触覚変速装置
【課題】乗り物におけるシフト・バイ・ワイヤシステムにおけるユーザに対し触覚感を出力することができる触覚変速装置を提供すること。
【解決手段】乗り物のシフト・バイ・ワイヤシステムにおいて使用する触覚変速装置である。触覚変速装置は、ユーザにより操作可能なシフトレバーを具備している。少なくとも1つのセンサは、シフトレバーの位置を検知し、乗り物の変速ギアは、シフトレバーの位置に基づいて変更される。少なくとも1つの電気制御されるアクチュエータは、シフトレバーに力を出力する。実施形態によっては、シフトレバーは、パターン内を移動可能であり、当該パターンの境界の外側領域への移動が規制される。アクチュエータは、能動的または受動的でもよく、および/または可変の機械的なゲートをパターンの実現に使用してもよい。提供される変速モードは、オートマチック、マニュアルおよび/またはシーケンシャルモードを含む。
【解決手段】乗り物のシフト・バイ・ワイヤシステムにおいて使用する触覚変速装置である。触覚変速装置は、ユーザにより操作可能なシフトレバーを具備している。少なくとも1つのセンサは、シフトレバーの位置を検知し、乗り物の変速ギアは、シフトレバーの位置に基づいて変更される。少なくとも1つの電気制御されるアクチュエータは、シフトレバーに力を出力する。実施形態によっては、シフトレバーは、パターン内を移動可能であり、当該パターンの境界の外側領域への移動が規制される。アクチュエータは、能動的または受動的でもよく、および/または可変の機械的なゲートをパターンの実現に使用してもよい。提供される変速モードは、オートマチック、マニュアルおよび/またはシーケンシャルモードを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバック装置に関し、特に、インターフェイス装置において所望の操作を許容する機械的装置とともに用いられる触覚フィードバックインターフェイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械制御機構の代わりに電子制御機構を用いた乗り物の制御は、様々に異なる方式で実施されている。典型的に「ステア・バイ・ワイヤ」、「ドライブ・バイ・ワイヤ」または「コントロール・バイ・ワイヤ」と呼ばれる制御の方式により、ユーザは、ユーザが機構を用いて機械的命令を直接実行することなく機械的命令を実行するために、電気モータおよび/または油圧または空気圧による制御システムに指示を与えることができる。例えば、自動車における標準的な機械的操舵機構において、ユーザは、ステアリングホイールを動かすことにより、ロッド、ギアおよび他の機械的部材が機械的に回転し、ステアリングホイールの動きに基づいてフロントホイールの向きを変える。ドライブ・バイ・ワイヤシステムにおいて、ユーザがステアリングホイールを回転させる(または何らかの他の方式の操作装置を動かす)と、ステアリングホイールの動きとホイールの動きとの間で実際には機械的結合がなくても(パワーアシストされたステアリングとは異なり)、1以上の電気モータ、油圧アクチュエータ等を制御して、ステアリングホイールの動きに基づいてフロントホイールの向きを変える。処理装置(マイクロプロセッサ等)がユーザの動きを感知し、モータ制御に相関させることにより、相当する操舵を達成することができる。伝統的な機械的制御に対してコントロール・バイ・ワイヤには、いくつかの利益がある。つまり、ユーザが傷付くような機構がないため、安全であること、ユーザが制御装置を操作するのに多大な努力や力が必要ないこと、用いられる制御装置の形や動きおよび機構についての制御方法においてより順応性があること、機構の重量がより軽いこと、制御処理装置が単純なユーザの動きを所望の機械的動作を達成するのに必要なモータの複雑な制御に変換することができるため、ユーザが制御タスクを実行するための能力をより必要としないこと、技術者の利益(例えば、ステア・バイ・ワイヤを用いると自動車のいずれの側にもステアリングホイールを設置し易くなる)、および、適応操舵アルゴリズムのような制御方法を利用することである。
【0003】
関連するコントロール・バイ・ワイヤの実施例として、「シフト・バイ・バイヤ」がある。これは、駆動変速機を有する自動車またはその他の乗り物において直接機械的な制御を行う代わりに電子制御を用いて変速ギアを切り替えるものである。このように、機械的にギアを切り替えるためにユーザが予め決められた機械的位置にシフトレバーを動かす代わりに、ユーザが電子制御を操作することにより、電子システムが実際の変速ギアを変化させることができる。例えば、ユーザは、小さいレバーを前方に動かすことにより、ギアレシオを(例えば、第1ギアから第2ギアへ)増大させることができ、後方に動かすことにより、ギアレシオを(例えば、第5ギアから第4ギアへ)減少させることができる。様々に異なる電子制御は、乗り物に用いられ、ユーザがレバー、ボタン、ノブ、スイッチ等のように切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5,731,804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シフト・バイ・ワイヤシステムにおける1つの問題は、ユーザにより操作される物理的制御における特定の実行には依然として限界があることである。すなわち、ユーザは、所望の異なるシフトパターンで変速ことができない。さらに、シフト・バイ・ワイヤ制御は、ユーザに対して切り替え制御中に機械的システムについての何らかの合図を出さないため、直感的でない、または正確でない制御が生じるおそれがある。切り替えは、ほとんどすべて感覚的に行われるため、このような機械的合図は切り替えタスクにおいて重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シフト・バイ・ワイヤシステムにおいて存在するいくつかの課題を軽減するために、本発明は、シフト・バイ・ワイヤシステムに触覚感(haptic sensations)を提供するものである。触覚感により、プログラムされた制御手順および制御パターンの範囲を大きくすることができ、ギア選択やその他の操作においてより効果的なユーザ制御を行うことができる。
【0007】
特に、一実施形態において、自動車のための触覚変速装置は、少なくとも自由度1でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバーを具備する。そして、少なくとも1つのセンサが、シフトレバーの位置を検知し、それぞれの位置を表す位置データがセンサからもたらされる。さらに、処理装置は、位置データを受信し、乗り物の変速ギアをシフトレバーの位置に基づいて変更させるべくデータを出力する。そして、少なくとも1つの電気制御アクチュエータは、シフトレバーに所定の力(a force)を出力する。
【0008】
ある実施形態において、シフトレバーは、所定のパターンで移動可能であり、当該パターンの境界の外側領域への移動は規制される。シフトレバーは、アクチュエータから出力される障壁力により外側領域から規制されることとしてもよい。アクチュエータは、シフトレバーに能動的な力を出力するように指示する能動的アクチュエータであってもよいし、シフトレバーに抵抗力を供給するように指示する受動的アクチュエータであってもよいし、受動的および能動的アクチュエータを組み合わせてシフトレバーの自由度を複数使用することとしてもよい。例えば、能動的アクチュエータ部は、シフトレバーに触覚効果を出力し、受動的アクチュエータ部は、予め決められたパターン外にシフトレバーが動くのを規制する力を供給することとしてもよい。機械的なゲートを用い、シフトレバーが少なくとも前記外側領域のいくつかにおいて規制することとしてもよい。機械的なゲートは、例えば、マニュアル変速パターンとオートマチック変速パターンのような、少なくとも2つの異なるパターンを供給することとしてもよい。可変の機械的なゲートを用いることにより、機械的な障壁をシフトレバーのマニュアルモードおよびオートマチックモードにおけるすべての方向において供給することができる。
【0009】
もう1つの発明において、乗り物のための触覚変速装置は、自由度2でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバーを具備する。少なくとも1つのセンサは、シフトレバーの位置を検知し、センサからもたらされた位置データは、乗り物の変速ギアをレバー位置に基づいて変化させる。少なくとも1つの電気制御アクチュエータは、シフトレバーに力を出力し、モードセレクタにより、ユーザは、変速モードを選択することができる。シフトモードには、シフトレバーについて異なる変速パターンを有する少なくとも2つの変速モードがある。シフトレバーは、例えば、アクチュエータから出力された障壁力によって、シフトパターンの境界の外側領域から規制されることとしてもよい。変速モードは、オートマチックモード、マニュアルモード、および/またはシーケンシャルモードを有していてもよい。能動的および/または受動的アクチュエータおよび機械的なゲートが様々な実施形態において用いられてもよく、異なる形の触覚効果がシフトレバーに出力されることとしてもよい。
【0010】
もう1つの発明において、乗り物の変速機におけるギア変速方法は、少なくとも自由度1においてユーザがシフトレバーに物理的に接触し、移動させることを有している。シフトレバーの位置は、検知され、位置データは、センサからもたらされる。乗り物の変速ギアをシフトレバーの位置に基づいて変化させるデータが出力され、電気制御されたアクチュエータを用いるシフトレバーに力が出力される。シフトレバーは、所定のパターン内で移動可能に形成され、当該パターンの境界の外側領域が、例えば、アクチュエータより出力される障壁力によって、規制されることとしてもよい。能動的および/または受動的アクチュエータおよび/または機械的なゲートを用い、異なる形の触覚効果をシフトレバーに出力することとしてもよい。
【0011】
もう1つの発明において、乗り物のための触覚変速装置は、自由度2でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバー、シフトレバーの位置を検知する少なくとも1つのセンサ、シフトレバーに力を出力する少なくとも1つの電気制御アクチュエータ、およびユーザが触覚変速装置の変速モードを選択可能なモードセレクタを具備し、乗り物の変速ギアは、シフトレバーの位置に基づいて変化され、変速モードは、シフトレバーに対して異なる物理的特性を供給するものである。異なる物理的特性は、少なくとも2つの異なるモードにおいて、シフトレバーの動きが異なるものである。いくつかの実施形態において、異なる物理的特性は、少なくとも2つの異なるモードにおいて異なる力感覚を出力することとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、乗り物におけるシフト・バイ・ワイヤシステムにおけるユーザに対し触覚感を出力することができる触覚変速装置を提供する。触覚変速装置は、シフトレバーに対する障壁として作用する力を提供するとともに、装置に対するプログラミングを多様化させることができる。例えば、いくつかの異なるシフトパターンが提供され、ユーザによって選択可能に構成される。さらに、シフトレバーに出力される触覚感は、変速タスクにおいてユーザを支援することができ、シフト・バイ・ワイヤシステムにおいて機械的な合図を提供することができる。
【0013】
本発明におけるこれらの利益および他の利益は、以下の発明の詳細な説明およびいくつかの添付された図面により当業者に明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が好適に用いられたシフトレバーを具備するギア変速装置の一実施形態を示す遠近図である。
【図2】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図3a】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図3b】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図4a】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4b】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4c】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4d】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図5a】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図5b】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図5c】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図6a】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第2実施形態の説明図である。
【図6b】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第2実施形態の説明図である。
【図7】本発明において好適に用いられる触覚フィードバックシステムを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は乗り物のための触覚変速装置10の一例を示す遠近図である。変速装置10は、マニュアル変速装置を有する自動車に見られるような標準的なギアシフトレバーに類似する図1において実現される。例えば、変速装置10は、自動車の前席の間に配置されてもよい。これによりドライバーは、運転中に変速装置に容易に触れることができる。
【0016】
触覚変速装置10は、グリップ14を有するシフトレバー12を具備し、グリップ14は、ユーザに掴まれるまたはさもなければ物理的に接触され、一方向またはそれ以上の方向に乗り物の変速ギアを制御する。シフトレバーの位置は、乗り物の変速ギアが現在何速に結合しているかを決定する。本装置は、シフト・バイ・ワイヤシステムに統合されるため、シフトレバーは、乗り物の変速機に機械的に結合されてはいないが、代わりに電子的インターフェイスおよびレバーの位置を読み出し、レバーの位置に対して変速機を制御するシステムに結合される。用いられ得る機構およびインターフェイスの例は、以下に図2および3を参照しつつ説明する。
【0017】
モード選択制御手段15は、ユーザが触覚変速装置10の変速モードを選択することを許容するために備えられる。制御手段15は、図1においてボタンとして表されているが、レバー、スイッチ、表示装置16に表示されたもの等、好適ないずれの制御手段であってもよい。制御手段15は、例えば、マニュアル変速モードとオートマチック変速モードとの間および/またはもし実現されるなら他の変速モードとの間で選択可能である。本装置の他の選択として、制御手段15または操作の特徴(シフトレバー12への制動力、すなわち、大きさ、周波数、持続期間、その他、シフトレバー12に出力される他の触覚感といった特性)のような付加的な類似の制御手段が選択できることとしてもよい。所定の実施形態において、グリップ14は、1以上のボタンまたは他の制御手段15を具備し、ユーザが、モード、設定あるいは変速または乗り物における他の特性を選択することができる。例えば、親指ボタンを用い、ユーザが押下することにより、シフトレバー12においてオートマチックまたはマニュアル変速ギアを選択することができることとしてもよい。制御手段15は、コンソール、ステアリングホイール、その他、乗り物の慣習的な位置に設置されることとしてもよい。更に、1以上の制御手段15を表示装置16上に表示されたボタンのような、ソフトウェア制御手段またはスイッチとして具備することとしてもよい。ユーザがマイクロフォンに命令を話すことによってマイクロプロセッサで処理されるような、音声制御手段を制御手段15と等価なものとして使用してもよい。
【0018】
好ましくは、触覚シフトレバーは、複数の利用可能な制御モードのうちの1つにおいて用いられる。ここで、それぞれのモードは、異なる制御および/または移動の選択を提供するものである。さらに、特定の実施形態において、ユーザにとって特定の操作選択を有することとしてもよい。例えば、いくつかの実施形態またはモードにおいて、ユーザは、シフトレバー12を、1方向だけまたは1自由度、例えば、オートマチック変速機として前後方向に移動させることができる。他の実施形態においては、Hパターンまたはそのようなマニュアル変速機として左右および前後移動を許容することができる。さらに他の実施形態においては、非直交移動または対角線移動が他の変速パターンとして許容されることとしてもよい。変速モードには、シフトパターン自体は変化しないが、シフトレバーの作動領域(許容される移動量)や出力される力のように、他の変速特性に調整されるものがあってもよい。変速パターンおよび変速モードの例は、図4,5および6を参照しつつ以下により詳細に説明する。
【0019】
操作レバー12は、レバー12の移動の自由度で出力される触覚感によって促される。触覚感には、レバー12の移動を抑制すべく用いられるものがあってもよい。このような感覚は、以下でさらに詳述する。
【0020】
