う(ステップ#35)。
【0047】
本実施形態では、端末集約部15は、第2端末特定部14が特定した端末の複数を選択して集約対象端末とし、より少ない数の端末に集約する第1副処理、第2端末特定部14が特定した端末の1つを集約対象端末として選択し、集約対象端末を視聴する集約対象ユーザを他の視聴対象端末に振り分ける第2副処理、第2端末特定部14が特定した端末の1つを集約対象端末として選択し、通信量に余裕のある中継装置に接続された端末に振り分ける第3副処理を実行可能に構成され、集約対象端末の夫々について、第1副処理、第2副処理及び第3副処理の少なくとも何れか1つを第1端末集約処理として実行するように構成されている。
【0048】
ここで、集約対象端末の選択は、例えば、第2端末特定部14が特定した端末夫々を視聴するユーザの優先度に基づいて行う。例えば、視聴するユーザ全員の優先度が「低」の端末を、優先的に集約対象端末とする。また、視聴するユーザ全員の優先度が「低」の端末がない場合は、視聴するユーザに優先度「高」のユーザが含まれていない端末を優先的に集約対象端末とする。全ての端末に優先度「高」のユーザがいる場合には、優先度「高」のユーザの人数が少ない端末を優先して集約対象端末とする。尚、優先度を数値化し、数値の合計値や平均値が小さい端末から優先的に集約対象端末とする等、他の方法であっても良い。更に、例えば、視聴するユーザ全員の優先度が「低」の端末が複数ある場合等、優先度によって選択された端末の数が所定数より多い場合には、最大視聴可能人数が少ない端末を優先して選択することが考えられる。最大視聴可能人数が少ない端末を集約対象とすれば、結果的に、最大視聴可能人数が多い端末にユーザが集約されて、視聴データを視聴するユーザ数を増やすことが可能になる。
【0049】
より具体的には、第1副処理では、端末集約部15は、第2端末特定部14が特定した端末の複数を選択して集約対象端末とし、集約対象中継装置に接続された端末であって、視聴対象端末以外の端末から、集約対象端末の数以下の数の端末を選択可能端末として選択し、集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて、集約対象端末以外の視聴対象端末、及び、選択可能端末から、集約対象ユーザが視聴可能な端末を1つ選択して集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定し記憶手段20に記憶する。
【0050】
ここで、選択可能端末は、会議室に設置された映像音響装置等、最大視聴可能人数が多い端末を優先して選択する。このように構成すれば、選択可能端末の最大視聴可能人数と集約対象端末の最大視聴可能人数との差の分、視聴するユーザの数を増やすことができ、より多くのユーザが視聴可能になる。
【0051】
図2の場合、例えば、第2端末特定部14が特定した視聴対象端末T11〜T117の内、視聴対象端末T11及びT12のユーザの優先度が「低」とする。この場合、視聴対象端末T11及びT12を集約対象端末として選択する。更に、端末情報DB22に記憶された端末情報から視聴対象端末T11〜T117の位置情報を取得し、集約対象端末T11及びT12の近傍にあり、且つ、最大視聴可能人数が比較的多い端末を選択可能端末として選択する。ここでは、端末T118を選択可能端末として選択した場合を想定する。そして、視聴対象端末T11及びT12を視聴する集約対象ユーザを、端末T13〜T118の何れかに振り分ける。第1副処理を実行した場合、当該第1副処理後において、集約対象中継装置H11に接続された視聴対象端末の数は、視聴対象端末T13〜T118の16台となり、視聴対象端末の数を削減して、中継する視聴データの通信量を低減できる。
【0052】
また、第2副処理では、端末集約部15は、第2端末特定部14が特定した端末の1つを選択して集約対象端末とし、集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて、集約対象端末以外の視聴対象端末から、集約対象ユーザが視聴可能な端末を1つ選択して集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定し記憶手段20に記憶する。
【0053】
図2の場合、例えば、第2端末特定部14が特定した視聴対象端末T11〜T117から、視聴対象端末T11を集約対象端末として選択した場合、視聴対象端末T11を視聴する集約対象ユーザを、端末T12〜T117の何れかに振り分ける。第2副処理を実行した場合においても、当該第2副処理後において、集約対象中継装置H11に接続された視聴対象端末の数は、視聴対象端末T12〜T117の16台となり、視聴対象端末の数を削減して、中継する視聴データの通信量を低減できる。
【0054】
更に、第3副処理では、端末集約部15は、第2端末特定部14が特定した端末の1つを選択して集約対象端末とし、集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて、通信量が最大通信量未満の中継装置に接続された端末から、集約対象ユーザが視聴可能な端末を1つ選択して集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定し記憶手段20に記憶する。
【0055】
図2の場合、例えば、第2端末特定部14が特定した視聴対象端末T11〜T117から、視聴対象端末T11を集約対象端末として選択した場合、視聴対象端末T11を視聴する集約対象ユーザを、通信量が最大通信量未満である中継装置H12に接続された端末T21〜T2yの何れかに振り分ける。第3副処理を実行した場合においても、第3副処理後において、集約対象中継装置H11に接続された視聴対象端末の数は、視聴対象端末T12〜T117の16台となり、視聴対象端末の数を削減して、中継する視聴データの通信量を低減できる。尚、振り分ける対象とする中継装置は、当該中継装置において通信量が最大通信量未満となるだけでなく、当該中継装置とデータ通信サーバの間に設置された全ての中継装置において、通信量が最大通信量未満の中継装置を選択する。
