説明

計測データ収集装置及び計測データ収集システム

【課題】 書き込み中のデータファイルが読み出せなくなるのを防止し、計測データの収集における信頼性を向上させた計測データ収集装置及び計測データ収集システムを提供する。
【解決手段】 センサー2から検出データを周期的に取得する計測ユニット2aと、ダミーデータからなるデータファイルを生成するデータファイル生成部15と、FAT4aをメモリーカード4から読み出し、データファイル生成部15により生成されたデータファイルを当該FATに基づいてメモリーカード4内に格納するとともに、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報をFAT4aに書き込んでメモリーカード4内に格納するファイル管理制御部16と、検出データに基づいてメモリーカード4にアクセスし、FAT4aに割り当て情報が書き込まれたデータファイル内のダミーデータを検出データに順次に置き換えるファイルデータ置換制御部13により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測データ収集装置及び計測データ収集システムに係り、さらに詳しくは、熱電対などのセンサーから検出データを収集してデータファイルに蓄積する計測データ収集装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、熱電対などのセンサーによって得られる検出データは、伝送エラーによるデータ紛失を防ぐために、一旦、データ収集装置内に蓄積される。
【0003】
データ収集装置では、検出データからなるデータファイルが生成され、不揮発性の記憶手段に格納される。その際、ファイル管理手段が、データファイルへの書き込み動作を終了し、データファイルをクローズする際に、そのデータファイルの格納領域に関する割り当て情報をアロケーションテーブル(例えば、FAT:File Allocation Table)に書き込んでアロケーションテーブルの更新を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した様な従来のデータ収集装置では、停電などによってシステムがダウンすると、書き込み中のデータファイルが記憶手段から読み出せなくなり、当該データファイル内の検出データが全て失われてしまうという問題があった。すなわち、データファイルのクローズ時にアロケーションテーブルが更新されることから、データファイルへの書き込みが終了する前にシステムがダウンすると、アロケーションテーブルの更新が正常に行われない。このため、当該アロケーションテーブルの更新に係るデータファイルの割り当て情報が欠落し、検出データが読み出せなくなるという問題があった。
【0005】
また、従来のデータ収集装置では、データファイルのクローズ時まで当該データファイルのファイルサイズが定まらないので、データファイルへの書き込み中にオーバーフローが生じ、検出データが書き込めなくなってしまうという問題もあった。
【0006】
また、データ収集装置及び処理端末からなる従来のデータ収集システムでは、通信回線を介してデータ収集装置から取得したデータファイルの内容がデータ収集装置内におけるものと異なる場合が生じるという問題があった。すなわち、データ収集装置のファイル管理手段を介して通信回線上のサーバーにデータファイルをアップロードし、処理端末において閲覧可能とする従来のデータ収集システムは、アップロード時にファイル管理手段が書き込み中のデータファイルを含む全てのデータファイルをサーバーに転送する。このため、アップロード時に書き込み中であったデータファイルは、データ収集装置側ではその後の検出データの書き込みによって更新されるのに対し、アップロード時にサーバーからデータファイルを取得した処理端末側では書き込み中のデータファイルであったか否かの識別ができないことから、データファイルの更新が行われず、データ収集装置及び処理端末間でその内容が異なることとなる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、書き込み中のデータファイルが読み出せなくなるのを防止し、計測データの収集における信頼性を向上させた計測データ収集装置及び計測データ収集システムを提供することを目的とする。特に、データファイルに対する検出データの書き込みが終了する前にシステムがダウンした場合であっても、当該データファイル内の検出データを読み出すことができる計測データ収集装置を提供することを目的とする。また、データファイルへの書き込み中にオーバーフローが生じるのを予測することができる計測データ収集装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、通信回線を介して計測データ収集装置から取得したデータファイルの内容を計測データ収集装置内におけるものと常に一致させることができる計測データ収集システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による計測データ収集装置は、センサーから検出データを周期的に取得する計測データ取得手段と、ダミーデータからなるデータファイルを生成するデータファイル生成手段と、データファイルの格納領域に関する割り当て情報からなるアロケーションテーブルを書き換え可能な不揮発性のファイル記憶手段から読み出し、上記データファイル生成手段により生成されたデータファイルを当該アロケーションテーブルに基づいてファイル記憶手段に格納するとともに、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報をアロケーションテーブルに書き込んで上記ファイル記憶手段に格納するファイル管理手段と、上記検出データに基づいて上記ファイル記憶手段にアクセスし、アロケーションテーブルに割り当て情報が書き込まれたデータファイル内のダミーデータを検出データに順次に置き換えるファイルデータ置換手段とを備えて構成される。
【0010】