触覚変速装置10の実施形態によっては、平面スクリーンのような表示装置16を備えていてもよい。例えば、LCD、プラズマ、CRTその他の表示スクリーンが使用できる。表示装置は、図示されるようにシフトレバー12の近くに位置することとしてもよいし、例えばダッシュボード、インスツルメントパネル、ウィンドシールド上のヘッドアップ表示装置(HUD)等のドライバーの視野の範囲内における乗り物の他の部分に位置することとしてもよい。表示装置は、変速装置10および乗り物の変速および他のシステムに関する状態情報(例えば、現在選択されているギア)を表示する。例えば、複数の変速パターンまたはモードが触覚変速装置上で選択可能な場合、図1に示されるように、現在使用可能なシフトパターンを表示することとしてもよい。図1においては、標準的な5速マニュアル変速機の配列が表示される。他のパターンも同様に図示され、ユーザにシフトレバー12が移動可能な位置を知らせる支援を行い得る。所定の実施形態においては、表示装置16は、接触感知表面を具備し、ユーザが表示装置16の表面に表示された画像または選択肢に直接「タッチする」ことにより、その画像および想定されるモード、設定または機能が選択できるようにしてもよい。
【0021】
他の実施形態において、触覚変速装置10の異なる態様が採用可能である。例えば、レバー12は、乗り物のステアリングコラムに位置することとしてもよい。一方、異なる制御装置がダッシュボード、フロア、ドアその他の乗り物内のドライバーから容易に届く範囲の表面に設けられてもよく、触覚感を供給することとしてもよい。シフトレバーは、変速ギアを変速させたり、同様の役割を持たせたりする必要のある様々な乗り物、自動車、トラック、軍用車両、産業機械、および他の大型乗り物であるボート、船、航空機、宇宙船、水中乗り物等において使用することができる。ある一方の実施形態においては、本発明の触覚変速装置を遠隔制御装置に取り付けることにより、乗り物やおもちゃを遠隔制御することとしてもよい。さらに他の実施形態において、本発明の触覚変速装置を乗り物制御についてのコンピュータシミュレーションに用いることとしてもよい。例えば、表示スクリーンを用いて、乗り物の周囲を動くイリュージョンの描写を行うようなものである。ここでの、「乗り物」の語は、シミュレートされた乗り物(コンピュータシミュレーションやビデオゲームのような)を意図するというよりは、物理的な乗り物のことを意図するものである。
【0022】
図2および3は、シフトレバー12うえに力を出力するために、触覚変速装置10に用いられる機構30の一実施形態を示す遠近図である。本実施形態において、連結および増幅の機構は、ユーザに大きな強さの力を供給するためにモータから触覚変速装置に力を移す。
【0023】
機構30は、プレート32の下方に位置される(図2に示されるように)。プレート32は、シフトレバー12を延長して貫通する開口部34を具備している(なお、シフトレバー12のグリップ14は、図2および3には図示していない)。機構30は、プレート32に設置されるか、他の基板面に設置される。開口部34の側方部分は、シフトレバー12の移動を強固に規制する役割を有し、そのため、開口部34がシフトレバーの好適な作動領域サイズとなるようなサイズを有している。本実施形態によれば、シフトレバー12は、自由度2の作動領域内でいずれの場所へも移動可能である。他の実施形態では、以下に示すように、開口部34上に機械的なゲートを設け、所望のパターンにシフトレバーの動きを制限することとしてもよい。
【0024】
機構30は、互いに回転可能に取り付けられた部材の結合部36を具備している。上述した実施形態において、機構30は、シフトレバー12に対し自由度2で回転可能なジンバル機構である。機構30は、シフトレバー12をプレート32または他の基板のような、基板または参照表面に取り付ける。
【0025】
ジンバル機構30は、好ましくは、5つの部材で構成される。すなわち、基板部材44を具備する閉ループのパラレルリンク、延長部材46a,46b、および中央部材48a,48bである。基板部材44は、プレート32または他の基板表面に固定された基礎部材として供給され、機構30に安定性をもたらす。基板部材44は、90°の「L」字形状として形成されており、図示されるように、延長部材を容易に取り付けることができる。
【0026】
ジンバル機構30の部材は、ベアリング、ピボットを用いて互いに回転可能に取り付けられる。ここで、延長部材46aは、基板部材44に回転可能に取り付けられ、軸Aについて回転可能である。中央部材48aは、延長部材46aに回転可能に取り付けられ、浮動軸Dについて回転可能である。延長部材46bは、基板部材44に回転可能に取り付けられ、軸Bについて回転可能である。中央部材48bは、延長部材46bに回転可能に取り付けられ、浮動軸Eについて回転可能である。中央部材48aは、中央部材48bに軸Dおよび軸Eの交点である中央点Pで回転可能に取り付けられる。ベアリング(図示せず)は、交点Pで2つの中央部材48a,48bにともに回転可能に取り付けられる。中央部材48aは、延長部材46aの一端部に回転可能に取り付けられ、軸Bに略平行となるように延長される。同様に、中央部材48bは、延長部材46bの一端部に回転可能に取り付けられ、軸Aに略平行となるように延長される。軸D,Eは、軸A,Bのように1つの位置で固定されないという意味で「浮動」している。軸A,Bは、互いに略垂直である。
【0027】
ジンバル機構30は、閉じた鎖のように5つの部材(「5つの棒」)として形成される。1つの部材の端部のそれぞれは、他の部材の端部に取り付けられる。5つの棒結合は、延長部材46a、中央部材48aおよび中央部材48bが第1の自由度で軸Aについて回転可能となるように配置される。また、この結合は、延長部材46b、中央部材48b、および中央部材48aが第2の自由度で軸Bについて回転可能となるように配置される。この構造は、米国特許5,731,804号および6,104,382号に開示されており、これを参照できる。
【0028】
シフトレバーまたはハンドル12は、軸DおよびEで定義される平面の外側に延長されるように、ジンバル機構30の中央部材48aまたは48bのいずれか一方に取り付けられる(部材48bの方を図示)。ジンバル機構30により、回転の中心点Pもしくはその付近にあるハンドル12の自由度が2となる。ハンドル12は、軸AおよびBについて回転可能であり、これらの軸について回転移動が組み合わされる。ハンドル12が軸Aについて移動することにより、浮動軸Dはその位置を変化させ、ジョイスティックハンドル12が軸Bについて移動することにより、浮動軸Dはその位置を変化させる。
【0029】
その他の実施形態において、自由度を付加したものを提供してもよい。例えば、ハンドル12は、浮動軸DおよびEによって形成される平面から垂直に延長された軸Cについて回転可能である。この回転自由度は、センサおよび/またはアクチュエータに動きを感知させ、その自由度において力を適用させる。加えて、異なる自由度を、ハンドル12が浮動軸Cに沿って直線的に平行移動させることができるように付加してもよい。この自由度も、所望であれば、検知または作動させてもよい。
【0030】
また、ジンバル機構30は、ベルト駆動、キャプスタン駆動、ギア駆動等のような、増幅駆動機構を具備していてもよい。図2および図3a−3bの実施形態においては、ベルト駆動52a,52bが備えられている。ベルト駆動52は、ベルト56を案内するドラム54をそれぞれ有している。それぞれのドラムは、一方のドラムが軸Aについて回転する(そして、他方のドラムが軸Bについて回転する)ように、関係する延長部材46に結合される。それぞれのベルト56は、アクチュエータ60aまたは60bの回転シャフトに取り付けられたスピンドル58にも案内される。それぞれのアクチュエータ60は、プレート32、基板部材44または他の基板表面に好適に設置され、シャフトの回転力を出力し、スピンドル58を回転させる。ベルト56は、その力をドラム54に移して、ハンドル12上にその力を出力させる。ドラム54に対するスピンドル58の回転比は、アクチュエータにより出力させる力を増幅させることができる。例えば、本実施形態に示されるように、アクチュエータ60は、直流モータである。アクチュエータは、他の実施形態においては他の形態でもよく、例えば、音声コイル、線形アクチュエータ、移動磁力アクチュエータ、受動的アクチュエータ(例えば、ブレーキ)、空気圧アクチュエータ等のようなものでもよい。ブレーキのような受動的アクチュエータは、能動的アクチュエータがユーザに独立したレバー上の能動的な力を出力する代わりに、ユーザに知らせるシフトレバーの動きに対する抵抗力を出力する。
【0031】
また、好ましくは、ジンバル機構30にセンサ62a,62bが取り付けられる。本実施形態において、センサ62a,62bは、回転シャフトおよびアクチュエータ60a,60bのハウジングのそれぞれに取り付けられる。センサ62は、相対光学エンコーダであることが好ましい。これは、アクチュエータシャフトの角回転量を測定するための信号を供給し、アクチュエータの想定する自由度におけるハンドルの位置を表示する。エンコーダの電気出力は、図7を用いて以下で詳述するように、処理装置(例えば、ローカルプロセッサまたはホストプロセッサ)に送られる。センサは、他の実施形態において、延長部材および基板部材等が結合されるようなジンバル機構の位置とは異なる位置に位置してもよい。ポテンショメータ、ホール効果センサ、レゾルバ他、アナログまたはデジタルセンサのような、センサの他の形態を使用することとしてもよい。
【0032】
<触覚変速パターンおよびモード>
上記の触覚変速装置を用いる場合、様々な触覚変速パターンが実施可能であり、ユーザが変速ギアを選択することができる(または他の形態のコンピュータインターフェイスアプリケーションにおいて選択させることができる)。変速パターンは、典型的に、シフトレバー12の位置を選択すべく移動可能な領域または区域を有しており、レバー12が望まれない位置、すなわち、移動が許容される領域の境界の外側である「規制された」領域または区域には、動くことができなくなっている。機械的な選択のみを使用することに対して触覚装置を使用する変速パターンがもたらす利益は、複数の異なる変速パターンがアクチュエータを用いて、機械的部材を移動させることなく変更可能であることである。
【0033】
図4a,4b,4cは本発明に係る触覚変速装置を実施可能な乗り物のギア選択における3つの異なる変速パターンを例示している。これらは、単なる例示であり、多くの採用可能な異なるパターンが採用可能である。
【0034】
図4aは5つの前進ギア、1つの後退ギアおよびニュートラルまたはアイドルギアを有する5速変速機のための標準的なマニュアル変速パターン100(「H」パターン)を例示する。1つの標準的な構成において、第1、第3、第5ギアは、前方にあり、第2、第4および後退ギアは後方にあり、ニュートラルは中心位置にある。この概要はシフトレバー12が動く領域を表しており、符号A,B,C,Dが付された領域は、シフトレバー112が進入できない規制領域を表している。この領域にレバーが進入しようとすると、障壁(機械的または触覚的な)によりこれら領域への進入が規制される。
【0035】
図4bは乗り物の典型的な基本的オートマチック変速パターン102を例示する。標準的なオートマチック変速機において、変速は1本の直線的な次元で行われる。標準的なギアにおいて、「パーキング」(P)、「リバース」(R)、「ニュートラル」(N)、「ドライブ」(D)および「ローギア」(L)の順でシフトレバーにより選択可能になっている。シフトレバーは、直線的パターンの外側の規制領域には移動できない。
【0036】
本発明に係る触覚変速装置において、マニュアルおよびオートマチック変速パターンは、両方とも単一の装置において異なる変速モードとして実施可能である。ユーザは、いずれのモードが現在適用されるのか、すなわち、いずれの変速手順が実施されるのかを選択することができる。例えば、ユーザは、変速パターンを変化させるためのボタン、スイッチまたはレバーのような単独の制御装置を用いて選択することができる。一度パターンが選択されると、ユーザは、シフトレバー12を新しいパターン内の許容された領域内で移動させることができる。図4aに示されるようなマニュアル変速装置のシフトパターン内にオートマチック変速パターンを表すための1つの方法としては、直線的なオートマチック変速機がマニュアル変速パターンの垂直経路の1つの中に供給される。例えば、図4bに示されるように、オートマチック変速パターンは、マニュアル変速パターンの中央の垂直経路(図4aにおいて3−N−4のギアが位置する所)内に設けられてもよい。他の実施形態において、オートマチック変速パターンは、他の垂直経路の1つに位置することとしてもよいし、マニュアルパターンとは別に設けることとしてもよい。例えば、マニュアルパターンの側方に設けることとしてもよい。
【0037】
図4cは触覚変速装置10においてユーザが選択可能な他の変速パターン104の例であり、これは「シーケンシャル」変速機の1つである。オートマチック変速機と同様に、1つの直線経路のみを具備する。ユーザがシフトレバー12を「+」記号領域まで前に出すと、変速機は1つギアを上げる変速を行い、シフトレバー12を「−」記号領域まで後ろに下げると、変速機は1つギアを下げる変速を行う。実施形態によっては、さらなるシーケンシャル選択を行う前に、ユーザがレバーを中央位置まで戻した上、所望の選択を行わなければならない。プラス記号とマイナス記号との間の中央領域は、ニュートラルギアまたは選択であってもよい。実施形態によっては、シフトレバーに弾性による復元力を持たせ、レバーが中央位置に自動的に復帰することとしてもよい。このような弾性による復元力は、機械的なばねによるものおよび/またはアクチュエータ60により出力される弾性力により実現され得る。
【0038】
パターンの他の形態は、他の実施形態において可能である。例えば、マニュアル変速パターンは、中央位置から放射状にギアが配置されたり、水平線または対角線の経路内であってもよい。付加された変速パターンは、ユーザが選択可能な変速パターンのリストを具備していてもよい。
【0039】
例えば、図4dは本発明に係る触覚変速装置においてユーザが採用可能な他のシフトパターン106を例示しており、対角線経路を具備しているものである。この変速パターン例において、オートマチックギア107は、他のオートマチックモードと同様に、直線パターン内に配列されている。ローギア「L」108から、2つの他のローギア選択110がユーザによって選択可能となっている。この例において、シフトレバー12は、Lギア108からいずれかの対角線経路109を通ってローギア110を選択すべく移動可能である。変速パターンの他の実施形態では、同様の様々な構成で対角線経路を設けることができる。対角線経路は、以下に示す実施形態と同様に、受動的および/または能動的な力および/または機械的ゲートを用いて実現可能である。
【0040】
変速パターンモードの他にも他のモードが、本発明に係る触覚変速装置において実施可能である。例えば、1つのモードは、ユーザがより長い距離レバー12を動かせるように、ユーザが使用するシフトレバーのための大きな作動領域を提供してもよい。ユーザに選択されることによる異なるモードは、ユーザがより短い距離レバー12を「スルー」させるように、ユーザが使用するシフトレバーのためのより小さい作動領域を提供することができる。小さい方の作動領域は、機械的障壁がレバーに接触する前に障壁力を生じさせるアクチュエータを用いて実現できる。
【0041】
さらに他のモードも実現できる。例えば、1つのモードは、特定の力の感覚が出力されるように設定され、他のモードは、それとは異なる力の感覚が出力されるように設定されてもよい。一例において、1つのモードは、パターン制限のように、レバーの障壁への動きのみに力の感覚を提供することとし、もう一方のモードは、障壁感覚とともに、レバーの障壁への動きのためではなく、移動止め(detents)や丘(hills)のような、他の形態の力の感覚も提供することとしてもよい。ユーザによりユーザの好みにカスタマイズすべく特定の力の特性をを設定可能にしてもよい。加えて、強さの制御によりシフトレバーに出力される力の感覚全体の利得が包括的に調整されることとしてもよい。
【0042】
<触覚変速装置の実施形態>
触覚変速装置10において、いくつかの異なる実施形態が可能であり、実施形態の中には、すべて触覚機能を用いる実施形態もあれば、触覚機能と機械的構成とを組み合わせて用いる実施形態もある。
【0043】
<全体的に能動的な実施形態>
本実施形態は、すべて触覚機能によるものであり、シフトレバー12に出力される力および障壁は、アクチュエータ60により産み出される。本実施形態の一例は、図2,3a,3bにおいて上述した通りである。ここで、シフトレバーは、自由度2の作動領域全体を用い、シフトパターン内の障壁は、力が出力されるアクチュエータにより生じる。好ましくは、機構、アクチュエータ−力変換装置およびアクチュエータは、レバーの動きに対する機械的障壁のような抵抗力が「強い」障壁および境界を形成するように設計される。アクチュエータは、レバー12が水平または垂直移動が許容されない領域内にあるときに、とても硬い弾性力として機能する力を出力することができる。レバー12がギアの外または選択の間、例えば、図4a−cに示される選択を分割する線上、に移動したとき、高い忠実性の「丘」または移動止めの感覚が出力されるようにしてもよい。丘感覚は、力の「ピーク」または「頂上」に達する(例えば、選択の中間点)までに距離にともなって強さを引き上げる力である。その地点における力は、方向を変え、レバーを次の選択に押し出す。最初に高い強さ、そして、レバーがさらに次の選択に動くにつれて傾斜させる。これについては、出願中の米国出願09/783,986号により詳しく記載されており、これを参照して組み込まれる。移動止め、弾性力、衝撃、制動、振動、テクスチャ等のような選択の間や障壁における他の力感覚も以下に記載するように提供可能である。
【0044】
オートマチック、シーケンシャルまたは他に類似する線形変速パターンを提供するモードにおいて、X軸(左右)アクチュエータは、例えば、「固定された」弾性力モードにおいて、水平移動に対する障壁を提供すべく、硬い弾性力の力がつねに出力されることとしてもよい。この力は、シフトレバー12の中央経路における左または右への動きを妨げるように働く。Y軸(前後)アクチュエータは、シフトレバーがいずれかの選択間を移動するとき、丘効果のような力効果を出力することができる。
