説明

視覚障害者誘導用ブロック、ならびに突起形成体およびブロック体

【課題】人の歩行や車両の乗入によっても剥がれ難い突起形成体およびブロック体、ならびに色彩が施された歩行面に敷設しても視認性が高く景観性を損なうことがない視覚障害者誘導用ブロックを提供する。
【解決手段】天板10と、天板10の縁部から下垂する足部20とを備え、足部20の外側面に圧接突起21が形成されている突起形成体A、および表面に嵌合溝40が形成されているブロック体B、ならびに敷設する歩行面と同系色のブロック体Bにブロック体Bの色に比べてコントラストが強い色の突起形成体Aを嵌着した視覚障害者誘導用ブロックCである。嵌合溝40に足部20を嵌め込むことができ負荷や衝撃がかかっても剥がれ難い。圧接突起21が嵌合溝40の側面を圧接し剥がれ難くい。色彩が施された歩行面にブロック体Bを敷設しても景観性を損なうことがない。突起形成体Aの視認性が高く誘導しやすい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者誘導用ブロック、ならびに突起形成体およびブロック体に関する。さらに詳しくは、視覚障害者を誘導し歩行を補助するために歩行面に敷設される視覚障害者誘導用ブロック、ならびにその視覚障害者誘導用ブロックに用いられる突起形成体およびブロック体に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者を誘導し警告を促して歩行を補助するために、線状あるいは点状の突起を有する視覚障害者誘導用ブロックを歩行面に敷設することが行われている。
視覚障害者誘導用ブロックとしてブロックの表面に突起を一体に形成したものを用いて、それを歩行面に敷設する方法があるが、こうしたブロックによらずに、歩行面に直接突起を敷設する方法もある。
【0003】
特許文献1に記載の突起ユニットは、一対の棒状支持体と、一又は二以上の突起形成体とを備えており、突起形成体は一端部を一対の棒状支持体の一方への連接部とし、かつ、他端部を一対の棒状支持体の他方への連接部として、この一対の棒状支持体間に架け渡し状に備えられる。また突起形成体は、その裏面を接着剤により歩行面に接着される接着面としていると共に、連接部において、突起形成体と棒状支持体とを切り離し可能に構成してある。
これにより、この突起ユニットは、棒状支持体を把持した状態で突起形成体の接着面を下にして歩行面に配置させると共に、接着剤により接着面を歩行面に接着させることにより、突起形成体を歩行面の所定の位置に、容易に止着させることができる。そして、この止着の後、連接部において突起形成体と棒状支持体とを切り離すことによって、歩行面に直接突起を形成させることができる。
【0004】
しかるに、特許文献1に記載の突起ユニットは、突起形成体の裏面を接着剤で歩行面に接着させるだけであるので、人の歩行などにより負荷がかかったり、靴先で蹴ったり、あるいは車両が乗入れたりすると剥がれてしまうことが多いという問題がある。
【0005】
また、従来の視覚障害者誘導用ブロックはブロック全体を黄色としたものであった。これは、視覚障害者および健常者にとって、灰色であるアスファルトなどの路面に対して視覚障害者誘導用ブロックの視認性を高めるためである。
【0006】
しかるに、視覚障害者の行動範囲が広くなるにつれて、視覚障害者誘導用ブロックはアスファルトなどの路面だけではなく、ビルなどの屋内にも敷設することが要求されている。ビルなどの屋内では、カラータイルなどにより歩行面に色彩が施されている場合があるが、このような歩行面に黄色の視覚障害者誘導用ブロックを敷設したのではかえって視認性が低くなる場合もあるし、景観性を損なってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−138085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、人の歩行や車両の乗入によっても剥がれ難い突起形成体およびブロック体、ならびに色彩が施された歩行面に敷設しても視認性が高く景観性を損なうことがない視覚障害者誘導用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の突起形成体は、視覚障害者を誘導し警告を促すために敷設される突起形成体であって、天板と、該天板の縁部から下垂する足部とを備えることを特徴とする。
第2発明の突起形成体は、第1発明において、前記足部の外側面に圧接突起が形成されていることを特徴とする。
第3発明の突起形成体は、第1または第2発明において、前記天板の裏面に接着溝が形成されていることを特徴とする。
