説明

観賞魚水槽内環境監視システム及びその方法並びにそれに用いる水槽セット及び監視サーバ

【課題】 熱帯魚店等の専門業者がユーザの熱帯魚水槽内環境の情報を定期的に把握可能として、ユーザへの訪問前に事前入手することができるようにした観賞魚水槽内環境監視方式を得る。
【解決手段】 水槽側に、水槽101内を撮影する撮影装置112と、水槽内の環境情報を測定する測定機器105〜111と、撮影装置による映像情報及び測定機器による測定情報を通信網側へ送信する通信機器113を設ける。水槽内環境を監視する監視サーバ側に、水槽側から通信網を介した送信情報を受信する通信機器と、この受信情報を用いて水槽内の環境を監視する機器を設ける。各施設・企業の熱帯魚水槽設備が水温情報や水質情報等の水槽内環境情報を発信して熱帯魚店等の専門業者(監視サーバ)へ送信することにより、専門業者は水槽内環境情報をリアルタイムに取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は観賞魚水槽内環境監視システム及びその方法並びにそれに用いる水槽セット及び監視サーバに関し、特に熱帯魚を飼育するための水槽内の水温や水質などの環境を自動的に把握して管理するための観賞魚水槽内環境監視方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
個人の趣味範囲で行う熱帯魚飼育・鑑賞とは、ただ熱帯魚を見て楽しむだけのものではなく、水温・水質等の最適な水槽内環境を作り、環境を一定に保つための管理過程を楽しむものである。また、水槽内環境の管理に手間がかからないように工夫することも醍醐味である。
【0003】
逆に、病院・図書館等の各施設のロビーや企業の玄関に設置されている熱帯魚水槽は、各施設・企業に訪れる方々の目を楽しませるためのものであり、手間のかかる水槽内環境の管理は契約した熱帯魚店等の専門業者に任されているのが一般的である。すなわち、病院・図書館等の各施設のロビーや企業の玄関に設置されている熱帯魚水槽は、これらお客様であるユーザと契約を交わした熱帯魚店等の専門業者が定期的に訪問して管理を行っている。
【0004】
また、最適な水槽内環境をユーザへ提供するためには、水温・水質等の情報を常に把握しておく必要がある。熱帯魚店等の専門業者は、多々存在するユーザ毎の熱帯魚水槽内環境がどのように変化しており、定期メンテナンス時にどのような対応をしたら良いのか把握する必要があるが、現状ではその術がなく、実際に、ユーザ先へ訪問しなければ水槽内環境を認識することができず、よって、熱帯魚水槽に対して的確なメンテナンスの準備が不可能となっている。
【0005】
ここで、特許文献1を参照すると、病院・図書館等の各施設のロビーや企業の玄関に設置されている熱帯魚水槽の周囲に表示装置を設けて、メッセージや水質に関する情報を表示するようにして、多数の人の注意を喚起し易くする技術が開示されている。また、特許文献2を参照すると、ユーザが個別に管理する熱帯魚水槽内の水温や水質などの情報を、インターネットなどの通信網を介して一箇所のサーバに集めて蓄積し、この蓄積データに対してより高度の情報処理や加工を施して、個々のユーザに提供し、ユーザはこのサーバより提供された情報をユーザのパーソナルコンピュータにより表示閲覧可能とした技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−000108号公報
【特許文献2】特開2005−080591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、熱帯魚水槽の周囲に表示装置を設けておき、この表示装置にメッセージや水質に関する情報を表示するものであるから、メンテナンスのために、熱帯魚店等の専門業者がユーザの水槽内の環境を定期的に把握するには、水槽設置場所、すなわちユーザ側へその都度出向くことが必要である。
【0008】
また、特許文献2では、ユーザ自身が個別に管理することを前提としたものであり、そのために、ユーザの熱帯魚水槽内の環境情報を一箇所に集めてサーバで処理し、これを再度ユーザ側のパーソナルコンピュータへフィードバックしてユーザにより閲覧可能としたものであり、熱帯魚店等の専門業者が、メンテナンスのために、ユーザの水槽内の環境を定期的に把握するようにしたものではない。
【0009】
本発明の目的は、熱帯魚店等の専門業者がユーザの熱帯魚水槽内環境の情報を定期的に把握可能として、ユーザへの訪問前に事前入手することができるようにした観賞魚水槽内環境監視システム及びその方法並びにそれに用いる水槽セット及び監視サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による観賞魚水槽内環境監視システムは、前記水槽の設置側において、前記水槽内を撮影する撮影手段と、前記水槽内の環境情報を測定する測定手段と、前記撮影手段の映像情報及び前記測定手段の測定情報を通信網側へ送信する第一の通信手段とを設け、前記水槽内環境を監視する監視サーバ側において、前記第一の通信手段からの前記通信網を介した送信情報を受信する第二の通信手段と、この第二の通信手段による受信情報を用いて前記水槽内の環境を監視する監視手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明による観賞魚水槽内環境監視方法は、前記水槽の設置側において、前記水槽内を撮影する撮影ステップと、前記水槽内の環境情報を測定する測定ステップと、前記撮影ステップによる映像情報及び前記測定ステップによる測定情報を通信網側へ送信するステップと、前記水槽内環境を監視する監視サーバ側において、前記水槽側から前記通信網を介した送信情報を受信するステップと、この受信情報を用いて前記水槽内の環境を監視する監視ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による水槽セットは、観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視システムに用いる水槽セットであって、水槽内を撮影する撮影手段と、前記水槽内の環境情報を測定する測定手段と、前記撮影手段の映像情報及び前記測定手段の測定情報を、通信網側を介して監視サーバへ送信する送信手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による監視サーバ、観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視システムに用いる監視サーバであって、前記水槽内の映像情報及び環境情報を通信網を介して受信する手段と、前記映像情報により得られた熱帯魚の種類及び匹数と前記環境情報とに応じて前記水槽内の環境の適否を監視することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による第一の効果は、各施設・企業の熱帯魚水槽設備が水温情報や水質情報等の水槽内環境情報を発信して熱帯魚店等の専門業者へ送信することにより、専門業者は水槽内環境情報をリアルタイムに取得することができることである。
【0015】
本発明による第二の効果は、各施設・企業の熱帯魚水槽設備が、水槽内環境を検出するためのセンサである水温計/水素イオン濃度計/亜硝酸計/全硬度計/残留塩素計/化学的酸素消費量計の計測器不具合情報を検出して、熱帯魚店等の専門業者へ送信することにより、専門業者は計測器の不具合情報をリアルタイムに取得することができることである。
【0016】
本発明による第三の効果は、各施設・企業の熱帯魚水槽設備の可視サーモグラフィカメラが、熱帯魚店等の専門業者へ熱帯魚水槽内の映像を送信することにより、専門業者は熱帯魚水槽内の魚の種別・魚名・匹数の情報をリアルタイムに取得することができ、最適な水槽内環境を一定に保つための管理ができることである。
【0017】
