説明

触媒コンバータの製造方法及び触媒収納ケース

【課題】触媒コンバータの品番ごとに触媒収納ケースを準備する必要が無い触媒コンバータの製造方法と、その方法の実施に使用する触媒収納ケースとを提供する。
【解決手段】略円柱状の触媒の外周にシール部材を巻き付けてなるシール部材付き触媒1を準備する。また、シール部材付き触媒1の外径よりも大きな内径を有する略円筒状の触媒収納ケース3であって、円筒状本体の周壁の外周面上に本体の中心軸と平行に延びる突条部31が設けれた触媒収納ケース3を準備する。突条部31は、二つの突片部により横断面山型に形成されている。触媒収納ケース3内にシール部材付き触媒1を配置した後、矢印A1のように突条部31を押圧して当該ケース3の内径を減少させる。こうして、触媒収納ケース3の周壁と触媒1との間でシール部材を締め付けると共に、触媒収納ケース3内にシール部材付き触媒1を離脱不能に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化装置に組み込まれる触媒コンバータの製造方法と、その方法の実施に使用される触媒コンバータ用触媒収納ケースとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用排気ガス浄化装置の主要な構成要素である触媒コンバータは、排気ガスを軸方向に通過させて浄化するための円柱状の触媒と、その触媒を収納するケースと、触媒及びケース間に介在させる耐熱繊維製のシール部材とを備えている。円柱状の触媒とは、具体的にはセラミック製又は金属製の触媒担体に白金やパラジウム等の触媒成分を担持させたものである。シール部材は、触媒とケースとの間隙における気密性の確保、触媒の弾力的な保持、触媒とケースとの間の断熱など様々な役割を担うものである。
【0003】
このような触媒コンバータは、例えば特許文献1のような手順で製造される。即ち円柱状の触媒の外周にシール部材を巻回し、その端部を熱焼失性テープで一時的に係止する。次に、触媒に巻回されたシール部材をその周囲からプレス治具で径方向に押圧して、シール部材を圧密化する。続いて、縦置きした円筒状の触媒収納ケースの上に、テーパな内周面を持つ縮径治具を配置し、更にその縮径治具の上に、触媒に巻回されたシール部材を圧密化しているプレス治具を配置する。そして、プレス治具内に保持された触媒及びそれに巻回されたシール部材を剛性円板で上から下に押圧することにより、触媒及び圧密状のシール部材を、縮径治具のテーパな内周面に沿って滑らせながら円筒状ケース内に垂直に圧入する。特許文献1の手順によれば、シール部材の機能を損なうことなく触媒コンバータの生産性を向上させることができる、とのことである。
【0004】
【特許文献1】特開2001−221039号公報(第0036〜0041段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の触媒コンバータの製造方法にも、いくつかの難点があった。
第一に、従来は触媒コンバータの品番(即ち製品の品揃え)ごとに異なった寸法の触媒収納ケースを準備する必要があった。つまり、触媒の寸法(特に外径)と、それに適合する触媒収納ケースの寸法(特に内径)とを1対1対応させる必要があった。それ故、触媒コンバータの品番が増えるにつれて、品番の数だけの種類の触媒収納ケースを準備しなければならず、部品としての触媒収納ケースの在庫管理が非常に煩雑になっていた。
【0006】
第二に、特にセラミック製触媒担体において触媒担体の構成壁が従前よりも薄壁化された「薄壁触媒」の需要が高まりつつある。それ故、シール部材が巻回された触媒を円筒状の触媒収納ケース内に強制的に圧入するというような従来の組み立て手法では、圧入時に薄壁触媒を破損するおそれがある。
【0007】
