触覚フィードバックを有する操作ホイール及びハンドルシステム
【課題】コンピュータ又は電子装置の複数の機能を一つのスクロールホイールで、直感的に容易に操作することを可能にする触覚型の操作ホイールを提供する。
【解決手段】操作ホイールは、ユーザによってシステムの少なくとも一つの機能を操作するための操作ホイールであって、ユーザによる係合用の移動可能な係合ホイールと、該係合ホイールに連結され、該係合ホイールの移動に応じて該係合ホイールに力又は触覚フィードバックを供給するアクチュエータとを備え、前記係合ホイールの移動を検出するセンサが備えられ、そして、該センサに連結され、前記係合ホイールの位置及び移動についての情報を受け、且つ前記アクチュエータに連結され、前記係合ホイールへの力を制御する制御システムと、を備えている。前記制御システムは当該システムの少なくとも一つの機能の操作を提供する。
【解決手段】操作ホイールは、ユーザによってシステムの少なくとも一つの機能を操作するための操作ホイールであって、ユーザによる係合用の移動可能な係合ホイールと、該係合ホイールに連結され、該係合ホイールの移動に応じて該係合ホイールに力又は触覚フィードバックを供給するアクチュエータとを備え、前記係合ホイールの移動を検出するセンサが備えられ、そして、該センサに連結され、前記係合ホイールの位置及び移動についての情報を受け、且つ前記アクチュエータに連結され、前記係合ホイールへの力を制御する制御システムと、を備えている。前記制御システムは当該システムの少なくとも一つの機能の操作を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にホイール操作装置に関し、特に触覚フィードバックを有する操作ホイール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作ホイールとノブは、多くの異なるタイプの装置で様々な異なる機能のために使用されている。しばしば、回転式の操作ノブは、例えばボタン又はスイッチ操作といった他の形式の操作装置に合わないユーザにある程度の操作性を提供している。例えば、多くのユーザは、ステレオあるいは他の音声出力装置からの出力音声のボリューム調整のために回転式の操作ノブを使用することを好んでいる。それは、回転式操作ノブが、相対的(特にボタン操作と比較して)に容易に微調整や粗調整の両方を可能にするからである。ホイールやノブは、様々な他のタイプの装置(例えば、キッチンや他の家庭用電化製品(ビデオ編集/再生装置、リモコン、テレビ等))で使用されている。
【0003】
操作ホイールには、”力フィードバック”が備えられているものがある。力フィードバック装置は、ノブを動かすユーザに物理的な感覚を与えることができる。一般的には、モータが、ホイールに連結され、マイクロプロセッサのような制御装置に接続している。マイクロプロセッサは、ホイールからのセンサ信号を受信し、適切な力フィードバック制御信号をモータに送信する。そして、モータはホイールの回転自由度の範囲で力を与える。この方法において、プログラム化された様々な感覚(例えば、デテント、スプリング力など)をホイール上に出力できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンピュータ又は電子装置の複数の機能を一つのスクロールホイールで、直感的に容易に操作することを可能にする触覚型の操作ホイールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の操作ホイールは、ユーザによってシステムの少なくとも一つの機能を操作するための操作ホイールであって、ユーザによる係合用の移動可能な係合ホイールと、該係合ホイールに連結され、該係合ホイールの移動に応じて該係合ホイールに力又は触覚フィードバックを供給するアクチュエータとを備え、前記係合ホイールの移動を検出するセンサが備えられ、そして、該センサに連結され、前記係合ホイールの位置及び移動についての情報を受け、且つ前記アクチュエータに連結され、前記係合ホイールへの力を制御する制御システムと、を備えている。前記制御システムは当該システムの少なくとも一つの機能の操作を提供する。
【0006】
本発明の別の態様においては、前記係合ホイールはギヤドライブトランスミッションを介して前記アクチュエータに連結され、前記ギヤドライブトランスミッションは、前記係合ホイールの内側の内部ギヤ及びシャフトを介して前記アクチュエータに接続されるギヤピニオンからなり、前記内部ギヤは前記ギヤピニオンとかみ合わされている。
【0007】
本発明の更に別の態様においては、前記係合ホイールは、前記アクチュエータのシャフトに繋がれたベルトを介して前記アクチュエータに連結されている。
【0008】
本発明のまた更に別の態様においては、前記係合ホイールは、直接に前記アクチュエータのシャフトに連結されている。
【0009】
本発明の更に別の態様においては、前記係合ホイールは、前記アクチュエータのシャフトに連結されたピニオンに接触することにより前記アクチュエータに連結されている。
【0010】
本発明の別の態様においては、前記係合ホイールは、たわみ継手を介して前記アクチュエータに連結されている。
【0011】
本発明の更に別の態様においては、前記アクチュエータはDCモータを備えている。
【0012】
本発明のまた更に別の態様においては、前記センサは、光学式のエンコーダディスク及びエミッタ/ディテクタを備える光学式エンコーダを備えている。
【0013】
本発明の更に別の態様においては、前記センサは、アナログ式電位差計、容量性センサ並びに反射型のエミッタ/ディテクタ及びエンコーダバーの内の1つを備えている。
【0014】
本発明の別の態様においては、前記操作ホイールは、スイッチシャフトと、前記係合ホイールを押すことによってスイッチが係合するように、前記係合ホイールに連結され、前記スイッチシャフトに係合するスイッチガイドとを更に備えている。
【0015】
本発明のその他の特徴及び利点は、同じ部材に同じ数字を付している図面を参照しながら、以下に説明される好ましく、優れた実施形態を読み、把握することにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明に係る触覚スクロールホイールを備えるハンドル構成の斜視図である。
【図1b】本発明に係る触覚スクロールホイールを備えるハンドル構成の斜視図である。
【図1c】本発明に係る触覚スクロールホイールをユーザが係合する様子の詳細図である。
【図2a】本発明に係る触覚スクロールホイールの正面図である。
【図2b】図2aに示す触覚スクロールホイールの斜視図である。
【図2c】図2a及び図2bに示す触覚スクロールホイールの分解図である。
【図2d】図2a及び図2bに示す触覚スクロールホイールの詳細分解図である。
【図2e】本発明に係る触覚スクロールホイールと共に使用するセンサ組立体の概略図である。
【図3】本発明に係る触覚スクロールホイールの他の実施形態の斜視図である。
【図4a】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体のさらに他の実施形態の平面図である。
【図4b】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体のさらに他の実施形態の分解図である。