検出データの書き込みに先立って、まず、ダミーデータからなるデータファイルが生成され、ファイル記憶手段に格納される。このとき、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報が書き込まれたアロケーションテーブルもファイル記憶手段に格納される。そして、データファイルに検出データを書き込む際には、アロケーションテーブルに割り当て情報が書き込まれたデータファイルに対してダミーデータを検出データで置き換えることにより、アロケーションテーブルを変更することなく、検出データの書き込みが行われる。つまり、検出データの書き込み時には、当該データファイルに係るアロケーションテーブルが更新されず、常にファイル記憶手段からデータファイルを正しく読み出すことができる。従って、データファイルに対する検出データの書き込みが終了する前にシステムがダウンした場合であっても、当該データファイル内の検出データを読み出すことができる。
【0011】
本発明による計測データ収集装置は、上記構成に加え、検出データによるダミーデータの置き換えが終了したデータファイルを完了ファイルとしてリストアップし、完了ファイルリストを生成するファイルリスト生成手段と、情報処理端末からのファイルリスト要求に対して上記完了ファイルリストを出力するファイル送信手段とを備えて構成される。
【0012】
具体的には、上記ファイルデータ置換手段がファイル記憶手段にアクセスする際に参照し、上記ファイル管理手段によりアロケーションテーブルに割り当て情報が新たに書き込まれたデータファイルを指定するファイル指示情報を記憶する書き換え可能な揮発性の指示情報記憶手段を備え、上記ファイルリスト生成手段が、上記ファイル指示情報に基づいて完了ファイルリストを生成するように構成される。
【0013】
この様な構成によれば、情報処理端末からのファイルリスト要求に対しては完了ファイルリストが出力されるので、情報処理端末が通信回線を介して取得できるのはダミーデータの置き換えが終了した完了ファイルのみとなる。このため、情報処理端末が計測データ収集装置からダウンロードしたデータファイルに関し、当該データファイルに対応するデータファイルが計測データ収集装置において新たな検出データの追加によって変更されることはなく、データファイルの内容を計測データ収集装置及び情報処理端末間で常に一致させることができる。また、ファイルリスト生成手段によって参照されるファイル指示情報は、揮発性の指示情報記憶手段に記憶されるので、システムのダウンにより指示情報記憶手段への電力供給が停止すると、消滅する。このため、システムのダウン前に検出データの書き込み中であったデータファイルは、システムのダウン後、ファイル指示情報の消滅によって完了ファイルとみなされ、情報処理端末によってダウンロードすることができる。
【0014】
また、本発明による計測データ収集装置は、上記構成に加え、上記ファイル管理手段が、情報処理端末からのファイル削除要求に対し、削除対象のデータファイルに係る割り当て情報をアロケーションテーブルから削除するように構成される。
【0015】
また、本発明による計測データ収集装置は、上記構成に加え、上記データファイル生成手段が、あるデータファイルにおいて検出データによるダミーデータの置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他にデータファイルを予備ファイルとして生成するように構成される。
【0016】
この様な構成によれば、あるデータファイルにおいて検出データによる置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他に予備ファイルが生成される。このため、格納可能な記憶領域がファイルサイズに比べて小さいために上記予備ファイルがファイル記憶手段に格納できなくなった場合であっても、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルへは検出データの書き込みを行うことができる。その際、データファイルに対する検出データの書き込み開始よりも前にアロケーションテーブルが更新され、当該データファイルのファイルサイズが定められるので、検出データがデータファイルに書き込めなくなるよりも前にファイル記憶手段におけるオーバーフローを予測することができる。
【0017】
具体的には、上記ファイル管理手段が上記予備ファイルの格納に失敗した場合に、オーバーフロー警戒情報を生成する警戒情報生成手段を備えて構成される。
【0018】
本発明による計測データ収集システムは、センサーによる検出データを収集し、データファイルに蓄積する計測データ収集装置と、通信回線を介して計測データ収集装置からデータファイルを取得し、データ処理を行う情報処理端末とからなり、上記計測データ収集装置が、センサーから検出データを周期的に取得する計測データ取得手段と、ダミーデータからなるデータファイルを生成するデータファイル生成手段と、データファイルの格納領域に関する割り当て情報からなるアロケーションテーブルを書き換え可能な不揮発性のファイル記憶手段から読み出し、上記データファイル生成手段により生成されたデータファイルを当該アロケーションテーブルに基づいてファイル記憶手段に格納するとともに、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報をアロケーションテーブルに書き込んでファイル記憶手段に格納するファイル管理手段と、上記検出データに基づいて上記ファイル記憶手段にアクセスし、アロケーションテーブルに割り当て情報が書き込まれたデータファイル内のダミーデータを検出データに順次に置き換えるファイルデータ置換手段とを備えて構成される。
【0019】
また、本発明による計測データ収集システムは、上記構成に加え、上記計測データ収集装置が、上記データファイル生成手段が、あるデータファイルにおいて検出データによるダミーデータの置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他にデータファイルを予備ファイルとして生成し、上記ファイル管理手段が上記予備ファイルの格納に失敗した場合にオーバーフロー警戒情報を生成する警戒情報生成手段を備え、上記情報処理端末が、計測データ収集装置からのオーバーフロー警戒情報に基づいて、電子メールを送信するメール送信手段を備えて構成される。