【0056】
以下、本実施形態では、説明のため、第1副処理を第1端末集約処理(ステップ#35)として実行した場合を想定して説明するが、第1端末集約処理として、第2副処理または第3副処理を実行しても良いし、集約対象端末の選択を異ならせて同じ副処理を複数回実行しても良い。更に、第1副処理、第2副処理及び第3副処理の複数を組み合わせて実行するように構成しても良い。ここで、図4は、第1副処理の実行後における視聴対象端末の設定例を示している。端末集約部15による第1端末集約処理の実行後、再度、第1中継装置特定処理(ステップ#31)に移行する。
【0057】
第2中継装置特定部13による第2中継装置特定処理(ステップ#32)において、集約対象中継装置が特定されなかった場合は(ステップ#33でNO分岐)、第3処理に移行する。例えば、図4の場合、中継装置H11では、16台の端末T13〜T118が接続されているので、通信量=0.5[Mbps/端末]×16=8[Mbps]となり、最大通信量8[Mbps]を上回らない。同様に、中継装置H12の通信量は0.5[Mbps]、中継装置H21の通信量は8[Mbps]であり、最大通信量8[Mbps]を上回らない。また、中継装置H1の通信量は8[Mbps]+0.5[Mbps]=8.5[Mbps]であり、最大通信量100[Mbps]×0.8=80[Mbps]以下となる。同様に、中継装置H2の通信量は8[Mbps]であり、最大通信量80[Mbps]以下となる。中継装置Rの通信量は、8.5[Mbps]+8[Mbps]=16.5[Mbps]であり、最大通信量300[Mbps]×0.8=240[Mbps]以下となる。即ち、図4の場合、全ての中継装置において、通信量が最大通信量以下となり、集約対象中継装置は特定されない。この場合には、第3処理に移行する。
【0058】
第3処理では、本発明システム1は、データ配信サーバSの配信数に基づいて端末の集約を行う(ステップ#40)。
【0059】
先ず、配信数判定部16が、記憶手段20を検索して、記憶された視聴対象端末の数を、データ配信サーバSが配信する視聴データの配信数として求め(ステップ#41、配信数判定処理)、配信数が最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定する(ステップ#42、配信数判定処理)。
【0060】
ステップ#42において、配信数が最大視聴データ配信数を上回ると判定された場合(ステップ#42でYES分岐)、端末集約部15が、記憶手段20に記憶された視聴対象端末の1または複数を集約対象端末として選択し、集約対象端末を視聴するユーザを集約対象ユーザとし、配信数が削減されるように、集約対象ユーザの夫々について、集約対象ユーザが視聴可能な端末を1つ選択し、選択した端末を、集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定し記憶手段20に記憶する第2端末集約処理を実行する(ステップ#43)。
【0061】
本実施形態では、端末集約部15は、優先度取得部17が取得した優先度に基づいて、記憶手段20に記憶された視聴対象端末の1つを選択して集約対象端末とし、集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて、集約対象端末以外の視聴対象端末から、集約対象ユーザが視聴可能な視聴対象端末を1つ検索し、視聴対象端末が検索された場合は、集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定して記憶手段20に記憶し、視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、視聴データの視聴対象から除外して記憶手段20から視聴対象外ユーザと視聴対象端末の情報を削除する第4副処理、及び、優先度取得部17が取得した優先度に基づいて、記憶手段20に記憶された視聴対象端末の複数を選択して集約対象端末とし、視聴対象端末以外の端末から、集約対象端末の数以下の数の端末を選択可能端末として選択し、集約対象端末を視聴する集約対象ユーザの夫々について、端末情報DB22に記憶された端末情報に基づいて、集約対象端末以外の視聴対象端末、及び、選択可能端末から、集約対象ユーザが視聴可能な視聴対象端末を1つ検索し、視聴対象端末が検索された場合は、集約対象ユーザの視聴対象端末として再設定して記憶手段20に記憶し、視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、視聴データの視聴対象から除外して記憶手段20から視聴対象外ユーザと視聴対象端末の情報を削除する第5副処理を実行可能に構成され、配信数判定部16が算出した配信数が、最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定し、配信数が最大視聴データ配信数を上回ると判定した場合に、第4副処理及び第5副処理の少なくとも何れか1つを第2端末集約処理として実行する。
【0062】
尚、集約対象端末の選択は、第1端末集約処理の場合と同じである。
【0063】
