説明

計器装置

【課題】組付け作業性の向上を図った計器装置を提供する。
【解決手段】計器装置1は、移動体の状況を示す指標3aが設けられた文字板3と、前記文字板3の背面側に配置されるケース10と、前記文字板3の正面側に配置される第1リング4と、前記第1リング4の外周部に重ねられる第2リング5と、を備え、前記第1リング4の前記外周部には、前記文字板3と前記ケース10とを貫通する突出部42が設けられ、前記突出部42には、当該突出部42から外方向に突出し、前記ケース10に係止する係止部47と、が設けられている。前記突出部42の前記文字板3よりも正面側には、外方向に向かう第1凸部45が設けられ、第2リング5には、前記突出部42に向かう第2凸部55が設けられ、前記第2凸部55が前記第1凸部45と前記文字板3とによって挟まれた状態で、前記係止部47は前記ケース10に係止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの移動体に搭載される計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した計器装置としてのメータ101には、図7乃至図9に示すように、文字板103と、前記文字板103の外周部に取り付けられて、前記文字板103の装飾性を向上させる装飾リング105と、が設けられている。この装飾リング105には、前記文字板103に向かって突出された爪部147が設けられており、前記爪部147が、文字板103に設けられた爪受け部137に係止されることで、装飾リング105は文字板103に取り付けられている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−38561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のメータ101には、以下に示す問題があった。即ち、従来のメータ101においては、従来の装飾リング105とは別の、例えば目盛りリングがさらに設けられ、前記目盛りリングが文字板103に取り付けられることがある。これら装飾リング105と、前記目盛りリングとは、文字板103に別々に取り付けられることとなり、これら装飾リング105及び目盛りリングそれぞれを文字板103に取り付けるために、組付け(取付け)作業時間が増加するという虞れがあった。
【0005】
さらに、従来のメータ101は、文字板103と装飾リング105とを位置合わせする、即ち、文字板103に設けられた爪受け部137に、装飾リング105に設けられた爪部147を係止するために侵入させる際には、作業者が、文字板103の裏面を見ながら、137に爪部147を侵入させることとなり、よって、作業効率が悪いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、組付け作業性の向上を図った計器装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、移動体の状況を示す指標が設けられた文字板と、前記文字板の背面側に配置されるケースと、前記文字板の正面側に配置される第1リングと、前記第1リングの外周部に重ねられる第2リングと、を備え、前記第1リングの前記外周部には、前記文字板と前記ケースとを貫通する突出部が設けられ、前記突出部には、当該突出部から外方向に突出し、前記ケースに係止する係止部と、が設けられた計器装置において、前記突出部の前記文字板よりも正面側には、外方向に向かう第1凸部が設けられ、第2リングには、前記突出部に向かう第2凸部が設けられ、前記第2凸部が前記第1凸部と前記文字板とによって挟まれた状態で、前記係止部は前記ケースに係止されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記文字板の前記正面側の表面には位置合わせマークが設けられており、前記第2リングには、内方向に突出するように位置合わせ部が設けられ、前記文字板に前記第2リングが重ねられると、前記位置合わせマークと前記位置合わせ部と、が互いに重ねられる位置に設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の本発明において、前記第1リングには、前記文字板の外周部に向かうにしたがって前記正面側に近付く方向に傾斜する傾斜部が設けられ、前記第2リングは、前記第1リングよりも前記正面側に向かって突出するように設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、移動体の状況を示す指標が設けられた文字板と、前記文字板の背面側に配置されるケースと、前記文字板の正面側に配置される第1リングと、前記第1リングの外周部に重ねられる第2リングと、を備え、前記第1リングの前記