【0020】
また、本発明による計測データ収集システムは、上記構成に加え、上記情報処理端末が、取得したデータファイルを所定のテキスト形式に変換するファイル形式変換手段を備え、上記計測データ収集装置のデータファイル生成手段がデータファイルをバイナリファイルとして生成するように構成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明による計測データ収集装置及び計測データ収集システムによれば、アロケーションテーブルを変更することなく、検出データの書き込みが行われる。従って、データファイルに対する検出データの書き込みが終了する前にシステムがダウンした場合であっても、当該データファイル内の検出データを読み出すことができ、計測データの収集における信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、情報処理端末が通信回線を介して取得できるのはダミーデータの置き換えが終了した完了ファイルであるので、情報処理端末が計測データ収集装置からダウンロードしたデータファイルに関し、当該データファイルに対応するデータファイルが計測データ収集装置において新たな検出データの追加によって変更されることはなく、データファイルの内容を計測データ収集装置及び情報処理端末間で常に一致させることができる。また、ファイルリスト生成手段によって参照されるファイル指示情報は、システムのダウンにより指示情報記憶手段への電力供給が停止すると消滅するので、システムのダウン前に検出データの書き込み中であったデータファイルは、システムのダウン後、ファイル指示情報の消滅によって完了ファイルとみなされ、情報処理端末によってダウンロードすることができる。
【0023】
また、あるデータファイルにおいて検出データによる置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他に予備ファイルが生成されるので、上記予備ファイルがファイル記憶手段に格納できなくなった場合であっても、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルへは検出データの書き込みを行うことができる。その際、データファイルに対する検出データの書き込み開始よりも前にアロケーションテーブルが更新され、当該データファイルのファイルサイズが定められるので、検出データがデータファイルに書き込めなくなるよりも前にファイル記憶手段におけるオーバーフローを予測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による計測データ収集システムの概略構成の一例を示した図である。本実施の形態による計測データ収集システムは、検出データを収集する計測データ収集装置1と、通信回線7a及び7bを介し計測データ収集装置1からデータファイルを取得してデータ処理を行う情報処理端末8と、通信ネットワーク7cに接続するメールサーバー9からなる。
【0025】
計測データ収集装置1は、熱電対などの検出素子(センサー)から入力される検出データを収集し、データファイルとして蓄積する検出データの蓄積手段であり、計測ユニット2a、メモリーユニット5及び表示ユニット6からなる。
【0026】
計測ユニット2aは、センサーから検出データを周期的に取得する計測データの取得手段である。計測ユニット2aには、複数の接続端子からなる入力インターフェース11が設けられており、複数のセンサーを同時に接続することができる。計測データ収集装置1では、必要に応じて計測ユニット2aを2以上連結させて用いることが可能となっており、センサーからの検出データが各計測ユニット2aにおける入力インターフェース11を介して入力される。つまり、計測ユニット2aごとの各センサーによる検出データをまとめて1つのデータファイルとして蓄積することができるようになっている。
【0027】
メモリーユニット5は、記憶媒体をドライブする駆動装置であり、記憶媒体としてのメモリーカードが挿脱可能なカードスロット25が設けられている。各計測ユニット2aを介して収集された検出データは、カードスロット25内に挿入されたメモリーカードに蓄積される。
【0028】
表示ユニット6は、LCDからなる表示画面20aを有する装置本体(マスターユニット)であり、検出データの収集及びデータファイルの蓄積に関する制御を行っている。表示画面20aには、検出データの他に、ファイル情報として日付情報、ファイル番号、分割情報、サンプリング情報、ユニット数、各計測ユニット2aにおける使用チャンネル数、計測情報などを表示することができる。表示ユニット6には、メモリーユニット5、計測ユニット2aの順序で各ユニットが連結されている。
【0029】
この計測データ収集装置1は、USB(Universal Serial Bus)などの通信回線7aを介して情報処理端末8にデータファイルを出力するとともに、所定のファイル転送プロトコルに従ってLAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信ネットワーク7cを介して情報処理端末8にデータファイルを伝送することもできるサーバー(例えば、FTPサーバー)となっている。
【0030】
ここでは、計測ユニット2aが8つまで連結可能であるものとする。また、各計測ユニット2aにおけるセンサーの同時に接続可能な数(最大チャンネル数)は、8個であるものとする。また、メモリーカードとしては、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体が用いられるものとし、例えば、小型で軽量な半導体記憶装置としてのフラッシュメモリー(flash memory)カードを用いることができる。なお、ここでは、記憶手段としてメモリーカードが用いられるとしたが、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であれば他のものであっても良く、例えば、ハードディスクなどの磁気記憶媒体を用いることもできる。