【0045】
全体的に能動的な実施形態における1つの利点は、提供されユーザによって選択されるシフトパターンの態様が無限であることであり、シフトパターンが対角線とともにシフトレバーのX軸およびY軸の移動を含むことができることである。不利な点は、ユーザが進入を規制すべき領域へレバーを移動させるのを防ぐための障壁として強い力が必要であることであり、より大きな高いコストがアクチュエータ、変速機、および他の構成に必要となることである。
【0046】
<ゲートを備え、全体的に能動的な実施形態>
本実施形態は、上述した全体的に能動的な実施形態と類似しているが、シフトレバー12の作動領域に機械的なゲートが付加されている。例えば、ゲートは、プレート32の開口部34上に位置することができる。ゲートは、単に開口部として提供される。実施されるパターンの1つとして厳密に形成され、ゲート内に付加的なパターンを許容する。例えば、図4aに示されるように形成されたマニュアル変速パターンゲートを用いるとき、図4b,4cのオートマチックおよびシーケンシャル変速パターンも使用することができる。
【0047】
機械的なゲートは、レバー12が進入を規制すべき領域(A,B,C,Dのような)に移動することを規制する。これにより、上述した触覚のみを用いた実施形態に比べてより効果的なものとなる。機械的に確実な停止に対しユーザが打ち勝つことはできず、アクチュエータ出力を必要としないため、他の触覚感として用いるアクチュエータをより小さくすることができるからである。アクチュエータ60は、レバーがギア選択の間または中へまたはニュートラルの外へ動いたとき、例えば、丘感覚、移動止め等のレバー12の力感覚を出力すべく用いることも可能である。アクチュエータ60は、必要なとき、障壁力を出力することができる。必要なときは、例えば、アクチュエータ60がオートマチック、シーケンシャルその他の単一垂直経路モードにおいてレバー12が使用しているY軸経路を外れたり、他のマニュアル変速用のY軸に入ったりしないように、X軸障壁力を出力可能なときである。このように、ゲートは、全体的に能動的な変速装置に多くの利益をもたらす。ゲートを具備しない1つの場合には、触覚変速装置においてプログラムされた他の伝統的でないシフトパターンを適用する場合がある。例えば、ギア選択のための対角線経路を有するパターンの場合である。
【0048】
実施形態によっては、ゲートは、レバーが全領域または特定の領域内で自由に動くことを許容しないようにしてもよい。例えば、ステアバイワイヤ方式の乗り物の操舵のためにレバーを用いることとしてもよい。ステアバイワイヤ方式(例えば、レバーやステアリングホイールを用いる)は、触覚感およびここに記載された発明の他の特徴を使用することができる。
【0049】
本方式の実施形態によっては、機械的なゲートを用いる機械的な壁とともに、または、機械的壁のすぐ内側に重ねたまたは位置した触覚壁を備えてもよい。例えば、図4aの破線106は、実線108で表される機械的なゲートのすぐ内側に存在する触覚壁を表している。機械的壁から触覚壁までの距離は、設計者によってプログラム可能であり、好ましくは、強い触覚で反発する弾性力を実現するのに十分な距離が許容される。触覚は、上述したような、アクチュエータ60により出力される硬い弾性力として実現されてもよく、許容される領域の境界の後ろの領域内に移動することを規制する。触覚壁は、レバーに対し、小さな弾性力を提供することができる。これにより、ゲートによる機械的に確実な停止にぶつけたときの衝撃を和らげる。加えて、触覚の使用は、機構をいたずらに使用することを避け、機構の寿命を延ばし、信頼性を獲得することができる。
【0050】
図5a,5b,5cはゲートを備えた全体的に能動的な実施形態の具体例を例示するものであり、可変機構のゲートが機械的障壁で完全に取り囲まれたマニュアルおよびオートマチック変速パターンを許容すべく用いられる。図5aにおいて、可変ゲート110は、マニュアルパターン位置を示しており、ゲート110の第1片112は、ゲート110の第2片114の近くに位置し、中央のX軸(水平軸)経路116を供給する。シフトレバー12は、経路116内を移動し、標準的なマニュアルギアシフトとしてのギア変速位置にアクセスさせることができる。
【0051】
図5bにおいて、可変ゲート110は、スライドまたは移動し、単一の垂直経路のみを有するオートマチック変速パターンを供給する。第1片112,第2片114または第1片112および第2片114の双方は、矢符118に示されるようにシフトレバー12に向かって移動し、中央のX軸経路を閉じる。こうして、シフトレバー12は、垂直経路120内のみを動くことができる。オートマチックモードの選択は、例えば、丘その他の感覚が選択間で供給されることにより経路120内で実現される。
【0052】
図5cは、ゲート110の第1片112および第2片114の互いの関係を示している。オートマチック変速モードにおいて、一片である第1片112は、他片である第2片114上に重ねられ、水平経路116を閉じる。第1片112および/または第2片114は、モータ、ソレノイドその他のアクチュエータ(図示せず)により移動可能で、または、実施形態によっては、ユーザにより手動で移動可能である。
【0053】
図5a−cの可変ゲートの具体例の利益の1つは、オートマチックモードにおいてシフトレバーの水平移動を規制するために、障壁力がアクチュエータにより出力される必要がないことである。ゲートの移動により、触覚障壁より硬い機械的な障壁が供給されるからである。これにより、装置10において使用されるアクチュエータはより小さくすることができ、出力される力も小さくすることができる。アクチュエータからの触覚フィードバックは、レバーの動きのための高い力の大きさを有する障壁を供給することよりもレバーの選択過程を促すべく弾性力、丘、移動止めおよび類似する感覚をシミュレートするためだけに用いられるからである。実施形態によっては、X軸アクチュエータは、省略することとしてもよいし、他のより好適な実施形態においては、X軸アクチュエータを特定のシフトパターンにおいて水平方向に対して中央寄せする弾性力を供給するために用いてもよい。
【0054】
図6a,6bは、図5a−cに基づいて記載した実施形態に類似する、全体的に能動的な実施形態を用いた可変ゲートの他の実施形態130を例示するものである。ゲート130は、オートマチックおよびマニュアルモードの双方ともにおいてシフトレバー12のすべての動きに対する機械的な止めを提供する。ゲート130において、一体のゲート部132は、マニュアル変速パターンを提供する。2つのゲート指部134は、ゲート部132の中央突起136の近くにあり、矢符138で示されるように、移動またはスライドする。指部134をギア位置1,3,5に向けて前方にスライドさせると、水平経路140の中央が閉鎖され、装置がオートマチックモードにあるときに、シフトレバー12が垂直経路141の外側へ移動することを規制する。指部134が引き込まれると、ギア位置3,4,Rへの方向において、中央の水平経路140が開き、マニュアル変速モードにおいて、シフトレバー12を他の垂直経路において動かすことができる。所望であれば、指部は、独立して動かされ、付加的なシフトパターンを作ることもできる。図5a−cの実施形態においては、ゲート130により、レバーの移動を規制する障壁力を出力するためのアクチュエータを必要とすることなく、いずれのモードが用いられても、より強固な機械的止めを許容する。これにより、より低コストかつ小さいアクチュエータですみ、および/またはより単純な変速機を装置に用いることができる。ゲート指部134は、モータ(図示せず)のような専用のアクチュエータにより動くこととしてもよいし、変速モードを選択する際に、ユーザにより手動で動かせることとしてもよい。
【0055】
可変の機械的ゲートの他の実施形態を用いることも可能である。例えば、線形移動ゲートは、オートマチックまたはシーケンシャルモードにおける図4のシフトパターンにおいてマニュアルギア108のための対角線経路を規制するのに用いてもよいし、マニュアルモードにおけるオートマチックギアを規制するのに用いてもよい。他の実施形態において、回転移動するゲートが実施可能である。例えば、多数のプレートが、中央のシフトレバー回りに放射状に配置され、プレートの1つまたはそれ以上が、レバー軸回りに回転移動またはスライドして、プレート間に1またはそれ以上の経路を開くこととしてもよい。これにより、シフトレバーのための水平、垂直または対角線の経路を移動させて、特定のシフトパターンモードにギアを選択することができる。
【0056】
<能動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態の触覚変速装置10において、直流モータのように、X軸において力を出力する能動的アクチュエータは、ブレーキおよび機械的弾性力のような受動的アクチュエータに置き換えられる。シフトレバー12のX軸移動は、全体的に閉じ込められている(オートマチックまたはシーケンシャルモードにおいて)か、中央水平経路において中央寄せする弾性力とともに線形移動させることに限定される(マニュアル変速におけるニュートラル領域において)かのどちらかであり、全体的に能動的なアクチュエータは、実施形態によっては必要とされないかもしれない。マニュアル変速モードにおいて(図4aの「N」表示、またはその近くにおいて)、すなわち、いずれのギア位置でも固定されるX軸において、ブレーキその他の受動的アクチュエータは、レバーがニュートラル位置にないときはつねに固定されることとしてもよい。ブレーキは、シフトレバーがマニュアルパターンにおける水平経路に戻るときに固定が解除されることができる(オートマチックまたはシーケンシャルモードにおいては固定が維持される)。Y軸アクチュエータは、本実施形態において、DCモータのように、全体的に能動的であり、ユーザに変速感覚の進路を定義する、例えば、丘、振動および弾性力を生じさせるべく移動したとき、レバー12に力感覚を生じさせるべく用いられる。また、能動的Y軸アクチュエータは、レバー12がマニュアル変速パターンにおける垂直経路の間にある水平経路内を移動するとき、ユーザが進入すべきでない領域(図4aに示される領域A,B,C,Dのような)にレバーを移動させることを規制する。
【0057】
ブレーキのような受動的アクチュエータを使用する1つの利益は、同等のサイズの能動的アクチュエータよりとても高い保持力を有し、多大な力を必要とすることなく、とても強い反発力または障壁力をユーザに供給することができる。これにより、シフトパターンにおいて進入を規制すべき領域をより低コストかつより小さいサイズの構成を用いてより容易に実現することができる。ブレーキによる不利益は、能動的である力およびユーザの力が抵抗するとき、より複雑な障壁から離れて動きの感覚を生じる、自由度に従うそれぞれの方向において移動が厳格になることである。受動的アクチュエータに伴う動きを感知する方法としては、米国特許5,767,839号に記載されており、これを参照できる。
【0058】
<ゲートを備え、能動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態は、上述した実施形態と類似するものであり、能動的アクチュエータがシフトレバーのY軸移動の力感覚を出力すべく用いられ、ブレーキのような受動的アクチュエータがX軸について用いられる。本実施形態は、上述したゲートを備えた実施形態と同様の機械的なゲートが付加される。ゲートは、レバーが中央経路にあり、進入を規制すべき領域に移動するときに、Y軸アクチュエータがシフトレバーに小へ気力を出力する必要性を排除する。このように、丘、移動止め、振動および弾性力のような、シフトレバーの動きおよび選択を強調する力感覚を出力するだけで済むため、Y軸アクチュエータは、より小さくすることができる。
【0059】
<能動的/受動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態は、Y軸アクチュエータとして能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータを組み合わせて用いることができる。モータのような、能動的アクチュエータ部は、丘、移動止めおよび弾性力のような能動的触覚効果として用いられ得る。ブレーキのような受動的アクチュエータ部は、障壁力を供給すべく用いられ、ギア位置の間のニュートラル領域の外側の移動を規制する。X軸アクチュエータは、受動的アクチュエータであり、好ましくは、シフトレバーが常にニュートラル位置(図4aにおけるパターンの中央)に復帰するように中央寄せ弾性力を備える。図4aの標準的なマニュアル変速パターンにおいて、本実施形態においては機械的なゲートを用いていないので、レバーがニュートラル位置の外側のY軸方向に移動したときは常に、X軸の受動的アクチュエータは、固定され、レバーを垂直経路に保持する。同様に、シフトレバーが3つのシフトコラム(マニュアルモードにおける)の1つの外側のX軸方向に移動するときは常に、Y軸の受動的アクチュエータは、固定され、進入を規制すべき領域へのY軸の動きを規制する。好ましくは、非常に早い応答のアクチュエータを、シフトレバーが中央の水平経路へ向かってまたはその外側へ動くときに、供給される。
【0060】
実施形態によっては、受動的アクチュエータを用い、振動、ブレーキ衝撃、受動的移動止め等と同様の、受動的な触覚効果をレバーに出力することとしてもよい。また実施形態によっては、機械的なゲートを付加し、本実施形態における硬さおよび潜在的な必要性を容易にすることとしてもよい。
【0061】
能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータの組み合わせは、様々な方法で実現可能である。例えば、機構が自由度2であるとき、能動的アクチュエータは、自由度1に連結して取り付けられ、当該自由度に能動的な力を供給する。一方、受動的アクチュエータは、その他の自由度に連結して取り付けられ、当該自由度に受動的な力を供給する。能動的および受動的な力が両方とも特定の自由度に設計される場合、能動的および受動的アクチュエータは、適当な連結機または構成に取り付けられる。例えば、能動的アクチュエータは、移動連結機の一方に固定して取り付けられ、受動的アクチュエータは、連結機の他方に取り付けられ、受動的アクチュエータは、可撓性を有する部材に取り付けられ、適正な配置を得ることができるとともに、遊びを小さくすることにより、ブレーキが固定されるときの動きの感覚をもたらすことができる。双方またはそれぞれのアクチュエータは、該当自由度において力を供給すべく活性化されてもよい。
【0062】
<能動的/受動的なY軸および能動的/受動的なX軸の実施形態>
能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータの組み合わせは、本実施形態においてX軸およびY軸の双方において力を出力するのに用いられる。モータのような、能動的アクチュエータ部は、丘および弾性力のような、能動的触覚感のために使用され、ブレーキのような、受動的アクチュエータ部は、所望のパターンの外側のシフトレバーの動きを規制するのに用いられる。X軸アクチュエータは、装置がオートマチックまたはシーケンシャルモード(または他の同様のモード)にあるときに、ブレーキをX軸の動きを規制するために用いることができ、能動的モータは、中央寄せのための弾性力を提供することができる。
【0063】
本実施形態が機械的なゲートを用いずに使用される場合、X軸ブレーキは、シフトレバーがシフトパターンの垂直経路の1つ(および中央の水平経路でないもの)をY軸方向に移動するときは常に、固定することにより、当該経路においてX軸の動きを規制することとしてもよい。Y軸ブレーキは、シフトレバーが(マニュアルモードにおいて)垂直シフト経路の1つの外側のX軸方向に移動するときは常に、固定することとしてもよい。上述の実施形態と同様に、機械的なゲートを硬さを増大させ、障壁力をより強くするために用いることとしてもよい。
【0064】
<全体的に受動的な実施形態>
本実施形態は、ブレーキのような、受動的アクチュエータのみをシフトレバーのX軸およびY軸の動きのために用いるものである。ブレーキは、シフトレバーに交互に適用され、シフトレバーが選択されたシフトパターンの外側に動くことを規制する。機械的な弾性力は、シフトレバーに弾性力による中央寄せの力を供給するために用いられ、中央のニュートラル位置Nに向けて付勢されるように生じさせる。オートマチック、シーケンシャル、またはそれに類似する1つの経路を有するモードにあるときに、X軸ブレーキは、ユーザが中央の水平経路から進入を防ぎたい領域(例えば、領域A,B,C,D)にシフトレバーを動かすことを規制する。シフトレバーがマニュアルモードにおけるギア位置に移動したとき、ブレーキはレバーを所定の位置に固定することができ、弾性力による付勢がレバーの移動を規制する。ブレーキは、移動止め、制動等のような、触覚感を生じさせることもでき、レバーをギア位置に嵌めるシミュレーションを行い、現在のユーザの選択を知らせることができる。オートマチックモードおよび所望の他のモードにおいて軽い抵抗力がブレーキによってシフトレバーに適用され、機械的ばねにより供給される弾性力を打ち消すこととしてもよい。代わりに、オートマチックモードにおいてブレーキは、それぞれのギアで固定され、シフトレバーのボタンや他の制御がユーザにより押下されることによりブレーキを解除し、シフトレバーが他のギア位置に移動可能とすることとしてもよい。実施形態によっては、ブレーキは、例えば、レバーが1つのギアから離れて他のギアへ向けて移動するとき、シフトレバーの位置情報にのみ基づいて開放されることとしてもよい。(ブレーキが例えば米国特許5,767,839号に記載されたようなレバーの少量の遊びを用いて固定されたとき、動きが感知され得る)。
【0065】