第4発明の突起形成体は、第1,第2または第3発明において、前記天板の表面に滑り止めの凹凸が形成されていることを特徴とする。
第5発明の突起形成体は、第1,第2,第3または第4発明において、前記突起形成体が棒状であり、複数の短尺棒状突起形成体に区分されており、該短尺棒状突起形成体の先端同士が薄肉の連結部で連結されていることを特徴とする。
第6発明のブロック体は、第1,第2,第3,第4または第5発明の突起形成体を嵌着するためのブロック体であって、表面に前記突起形成体の足部が嵌る嵌合溝が形成されていることを特徴とする。
第7発明のブロック体は、第6発明において、前記ブロック体の表面に粗面加工が施されていることを特徴とする。
第8発明の視覚障害者誘導用ブロックは、第6または第7発明のブロック体に第1,第2,第3,第4または第5発明の突起形成体を嵌着した視覚障害者誘導用ブロックであって、前記ブロック体の色は敷設する歩行面と同系色であり、前記突起形成体の色は前記ブロック体の色に比べてコントラストが強い色であることを特徴とする
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、天板の縁部から下垂する足部を備えているので、ブロック体や歩行面に形成された嵌合溝に足部を嵌め込むことができ、人の歩行や車両乗入時の負荷や衝撃がかかっても剥がれ難い。
第2発明によれば、足部の外側面に圧接突起が形成されているので、圧接突起が嵌合溝の側面を圧接し、より剥がれ難くなる。
第3発明によれば、天板の裏面に接着溝が形成されているので、接着溝に接着剤が入り接着剤との接触面積が増し、突起形成体をブロック体や歩行面に強固に接着することができる。
第4発明によれば、天板の表面に滑り止めの凹凸が形成されているので、突起形成体と靴底との間の摩擦が増し、滑り止めとなる。
第5発明によれば、短尺棒状突起形成体の先端同士が薄肉の連結部で連結されているので、連結部を曲げることにより突起形成体を屈曲させることができ、ブロック体や歩行面が屈曲している場合であっても、天板を密着して敷設することができる。
第6発明によれば、表面に突起形成体の足部が嵌る嵌合溝が形成されているので、嵌合溝に足部を嵌め込むことで突起形成体をブロック体に嵌着し、視覚障害者誘導用ブロックとすることができる。
第7発明によれば、ブロック体の表面に粗面加工が施されているので、歩行面に敷設した際の景観性が良くなる。
第8発明によれば、ブロック体の色は敷設する歩行面と同系色であるので、色彩が施された歩行面に敷設しても景観性を損なうことがない。また、突起形成体の色はブロック体の色に比べてコントラストが強い色であるので、突起形成体の視認性が高く誘導しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る突起形成体Aを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図2】同突起形成体Aを示し、(A)は図1(B)におけるIIa−IIa線断面図、(B)は図1(B)におけるIIb−IIb線断面図、(C)は底面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るブロック体Bを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る突起形成体Aのブロック体Bへの嵌着の説明図であり、(A)は突起形成体Aを設置した状態、(B)は突起形成体Aを圧着した状態である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る視覚障害者誘導用ブロックCを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る突起形成体Dを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図7】同突起形成体Dを示し、(A)は図6(A)におけるVIIa−VIIa線断面図、(B)は図1(A)におけるVIIb−VIIb線断面図、(C)は底面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るブロック体Eを示し、(A)は平面図、(B)は側面片側B-B線断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る突起形成体Dのブロック体Eへの嵌着の説明図であり、(A)は突起形成体Dを設置した状態、(B)は突起形成体Dを圧着した状態である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る視覚障害者誘導用ブロックFを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る突起形成体Aは平面視棒状をしており、これを複数本平行に敷設して、移動方向を指示するための線状突起とするためのものである。