外周部には、前記文字板と前記ケースとを貫通する突出部が設けられ、前記突出部には、当該突出部から外方向に突出し、前記ケースに係止する係止部と、が設けられた計器装置において、前記突出部の前記文字板よりも正面側には、外方向に向かう第1凸部が設けられ、第2リングには、前記突出部に向かう第2凸部が設けられ、前記第2凸部が前記第1凸部と前記文字板とによって挟まれた状態で、前記係止部は前記ケースに係止されているので、これら第1リングと、第2リングと、文字板と、が互いに固定されるとともに、これら第1リングと第2リングとが、ケースに一度に取り付けられることとなり、よって、組付け作業性の向上を図った計器装置を提供することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明によれば、前記文字板の前記正面側の表面には位置合わせマークが設けられており、前記第2リングには、内方向に突出するように位置合わせ部が設けられ、前記文字板に前記第2リングが重ねられると、前記位置合わせマークと前記位置合わせ部と、が互いに重ねられる位置に設けられているので、作業者が文字板の裏面を見ずとも位置合わせマークと位置合わせ部とが互いに重ねられることとなり、よって、より一層、組付け作業性の向上を図ることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明によれば、前記第1リングには、前記文字板の外周部に向かうにしたがって前記正面側に近付く方向に傾斜する傾斜部が設けられ、前記第2リングは、前記第1リングよりも前記正面側に向かって突出するように設けられているので、これら第1リングと第2リングとによって、奥行きが強調されることとなり、よって、遠近感を持たすことができるとともに、計器装置の装飾性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるメータを正面から見た図である。
【図2】図1中のI−I線に沿う断面図である。
【図3】図2に示された要部拡大図である。
【図4】図1に示されたメータの分解斜視図である。
【図5】(a)図4に示された文字板の上面図である。(b)図4に示された目盛リングの上面図である。(c)図4に示された装飾リングの上面図である。
【図6】図4に示された目盛リングと装飾リングとを裏側から見た斜視図である。
【図7】従来のメータを正面から見た図である。
【図8】図7に示された従来のメータを構成する文字板を裏側から見た斜視図である。
【図9】図8に示された要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態にかかる計器装置としてのスピードメータ(以下、メータと記す)を、図1乃至図6を参照して説明する。
【0015】
上記メータ1は、図1、図2に示すように、光源2と、文字板3と、第1リングとしての目盛りリング4と、第2リングとしての装飾リング5と、指針6と、内機7と、配線板8と、を備えている。さらにメータ1は、光源2、文字板3、指針6、内機7、配線板8、見返し部9を収容するケース10と、ケース10の乗員側(正面側)を覆う表ガラス11と、ケース10の前記正面側と反対の背面側を覆う裏カバー12と、で構成されている。
【0016】
上記光源2は、後述する文字板3を照らす複数の文字板用光源21と、後述する指針6を照らす複数の指針用光源22と、を備えている。これら複数の光源21、22は、後述する文字板3の背面側から正面側に向かって光を入射する。
【0017】
上記文字板3は、前記光源2の正面側に配置されている。また、文字板3は、図4、図5(a)に示すように、円盤状に形成されており、前記文字板3の正面側の表面には、該文字板3の外周に沿って車両の速度を示す指標3aと、位置合わせマーク3bと、前記指標3aの外側に設けられた複数の第1目盛り部3cと、が形成されている。また、文字板3は、透明基板(図示しない)と、該透明基板31の正面側に設けられた意匠表示層(図示しない)と、前記意匠表示層の前記正面側に設けられ前記指標3aと前記位置合わせマーク3bとが除かれた遮光層(図示しない)と、で構成されている。また、位置合わせマーク3bは、後述する複数のリブ受け部36のうち一つのリブ受け部36の内側に設けられている。また、複数の第1目盛り部3cは、文字板3の周方向に沿って等間隔に設けられている。また、各第1目盛り部3cは、平面形状が矩形状となるように切り欠かれた孔であり、文字板3の径方向に沿って延びている。
【0018】
