説明

観察装置

【課題】本発明は、透明な被観察物を広視野で観察するのに適した観察装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の観察装置は、被観察物(10)から射出した光を結像する結像光学系(12)と、前記結像光学系(12)が形成した前記被観察物(10)の像を撮像する撮像手段(11)と、明部と暗部とを繰り返し配置してなる面光源で前記被観察物(10)を照明する照明手段(14,15)とを備えたことを特徴とする。面光源の位置と明暗のピッチとが適正に設定されれば、被観察物(10)の各部分領域は、面光源の各明部により小角度で斜光照明される。よって、撮像手段(11)は、各部分領域の暗視野観察像を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明な被観察物を観察するための観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
培養容器中の細胞などの透明試料の観察には、その屈折率分布を可視化することのできる位相差観察が適している(非特許文献1,2など)。肉眼で観察することのできない透明試料は、試料全域の大まかな様子を確認するだけであっても、顕微鏡又は何らかの光学系が必要である。
【非特許文献1】小松啓,「光学顕微鏡の基礎と応用(3)」,応用物理,第60巻 ,第19号,1991年, p1032−p1034
【非特許文献2】小松啓,「光学顕微鏡の基礎と応用(4)」,応用物理,第60巻 ,第11号,1991年, p1136−p1138
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、培養容器の全域を一括して観察できるほど広視野の位相差顕微鏡は現存せず、仮にそれを実現しようとすると、特大の位相差結像光学系、特大の輪体照明光学系を要するので、極めて高コストである。
また、試料全域の大まかな様子を確認するだけであれば、位相差観察の代わりに暗視野観察を適用することも考えられる。暗視野観察は、試料中の屈折率の段差で生じた微弱な回折光(散乱光)を捉え、その回折光のみで観察像を形成するものである。
【0004】
しかし、暗視野顕微鏡を広視野化すると、照明角度が大きくなり、試料から大角度で射出した極めて微弱な回折光でしか観察像を形成できなくなるので、その明るさが著しく不足する。また、照明角度が大きいと、培養容器の縁や底などで生じた強い光が結像光学系に入射し、観察の障害となる可能性もある。
そこで本発明は、透明な被観察物を広視野で観察するのに適した観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の観察装置は、明部と暗部とを繰り返し配置してなる面光源で被観察物を照明する照明手段と、前記照明手段により照明された前記被観察物を透過した光を結像する結像光学系と、前記結像光学系が形成した前記被観察物の像を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする。
なお、前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の物体側開口数NAに対し、P/d≦√[2{1−0.02/(NA2)}]の式を満たすことが望ましい。
【0006】
また、前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の像側開口数NA’に対し、P/d≦2・NA’の式を満たすことが望ましい。
また、前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の物体側開口数NA、前記面光源の波長λ、前記結像光学系の像側主面と前記撮像手段との間隔aに対し、λ/(2・a・NA)≦P/dの式を満たすことが望ましい。
【0007】
また、前記照明手段には、略一様な強度で発光する面光源と、前記面光源上に配置され、かつ開口部と遮光部とを繰り返し配置してなるマスクとが備えられてもよい。
また、前記照明手段には、液晶空間変調素子が備えられてもよい。
また、本発明の観察装置は、前記撮像手段が取得した前記被観察物の画像から、前記面光源の像の成分を除去する画像処理手段を更に備えてもよい。
【0008】
また、本発明の観察装置は、前記面光源の明暗の位相を変化させる手段を更に備えてもよい。
また、本発明の観察装置は、前記面光源の明暗のピッチを変化させる手段を更に備えてもよい。
また、本発明の観察装置は、前記面光源の明暗のデューティー比を変化させる手段を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、透明な被観察物を広視野で観察するのに適した観察装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態を説明する。本実施形態は、観察装置の実施形態である。