【図5a】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体の他の実施形態の平面図である。
【図5b】図5aに示す触覚スクロールホイール組立体の分解図である。
【図6】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体の他の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体で使用できるアクチュエータ、センサトランスミッション、選択スイッチ動作、センサ及びパワートランスミッションのカテゴリでの異なるいくつかの実施態様を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで開示する触覚スクロールホイールの目的は、コンピュータ又は電子装置の複数のインタフェースモードを一つのスクロールホイールで、ユーザが直感的に操作することを可能にすることである。つまり、スクロールホイールの感触を調整することでユーザインタフェースの状況にはっきりと対応させて、ユーザは、複雑なコンピュータ実行メニューやモードをさらに容易に操作することが可能となるのである。例えば、いくつかのインタフェースモードではデテントの感触を持つようにしてもよいし、他のモードではスプリングをジョグシャトルの感触に集中させてもよい。よく知られている触覚型のメタファの提供によって、この可変フィードバックが、よりすっきりとした、豊富なユーザ体験を与える。
【0018】
触覚スクロールホイールに対する好ましい適用の一つは、車のような乗り物内にある。触覚スクロールホイールは、例えば、車のハンドルに便利良く配置させることができ、それにより運転者は容易にそのスクロールホイールにアクセスすることができる。別の実施態様においては、スクロールホイールは、車のダッシュボード上、又は運転者及び/又は乗客が制御システムを介してスクロールホイールを使って機能を操作できるような位置に配置することもできる。また、装置10は、オーディオの制御や音声出力、温度制御、ウィンドウ制御、座席制御、ナビゲーションシステム、携帯電話あるいは他のポータブル電話制御システム、セキュリティー/アラームシステム等の車に関連のある制御もすることができる。
【0019】
さらに、別の実施態様においては、スクロールホイールは、コンピュータインタフェース装置(マウス、ジョイステック、トラックボール、ハンドル、医療シミュレーション装置等)、ステレオ、テレビ、コンピュータ(例えば、インターネットナビゲーション)、電気製品、編集/再生機、あらゆる装置のリモコン、ホーム・オートメーションシステム(ライトのような装置、ガレージの戸、錠、電気製品等の制御)、電話、コピー機、遠隔操作する乗り物の模型用の装置、おもちゃ等のその他の装置にも使用することが可能である。
【0020】
本発明の装置は、ここではスクロールホイールとして言及しており、リストや線形構造データのスクロールはその使用目的の一つであるが、当該ホイールは、スクロールすることに加えて、表示カーソルの移動、ボリューム調整、バランス、設定又は他の明度等の機能操作のために使用され得る。
【0021】
装置の特徴を示す多くの異なる実施態様(モード操作、エレクトロニクスコントローラ、ホイール、ノブ及びその他の装置用の触覚効果、本発明と共に用いられるほとんどのもの)が、米国特許第6128006号及び6154201号明細書並びに米国特許出願公開第09/783936号及び09/637513号明細書に記載されており、これらの全ては、本引用をもって本明細書に記載されているものとする。
【0022】
図1a及び図1bは、本発明の典型的な触覚スクロールホイール用の2つのハンドル構成を示す。図1aのハンドル100は、車、ボート等の乗り物に設置される。触覚スクロールホイール102は、ハンドル100を握るユーザの手の位置近くに配置される。これは、ユーザが容易に自然な握り位置からホイールへ指を動かせるようにしている。図1bのハンドル110は、ハンドルの向かい合う側に、2つの触覚ホイール112及び114を備えている。これにより、ユーザは、さらに快適にその特別なスクロールホイールの使用ができ、又は、一度に2つの機能を制御するために2つのスクロールホイールの使用を同時にできるようにしている。図1a〜1cに示すスクロールホイール組立体のサイズの一例は、30mm×40mm×50mmである。
【0023】
ハンドル上の触覚ホイールの方向は、図1a及びず図1bに示されるように、異なる実施態様で変化させることができる。触覚スクロールホイールの回転の中心軸は、ユーザがハンドルを握っている時のその親指の長軸と平行にさせることができる。これにより、ユーザはこの触覚ホイールを側面から側面に動かすことを可能にする(図1c参照)。この方向は、ユーザの親指を延ばした状態に維持し、より感じやすい触覚効果を与える。別の実施態様においては、触覚ホイールを、その回転の中心軸が親指の長軸に対して垂直となるように配置することができる。その場合、ユーザは、親指を折り曲げることで、当該触覚ホイールを上下に動かすことになる。その垂直方向は、ユーザにより大きな操作を与えるかもしれないが、親指は、延ばした状態よりもかかる状態にした場合の方がかたくなるため、不均整に感じる力をいくらか引き起こすかもしれない。
【0024】
当該スクロールホイールは、回転する自動車のハンドルに取り付けられるので、ユーザに対して様々な異なる方向で示されるであろう。例えば、スクロールホイールは、車が駐車している時よりも高速道路を走行する時に斜めになったりあるいは逆さになったりと異なった方向状態になるであろう。ユーザは、主として、その装置を直進走行中に使用するであろうから、装置の位置及び方向は、その使用態様に対して最適化されるべきでる。しかしながら、他の使用態様(すなわち駐車)についても、システム設計時において気にとめておくべきである。そして、図1cに示される方向は、十分にこれらの他の態様に対応するものである。
【0025】
触覚スクロールホイールの好ましい一実施形態を図2aから2eを参照して説明する。図2a及び2bは、組み立てられたスクロールホイール装置を示し、一方、図2c及び2dは分解図である。図2eはセンサ組立体の概略図を示す。この実施形態は、小容積、低コストで信頼性の高い触覚効果を提供する。
【0026】
ユーザはスクロールホイール120に接触する。ホイール120は、ユーザが触覚効果を体験できるように十分にユーザの皮膚を係合させる摩擦外面を持っているのが好ましい。ホイール120には、モータの最大限の駆動力に増幅するギヤドライブトランスミッションを介して、好ましくは、DCモータ122(あるいは他のタイプのアクチュエータ)が連結されている。ギヤドライブトランスミッションは、内部ギヤ124及びギヤピニオン126を含む。内部ギヤ124は、ギヤピニオン126の歯とかみ合うホイール120の内側に備えられた歯を含んでいる。ホイール120と内部ギヤ124は、ホイール120の回転の中心と堅く結合されたホイールシャフト128を介してギヤピニオン126に対応して設置される。
【0027】
触覚フィードバックのための好ましい速度伝達比は、2.5〜4の間である。これより小さい比率は、本質的に不安定なシステムをもたらす傾向がある。そして、摩擦のいくつかの態様が、減衰とそれによる安定を加えるために組み込まれなければならない。より大きい比率では、触覚体験を妨げるモータの慣性をもたらす傾向にある。他の実施形態では、内部ギヤ124及びギヤピニオン126に代えて、ギヤはバックラッシを除去する摩擦要素に置き換えることができる。例えば、摩擦リングが、内部ギヤ124及びピニオン126の代わりに提供されたり、例えば、代わりにラバー製の摩擦ホイールであるかもしれない。