本発明による第四の効果は、監視機能には標準機能の水温/pH監視、オプションの一つである亜硝酸/全硬度監視、また他のオプションである残留塩素/化学的酸素消費量監視があり、ユーザの要望に合わせた監視内容の選択が可能であることである。
【0018】
このように、ユーザの熱帯魚水槽内環境情報を訪問前に事前入手することにより、管理負荷低減が可能となり業務効率向上及び的確なメンテナンス強化の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の実施例のシステム概略図である。図1に示すとおり、各施設・企業熱帯魚水槽100、熱帯魚店等専門業者200により構成されており、それぞれはインターネット500などの通信網を介して接続されている。
【0020】
各施設・企業熱帯魚水槽100は熱帯魚店等の専門業者と契約を交わした客先、すなわちユーザの熱帯魚水槽設備(水槽セット)であり、図2に示すとおり、水槽本体101、ろ過装置102、ヒータ103、サーモスタット104、水温計105、水素イオン濃度計106、亜硝酸計107、全硬度計108、残留塩素計109、化学的酸素消費量計110、水位計111、可視サーモグラフィカメラ112、通信機器113、水槽制御部120が1セット構成で設置されている。
【0021】
水槽本体101は熱帯魚を飼育する水槽である。ろ過装置102は水槽内の飼育水をろ過する装置である。ヒータ103は水槽内の飼育水を温める装置である。サーモスタット104は水槽内の飼育水温を調節するための計測器であり、水槽制御部120からの℃設定値問合せ命令を受信後、現在の℃設定値を水槽制御部120に発信する機能と、水槽制御部120からの℃設定値変更命令を受信後、受信した℃設定値変更命令の内容によって、ヒータ103の発熱量を通電ON/OFFにより調整し、その調整が完了した事を水槽制御部120に通知する機能とを有する。
【0022】
水温計105は水槽内の飼育水温を測定し、水温が熱帯魚毎に適した数値であるかを検知する計測器である。また、検出単位を℃値とし、水槽制御部120からの℃値問合せ命令を受信後、現在の℃値を水槽制御部120に発信する機能を有する。水素イオン濃度計106は水槽内の飼育水に溶存している水素イオンの濃度を測定し、水素イオン濃度が熱帯魚毎に適した数値であるかを検知する計測器である。水素イオン濃度の数値がpH7.0の場合は中性で、pH7.0より低値が酸性、高値がアルカリ性であり、熱帯魚毎に適した飼育水であるか判断できる。また、検出単位をpH値とし、水槽制御部120からのpH値問合せ命令を受信後、現在のpH値を水槽制御部120に発信する機能を有する。
【0023】
亜硝酸計107は水槽内の飼育水に蓄積した亜硝酸(熱帯魚の排出物・食べ残しのエサ等の有機物が細菌により分解されてアンモニアやアンモニウム等の無機物となり、その無機物が酸化したもの)の蓄積濃度を測定し、亜硝酸蓄積濃度が飼育水として影響の無い数値であるかを検知する計測器である。亜硝酸蓄積濃度が高値の場合は、飼育水中のろ過バクテリアや水草によるサイクルに問題が生じており、汚れた飼育水であると判断できる。亜硝酸蓄積濃度が低値の場合は、飼育水中のろ過バクテリアや水草によるサイクルが働いており、清浄な飼育水であると判断できる。また、検出単位をNO2 値とし、水槽制御部120からのNO2 値問合せ命令を受信後、現在のNO2 値を水槽制御部120に発信する機能を有する。
【0024】
全硬度計108は水槽内の飼育水に溶存しているカルシウムとマグネシウムの合計量に換算した炭酸マグネシウム濃度を測定し、炭酸マグネシウム濃度が飼育水として影響の無い数値であるかを検知する計測器である。炭酸マグネシウム濃度が高値の場合は、飼育水に適さない硬水であると判断できる。炭酸マグネシウム濃度が低値の場合は、飼育水に適した軟水または硬水であると判断できる。また検出単位をTH値とし、水槽制御部120からのTH値問合せ命令を受信後、現在のTH値を水槽制御部120に発信する機能を有する。
【0025】
残留塩素計109は水槽内の飼育水に溶存している上水道水消毒用の塩素濃度を測定し、残留している塩素濃度が飼育水として影響の無い数値であるかを検知する計測器である。塩素濃度が高値の場合は、飼育水中に塩素が多く存在し、飼育水に適さないと判断できる。塩素濃度が低値の場合は、飼育水中の塩素が少なく、飼育水に適していると判断できる。また、検出単位をCIO値とし、水槽制御部120からのCIO値問合せ命令を受信後、現在のCIO値を水槽制御部120に発信する機能を有する。
【0026】
化学的酸素消費量計110は、水槽内の飼育水に蓄積した有機物が酸化する際に消費した酸素消費量を測定し、化学的酸素消費量が飼育水として影響の無い数値であるかを検知する計測器である。化学的酸素消費量が高値の場合は、飼育水中に有機物が多く存在し、汚れた飼育水であると判断できる。化学的酸素消費量が低値の場合は、飼育水中の有機物が少なく、清浄な飼育水であると判断できる。また、検出単位をCOD値とし、水槽制御部120からのCOD値問合せ命令を受信後、現在のCOD値を水槽制御部120に発信する機能を有する。
【0027】
水位計111は水槽内の飼育水位を検知する計測器である。可視サーモグラフィカメラ112は水槽内の魚の種別・魚名・匹数を識別するための映像取得用の装置であり、可視撮影及びサーモグラフィ撮影を行う機能を有する。通信機器113は熱帯魚店等専門業者200との情報受発信用の装置である。
【0028】
水槽制御部120は、図3に示すように、処理装置121、計測器情報DB122により構成されている。水槽制御部120の処理装置121はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、次の機能を有する。
(1)撮影間隔値と撮影開始時間をシステム構築時に事前設定することにより、可視サーモグラフィカメラ112が水槽内の映像を取得する機能。
(2)取得した映像を熱帯魚識別システム210へ送信する機能。
(3)水槽環境管理システム220からの℃値確認命令受信後、℃値問合せ命令を水温計105に送信する機能。
(4)水温計105からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、℃値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(5)水温計105からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、水温計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
【0029】
(6)水槽環境管理システム220からの℃設定値調整命令受信後、℃設定値問合せ命令を水サーモスタット104に送信する機能。
(7)サーモスタット104からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、℃設定値変更命令をサーモスタット104に送信後、サーモスタット104から℃設定値変更信号を受信する機能。
(8)サーモスタット104からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、サーモスタット故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(9)水槽環境管理システム220からのpH値確認命令受信後、pH値問合せ命令を水素イオン濃度計106に送信する機能。
(10)水素イオン濃度計106からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、pH値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
【0030】
(11)水素イオン濃度計106からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、水素イオン濃度計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(12)水槽環境管理システム220からのNO2 値確認命令受信後、NO2 値問合せ命令を亜硝酸計107に送信する機能。