【0031】
図2は、図1の計測データ収集システムにおける要部詳細の一例を示したブロック図であり、センサー2からの検出データをデータファイルとしてカードスロット25内のメモリーカード4に蓄積する動作を行う計測データ収集装置1内の構成が示されている。
【0032】
この計測データ収集装置1は、A/D変換部12、ファイルデータ置換制御部13、主制御部14、データファイル生成部15、ファイル管理制御部16、ファイルリスト生成部17、通信制御部18、表示制御部19、操作入力部21、ROM22、RAM23及び24からなる。各部において消費される電力は、外部の電源回路3から必要に応じて供給される。
【0033】
センサー2から入力インターフェース11を介して入力された検出データは、A/D変換部12によりデジタルデータに変換される。デジタルデータへの変換は、例えば、検出信号を所定のサンプリング周期で量子化することによって行われる。
【0034】
データファイル生成部15は、検出データに置き換え可能なダミーデータからなるデータファイル4cを生成する動作を行っている。生成されたデータファイル4cは、ファイル管理制御部16により、FAT4aに基づいてメモリーカード4内に格納され、その割り当て情報がFAT4aに書き込まれる。ここで、データファイル4cは、所定のデータサイズからなるダミーデータを2以上の所定数含むものとする。
【0035】
FAT(File Allocation Table)4aは、データファイルの格納領域に関する割り当て情報からなるアロケーションテーブルであり、メモリーカード4内に格納されている。つまり、ファイル管理制御部16は、新たにデータファイル4cをメモリーカード4に記憶させる際、メモリーカード4からFAT4aを読み出し、空き領域を探索して当該データファイル4cを格納する。なお、ファイル管理制御部16は、既にメモリーカード4内に格納されているファイルデータ4cに対して読み書きする際にも、FAT4aに基づいて格納領域の検索を行っている。
【0036】
ファイルデータ置換制御部13は、検出データをデータファイル4c内に蓄積させる際に、主制御部14を介してメモリーカード4にアクセスし、ダミーデータを検出データに置き換える制御を行っている。すなわち、A/D変換部12から検出データが入力されると、ファイル管理制御部16を介さず直接にメモリーカード4上のデータファイル4cにアクセスし、FAT4aに割り当て情報が書き込まれたデータファイル4c内のダミーデータを検出データに順次に置き換える動作が行われる。
【0037】
データファイル4cにおける検出データへの置き換え、すなわち、メモリーカード4上のデータファイル4cに対する検出データの書き込みは、RAM23に記憶される書き込みタスクに基づいて行われる。RAM23は、書き換え可能な揮発性の半導体メモリーであり、書き込みタスクは、新たにデータファイル4cをメモリーカード4に格納する際にファイルデータ置換制御部13によって生成される。この書き込みタスクは、新たに格納されたデータファイル4cのファイル番号やそのFAT情報からなり、検出データの書き込み先を特定することができる。つまり、書き込みタスクは、書き込み先となるデータファイル4cを特定し、データファイル中の書き込み位置を指示するポインターとなっている。
【0038】
ここで、検出データは、計測ユニット2aごとに格納され、ユニット番号が付加されるものとする。ユニット番号は、各計測ユニット2aに予め割り当てられている計測ユニットの識別情報であると同時に、検出データへの置き換えが終了しているか否かを識別するための識別情報でもある。つまり、各データに割り振られたユニット番号によって当該データが置き換え後のデータ、すなわち、ダミーデータではなく検出データであることを識別することができる。
【0039】
検出データの書き込みは、メモリーカード4にデータファイル4cを格納し、FAT4aにその割り当て情報を書き込んで当該FAT4aをメモリーカード4に格納した後に行われるので、検出データの書き込み開始後においてはデータファイル4cに係るアロケーションテーブルが既に更新されており、常にメモリーカード4からデータファイル4cを正しく読み出すことができる。従って、データファイル4cに対する検出データの書き込みが終了する前に、停電などによってシステムへの電力供給が停止し、システムがダウンした場合であっても、システムへの電力供給が回復すれば、当該データファイル4c内の検出データを読み出すことができる。
【0040】
ファイルリスト生成部17は、検出データによるダミーデータの置き換えが終了したデータファイル4cをリストアップし、完了ファイルリストを生成する動作を行っている。検出データへの置き換え、すなわち、データファイル4cに対する検出データの書き込みは、例えば、ファイルデータ置換制御部13によってダミーデータが全て検出データに置き換えられると終了し、次のデータファイル4cに対する書き込みに移行する。つまり、RAM23上の書き込みタスクに基づいて、検出データによる置き換えの終了が判別される。
【0041】
検出データへの置き換えが終了したデータファイル4cは、完了ファイル4bとなり、完了ファイル4bからなる完了ファイルリストがファイルリスト生成部17によってRAM24内に格納される。
【0042】
通信制御部18は、ROM22上のFTP(File Transfer Protocol)サーバープログラムに基づいてファイル転送に関する制御を行っている。具体的には、情報処理端末8からのファイルリスト要求に対して、完了ファイルリストを出力する動作が行われる。すなわち、情報処理端末8により送信されたファイルリスト要求が受信すると、このファイルリスト要求に基づいてRAM24から完了ファイルリストが読み出され、当該情報処理端末8に対して送信される。
【0043】