より詳細には、突起形成体Aは平板状であって平面視長尺の長方形をしており、JIS T9251(視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列)に定められた線状突起の寸法を有している。
【0013】
図2(A)に示すように、突起形成体Aは、歩行者の靴底と接する天板10と、天板10の長尺の縁部から下垂する足部20とから形成されており、断面形状は門形をしている。また足部20の外側面には、長手方向に線状に延びる圧接突起21が形成されている。
また、天板10の表面には滑り止めの円柱突起11が形成されている。これにより、突起形成体Aを敷設した場合に、靴底との間の摩擦が増し、滑り止めとなる。
さらに、図2(C)に示すように、天板10の裏面には複数本の接着溝12が縦横に形成されている。
【0014】
図1(A)に示すように、突起形成体Aは、突起形成体Aの3分の1の長さを有する短尺棒状突起形成体30に3区分されており、中央の短尺棒状突起形成体30とその両端の短尺棒状突起形成体30とは、先端同士が薄肉の連結部31で連結された形状をしている。
より詳細には、図2(B)に示すように、連結部31は足部20の天板10との付け根部分において、短尺棒状突起形成体30同士を連結しており、図1(B)に示すように、連結部31の上下は切欠きが形成されている。そのため、突起形成体Aは連結部31を上下に曲げることにより屈曲させることができるようになっている。
【0015】
突起形成体Aは、プラスチック材料を用いた射出成形により成形されるほか、敷設する歩行面に合わせてセラミックスやステンレスなどから成形される。ただし、連結部30で屈曲させる場合には可撓性の材料から成形する必要がある。
【0016】
突起形成体Aを用いて視覚障害者誘導用ブロックを構成するために、図3に示すようなブロック体Bが用いられる。
ブロック体Bは、コンクリートなどから成形される平面視矩形のブロックである。ブロック体Bの平面には突起形成体Aの足部20が嵌る嵌合溝40が複数本形成されている。足部20は突起形成体Aの断面形状が門形となるように天板10に対して2本形成されているので、その2本の足部20の間隔に合わせて、対となる嵌合溝20の間隔が設定されている。さらに、本実施形態のブロック体Bには、突起形成体Aが平行に4本嵌着できるように、所定間隔を隔てて計8本の嵌合溝40が形成されている。なお、平行に嵌着される突起形成体AがJIS T9251に定められた線状突起の配列となるように、嵌合溝40の間隔が設定されている。
【0017】
嵌合溝40の深さは、足部20が全て嵌り、天板10の裏面がブロック体Bの表面に接するのに十分な深さである。
また、嵌合溝40は、平面が平らなブロック体Bを成形した後にグラインダーなどで切削して形成してもよいし、成形型に予め溝を設けておきブロック体Bの成形と同時に形成してもよい。
【0018】
なお、ブロック体Bの表面に研磨加工、ショットブラスト加工、洗い出し加工などの粗面加工を施せば、ブロック体Bを歩行面に敷設した際の景観性が良くなる。この祖面加工は下記の突起形成体Aのブロック体Bへの嵌着の前に行うのは言うまでもない。
【0019】
突起形成体Aのブロック体Bへの嵌着は以下の工程で行う。
(1)接着剤塗布
まず、図4(A)に示すように、ブロック体Bの表面であって対となる嵌合溝40の間部分に接着剤Sを塗布する。
【0020】
(2)突起形成体設置
つぎに、足部20を嵌合溝40に合わせて、突起形成体Aを配置し、位置を調整する。この段階では圧接突起21が嵌合溝40の側面に引っ掛かり、足部20が嵌合溝40に嵌りきらず、突起形成体Aが浮いた状態となっている。また、こうなるように対となる嵌合溝40の間隔が設定されている。
【0021】
(3)突起形成体圧着
つぎに、突起形成体Aをハンマーなどで叩き込むことにより、突起形成体Aとブロック体Bとを圧着する。このとき、図4(B)に示すように、足部20が若干内側に撓んで圧接突起21が嵌合溝40の側面に当たるようになるため、足部20の弾性力により圧接突起21が嵌合溝40の側面を圧接して、突起形成体Aがブロック体Bから剥がれ難くなる。また、天板10の裏面の接着溝12に接着剤Sが入り、接着剤Sとの接触面積が増すので、突起形成体Aとブロック体Bとを強固に接着することができる。このため、人の歩行や車両乗入時の負荷や衝撃がかかっても突起形成体Aはブロック体Bから剥がれ難い。