(13)亜硝酸計107からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、NO2 値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(14)水槽環境管理システム220からのTH値確認命令受信後、TH値問合せ命令を全硬度計108に送信する機能。
(15)全硬度計108からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、TH値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
【0031】
(16)亜硝酸計107からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、亜硝酸計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(17)全硬度計108からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、全硬度計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(18)水槽環境管理システム220からのCIO値確認命令受信後、CIO値問合せ命令を残留塩素計109に送信する機能。
(19)残留塩素計109からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、CIO値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(20)水槽環境管理システム220からのCOD値確認命令受信後、COD値問合せ命令を化学的酸素消費量計110に送信する機能。
【0032】
(21)化学的酸素消費量計110からの応答有結果により計測器情報DB122を検索し、COD値信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(22)残留塩素計109からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、残留塩素計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(23)化学的酸素消費量計110からの応答無結果により計測器情報DB122を検索し、化学的酸素消費量計故障信号を水槽環境管理システム220に送信する機能。
(24)水槽環境管理システム220からの映像再取得命令受信後、可視サーモグラフィカメラ112が水槽内の映像を再取得する機能。
(25)再取得した映像を熱帯魚識別システム210へ送信する機能。
【0033】
熱帯魚店等専門業者200は契約を交わしたユーザの熱帯魚水槽設備を管理する組織であり、図4に示すとおり、監視用モニタ201、通信機器202、熱帯魚識別システム210、水槽環境管理システム220が1セット構成で設置されている。監視用モニタ201は各施設・企業熱帯魚水槽100からの情報検出結果を画面表示させる装置である。通信機器202は各施設・企業熱帯魚水槽100との情報受発信用の装置である。
【0034】
熱帯魚識別システム210は、図5に示すように、処理装置211、ユーザ毎シルエット情報DB(データベース)212、全種シルエット情報DB213により構成されている。熱帯魚識別システム210の処理装置211はサーバ等の情報処理装置であり、以下の機能を有する。
【0035】
(1)水槽制御部120からの映像情報によりユーザ毎シルエット情報DB212を検索し、照合結果が一致する場合は水槽環境管理システム220に水槽内環境照合命令を送信する機能。
(2)水槽制御部120からの映像情報によりユーザ毎シルエット情報DB212を検索し、照合結果が不一致の場合は水槽環境管理システム220に匹数不一致信号を送信する機能。
(3)水槽制御部120からの映像再情報によりユーザ毎シルエット情報DB212を再検索し、照合結果が匹数少及び匹数1匹以上の場合はユーザ毎シルエット情報DB212をデータ更新後、水槽環境管理システム220にユーザ情報更新信号を送信する機能。
(4)水槽制御部120からの映像再情報によりユーザ毎シルエット情報DB212を再検索し、照合結果が匹数多の場合は全種シルエット情報DB213を検索し、照合結果がDB情報有の場合はユーザ毎シルエット情報DB212をデータ更新後、水槽環境管理システム220にユーザ情報更新信号を送信する機能。
(5)全種シルエット情報DB213を検索し、照合結果がDB情報無の場合は匹数確定後、水槽環境管理システム220にDB情報無信号を送信する機能。
(6)水槽制御部120からの映像再情報によりユーザ毎シルエット情報DB212を再検索し、照合結果が匹数少及び0匹の場合は水槽環境管理システム220に匹数ゼロ信号を送信する機能。
【0036】
水槽環境管理システム220は、図6に示すように、処理装置221、ユーザ情報DB222、オプション情報DB223、NO2 /TH情報DB224、CIO/COD情報DB225により構成されている。水槽環境管理システム220の処理装置221はサーバ等の情報処理装置であり、次の機能を有する。
【0037】
(1)熱帯魚識別システム210からの水槽内環境照合命令を受信後、水槽制御部120に℃値確認命令を送信する機能。
(2)水槽制御部120からの℃値信号によりユーザ情報DB222を検索し、適正値の場合は℃値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(3)水槽制御部120からの水温計故障信号受信後、水温計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能
(4)水槽制御部120からの℃値信号によりユーザ情報DB222を検索し、不適正値の場合は℃値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示後、水槽制御部120に℃設定値調整命令を送信する機能。
(5)水槽制御部120からのサーモスタット故障信号受信後、サーモスタット故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
【0038】
(6)照合及び検出結果を監視モニタ201に表示後、水槽制御部120にpH値確認命令を送信する機能。
(7)水槽制御部120からのpH値信号によりユーザ情報DB222を検索し、適正値の場合はpH値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(8)水槽制御部120からのpH値信号によりユーザ情報DB222を検索し、不適正値の場合はpH値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(9)水槽制御部120からの水素イオン濃度計故障信号受信後、水素イオン濃度計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(10)オプション情報DB223を検索し、照合結果がオプション無の場合は緊急出動及び次回点検時の参考情報とする機能。
【0039】
(11)オプション情報DB223を検索し、照合結果がNO2 /TH監視のオプションA有または、オプションAとCIO/COD監視のオプションB両方有の場合は水槽制御部120にNO2 値確認命令を送信する機能。