また、通信制御部18は、情報処理端末8からのファイル転送要求に対して、完了ファイル4bを出力する動作が行われる。すなわち、情報処理端末8により送信されたファイル転送要求が受信すると、このファイル転送要求に基づいてメモリーカード4から完了ファイル4bが読み出され、当該情報処理端末8に対して送信される。情報処理端末8からのファイルリスト要求に対してはRAM24上の完了ファイルリストが出力されるので、当該情報処理端末8が通信回線を介して取得できるのはダミーデータの置き換えが終了した完了ファイル4bのみとなる。このため、情報処理端末8が計測データ収集装置1からダウンロードしたデータファイルに関し、当該データファイルに対応するデータファイルが計測データ収集装置1において新たな検出データの追加によって更新されることはなく、データファイルの内容を計測データ収集装置1及び情報処理端末8間で常に一致させることができる。その際、ファイルデータ置換制御部13によって参照されるRAM23上の書き込みタスクは、システムのダウンにより当該RAM23への電力供給が停止すると、消滅する。このため、システムのダウン前には検出データの書き込み中であったデータファイルは、システムのダウン後には、RAM23上の書き込みタスクの消滅によって完了ファイルとみなされ、情報処理端末8によってダウンロードすることができるようになる。
【0044】
また、通信制御部18は、情報処理端末8からのファイル削除要求に対し、完了ファイル4bを削除する指示をファイル管理制御部16に対して行っている。ファイル管理制御部16では、この削除指示に基づいて、削除対象のデータファイルに係る割り当て情報をFAT4aから削除する制御が行われる。FAT4aから割り当て情報が削除されたデータファイルは、メモリーカードから読み出したり、当該データファイルに対してデータを書き込むことができなくなり、データファイル自体をメモリーカード4から削除するのと同様に、メモリーカード4におけるデータファイルの格納可能な領域の一部となる。つまり、必要に応じて計測データ収集装置1内に蓄積された完了ファイル4bを削除し、データファイルの格納可能な領域を増加させることができる。
【0045】
図3は、図1の計測データ収集システムにおける要部詳細の一例を示したブロック図であり、一定周期でファイルリスト要求、ファイル転送要求及びファイル削除要求を生成するパーソナルコンピュータなどの情報処理端末8が示されている。この情報処理端末8は、主制御部50、ファイル管理制御部51、通信制御部52、表示部53、操作入力部54、ROM55及び記憶部56からなる。
【0046】
ファイル管理制御部51は、ハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性の記憶部56に対するデータファイルの読み書きに関する制御を行っており、通信制御部52を介して取得したデータファイルは記憶部56に格納される。
【0047】
通信制御部52は、ROM55上のFTPクライアントプログラムに基づいて、計測データ収集装置1に対するファイル転送に関する制御を行っている。具体的には、ファイルリスト要求、ファイル転送要求及びファイル削除要求が一定周期で生成され、計測データ収集装置1に対して送信される。
【0048】
図4(a)〜(d)は、図2の計測データ収集装置において生成されるデータファイルの一例を示した図である。図4(a)には、ファイルフォーマットにおける全体像がブロックに区分して示され、図4(b)には、そのヘッダブロック31の詳細が示されている。また、図4(c)には、データファイル4cにおけるファイル情報ブロック32の詳細が示され、図4(d)には、データブロック33の詳細が示されている。
【0049】
このデータファイル4cは、ヘッダブロック31、ファイル情報ブロック32及びデータブロック33からなる。データファイル4cの先頭に配置されるヘッダブロック31には、各ブロックのデータサイズ(単位はバイト)が格納される。ここでは、ファイル情報ブロック32及びデータブロック33の各データサイズ31a及び31bがそれぞれブロックサイズ1及び2として格納されている。
【0050】
ヘッダブロック31の次に配列されるファイル情報ブロック32には、日付情報34、ファイル番号35、分割フラグ36、サンプリング情報37、ユニット数38、各ユニットのチャンネル数39及び計測情報40が格納されている。日付情報34は、検出データが書き込まれた日時であり、当該データファイル4cに対する1点目の検出データをサンプリングした時の日付や時刻が日付情報34として格納される。ファイル番号35は、各データファイル4cを識別するためのシリアルデータである。
【0051】
分割フラグ36は、一連の検出データを複数のデータファイル4cに分割して収集する場合に、検出データが分割して格納されていることを示す識別情報である。つまり、データファイル4cに付加された分割フラグ36により、当該データファイル4cが一連の検出データを格納するものであることを識別することができる。
【0052】
サンプリング情報37は、サンプリング周期やサンプリング数からなる。サンプリング周期は、センサーからの検出信号をサンプリングして周期的に検出データを得る際のデータ繰り返し間隔であり、ここでは、1μsから1h(時間)までの範囲の時間データが格納される。サンプリング数は、データファイル4cに格納する検出データ数であり、1から4000000までの数が格納される。なお、1ファイル分のデータ収集に要する時間は、サンプリング周期×サンプリング数から求めることができる。
【0053】
ユニット数38は、マスターユニット(表示ユニット6)に連結する計測ユニット数であり、使用するチャンネル数が1以上となる計測ユニット2aの数が格納される。ユニット数38には、1から8までの数が格納される。各ユニットのチャンネル数39は、計測ユニット2aごとの使用チャンネル数が格納される。計測情報40には、計測時の入力レンジ(例えば、検出データにおける温度閾値や、検出信号における電圧レベル閾値)などが格納される。
【0054】