上述した触覚変速装置の機能は、シミュレートされる乗り物にも用いられ得る。例えば、方向信号やデータを電子デバイス、コンピュータまたはビデオゲーム装置に入力するためのジョイスティック装置は、スティックシフトまたはシフトレバーを用い、コンピュータシミュレーションにおいて、シミュレートされた乗り物のシミュレートされたギアを変更する。ここで、ドライバーの視界は、コンピュータシステムの表示装置に表示画像としてシミュレートされる。側方への動きを有する回転可能なノブのような、マウス、トラックボールやその他の可動操作装置のような、他のインターフェイス装置は、ここに記載した移動パターンおよびモードとともに用いられ得る。
【0066】
図7は本発明の触覚変速装置に好適に用いられる電子機械システム200を例示するブロック図である。触覚フィードバックシステムは、米国特許5,734,373号に詳細に記載された構成に類似する構成を多く有しており、これを全体的に参照可能である。
【0067】
一実施形態において、制御装置は、ローカル処理装置202、ローカルクロック204、ローカルメモリ206、センサインターフェイス208およびアクチュエータインターフェイス210を有する電子部を具備する。
【0068】
ローカル処理装置202は、触覚変速装置10の「ローカル」に構成されている。ここで、「ローカル」は、処理装置202が他の処理装置から分離した処理装置であることを意味し、処理装置202がレバー12のために触覚フィードバックおよび/またはI/Oに専用化されることを意味する。処理装置202は、センサ信号をセンサまたはセンサインターフェイスから読み出し、シフトレバー12によって選択された乗り物のギアを決定することができる。さらに、適切なデータを制御システムまたは他の処理装置に供給し、変速されるべき乗り物のギアを機械的に選択させることができる。例えば、制御システムは、シフト・バイ・ワイヤの分野の当業者において明らかであるように、他のアクチュエータを制御して、適切な機械的部材を移動させ、変速ギアを変更する。一方、処理装置202は、単に位置データを制御システムに伝達するだけであり、当該データシステムがデータから適当な乗り物のギアを決定し、当該ギアへの変更についての制御を行う構成も可能である。さらに他の実施形態において、処理装置202は、同様に乗り物の変速過程を制御することも可能である。
【0069】
実施形態によっては、処理装置202は、センサ信号、時間信号およびホストの命令に従って選択された力処理装置より適当な力を演算し、適切な制御信号をアクチュエータに出力し、シフトレバーに触覚感を出力することとしてもよい。他の実施形態において、他の処理装置が力を決定し制御してもよい。処理装置202は、マイクロプロセッサ(1つのマイクロプロセッサチップ、複数の処理装置、共通の処理装置、デジタル信号処理装置(DSP)等)であってもよい。もしくは、処理装置202は、固定されたデジタルロジックすなわち、ASIC、状態機械その他の処理装置であってもよい。
【0070】
ローカルクロック204は、処理装置202に取り付けられ、タイミングデータを供給する。ローカルメモリ206は、RAMおよび/またはROMのようなものであるが、処理装置202に好適に取り付けられ、命令、一時的その他のデータ、校正パラメータ、センサ変化の補償値および/または装置の状態を記憶する。表示装置16は、実施形態によっていは用いられ、ローカル処理装置202に取り付けられる。この場合、異なる処理装置または他の制御装置が表示装置16に出力すべく制御することができる。
【0071】
センサインターフェイス208は、任意に用いられ、センサ214より供給されるセンサ信号を処理装置202によって解釈可能な信号に変換する。例えば、センサインターフェイス208は、エンコーダのようなデジタルセンサ214から信号を受信し、当該信号をデジタル2進数に変換することができる。アナログデジタルコンバータ(ADC)も使用可能である。その一方で、処理装置202が、これらのインターフェイス機能の役割を果たすこととしてもよい。アクチュエータインターフェイス210は、アクチュエータ216および処理装置202の間に任意に接続可能であり、処理装置202からの信号をアクチュエータの駆動に適切な信号に変換する。アクチュエータインターフェイス210は、パワーアンプ、スイッチ、デジタルアナログコントローラ(DAC)その他の構成を有することとしてもよい。これに代わる実施形態において、アクチュエータインターフェイス210の回路構成を処理装置202内またはアクチュエータに具備することとしてもよい。様々な形態の電源212(自動車内の自動車バッテリまたはオルタネータを含む)は、アクチュエータおよび/またはアクチュエータインターフェイス210に取り付けられ、アクチュエータに電力を供給することができる。
【0072】
本システムの機械的構成部分は、上述したいくつかの例で挙げたシフトレバー12の動きを許容するために必要ないくつかまたはすべての構成を具備している。センサ214は、1またはそれ以上の自由度でレバー12の位置、動き、および/または他の特性を検知し、処理装置202(または他の処理装置)にそれらの特性を表現する情報を含む信号を供給する。センサ214は、レバー12が移動し得るそれぞれの自由度に沿って備えられるか、または、単一の複合センサを複数の自由度のために用いてもよい。好適なセンサの例は、図3bのセンサ62、光学的エンコーダ、ポテンショメータのようなアナログセンサ、ホール効果磁気センサ、横効果のフォトダイオードのような光学センサ、タコメータ、加速度センサ等を含む。さらに、絶対的または相対的なセンサのいずれを使用してもよい。
【0073】
アクチュエータ216は、1またはそれ以上の方向において、典型的には、処理装置202その他の電子ロジックまたは装置、すなわち、「電子制御」により出力される信号に応じた回転自由度において、レバー12に力を伝える。アクチュエータ216は、電子的に変調された力を生じる。これは、処理装置202その他の電子デバイスが力を好適に制御することを意味する。アクチュエータ216は、自由度ごとにそれぞれ供給される。アクチュエータ216は、能動的なアクチュエータでもよく、例えば、線形電流制御モータ、ステッパモータ、空気圧/油圧の能動アクチュエータ、トルカー(制限された角度範囲を有するモータ)、磁気粘性ブレーキ、音声コイルアクチュエータ等でもよい。受動的なアクチュエータも使用可能であり、磁気粒子ブレーキ、摩擦ブレーキ、または空気圧/油圧受動アクチュエータを使用可能である。これにより、所定の動きにおいて、制動抵抗または摩擦を生じさせる。能動的および受動的アクチュエータを用いる実施形態は、上述している。
【0074】
機構218は、レバー12の動きをセンサ214によって読み出し可能な形式に解釈するのに用いられ、アクチュエータ216からレバー12に力を伝える。機構218のいくつかの例は上述した通りである。また、ベルト駆動、ギア駆動またはキャプスタン駆動機構のような駆動機構が用いられ、アクチュエータ216により出力される力に機械的な利益を供給する、および/または、センサの解像度を高めることができる。
【0075】
他の入力装置220は、処理装置202に入力信号を送信すべく具備される。このような入力装置は、ボタンまたはパネルからの入力を補足すべく用いられる他の制御装置を含む。ダイヤル、スイッチ、音声認識ハードウェア(例えば、処理装置202により実現されるソフトウェアを備えたマイクロフォン)、その他の入力機構も具備されてもよく、処理装置202またはアクチュエータ216に入力を供給することができる。デッドマンスイッチをレバー12またはその近くに具備してもよく、ユーザがレバーに触らないときにレバーが自身で動くのを規制すべく、ユーザがレバーに触れないときは力を出力することを中止することができる。例えば、ユーザの手または指(指、親指等)のレバーへの接触を光学的、抵抗値的、誘導的、力/圧力、またはその他のセンサを用いて検知してもよいし、レバーへのユーザからの圧力を既知のセンサを用いて検知してもよいし、レバーへの手の重みを検知してもよいし、レバーへの力をひずみ計等を用いて測定してもよい。
【0076】
1またはそれ以上の処理装置224は、実施形態によって、ローカル処理装置202とともに組み合わせて用いれる。好ましくは、処理装置202,204は、双方向バス226により互いに接続される。付加的な電子的構成もバス226上に標準的なプロトコルを介して通信可能に具備されることとしてもよい。これらの構成は、装置内または接続された他の装置に具備されることとしてもよい。バス226は、様々な異なる通信バスが採用できる。例えば、双方向のシリアルまたはパラレルバス、無線接続、ネットワークアーキテクチャ(CATVバスのような)、または一方向バスが処理装置224,202間に供給され得る。
【0077】
他の処理装置224は、制御装置とともに命令し、機能するように調整した異なる装置またはシステムにおいて独立のマイクロプロセッサ(または処理装置202について上述したような処理装置とは異なる形態の処理装置)であってもよい。例えば、他の処理装置224は、上述したように、乗り物のギアの実際の変速を制御することも可能である。実施形態によっては、他の処理装置224は、乗り物の独立した制御サブシステムに具備されてもよい。ここで、他の処理装置224は、自動車の温度システムのようなシステムを制御する。または、機械的構成の位置(自動車のミラー、シート、変速シフト点または位置等)を制御する。または、様々なシステムからの情報を表示する表示装置を制御する。一方、他の処理装置224は、制御される触覚変速装置および処理装置202を含む多くのシステムのためのホスト処理装置または中央制御装置であってもよい。2つ(またはそれ以上)の処理装置202,224は、様々なシステム制御を容易にし、ユーザに事態の通知を出力する等のために必要とされる情報を交換可能である。例えば、乗り物に何らかの故障を生じていることを他の処理装置224が確認または発見した場合、他の処理装置224は、この情報をローカル処理装置202に通信し、表示装置16または他の表示装置(および/またはシフトレバーの触覚感)の所定の表示部に出力し、ユーザに警告することができる。一方、レバー12が変速または制御の異なるモードを許容したとき、他の処理装置224は、異なるモードのいくつかまたはすべてを制御することができる。
【0078】
他の実施形態において、他の処理装置224は、ホスト処理装置であってもよく、例えば、ローカル処理装置202にホスト命令を送信することにより力感覚を出力させるべく、ローカル処理装置202に命令することができる。ホスト処理装置は、単一の処理装置でもよく、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ビデオゲームコンソール、ポータブルコンピュータその他のコンピュータまたは表示装置、セットトップボックス等のようなコンピュータ内に具備してもよい。ホスト処理装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、入力/出力(I/O)回路構成、その他の当業者に既知のコンピュータ構成を有していてもよい。ホスト処理装置は、ユーザがレバー12および/または他の制御装置および周辺装置を用いて対話するホストアプリケーションプログラムを実行可能である。ホストアプリケーションプログラムは、レバー12からの信号に応答する。実施形態によっては、ホストアプリケーションプログラムは、ローカル処理装置202およびレバー12に力フィードバック命令を出力することができる。ホスト処理装置の実施形態その他の類似する実施形態において、処理装置202は、ソフトウェア命令を有しており、ホスト処理装置からの命令または要求を待ち、当該命令または要求を解析/デコードし、当該命令または要求にしたがって入力および出力信号を処理/制御することができる。
【0079】
例えば、1つの力をフィードバックする実施形態において、ホスト処理装置224は、低レベルの力の命令をバス26により供給し、ローカル処理装置202がアクチュエータに直接伝送する。異なる力をフィードバックするローカル制御の実施形態において、ホスト処理装置224は、高レベルの管理命令をバス226を介して処理装置202に供給し、処理装置202は、高レベル命令にしたがい、かつ、ホスト処理装置224とは独立してセンサおよびアクチュエータに低レベルの力の制御ループを処理する。ローカル制御実施形態において、処理装置202は、センサ信号を独立に処理し、「力処理」の命令に従う適切な出力アクチュエータ信号を決定する。力処理の命令は、ローカルメモリ206に記憶され、演算命令、数式、力強度(力の特性)、および/または他のデータを含むものである。力処理は、レバー12に制動、弾性力、障壁、移動止め、振動、テクスチャ、衝撃等のような、異なる力感覚を命令することができる。力のフィードバックアプリケーションのローカル処理装置におけるそのような命令の例は、米国特許5,734,373号により詳細に記載される。
【0080】
これに代わる実施形態において、ローカル処理装置202は、インターフェイス装置にローカル処理装置202を具備せず、処理装置224のような処理装置が触覚変速装置10の構成とすべての信号をやりとして制御および処理を行う。一方、デジタル配線論理は、変速装置10への入力/出力機能を実現可能である。
【0081】
<力感覚>
ここでは、ここで記載される触覚変速装置に好適に用いられる多くの力感覚が記載される。
【0082】
レバー12に出力された力効果は、弾性力、制動、テクスチャ、振動、移動止め、衝撃またはパルス、慣性、摩擦、障害(障壁)、または動的な力効果を含む。これらの効果の多くは、米国出願09/783,936および米国特許5,734,373、6,147,674、6,154,201、6,128,006号のような他の明細書に記載されており、これらを全体的に参照することができる。力感覚は、レバー12により達成される制御機能とともに完全に実現される。感覚(弾性力のような)によっては、能動的なアクチュエータを用いて出力のみ行われてもよい。
【0083】
基本的な力感覚は、レバー12の特定の予め定義されたまたは通常時の位置に出力される力による移動止めであり、ユーザにどのくらいレバーが移動したかを伝え、および/またはレバーを特定の位置に指定する。力による移動止めは、命令された方向に出力する単純な衝撃またはこぶの力でよく、移動止めの位置を指示するかレバーの特定の位置を明示することとしてもよい。また、移動止めは、レバーを特定の位置に引く力および/または当該位置から離れるようにレバーの移動を規制する力を具備してもよい。力フィードバックによって「スナップする」移動止めを具備することとしてもよく、小さな力が移動止め位置にその位置から少しでも外側でノブを付勢する。移動止めの態様については、米国特許6,154,201、5,734,373に記載されている。
【0084】
レバー12に出力される力感覚の他の態様は、弾性力である。弾性力は、いずれかの方向へのレバーの移動に対する抵抗力を提供し、レバーと地上との間における物理的な弾性力をシミュレートする。これは、例えば、ユーザがレバーを動かした後に、レバーが停止位置または中央位置に「スナップバックする」ために用いられる。制動の力感覚もレバー12に提供され、レバーの速度に基づいてレバーの動きを緩和する。小さな強さの弾性力も移動止めまたは他の特性のために利用され得る。
【0085】
「丘」の力効果も実施形態によって使用可能である。丘の力効果は、丘の「頂上」に至るまで、増大する抵抗力として作用する。頂上を過ぎると、ユーザに頂上から離れるように移動を継続する力の補助となる。このような効果は、例えば、シフトレバーのギア選択間で用いられ得る。丘の効果のいくつかの例については、米国出願09/783,936号に記載されている。
【0086】
障壁力は、レバーが移動の限界に達したことをユーザに伝達するように規定され、シフトレバーにおける障壁の「後ろの」位置への移動を部分的または全体的に、物理的に規制する。障壁効果を実現するための1つの方法は、高い強さまたは「硬さ」を有する単純な弾性力を供給することである。弾性体についての従来技術は、F=kxのような関係を用いて典型的にモデル化されている。すなわち、抵抗力出力は、ノブが弾性体に向けて移動する距離に線形比例する。線形、指数的その他の特性を有する障壁が用いられ得る。障壁効果については、2001年2/14出願の米国出願09/783,936号にも記載されている。障壁効果の他の形態も実施可能である。
【0087】
他の力感覚は、レバー12の移動の終了をユーザに知らせるべく出力されてもよい。例えば、衝撃力は、通常の移動止めよりも強度の強いものとして出力されることができ、ユーザに意義のある範囲の終わりまたは他の範囲への到達またはもうすぐ到達することを知らせる。
【0088】
これらの力感覚のいずれかを組み合わせて、複数の力効果を同時に供給することとしてもよい。
【0089】
本発明は、いくつかの好ましい実施形態の観点から記載しており、これらの変更、修正および組み合わせについては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で可能である。また、上述した実施形態は、特定の実施形態または具体例において様々な方法に組み込むことができることを意味するものである。さらに、所定の用語は、明確な記述のために用いられたものであり、本発明を限定するものではない。それゆえ、特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない限り、これらの変更、修正および組み合わせを含むものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0090】
10 触覚変速装置
12 シフトレバー(操作部)
44 基板部材
46a,46b 延長部材
60a,60b アクチュエータ