(12)水槽制御部120からのNO2 値信号によりNO2 /TH情報DB224を検索し、適正値の場合はNO2 値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(13)水槽制御部120からのNO2 値信号によりNO2 /TH情報DB224を検索し、不適正値の場合はNO2 値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(14)照合及び検出結果を監視モニタ201に表示後、水槽制御部120にTH値確認命令を送信する機能。
(15)水槽制御部120からのTH値信号によりNO2 /TH情報DB224を検索し、適正値の場合はTH値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
【0040】
(16)水槽制御部120からのTH値信号によりNO2 /TH情報DB224を検索し、不適正値の場合はTH値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(17)水槽制御部120からの亜硝酸計故障信号受信後、亜硝酸計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(18)水槽制御部120からの全硬度計故障信号受信後、全硬度計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(19)オプション情報DB223を検索し、照合結果がオプションB有の場合は水槽制御部120にCIO値確認命令を送信する機能。
(20)水槽制御部120からのCIO値信号によりCIO/COD情報DB225を検索し、適正値の場合はCIO値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
【0041】
(21)水槽制御部120からのCIO値信号によりCIO/COD情報DB225を検索し、不適正値の場合はCIO値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(22)照合及び検出結果を監視モニタ201に表示後、水槽制御部120にCOD値確認命令を送信する機能。
(23)水槽制御部120からのCOD値信号によりCIO/COD情報DB225を検索し、適正値の場合はCOD値適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(24)水槽制御部120からのCOD値信号によりCIO/COD情報DB225を検索し、不適正値の場合はCOD値不適正の照合結果を監視モニタ201に表示する機能。
(25)水槽制御部120からの残留塩素計故障信号受信後、残留塩素計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
【0042】
(26)水槽制御部120からの化学的酸素消費量計故障信号受信後、化学的酸素消費量計故障検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(27)熱帯魚識別システム210からの匹数不一致信号受信後、水槽制御部120に映像再取得命令を送信する機能。
(28)熱帯魚識別システム210からのユーザ情報更新信号受信後、ユーザ情報DB222を更新し熱帯魚減少検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(29)熱帯魚識別システム210からのユーザ情報更新信号受信後、ユーザ情報DB222を更新し熱帯魚追加検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(30)熱帯魚識別システム210からのDB情報無信号受信後、熱帯魚不明検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
(31)熱帯魚識別システム210からの匹数ゼロ信号受信後、熱帯魚全滅検出結果を監視モニタ201に表示する機能。
【0043】
計測器情報DB122は契約を交わしたユーザの熱帯魚水槽設備の計測器故障検出情報が格納されたデータベースであり、システム構築時に格納しており、図25にそのデータの一部を示す。ユーザ毎シルエット情報DB212は契約を交わしたユーザの熱帯魚情報が格納されたデータベースであり、システム構築時に格納しており、図26にそのデータの一部を示す。
【0044】
全種シルエット情報DB213は全種の熱帯魚シルエット情報が格納されたデータベースであり、システム構築時に格納しており、図27にそのデータの一部を示す。ユーザ情報DB222は契約を交わしたユーザの熱帯魚水槽情報が格納されたデータベースであり、契約時に登録した情報を格納しており、図28にそのデータの一部を示す。オプション情報DB223は契約を交わしたユーザのオプション選択情報が格納されたデータベースであり、NO2 /TH値監視を希望されるユーザの場合は、オプションA契約を取り交わしてオプションA有とし、CIO/COD値監視を御希望されるユーザの場合は、オプションB契約を取り交わしてオプションB有とした情報をシステム構築時に格納しており、図29にそのデータの一部を示す。
【0045】
NO2 /TH情報DB224は、監視画面に表示する亜硝酸値/全硬度値情報が格納されたデータベースであり、システム構築時に格納しており、図30にそのデータの一部を示す。CIO/COD情報DB225は、監視画面に表示する残留塩素値/化学的酸素消費量値情報が格納されたデータベースであり、システム構築時に格納しており、図31にそのデータの一部を示す。
【0046】
次に、図7〜図24のフローチャートを用いて本発明の実施例の動作を詳細に説明する。水槽制御部120にて予め撮影間隔値をシステム構築時に事前設定し、設定した撮影開始時間になるまで待機状態となる(ステップA1)。撮影間隔値は30分単位で設定可能であり、契約を交わしたユーザの希望により設定を行う。また、最大撮影間隔値は12時間を上限値とする。
【0047】
水槽制御部120は予め設定した撮影開始時間になったことを確認後、事前設定した撮影間隔で、可視サーモグラフィカメラ112が水槽本体101の水槽内熱帯魚の撮影を開始する(ステップA2)。以下の説明においては、可視撮影とサーモグラフィ撮影の静止画像にて説明を行うが、可視撮影とサーモグラフィ撮影の動画映像でも同様の効果が得られる。
【0048】
水槽制御部120は取得した映像情報をインターネット500を介して熱帯魚店等専門業者200の熱帯魚識別システム210に送信する(ステップA3)。熱帯魚識別システム210は受信した映像情報が匹数一致するかユーザ毎シルエットDB212を検索する(ステップA4)。熱帯魚識別システム210が受信した映像を匹数一致と判断した場合、水槽内環境照合命令を水槽環境管理システム220に送信する(ステップA5)。
【0049】
水槽環境管理システム220は、インターネット500を介して、水温計105が機能しているかどうか℃値確認命令を水槽制御部120に送信する(ステップA6)。水槽制御部120は℃値問合せ命令を水温計105に送信する(ステップA7)。水温計105が℃値を発信する(ステップA8)。水槽制御部120は水温計105からの℃値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、水温計105の計測器故障有無判断を行う(ステップA9)。
【0050】
水槽制御部120は℃値を受信確認できた場合、水温計105を故障無と判断し、水槽環境管理システム220に℃値信号を送信する(ステップA10)。水槽環境管理システム220は℃値信号を受信後、ユーザ情報DB222を検索する(ステップA11)。水槽環境管理システム220は、取得した℃値が適温の適正値に該当することを照合し、℃値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA12)。次に、水槽環境管理システム220がpH値を判断するため、インターネット500を介して水槽制御部120に水素イオン濃度計106が機能しているかどうかpH値確認命令を送信する(ステップA13)。