ファイル情報ブロック32の次に配列されるデータブロック33は、計測ユニット2aごとにユニット番号41を付加してチャンネルごとのデータ格納領域42が設けられている。各ユニット番号41には、1から8までの数が格納される。ここでは、これ以外のデータがユニット番号41として格納されている場合、当該ユニット番号41以降のデータが無効とみなされるものとする。つまり、ユニット番号41は、ユニット内のデータ格納領域42に予め格納されているダミーデータが全て検出データに置き換えられると、その置き換え終了時に付番され、これによって、当該ユニットにおけるデータが検出データへの置き換え終了後のデータであるか否かを識別することができる。
【0055】
なお、ユニット番号41は、1バイトのデータサイズからなるものとする。また、各データ格納領域42には、2バイトのデータサイズからなるデータが格納されるものとする。また、データブロック33のデータサイズは、ユニット数×1バイト×サンプリング数+全チャンネル数×2バイト×サンプリング数から求めることができる。
【0056】
図5は、図1の計測データ収集システムにおけるファイル転送動作の一例を示した状態遷移図であり、情報処理端末8からのファイル転送要求に応じて計測データ収集装置1が完了ファイル4bを転送する様子が示されている。計測データ収集装置1は、情報処理端末8からのファイル転送要求に対して、検出データの書き込みが終了したデータファイル(完了ファイル4b)のみを転送し、ファイル転送要求の受信時に書き込み中のデータファイル4cは転送しない。
【0057】
これにより、情報処理端末8が計測データ収集装置1からダウンロードしたデータファイルに関し、当該データファイルに対応するデータファイルが計測データ収集装置1において新たな検出データの追加によって更新されるのを防ぐことができるので、データファイルの内容を計測データ収集装置1及び情報処理端末8間で常に一致させることができる。
【0058】
図6は、図1の計測データ収集システムにおけるファイル削除動作の一例を示した状態遷移図であり、情報処理端末8からのファイル削除要求に応じて計測データ収集装置1内の完了ファイル4bが削除される様子が示されている。計測データ収集装置1は、情報処理端末8からのファイル削除要求に対して、検出データの書き込みが終了したデータファイルのみを削除し、ファイル削除要求の受信時に書き込み中のデータファイル4cは削除しない。
【0059】
これにより、書き込み中のデータファイル4cを保護し、検出データを継続的に蓄積させることができるとともに、完了ファイル4bをメモリーカード4上から削除することで、メモリーカード4内の記憶領域における空き領域を増加させることができる。
【0060】
図7のステップS101〜S107は、図2の計測データ収集装置におけるFTPサーバーとしての動作例を示したフローチャートである。まず、通信制御部18は、情報処理端末8からログイン要求があれば、それを許可し、当該情報処理端末8からのファイルリスト要求を受け付ける(ステップS101,S102)。
【0061】
次に、ファイルリスト生成部17は、通信制御部18の指示に従って、RAM23上の書き込みタスクに基づいて完了ファイルリストを生成し、RAM24内に格納するととも、当該情報処理端末8に対して完了ファイルリストを送信する(ステップS103)。通信制御部18は、情報処理端末からのファイル転送要求に応じてメモリーカード4上の完了ファイルを読み出し、当該情報処理端末に対して送信する(ステップS104,S105)。
【0062】
次に、通信制御部18は、情報処理端末8からのファイル削除要求に応じてメモリーカード4上の完了ファイルを削除する(ステップS106,S107)。
【0063】
図8のステップS201〜S208は、図3の情報処理端末における動作例を示したフローチャートである。まず、通信制御部52は、一定周期で計測データ収集装置1に対してログイン要求を送信する(ステップS201,S202)。通信制御部52は、計測データ収集装置1からの完了ファイルリストが受信すると(ステップS203)、そのファイルリストに基づいてダウンロード対象となるデータファイルを指定したファイル転送要求を生成し、当該計測データ収集装置1に対して送信する(ステップS204,S205)。
【0064】
次に、通信制御部52は、計測データ収集装置1からのデータファイルが受信すると、ファイル管理制御部51に対し、当該データファイルを記憶部56内に格納するように指示する(ステップS206)。データファイルの格納後、通信制御部52は、計測データ収集装置1に対して当該データファイルに対応するデータファイル(完了ファイル)を削除させるためのファイル削除要求を生成し、当該計測データ収集装置1に対して送信する(ステップS207,S208)。ステップS202からステップS208までの処理手順は、一定周期で繰り返される。
【0065】
本実施の形態によれば、検出データの書き込み開始後においてはデータファイルに係るFAT4aが既に更新されており、常にメモリーカード4からデータファイルを正しく読み出せるので、データファイルに対する検出データの書き込みが終了する前にシステムがダウンした場合であっても、当該データファイル内の検出データを読み出すことができ、計測データの収集における信頼性を向上させることができる。
【0066】
また、一定周期で完了ファイルがダウンロードされ、ダウンロードされたメモリーカード4上の完了ファイルが自動的に削除されるので、メモリーカード4がオーバーフローするのを防止することができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、情報処理端末8が計測データ収集装置1からダウンロードしたデータファイルを記憶部56内に格納する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、計測データ収集装置1のデータファイル生成部15がバイナリファイルとしてデータファイルを生成する場合に、情報処理端末8が取得したデータファイルを所定のテキスト形式(CSV:Comma Separated Valueなど)に変換するファイル形式変換手段を備えるようにしても良い。
【0068】
実施の形態2.