【0028】
図2d及び2eから理解されるように、スクロールホイール120の回転位置は、光学式エンコーダによって検出されるのが好ましい。光学式エンコーダディスク130は、2つの速度伝達比によって事実上、回転させられる。エンコーダトランスミッション132は、ドライブプーリ133とエンコーダプーリ135との間で巻かれたOリングベルト134を介してギヤピニオン126に連結されており、内部ギヤ124とギヤピニオン126との間の供給比に加えて、追加の速度伝達比を供給している。これは、とても低コストなエンコーダエミッタ/ディテクタ136及び光学式エンコーダディスク130が使用されることを可能にする。例えば、低い検出分解能を当該速度伝達比を用いて増やすことができる。エンコーダディスク130は、エミッタ/ディテクタ136から放出されたビームを通す複数のスロット(あるいはマーク)を有しているので、エミッタ/ディテクタ136のディテクタは、スロットの動きを検出でき、従ってホイールの位置を検出することができる。さらに高価なエンコーダ技術を用いると、エンコーダトランスミッション132は必要でなくなり、内部ギヤ/ピニオントランスミッション(例えば、ピニオン126)と直接に接続することが可能となる。エミッタ/ディテクタ136は、コネクション137を介して制御システムと通信する。他の通信伝達のタイプが使用されても良い。
【0029】
さらに、追加コマンドを与えるためにユーザよってスクロールホイールが押されるという能力がある。例えば、ホイールを回転させることによってスクロールするリスト内の特定のエントリを選択するためにホイールを押すことができる。通常のスクロールホイール(例えば、マウス)の使用においてはその作動方法はそれほど重要でないが、触覚型での使用においては、正確に設計がなされないとバリアやバネの使用が誤作動を引き起こす場合があることからその作動方法は重要である。他の選択方法を使用することもできるが、線形の押し選択方法はこれらのタイプの装置に対する好ましい解決法である。
【0030】
従って、スクールホイール組立体139はホイール120及びドライブ/トランスミッション/センサコンポーネントを含む。組立体139は、押し選択シャフトガイド140及び押し選択シャフト142を介してベース138と連結している。該組立体は、例えば、スクリュー、リベット等を介してガイド140に連結している。これは、組立体139全体が、シャフト142に沿って直線的に動くことを可能にしている。2つの選択動作ガイド144が、スクロールホイール組立体139が選択シャフト142の中心線に沿ってのみに動くことをガイドするため、ベース138に備えられている。組立体139は、触覚スイッチ146上に置かれる。そのため、該組立体がユーザによって押し下げられると(ホイール120を押すと)、触覚スイッチ146は閉じられる。触覚スイッチは制御システムと通信する。以上のようにして、選択は、ホイールがユーザによってスクロールされることで成され、従って、スクロール組立体を押すこと、つまり、触覚スイッチを係合させることによってコンピュータの表示メニュー、可聴式メニュー、非表示メニュー又はその組み合わせを通してユーザを動かすのである。
【0031】
図3は、触覚スクロールホイールの他の実施形態150の斜視図である。アクチュエータ154は、回転シャフト156を有するDCモータとしてベース152上に置かれている。ベルトドライブトランスミッションは、その一端がシャフト156の周囲に巻き付けられ、他端がプーリ160に巻き付けられるベルト158を含む。スクロールホイール162は、プーリ160に堅く連結され、ほぼ同じ回転軸で回転する。他の実施態様においては、スクロールホイール162は、ユーザが容易にアクセスできるようにプーリ160より大きくても良いし、スクロールホイール162を軸に沿ってプーリ160からさらに離して位置させることもできる。例えば、デジタルエンコーダセンサは、エンコーダディスク164並びにアクチュエータのシャフト及びスクロールホイール162の位置を検出するためのエミッタ/ディテクタ166を含んでいる。他の実施態様においては、ベルト158は、スクロールホイールの接触面にも位置することができる。すなわち、当該スクロールホイールが回転している時には、ユーザはベルト158に接触する。そして、当該スクロールホイールは、かかる実施態様においては、プーリ160となるであろう。
【0032】
図4aは、スクロールホイールのダイレクトドライブの実施形態170の斜視図である。DCモータであるアクチュエータ172はベース174上に置かれる。スクロールホイール176は、アクチュエータ172のシャフトに直接連結されている。トランスミッションは無いので、この実施形態は、ここで開示されるスクロールホイール装置の最も低コストの実施形態の一つである。図4bは、ベース176、スクロールホイール177、アクチュエータ178及びエンコーダディスク179を含む他のダイレクトドライブの構成175の分解図である。当該実施形態は、摩擦はより低下する傾向にあり、かなり簡易な構成となるがトルク量はより低下する。
【0033】
図5aは、スクロールホイールの他の実施形態、摩擦/シヤードライブの実施形態の斜視図であり、図5bはその分解図である。筐体182は、アクチュエータのシャフトが、スクロールホイール184の回転軸からオフセットされるように、スクロールホイール184及びアクチュエータ186を支えている。スクロールホイール184は、アクチュエータシャフト187に連結されたピニオン188によってペリメータの外側から駆動される。スクロールホイール184の表面は、弾力性があったり、容易にピニオン188を係合させるように摩擦があるようにすることができる。エンコーダディスク190は、アクチュエータシャフトに連結させることができる(例えば、アクチュエータからスクロールホイールの反対側に)。そのため、エミッタ/ディテクタ191は、スクロールホイールの位置を検出することができる。アクチュエータシャフトの回転軸はスクロールホイールの回転軸から上方にあるので、アクチュエータシャフトが偶然にホイール軸と一致する場合と比較してより大きなアクチュエータを使用することができる。この実施形態は、高い出力トルクや拡張的な機械設計をもたらす傾向にある。そして、摩擦トランスミッションによって、検出分解能の増加を与えられる上、より小さなモータの使用を可能にする。不都合な点は、高摩擦とダイレクトドライブ構成に比べ複雑となることである。
【0034】
図6は、本発明の軸無し駆動スクロールホイールの他の実施形態200の斜視図である。本実施形態は、ダイレクトドライブ構成にアクチュエータシャフトの軸とは異なるスクロールホイールの回転軸を与える。アクチュエータ204は、ベース202上に置かれる。スクロールホイール206はベース202に回転可能に連結され、その回転軸がアクチュエータシャフトの回転軸と平行にならない方向に合わされている。たわみ継手208は、アクチュエータがスクロールホイールを駆動できるようにスクロールホイール208とアクチュエータ軸とを接続している。この構成においては、より大きなモータを空きスペースに容易に実装することができる。
【0035】
