説明

触媒の調製方法

【課題】 液相還元でより高活性の触媒を得る触媒の調製方法、並びに効率的なアルコールの製造方法の提供。
【解決手段】 次の工程1及び2を有する触媒の調製方法、並びにこの方法により触媒を調製し、次いで得られた触媒の存在下、有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステルを水素で接触還元する、アルコールの製造方法。
工程1:酸化金属を含有する成形した触媒前駆体を溶媒に浸漬する工程
工程2:工程1で得られた触媒前駆体を、溶媒の存在下に水素ガス又は水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを触媒層に供給して還元する工程

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の調製方法、並びにアルコールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒を調製する方法として、酸化金属を含有する触媒前駆体を還元する様々な方法が提案されている。例えばカルボン酸あるいはカルボン酸エステルを水素化してアルコールを製造する際に用いられる銅系触媒の還元活性化は、固定床反応方式を採用する場合には気相還元法が専ら採用されている。気相還元法では急速な触媒還元による局部過熱を回避すべく、工業的には数パーセントから数十パーセントの水素濃度を有する不活性ガスの流通下、所定の温度で注意深く触媒還元を行うのが一般的である。
【0003】
酸化金属を水素で還元する場合、大きな発熱を伴う場合がある。例えば酸化銅の場合には1モル当たり20kcalの還元熱が生じるとともに、還元銅の熱安定性が極めて悪いことが知られている。このため、銅触媒の性能を損なわないようにするには発熱を制御しながら徐々に還元を行うことが重要となり、特に成形された触媒を用いる場合は、除熱が困難なため、この点が特に重要となる。
【0004】
従って、高濃度の水素で短時間に気相還元活性化を行う場合、急激な発熱により触媒性能の低下が著しくなり、ましてや、工業的なレベルで大量の触媒を短時間で還元活性化する場合、急激な温度上昇によって極めて危険な状況に陥るであろうことが当然予想される。このため、酸化銅を含有する触媒の実用的な気相還元活性化方法としては、低濃度の水素で長時間かけて行うのが常法となっている。例えば、特許文献1ではこのような還元活性化に要する時間は4〜14日間もかかるとしている。
【0005】
このように固定床反応方式においては気相還元が一般的であるが、液相還元により酸化銅含有触媒前駆体を活性化する方法も知られている。例えば特許文献2には銅含有水素化触媒前駆体を液相還元するに際し、50〜140℃の温度範囲内で液相還元を行うことが開示されている。しかしこの方法においてもより高活性の触媒を得る調製方法の検討は未だ充分ではなかった。
【特許文献1】特開昭61−161146号公報
【特許文献2】特許第2990568号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、液相還元でより高活性の触媒を得る触媒の調製方法、並びに効率的なアルコールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次の工程1及び2を有する触媒の調製方法、並びにこの方法により触媒を調製し、次いで得られた触媒の存在下、有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステルを水素で接触還元する、アルコールの製造方法を提供する。
工程1:酸化金属を含有する成形した触媒前駆体を溶媒に浸漬する工程
工程2:工程1で得られた触媒前駆体を、溶媒の存在下に水素ガス又は水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを触媒層に供給して還元する工程
【発明の効果】
【0008】
本発明により、液相還元でより高活性の触媒を得ることができ、本発明の方法で調製された触媒を用いることにより高収率で高品質のアルコールを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[触媒の調製方法]
本発明の触媒の調製方法は、上記工程1及び2を有する。
【0010】
本発明に用いられる酸化金属を含有する成形した触媒前駆体としては、銅含有水素化触媒前駆体が好ましい。
【0011】
銅含有水素化触媒前駆体としては、例えば、銅−クロム系酸化物、銅−亜鉛系酸化物、銅−鉄系酸化物、銅−アルミ系酸化物、銅−シリカ系酸化物等の触媒前駆体が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら銅含有水素化触媒前駆体の中では銅−亜鉛系酸化物が好ましく、具体的には特開平5−177140号公報段落0013〜0014に記載されているCuO−ZnO−[周期律表IIa族元素、IIIb族元素、ランタニド元素及びアクチニド元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物]等の触媒前駆体が挙げられる。
【0012】