第三に、シール部材が巻回された触媒を円筒状の触媒収納ケース内に圧入する際に、触媒に対してシール部材がずれるという問題がある。即ち特許文献1の方法では、触媒に巻回されたシール部材の周囲をプレス治具で押圧した状態で、そのプレス治具内に保持された触媒及びシール部材を剛性円板で上から下に押圧することにより、シール部材が巻かれた触媒を円筒状ケース内に垂直に圧入するという手順を採用している。その際に、プレス治具の押圧に起因するシール部材とプレス治具との間の摩擦力が、シール部材と触媒外周面との間の摩擦力を上回ることがあり、その場合には、触媒を円筒状ケース内に垂直圧入する過程で、触媒の周囲に巻き付けられたはずのシール部材が徐々に引き剥がされるという不具合を生じることがある。なお、かかる不具合を回避するために、両面粘着テープ等を用いて触媒の外周面にシール部材を貼り付けたり、触媒の外周面に特殊な滑り止めコーティングを施したりする等の対策も試みられているが、これらの対策は、コスト及び手間をかけている割りに、シール部材の確実な滑り止め対策とはなり得ていないという現実がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、触媒コンバータの品番ごとに触媒収納ケースを準備する必要が無く、薄壁触媒を用いた場合でも製造の過程で薄壁触媒を破損することが無く、更には、製造の過程でシール部材が触媒に対してずれを生じたり触媒から引き剥がされたりするおそれがない触媒コンバータの製造方法を提供することにある。また、そのような触媒コンバータの製造方法の実施に使用するための触媒収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、触媒コンバータの製造方法であって、略円柱状の触媒の外周にシール部材を巻き付けてなるシール部材付き触媒を準備する触媒準備工程と、前記シール部材付き触媒の外径よりも大きな内径を有する略円筒状の触媒収納ケースであって、円筒状本体の周壁の外周面上に本体の中心軸と平行に延びる突条部が設けられ、その突条部が、円筒状本体の周壁の一部を当該周壁の外周面から外方向に張り出すように形成してなる二つの突片部を有すると共に、これら二つの突片部により横断面山型に形成されている触媒収納ケースを準備するケース準備工程と、前記触媒収納ケース内に前記シール部材付き触媒を配置する配置工程と、前記突条部の二つの突片部を互いに接近させるように当該突条部を押圧して前記触媒収納ケースの内径を減少させることにより、前記触媒収納ケースの周壁と前記触媒との間で前記シール部材を締め付けると共に、前記触媒収納ケース内に前記シール部材付き触媒を離脱不能に保持する突条部押圧工程とを順次実行することを特徴とする触媒コンバータの製造方法である。
【0010】
この触媒コンバータの製造方法において、前記触媒収納ケースの周壁の外周面をケース本体の中心軸に向けて押圧する周壁押圧工程を更に実行すること、は好ましい。なお、この周壁押圧工程は、前記突条部押圧工程と同時遂行されてもよい。
【0011】
また、本発明は、触媒コンバータ用の触媒収納ケースであって、金属製の円筒状の本体と、その本体の周壁の外周面上に前記本体の中心軸と平行に延びるように設けられた突条部とを備え、前記突条部が、前記円筒状本体の周壁の一部を当該周壁の外周面から外方向に張り出すように形成してなる二つの突片部を有すると共に、これら二つの突片部により横断面山型に形成されていることを特徴とする触媒収納ケースである。
【0012】
[作用等の補足説明]
本発明の触媒コンバータの製造方法によれば、略円柱状の触媒の外周にシール部材を巻き付けてなるシール部材付き触媒を、そのシール部材付き触媒の外径よりも大きな内径を有する略円筒状の触媒収納ケースであって、二つの突片部により横断面山型に形成された突条部が設けられている触媒収納ケース内に配置した後、二つの突片部を互いに接近させるように突条部を押圧して触媒収納ケースの内径を減少させることにより、触媒収納ケースの周壁と触媒との間でシール部材を締め付けると共に、触媒収納ケース内にシール部材付き触媒を離脱不能に保持して触媒コンバータを製造している。
【0013】
この製造方法では、触媒コンバータ構成部品としての略円筒状の触媒収納ケースを、シール部材付き触媒の外径よりも大きな内径を有するものとして予め準備する。そして、その触媒収納ケース内にシール部材付き触媒を配置した後、二つの突片部を互いに接近させるように突条部を押圧して触媒収納ケースの内径を減少させることで、シール部材付き触媒の外径に触媒収納ケースの内径を事後的に適合させ、触媒収納ケース内にシール部材付き触媒を離脱不能に保持するという手順を採用している。このため、外径の異なる何種類ものシール部材付き触媒が存在する場合でも、それらのシール部材付き触媒の外径よりも大きな内径を有する単一種の触媒収納ケースで対応することができる。それ故、触媒コンバータの品番ごとに触媒収納ケースを準備する必要が無く、触媒収納ケースの在庫管理を従来よりも簡素化することができる。