ステップ#42において、配信数が最大視聴データ配信数を上回らないと判定された場合(ステップ#42でNO分岐)、出力部18が、処理結果を出力する(ステップ#50)。具体的には、出力部18は、ユーザ別に、視聴対象端末を指定する情報を出力する。また、ステップ#43において、視聴対象外とされたユーザがある場合、当該視聴対象外ユーザについて、視聴対象外となった旨の情報を出力する。尚、例えば、本来の配信時刻より後に、ビデオ放送等、配信予定がある場合には、視聴対象外ユーザについて、他の配信時刻と視聴対象端末を示す情報を出力するように構成しても良い。
【0064】
〈別実施形態〉
上記実施形態では、データ配信サーバSが1台である場合について説明したが、複数台あっても良い。
【0065】
この場合には、配信数判定部16による配信数判定処理を、データ配信サーバS別に行う。また、端末集約部15による第2端末集約処理において、視聴データの配信数が最大視聴データ配信数を上回るデータ配信サーバSのユーザを、配信残数=最大視聴データ配信数−視聴データの配信数が大きいデータ配信サーバSに振り分けるように、ユーザの視聴対象端末を再設定する。
【符号の説明】
【0066】
1 本発明に係る視聴設定支援システム
10 演算処理手段
11 第1端末特定部
12 第1中継装置特定部
13 第2中継装置特定部
14 第2端末特定部
15 端末集約部
16 配信数判定部
17 優先度取得部
18 出力部
20 記憶手段
21 スケジュールDB
22 端末情報DB
23 中継装置情報DB
24 優先度情報DB
S データ配信サーバ
H 中継装置
R 中継装置
T 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ配信サーバから同一時刻に複数の端末に対し同一の視聴データが配信される場合において、前記視聴データの配信対象となる端末を設定する視聴設定支援システムであって、
前記視聴データを視聴するユーザ別に、前記ユーザの位置情報、開始時刻及び終了時刻を含むスケジュール情報を記憶したスケジュールDBと、
前記端末別に、前記端末が設置された位置及び最大視聴可能人数を含む端末情報を記憶した端末情報DBと、
前記データ配信サーバと前記端末との間に設置され、前記視聴データを中継する中継装置の接続情報を記憶した中継装置情報DBと、を備える記憶手段と、
コンピュータのデータ処理により、前記視聴データの配信対象となる端末を決定する演算処理手段と、を備え、
前記演算処理手段が、
前記ユーザ別に、前記スケジュールDBに記憶された前記スケジュール情報から前記視聴データの配信時刻における前記位置情報を取得し、取得した前記位置情報と前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を前記ユーザの視聴対象端末として前記記憶手段に記憶する第1端末特定処理を行う第1端末特定部と、
前記中継装置情報DBに記憶された前記接続情報に基づいて、前記データ配信サーバから配信される前記視聴データの夫々が、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末に到達するまでに経由する前記中継装置を特定する第1中継装置特定処理を行う第1中継装置特定部と、
前記第1中継装置特定部が特定した前記中継装置の夫々について、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末と前記中継装置情報DBに記憶された前記接続情報に基づいて、経由する前記視聴データの通信量を求め、前記通信量が前記中継装置の夫々に設定された最大通信量を上回る前記中継装置を集約対象中継装置として特定する第2中継装置特定処理を行う第2中継装置特定部と、
前記中継装置情報DBに記憶された接続情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末から、前記集約対象中継装置を経由して前記視聴データが配信される前記端末を特定する第2端末特定処理を行う第2端末特定部と、
前記第2端末特定部が特定した前記端末の1または複数を選択して集約対象端末とし、前記集約対象端末を視聴する前記ユーザを集約対象ユーザとし、前記集約対象中継装置を経由する前記視聴データの通信量が削減されるように、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第1端末集約処理を実行する端末集約部と、
を備えることを特徴とする視聴設定支援システム。
【請求項2】
前記端末集約部が、
前記第2端末特定部が特定した前記端末の複数を選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象中継装置に接続された前記端末であって、前記視聴対象端末以外の前記端末から、前記集約対象端末の数以下の数の前記端末を選択可能端末として選択し、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末、及び、前記選択可能端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第1副処理、
前記第2端末特定部が特定した前記端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第2副処理、及び、
前記第2端末特定部が特定した前記端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記通信量が前記最大通信量未満の前記中継装置に接続された前記端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択して前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第3副処理を実行可能に構成され、
前記集約対象端末の夫々について、前記第1副処理、前記第2副処理及び前記第3副処理の少なくとも何れか1つを前記第1端末集約処理として実行することを特徴とする請求項1に記載の視聴設定支援システム。