また、文字板3には、当該文字板3から外方向に延在し、中心に孔部34aが設けられた、当該文字板3をケース10に取り付けるための複数のケース取付部34と、文字板3の中心に設けられ、当該文字板3を貫通した指針通し孔35と、前記文字板3の外周部に沿って間隔をあけて設けられ、装飾リング5の後述するリブ56が侵入される複数のリブ受け部36と、前記複数のリブ受け部36間に設けられ、目盛りリング4の後述する係止部47が通される複数の第1貫通孔37と、装飾リング5に設けられた後述する位置決めピン57が侵入する位置決めピン受け部38と、が設けられている。
【0019】
上記複数(図示例では2つ)のケース取付部34は、前記指針通し孔35を挟む位置に設けられている。また、2つのうち1つのケース取付部34の近傍には、位置決めピン受け部38が設けられている。
【0020】
上記複数のリブ受け部36は、周方向の寸法が互いに異なるように形成されており、文字板3の周方向に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0021】
複数(図示例では3つ)の第1貫通孔37は、文字板3の周方向に間隔をあけて設けられている。また、各第1貫通孔37は、ケース10の後述する第2貫通孔14と連通する位置に設けられている。
【0022】
上記目盛りリング4は、図4、図5(b)に示すように、全体的に円環状に形成されており、文字板3の外方向に向かうにしたがって、前記乗員側に近付く方向に傾斜する傾斜部41と、前記傾斜部41の外縁に連なる枠状に形成されて、文字板3とケース10とを貫通する貫通孔37、14(後述する)を通される突出部としての第1枠部42と、を備えている。即ち、第1枠部42は、目盛りリング4の外周部に設けられている。また、目盛りリング4は、遮光性を有する合成樹脂等によって成型されているか、または、その表面に遮光印刷が施されている。
【0023】
上記傾斜部41には、前述した文字板3に設けられた第1目盛り部3c(の縁)に重ねられる位置に複数の第2目盛り部44が設けられている。また、各第2目盛り部44は、傾斜部41を目盛りリング4の径方向に沿って切り欠かれることで形成されており、各第2目盛り部44は、目盛りリング4(傾斜部41)の内縁に開口している。
【0024】
上記第1枠部42は、図3に示すように、第1枠部42の傾斜部41側の端部に設けられ、外方向に向かうように突出した第1凸部45と、第1枠部42の傾斜部41から離れた端部に設けられ、外方向に向かうように突出した係止部47と、を備えている。また、第1枠部42は、目盛りリング4の外方向と内方向とに弾性変形自在に形成されている。
【0025】
上記第1凸部45は、目盛りリング4が文字板3に配置されると、文字板3よりも正面側に設けられている。
【0026】
上記係止部47には、図3に示すように、当該係止部47の傾斜部41側の前記端部に設けられ、第1枠部42の外表面に対して垂直な垂直面47aと、前記垂直面47aから離れた端部(即ち、第1枠部42の傾斜部41から離れた前記端部)から当該垂直面47aに向かうにしたがって前記外表面から離れる方向に傾斜したテーパ面47bと、が設けられている。
【0027】
上記装飾リング5は、図4、図5(b)に示すように、全体的に円環状に形成されており、前述した目盛りリング4の外周部(即ち、第1枠部42)に重ねられる第2枠部51と、前記第2枠部51の端部から前記文字板3に重ねられるように内方向に延在した延在部52と、によって、断面形状がL字状に形成されている。また、装飾リング5の表面には、金属でメッキが施されている。また第2枠部51の正面から背面に向かう方向(図2、図3に示された矢印Z方向)の寸法は、第1枠部42よりも長く(大きく)形成されており、これらリング4、5がケース10に取り付けられると、第2枠部51(装飾リング5)は、第1枠部42(目盛りリング4)よりも正面(乗員)側に突出するように設けられている。
【0028】
上記延在部52には、図3、図5に示すように、当該延在部52から内方向に延在した複数(図示例では2つ)の位置合わせ部53、54と、前述した目盛りリング4に設けられた第1凸部45と文字板3とによって挟まれるように、前述した第1枠部42に向かう第2凸部としての被挟み部55と、延在部52の背面から突出し、前述した文字板3に設けられた複数のリブ受け部36に侵入する複数のリブ56と、複数のリブ56が設けられていない部分に形成された複数の切り欠き部57と、延在部52の背面側の表面(即ち、裏面)から突起状に突出して設けられ、前述した文字板3に設けられた位置決めピン受け部38に侵入する位置決めピン58(図6に示す)と、が設けられている。
【0029】
上記複数(図示例では2つ)の位置合わせ部53、54は、図5に示すように、目盛りリング4の中心を挟むように設けられている。また、第1の位置合わせ部53は、上面視が四角形に形成されており、前述した文字板3に形成された位置合わせマーク3bが重ねられ、第2の位置合わせ部54は、上面視が三角形に形成されており、前述した文字板3に設けられた複数の第1目盛り部3cのうち1つに重ねられる。