【0014】
また、本発明の製造方法では、シール部材付き触媒を触媒収納ケース内に圧入するという手順を採用せず、相対的に大きな内径を有する触媒収納ケース内にシール部材付き触媒を配置した後、二つの突片部を互いに接近させるように突条部を押圧して触媒収納ケースの内径を減少させることで、保持面圧を確保できる程度に触媒収納ケースの周壁と触媒との間でシール部材を締め付け、触媒収納ケース内にシール部材付き触媒を離脱不能に保持するという手順を採用している。このため、触媒担体の構成壁が薄壁化された薄壁触媒を用いた場合でも、突条部に対する押圧力を適度に加減することで、薄壁触媒の破損を回避しつつ触媒コンバータを製造することができる。
【0015】
更に、本発明の製造方法では、シール部材付き触媒を触媒収納ケース内に圧入するという手順を全く採用していないので、製造の過程で、シール部材が触媒に対してずれを生じたり触媒から引き剥がされたりというような不都合を生じない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の触媒コンバータの製造方法によれば、触媒コンバータの品番ごとに触媒収納ケースを準備する必要が無く、触媒収納ケースの在庫管理を従来よりも簡素化することができる。また、触媒担体の構成壁が薄壁化された薄壁触媒を用いた場合でも、薄壁触媒の破損を回避しつつ触媒コンバータを製造することができる。更には、製造の過程でシール部材が触媒に対してずれを生じたり触媒から引き剥がされたりというような不都合を生じることがない。
【0017】
本発明の触媒収納ケースは、上述のような触媒コンバータの製造方法を実施する際の触媒コンバータ構成部品として使用することができ、触媒収納ケースの在庫管理を従来よりも簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる手順で製造される触媒コンバータは、略円筒状の触媒収納ケース3の中に円柱状の触媒1を、両者(1,3)間にシール部材2を介在させつつ保持したものである。
【0019】
最初に、円柱状の触媒1の外周にシール部材2を巻き付けることで、シール部材2付き触媒1を準備する(図2(B)参照)。ここで、円柱状の触媒1とは、円柱形状に形成されたセラミック製ハニカム触媒担体に白金等の触媒成分を担持させたものである。セラミック製ハニカム触媒担体は、その軸方向に排気ガスを通過させることができる複数の排気ガス通路をハニカム状に集合配置した構造を有するものである。シール部材2は、アルミナ繊維等の耐熱性繊維をマット形状に成形したものであり、その厚さ方向に外力を及ぼしたときに一定の弾力を示すものである。なお、円柱状の触媒1の外周にシール部材2を巻き付けて得られたシール部材付き触媒の外径(最外周部の直径)を仮にR’とする。
【0020】
上記シール部材付き触媒とは別に、触媒収納ケース3を準備する。具体的には図1(A)に示すように、金属製(例えばステンレス鋼製)の円筒状管材30を先ず準備する。この金属製円筒状管材30は、触媒収納ケース3の本体(又は母体)となるものであって、前記シール部材付き触媒の外径R’よりも若干大きな内径(即ち内周壁の直径)Rを有している。次に図1(B)に示すように、本体としての円筒状管材30の周壁に対し、プレス加工機等(図示略)を用いて突条部31を付与することにより、円筒状管材30の周壁の外周面上に管材の中心軸と平行に延びる突条部31が設けられた触媒収納ケース3を得る。ちなみに、この触媒収納ケース3の内周壁面における内周長はπR(πは円周率)である。
【0021】
図4(A)に示すように、触媒収納ケースの突条部31は、円筒状管材30の周壁の一部を当該周壁の外周面から外方向に張り出すように形成された二つの突片部32,33からなると共に、これら二つの突片部32,33によって横断面形状が山型に付形されている。より具体的には、第1の突片部32の外端部(先端部)と第2の突片部33の外端部(先端部)とが山の頂点で互いに連結される一方、第1の突片部32の内端部(基端部)及び第2の突片部33の内端部(基端部)はそれぞれ円筒状管材30の周壁に連結されている。その結果、突条部31の横断面形状は、第1及び第2の突片部32,33を二つの等辺とするような二等辺三角形状の山型となっている。
【0022】