銅含有水素化触媒前駆体中の酸化銅含有量は、全触媒前駆体重量に対し5〜98重量%が好ましく、20〜98重量%がより好ましい。なお、これらの金属触媒前駆体をシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、シリカ−アルミナ等の担体に担持させたものを用いてもよい。この場合、ここでいう全触媒前駆体重量とは、これらの担体を含めた重量をいう。
【0013】
本発明における成形した触媒前駆体の形状は、固定床反応器の運転に支障のない範囲内において任意に決めることができる。通常は円柱状に打錠、あるいは押し出し成形された触媒前駆体、もしくは1〜20mmの球状粒子に成形された触媒前駆体が、容易にかつ安価に製造し得るという理由から好ましく使用される。
【0014】
本発明においては、工程1、即ち触媒前駆体を溶媒に浸漬する工程を経た後に、工程2の還元工程を行うことが重要である。触媒前駆体を予め溶媒に浸漬することによって、触媒前駆体の表面を液相に置換し、ドライスポットが生じることを防ぐことができる。ドライスポットが生じた箇所では気相還元が進行し、触媒性能の低下が起こる。
【0015】
工程1で用いられる溶媒としては、触媒前駆体あるいは触媒の溶出や不可逆的な吸着及び触媒との化合物形成を実質上起こさないものが好ましく、窒素化合物/硫黄化合物/りん化合物等の触媒毒濃度が低いものが好ましい。このような溶媒としては、触媒の還元活性化処理条件下で液体状態を呈するものであり、グリセリド油、エステル、アルコール、炭化水素等が挙げられる。アルコール製造に用いる触媒前駆体に対しては、生成アルコールの品質に関して悪影響を与えないグリセリド油、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類、炭化水素類等が好ましく、これらは単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。具体的にはグリセリド油としては、炭素数が6〜22の脂肪酸から構成されるモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられる。脂肪酸エステル類としては、炭素数が2〜22の少なくとも1個以上の脂肪酸基を有する脂肪酸と炭素数が1〜22の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。脂肪族アルコール類としては、炭素数が2〜22で、少なくとも1個の水酸基を有するとともに、触媒還元活性化条件下では液状を呈する脂肪族アルコールが挙げられる。炭化水素類としては、流動パラフィン、環状炭化水素等が挙げられる。
【0016】
但し、溶媒に由来する残存不純物が生成アルコールの品質に重大な影響を与えない限りにおいて、他の溶媒も使用できる。このような他の溶媒として、触媒の還元活性化条件下において液状を呈する、エーテル、アルデヒド、ケトン等を挙げることができる。更に、前記のエステル及びアルコールを含め、これらの有機化合物のアルキル基部分は直鎖、分岐鎖、脂環あるいは芳香族環のいずれか1種以上から成る。
【0017】
工程1において、触媒前駆体を溶媒に浸漬する方法は特に限定されない。予め反応器外で触媒前駆体を溶媒に浸漬した後、触媒前駆体を反応器に充填する方法、先に反応器に触媒前駆体を充填した後、反応器に溶媒を供給し、触媒前駆体を浸漬させる方法等、いずれでも良い。反応器への溶媒の供給は、充填された触媒前駆体の上部からでも下部からでも良い。この際、充填した触媒前駆体が浮遊しない様に溶媒の供給速度を調整することが好ましく、この様な観点から、触媒前駆体の上部から溶媒を供給することが好ましい。触媒前駆体の浸漬は、溶媒の静置下、撹拌下及び/又は流通下に行うことができ、この内、静置下で行うのが操作上、簡便である。固定床反応を行う場合、先ず反応器に触媒前駆体を充填した後、触媒前駆体が全て漬かるまで溶媒を供給し、浸漬するのが好ましい態様である。溶媒の供給及び/又は浸漬は常圧で行うことができ、必要に応じて反応器を減圧にして脱気を行うこともできる。触媒前駆体を浸漬する時間は、気液を適切に置換する観点から0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。また、浸漬時間に技術的な上限はないが、作業効率の観点から50時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましく、10時間以下が更に好ましい。
【0018】
浸漬後、溶媒を反応器より抜き出す。その際、又はその後に、反応器に窒素などの不活性ガスを供給し、反応器内を不活性ガスで置換して触媒前駆体の還元に備えることが好ましい。ここで、通常、触媒前駆体の充填等により生じる触媒前駆体の微粉末も溶媒と共に反応器外へ除去される結果となり、本発明の工程1は、反応生成物への触媒の混入抑制にも寄与している。もちろん、更に反応器に溶媒や不活性ガスを供給し、触媒前駆体の微粉末除去を行うこともできる。
【0019】
本発明の工程2においては、工程1で得られた触媒前駆体を、溶媒の存在下で還元を行う。ここで使用する溶媒は、工程1で用いた溶媒でも、別の溶媒でも構わないが、同じ溶媒を使用する方が操作上、簡便で好ましい。
【0020】