図1は、本観察装置の全体構成図である。図1に示すとおり、本観察装置には、バックライト付きの透過型液晶パネル14、ステージ(標本台)13、結像光学系12、撮像素子11、透過型液晶パネルのコントローラ15、コンピュータ16、ディスプレイ17などが備えられる。
【0011】
ステージ13には、透明な被観察物10が載置されている。被観察物10は、例えば、無染色の細胞が収められた透明な培養容器(例えば、径35mmのシャーレなど)である。
透過型液晶パネル14は、被観察物10の略全域を照明する。その照明光が遮られないように、ステージ13のうち被観察物10を載置した部分は、例えば、ガラス等の透明部材で構成されるか、或いは中空となっている。
【0012】
結像光学系12の視野は十分に大きく、被観察物10の略全域から射出した光は、結像光学系12によって捉えられ、撮像素子11の撮像面上に結像する。撮像素子11は、コンピュータ16からの指示に応じて撮像面上の画像(輝度分布)を取得する。その画像は、コンピュータ16へ取り込まれ、画像処理が施された後にディスプレイ17上へ表示される。
【0013】
なお、コンピュータ16は、画像処理前の画像や画像処理後の画像を必要に応じて保存することができる。また、画像処理前の画像を必要に応じてディスプレイ17へ表示することができる。
ここで、コントローラ15は、コンピュータ16からの指示に応じて、透過型液晶パネル14上に、明部と暗部とを繰り返し配置してなるパターンを表示する。ここでは、このパターンをストライプパターンとする。このとき、透過型液晶パネル14上に、ストライプ状の面光源が形成される。
【0014】
この面光源の明暗のピッチPは、観察対象である位相物体(細胞)のサイズ(10〜15μm)と比較して十分に大きく、この面光源から被観察物10までの間隔dは、面光源が結像光学系12の被写界深度から外れるよう、適度に離れている。そして、ピッチPと間隔dとの関係は、以下の3条件を満たすように設定される。
(条件1)…面光源の暗部に正対する被観察物10上の部分領域から見ると、その暗部の両側の2つの明部の張る角度は、十分に小さい。
(条件2)…面光源の明暗の双方が、結像光学系12の視野内に確実に存在する。
(条件3)…面光源の明暗の存在が、撮像素子11上で確実に認識できる。
【0015】
これら条件1,2,3の詳細は、後述する。
特に、ここでは、面光源の明暗の数十ピッチが結像光学系12の視野内に存在し、面光源の明部の幅と暗部の幅との比(デューティー比)が50%であるとする。また、ここでは、撮像素子11上の面光源像が適度にボケており、面光源像のピッチ方向の輝度分布カーブが正弦波を描くものとする。すなわち、観察面10a上では面光源像の照度が略均一になっている。なお、透過型液晶パネル14上の表示パターンには、二値のパターンとグレースケールパターンとの何れが採用されてもよい。
【0016】
図2は、本観察装置の光学系部分の作用を説明する概念図である。図2には、本観察装置の光学系部分の概念を示した。
先ず、面光源上の或る暗部14Aと、その暗部14Aに正対する被観察物10上の部分領域10Aとに着目して説明する。
この部分領域10Aには、暗部14Aに隣接する2つの明部14B,14Cからの光LB,LCが入射する。暗部14Aからは光が入射しない。よって、部分領域10Aは、光LB,LCで斜光照明される。
【0017】
その部分領域10Aでは、入射した光LB,LCの一部が回折せずにそのまま透過するが、光LB,LCの他の一部は、部分領域10A中の屈折率の段差の影響を受けて回折(或いは散乱)する。この部分領域10Aをそのまま透過した非回折光LB,LCは、結像光学系12への瞳へ入射しないが、部分領域10Aで発生した一部の回折光(或いは散乱光)Lb,Lcは、結像光学系12の瞳へ入射する。
【0018】
このとき、部分領域10Aと共役関係にある撮像素子11上の領域11Aには、暗部14Aの像と、部分領域10Aに存在した位相物体の輪郭の像(以下、「観察像」という。)とが重畳して形成される。つまり、部分領域10Aの暗視野像が形成される。
ここで、部分領域10Aから見ると、2つの明部14B,14Cの張る角度は、十分に小さい。よって、光LB,LCによる領域10Aの照明角度も、十分に小さい。このとき、部分領域10Aの観察像は、小角度で射出した大強度の回折光Lb,Lcによって生成されることになる。よって、部分領域10Aの観察像の明るさは、十分に高い。
【0019】
また、以上のことは、各暗部に正対する被観察物10の各領域についてそれぞれ当てはまる。したがって、撮像素子11によって取得される画像I1は、図3に示すとおり、ストライプ状の暗い背景上に観察像が重畳したものとなる。なお、図3では、面光源像の明暗部の境界をシャープに表したが、実際にはぼけている。