【0051】
次に、℃/pH値の標準監視以外に、NO2 /TH値監視のオプションA契約やCIO/COD値監視のオプションBの契約を交わしているかどうか検索する場合について記述する。水槽環境管理システム220はpH値の照合結果及び水素イオン濃度計故障検出結果を監視モニタ201に表示後、℃/pH値の標準監視以外に、NO2 /TH値監視のオプションAやCIO/COD値監視のオプションBの契約を交わしているかどうかオプション情報DB223を検索する(ステップA14)。
【0052】
最後に、オプション情報DB223を検索した結果、オプション契約を取り交わしていなければ、熱帯魚店等の専門業者は、熱帯魚店等専門業者200の監視モニタ201の画面表示から、標準監視の℃/pH値が適正/不適正値か、水温計/水素イオン濃度計/サーモスタットの計測器が正常に機能しており故障していないかの情報を事前入手して動作を終了する。オプションA契約を取り交わしている場合は、オプションAのNO2 /TH値が適正/不適正値か、亜硝酸計/全硬度計の計測器が正常に機能しており故障していないかの情報を事前入手して動作を終了する。オプションB契約を取り交わしている場合は、オプションBのCIO/COD値は適正/不適正値か、残留塩素計/化学的酸素消費量計の計測器が正常に機能しており故障していないかの情報を事前入手して動作を終了する。(ステップA15)
【0053】
次に、水槽制御部120が水温計105の計測器故障有無判断を行い(ステップA9)、℃値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は水温計105から一定時間経過しても℃値を受信確認できない場合、水温計105故障と判断し、水槽環境管理システム220に水温計故障信号を送信する(ステップA16)。水槽環境管理システム220は水温計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA17)。
【0054】
次に、水槽環境管理システム220が℃値検索(ステップA11)した結果、℃値を低温の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は取得した℃値が低温の不適正値に該当することを照合し、℃値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA18)。次に、水槽環境管理システム220が℃値検索(ステップA11)した結果、℃値を高温の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は取得した℃値が高温の不適正値に該当することを照合し、℃値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA19)。
【0055】
次に、水槽環境管理システム220が℃値を低温または高温の不適正と判断した場合の後、℃値を調整する方法について記述する。水槽環境管理システム220はインターネット500を介して、サーモスタット104の℃設定値に問題が無いかどうかの℃設定値調整命令を水槽制御部120に送信する(ステップA20)。水槽制御部120は℃設定値問合せ命令をサーモスタット104に送信する(ステップA21)。サーモスタット104が現在の℃設定値を発信する(ステップA22)。
【0056】
水槽制御部120はサーモスタット104からの℃設定値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、サーモスタット104の計測器故障有無判断を行う(ステップA23)。水槽制御部120は℃設定値を受信確認できた場合、サーモスタット104を故障無と判断し、サーモスタット104に℃設定値変更命令を送信する(ステップA24)。サーモスタット104は℃設定値を変更完了後、℃設定値変更信号を水槽制御部120に発信する(ステップA25)。
【0057】
次に、水槽制御部120がサーモスタット104の計測器故障有無判断(ステップA23)を行い、℃設定値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120はサーモスタット104から一定時間経過しても℃設定値を受信確認できない場合、サーモスタット104故障と判断し、水槽環境管理システム220にサーモスタット104故障信号を送信する(ステップA26)。水槽環境管理システム220はサーモスタット104故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA27)。
【0058】
次に、水槽環境管理システム220がpH値を判断する場合について記述する。水槽制御部120は水槽環境管理システム220からのpH値確認命令を受信後、pH値問合せ命令を水素イオン濃度計106に送信する(ステップA28)。水素イオン濃度計106がpH値を発信する(ステップA29)。水槽制御部120は水素イオン濃度計106からのpH値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、水素イオン濃度計106の計測器故障有無判断を行う(ステップA30)。
【0059】
水槽制御部120はpH値を受信確認できた場合、水素イオン濃度計106を故障無と判断し、水槽環境管理システム220にpH値信号を送信する(ステップA31)。水槽環境管理システム220はpH信号を受信後、ユーザ情報DB222を検索する(ステップA32)。水槽環境管理システム220は取得したpH値が適性の適正値に該当することを照合し、pH値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA33)。
【0060】
次に、水槽環境管理システム220がpH値検索(ステップA32)した結果、pH値を酸性化の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は取得したpH値が酸性化の不適正値に該当することを照合し、pH値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA34)。
【0061】
次に、水槽環境管理システム220がpH値検索(ステップA32)した結果、pH値をアルカリ性化の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220はpH値がアルカリ性化の不適正値に該当することを照合し、pH値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA35)。
【0062】
次に、水槽制御部120が水素イオン濃度計106の計測器故障有無判断(ステップA30)を行い、pH値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は水素イオン濃度計106から一定時間経過してもpH値を受信確認できない場合、水素イオン濃度計106故障と判断し、水槽環境管理システム220に水素イオン濃度計故障信号を送信する(ステップA36)。水槽環境管理システム220は水素イオン濃度計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA37)。
【0063】
次に、℃/pH値の標準監視以外に、NO2 /TH値監視のオプションA契約を交わしている場合について記述する。水槽環境管理システム220はオプション情報DB223の検索結果から、オプションA契約を交わしていることを照合後、インターネット500を介して亜硝酸計107が機能しているかどうかのNO2 値確認命令を水槽制御部120に送信する(ステップA38)。水槽制御部120はNO2 値問合せ命令を亜硝酸計107に送信する(ステップA39)。亜硝酸計107がNO2 値を発信する(ステップA40)。水槽制御部120は亜硝酸計107からのNO2 値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、亜硝酸計107の計測器故障有無判断を行う(ステップA41)。