【請求項3】
前記第1端末特定部による前記第1端末特定処理を実行し、更に、
前記第1中継装置特定部による前記第1中継装置特定処理、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理、前記第2端末特定部による前記第2端末特定処理、及び、前記端末集約部による前記第1端末集約処理を、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理において前記集約対象中継装置が特定されなくなるまで、この順に繰り返し実行することを特徴とする請求項1または2に記載の視聴設定支援システム。
【請求項4】
前記演算処理手段が、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末に基づいて、前記データ配信サーバが配信する前記視聴データの配信数を求め、前記配信数が、前記データ配信サーバが同時に配信可能な前記視聴データの数である最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定する配信数判定処理を実行する配信数判定部を備え、
前記端末集約部が、前記配信数判定部において前記配信数が前記最大視聴データ配信数を上回ると判定された場合に、前記視聴対象端末の1または複数を前記集約対象端末として選択し、前記集約対象端末を視聴する前記ユーザを集約対象ユーザとし、前記配信数が削減されるように、前記集約対象ユーザの夫々について、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記端末を1つ選択し、選択した前記端末を、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定し前記記憶手段に記憶する第2端末集約処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の視聴設定支援システム。
【請求項5】
前記演算処理手段が、前記ユーザ別に、前記視聴データを視聴する優先度の入力を受け付ける優先度取得部を備え、
前記端末集約部が、
前記優先度取得部が取得した前記優先度に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末の1つを選択して前記集約対象端末とし、前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記視聴対象端末を1つ検索し、前記視聴対象端末が検索された場合は、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定して前記記憶手段に記憶し、前記視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、前記視聴データの視聴対象から除外して前記記憶手段から前記視聴対象外ユーザと前記視聴対象端末の情報を削除する第4副処理、及び、
前記優先度取得部が取得した前記優先度に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記視聴対象端末の複数を選択して前記集約対象端末とし、前記視聴対象端末以外の前記端末から、前記集約対象端末の数以下の数の前記端末を選択可能端末として選択し、前記集約対象端末を視聴する前記集約対象ユーザの夫々について、前記端末情報DBに記憶された前記端末情報に基づいて、前記集約対象端末以外の前記視聴対象端末、及び、前記選択可能端末から、前記集約対象ユーザが視聴可能な前記視聴対象端末を1つ検索し、前記視聴対象端末が検索された場合は、前記集約対象ユーザの前記視聴対象端末として再設定して前記記憶手段に記憶し、前記視聴対象端末が検索されない場合は、当該集約対象ユーザを視聴対象外ユーザとし、前記視聴データの視聴対象から除外して前記記憶手段から前記視聴対象外ユーザと前記視聴対象端末の情報を削除する第5副処理を実行可能に構成され、
前記配信数判定部が算出した前記配信数が、前記最大視聴データ配信数を上回るか否かを判定し、前記配信数が前記最大視聴データ配信数を上回ると判定した場合に、前記第4副処理及び前記第5副処理の少なくとも何れか1つを前記第2端末集約処理として実行することを特徴とする請求項4に記載の視聴設定支援システム。
【請求項6】
前記第1端末特定部による前記第1端末特定処理を実行する第1処理と、
前記第1中継装置特定部による前記第1中継装置特定処理、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理、前記第2端末特定部による前記第2端末特定処理、及び、前記端末集約部による前記第1端末集約処理を、前記第2中継装置特定部による前記第2中継装置特定処理において前記集約対象中継装置が特定されなくなるまで、この順に繰り返し実行する第2処理と、
前記配信数判定部による前記配信数判定処理と、前記端末集約部による前記第2端末集約処理を実行する第3処理と、を実行可能に構成され、
前記第1処理、前記第2処理及び前記第3処理を、この順に、前記第3処理の前記配信数判定処理において、前記配信数が前記最大視聴データ配信数以下と判定されるまで繰り返し実行することを特徴とする請求項4または5に記載の視聴設定支援システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−195710(P2012−195710A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57332(P2011−57332)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】