この画像I1をコンピュータ16がディスプレイ17に表示すれば、被観察物10の様子をユーザが簡易に観察することができる。
【0020】
但し、この画像I1に現れているのは、被観察物10の略半分の領域の観察像のみ(暗部に正対する領域の観察像のみ)である。しかも、その観察像の背景は、完全な暗部ではなく正弦波状の輝度分布を持つので、観察像のコントラストは低い。
そこで、本観察装置のコンピュータ16は、被観察物10の略全域を、しかも高コントラストに観察できるよう、以下の各手順を実行する。
(手順1)…透過型液晶パネル14上にストライプ状の面光源(デューティー比50%)を表示し、その状態で図3に示すような画像I1を取得する。
(手順2)…その面光源の明暗の位相をπだけシフトさせ、その状態で図4に示すような画像I2を取得する。この画像I2には、画像I1とは異なる領域の観察像が現れている。これら画像I1,I2の明暗のピッチ方向の輝度分布の概念を、図5(a)に示した。
(手順3)…図5(a)→(b)に示すとおり、画像I1,I2を個別に空間フーリエ変換し、画像I1を空間周波数成分毎に表すデータD1と、画像I2を空間周波数成分毎に表すデータD2とを得る。これらのデータD1,D2において、低周波数側の大きいピークが面光源像の成分であり、高周波数側の複数の小さいピークが観察像の成分である。
(手順4)…図5(b)→(c)に示すとおり、データD1,D2の各々から面光源像の成分を除去し、データD1’,D2’を取得する。
(手順5)…図5(c)→(d)に示すとおり、データD1’,D2’を個別に逆フーリエ変換し、画像I1’,I2’を得る。これらの画像I1,I2では、面光源像が除去されており、観察像のみが現れている。
(手順6)…図5(d)→(e)に示すとおり、画像I1’,I2’を合成して1つの画像Iを取得する。この画像Iが、ディスプレイ17へ表示される。
【0021】
この画像Iには、被観察物10の略全域の観察像が現れており、その観察像の背景は真っ暗である。したがって、ユーザは、被観察物10の略全域を、高いコントラストで暗視野観察することができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、コンピュータ16による処理の手順にある。本実施形態の手順は、以下のとおりである。
(手順1)…透過型液晶パネル14上にストライプ状の面光源(デューティー比50%)を表示し、その状態で図6(a)に示すような画像I1を取得する。
(手順2)…面光源の明暗の位相を2π/3だけシフトさせ、その状態で図6(b)に示すような画像I2を取得する。
(手順3)…面光源の明暗の位相をさらに2π/3だけシフトさせ、その状態で図6(c)に示すような画像I3を取得する。
(手順4)…画像I1,I2,I3を画素毎に以下の演算式(1)に当てはめて、図6(d)に示すような1つの画像Iを取得する。
【0022】
I=√[(I1−I22+(I2−I32+(I3−I12] …(1)
この画像Iには、被観察物10の略全域の観察像が現れており、その観察像の背景は、一様な明るさである。コンピュータ16は、その背景を真っ暗にするために、画像Iから空間周波数がゼロの成分(0次成分)を除去し、除去後の画像をディスプレイ17へ表示する。
【0023】
除去後の画像には、被観察物10の略全域の観察像が現れており、その観察像の背景は真っ暗である。したがって、ユーザは、被観察物10の略全域を、高いコントラストで暗視野観察することができる。
なお、本実施形態では、演算式(1)に代えて簡単な演算式(1’)を用いることもできる。
【0024】
I=I1+I2+I3 …(1’)
[条件1,2,3について]
以下、条件1,2,3の詳細を説明する。
図7は、条件1,2,3を説明する図である。図7において符号11aは、撮像素子11の撮像面であり、符号10aは、結像光学系12の焦点面(=観察面)であり、符号14aは、面光源の形成面(=光源面)である。
【0025】
(条件1について)
先ず、観察面10aから見て暗部14Aと明部14Cとの張る角度を、θとおく。この角度θは、観察面10aを照明する2つの光LC,LBの入射角度に相当する。
このとき、観察面10aから結像光学系12の瞳へと入射可能な回折光Lc,Lbの回折角度は、下式(2),(3),(4)を同時に満たすような角度ξである。
【0026】
cosξ=cosθ・cosρ+sinθ・sinρ・cosφ …(2)
0≦ρ≦NA …(3)
0≦φ≦2π …(4)
但し、NAは、結像光学系12の物体側開口数であり、十分に小さいとみなして近似することが可能である。
【0027】
これらの式(2),(3),(4)より、観察面10aを照明する光LC,LBの光量を基準とした回折光Lc,Lbの光量比Rは、式(5)で表される。
R=(1/2)・∫cosξ・dρ・dφ
=(1/2)・NA2・cosθ …(5)