【0030】
上記複数(図示例では3つ)の被挟み部55は、図3に示すように、前述した目盛りリング4に設けられた係止部47を通すために、装飾リング5(延在部52)の内縁を切り欠かれることで形成されている。この被挟み部55は、装飾リング5の径方向に沿う寸法が、延在部52よりも短く(小さく)なるように形成されている。また、被挟み部55は、当該被挟み部55を形成するために延在部52の内縁を切り欠かれた部分が、前述した文字板3に設けられた第1貫通孔37と、ケース10に設けられた第2貫通孔14と、連通する位置に設けられている。
【0031】
上記複数のリブ56は、延在部52の背面(即ち、裏面)から突出し、延在部52(装飾リング5)の周方向に沿って互いに間隔をあけて設けられている。また、これら複数のリブ56は、前述した文字板3に設けられた、周方向の寸法が互いに異なるように形成された各リブ受け部36と対応するように設けられている。
【0032】
上記複数の切り欠き部57は、装飾リング5(延在部52)の内縁を切り欠かれることで形成されている。各切り欠き部57の縁は、前述した文字板3に形成された各リブ受け部36及び各第1貫通孔37及び位置決めピン受け部38が設けられていない部分に重ねられる。
【0033】
上記指針6は、図1、図2に示すように、前記文字板3の指針通し孔35を通されて、前記文字板3の正面側に配置される。また、指針6は、内機7によって駆動される。
【0034】
上記配線板8は、前記文字板3の背面側に設けられ、内機7や光源21、22が搭載される。
【0035】
上記ケース10は、前記文字板3の背面側に配置される。また、ケース10には、前記文字板3が取り付けられる。また、ケース10には、前述した文字板3に設けられた各第1貫通孔37と連通する位置に各第2貫通孔14が設けられている。
【0036】
次に、上述した目盛りリング4と、装飾リング5と、文字板3と、を互いに固定するとともに、これら複数のリング4、5をケース10に取り付ける手順について説明する。まず、予め、文字板3に設けられた第1貫通孔37と、ケース10に設けられた第2貫通孔14と、が連通し、かつ、文字板3に設けられた各ケース取付部34の孔部34と、ケース10に設けられた孔部と、が連通するように、ケース10に文字板3を重ねる。ケース10に文字板3が重ねられた状態で、図4、図5に示すように、装飾リング5に設けられた第1位置合わせ部53を、文字板3に設けられた位置合わせマーク3bに近付けるとともに、第2位置合わせ部54を、文字板3の1つの第1目盛り部3cに近付けるように、装飾リング5を文字板3に近付けて、装飾リング5に設けられた位置決めピン58を、文字板3に設けられた位置決めピン受け部38に侵入させる。すると、文字板3の外周部に装飾リング5が重ねられる。この際、被挟み部55を形成するために延在部52の内縁を切り欠かれた部分と、貫通孔37、14と、は互いに連通する位置に設けられており、装飾リング5に設けられた複数のリブ56は、文字板3に設けられた複数のリブ受け部36に侵入している。
【0037】
さらに、文字板3の外周部に装飾リング5が重ねられた状態で、文字板3に設けられた第1目盛り部3cと、目盛りリング4に設けられた第2目盛り部44とが連通するように目盛りリング4を文字板3に近付けるとともに、装飾リング5の第2枠部51の内側に目盛りリング4の第1枠部42を重ねるように近付ける。すると、図3に示すように、目盛りリング4に設けられた係止部47が、被挟み部55に当接し、係止部47が、被挟み部55に当接することで、第1枠部42は内方向に弾性変形し、第1枠部42が弾性変形することで、係止部47は、テーパ面47bに沿って被挟み部55を乗り上げる。さらに近付けられると、係止部47は被挟み部55を乗り越えた後、第1枠部42が弾性変形した状態で、係止部47は貫通孔37、14の内側を通される。さらに近付けられると、第1枠部42が弾性変形前の状態に復元し、係止部47の垂直面47aと、ケース10の第2貫通孔14が設けられた面と、が相対する位置に設けられる。こうして、係止部47は、ケース10に係止する。この際、被挟み部55が、第1凸部45と文字板3とによって挟まれている。こうして、目盛りリング4と、装飾リング5と、文字板3と、は互いに固定されるとともに、これら複数のリング4、5は、ケース10に(一度に)取り付けられる。
【0038】
さらに、文字板3のケース取付部34に設けられた孔部34aにボルトを通して、ケース10に設けられたナットと螺合させることで、文字板3をケース10に取り付ける。こうして、文字板3は、ケース10に取り付けられることとなる。この際、装飾リング5(第2枠部51)が目盛りリング4(第1枠部42)よりも突出するように設けられている。
【0039】