工程2における溶媒の通液速度は、溶媒による触媒の濡れ状態を均一とし、触媒の一部が気相還元されるのを防止する観点から、液空間速度で0.1〔Hr-1〕以上が好ましい。また上限は特にないが、経済的な観点から、5.0〔Hr-1〕以下が好ましく、3.0〔Hr-1〕以下がより好ましい。尚、溶媒を反応器に導入する温度は、触媒還元を極力温和な条件で開始できるように、通常20〜60℃が好ましく、後述の還元活性化温度まで昇温していく。
【0021】
工程2において、触媒前駆体の還元は、還元剤として水素ガスもしくは水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを触媒前駆体に接触・供給しながら行う。このとき水素を希釈するための不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン等の使用が可能である。ここでガス中の水素濃度は好ましくは2容量%〜100容量%、より好ましくは5容量%〜100容量%の範囲で選ばれるが、活性化に要する時間を考慮した場合、水素分圧として1気圧以上になるような水素濃度に設定するのが望ましい。
【0022】
ガスの供給は、溶媒の存在下、常圧ないし30MPa(300気圧)の圧力条件下で行うのが好ましい。30MPaを越えても、本発明の効果は得られるものの、設備的な負荷が大きくなるため、経済的な観点から30MPa以下が好ましい。
【0023】
またガスの供給は、良好な除熱効果を得、還元生成水を効率的に除去して、十分な触媒性能を得る観点から、ガス空間速度50〔Hr-1〕以上が好ましく、100〔Hr-1〕以上がより好ましい。また設備的な面から、ガス空間速度10000〔Hr-1〕以下が好ましく、5000〔Hr-1〕以下がより好ましい。尚、ガスの導入温度は、前記の溶媒の場合と同様の理由により、通常20〜60℃において行われ、還元活性化温度まで昇温していく。
【0024】
本発明において還元活性化温度は上記のように溶媒およびガスの通液、供給を行いながら、50〜200℃の温度範囲内で液相還元を行う。
【0025】
ここで、触媒前駆体の液相還元は、前記の還元活性化温度の範囲内において、主として一定温度で行われてもよく、昇温中に行われてもよく、それらの両者を含んでいてもよい。また昇温は連続的もしくは不連続的に行ってもよく、その昇温速度も一定である必要はない。従って、途中で一定温度に保持したり昇温速度を変えながら液相還元を行ってもなんら問題はない。
【0026】
液相還元の時間は、上記の温度条件により異なるが、還元活性化を十分進行させる観点から、通常1.5時間以上が好ましく、6時間以上がより好ましい。また経済的な観点から、100時間以下が好ましい。
【0027】
上記において、昇温速度は、触媒前駆体の還元活性化工程に費やす時間が長くなるのを抑制する観点から、0.5℃/Hr以上が好ましく、1℃/Hr以上がより好ましく、5℃/Hr以上が更に好ましい。また急速な触媒還元に伴う還元熱の蓄積により急激な温度上昇が起こるのを防止し、還元反応を制御し易くする観点から、40℃/Hr以下が好ましく、30℃/Hr以下がより好ましく、20℃/Hr以下が更に好ましい。
【0028】
本発明の触媒の調製方法により得られる触媒は、固定床連続反応方式により主にアルコールの製造に用いられる他、アルデヒド基あるいはケトン基の水素化、オレフィン類の水素化、ニトロ基の水素化等の各種水素化反応に用いることができる。従って、本発明の触媒の調製を固定床連続反応用の反応器内で行えば、得られる活性化触媒をそのままアルコール等の製造に使用することができ、好ましい。
【0029】
[アルコールの製造方法]
本発明のアルコールの製造方法は、上記のような本発明の調製方法で得られた触媒の存在下、有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステルを水素で接触還元する方法である。
【0030】
原料となる有機カルボン酸としては、ヤシ油、パーム核油、パーム油、牛脂、豚脂等から得られる動植物系の天然の脂肪酸や、合成系脂肪酸等が挙げられ、有機カルボン酸エステルとしては、油脂または脂肪酸エステルが望ましい。油脂としては、炭素数が6〜22の飽和あるいは不飽和脂肪酸から構成されるモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが、また脂肪酸エステルとしては炭素数が1以上でかつエステル基を1以上含む直鎖、分岐鎖あるいは不飽和の脂肪酸エステルが挙げられる。このような脂肪酸エステルとしては、例えば蟻酸エステル、酢酸エステル、カプロン酸エステル、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ウンデセン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、アラキン酸エステル、ベヘン酸エステル、シュウ酸エステル、マレイン酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル等を挙げることができる。ここで、脂肪酸エステルを構成するアルコール部は特に限定されるものではないが、炭素数が1〜22の脂肪族アルコールから構成されるのが好ましい。また本発明において水素化に供されるエステルは、脂肪酸エステルに限定されるものではなく、シクロヘキサンカルボン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステルなどの脂環式カルボン酸エステルや芳香族カルボン酸エステル及びその誘導体であっても何等問題がない。