【0064】
水槽制御部120はNO2 値を受信確認できた場合、亜硝酸計107を故障無と判断し、水槽環境管理システム220にNO2 値信号を送信する(ステップA42)。水槽環境管理システム220はNO2 値信号を受信後、NO2 /TH情報DB224を検索する(ステップA43)。水槽環境管理システム220は取得したNO2 値が亜硝酸少の適正値に該当することを照合し、NO2 値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA44)。
【0065】
次に、水槽環境管理システム220がNO2 値検索(ステップA43)した結果、NO2 値を亜硝酸多の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したNO2 値が亜硝酸多の不適正値に該当することを照合し、NO2 値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA45)。
【0066】
次に、水槽環境管理システム220がTH値を判断する場合について記述する。水槽環境管理システム220はインターネット500を介して、全硬度計108が機能しているかどうかのTH値確認命令を水槽制御部120に送信する(ステップA46)。水槽制御部120はTH値問合せ命令を全硬度計108に送信する(ステップA47)。全硬度計108がTH値を発信する(ステップA48)。
【0067】
水槽制御部120は全硬度計108からのTH値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、全硬度計108の計測器故障有無判断を行う(ステップA49)。水槽制御部120はTH値を受信確認できた場合、全硬度計108を故障無と判断し、水槽環境管理システム220にTH値信号を送信する(ステップA50)。水槽環境管理システム220はTH値信号を受信後、NO2 /TH情報DB224を検索する(ステップA51)。
【0068】
次に、水槽環境管理システム220がTH値検索(ステップA51)した結果、TH値を高値硬水の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したTH値が高値硬水の不適正値に該当することを照合し、TH値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA52)。次に、水槽環境管理システム220がTH値検索(ステップA51)した結果、TH値を軟水の適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したTH値が軟水の適正値に該当することを照合し、TH値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA53)。
【0069】
次に、水槽環境管理システム220がTH値検索(ステップA51)した結果、TH値を硬水の適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したTH値が硬水の適正値に該当することを照合し、TH値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA54)。次に、水槽環境管理システム220がオプションB契約も交わしているか選択する(ステップA55)。
【0070】
次に、水槽制御部120が亜硝酸計107の計測器故障有無判断(ステップA41)を行い、NO2 値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は亜硝酸計107から一定時間経過してもNO2 値を受信確認できない場合、亜硝酸計107故障と判断し、水槽環境管理システム220に亜硝酸計故障信号を送信する(ステップA56)。水槽環境管理システム220は亜硝酸計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA57)。
【0071】
次に、水槽制御部120が全硬度計108の計測器故障有無判断(ステップA49)を行い、TH値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は全硬度計108から一定時間経過してもTH値を受信確認できない場合、全硬度計108故障と判断し、水槽環境管理システム220に全硬度計故障信号を送信する(ステップA58)。水槽環境管理システム220は全硬度計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA59)。
【0072】
次に、CIO/COD値監視のオプションB契約を交わしている場合について記述する。水槽環境管理システム220はオプションB契約を交わしていることを照合後、インターネット500を介して、残留塩素計109が機能しているかどうかのCIO値確認命令を水槽制御部120に送信する(ステップA60)。水槽制御部120はCIO値問合せ命令を残留塩素計109に送信する(ステップA61)。残留塩素計109がCIO値を発信する(ステップA62)。
【0073】
水槽制御部120は残留塩素計109からのCIO値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、残留塩素計109の計測器故障有無判断を行う(ステップA63)。水槽制御部120はCIO値を受信確認できた場合、残留塩素計109を故障無と判断し、水槽環境管理システム220にCIO値信号を送信する(ステップA64)。水槽環境管理システム220はCIO値信号を受信後、CIO/COD情報DB225を検索する(ステップA65)。水槽環境管理システム220は、取得したCIO値が残留塩素少の適正値に該当することを照合し、CIO値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA66)。
【0074】
次に、水槽環境管理システム220がCIO値検索(ステップA65)した結果、CIO値を残留塩素多の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したCIO値が残留塩素多の不適正値に該当することを照合し、CIO値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA67)。
【0075】
次に、水槽環境管理システム220がCOD値を判断する場合について記述する。水槽環境管理システム220はインターネット500を介して、化学的酸素消費量計110が機能しているかどうかのCOD値確認命令を水槽制御部120に送信する(ステップA68)。水槽制御部120はCOD値問合せ命令を化学的酸素消費量計110に送信する(ステップA69)。化学的酸素消費量計110がCOD値を発信する(ステップA70)。
【0076】
水槽制御部120は化学的酸素消費量計110からのCOD値応答有無結果により計測器情報DB122を検索し、化学的酸素消費量計110の計測器故障有無判断を行う(ステップA71)。水槽制御部120はCOD値を受信確認できた場合、化学的酸素消費量計110を故障無と判断し、水槽環境管理システム220にCOD値信号を送信する(ステップA72)。
【0077】
水槽環境管理システム220はCOD値信号を受信後、CIO/COD情報DB225を検索する(ステップA73)。水槽環境管理システム220は取得したCOD値が有機物少の適正値に該当することを照合し、COD値適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA74)。
【0078】