本実施の形態では、計測データ収集装置1のファイル管理制御部16がデータファイル4cの格納に失敗した場合に、メモリーカード4のオーバーフロー警戒情報が生成され、この警戒情報に基づいて情報処理端末8から電子メールが送信される。
【0069】
計測データ収集装置1は、ファイル管理制御部16がデータファイル4cの格納に失敗した場合に、オーバーフロー警戒情報を生成する警戒情報生成手段を備え、情報処理端末8は、計測データ収集装置1からのオーバーフロー警戒情報に基づいて電子メールを送信するメール送信手段を備えている。
【0070】
計測データ収集装置1のデータファイル生成部15は、あるデータファイルにおいて検出データによるダミーデータの置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他にデータファイルを予備ファイルとして生成する。上記警戒情報生成手段は、この予備ファイルがメモリーカード4内に格納できなかった場合にオーバーフロー警戒情報を生成する。つまり、書き込み中のデータファイルの他に予備ファイルが生成され、予備ファイルが格納できるか否かによってメモリーカード4にオーバーフローが生じるか否かを判別することができる。
【0071】
図9のステップS301〜S310は、図2の計測データ収集装置におけるデータ収集の動作例を示したフローチャートである。まず、ファイルデータ置換制御部13は、A/D変換部12から検出データの入力があれば、データファイル生成部15に対してデータファイルの生成を指示する(ステップS301,S302)。
【0072】
次に、ファイル管理制御部16は、メモリーカード4上のFAT4aを更新し、メモリーカード4上に上記データファイルが格納可能か否かを判別する(ステップS303,S304)。データファイルが格納可能であれば、当該データファイル及び更新後のFAT4aをメモリーカード4内に格納する(ステップS305)。
【0073】
ファイルデータ置換制御部13は、A/D変換部12から入力される検出データによって、当該データファイル中のダミーデータを順次に置き換える(ステップS306,S307)。ファイルデータ置換制御部13は、検出データによる置き換えが終了し、さらに検出データが入力すると、新たなデータファイルの生成をデータファイル生成部15に指示する。
【0074】
一方、メモリーカード4上に上記データファイルが格納できなかった場合には、警戒情報生成手段によりオーバーフロー警戒情報が生成される(ステップS308)。このとき、通信制御部18は、情報処理端末8からオーバーフロー発生問い合わせに応じてオーバーフロー警戒情報を当該情報処理端末8に対して送信する(ステップS309,S310)。
【0075】
図10のステップS401〜S404は、図3の情報処理端末における警報メールの送信動作例を示したフローチャートである。まず、通信制御部52は、一定周期でオーバーフローの問合せを生成し、計測データ収集装置1に対して送信する(ステップS401)。
【0076】
次に、通信制御部52は、計測データ収集装置1からのオーバーフロー警戒情報が受信すると(ステップS402)、ユーザによる設定内容に応じて、オーバーフローの発生を報知するための電子メール(警報メール)を生成し、当該計測データ収集装置1に対して送信する(ステップS403,S404)。
【0077】
本実施の形態によれば、格納可能な記憶領域がファイルサイズに比べて小さいために予備ファイルがメモリーカード4内に格納できなくなった場合であっても、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルへは検出データの書き込みを行うことができる。その際、データファイルに対する検出データの書き込み開始よりも前にFAT4aが更新され、当該データファイルのファイルサイズが定められるので、検出データがデータファイルに書き込めなくなるよりも前にメモリーカード4におけるオーバーフローを予測することができる。また、メモリーカード4がオーバーフローするよりも前に、警報メールによって他の端末に対して報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1による計測データ収集システムの概略構成の一例を示した図である。
【図2】図1の計測データ収集システムにおける要部詳細の一例を示したブロック図である。
【図3】図1の計測データ収集システムにおける要部詳細の一例を示したブロック図である。
【図4】図2の計測データ収集装置において生成されるデータファイルの一例を示した図である。
【図5】図1の計測データ収集システムにおけるファイル転送動作の一例を示した状態遷移図である。
【図6】図1の計測データ収集システムにおけるファイル削除動作の一例を示した状態遷移図である。
【図7】図2の計測データ収集装置におけるFTPサーバーとしての動作例を示したフローチャートである。
【図8】図3の情報処理端末における動作例を示したフローチャートである。
【図9】図2の計測データ収集装置におけるデータ収集の動作例を示したフローチャートである。
【図10】図3の情報処理端末における警報メールの送信動作例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 計測データ収集装置
2a 計測ユニット
4 メモリーカード
4a FAT
4b 完了ファイル
4c データファイル
5 メモリーユニット
6 表示ユニット
7a,7b 通信回線
7c 通信ネットワーク
8 情報処理端末
9 メールサーバー
11 入力インターフェース
12 A/D変換部
13 ファイルデータ置換制御部