【0022】
以上の工程により、突起形成体Aをブロック体Bに嵌着することで、図5に示すような視覚障害者誘導用ブロックCとすることができる。視覚障害者誘導用ブロックCは、線状突起を有し、移動方向を指示するための誘導ブロック(線状ブロック)となる。
【0023】
視覚障害者誘導用ブロックCにおいて、ブロック体Bの色を敷設する歩行面と同系色とすれば、色彩が施された歩行面に敷設しても景観性を損なうことがない。また、突起形成体Aの色をブロック体Bの色に比べてコントラストが強い色とすれば、突起形成体Aの視認性を高くし誘導しやすくすることができる。
突起形成体Aとブロック体Bとは別々に製造し、施工現場で色を選択できるので、このような色の調整を図ることが容易となる。
【0024】
なお、突起形成体Aはブロック体Bに嵌着する以外にも、歩行面に直接嵌合溝を切削し、その嵌合溝に嵌着するようにしてもよい。
また、屈曲した歩行面に敷設する場合には、連結部31を曲げることにより突起形成体Aを屈曲させることができるので、屈曲したブロック体を使用する場合でも、歩行面に直接敷設する場合でも、天板10を密着して敷設することができる。
【0025】
一般に、プラスチック成形品は反りが生じる場合があるが、突起形成体Aに反りが生じた場合でも、連結部31が曲がることによりその反りを打ち消すことができるので、ブロック体Bに密着して敷設することができる。
【0026】
突起形成体Aをセラミックスなどの硬質の材料から成形する場合は、上述のごとくブロック体Bへの嵌着において足部20を撓ませることができない。この場合には、圧接突起21を設けない形態とし、代わりに足部20と嵌合溝40とを接着剤Sで接着することが好ましい。
【0027】
(第2実施形態)
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る突起形成体Dは平面視円状をしており、これを格子状に敷設することにより、注意を喚起する位置を示すための点状突起とするためのものである。より詳細には、突起形成体Dは平板状であって平面視円形をしており、JIS T9251に定められた点状突起の寸法を有している。なお、図6から図10では、第1実施形態に係る突起形成体Aの各部位と対応する部位について同一符号を付している。
【0028】
図7(A)、(B)に示すように、突起形成体Dは、歩行者の靴底と接する天板10と、天板10の周縁部から下垂するスカート状の足部20とから形成されている。また足部20の外周面には、周方向に線状に延びる圧接突起21が形成されている。
また、天板10の表面には滑り止めの円柱突起11が形成されている。これにより、突起形成体Dを敷設した場合に、靴底との間の摩擦が増し、滑り止めとなる。
さらに、図7(C)に示すように、天板10の裏面には複数本の接着溝12が形成されている。
【0029】
突起形成体Dも突起形成体Aと同様に、プラスチック材料を用いた射出成形により成形されるほか、敷設する歩行面に合わせてセラミックスやステンレスなどから成形される。
【0030】
突起形成体Dを用いて視覚障害者誘導用ブロックを構成するために、図8に示すようなブロック体Eが用いられる。
ブロック体Eは、コンクリートなどから成形される平面視矩形のブロックである。ブロック体Eの平面には突起形成体Dの足部20が嵌る円形の嵌合溝40が格子状に形成されている。なお、嵌合溝40の格子の間隔はJIS T9251に定められた点状突起の配列となるように設定されている。
【0031】
嵌合溝40の深さは、足部20が全て嵌り、天板10の裏面がブロック体Eの表面に接するのに十分な深さである。
また、嵌合溝40は、平面が平らなブロック体Eを成形した後にホールソーなどで切削して形成してもよいし、成形型に予め溝を設けておきブロック体Eの成形と同時に形成してもよい。
【0032】
なお、ブロック体Eの表面に研磨加工、ショットブラスト加工、洗い出し加工などの粗面加工を施せば、ブロック体Eを歩行面に敷設した際の景観性が良くなる。この祖面加工は下記の突起形成体Dのブロック体Eへの嵌着の前に行うのは言うまでもない。
【0033】
突起形成体Dのブロック体Eへの嵌着は以下の工程で行う。
(1)接着剤塗布
まず、図9(A)に示すように、ブロック体Eの表面であって円形の嵌合溝40の内側に接着剤Sを塗布する。
【0034】
(2)突起形成体設置
つぎに、足部20を嵌合溝40に合わせて、突起形成体Dを配置し、位置を調整する。この段階では圧接突起21が嵌合溝40の側面に引っ掛かり、足部20が嵌合溝40に嵌りきらず、突起形成体Dが浮いた状態となっている。また、こうなるように嵌合溝40の外径が設定されている。