62a,62b センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバック装置に関し、特に、インターフェイス装置において所望の操作を許容する機械的装置とともに用いられる触覚フィードバックインターフェイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械制御機構の代わりに電子制御機構を用いた乗り物の制御は、様々に異なる方式で実施されている。典型的に「ステア・バイ・ワイヤ」、「ドライブ・バイ・ワイヤ」または「コントロール・バイ・ワイヤ」と呼ばれる制御の方式により、ユーザは、ユーザが機構を用いて機械的命令を直接実行することなく機械的命令を実行するために、電気モータおよび/または油圧または空気圧による制御システムに指示を与えることができる。例えば、自動車における標準的な機械的操舵機構において、ユーザは、ステアリングホイールを動かすことにより、ロッド、ギアおよび他の機械的部材が機械的に回転し、ステアリングホイールの動きに基づいてフロントホイールの向きを変える。ドライブ・バイ・ワイヤシステムにおいて、ユーザがステアリングホイールを回転させる(または何らかの他の方式の操作装置を動かす)と、ステアリングホイールの動きとホイールの動きとの間で実際には機械的結合がなくても(パワーアシストされたステアリングとは異なり)、1以上の電気モータ、油圧アクチュエータ等を制御して、ステアリングホイールの動きに基づいてフロントホイールの向きを変える。処理装置(マイクロプロセッサ等)がユーザの動きを感知し、モータ制御に相関させることにより、相当する操舵を達成することができる。伝統的な機械的制御に対してコントロール・バイ・ワイヤには、いくつかの利益がある。つまり、ユーザが傷付くような機構がないため、安全であること、ユーザが制御装置を操作するのに多大な努力や力が必要ないこと、用いられる制御装置の形や動きおよび機構についての制御方法においてより順応性があること、機構の重量がより軽いこと、制御処理装置が単純なユーザの動きを所望の機械的動作を達成するのに必要なモータの複雑な制御に変換することができるため、ユーザが制御タスクを実行するための能力をより必要としないこと、技術者の利益(例えば、ステア・バイ・ワイヤを用いると自動車のいずれの側にもステアリングホイールを設置し易くなる)、および、適応操舵アルゴリズムのような制御方法を利用することである。
【0003】
関連するコントロール・バイ・ワイヤの実施例として、「シフト・バイ・バイヤ」がある。これは、駆動変速機を有する自動車またはその他の乗り物において直接機械的な制御を行う代わりに電子制御を用いて変速ギアを切り替えるものである。このように、機械的にギアを切り替えるためにユーザが予め決められた機械的位置にシフトレバーを動かす代わりに、ユーザが電子制御を操作することにより、電子システムが実際の変速ギアを変化させることができる。例えば、ユーザは、小さいレバーを前方に動かすことにより、ギアレシオを(例えば、第1ギアから第2ギアへ)増大させることができ、後方に動かすことにより、ギアレシオを(例えば、第5ギアから第4ギアへ)減少させることができる。様々に異なる電子制御は、乗り物に用いられ、ユーザがレバー、ボタン、ノブ、スイッチ等のように切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5,731,804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シフト・バイ・ワイヤシステムにおける1つの問題は、ユーザにより操作される物理的制御における特定の実行には依然として限界があることである。すなわち、ユーザは、所望の異なるシフトパターンで変速ことができない。さらに、シフト・バイ・ワイヤ制御は、ユーザに対して切り替え制御中に機械的システムについての何らかの合図を出さないため、直感的でない、または正確でない制御が生じるおそれがある。切り替えは、ほとんどすべて感覚的に行われるため、このような機械的合図は切り替えタスクにおいて重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シフト・バイ・ワイヤシステムにおいて存在するいくつかの課題を軽減するために、本発明は、シフト・バイ・ワイヤシステムに触覚感(haptic sensations)を提供するものである。触覚感により、プログラムされた制御手順および制御パターンの範囲を大きくすることができ、ギア選択やその他の操作においてより効果的なユーザ制御を行うことができる。
【0007】
特に、一実施形態において、自動車のための触覚変速装置は、少なくとも自由度1でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバーを具備する。そして、少なくとも1つのセンサが、シフトレバーの位置を検知し、それぞれの位置を表す位置データがセンサからもたらされる。さらに、処理装置は、位置データを受信し、乗り物の変速ギアをシフトレバーの位置に基づいて変更させるべくデータを出力する。そして、少なくとも1つの電気制御アクチュエータは、シフトレバーに所定の力(a force)を出力する。
【0008】
ある実施形態において、シフトレバーは、所定のパターンで移動可能であり、当該パターンの境界の外側領域への移動は規制される。シフトレバーは、アクチュエータから出力される障壁力により外側領域から規制されることとしてもよい。アクチュエータは、シフトレバーに能動的な力を出力するように指示する能動的アクチュエータであってもよいし、シフトレバーに抵抗力を供給するように指示する受動的アクチュエータであってもよいし、受動的および能動的アクチュエータを組み合わせてシフトレバーの自由度を複数使用することとしてもよい。例えば、能動的アクチュエータ部は、シフトレバーに触覚効果を出力し、受動的アクチュエータ部は、予め決められたパターン外にシフトレバーが動くのを規制する力を供給することとしてもよい。機械的なゲートを用い、シフトレバーが少なくとも前記外側領域のいくつかにおいて規制することとしてもよい。機械的なゲートは、例えば、マニュアル変速パターンとオートマチック変速パターンのような、少なくとも2つの異なるパターンを供給することとしてもよい。可変の機械的なゲートを用いることにより、機械的な障壁をシフトレバーのマニュアルモードおよびオートマチックモードにおけるすべての方向において供給することができる。
【0009】
もう1つの発明において、乗り物のための触覚変速装置は、自由度2でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバーを具備する。少なくとも1つのセンサは、シフトレバーの位置を検知し、センサからもたらされた位置データは、乗り物の変速ギアをレバー位置に基づいて変化させる。少なくとも1つの電気制御アクチュエータは、シフトレバーに力を出力し、モードセレクタにより、ユーザは、変速モードを選択することができる。シフトモードには、シフトレバーについて異なる変速パターンを有する少なくとも2つの変速モードがある。シフトレバーは、例えば、アクチュエータから出力された障壁力によって、シフトパターンの境界の外側領域から規制されることとしてもよい。変速モードは、オートマチックモード、マニュアルモード、および/またはシーケンシャルモードを有していてもよい。能動的および/または受動的アクチュエータおよび機械的なゲートが様々な実施形態において用いられてもよく、異なる形の触覚効果がシフトレバーに出力されることとしてもよい。
【0010】
もう1つの発明において、乗り物の変速機におけるギア変速方法は、少なくとも自由度1においてユーザがシフトレバーに物理的に接触し、移動させることを有している。シフトレバーの位置は、検知され、位置データは、センサからもたらされる。乗り物の変速ギアをシフトレバーの位置に基づいて変化させるデータが出力され、電気制御されたアクチュエータを用いるシフトレバーに力が出力される。シフトレバーは、所定のパターン内で移動可能に形成され、当該パターンの境界の外側領域が、例えば、アクチュエータより出力される障壁力によって、規制されることとしてもよい。能動的および/または受動的アクチュエータおよび/または機械的なゲートを用い、異なる形の触覚効果をシフトレバーに出力することとしてもよい。
【0011】
もう1つの発明において、乗り物のための触覚変速装置は、自由度2でユーザが物理的に触れ、操作可能であるシフトレバー、シフトレバーの位置を検知する少なくとも1つのセンサ、シフトレバーに力を出力する少なくとも1つの電気制御アクチュエータ、およびユーザが触覚変速装置の変速モードを選択可能なモードセレクタを具備し、乗り物の変速ギアは、シフトレバーの位置に基づいて変化され、変速モードは、シフトレバーに対して異なる物理的特性を供給するものである。異なる物理的特性は、少なくとも2つの異なるモードにおいて、シフトレバーの動きが異なるものである。いくつかの実施形態において、異なる物理的特性は、少なくとも2つの異なるモードにおいて異なる力感覚を出力することとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、乗り物におけるシフト・バイ・ワイヤシステムにおけるユーザに対し触覚感を出力することができる触覚変速装置を提供する。触覚変速装置は、シフトレバーに対する障壁として作用する力を提供するとともに、装置に対するプログラミングを多様化させることができる。例えば、いくつかの異なるシフトパターンが提供され、ユーザによって選択可能に構成される。さらに、シフトレバーに出力される触覚感は、変速タスクにおいてユーザを支援することができ、シフト・バイ・ワイヤシステムにおいて機械的な合図を提供することができる。
【0013】
本発明におけるこれらの利益および他の利益は、以下の発明の詳細な説明およびいくつかの添付された図面により当業者に明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が好適に用いられたシフトレバーを具備するギア変速装置の一実施形態を示す遠近図である。
【図2】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図3a】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図3b】図1においてシフトレバー装置を実施するための機構についての一実施形態を示す遠近図である。
【図4a】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4b】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4c】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図4d】図1−3bのシフトレバー装置に好適に使用されるシフトパターンの説明図である。
【図5a】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図5b】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図5c】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第1実施形態の説明図である。
【図6a】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第2実施形態の説明図である。
【図6b】多様なシフトパターンを許容する本発明の機械的なゲートの第2実施形態の説明図である。
【図7】本発明において好適に用いられる触覚フィードバックシステムを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は乗り物のための触覚変速装置10の一例を示す遠近図である。変速装置10は、マニュアル変速装置を有する自動車に見られるような標準的なギアシフトレバーに類似する図1において実現される。例えば、変速装置10は、自動車の前席の間に配置されてもよい。これによりドライバーは、運転中に変速装置に容易に触れることができる。
【0016】
触覚変速装置10は、グリップ14を有するシフトレバー12を具備し、グリップ14は、ユーザに掴まれるまたはさもなければ物理的に接触され、一方向またはそれ以上の方向に乗り物の変速ギアを制御する。シフトレバーの位置は、乗り物の変速ギアが現在何速に結合しているかを決定する。本装置は、シフト・バイ・ワイヤシステムに統合されるため、シフトレバーは、乗り物の変速機に機械的に結合されてはいないが、代わりに電子的インターフェイスおよびレバーの位置を読み出し、レバーの位置に対して変速機を制御するシステムに結合される。用いられ得る機構およびインターフェイスの例は、以下に図2および3を参照しつつ説明する。
【0017】
モード選択制御手段15は、ユーザが触覚変速装置10の変速モードを選択することを許容するために備えられる。制御手段15は、図1においてボタンとして表されているが、レバー、スイッチ、表示装置16に表示されたもの等、好適ないずれの制御手段であってもよい。制御手段15は、例えば、マニュアル変速モードとオートマチック変速モードとの間および/またはもし実現されるなら他の変速モードとの間で選択可能である。本装置の他の選択として、制御手段15または操作の特徴(シフトレバー12への制動力、すなわち、大きさ、周波数、持続期間、その他、シフトレバー12に出力される他の触覚感といった特性)のような付加的な類似の制御手段が選択できることとしてもよい。所定の実施形態において、グリップ14は、1以上のボタンまたは他の制御手段15を具備し、ユーザが、モード、設定あるいは変速または乗り物における他の特性を選択することができる。例えば、親指ボタンを用い、ユーザが押下することにより、シフトレバー12においてオートマチックまたはマニュアル変速ギアを選択することができることとしてもよい。制御手段15は、コンソール、ステアリングホイール、その他、乗り物の慣習的な位置に設置されることとしてもよい。更に、1以上の制御手段15を表示装置16上に表示されたボタンのような、ソフトウェア制御手段またはスイッチとして具備することとしてもよい。ユーザがマイクロフォンに命令を話すことによってマイクロプロセッサで処理されるような、音声制御手段を制御手段15と等価なものとして使用してもよい。
【0018】
好ましくは、触覚シフトレバーは、複数の利用可能な制御モードのうちの1つにおいて用いられる。ここで、それぞれのモードは、異なる制御および/または移動の選択を提供するものである。さらに、特定の実施形態において、ユーザにとって特定の操作選択を有することとしてもよい。例えば、いくつかの実施形態またはモードにおいて、ユーザは、シフトレバー12を、1方向だけまたは1自由度、例えば、オートマチック変速機として前後方向に移動させることができる。他の実施形態においては、Hパターンまたはそのようなマニュアル変速機として左右および前後移動を許容することができる。さらに他の実施形態においては、非直交移動または対角線移動が他の変速パターンとして許容されることとしてもよい。変速モードには、シフトパターン自体は変化しないが、シフトレバーの作動領域(許容される移動量)や出力される力のように、他の変速特性に調整されるものがあってもよい。変速パターンおよび変速モードの例は、図4,5および6を参照しつつ以下により詳細に説明する。
【0019】
操作レバー12は、レバー12の移動の自由度で出力される触覚感によって促される。触覚感には、レバー12の移動を抑制すべく用いられるものがあってもよい。このような感覚は、以下でさらに詳述する。
【0020】
触覚変速装置10の実施形態によっては、平面スクリーンのような表示装置16を備えていてもよい。例えば、LCD、プラズマ、CRTその他の表示スクリーンが使用できる。表示装置は、図示されるようにシフトレバー12の近くに位置することとしてもよいし、例えばダッシュボード、インスツルメントパネル、ウィンドシールド上のヘッドアップ表示装置(HUD)等のドライバーの視野の範囲内における乗り物の他の部分に位置することとしてもよい。表示装置は、変速装置10および乗り物の変速および他のシステムに関する状態情報(例えば、現在選択されているギア)を表示する。例えば、複数の変速パターンまたはモードが触覚変速装置上で選択可能な場合、図1に示されるように、現在使用可能なシフトパターンを表示することとしてもよい。図1においては、標準的な5速マニュアル変速機の配列が表示される。他のパターンも同様に図示され、ユーザにシフトレバー12が移動可能な位置を知らせる支援を行い得る。所定の実施形態においては、表示装置16は、接触感知表面を具備し、ユーザが表示装置16の表面に表示された画像または選択肢に直接「タッチする」ことにより、その画像および想定されるモード、設定または機能が選択できるようにしてもよい。
【0021】
他の実施形態において、触覚変速装置10の異なる態様が採用可能である。例えば、レバー12は、乗り物のステアリングコラムに位置することとしてもよい。一方、異なる制御装置がダッシュボード、フロア、ドアその他の乗り物内のドライバーから容易に届く範囲の表面に設けられてもよく、触覚感を供給することとしてもよい。シフトレバーは、変速ギアを変速させたり、同様の役割を持たせたりする必要のある様々な乗り物、自動車、トラック、軍用車両、産業機械、および他の大型乗り物であるボート、船、航空機、宇宙船、水中乗り物等において使用することができる。ある一方の実施形態においては、本発明の触覚変速装置を遠隔制御装置に取り付けることにより、乗り物やおもちゃを遠隔制御することとしてもよい。さらに他の実施形態において、本発明の触覚変速装置を乗り物制御についてのコンピュータシミュレーションに用いることとしてもよい。例えば、表示スクリーンを用いて、乗り物の周囲を動くイリュージョンの描写を行うようなものである。ここでの、「乗り物」の語は、シミュレートされた乗り物(コンピュータシミュレーションやビデオゲームのような)を意図するというよりは、物理的な乗り物のことを意図するものである。
【0022】