シール部材2付き触媒1及び触媒収納ケース3の双方が準備できたら、触媒収納ケース3の内部にシール部材付き触媒を挿入・配置する。シール部材付き触媒の外径R’よりも触媒収納ケース3の内径Rの方が若干大きくなっているので、この挿入・配置操作は非常にスムーズに完了する。つまり、触媒1の周囲に巻き付けられたシール部材2が触媒収納ケース3の入口部分に引っ掛かって耐熱繊維のくずが飛散する等の不具合を生じることは無く、又、セラミック製の触媒1がケース3等に衝突して破損するおそれもない。
【0023】
続いて、シール部材付き触媒を挿入した触媒収納ケース3を、図2(B)に示すように押圧プレス機構Pにセットする。図2(A)に示すように、押圧プレス機構Pは、固定型としての下型4と、その下型4に対し接近離間可能に設けられた可動型としての上型5とを備えている。下型4及び上型5はそれぞれ、触媒収納ケース3の外周部を押圧するための横断面半円弧状に湾曲した押圧面41,51と、その押圧面の一端縁にあって触媒収納ケースの突条部31を押圧するための押圧溝42,52とを有している。
【0024】
図2(B)に示すように、下型4から上型5を離間させた型開き状態で、下型の押圧面41及び押圧溝42上に触媒収納ケース3の半周部が載るように触媒収納ケース3をセットした後、上型5を下動させ、下型4及び上型5間でシール部材付き触媒を内包した触媒収納ケース3を押圧(プレス)する。その際、上下両型の各押圧溝42,52で突条部31を潰すように押圧することで(突条部押圧工程、図3中の小矢印A1参照)、触媒収納ケース3の内径を減少させる。それと同時に、上下両型の各押圧面41,51で触媒収納ケース3の外周壁をケース本体の中心軸に向けて押圧する(周壁押圧工程、図3中の大矢印A2参照)。
【0025】
突条部押圧に関して更に具体的に説明すると、図4(A)及び(B)に示すように、突条部31の二つの突片部32,33を互いに接近させる方向に押圧することで、各突片部32,33の内端部どうしを接近させ、触媒収納ケース3の内周長を短縮する。押圧前における二つの突片部32,33の内端部間の間隔をLとし、押圧後における二つの突片部32,33の内端部間の間隔をm(m<L)とすると、突条部31の押圧によるケース内周長の短縮長は(L−m)ということになる。そして、このケース内周長の短縮に伴い、触媒収納ケース3の内径は、押圧前のRから、押圧後の[R−(L−m)/π](πは円周率)に縮小することになる。このようなケース内径の縮小の結果として、触媒収納ケース3の周壁と触媒1との間でシール部材2が締め付けられると共に、触媒収納ケース3内にシール部材2付き触媒1が離脱不能に保持される。
【0026】
なお、上記突条部押圧工程と同期した周壁押圧工程により、触媒収納ケース3内のシール部材2が、触媒収納ケース3の周壁と触媒1との間で更に締め付けられ、シール部材2付き触媒1の保持が更に確実化することは言うまでもない。
【0027】
以上のような一連の手順を経て、図3及び図4(B)に示すような触媒コンバータが完成する。なお、図3の状態の触媒コンバータに対して、追加加工(例えば他部材の取り付け等)が更に施されてもよい。
【0028】
本実施形態では、触媒収納ケース3内にシール部材2付き触媒1を配置後、突条部31を押圧して触媒収納ケース3の内径を減少させることで、シール部材付き触媒の外径R’に触媒収納ケース3の内径を事後的に適合させると共に、触媒収納ケース3内にシール部材付き触媒を離脱不能に保持するという手順を採用している。このため、外径の異なる複数種類のシール部材付き触媒が存在するような場合でも、それらシール部材付き触媒の外径R’よりも大きな内径Rを有する単一種の触媒収納ケース3で対応することができる。従って、触媒コンバータの品番ごとに触媒収納ケース3を準備する必要が無く、触媒収納ケース3の在庫管理を従来よりも簡素化することができる。
【0029】
本実施形態では、シール部材2付き触媒1を触媒収納ケース3内に圧入するという手順を採用していない。このため、触媒1として薄壁触媒を用いた場合でも、薄壁触媒の破損を回避しつつ触媒コンバータを製造することができる。また、製造の過程で、シール部材2が触媒1に対してずれを生じたり触媒から引き剥がされたりというような不都合を生じる心配がない。
【0030】