14 主制御部
15 データファイル生成部
16 ファイル管理制御部
17 ファイルリスト生成部
18 通信制御部
19 表示制御部
20 LCD
20a 表示画面
21 操作入力部
22 ROM
23,24 RAM
25 カードスロット



【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーから検出データを周期的に取得する計測データ取得手段と、
ダミーデータからなるデータファイルを生成するデータファイル生成手段と、
データファイルの格納領域に関する割り当て情報からなるアロケーションテーブルを書き換え可能な不揮発性のファイル記憶手段から読み出し、上記データファイル生成手段により生成されたデータファイルを当該アロケーションテーブルに基づいてファイル記憶手段に格納するとともに、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報をアロケーションテーブルに書き込んで上記ファイル記憶手段に格納するファイル管理手段と、
上記検出データに基づいて上記ファイル記憶手段にアクセスし、アロケーションテーブルに割り当て情報が書き込まれたデータファイル内のダミーデータを検出データに順次に置き換えるファイルデータ置換手段とを備えたことを特徴とする計測データ収集装置。
【請求項2】
検出データによるダミーデータの置き換えが終了したデータファイルを完了ファイルとしてリストアップし、完了ファイルリストを生成するファイルリスト生成手段と、
情報処理端末からのファイルリスト要求に対して上記完了ファイルリストを出力するファイル送信手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の計測データ収集装置。
【請求項3】
上記ファイル管理手段によりアロケーションテーブルに割り当て情報が新たに書き込まれたデータファイルを指定するファイル指示情報を記憶する書き換え可能な揮発性の指示情報記憶手段を備え、
上記ファイルリスト生成手段は、上記ファイル指示情報に基づいて完了ファイルリストを生成することを特徴とする請求項2に記載の計測データ収集装置。
【請求項4】
上記ファイル管理手段は、情報処理端末からのファイル削除要求に対し、削除対象のデータファイルに係る割り当て情報をアロケーションテーブルから削除することを特徴とする請求項1に記載の計測データ収集装置。
【請求項5】
上記データファイル生成手段は、あるデータファイルにおいて検出データによるダミーデータの置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他にデータファイルを予備ファイルとして生成することを特徴とする請求項1に記載の計測データ収集装置。
【請求項6】
上記ファイル管理手段が上記予備ファイルの格納に失敗した場合に、オーバーフロー警戒情報を生成する警戒情報生成手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の計測データ収集装置。
【請求項7】
センサーから検出データを収集し、データファイルに蓄積する計測データ収集装置と、通信回線を介して計測データ収集装置からデータファイルを取得し、データ処理を行う情報処理端末とからなり、
上記計測データ収集装置は、センサーから検出データを周期的に取得する計測データ取得手段と、ダミーデータからなるデータファイルを生成するデータファイル生成手段と、データファイルの格納領域に関する割り当て情報からなるアロケーションテーブルを書き換え可能な不揮発性のファイル記憶手段から読み出し、上記データファイル生成手段により生成されたデータファイルを当該アロケーションテーブルに基づいてファイル記憶手段に格納するとともに、当該データファイルの格納領域に関する割り当て情報をアロケーションテーブルに書き込んで上記ファイル記憶手段に格納するファイル管理手段と、上記検出データに基づいて上記ファイル記憶手段にアクセスし、アロケーションテーブルに割り当て情報が書き込まれたデータファイル内のダミーデータを検出データに順次に置き換えるファイルデータ置換手段とを備えることを特徴とする計測データ収集システム。
【請求項8】
上記計測データ収集装置は、上記データファイル生成手段が、あるデータファイルにおいて検出データによるダミーデータの置き換えが終了すると、次に検出データの書き込み対象となるデータファイルの他にデータファイルを予備ファイルとして生成し、上記ファイル管理手段が上記予備ファイルの格納に失敗した場合にオーバーフロー警戒情報を生成する警戒情報生成手段を備え、
上記情報処理端末は、計測データ収集装置からのオーバーフロー警戒情報に基づいて、電子メールを送信するメール送信手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の計測データ収集システム。
【請求項9】
上記情報処理端末は、取得したデータファイルを所定のテキスト形式に変換するファイル形式変換手段を備え、
上記計測データ収集装置のデータファイル生成手段がデータファイルをバイナリファイルとして生成することを特徴とする請求項7に記載の計測データ収集システム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−113964(P2006−113964A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303013(P2004−303013)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】