図2および3は、シフトレバー12うえに力を出力するために、触覚変速装置10に用いられる機構30の一実施形態を示す遠近図である。本実施形態において、連結および増幅の機構は、ユーザに大きな強さの力を供給するためにモータから触覚変速装置に力を移す。
【0023】
機構30は、プレート32の下方に位置される(図2に示されるように)。プレート32は、シフトレバー12を延長して貫通する開口部34を具備している(なお、シフトレバー12のグリップ14は、図2および3には図示していない)。機構30は、プレート32に設置されるか、他の基板面に設置される。開口部34の側方部分は、シフトレバー12の移動を強固に規制する役割を有し、そのため、開口部34がシフトレバーの好適な作動領域サイズとなるようなサイズを有している。本実施形態によれば、シフトレバー12は、自由度2の作動領域内でいずれの場所へも移動可能である。他の実施形態では、以下に示すように、開口部34上に機械的なゲートを設け、所望のパターンにシフトレバーの動きを制限することとしてもよい。
【0024】
機構30は、互いに回転可能に取り付けられた部材の結合部36を具備している。上述した実施形態において、機構30は、シフトレバー12に対し自由度2で回転可能なジンバル機構である。機構30は、シフトレバー12をプレート32または他の基板のような、基板または参照表面に取り付ける。
【0025】
ジンバル機構30は、好ましくは、5つの部材で構成される。すなわち、基板部材44を具備する閉ループのパラレルリンク、延長部材46a,46b、および中央部材48a,48bである。基板部材44は、プレート32または他の基板表面に固定された基礎部材として供給され、機構30に安定性をもたらす。基板部材44は、90°の「L」字形状として形成されており、図示されるように、延長部材を容易に取り付けることができる。
【0026】
ジンバル機構30の部材は、ベアリング、ピボットを用いて互いに回転可能に取り付けられる。ここで、延長部材46aは、基板部材44に回転可能に取り付けられ、軸Aについて回転可能である。中央部材48aは、延長部材46aに回転可能に取り付けられ、浮動軸Dについて回転可能である。延長部材46bは、基板部材44に回転可能に取り付けられ、軸Bについて回転可能である。中央部材48bは、延長部材46bに回転可能に取り付けられ、浮動軸Eについて回転可能である。中央部材48aは、中央部材48bに軸Dおよび軸Eの交点である中央点Pで回転可能に取り付けられる。ベアリング(図示せず)は、交点Pで2つの中央部材48a,48bにともに回転可能に取り付けられる。中央部材48aは、延長部材46aの一端部に回転可能に取り付けられ、軸Bに略平行となるように延長される。同様に、中央部材48bは、延長部材46bの一端部に回転可能に取り付けられ、軸Aに略平行となるように延長される。軸D,Eは、軸A,Bのように1つの位置で固定されないという意味で「浮動」している。軸A,Bは、互いに略垂直である。
【0027】
ジンバル機構30は、閉じた鎖のように5つの部材(「5つの棒」)として形成される。1つの部材の端部のそれぞれは、他の部材の端部に取り付けられる。5つの棒結合は、延長部材46a、中央部材48aおよび中央部材48bが第1の自由度で軸Aについて回転可能となるように配置される。また、この結合は、延長部材46b、中央部材48b、および中央部材48aが第2の自由度で軸Bについて回転可能となるように配置される。この構造は、米国特許5,731,804号および6,104,382号に開示されており、これを参照できる。
【0028】
シフトレバーまたはハンドル12は、軸DおよびEで定義される平面の外側に延長されるように、ジンバル機構30の中央部材48aまたは48bのいずれか一方に取り付けられる(部材48bの方を図示)。ジンバル機構30により、回転の中心点Pもしくはその付近にあるハンドル12の自由度が2となる。ハンドル12は、軸AおよびBについて回転可能であり、これらの軸について回転移動が組み合わされる。ハンドル12が軸Aについて移動することにより、浮動軸Dはその位置を変化させ、ジョイスティックハンドル12が軸Bについて移動することにより、浮動軸Dはその位置を変化させる。
【0029】
その他の実施形態において、自由度を付加したものを提供してもよい。例えば、ハンドル12は、浮動軸DおよびEによって形成される平面から垂直に延長された軸Cについて回転可能である。この回転自由度は、センサおよび/またはアクチュエータに動きを感知させ、その自由度において力を適用させる。加えて、異なる自由度を、ハンドル12が浮動軸Cに沿って直線的に平行移動させることができるように付加してもよい。この自由度も、所望であれば、検知または作動させてもよい。
【0030】
また、ジンバル機構30は、ベルト駆動、キャプスタン駆動、ギア駆動等のような、増幅駆動機構を具備していてもよい。図2および図3a−3bの実施形態においては、ベルト駆動52a,52bが備えられている。ベルト駆動52は、ベルト56を案内するドラム54をそれぞれ有している。それぞれのドラムは、一方のドラムが軸Aについて回転する(そして、他方のドラムが軸Bについて回転する)ように、関係する延長部材46に結合される。それぞれのベルト56は、アクチュエータ60aまたは60bの回転シャフトに取り付けられたスピンドル58にも案内される。それぞれのアクチュエータ60は、プレート32、基板部材44または他の基板表面に好適に設置され、シャフトの回転力を出力し、スピンドル58を回転させる。ベルト56は、その力をドラム54に移して、ハンドル12上にその力を出力させる。ドラム54に対するスピンドル58の回転比は、アクチュエータにより出力させる力を増幅させることができる。例えば、本実施形態に示されるように、アクチュエータ60は、直流モータである。アクチュエータは、他の実施形態においては他の形態でもよく、例えば、音声コイル、線形アクチュエータ、移動磁力アクチュエータ、受動的アクチュエータ(例えば、ブレーキ)、空気圧アクチュエータ等のようなものでもよい。ブレーキのような受動的アクチュエータは、能動的アクチュエータがユーザに独立したレバー上の能動的な力を出力する代わりに、ユーザに知らせるシフトレバーの動きに対する抵抗力を出力する。
【0031】
また、好ましくは、ジンバル機構30にセンサ62a,62bが取り付けられる。本実施形態において、センサ62a,62bは、回転シャフトおよびアクチュエータ60a,60bのハウジングのそれぞれに取り付けられる。センサ62は、相対光学エンコーダであることが好ましい。これは、アクチュエータシャフトの角回転量を測定するための信号を供給し、アクチュエータの想定する自由度におけるハンドルの位置を表示する。エンコーダの電気出力は、図7を用いて以下で詳述するように、処理装置(例えば、ローカルプロセッサまたはホストプロセッサ)に送られる。センサは、他の実施形態において、延長部材および基板部材等が結合されるようなジンバル機構の位置とは異なる位置に位置してもよい。ポテンショメータ、ホール効果センサ、レゾルバ他、アナログまたはデジタルセンサのような、センサの他の形態を使用することとしてもよい。
【0032】
<触覚変速パターンおよびモード>
上記の触覚変速装置を用いる場合、様々な触覚変速パターンが実施可能であり、ユーザが変速ギアを選択することができる(または他の形態のコンピュータインターフェイスアプリケーションにおいて選択させることができる)。変速パターンは、典型的に、シフトレバー12の位置を選択すべく移動可能な領域または区域を有しており、レバー12が望まれない位置、すなわち、移動が許容される領域の境界の外側である「規制された」領域または区域には、動くことができなくなっている。機械的な選択のみを使用することに対して触覚装置を使用する変速パターンがもたらす利益は、複数の異なる変速パターンがアクチュエータを用いて、機械的部材を移動させることなく変更可能であることである。
【0033】
図4a,4b,4cは本発明に係る触覚変速装置を実施可能な乗り物のギア選択における3つの異なる変速パターンを例示している。これらは、単なる例示であり、多くの採用可能な異なるパターンが採用可能である。
【0034】
図4aは5つの前進ギア、1つの後退ギアおよびニュートラルまたはアイドルギアを有する5速変速機のための標準的なマニュアル変速パターン100(「H」パターン)を例示する。1つの標準的な構成において、第1、第3、第5ギアは、前方にあり、第2、第4および後退ギアは後方にあり、ニュートラルは中心位置にある。この概要はシフトレバー12が動く領域を表しており、符号A,B,C,Dが付された領域は、シフトレバー112が進入できない規制領域を表している。この領域にレバーが進入しようとすると、障壁(機械的または触覚的な)によりこれら領域への進入が規制される。
【0035】
図4bは乗り物の典型的な基本的オートマチック変速パターン102を例示する。標準的なオートマチック変速機において、変速は1本の直線的な次元で行われる。標準的なギアにおいて、「パーキング」(P)、「リバース」(R)、「ニュートラル」(N)、「ドライブ」(D)および「ローギア」(L)の順でシフトレバーにより選択可能になっている。シフトレバーは、直線的パターンの外側の規制領域には移動できない。
【0036】
本発明に係る触覚変速装置において、マニュアルおよびオートマチック変速パターンは、両方とも単一の装置において異なる変速モードとして実施可能である。ユーザは、いずれのモードが現在適用されるのか、すなわち、いずれの変速手順が実施されるのかを選択することができる。例えば、ユーザは、変速パターンを変化させるためのボタン、スイッチまたはレバーのような単独の制御装置を用いて選択することができる。一度パターンが選択されると、ユーザは、シフトレバー12を新しいパターン内の許容された領域内で移動させることができる。図4aに示されるようなマニュアル変速装置のシフトパターン内にオートマチック変速パターンを表すための1つの方法としては、直線的なオートマチック変速機がマニュアル変速パターンの垂直経路の1つの中に供給される。例えば、図4bに示されるように、オートマチック変速パターンは、マニュアル変速パターンの中央の垂直経路(図4aにおいて3−N−4のギアが位置する所)内に設けられてもよい。他の実施形態において、オートマチック変速パターンは、他の垂直経路の1つに位置することとしてもよいし、マニュアルパターンとは別に設けることとしてもよい。例えば、マニュアルパターンの側方に設けることとしてもよい。
【0037】
図4cは触覚変速装置10においてユーザが選択可能な他の変速パターン104の例であり、これは「シーケンシャル」変速機の1つである。オートマチック変速機と同様に、1つの直線経路のみを具備する。ユーザがシフトレバー12を「+」記号領域まで前に出すと、変速機は1つギアを上げる変速を行い、シフトレバー12を「−」記号領域まで後ろに下げると、変速機は1つギアを下げる変速を行う。実施形態によっては、さらなるシーケンシャル選択を行う前に、ユーザがレバーを中央位置まで戻した上、所望の選択を行わなければならない。プラス記号とマイナス記号との間の中央領域は、ニュートラルギアまたは選択であってもよい。実施形態によっては、シフトレバーに弾性による復元力を持たせ、レバーが中央位置に自動的に復帰することとしてもよい。このような弾性による復元力は、機械的なばねによるものおよび/またはアクチュエータ60により出力される弾性力により実現され得る。
【0038】
パターンの他の形態は、他の実施形態において可能である。例えば、マニュアル変速パターンは、中央位置から放射状にギアが配置されたり、水平線または対角線の経路内であってもよい。付加された変速パターンは、ユーザが選択可能な変速パターンのリストを具備していてもよい。
【0039】
例えば、図4dは本発明に係る触覚変速装置においてユーザが採用可能な他のシフトパターン106を例示しており、対角線経路を具備しているものである。この変速パターン例において、オートマチックギア107は、他のオートマチックモードと同様に、直線パターン内に配列されている。ローギア「L」108から、2つの他のローギア選択110がユーザによって選択可能となっている。この例において、シフトレバー12は、Lギア108からいずれかの対角線経路109を通ってローギア110を選択すべく移動可能である。変速パターンの他の実施形態では、同様の様々な構成で対角線経路を設けることができる。対角線経路は、以下に示す実施形態と同様に、受動的および/または能動的な力および/または機械的ゲートを用いて実現可能である。
【0040】
変速パターンモードの他にも他のモードが、本発明に係る触覚変速装置において実施可能である。例えば、1つのモードは、ユーザがより長い距離レバー12を動かせるように、ユーザが使用するシフトレバーのための大きな作動領域を提供してもよい。ユーザに選択されることによる異なるモードは、ユーザがより短い距離レバー12を「スルー」させるように、ユーザが使用するシフトレバーのためのより小さい作動領域を提供することができる。小さい方の作動領域は、機械的障壁がレバーに接触する前に障壁力を生じさせるアクチュエータを用いて実現できる。
【0041】
さらに他のモードも実現できる。例えば、1つのモードは、特定の力の感覚が出力されるように設定され、他のモードは、それとは異なる力の感覚が出力されるように設定されてもよい。一例において、1つのモードは、パターン制限のように、レバーの障壁への動きのみに力の感覚を提供することとし、もう一方のモードは、障壁感覚とともに、レバーの障壁への動きのためではなく、移動止め(detents)や丘(hills)のような、他の形態の力の感覚も提供することとしてもよい。ユーザによりユーザの好みにカスタマイズすべく特定の力の特性をを設定可能にしてもよい。加えて、強さの制御によりシフトレバーに出力される力の感覚全体の利得が包括的に調整されることとしてもよい。
【0042】
<触覚変速装置の実施形態>
触覚変速装置10において、いくつかの異なる実施形態が可能であり、実施形態の中には、すべて触覚機能を用いる実施形態もあれば、触覚機能と機械的構成とを組み合わせて用いる実施形態もある。
【0043】
<全体的に能動的な実施形態>
本実施形態は、すべて触覚機能によるものであり、シフトレバー12に出力される力および障壁は、アクチュエータ60により産み出される。本実施形態の一例は、図2,3a,3bにおいて上述した通りである。ここで、シフトレバーは、自由度2の作動領域全体を用い、シフトパターン内の障壁は、力が出力されるアクチュエータにより生じる。好ましくは、機構、アクチュエータ−力変換装置およびアクチュエータは、レバーの動きに対する機械的障壁のような抵抗力が「強い」障壁および境界を形成するように設計される。アクチュエータは、レバー12が水平または垂直移動が許容されない領域内にあるときに、とても硬い弾性力として機能する力を出力することができる。レバー12がギアの外または選択の間、例えば、図4a−cに示される選択を分割する線上、に移動したとき、高い忠実性の「丘」または移動止めの感覚が出力されるようにしてもよい。丘感覚は、力の「ピーク」または「頂上」に達する(例えば、選択の中間点)までに距離にともなって強さを引き上げる力である。その地点における力は、方向を変え、レバーを次の選択に押し出す。最初に高い強さ、そして、レバーがさらに次の選択に動くにつれて傾斜させる。これについては、出願中の米国出願09/783,986号により詳しく記載されており、これを参照して組み込まれる。移動止め、弾性力、衝撃、制動、振動、テクスチャ等のような選択の間や障壁における他の力感覚も以下に記載するように提供可能である。
【0044】
オートマチック、シーケンシャルまたは他に類似する線形変速パターンを提供するモードにおいて、X軸(左右)アクチュエータは、例えば、「固定された」弾性力モードにおいて、水平移動に対する障壁を提供すべく、硬い弾性力の力がつねに出力されることとしてもよい。この力は、シフトレバー12の中央経路における左または右への動きを妨げるように働く。Y軸(前後)アクチュエータは、シフトレバーがいずれかの選択間を移動するとき、丘効果のような力効果を出力することができる。
【0045】
全体的に能動的な実施形態における1つの利点は、提供されユーザによって選択されるシフトパターンの態様が無限であることであり、シフトパターンが対角線とともにシフトレバーのX軸およびY軸の移動を含むことができることである。不利な点は、ユーザが進入を規制すべき領域へレバーを移動させるのを防ぐための障壁として強い力が必要であることであり、より大きな高いコストがアクチュエータ、変速機、および他の構成に必要となることである。
【0046】
<ゲートを備え、全体的に能動的な実施形態>
本実施形態は、上述した全体的に能動的な実施形態と類似しているが、シフトレバー12の作動領域に機械的なゲートが付加されている。例えば、ゲートは、プレート32の開口部34上に位置することができる。ゲートは、単に開口部として提供される。実施されるパターンの1つとして厳密に形成され、ゲート内に付加的なパターンを許容する。例えば、図4aに示されるように形成されたマニュアル変速パターンゲートを用いるとき、図4b,4cのオートマチックおよびシーケンシャル変速パターンも使用することができる。
【0047】
機械的なゲートは、レバー12が進入を規制すべき領域(A,B,C,Dのような)に移動することを規制する。これにより、上述した触覚のみを用いた実施形態に比べてより効果的なものとなる。機械的に確実な停止に対しユーザが打ち勝つことはできず、アクチュエータ出力を必要としないため、他の触覚感として用いるアクチュエータをより小さくすることができるからである。アクチュエータ60は、レバーがギア選択の間または中へまたはニュートラルの外へ動いたとき、例えば、丘感覚、移動止め等のレバー12の力感覚を出力すべく用いることも可能である。アクチュエータ60は、必要なとき、障壁力を出力することができる。必要なときは、例えば、アクチュエータ60がオートマチック、シーケンシャルその他の単一垂直経路モードにおいてレバー12が使用しているY軸経路を外れたり、他のマニュアル変速用のY軸に入ったりしないように、X軸障壁力を出力可能なときである。このように、ゲートは、全体的に能動的な変速装置に多くの利益をもたらす。ゲートを具備しない1つの場合には、触覚変速装置においてプログラムされた他の伝統的でないシフトパターンを適用する場合がある。例えば、ギア選択のための対角線経路を有するパターンの場合である。
