説明

記事管理装置

【課題】ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者等に予期せぬ被害を与えることを防ぐ装置を提供する。
【解決手段】記事管理装置1は、記事の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付部11と、閲覧要求された記事を記事データベース21から抽出する記事抽出部12と、その抽出した記事に付された複数のコメントを、辞書データベース22を参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する記事集約部13と、その集約したコメントが付された記事を、閲覧要求したユーザ端末2に送信する記事送信部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する記事管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット等のネットワーク上のコミュニティにおいてユーザがコメントを投稿し、そのコメントをユーザ同士で交換することが行われている。
【0003】
しかしながら、中には、誹謗・中傷、卑猥、差別用語、プライバシーに関する事等、不適切な文言を投稿するユーザもいる。そこで、不適切な文言を含む投稿が公衆に広がらないようにするための対策が求められる。
【0004】
このような問題を解決するため、電子掲示板に係る情報を監視し、予め決められた文言が投稿されたコメントについては、その文言を適切な文言に置き換えるか削除する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置によると、不適切な用語が投稿されたとしても、これらを直ちに変更又は削除できるため、記事の作成者や予期せぬ第三者が受ける被害を最小限に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−342146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の装置では、個々の文言は不適切でなくても、不特定多数の人が繰り返すことによって受ける被害を抑えることができない。例えば、最初に、「情けない。」という文言が投稿された後、不特定多数の人が「そうだ。そうだ。」、「私もそう思う。」等といった同意の文言や、「頼りない。」といった文言が繰り返されたとする。「情けない。」、「そうだ。そうだ。」、「私もそう思う。」、「頼りない。」といった個々の文言は、不適切なものではない。しかし、最初に、「情けない。」という文言が投稿された後、不特定多数の人が「そうだ。そうだ。」、「私もそう思う。」等といった同意の文言や、「頼りない。」といった文言が繰り返されれば、その対象となった特定の人物の感情を害することが予想されるが、特許文献1に記載の装置では、このような被害を抑えることができない。一方で、「そうだ。そうだ。」、「私もそう思う。」といった文言までも不適切な用語と定義づけると、全体としては適切なコメントであっても、不適切な文言が含まれているという理由でコメントが削除又は変更される可能性がある。そのため、ユーザのコメントはできるだけ反映させつつ、記事の作成者や予期せぬ第三者が受ける被害を最小限に抑えることの可能な装置が求められている。
【0007】
本発明は、ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することの可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
(1) 複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する記事管理装置であって、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事が、当該複数のコメントが投稿された日時とともに記憶される記事データベースと、ユーザ端末から、前記記事データベースに記憶された記事の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付手段と、前記閲覧要求受付手段により閲覧要求が受け付けられた記事を前記記事データベースから抽出する記事抽出手段と、同義語及び類義語が予め記憶された辞書データベースと、前記記事抽出手段により抽出された記事に付された複数のコメントを、前記辞書データベースを参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、前記最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する記事集約手段と、前記記事集約手段により集約されたコメントが付された記事を前記閲覧要求受付手段に対して閲覧要求したユーザ端末に送信する記事送信手段とを備える記事管理装置。
【0010】
(1)に記載の発明によれば、閲覧要求受付手段は、ユーザ端末から、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事が記憶される記事データベースに記憶された記事の閲覧要求を受け付け、記事抽出手段は、閲覧要求受付手段により閲覧要求が受け付けられた記事を記事データベースから抽出する。そして、記事集約手段は、記事抽出手段が抽出した記事に付された複数のコメントを、辞書データベースを参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、前記最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する。また、記事送信手段は、記事集約手段により集約されたコメントが付された記事を、閲覧要求したユーザ端末に送信する。
【0011】
これにより、コメントの内容が変更又は削除されることはないため、ユーザのコメントをできるだけ反映させることができる。また、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複するコメントが複数あっても、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約してユーザ端末に送信するため、不適切な文言が多用された場合だけでなく、個々の文言は不適切でなくても、不特定多数の人が繰り返すことによって被害を与えてしまい得る文言が多用された場合においても、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することができる。よって、ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止可能な装置を提供することができる。なお、記事データベースには、あらゆるコメントが記憶されているので、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けた場合に、コメントの履歴を検索することが可能である。
【0012】