図7は、本発明において使用することできるアクチュエータ、センサトランスミッション、選択スイッチモータ、センサ及びパワートランスミッションのカテゴリでの異なるいくつかの実施態様を示す図表である。どのカテゴリからの実施態様もその他のカテゴリからの何れの実施態様と共に使用することができる。アクチュエータに関しては、標準DCモータ210、ダブルDDCモータ212、ダブルシャフトDCモータ214、延長式DCモータ216又は可動磁石式アクチュエータ218が使用できる。また、図示されていない他のタイプのアクチュエータが使用されてもよい。
【0036】
センサトランスミッションに関して、実施態様220においては、スクロールホイールのエッジがエンコーダディスクの軸を回転させることができる。また、実施態様222に示されるように、ベルトは、エンコーダディスクと、スクロールホイール又はスクロールホイール又はアクチュエータシャフトと接続されたプーリと、を接続することができる。実施態様224で示されるように、エンコーダディスクに接続された内部ギヤ及びピニオンを使用することができる。実施態様226で示されるように、粗い分解能であるが、低コストであるさらに大きなエンコーダディスクが使用できるし、また、分解能が良く、コストのかかるより小さいディスクが使用できる。また、実施態様228に示されるように、スクロールホイールがキヤに連結され、エンコーダディスクが、そのギヤと係合するピニオンに連結されている、ギヤセンサトランスミッションが使用できる。
【0037】
様々な選択スイッチ動作が実行され得る。実施態様230及び232では、スクロールホイールが、図示されるような回転軸で回転あるいは旋回することを提供している。例えば、ベースをスクロールホイールを支える軸部に連結させることができる。実施態様234ではスクロールホイールの平行移動を与えている。実施態様236ではさらにスクロールホイールがほぼ回転移動することを可能にする接地された4節リンクを含んでいる。実施態様238では、スクロールホイールの内部に多くのスイッチを与えているので、ユーザは周囲のどのポイントでもスクロールホイールを押すことができる。そして、その接触ポイントに最も近いスイッチがその押圧力、接触、又はホイール対応動作を検出する。
【0038】
実施態様240で示されるように、エンコーダディスク及びエミッタ/ディテクタを含む光学式エンコーダを含む様々なタイプのセンサを使用することができる。実施態様242で示されるアナログ式電位差計、実施態様244の容量性センサ(米国特許出願公開第09/248177号明細書に記載されており、この引用をもって本明細書に記載されているものとする。)、実施態様246では、反射型のエミッタ/ディテクタ及びパターンを有するエンコーダバーが示され、そして実施態様248では、エンコーダディスク自体、エミッタ及び動きを検出するディテクタ上に備えられたパターン又は他の検出可能な表面が示されている。
【0039】
パワートランスミッションに関しては、実施態様250で示される摩擦ホイール(ピニオン)及びスクロールホイールの摩擦のある内表面が使用できる。また、上述したように及び実施態様252に示すように内部ギヤ及びピニオンが使用できる。また、ダイレクトドライブの実施態様254も使用できるし、ベルトドライブの実施態様256も使用できる。また、無軸の実施態様258も示されている。これらの実施態様は、上記においてかなり詳細に説明されている。一般的に、パワートランスミッションが大きなトルクを生み出す間に、それらは、高摩擦、慣性及びバックラッシ、ユーザの体験を潜在的に低下させるすべてのものも持ち込んでしまう。これらのかね合いについては、パワートランスミッションを利用するシステムを設計する際に留意しておくべきである。
【0040】
以上、いくつかの好ましい典型的な実施態様によって本発明を説明してきたが、本発明の範囲内での変更、修正、置換は存在し得るものである。また、上記実施態様が特定の実施において様々に組み合わせることができるということにも注目すべきである。さらに、専門用語は、記載の明瞭性を担保するために使用したものであり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0041】
100,110・・・ハンドル、102,112,114,120・・・触覚スクロールホイール、122・・・DCモータ、124・・・内部ギヤ、126・・・ギヤピニオン、128・・・ホイールシャフト、130・・・光学式エンコーダディスク、132・・・エンコーダトランスミッション、133・・・ドライブプーリ、134・・・Oリングベルト、135・・・エンコーダプーリ、136・・・エンコーダエミッタ/ディテクタ、137・・・コネクション、138・・・ベース、139・・・スクールホイール組立体、140・・・押し選択シャフトガイド、142・・・押し選択シャフト、144・・・選択動作ガイド、146・・・触覚スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にホイール操作装置に関し、特に触覚フィードバックを有する操作ホイール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作ホイールとノブは、多くの異なるタイプの装置で様々な異なる機能のために使用されている。しばしば、回転式の操作ノブは、例えばボタン又はスイッチ操作といった他の形式の操作装置に合わないユーザにある程度の操作性を提供している。例えば、多くのユーザは、ステレオあるいは他の音声出力装置からの出力音声のボリューム調整のために回転式の操作ノブを使用することを好んでいる。それは、回転式操作ノブが、相対的(特にボタン操作と比較して)に容易に微調整や粗調整の両方を可能にするからである。ホイールやノブは、様々な他のタイプの装置(例えば、キッチンや他の家庭用電化製品(ビデオ編集/再生装置、リモコン、テレビ等))で使用されている。
【0003】
操作ホイールには、”力フィードバック”が備えられているものがある。力フィードバック装置は、ノブを動かすユーザに物理的な感覚を与えることができる。一般的には、モータが、ホイールに連結され、マイクロプロセッサのような制御装置に接続している。マイクロプロセッサは、ホイールからのセンサ信号を受信し、適切な力フィードバック制御信号をモータに送信する。そして、モータはホイールの回転自由度の範囲で力を与える。この方法において、プログラム化された様々な感覚(例えば、デテント、スプリング力など)をホイール上に出力できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンピュータ又は電子装置の複数の機能を一つのスクロールホイールで、直感的に容易に操作することを可能にする触覚型の操作ホイールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の操作ホイールは、ユーザによってシステムの少なくとも一つの機能を操作するための操作ホイールであって、ユーザによる係合用の移動可能な係合ホイールと、該係合ホイールに連結され、該係合ホイールの移動に応じて該係合ホイールに力又は触覚フィードバックを供給するアクチュエータとを備え、前記係合ホイールの移動を検出するセンサが備えられ、そして、該センサに連結され、前記係合ホイールの位置及び移動についての情報を受け、且つ前記アクチュエータに連結され、前記係合ホイールへの力を制御する制御システムと、を備えている。前記制御システムは当該システムの少なくとも一つの機能の操作を提供する。