【0048】
実施形態によっては、ゲートは、レバーが全領域または特定の領域内で自由に動くことを許容しないようにしてもよい。例えば、ステアバイワイヤ方式の乗り物の操舵のためにレバーを用いることとしてもよい。ステアバイワイヤ方式(例えば、レバーやステアリングホイールを用いる)は、触覚感およびここに記載された発明の他の特徴を使用することができる。
【0049】
本方式の実施形態によっては、機械的なゲートを用いる機械的な壁とともに、または、機械的壁のすぐ内側に重ねたまたは位置した触覚壁を備えてもよい。例えば、図4aの破線106は、実線108で表される機械的なゲートのすぐ内側に存在する触覚壁を表している。機械的壁から触覚壁までの距離は、設計者によってプログラム可能であり、好ましくは、強い触覚で反発する弾性力を実現するのに十分な距離が許容される。触覚は、上述したような、アクチュエータ60により出力される硬い弾性力として実現されてもよく、許容される領域の境界の後ろの領域内に移動することを規制する。触覚壁は、レバーに対し、小さな弾性力を提供することができる。これにより、ゲートによる機械的に確実な停止にぶつけたときの衝撃を和らげる。加えて、触覚の使用は、機構をいたずらに使用することを避け、機構の寿命を延ばし、信頼性を獲得することができる。
【0050】
図5a,5b,5cはゲートを備えた全体的に能動的な実施形態の具体例を例示するものであり、可変機構のゲートが機械的障壁で完全に取り囲まれたマニュアルおよびオートマチック変速パターンを許容すべく用いられる。図5aにおいて、可変ゲート110は、マニュアルパターン位置を示しており、ゲート110の第1片112は、ゲート110の第2片114の近くに位置し、中央のX軸(水平軸)経路116を供給する。シフトレバー12は、経路116内を移動し、標準的なマニュアルギアシフトとしてのギア変速位置にアクセスさせることができる。
【0051】
図5bにおいて、可変ゲート110は、スライドまたは移動し、単一の垂直経路のみを有するオートマチック変速パターンを供給する。第1片112,第2片114または第1片112および第2片114の双方は、矢符118に示されるようにシフトレバー12に向かって移動し、中央のX軸経路を閉じる。こうして、シフトレバー12は、垂直経路120内のみを動くことができる。オートマチックモードの選択は、例えば、丘その他の感覚が選択間で供給されることにより経路120内で実現される。
【0052】
図5cは、ゲート110の第1片112および第2片114の互いの関係を示している。オートマチック変速モードにおいて、一片である第1片112は、他片である第2片114上に重ねられ、水平経路116を閉じる。第1片112および/または第2片114は、モータ、ソレノイドその他のアクチュエータ(図示せず)により移動可能で、または、実施形態によっては、ユーザにより手動で移動可能である。
【0053】
図5a−cの可変ゲートの具体例の利益の1つは、オートマチックモードにおいてシフトレバーの水平移動を規制するために、障壁力がアクチュエータにより出力される必要がないことである。ゲートの移動により、触覚障壁より硬い機械的な障壁が供給されるからである。これにより、装置10において使用されるアクチュエータはより小さくすることができ、出力される力も小さくすることができる。アクチュエータからの触覚フィードバックは、レバーの動きのための高い力の大きさを有する障壁を供給することよりもレバーの選択過程を促すべく弾性力、丘、移動止めおよび類似する感覚をシミュレートするためだけに用いられるからである。実施形態によっては、X軸アクチュエータは、省略することとしてもよいし、他のより好適な実施形態においては、X軸アクチュエータを特定のシフトパターンにおいて水平方向に対して中央寄せする弾性力を供給するために用いてもよい。
【0054】
図6a,6bは、図5a−cに基づいて記載した実施形態に類似する、全体的に能動的な実施形態を用いた可変ゲートの他の実施形態130を例示するものである。ゲート130は、オートマチックおよびマニュアルモードの双方ともにおいてシフトレバー12のすべての動きに対する機械的な止めを提供する。ゲート130において、一体のゲート部132は、マニュアル変速パターンを提供する。2つのゲート指部134は、ゲート部132の中央突起136の近くにあり、矢符138で示されるように、移動またはスライドする。指部134をギア位置1,3,5に向けて前方にスライドさせると、水平経路140の中央が閉鎖され、装置がオートマチックモードにあるときに、シフトレバー12が垂直経路141の外側へ移動することを規制する。指部134が引き込まれると、ギア位置3,4,Rへの方向において、中央の水平経路140が開き、マニュアル変速モードにおいて、シフトレバー12を他の垂直経路において動かすことができる。所望であれば、指部は、独立して動かされ、付加的なシフトパターンを作ることもできる。図5a−cの実施形態においては、ゲート130により、レバーの移動を規制する障壁力を出力するためのアクチュエータを必要とすることなく、いずれのモードが用いられても、より強固な機械的止めを許容する。これにより、より低コストかつ小さいアクチュエータですみ、および/またはより単純な変速機を装置に用いることができる。ゲート指部134は、モータ(図示せず)のような専用のアクチュエータにより動くこととしてもよいし、変速モードを選択する際に、ユーザにより手動で動かせることとしてもよい。
【0055】
可変の機械的ゲートの他の実施形態を用いることも可能である。例えば、線形移動ゲートは、オートマチックまたはシーケンシャルモードにおける図4のシフトパターンにおいてマニュアルギア108のための対角線経路を規制するのに用いてもよいし、マニュアルモードにおけるオートマチックギアを規制するのに用いてもよい。他の実施形態において、回転移動するゲートが実施可能である。例えば、多数のプレートが、中央のシフトレバー回りに放射状に配置され、プレートの1つまたはそれ以上が、レバー軸回りに回転移動またはスライドして、プレート間に1またはそれ以上の経路を開くこととしてもよい。これにより、シフトレバーのための水平、垂直または対角線の経路を移動させて、特定のシフトパターンモードにギアを選択することができる。
【0056】
<能動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態の触覚変速装置10において、直流モータのように、X軸において力を出力する能動的アクチュエータは、ブレーキおよび機械的弾性力のような受動的アクチュエータに置き換えられる。シフトレバー12のX軸移動は、全体的に閉じ込められている(オートマチックまたはシーケンシャルモードにおいて)か、中央水平経路において中央寄せする弾性力とともに線形移動させることに限定される(マニュアル変速におけるニュートラル領域において)かのどちらかであり、全体的に能動的なアクチュエータは、実施形態によっては必要とされないかもしれない。マニュアル変速モードにおいて(図4aの「N」表示、またはその近くにおいて)、すなわち、いずれのギア位置でも固定されるX軸において、ブレーキその他の受動的アクチュエータは、レバーがニュートラル位置にないときはつねに固定されることとしてもよい。ブレーキは、シフトレバーがマニュアルパターンにおける水平経路に戻るときに固定が解除されることができる(オートマチックまたはシーケンシャルモードにおいては固定が維持される)。Y軸アクチュエータは、本実施形態において、DCモータのように、全体的に能動的であり、ユーザに変速感覚の進路を定義する、例えば、丘、振動および弾性力を生じさせるべく移動したとき、レバー12に力感覚を生じさせるべく用いられる。また、能動的Y軸アクチュエータは、レバー12がマニュアル変速パターンにおける垂直経路の間にある水平経路内を移動するとき、ユーザが進入すべきでない領域(図4aに示される領域A,B,C,Dのような)にレバーを移動させることを規制する。
【0057】
ブレーキのような受動的アクチュエータを使用する1つの利益は、同等のサイズの能動的アクチュエータよりとても高い保持力を有し、多大な力を必要とすることなく、とても強い反発力または障壁力をユーザに供給することができる。これにより、シフトパターンにおいて進入を規制すべき領域をより低コストかつより小さいサイズの構成を用いてより容易に実現することができる。ブレーキによる不利益は、能動的である力およびユーザの力が抵抗するとき、より複雑な障壁から離れて動きの感覚を生じる、自由度に従うそれぞれの方向において移動が厳格になることである。受動的アクチュエータに伴う動きを感知する方法としては、米国特許5,767,839号に記載されており、これを参照できる。
【0058】
<ゲートを備え、能動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態は、上述した実施形態と類似するものであり、能動的アクチュエータがシフトレバーのY軸移動の力感覚を出力すべく用いられ、ブレーキのような受動的アクチュエータがX軸について用いられる。本実施形態は、上述したゲートを備えた実施形態と同様の機械的なゲートが付加される。ゲートは、レバーが中央経路にあり、進入を規制すべき領域に移動するときに、Y軸アクチュエータがシフトレバーに小へ気力を出力する必要性を排除する。このように、丘、移動止め、振動および弾性力のような、シフトレバーの動きおよび選択を強調する力感覚を出力するだけで済むため、Y軸アクチュエータは、より小さくすることができる。
【0059】
<能動的/受動的なY軸および受動的なX軸の実施形態>
本実施形態は、Y軸アクチュエータとして能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータを組み合わせて用いることができる。モータのような、能動的アクチュエータ部は、丘、移動止めおよび弾性力のような能動的触覚効果として用いられ得る。ブレーキのような受動的アクチュエータ部は、障壁力を供給すべく用いられ、ギア位置の間のニュートラル領域の外側の移動を規制する。X軸アクチュエータは、受動的アクチュエータであり、好ましくは、シフトレバーが常にニュートラル位置(図4aにおけるパターンの中央)に復帰するように中央寄せ弾性力を備える。図4aの標準的なマニュアル変速パターンにおいて、本実施形態においては機械的なゲートを用いていないので、レバーがニュートラル位置の外側のY軸方向に移動したときは常に、X軸の受動的アクチュエータは、固定され、レバーを垂直経路に保持する。同様に、シフトレバーが3つのシフトコラム(マニュアルモードにおける)の1つの外側のX軸方向に移動するときは常に、Y軸の受動的アクチュエータは、固定され、進入を規制すべき領域へのY軸の動きを規制する。好ましくは、非常に早い応答のアクチュエータを、シフトレバーが中央の水平経路へ向かってまたはその外側へ動くときに、供給される。
【0060】
実施形態によっては、受動的アクチュエータを用い、振動、ブレーキ衝撃、受動的移動止め等と同様の、受動的な触覚効果をレバーに出力することとしてもよい。また実施形態によっては、機械的なゲートを付加し、本実施形態における硬さおよび潜在的な必要性を容易にすることとしてもよい。
【0061】
能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータの組み合わせは、様々な方法で実現可能である。例えば、機構が自由度2であるとき、能動的アクチュエータは、自由度1に連結して取り付けられ、当該自由度に能動的な力を供給する。一方、受動的アクチュエータは、その他の自由度に連結して取り付けられ、当該自由度に受動的な力を供給する。能動的および受動的な力が両方とも特定の自由度に設計される場合、能動的および受動的アクチュエータは、適当な連結機または構成に取り付けられる。例えば、能動的アクチュエータは、移動連結機の一方に固定して取り付けられ、受動的アクチュエータは、連結機の他方に取り付けられ、受動的アクチュエータは、可撓性を有する部材に取り付けられ、適正な配置を得ることができるとともに、遊びを小さくすることにより、ブレーキが固定されるときの動きの感覚をもたらすことができる。双方またはそれぞれのアクチュエータは、該当自由度において力を供給すべく活性化されてもよい。
【0062】
<能動的/受動的なY軸および能動的/受動的なX軸の実施形態>
能動的アクチュエータおよび受動的アクチュエータの組み合わせは、本実施形態においてX軸およびY軸の双方において力を出力するのに用いられる。モータのような、能動的アクチュエータ部は、丘および弾性力のような、能動的触覚感のために使用され、ブレーキのような、受動的アクチュエータ部は、所望のパターンの外側のシフトレバーの動きを規制するのに用いられる。X軸アクチュエータは、装置がオートマチックまたはシーケンシャルモード(または他の同様のモード)にあるときに、ブレーキをX軸の動きを規制するために用いることができ、能動的モータは、中央寄せのための弾性力を提供することができる。
【0063】
本実施形態が機械的なゲートを用いずに使用される場合、X軸ブレーキは、シフトレバーがシフトパターンの垂直経路の1つ(および中央の水平経路でないもの)をY軸方向に移動するときは常に、固定することにより、当該経路においてX軸の動きを規制することとしてもよい。Y軸ブレーキは、シフトレバーが(マニュアルモードにおいて)垂直シフト経路の1つの外側のX軸方向に移動するときは常に、固定することとしてもよい。上述の実施形態と同様に、機械的なゲートを硬さを増大させ、障壁力をより強くするために用いることとしてもよい。
【0064】
<全体的に受動的な実施形態>
本実施形態は、ブレーキのような、受動的アクチュエータのみをシフトレバーのX軸およびY軸の動きのために用いるものである。ブレーキは、シフトレバーに交互に適用され、シフトレバーが選択されたシフトパターンの外側に動くことを規制する。機械的な弾性力は、シフトレバーに弾性力による中央寄せの力を供給するために用いられ、中央のニュートラル位置Nに向けて付勢されるように生じさせる。オートマチック、シーケンシャル、またはそれに類似する1つの経路を有するモードにあるときに、X軸ブレーキは、ユーザが中央の水平経路から進入を防ぎたい領域(例えば、領域A,B,C,D)にシフトレバーを動かすことを規制する。シフトレバーがマニュアルモードにおけるギア位置に移動したとき、ブレーキはレバーを所定の位置に固定することができ、弾性力による付勢がレバーの移動を規制する。ブレーキは、移動止め、制動等のような、触覚感を生じさせることもでき、レバーをギア位置に嵌めるシミュレーションを行い、現在のユーザの選択を知らせることができる。オートマチックモードおよび所望の他のモードにおいて軽い抵抗力がブレーキによってシフトレバーに適用され、機械的ばねにより供給される弾性力を打ち消すこととしてもよい。代わりに、オートマチックモードにおいてブレーキは、それぞれのギアで固定され、シフトレバーのボタンや他の制御がユーザにより押下されることによりブレーキを解除し、シフトレバーが他のギア位置に移動可能とすることとしてもよい。実施形態によっては、ブレーキは、例えば、レバーが1つのギアから離れて他のギアへ向けて移動するとき、シフトレバーの位置情報にのみ基づいて開放されることとしてもよい。(ブレーキが例えば米国特許5,767,839号に記載されたようなレバーの少量の遊びを用いて固定されたとき、動きが感知され得る)。
【0065】
上述した触覚変速装置の機能は、シミュレートされる乗り物にも用いられ得る。例えば、方向信号やデータを電子デバイス、コンピュータまたはビデオゲーム装置に入力するためのジョイスティック装置は、スティックシフトまたはシフトレバーを用い、コンピュータシミュレーションにおいて、シミュレートされた乗り物のシミュレートされたギアを変更する。ここで、ドライバーの視界は、コンピュータシステムの表示装置に表示画像としてシミュレートされる。側方への動きを有する回転可能なノブのような、マウス、トラックボールやその他の可動操作装置のような、他のインターフェイス装置は、ここに記載した移動パターンおよびモードとともに用いられ得る。
【0066】
図7は本発明の触覚変速装置に好適に用いられる電子機械システム200を例示するブロック図である。触覚フィードバックシステムは、米国特許5,734,373号に詳細に記載された構成に類似する構成を多く有しており、これを全体的に参照可能である。
【0067】
一実施形態において、制御装置は、ローカル処理装置202、ローカルクロック204、ローカルメモリ206、センサインターフェイス208およびアクチュエータインターフェイス210を有する電子部を具備する。
【0068】
ローカル処理装置202は、触覚変速装置10の「ローカル」に構成されている。ここで、「ローカル」は、処理装置202が他の処理装置から分離した処理装置であることを意味し、処理装置202がレバー12のために触覚フィードバックおよび/またはI/Oに専用化されることを意味する。処理装置202は、センサ信号をセンサまたはセンサインターフェイスから読み出し、シフトレバー12によって選択された乗り物のギアを決定することができる。さらに、適切なデータを制御システムまたは他の処理装置に供給し、変速されるべき乗り物のギアを機械的に選択させることができる。例えば、制御システムは、シフト・バイ・ワイヤの分野の当業者において明らかであるように、他のアクチュエータを制御して、適切な機械的部材を移動させ、変速ギアを変更する。一方、処理装置202は、単に位置データを制御システムに伝達するだけであり、当該データシステムがデータから適当な乗り物のギアを決定し、当該ギアへの変更についての制御を行う構成も可能である。さらに他の実施形態において、処理装置202は、同様に乗り物の変速過程を制御することも可能である。