なお、本実施形態では、触媒収納ケース3の突条部31の突出量又は高さh(図4(B)参照)はその上限値が10mmであることが好ましいが、特にこの値に限定されるわけではない。ただし、触媒コンバータの実車への装着時に当該触媒コンバータに被せられるカバー部材との干渉を避けることを考慮すると、突条部31の突出量又は高さhが2mm(又は2mm程度)であることがより好ましい。
【0031】
[変更例]上記実施形態では、触媒収納ケース3における突条部31をケースの長さ方向全体にわたって設けた(図1(B)参照)。これに代えて例えば図5に示すように、突条部31の長さをケース3の全長よりも短く設定し、突条部31の両端部付近に周壁の一部34a,34bを残しておいてもよい。図5の構成によれば、触媒収納ケース3内にシール部材付き触媒を保持した後で、触媒収納ケース3の開口端部に対しスピニング加工等を施したり、コーン形状の部材を溶接により連結したりすることが、周壁の一部34a,34bが残存していることにより、非常に容易になるという利点がある。
【0032】
[変更例]上記実施形態では、触媒収納ケース3における突条部31の横断面形状を、第1及び第2の突片部32,33を二つの等辺とするような二等辺三角形状の山型とした(図4(A)参照)。これに代えて例えば図6に示すように、突条部31の横断面形状を、二つの突片部32,33によって構築されるアーチ形状の山型としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(A)は金属製円筒状管材の斜視図、(B)は触媒収納ケースの斜視図。
【図2】(A)は押圧プレス機構の概略断面図、(B)は押圧プレス機構に触媒収納ケースをセットした状況を示す概略断面図。
【図3】押圧プレスにより得られた触媒コンバータの概要を示す斜視図。
【図4】(A)は押圧前の突条部の拡大図、(B)は押圧後の突条部の拡大図。
【図5】触媒収納ケースの変更例を示す斜視図。
【図6】突条部の変更例を示す拡大図。
【符号の説明】
【0034】
1…触媒、2…シール部材、3…触媒収納ケース、30…金属製の円筒状管材(触媒収納ケースの円筒状本体)、31…突条部、32,33…二つの突片部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円柱状の触媒の外周にシール部材を巻き付けてなるシール部材付き触媒を準備する触媒準備工程と、
前記シール部材付き触媒の外径よりも大きな内径を有する略円筒状の触媒収納ケースであって、円筒状本体の周壁の外周面上に本体の中心軸と平行に延びる突条部が設けられ、その突条部が、円筒状本体の周壁の一部を当該周壁の外周面から外方向に張り出すように形成してなる二つの突片部を有すると共に、これら二つの突片部により横断面山型に形成されている触媒収納ケースを準備するケース準備工程と、
前記触媒収納ケース内に前記シール部材付き触媒を配置する配置工程と、
前記突条部の二つの突片部を互いに接近させるように当該突条部を押圧して前記触媒収納ケースの内径を減少させることにより、前記触媒収納ケースの周壁と前記触媒との間で前記シール部材を締め付けると共に、前記触媒収納ケース内に前記シール部材付き触媒を離脱不能に保持する突条部押圧工程と
を順次実行することを特徴とする触媒コンバータの製造方法。
【請求項2】
前記触媒収納ケースの周壁の外周面をケース本体の中心軸に向けて押圧する周壁押圧工程を更に実行することを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータの製造方法。
【請求項3】
触媒コンバータ用の触媒収納ケースであって、
金属製の円筒状の本体と、その本体の周壁の外周面上に前記本体の中心軸と平行に延びるように設けられた突条部とを備え、
前記突条部が、前記円筒状本体の周壁の一部を当該周壁の外周面から外方向に張り出すように形成してなる二つの突片部を有すると共に、これら二つの突片部により横断面山型に形成されていることを特徴とする触媒収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−291923(P2007−291923A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119592(P2006−119592)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】