【0006】
本発明の別の態様においては、前記係合ホイールはギヤドライブトランスミッションを介して前記アクチュエータに連結され、前記ギヤドライブトランスミッションは、前記係合ホイールの内側の内部ギヤ及びシャフトを介して前記アクチュエータに接続されるギヤピニオンからなり、前記内部ギヤは前記ギヤピニオンとかみ合わされている。
【0007】
本発明の更に別の態様においては、前記係合ホイールは、前記アクチュエータのシャフトに繋がれたベルトを介して前記アクチュエータに連結されている。
【0008】
本発明のまた更に別の態様においては、前記係合ホイールは、直接に前記アクチュエータのシャフトに連結されている。
【0009】
本発明の更に別の態様においては、前記係合ホイールは、前記アクチュエータのシャフトに連結されたピニオンに接触することにより前記アクチュエータに連結されている。
【0010】
本発明の別の態様においては、前記係合ホイールは、たわみ継手を介して前記アクチュエータに連結されている。
【0011】
本発明の更に別の態様においては、前記アクチュエータはDCモータを備えている。
【0012】
本発明のまた更に別の態様においては、前記センサは、光学式のエンコーダディスク及びエミッタ/ディテクタを備える光学式エンコーダを備えている。
【0013】
本発明の更に別の態様においては、前記センサは、アナログ式電位差計、容量性センサ並びに反射型のエミッタ/ディテクタ及びエンコーダバーの内の1つを備えている。
【0014】
本発明の別の態様においては、前記操作ホイールは、スイッチシャフトと、前記係合ホイールを押すことによってスイッチが係合するように、前記係合ホイールに連結され、前記スイッチシャフトに係合するスイッチガイドとを更に備えている。
【0015】
本発明のその他の特徴及び利点は、同じ部材に同じ数字を付している図面を参照しながら、以下に説明される好ましく、優れた実施形態を読み、把握することにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明に係る触覚スクロールホイールを備えるハンドル構成の斜視図である。
【図1b】本発明に係る触覚スクロールホイールを備えるハンドル構成の斜視図である。
【図1c】本発明に係る触覚スクロールホイールをユーザが係合する様子の詳細図である。
【図2a】本発明に係る触覚スクロールホイールの正面図である。
【図2b】図2aに示す触覚スクロールホイールの斜視図である。
【図2c】図2a及び図2bに示す触覚スクロールホイールの分解図である。
【図2d】図2a及び図2bに示す触覚スクロールホイールの詳細分解図である。
【図2e】本発明に係る触覚スクロールホイールと共に使用するセンサ組立体の概略図である。
【図3】本発明に係る触覚スクロールホイールの他の実施形態の斜視図である。
【図4a】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体のさらに他の実施形態の平面図である。
【図4b】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体のさらに他の実施形態の分解図である。
【図5a】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体の他の実施形態の平面図である。
【図5b】図5aに示す触覚スクロールホイール組立体の分解図である。
【図6】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体の他の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明に係る触覚スクロールホイール組立体で使用できるアクチュエータ、センサトランスミッション、選択スイッチ動作、センサ及びパワートランスミッションのカテゴリでの異なるいくつかの実施態様を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで開示する触覚スクロールホイールの目的は、コンピュータ又は電子装置の複数のインタフェースモードを一つのスクロールホイールで、ユーザが直感的に操作することを可能にすることである。つまり、スクロールホイールの感触を調整することでユーザインタフェースの状況にはっきりと対応させて、ユーザは、複雑なコンピュータ実行メニューやモードをさらに容易に操作することが可能となるのである。例えば、いくつかのインタフェースモードではデテントの感触を持つようにしてもよいし、他のモードではスプリングをジョグシャトルの感触に集中させてもよい。よく知られている触覚型のメタファの提供によって、この可変フィードバックが、よりすっきりとした、豊富なユーザ体験を与える。
【0018】
触覚スクロールホイールに対する好ましい適用の一つは、車のような乗り物内にある。触覚スクロールホイールは、例えば、車のハンドルに便利良く配置させることができ、それにより運転者は容易にそのスクロールホイールにアクセスすることができる。別の実施態様においては、スクロールホイールは、車のダッシュボード上、又は運転者及び/又は乗客が制御システムを介してスクロールホイールを使って機能を操作できるような位置に配置することもできる。また、装置10は、オーディオの制御や音声出力、温度制御、ウィンドウ制御、座席制御、ナビゲーションシステム、携帯電話あるいは他のポータブル電話制御システム、セキュリティー/アラームシステム等の車に関連のある制御もすることができる。
【0019】
さらに、別の実施態様においては、スクロールホイールは、コンピュータインタフェース装置(マウス、ジョイステック、トラックボール、ハンドル、医療シミュレーション装置等)、ステレオ、テレビ、コンピュータ(例えば、インターネットナビゲーション)、電気製品、編集/再生機、あらゆる装置のリモコン、ホーム・オートメーションシステム(ライトのような装置、ガレージの戸、錠、電気製品等の制御)、電話、コピー機、遠隔操作する乗り物の模型用の装置、おもちゃ等のその他の装置にも使用することが可能である。
【0020】
本発明の装置は、ここではスクロールホイールとして言及しており、リストや線形構造データのスクロールはその使用目的の一つであるが、当該ホイールは、スクロールすることに加えて、表示カーソルの移動、ボリューム調整、バランス、設定又は他の明度等の機能操作のために使用され得る。
【0021】
装置の特徴を示す多くの異なる実施態様(モード操作、エレクトロニクスコントローラ、ホイール、ノブ及びその他の装置用の触覚効果、本発明と共に用いられるほとんどのもの)が、米国特許第6128006号及び6154201号明細書並びに米国特許出願公開第09/783936号及び09/637513号明細書に記載されており、これらの全ては、本引用をもって本明細書に記載されているものとする。
【0022】
図1a及び図1bは、本発明の典型的な触覚スクロールホイール用の2つのハンドル構成を示す。図1aのハンドル100は、車、ボート等の乗り物に設置される。触覚スクロールホイール102は、ハンドル100を握るユーザの手の位置近くに配置される。これは、ユーザが容易に自然な握り位置からホイールへ指を動かせるようにしている。図1bのハンドル110は、ハンドルの向かい合う側に、2つの触覚ホイール112及び114を備えている。これにより、ユーザは、さらに快適にその特別なスクロールホイールの使用ができ、又は、一度に2つの機能を制御するために2つのスクロールホイールの使用を同時にできるようにしている。図1a〜1cに示すスクロールホイール組立体のサイズの一例は、30mm×40mm×50mmである。