【0069】
実施形態によっては、処理装置202は、センサ信号、時間信号およびホストの命令に従って選択された力処理装置より適当な力を演算し、適切な制御信号をアクチュエータに出力し、シフトレバーに触覚感を出力することとしてもよい。他の実施形態において、他の処理装置が力を決定し制御してもよい。処理装置202は、マイクロプロセッサ(1つのマイクロプロセッサチップ、複数の処理装置、共通の処理装置、デジタル信号処理装置(DSP)等)であってもよい。もしくは、処理装置202は、固定されたデジタルロジックすなわち、ASIC、状態機械その他の処理装置であってもよい。
【0070】
ローカルクロック204は、処理装置202に取り付けられ、タイミングデータを供給する。ローカルメモリ206は、RAMおよび/またはROMのようなものであるが、処理装置202に好適に取り付けられ、命令、一時的その他のデータ、校正パラメータ、センサ変化の補償値および/または装置の状態を記憶する。表示装置16は、実施形態によっていは用いられ、ローカル処理装置202に取り付けられる。この場合、異なる処理装置または他の制御装置が表示装置16に出力すべく制御することができる。
【0071】
センサインターフェイス208は、任意に用いられ、センサ214より供給されるセンサ信号を処理装置202によって解釈可能な信号に変換する。例えば、センサインターフェイス208は、エンコーダのようなデジタルセンサ214から信号を受信し、当該信号をデジタル2進数に変換することができる。アナログデジタルコンバータ(ADC)も使用可能である。その一方で、処理装置202が、これらのインターフェイス機能の役割を果たすこととしてもよい。アクチュエータインターフェイス210は、アクチュエータ216および処理装置202の間に任意に接続可能であり、処理装置202からの信号をアクチュエータの駆動に適切な信号に変換する。アクチュエータインターフェイス210は、パワーアンプ、スイッチ、デジタルアナログコントローラ(DAC)その他の構成を有することとしてもよい。これに代わる実施形態において、アクチュエータインターフェイス210の回路構成を処理装置202内またはアクチュエータに具備することとしてもよい。様々な形態の電源212(自動車内の自動車バッテリまたはオルタネータを含む)は、アクチュエータおよび/またはアクチュエータインターフェイス210に取り付けられ、アクチュエータに電力を供給することができる。
【0072】
本システムの機械的構成部分は、上述したいくつかの例で挙げたシフトレバー12の動きを許容するために必要ないくつかまたはすべての構成を具備している。センサ214は、1またはそれ以上の自由度でレバー12の位置、動き、および/または他の特性を検知し、処理装置202(または他の処理装置)にそれらの特性を表現する情報を含む信号を供給する。センサ214は、レバー12が移動し得るそれぞれの自由度に沿って備えられるか、または、単一の複合センサを複数の自由度のために用いてもよい。好適なセンサの例は、図3bのセンサ62、光学的エンコーダ、ポテンショメータのようなアナログセンサ、ホール効果磁気センサ、横効果のフォトダイオードのような光学センサ、タコメータ、加速度センサ等を含む。さらに、絶対的または相対的なセンサのいずれを使用してもよい。
【0073】
アクチュエータ216は、1またはそれ以上の方向において、典型的には、処理装置202その他の電子ロジックまたは装置、すなわち、「電子制御」により出力される信号に応じた回転自由度において、レバー12に力を伝える。アクチュエータ216は、電子的に変調された力を生じる。これは、処理装置202その他の電子デバイスが力を好適に制御することを意味する。アクチュエータ216は、自由度ごとにそれぞれ供給される。アクチュエータ216は、能動的なアクチュエータでもよく、例えば、線形電流制御モータ、ステッパモータ、空気圧/油圧の能動アクチュエータ、トルカー(制限された角度範囲を有するモータ)、磁気粘性ブレーキ、音声コイルアクチュエータ等でもよい。受動的なアクチュエータも使用可能であり、磁気粒子ブレーキ、摩擦ブレーキ、または空気圧/油圧受動アクチュエータを使用可能である。これにより、所定の動きにおいて、制動抵抗または摩擦を生じさせる。能動的および受動的アクチュエータを用いる実施形態は、上述している。
【0074】
機構218は、レバー12の動きをセンサ214によって読み出し可能な形式に解釈するのに用いられ、アクチュエータ216からレバー12に力を伝える。機構218のいくつかの例は上述した通りである。また、ベルト駆動、ギア駆動またはキャプスタン駆動機構のような駆動機構が用いられ、アクチュエータ216により出力される力に機械的な利益を供給する、および/または、センサの解像度を高めることができる。
【0075】
他の入力装置220は、処理装置202に入力信号を送信すべく具備される。このような入力装置は、ボタンまたはパネルからの入力を補足すべく用いられる他の制御装置を含む。ダイヤル、スイッチ、音声認識ハードウェア(例えば、処理装置202により実現されるソフトウェアを備えたマイクロフォン)、その他の入力機構も具備されてもよく、処理装置202またはアクチュエータ216に入力を供給することができる。デッドマンスイッチをレバー12またはその近くに具備してもよく、ユーザがレバーに触らないときにレバーが自身で動くのを規制すべく、ユーザがレバーに触れないときは力を出力することを中止することができる。例えば、ユーザの手または指(指、親指等)のレバーへの接触を光学的、抵抗値的、誘導的、力/圧力、またはその他のセンサを用いて検知してもよいし、レバーへのユーザからの圧力を既知のセンサを用いて検知してもよいし、レバーへの手の重みを検知してもよいし、レバーへの力をひずみ計等を用いて測定してもよい。
【0076】
1またはそれ以上の処理装置224は、実施形態によって、ローカル処理装置202とともに組み合わせて用いれる。好ましくは、処理装置202,204は、双方向バス226により互いに接続される。付加的な電子的構成もバス226上に標準的なプロトコルを介して通信可能に具備されることとしてもよい。これらの構成は、装置内または接続された他の装置に具備されることとしてもよい。バス226は、様々な異なる通信バスが採用できる。例えば、双方向のシリアルまたはパラレルバス、無線接続、ネットワークアーキテクチャ(CATVバスのような)、または一方向バスが処理装置224,202間に供給され得る。
【0077】
他の処理装置224は、制御装置とともに命令し、機能するように調整した異なる装置またはシステムにおいて独立のマイクロプロセッサ(または処理装置202について上述したような処理装置とは異なる形態の処理装置)であってもよい。例えば、他の処理装置224は、上述したように、乗り物のギアの実際の変速を制御することも可能である。実施形態によっては、他の処理装置224は、乗り物の独立した制御サブシステムに具備されてもよい。ここで、他の処理装置224は、自動車の温度システムのようなシステムを制御する。または、機械的構成の位置(自動車のミラー、シート、変速シフト点または位置等)を制御する。または、様々なシステムからの情報を表示する表示装置を制御する。一方、他の処理装置224は、制御される触覚変速装置および処理装置202を含む多くのシステムのためのホスト処理装置または中央制御装置であってもよい。2つ(またはそれ以上)の処理装置202,224は、様々なシステム制御を容易にし、ユーザに事態の通知を出力する等のために必要とされる情報を交換可能である。例えば、乗り物に何らかの故障を生じていることを他の処理装置224が確認または発見した場合、他の処理装置224は、この情報をローカル処理装置202に通信し、表示装置16または他の表示装置(および/またはシフトレバーの触覚感)の所定の表示部に出力し、ユーザに警告することができる。一方、レバー12が変速または制御の異なるモードを許容したとき、他の処理装置224は、異なるモードのいくつかまたはすべてを制御することができる。
【0078】
他の実施形態において、他の処理装置224は、ホスト処理装置であってもよく、例えば、ローカル処理装置202にホスト命令を送信することにより力感覚を出力させるべく、ローカル処理装置202に命令することができる。ホスト処理装置は、単一の処理装置でもよく、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ビデオゲームコンソール、ポータブルコンピュータその他のコンピュータまたは表示装置、セットトップボックス等のようなコンピュータ内に具備してもよい。ホスト処理装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、入力/出力(I/O)回路構成、その他の当業者に既知のコンピュータ構成を有していてもよい。ホスト処理装置は、ユーザがレバー12および/または他の制御装置および周辺装置を用いて対話するホストアプリケーションプログラムを実行可能である。ホストアプリケーションプログラムは、レバー12からの信号に応答する。実施形態によっては、ホストアプリケーションプログラムは、ローカル処理装置202およびレバー12に力フィードバック命令を出力することができる。ホスト処理装置の実施形態その他の類似する実施形態において、処理装置202は、ソフトウェア命令を有しており、ホスト処理装置からの命令または要求を待ち、当該命令または要求を解析/デコードし、当該命令または要求にしたがって入力および出力信号を処理/制御することができる。
【0079】
例えば、1つの力をフィードバックする実施形態において、ホスト処理装置224は、低レベルの力の命令をバス26により供給し、ローカル処理装置202がアクチュエータに直接伝送する。異なる力をフィードバックするローカル制御の実施形態において、ホスト処理装置224は、高レベルの管理命令をバス226を介して処理装置202に供給し、処理装置202は、高レベル命令にしたがい、かつ、ホスト処理装置224とは独立してセンサおよびアクチュエータに低レベルの力の制御ループを処理する。ローカル制御実施形態において、処理装置202は、センサ信号を独立に処理し、「力処理」の命令に従う適切な出力アクチュエータ信号を決定する。力処理の命令は、ローカルメモリ206に記憶され、演算命令、数式、力強度(力の特性)、および/または他のデータを含むものである。力処理は、レバー12に制動、弾性力、障壁、移動止め、振動、テクスチャ、衝撃等のような、異なる力感覚を命令することができる。力のフィードバックアプリケーションのローカル処理装置におけるそのような命令の例は、米国特許5,734,373号により詳細に記載される。
【0080】
これに代わる実施形態において、ローカル処理装置202は、インターフェイス装置にローカル処理装置202を具備せず、処理装置224のような処理装置が触覚変速装置10の構成とすべての信号をやりとして制御および処理を行う。一方、デジタル配線論理は、変速装置10への入力/出力機能を実現可能である。
【0081】
<力感覚>
ここでは、ここで記載される触覚変速装置に好適に用いられる多くの力感覚が記載される。
【0082】
レバー12に出力された力効果は、弾性力、制動、テクスチャ、振動、移動止め、衝撃またはパルス、慣性、摩擦、障害(障壁)、または動的な力効果を含む。これらの効果の多くは、米国出願09/783,936および米国特許5,734,373、6,147,674、6,154,201、6,128,006号のような他の明細書に記載されており、これらを全体的に参照することができる。力感覚は、レバー12により達成される制御機能とともに完全に実現される。感覚(弾性力のような)によっては、能動的なアクチュエータを用いて出力のみ行われてもよい。
【0083】
基本的な力感覚は、レバー12の特定の予め定義されたまたは通常時の位置に出力される力による移動止めであり、ユーザにどのくらいレバーが移動したかを伝え、および/またはレバーを特定の位置に指定する。力による移動止めは、命令された方向に出力する単純な衝撃またはこぶの力でよく、移動止めの位置を指示するかレバーの特定の位置を明示することとしてもよい。また、移動止めは、レバーを特定の位置に引く力および/または当該位置から離れるようにレバーの移動を規制する力を具備してもよい。力フィードバックによって「スナップする」移動止めを具備することとしてもよく、小さな力が移動止め位置にその位置から少しでも外側でノブを付勢する。移動止めの態様については、米国特許6,154,201、5,734,373に記載されている。
【0084】
レバー12に出力される力感覚の他の態様は、弾性力である。弾性力は、いずれかの方向へのレバーの移動に対する抵抗力を提供し、レバーと地上との間における物理的な弾性力をシミュレートする。これは、例えば、ユーザがレバーを動かした後に、レバーが停止位置または中央位置に「スナップバックする」ために用いられる。制動の力感覚もレバー12に提供され、レバーの速度に基づいてレバーの動きを緩和する。小さな強さの弾性力も移動止めまたは他の特性のために利用され得る。
【0085】
「丘」の力効果も実施形態によって使用可能である。丘の力効果は、丘の「頂上」に至るまで、増大する抵抗力として作用する。頂上を過ぎると、ユーザに頂上から離れるように移動を継続する力の補助となる。このような効果は、例えば、シフトレバーのギア選択間で用いられ得る。丘の効果のいくつかの例については、米国出願09/783,936号に記載されている。
【0086】
障壁力は、レバーが移動の限界に達したことをユーザに伝達するように規定され、シフトレバーにおける障壁の「後ろの」位置への移動を部分的または全体的に、物理的に規制する。障壁効果を実現するための1つの方法は、高い強さまたは「硬さ」を有する単純な弾性力を供給することである。弾性体についての従来技術は、F=kxのような関係を用いて典型的にモデル化されている。すなわち、抵抗力出力は、ノブが弾性体に向けて移動する距離に線形比例する。線形、指数的その他の特性を有する障壁が用いられ得る。障壁効果については、2001年2/14出願の米国出願09/783,936号にも記載されている。障壁効果の他の形態も実施可能である。
【0087】
他の力感覚は、レバー12の移動の終了をユーザに知らせるべく出力されてもよい。例えば、衝撃力は、通常の移動止めよりも強度の強いものとして出力されることができ、ユーザに意義のある範囲の終わりまたは他の範囲への到達またはもうすぐ到達することを知らせる。
【0088】
これらの力感覚のいずれかを組み合わせて、複数の力効果を同時に供給することとしてもよい。
【0089】
本発明は、いくつかの好ましい実施形態の観点から記載しており、これらの変更、修正および組み合わせについては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で可能である。また、上述した実施形態は、特定の実施形態または具体例において様々な方法に組み込むことができることを意味するものである。さらに、所定の用語は、明確な記述のために用いられたものであり、本発明を限定するものではない。それゆえ、特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない限り、これらの変更、修正および組み合わせを含むものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0090】
10 触覚変速装置
12 シフトレバー(操作部)
44 基板部材
46a,46b 延長部材
60a,60b アクチュエータ
62a,62b センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物のシフト・バイ・ワイヤシステムにおけるユーザに対し触覚感を出力する触覚変速システムであって、
操作部と、
前記操作部の位置又は移動を検知し、検知した位置又は移動に応じた信号を送信するセンサと、
前記操作部に触覚効果を出力するアクチュエータと、
モードを選択するモード選択制御手段と、
前記モード選択制御手段によって選択されたモードと、前記センサによって送信された信号とに基づいて、力を決定し、決定した前記力に応じた信号を前記アクチュエータに送信すると共に、前記乗り物の変速率を変更するためのシフト信号を変速機に送信する処理装置と、
を備える触覚変速システム。
【請求項1】
乗り物のシフト・バイ・ワイヤシステムにおけるユーザに対し触覚感を出力する触覚変速システムであって、
操作部と、
前記操作部の位置又は移動を検知し、検知した位置又は移動に応じた信号を送信するセンサと、
前記操作部に触覚効果を出力するアクチュエータと、
モードを選択するモード選択制御手段と、
前記モード選択制御手段によって選択されたモードと、前記センサによって送信された信号とに基づいて、力を決定し、決定した前記力に応じた信号を前記アクチュエータに送信すると共に、前記乗り物の変速率を変更するためのシフト信号を変速機に送信する処理装置と、
を備える触覚変速システム。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【公開番号】特開2012−214226(P2012−214226A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179833(P2012−179833)
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【分割の表示】特願2009−242067(P2009−242067)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【分割の表示】特願2009−242067(P2009−242067)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】
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