【0035】
(3)突起形成体圧着
つぎに、突起形成体Dをハンマーなどで叩き込むことにより、突起形成体Dとブロック体Eとを圧着する。このとき、図9(B)に示すように、足部20が若干内側に撓んで圧接突起21が嵌合溝40の側面に当たるようになるため、足部20の弾性力により圧接突起21が嵌合溝40の側面を圧接して、突起形成体Dがブロック体Eから剥がれ難くなる。また、天板10の裏面の接着溝12に接着剤Sが入り、接着剤Sとの接触面積が増すので、突起形成体Dとブロック体Eとを強固に接着することができる。このため、人の歩行や車両乗入時の負荷や衝撃がかかっても突起形成体Dはブロック体Eから剥がれ難い。
【0036】
以上の工程により、突起形成体Dをブロック体Eに嵌着することで、図10に示すような視覚障害者誘導用ブロックFとすることができる。視覚障害者誘導用ブロックFは、点状突起を有し、注意を喚起する位置を示すための警告ブロック(点状ブロック)となる。
【0037】
視覚障害者誘導用ブロックFにおいて、ブロック体Eの色を敷設する歩行面と同系色とすれば、色彩が施された歩行面に敷設しても景観性を損なうことがない。また、突起形成体Dの色をブロック体Eの色に比べてコントラストが強い色とすれば、突起形成体Dの視認性を高くし誘導しやすくすることができる。
突起形成体Dとブロック体Eとは別々に製造し、施工現場で色を選択できるので、このような色の調整を図ることが容易となる。
【0038】
なお、突起形成体Dはブロック体Eに嵌着する以外にも、歩行面に直接嵌合溝を切削し、その嵌合溝に嵌着するようにしてもよい。
【0039】
突起形成体Dをセラミックスなどの硬質の材料から成形する場合は、上述のごとくブロック体Dへの嵌着において足部20を撓ませることができない。この場合には、圧接突起21を設けない形態とし、代わりに足部20と嵌合溝40とを接着剤Sで接着することが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
A,D 突起形成体
B,E ブロック体
C,F 視覚障害者誘導用ブロック
10 天板
11 円柱突起
12 接着溝
20 足部
21 圧接突起
40 嵌合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚障害者を誘導し警告を促すために敷設される突起形成体であって、
天板と、該天板の縁部から下垂する足部とを備える
ことを特徴とする突起形成体。
【請求項2】
前記足部の外側面に圧接突起が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の突起形成体。
【請求項3】
前記天板の裏面に接着溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の突起形成体。
【請求項4】
前記天板の表面に滑り止めの凹凸が形成されている
ことを特徴とする請求項1,2または3記載の突起形成体。
【請求項5】
前記突起形成体が棒状であり、
複数の短尺棒状突起形成体に区分されており、
該短尺棒状突起形成体の先端同士が薄肉の連結部で連結されている
ことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の突起形成体。
【請求項6】
請求項1,2,3,4または5記載の突起形成体を嵌着するためのブロック体であって、
表面に前記突起形成体の足部が嵌る嵌合溝が形成されている
ことを特徴とするブロック体。
【請求項7】
前記ブロック体の表面に粗面加工が施されている
ことを特徴とする請求項6記載のブロック体。
【請求項8】
請求項6または7記載のブロック体に請求項1,2,3,4または5記載の突起形成体を嵌着した視覚障害者誘導用ブロックであって、
前記ブロック体の色は敷設する歩行面と同系色であり、
前記突起形成体の色は前記ブロック体の色に比べてコントラストが強い色である
ことを特徴とする視覚障害者誘導用ブロック。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−137323(P2011−137323A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297373(P2009−297373)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000230836)日本興業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】