【0023】
ハンドル上の触覚ホイールの方向は、図1a及びず図1bに示されるように、異なる実施態様で変化させることができる。触覚スクロールホイールの回転の中心軸は、ユーザがハンドルを握っている時のその親指の長軸と平行にさせることができる。これにより、ユーザはこの触覚ホイールを側面から側面に動かすことを可能にする(図1c参照)。この方向は、ユーザの親指を延ばした状態に維持し、より感じやすい触覚効果を与える。別の実施態様においては、触覚ホイールを、その回転の中心軸が親指の長軸に対して垂直となるように配置することができる。その場合、ユーザは、親指を折り曲げることで、当該触覚ホイールを上下に動かすことになる。その垂直方向は、ユーザにより大きな操作を与えるかもしれないが、親指は、延ばした状態よりもかかる状態にした場合の方がかたくなるため、不均整に感じる力をいくらか引き起こすかもしれない。
【0024】
当該スクロールホイールは、回転する自動車のハンドルに取り付けられるので、ユーザに対して様々な異なる方向で示されるであろう。例えば、スクロールホイールは、車が駐車している時よりも高速道路を走行する時に斜めになったりあるいは逆さになったりと異なった方向状態になるであろう。ユーザは、主として、その装置を直進走行中に使用するであろうから、装置の位置及び方向は、その使用態様に対して最適化されるべきでる。しかしながら、他の使用態様(すなわち駐車)についても、システム設計時において気にとめておくべきである。そして、図1cに示される方向は、十分にこれらの他の態様に対応するものである。
【0025】
触覚スクロールホイールの好ましい一実施形態を図2aから2eを参照して説明する。図2a及び2bは、組み立てられたスクロールホイール装置を示し、一方、図2c及び2dは分解図である。図2eはセンサ組立体の概略図を示す。この実施形態は、小容積、低コストで信頼性の高い触覚効果を提供する。
【0026】
ユーザはスクロールホイール120に接触する。ホイール120は、ユーザが触覚効果を体験できるように十分にユーザの皮膚を係合させる摩擦外面を持っているのが好ましい。ホイール120には、モータの最大限の駆動力に増幅するギヤドライブトランスミッションを介して、好ましくは、DCモータ122(あるいは他のタイプのアクチュエータ)が連結されている。ギヤドライブトランスミッションは、内部ギヤ124及びギヤピニオン126を含む。内部ギヤ124は、ギヤピニオン126の歯とかみ合うホイール120の内側に備えられた歯を含んでいる。ホイール120と内部ギヤ124は、ホイール120の回転の中心と堅く結合されたホイールシャフト128を介してギヤピニオン126に対応して設置される。
【0027】
触覚フィードバックのための好ましい速度伝達比は、2.5〜4の間である。これより小さい比率は、本質的に不安定なシステムをもたらす傾向がある。そして、摩擦のいくつかの態様が、減衰とそれによる安定を加えるために組み込まれなければならない。より大きい比率では、触覚体験を妨げるモータの慣性をもたらす傾向にある。他の実施形態では、内部ギヤ124及びギヤピニオン126に代えて、ギヤはバックラッシを除去する摩擦要素に置き換えることができる。例えば、摩擦リングが、内部ギヤ124及びピニオン126の代わりに提供されたり、例えば、代わりにラバー製の摩擦ホイールであるかもしれない。
【0028】
図2d及び2eから理解されるように、スクロールホイール120の回転位置は、光学式エンコーダによって検出されるのが好ましい。光学式エンコーダディスク130は、2つの速度伝達比によって事実上、回転させられる。エンコーダトランスミッション132は、ドライブプーリ133とエンコーダプーリ135との間で巻かれたOリングベルト134を介してギヤピニオン126に連結されており、内部ギヤ124とギヤピニオン126との間の供給比に加えて、追加の速度伝達比を供給している。これは、とても低コストなエンコーダエミッタ/ディテクタ136及び光学式エンコーダディスク130が使用されることを可能にする。例えば、低い検出分解能を当該速度伝達比を用いて増やすことができる。エンコーダディスク130は、エミッタ/ディテクタ136から放出されたビームを通す複数のスロット(あるいはマーク)を有しているので、エミッタ/ディテクタ136のディテクタは、スロットの動きを検出でき、従ってホイールの位置を検出することができる。さらに高価なエンコーダ技術を用いると、エンコーダトランスミッション132は必要でなくなり、内部ギヤ/ピニオントランスミッション(例えば、ピニオン126)と直接に接続することが可能となる。エミッタ/ディテクタ136は、コネクション137を介して制御システムと通信する。他の通信伝達のタイプが使用されても良い。
【0029】
さらに、追加コマンドを与えるためにユーザよってスクロールホイールが押されるという能力がある。例えば、ホイールを回転させることによってスクロールするリスト内の特定のエントリを選択するためにホイールを押すことができる。通常のスクロールホイール(例えば、マウス)の使用においてはその作動方法はそれほど重要でないが、触覚型での使用においては、正確に設計がなされないとバリアやバネの使用が誤作動を引き起こす場合があることからその作動方法は重要である。他の選択方法を使用することもできるが、線形の押し選択方法はこれらのタイプの装置に対する好ましい解決法である。
【0030】
従って、スクールホイール組立体139はホイール120及びドライブ/トランスミッション/センサコンポーネントを含む。組立体139は、押し選択シャフトガイド140及び押し選択シャフト142を介してベース138と連結している。該組立体は、例えば、スクリュー、リベット等を介してガイド140に連結している。これは、組立体139全体が、シャフト142に沿って直線的に動くことを可能にしている。2つの選択動作ガイド144が、スクロールホイール組立体139が選択シャフト142の中心線に沿ってのみに動くことをガイドするため、ベース138に備えられている。組立体139は、触覚スイッチ146上に置かれる。そのため、該組立体がユーザによって押し下げられると(ホイール120を押すと)、触覚スイッチ146は閉じられる。触覚スイッチは制御システムと通信する。以上のようにして、選択は、ホイールがユーザによってスクロールされることで成され、従って、スクロール組立体を押すこと、つまり、触覚スイッチを係合させることによってコンピュータの表示メニュー、可聴式メニュー、非表示メニュー又はその組み合わせを通してユーザを動かすのである。
【0031】