この光量比Rが十分に高ければ、観察像の明るさが十分に確保される。そのために光量比Rは、少なくとも以下の式(6)を満たす必要がある。
【0028】
R≧0.01 …(6)
この式(6)へ式(5)を代入すると、式(7)が得られる。
(1/2)・NA2・cosθ≧0.01 …(7)
ここで、角度θは、光源面14aから観察面10aまでの間隔dと、面光源の明暗のピッチPとによって、以下の式(8)で与えられる。但し、θは小さいとみなして近似した。
【0029】
θ=(P/2)/d …(8)
この式(8)を式(7)へ代入すると、式(9)が得られる。但し、θは十分に小さいとみなして近似した(cosθ≒1−θ2/2の近似式を使用)。
P/d≦√[2{1−0.02/(NA2)}] …(9)
この式(9)が、条件1に対応する条件式である。
【0030】
(条件2について)
先ず、光源面14aのうち、結像光学系12の視野に収まる領域の幅Zは、結像光学系12の像側開口数をNA’とおくと、式(10)で表される。
Z=2・NA’×d …(10)
また、光源面14a上の幅Z内の領域に1ピッチ以上の明暗が存在するためには、式(11)が満たされる必要がある。
【0031】
P≦Z …(11)
この式(11)へ式(10)を代入すると、式(12)が得られる。
P/d≦2NA’ …(12)
この式(12)が、条件2に対応する条件式である。
(条件3について)
先ず、光源面14a上の明暗が撮像面11a上で解像されるためには、結像光学系12の倍率M、光源波長λに対し、式(13)が満たされる必要がある。
【0032】
P・M≧λ/(2・NA) …(13)
また、結像光学系12の倍率Mは、結像光学系12の像側主面から撮像面11aまでの間隔をaとおき、結像光学系12の像側主面から観察面10aまでの間隔をbとおくと、以下の式(14)で表される。
M=a/(b+d) …(14)
ここで、d≫bとみなせるので、式(14)は、式(15)に書き換えられる。
【0033】
M=a/d …(15)
この式(15)を式(13)へ代入すると、式(16)が得られる。
λ/(2・a・NA)≦P/d …(16)
この式(16)が、条件3に対応する条件式である。
[各実施形態の変形例]
なお、各実施形態では、面光源を生成するために、バックライト付きの透過型液晶パネルとコントローラとを用いたが、同様の面光源を生成できるのであれば、他のものを用いてもよい。
【0034】
例えば、LEDなどの小型光源を多数用意し、それらを密にアレイ状に配置する。これによって、略一様な強度で発光する面光源が形成される。そして、その面光源上に、ストライプ状の開口を有したマスク部材を配置する。これによって、ストライプ状の面光源が形成される。因みに、この面光源の明暗の位相をシフトさせるには、マスク部材を明暗のピッチ方向へシフトさせればよい。また、マスク部材をシフトさせる代わりに、開口パターンの異なる複数のマスク部材を用意し、それらを切り替え配置してもよい。
【0035】
また、各実施形態では、面光源の明暗のピッチが不変であったが、そのピッチを、観察対象である位相物体(細胞)のサイズに応じて変化させてもよい。そうすれば、様々なサイズの位相物体(細胞)を良好に観察することができる。
また、各実施形態では、面光源の明暗のデューティー比が不変であったが、そのデューティー比を、観察対象となる位相物体(細胞)の屈折率に応じて変化させてもよい。例えば、位相物体(細胞)の屈折率が十分に高いときには回折光の強度が高くなるので、暗部の比率を高くし(70%,80%など)、その分だけ画像の取得回数を減らしてもよい。暗部の比率が多ければ、より広い領域の観察像が同一画像上に現れるからである。一方、位相物体(細胞)の屈折率が低いときには、暗部の比率を低くし(30%など)、その分だけ画像の取得回数を増やしてもよい。
【0036】
また、各実施形態では、面光源の明暗のパターンをストライプパターンとしたが、明部と暗部とが繰り返し出現する他のパターンを採用することも可能である。例えば、図8に示すような市松状パターンを採用することもできる。また、図9に示すような同心円状パターンを採用することもできる。何れの場合も、明暗の位相をシフトさせる際には、明暗が反転する方向(同心円状パターンの場合は径方向)へパターンを変化させればよい。
【0037】
因みに、ストライプパターン(図1)や市松状パターン(図8)を採用すると、位相をシフトさせるための処理や画像処理の内容が簡単になるので好ましい。
【実施例1】
【0038】
NA≧0.14286,
P=6mm,
d=30mm,
これらの数値は、条件1(式(9))を満たす。
【実施例2】
【0039】
NA’≧0.1,
P=6mm,
d=30mm,
これらの数値は、条件2(式(12))を満たす。
【実施例3】
【0040】
NA≧0.003,
P=6mm,
d=30mm,
a=5mm,
λ=550nm=550×10-4mm,
これらの数値は、条件3(式(16))を満たす。