次に、水槽環境管理システム220がCOD値検索(ステップA73)した結果、COD値を有機物多の不適正と判断した場合について記述する。水槽環境管理システム220は、取得したCOD値が有機物多の不適正値に該当することを照合し、COD値不適正の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA75)。
【0079】
次に、水槽制御部120が残留塩素計109の計測器故障有無判断(ステップA63)を行い、CIO値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は残留塩素計109から一定時間経過してもCIO値を受信確認できない場合、残留塩素計109故障と判断し、水槽環境管理システム220に残留塩素計故障信号を送信する(ステップA76)。水槽環境管理システム220は残留塩素計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA77)。
【0080】
次に、水槽制御部120が化学的酸素消費量計110の計測器故障有無判断(ステップA71)を行い、COD値を受信確認できない場合について記述する。水槽制御部120は化学的酸素消費量計110から一定時間経過してもCOD値を受信確認できない場合、化学的酸素消費量計110故障と判断し、水槽環境管理システム220に化学的酸素消費量計故障信号を送信する(ステップA78)。水槽環境管理システム220は化学的酸素消費量計故障の監視状況を監視モニタ201に表示する(ステップA79)。
【0081】
次に、熱帯魚識別システム210のシルエット判断(ステップA4)結果が匹数減少不一致の場合について記述する。熱帯魚識別システム210は匹数が一致しないことをシルエット照合し、匹数を確定する(ステップA80)。水槽環境管理システム220に匹数不一致信号を送信する。確定匹数情報を含む送信内容である(ステップA81)。水槽環境管理システム220はインターネット500を介して、匹数を再確認するため映像再取得命令を水槽制御部120に送信する(ステップA82)。可視サーモグラフィカメラ112が水槽本体101の水槽内熱帯魚の撮影を開始する(ステップA83)。
【0082】
水槽制御部120は取得した映像再情報を、インターネット500を介して熱帯魚店等専門業者200の熱帯魚識別システム210に送信する(ステップA84)。熱帯魚識別システム210は受信した映像情報が匹数一致するかユーザ毎シルエットDB212を再検索する(ステップA85)。熱帯魚識別システム210は照合後、匹数減少及び匹数1匹以上であればユーザ毎シルエット情報DB212を匹数減少としてデータ更新する(ステップA86)。熱帯魚識別システム210はユーザ情報更新信号を水槽環境管理システム220に送信する(ステップA87)。水槽環境管理システム220はユーザ情報DB222を匹数減少としてデータ更新する(ステップA88)。水槽環境管理システム220は熱帯魚減少の監視状況を監視画面に表示する(ステップA89)。
【0083】
次に、熱帯魚識別システム210のシルエット判断(ステップA85)結果が、匹数増加不一致の場合について記述する。熱帯魚識別システム210は、照合後、匹数増加であれば取得した熱帯魚情報がDB情報として有るかどうか全種シルエット情報DB213を検索する(ステップA90)。熱帯魚識別システム210は、取得した熱帯魚情報がDB情報として有れば、ユーザ毎シルエット情報DB212を匹数追加としてデータ更新する(ステップA91)。熱帯魚識別システム210はユーザ情報更新信号を水槽環境管理システム220に送信する(ステップA92)。水槽環境管理システム220はユーザ情報DB222を匹数追加としてデータ更新する(ステップA93)。水槽環境管理システム220は熱帯魚追加の監視状況を監視画面に表示する(ステップA94)。
【0084】
次に、熱帯魚識別システム210のシルエット判断結果が匹数増加不一致であり、全種シルエット情報DB213を検索(ステップA90)した結果、DB情報が無い場合について記述する。熱帯魚識別システム210は取得した熱帯魚情報がDB情報として無い匹数を確定する(ステップA95)。熱帯魚識別システム210はDB情報無信号を水槽環境管理システム220に送信する(ステップA96)。水槽環境管理システム220は熱帯魚不明の監視状況を監視画面に表示する(ステップA97)。
【0085】
次に、熱帯魚識別システム210のシルエット判断(ステップA85)結果が、匹数ゼロの場合について記述する。熱帯魚識別システム210は匹数ゼロ信号を水槽環境管理システム220に送信する(ステップA98)。水槽環境管理システム220は熱帯魚全滅の監視状況を監視画面に表示する(ステップA99)。
【0086】
上述した本発明は、病院・図書館等の各施設や企業に設置されている熱帯魚水槽だけではなく、個人の趣味範囲で飼育管理している熱帯魚水槽を出張などで長期に自らの手によるメンテナンスができない時に、臨時のメンテナンスや監視を熱帯魚店等の専門業者と個人契約を取り交わすといった用途にも適用できることは明らかである。また、熱帯魚に限らず、金魚等の観賞魚の飼育のための観賞魚水槽であれば、同様に広く適用可能である。
【0087】
また、上述した図7〜24のフローチャートの動作は、予めその動作手順をプログラムとしてROMなどの記録媒体に記録しておき、これをコンピュータにより読み取らせて実行するように構成できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施例の全体システム概略図である。
【図2】本発明の実施例のユーザにおける熱帯魚水槽の構成図である。
【図3】図1の水槽制御部の構成図である。
【図4】熱帯魚店等の専門業者における機能ブロック図である。
【図5】図4の熱帯魚識別システムの構成図である。
【図6】図4の水槽環境管理システムの構成図である。
【図7】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、標準機能の℃/pH値監視の動作フローチャートである。
【図8】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の水温計応答無し時の動作フローチャートである。
【図9】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽環境管理システム220の℃値を不適正と判断した時の動作フローチャートである。
【図10】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120のサーモスタット応答無し時の動作フローチャートである。
【図11】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽環境管理システム220のpH値判断時の動作フローチャートである。
【図12】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の水素イオン濃度計応答無し時の動作フローチャートである。
【図13】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、オプションAのNO2 /TH値監視の基本動作フローチャートである。
【図14】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽環境管理システム220のTH値判断時の動作フローチャートである。
【図15】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の亜硝酸計応答無し時の動作フローチャートである。
【図16】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の全硬度計応答無し時の動作フローチャートである。
【図17】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、オプションBのCIO/COD値監視の基本動作フローチャートである。