図3は、触覚スクロールホイールの他の実施形態150の斜視図である。アクチュエータ154は、回転シャフト156を有するDCモータとしてベース152上に置かれている。ベルトドライブトランスミッションは、その一端がシャフト156の周囲に巻き付けられ、他端がプーリ160に巻き付けられるベルト158を含む。スクロールホイール162は、プーリ160に堅く連結され、ほぼ同じ回転軸で回転する。他の実施態様においては、スクロールホイール162は、ユーザが容易にアクセスできるようにプーリ160より大きくても良いし、スクロールホイール162を軸に沿ってプーリ160からさらに離して位置させることもできる。例えば、デジタルエンコーダセンサは、エンコーダディスク164並びにアクチュエータのシャフト及びスクロールホイール162の位置を検出するためのエミッタ/ディテクタ166を含んでいる。他の実施態様においては、ベルト158は、スクロールホイールの接触面にも位置することができる。すなわち、当該スクロールホイールが回転している時には、ユーザはベルト158に接触する。そして、当該スクロールホイールは、かかる実施態様においては、プーリ160となるであろう。
【0032】
図4aは、スクロールホイールのダイレクトドライブの実施形態170の斜視図である。DCモータであるアクチュエータ172はベース174上に置かれる。スクロールホイール176は、アクチュエータ172のシャフトに直接連結されている。トランスミッションは無いので、この実施形態は、ここで開示されるスクロールホイール装置の最も低コストの実施形態の一つである。図4bは、ベース176、スクロールホイール177、アクチュエータ178及びエンコーダディスク179を含む他のダイレクトドライブの構成175の分解図である。当該実施形態は、摩擦はより低下する傾向にあり、かなり簡易な構成となるがトルク量はより低下する。
【0033】
図5aは、スクロールホイールの他の実施形態、摩擦/シヤードライブの実施形態の斜視図であり、図5bはその分解図である。筐体182は、アクチュエータのシャフトが、スクロールホイール184の回転軸からオフセットされるように、スクロールホイール184及びアクチュエータ186を支えている。スクロールホイール184は、アクチュエータシャフト187に連結されたピニオン188によってペリメータの外側から駆動される。スクロールホイール184の表面は、弾力性があったり、容易にピニオン188を係合させるように摩擦があるようにすることができる。エンコーダディスク190は、アクチュエータシャフトに連結させることができる(例えば、アクチュエータからスクロールホイールの反対側に)。そのため、エミッタ/ディテクタ191は、スクロールホイールの位置を検出することができる。アクチュエータシャフトの回転軸はスクロールホイールの回転軸から上方にあるので、アクチュエータシャフトが偶然にホイール軸と一致する場合と比較してより大きなアクチュエータを使用することができる。この実施形態は、高い出力トルクや拡張的な機械設計をもたらす傾向にある。そして、摩擦トランスミッションによって、検出分解能の増加を与えられる上、より小さなモータの使用を可能にする。不都合な点は、高摩擦とダイレクトドライブ構成に比べ複雑となることである。
【0034】
図6は、本発明の軸無し駆動スクロールホイールの他の実施形態200の斜視図である。本実施形態は、ダイレクトドライブ構成にアクチュエータシャフトの軸とは異なるスクロールホイールの回転軸を与える。アクチュエータ204は、ベース202上に置かれる。スクロールホイール206はベース202に回転可能に連結され、その回転軸がアクチュエータシャフトの回転軸と平行にならない方向に合わされている。たわみ継手208は、アクチュエータがスクロールホイールを駆動できるようにスクロールホイール208とアクチュエータ軸とを接続している。この構成においては、より大きなモータを空きスペースに容易に実装することができる。
【0035】
図7は、本発明において使用することできるアクチュエータ、センサトランスミッション、選択スイッチモータ、センサ及びパワートランスミッションのカテゴリでの異なるいくつかの実施態様を示す図表である。どのカテゴリからの実施態様もその他のカテゴリからの何れの実施態様と共に使用することができる。アクチュエータに関しては、標準DCモータ210、ダブルDDCモータ212、ダブルシャフトDCモータ214、延長式DCモータ216又は可動磁石式アクチュエータ218が使用できる。また、図示されていない他のタイプのアクチュエータが使用されてもよい。
【0036】
センサトランスミッションに関して、実施態様220においては、スクロールホイールのエッジがエンコーダディスクの軸を回転させることができる。また、実施態様222に示されるように、ベルトは、エンコーダディスクと、スクロールホイール又はスクロールホイール又はアクチュエータシャフトと接続されたプーリと、を接続することができる。実施態様224で示されるように、エンコーダディスクに接続された内部ギヤ及びピニオンを使用することができる。実施態様226で示されるように、粗い分解能であるが、低コストであるさらに大きなエンコーダディスクが使用できるし、また、分解能が良く、コストのかかるより小さいディスクが使用できる。また、実施態様228に示されるように、スクロールホイールがキヤに連結され、エンコーダディスクが、そのギヤと係合するピニオンに連結されている、ギヤセンサトランスミッションが使用できる。
【0037】
様々な選択スイッチ動作が実行され得る。実施態様230及び232では、スクロールホイールが、図示されるような回転軸で回転あるいは旋回することを提供している。例えば、ベースをスクロールホイールを支える軸部に連結させることができる。実施態様234ではスクロールホイールの平行移動を与えている。実施態様236ではさらにスクロールホイールがほぼ回転移動することを可能にする接地された4節リンクを含んでいる。実施態様238では、スクロールホイールの内部に多くのスイッチを与えているので、ユーザは周囲のどのポイントでもスクロールホイールを押すことができる。そして、その接触ポイントに最も近いスイッチがその押圧力、接触、又はホイール対応動作を検出する。
【0038】
実施態様240で示されるように、エンコーダディスク及びエミッタ/ディテクタを含む光学式エンコーダを含む様々なタイプのセンサを使用することができる。実施態様242で示されるアナログ式電位差計、実施態様244の容量性センサ(米国特許出願公開第09/248177号明細書に記載されており、この引用をもって本明細書に記載されているものとする。)、実施態様246では、反射型のエミッタ/ディテクタ及びパターンを有するエンコーダバーが示され、そして実施態様248では、エンコーダディスク自体、エミッタ及び動きを検出するディテクタ上に備えられたパターン又は他の検出可能な表面が示されている。
【0039】
パワートランスミッションに関しては、実施態様250で示される摩擦ホイール(ピニオン)及びスクロールホイールの摩擦のある内表面が使用できる。また、上述したように及び実施態様252に示すように内部ギヤ及びピニオンが使用できる。また、ダイレクトドライブの実施態様254も使用できるし、ベルトドライブの実施態様256も使用できる。また、無軸の実施態様258も示されている。これらの実施態様は、上記においてかなり詳細に説明されている。一般的に、パワートランスミッションが大きなトルクを生み出す間に、それらは、高摩擦、慣性及びバックラッシ、ユーザの体験を潜在的に低下させるすべてのものも持ち込んでしまう。これらのかね合いについては、パワートランスミッションを利用するシステムを設計する際に留意しておくべきである。
【0040】
以上、いくつかの好ましい典型的な実施態様によって本発明を説明してきたが、本発明の範囲内での変更、修正、置換は存在し得るものである。また、上記実施態様が特定の実施において様々に組み合わせることができるということにも注目すべきである。さらに、専門用語は、記載の明瞭性を担保するために使用したものであり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0041】