【0031】
本発明では、上記の有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステルを水素化するに際し、固定床連続反応方式を採用するのが好ましい。水素化反応は溶媒を使用することも可能であるが、生産性を考慮した場合には無溶媒で反応を行うのが望ましい。溶媒を用いる場合、アルコール、ジオキサンあるいはパラフィン等の反応に悪影響を与えないものが選ばれる。反応温度は130〜300℃が好ましく、160〜250℃がより好ましい。反応圧力は0.0098〜29MPa(0.1〜300kg/cm2)が好ましい。また、原料供給の液空間速度は反応条件に応じて任意に決定されるが、生産性あるいは反応性を考慮した場合、0.2〜5.0〔Hr-1〕の範囲が好ましい。
【実施例】
【0032】
実施例1
まず、特開平5−177140号公報の実施例5記載の方法に従って、TiO2上にCuO、ZnO、BaOを担持させた触媒前駆体を得た。得られた前駆体粉末を円柱状に打錠成形した後、400℃で2時間焼成することにより、下記のような重量組成を有する直径3mm、高さ3mmの成形触媒前駆体を得た。
【0033】
CuO:ZnO:BaO:TiO2=44%:2%:4%:50%
かくして得られた480ccの成形触媒前駆体を固定床高圧流通反応器に充填した後、ラウリルアルコール(花王(株)製、商品名:カルコール−20、純度=99.8%)500ccを反応器上部から供給し、成形触媒前駆体をラウリルアルコールで1時間浸漬処理した。
浸漬処理終了後、ラウリルアルコールを抜き出し、反応器内を窒素で置換した。
【0034】
次に液相還元を以下の通り行った。40℃の温度下、65NL/Hrのガス流速で水素濃度50容量%、窒素濃度50容量%の混合ガスを導入し、次いで240cc/Hrの流速でラウリルアルコール(花王(株)製、商品名:カルコール−20、純度=99.8%)を通液した。液、ガスの流速が安定した後、20kg/cm2 (ゲージ圧)の圧力下、10℃/Hrの速度で昇温し、100℃で55時間保持した後、10℃/Hrの速度で昇温し、200℃で6時間保持することにより、触媒前駆体の還元処理を行った。
【0035】
触媒前駆体の還元活性化が終了した後、ラウリルアルコールを炭素数が8〜18の鎖長分布を有する脂肪酸メチルエステル(ケン化価=243)に切り換え、反応温度220℃、反応圧力200kg/cm2 、液空間速度1.0(Hr-1)、脂肪酸メチルエステルに対し25モル倍の水素流通条件下、水素化反応を行い、触媒活性を、成形触媒単位容積当たりの1次反応速度定数として求めた。得られた結果を表1に示した。
【0036】
本例では、高い触媒活性により、効率的にアルコールを製造することが可能であった。また、得られたアルコールも高品質なものであった。
【0037】
比較例1
ラウリルアルコールによる成形触媒前駆体の浸漬処理を行わなかった他は、実施例1と同じ液相還元及び脂肪酸メチルエステルの水素化反応を行った。得られた結果を表1に示した。
【0038】
本例では、得られたアルコールの品質は実施例1と同等であったが、触媒の活性が低いため、アルコールの生産性が劣る結果となった。
【0039】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程1及び2を有する触媒の調製方法。
工程1:酸化金属を含有する成形した触媒前駆体を溶媒に浸漬する工程
工程2:工程1で得られた触媒前駆体を、溶媒の存在下に水素ガス又は水素ガスと不活性ガスとの混合ガスを触媒層に供給して還元する工程
【請求項2】
溶媒が、グリセリド油、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類及び炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の触媒の調製方法。
【請求項3】
触媒が、銅含有水素化触媒である、請求項1又は2記載の触媒の調製方法。
【請求項4】
銅含有水素化触媒が、銅−クロム系酸化物、銅−亜鉛系酸化物、銅−鉄系酸化物、銅−アルミ系酸化物及び銅−シリカ系酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3記載の触媒の調製方法。
【請求項5】
触媒前駆体を溶媒に0.5〜50時間浸漬する、請求項1〜4いずれかに記載の触媒の調製方法。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の方法により触媒を調製し、次いで得られた触媒の存在下、有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステルを水素で接触還元する、アルコールの製造方法。

【公開番号】特開2010−64019(P2010−64019A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233587(P2008−233587)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】