上述した実施形態によれば、移動体の状況を示す指標3aが設けられた文字板3と、前記文字板3の背面側に配置されるケース10と、前記文字板3の正面側に配置される第1リングとしての目盛りリング4と、前記目盛りリング4の外周部に重ねられる第2リングとしての装飾リング5と、を備え、前記目盛りリング4の前記外周部には、前記文字板3と前記ケース10とを貫通する突出部としての第1枠部42が設けられ、前記第1枠部42には、当該第1枠部42から外方向に突出し、前記ケース10に係止する係止部47と、が設けられた計器装置としてのメータ1において、前記第1枠部42の前記文字板3よりも正面側には、外方向に向かう第1凸部45が設けられ、装飾リング5には、前記第1枠部42に向かう第2凸部としての被挟み部55が設けられ、前記被挟み部55が前記第1凸部45と前記文字板3とによって挟まれた状態で、前記係止部47は前記ケース10に係止されているので、これら目盛りリング4と、装飾リング5と、文字板3と、が互いに固定されるとともに、これら目盛りリング4と装飾リング5とが、ケース10に一度に取り付けられることとなり、よって、組付け作業性の向上を図った計器装置としてのメータ1を提供することができる。
【0040】
また、前記文字板3の前記正面側の表面には位置合わせマーク3bが印刷されており、前記装飾リング5には、内方向に突出するように位置合わせ部としての第1位置合わせ部53が設けられ、前記文字板3に前記装飾リング5が重ねられると、前記位置合わせマーク3bと前記第1位置合わせ部53と、が互いに重ねられる位置に設けられているので、作業者が文字板3の裏面を見ずとも位置合わせマーク3bと第1位置合わせ部53とが互いに重ねられることとなり、よって、より一層、組付け作業性の向上を図ることができる。
【0041】
また、前記目盛りリング4には、前記第1枠部42に連なり、前記文字板3の外周部に向かうにしたがって前記正面側に近付く方向に傾斜する傾斜部41が設けられ、前記装飾リング5は、前記目盛りリング4よりも前記正面側に向かって突出するように設けられているので、これら目盛りリング4と装飾リング5とによって、奥行きが強調されることとなり、よって、遠近感を持たすことができるとともに、メータ1の装飾性を向上させることができる。
【0042】
また、本発明のメータ1に設けられた文字板3とケース10との間に、導光材料からなる導光部材を設けてもよい。さらに、導光部材には、文字板3及び目盛りリング5に設けられた目盛部3c、44を通される、当該導光部材から立設した立設目盛り部を設けて、当該立設目盛り部が、目盛部3c、44から乗員側に突出するように設けてもよい。
【0043】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 メータ(計器装置)
3 文字板
3a 指標
3b 位置合わせマーク
4 目盛りリング(第1リング)
41 傾斜部
42 第1枠部(突出部)
45 第1凸部
47 係止部
5 装飾リング(第2リング)
53 第1位置合わせ部(位置合わせ部)
55 被挟み部(第2凸部)
10 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の状況を示す指標が設けられた文字板と、
前記文字板の背面側に配置されるケースと、
前記文字板の正面側に配置される第1リングと、
前記第1リングの外周部に重ねられる第2リングと、を備え、
前記第1リングの前記外周部には、前記文字板と前記ケースとを貫通する突出部が設けられ、前記突出部には、当該突出部から外方向に突出し、前記ケースに係止する係止部と、が設けられた計器装置において、
前記突出部の前記文字板よりも正面側には、外方向に向かう第1凸部が設けられ、
第2リングには、前記突出部に向かう第2凸部が設けられ、
前記第2凸部が前記第1凸部と前記文字板とによって挟まれた状態で、前記係止部は前記ケースに係止されていることを特徴とする計器装置。
【請求項2】
前記文字板の前記正面側の表面には位置合わせマークが設けられており、
前記第2リングには、内方向に突出するように位置合わせ部が設けられ、前記文字板に前記第2リングが重ねられると、前記位置合わせマークと前記位置合わせ部と、が互いに重ねられる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の計器装置。
【請求項3】
前記第1リングには、前記文字板の外周部に向かうにしたがって前記正面側に近付く方向に傾斜する傾斜部が設けられ、
前記第2リングは、前記第1リングよりも前記正面側に向かって突出するように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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