【図18】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽環境管理システム220のCOD値判断時の動作フローチャートである。
【図19】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の残留塩素計応答無し時の動作フローチャートである。
【図20】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、水槽制御部120の化学的酸素消費量計応答無し時の動作フローチャートである。
【図21】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、熱帯魚識別システム210の匹数減少確定時の動作フローチャートである。
【図22】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、熱帯魚識別システム210の匹数増加確定時の動作フローチャートである。
【図23】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、熱帯魚識別システム210のDB情報無し時の動作フローチャートである。
【図24】本発明の実施例の動作を示すフローチャートであり、熱帯魚識別システム210の匹数ゼロ確定時の動作フローチャートである。
【図25】測定器情報DB122のデータ格納の例を示す図である。
【図26】ユーザ毎シルエットDB212のデータ格納の例を示す図である。
【図27】全種シルエットB213のデータ格納の例を示す図である。
【図28】ユーザ情報DB222のデータ格納の例を示す図である。
【図29】オプション情報DB223のデータ格納の例を示す図である。
【図30】NO2 /TH情報DB224のデータ格納の例を示す図である。
【図31】CIO/COD情報DB225のデータ格納の例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
100 各施設・企業内の熱帯魚水槽
101 水槽本体
102 ろ過装置
103 ヒータ
104 サーモスタット
105 水温計
106 水素イオン濃度計
107 亜硝酸計
108 全硬度計
109 残留塩素計
110 化学的酸素消費量計
111 水位計
112 可視サーモグラフィカメラ
113,202 通信機器
120 水槽制御部
121,211,221 処理装置
122 計測器DB
200 熱帯魚店等の専門業者
201 監視用モニタ
210 熱帯魚識別システム
212 ユーザ毎シルエット情報DB
213 全種シルエット情報DB
220 水槽環境管理システム
222 ユーザ情報DB
223 オプション情報DB
224 NO2 /TH情報DB
225 CIO/COD情報DB
500 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視システムであって、
前記水槽の設置側において、
前記水槽内を撮影する撮影手段と、前記水槽内の環境情報を測定する測定手段と、前記撮影手段の映像情報及び前記測定手段の測定情報を通信網側へ送信する第一の通信手段とを設け、
前記水槽内環境を監視する監視サーバ側において、
前記第一の通信手段からの前記通信網を介した送信情報を受信する第二の通信手段と、この第二の通信手段による受信情報を用いて前記水槽内の環境を監視する監視手段とを設けたことを特徴とする観賞魚水槽内環境監視システム。
【請求項2】
前記監視手段は、前記映像情報により得られた熱帯魚の種類及び匹数と前記環境情報とに応じて前記水槽内の環境の適否を監視することを特徴とする請求項1記載の観賞魚水槽内環境監視システム。
【請求項3】
前記監視手段は、前記測定手段からの測定情報の応答の有無に応じて当該測定手段の故障の有無を監視することを特徴とする請求項1または2記載の観賞魚水槽内環境監視システム。
【請求項4】
前記環境情報は、水温、水素イオン濃度、亜硝酸値、全硬度、残留塩素値、化学的酸素消費量、水位などを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の観賞魚水槽内環境監視システム。
【請求項5】
前記水温、水素イオン濃度は必須の監視項目であり、残余はオプション契約による監視項目であることを特徴とする請求項4記載の観賞魚水槽内環境監視システム。
【請求項6】
観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視方法であって、
前記水槽の設置側において、
前記水槽内を撮影する撮影ステップと、前記水槽内の環境情報を測定する測定ステップと、前記撮影ステップによる映像情報及び前記測定ステップによる測定情報を通信網側へ送信するステップと、
前記水槽内環境を監視する監視サーバ側において、
前記水槽側から前記通信網を介した送信情報を受信するステップと、この受信情報を用いて前記水槽内の環境を監視する監視ステップと、
を含むことを特徴とする観賞魚水槽内環境監視方法。
【請求項7】
前記監視ステップは、前記映像情報により得られた熱帯魚の種類及び匹数に応じて前記水槽内の環境の適否を監視することを特徴とする請求項6記載の観賞魚水槽内環境監視方法。
【請求項8】
前記監視ステップは、前記測定ステップからの測定情報の応答の有無に応じて当該測定器の故障の有無を監視することを特徴とする請求項6または7記載の観賞魚水槽内環境監視方法。
【請求項9】
前記環境情報は、水温、水素イオン濃度、亜硝酸値、全硬度、残留塩素値、化学的酸素消費量、水位などを含むことを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の観賞魚水槽内環境監視方法。
【請求項10】
前記水温、水素イオン濃度は必須の監視項目であり、残余はオプション契約による監視項目であることを特徴とする請求項9記載の観賞魚水槽内環境監視方法。
【請求項11】
観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視システムに用いる水槽セットであって、
前記水槽内を撮影する撮影手段と、前記水槽内の環境情報を測定する測定手段と、前記撮影手段の映像情報及び前記測定手段の測定情報を、通信網側を介して監視サーバへ送信する送信手段とを含むことを特徴とする水槽セット。
【請求項12】
前記環境情報は、水温、水素イオン濃度、亜硝酸値、全硬度、残留塩素値、化学的酸素消費量、水位などを含み、前記測定手段はこれら環境情報の測定器であることを特徴とする請求項11記載の水槽セット。
【請求項13】
観賞魚水槽内環境を監視する観賞魚水槽内環境監視システムに用いる監視サーバであって、
前記水槽内の映像情報及び環境情報を通信網を介して受信する手段と、
前記映像情報により得られた熱帯魚の種類及び匹数と前記環境情報とに応じて前記水槽内の環境の適否を監視することを特徴とする監視サーバ。
【請求項14】
前記監視手段は、前記測定手段からの測定情報の応答の有無に応じて当該測定手段の故障の有無を監視することを特徴とする請求項13記載の監視サーバ。
【請求項15】
前記環境情報は、水温、水素イオン濃度、亜硝酸値、全硬度、残留塩素値、化学的酸素消費量、水位などを含むことを特徴とする請求項13または14記載の監視サーバ。
【請求項16】
前記水温、水素イオン濃度は必須の監視項目であり、残余はオプション契約による監視項目であることを特徴とする請求項15記載の監視サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−37(P2008−37A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170818(P2006−170818)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】