【実施例4】
【0041】
NA≧0.14286,
P=6mm,
d=30mm,
NA’≧0.1,
a=5mm,
λ=550nm=550×10-4mm
これらの数値は、条件1(式(9)),条件2(式(12)),条件3(式(16))の全てを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】観察装置の全体構成図である。
【図2】観察装置の光学系部分の作用を説明する概念図である。
【図3】画像I1を示す図である。
【図4】画像I2を示す図である。
【図5】第1実施形態のコンピュータ16による画像処理の手順を説明する図である。
【図6】第2実施形態のコンピュータ16による画像処理の手順を説明する図である。
【図7】条件1,2,3を説明する図である。
【図8】面光源の明暗パターンの変形例を示す図である。
【図9】面光源の明暗パターンの別の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
11…撮像素子,12…結像光学系,13…ステージ,14…透過型液晶パネル,15…コントローラ,16…コンピュータ,17…ディスプレイ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明部と暗部とを繰り返し配置してなる面光源で被観察物を照明する照明手段と、
前記照明手段により照明された前記被観察物を透過した光を結像する結像光学系と、
前記結像光学系が形成した前記被観察物の像を撮像する撮像手段と
を備えたことを特徴とする観察装置。
【請求項2】
請求項1に記載の観察装置において、
前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の物体側開口数NAに対し、
P/d≦√[2{1−0.02/(NA2)}]
の式を満たすことを特徴とする観察装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の観察装置において、
前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の像側開口数NA’に対し、
P/d≦2・NA’
の式を満たすことを特徴とする観察装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の観察装置において、
前記面光源と前記被観察物との間隔dと、前記面光源の明暗のピッチPとは、前記結像光学系の物体側開口数NA、前記面光源の波長λ、前記結像光学系の像側主面と前記撮像手段との間隔aに対し、
λ/(2・a・NA)≦P/d
の式を満たすことを特徴とする観察装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の観察装置において、
前記照明手段には、
略一様な強度で発光する面光源と、
前記面光源上に配置され、かつ開口部と遮光部とを繰り返し配置してなるマスクとが備えられる
ことを特徴とする観察装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の観察装置において、
前記照明手段には、
液晶空間変調素子が備えられる
ことを特徴とする観察装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の観察装置において、
前記撮像手段が取得した前記被観察物の画像から、前記面光源の像の成分を除去する画像処理手段を更に備えた
ことを特徴とする観察装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の観察装置において、
前記面光源の明暗の位相を変化させる手段を更に備えた
ことを特徴とする観察装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の観察装置において、
前記面光源の明暗のピッチを変化させる手段を更に備えた
ことを特徴とする観察装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の観察装置において、
前記面光源の明暗のデューティー比を変化させる手段を更に備えた
ことを特徴とする観察装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−178426(P2007−178426A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321989(P2006−321989)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(504300181)国立大学法人浜松医科大学 (96)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】