100,110・・・ハンドル、102,112,114,120・・・触覚スクロールホイール、122・・・DCモータ、124・・・内部ギヤ、126・・・ギヤピニオン、128・・・ホイールシャフト、130・・・光学式エンコーダディスク、132・・・エンコーダトランスミッション、133・・・ドライブプーリ、134・・・Oリングベルト、135・・・エンコーダプーリ、136・・・エンコーダエミッタ/ディテクタ、137・・・コネクション、138・・・ベース、139・・・スクールホイール組立体、140・・・押し選択シャフトガイド、142・・・押し選択シャフト、144・・・選択動作ガイド、146・・・触覚スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の複数のインタフェースモードを操作するための操作ホイールであって、
ユーザの接触を受けとめるように構成されている平面状部とペリメータ部とからなり、第1の回転軸の回りの回転自由度の範囲で移動可能なホイールと、
前記ホイールにたわみ継手で連結され、前記ホイールに力を出力するように構成されるアクチュエータと、
前記回転自由度の範囲で前記ホイールの移動を検出するセンサと、
前記センサと通信し、前記ホイールの位置又は移動を示す前記センサからセンサ信号を受信し、前記アクチュエータに前記力を出力させるように構成されたアクチュエータ信号を前記アクチュエータに送信するプロセッサーと、を備え、
前記アクチュエータ信号は、少なくとも部分的には、前記ホイールの移動若しくは前記ホイールの位置に基づいていることを特徴とする操作ホイール。
【請求項2】
前記ホイールは、前記ホイールの前記平面状部に略平行である平面にそって動くように構成されているインタフェース装置に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項3】
前記ホイールは、前記ホイールの前記平面状部に略垂直である平面にそって動くように構成されているインタフェース装置に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項4】
前記アクチュエータはトランスミッションによって前記ホイールにさらに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項5】
前記トランスミッションは速度伝達比が2.5と4との間からなることを特徴とする請求項4に記載の操作ホイール。
【請求項6】
前記たわみ継手は、ベルトからなることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項7】
前記ベルトは、前記ペリメータ部に掛かっていることを特徴とする請求項6に記載の操作ホイール。
【請求項8】
スイッチシャフトと、
前記ホイールを押すことによってスイッチが係合するように前記ホイールに連結され、前記スイッチシャフトに係合するスイッチガイドとを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項9】
前記アクチュエータはDCモータを備えることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項10】
前記ホイールはギヤからなり、前記センサはギヤピニオンからなり、前記ギヤピニオンは前記ギヤにかみ合わされるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項1】
装置の複数のインタフェースモードを操作するための操作ホイールであって、
ユーザの接触を受けとめるように構成されている平面状部とペリメータ部とからなり、第1の回転軸の回りの回転自由度の範囲で移動可能なホイールと、
前記ホイールにたわみ継手で連結され、前記ホイールに力を出力するように構成されるアクチュエータと、
前記回転自由度の範囲で前記ホイールの移動を検出するセンサと、
前記センサと通信し、前記ホイールの位置又は移動を示す前記センサからセンサ信号を受信し、前記アクチュエータに前記力を出力させるように構成されたアクチュエータ信号を前記アクチュエータに送信するプロセッサーと、を備え、
前記アクチュエータ信号は、少なくとも部分的には、前記ホイールの移動若しくは前記ホイールの位置に基づいていることを特徴とする操作ホイール。
【請求項2】
前記ホイールは、前記ホイールの前記平面状部に略平行である平面にそって動くように構成されているインタフェース装置に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項3】
前記ホイールは、前記ホイールの前記平面状部に略垂直である平面にそって動くように構成されているインタフェース装置に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項4】
前記アクチュエータはトランスミッションによって前記ホイールにさらに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項5】
前記トランスミッションは速度伝達比が2.5と4との間からなることを特徴とする請求項4に記載の操作ホイール。
【請求項6】
前記たわみ継手は、ベルトからなることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項7】
前記ベルトは、前記ペリメータ部に掛かっていることを特徴とする請求項6に記載の操作ホイール。
【請求項8】
スイッチシャフトと、
前記ホイールを押すことによってスイッチが係合するように前記ホイールに連結され、前記スイッチシャフトに係合するスイッチガイドとを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項9】
前記アクチュエータはDCモータを備えることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【請求項10】
前記ホイールはギヤからなり、前記センサはギヤピニオンからなり、前記ギヤピニオンは前記ギヤにかみ合わされるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作ホイール。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−53919(P2012−53919A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261990(P2011−261990)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2008−314768(P2008−314768)の分割
【原出願日】平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2008−314768(P2008−314768)の分割
【原出願日】平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】
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