(2) (1)に記載の記事管理装置であって、前記記事集約手段は、前記閲覧要求受付手段に対して閲覧要求したユーザ端末とは異なる他のユーザ端末から入力されたコメントについてのみ、前記同義語及び類義語が含まれる複数のコメントの集約を行う記事管理装置。
【0013】
(2)に記載の発明によれば、自身が入力したコメントは集約されないので、実際にはコメントが集約されているという心証をユーザに与えることを防ぐことができる。したがって、あたかも全てのコメントが反映されているかのような心証を与えつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することの可能な装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することの可能な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る記事管理装置1を説明するための全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る記事データベース21を示す図である。
【図3】第1及び第2実施形態に係る辞書データベース22を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る記事管理装置1のフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る記事管理装置1を用いたときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る記事管理装置101を説明するための全体構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る記事データベース121を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る記事管理装置101のフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る記事管理装置101を用いたときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す図である。
【図10】図9に続く図である。
【図11】図10に続く図である。
【図12】図11に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図を参照しながら説明する。
【0017】
[全体構成]
図1は、第1実施形態に係る記事管理装置1を説明するための全体構成を示す図である。記事管理装置1は、複数のユーザ端末2から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する装置であり、記事管理装置1に係る各機能を統括的に制御する制御部10と、この制御部10が各機能を制御するために必要なプログラムやデータが記憶される記憶部20とを備える。
【0018】
まず、記憶部20について説明すると、記憶部20は、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事が記憶される記事データベース21と、同義語及び類義語が予め記憶された辞書データベース22とを備える。記事は、複数のコメントが付されたものであれば、どのようなものであってもよく、複数のコメントを付すことの可能なニュース記事について説明するが、電子掲示板であってもよいし、ブログであってもよい。
【0019】
記事データベース21は、図2に例示される。記事データベース21は、記事を識別するための「記事番号」フィールドと、記事の実際の内容を示す「記事の内容」フィールドと、この記事に付したコメントを識別するための「コメント番号」フィールドと、複数のユーザ端末2の中から実際にコメントを入力したユーザ端末2の種類を識別するための「端末ID」フィールドと、コメントを入力した日時を示す「日時」フィールドと、コメントの内容を示す「コメントの内容」フィールドとを有する。例えば、「日本代表チーム、格下に大敗・・・」という記事番号「1」の記事に対し、最初に、端末IDが「aaa」のユーザ端末2から2010年5月13日11時35分に「情けない。こんな奴に任せてたら、ダメになる。もう我慢の限界だ!」というコメントが入力されると、記事データベース21には、コメント番号フィールド「1−1」が追加され、端末IDフィールドに「aaa」という情報が記憶され、日時フィールドに「2010年5月13日11時35分」という情報が記憶され、コメントの内容フィールドに「情けない。こんなやつに任せてたら、ダメになる。もう我慢の限界だ!」という情報が記憶される。続いて、端末IDが「bbb」のユーザ端末2から2010年5月13日12時07分に「そうだ。そうだ。」というコメントが入力されると、記事データベース21には、コメント番号フィールド「1−2」が追加され、端末IDフィールドに「bbb」という情報が記憶され、日時フィールドに「2010年5月13日12時07分」という情報が記憶され、コメントの内容フィールドに「そうだ。そうだ。」という情報が記憶される。
【0020】
辞書データベース22は、図3に例示される。辞書データベース22には、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある単語に限らず、繰り返し用いられれば、心情を害するおそれのある単語については、広く一般的に同義語及び類義語が予め記憶されている。
【0021】
続いて、制御部10について説明する。制御部10は、閲覧要求受付部11と、記事抽出部12と、記事集約部13と、記事送信部14とを備える。閲覧要求受付部11は、閲覧要求受付手段として機能し、記事抽出部12は、記事抽出手段として機能し、記事集約部13は、記事集約手段として機能し、記事送信部14は、記事送信手段として機能する。
【0022】
閲覧要求受付部11は、ユーザ端末2から、記事データベース21に記憶された記事の閲覧要求を受け付ける。記事抽出部12は、閲覧要求受付部11により閲覧要求が受け付けられた記事を記事データベース21から抽出する。
【0023】
記事集約部13は、記事抽出部12が抽出した記事に付された複数のコメントを、辞書データベース22を参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内(例えば、3日間)に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する。
【0024】
同義語及び類義語の集約は、次の規則にしたがって行う。原則として、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントは、最先のコメントを「最初に投稿されたコメント」とする。つまり、最先のコメントのみをユーザ端末2に送信し、最先に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内(例えば、3ヶ月)に投稿された、最先に投稿されたコメントと重複するコメントをユーザ端末2に送信することのないよう集約する。
【0025】
ところで、最先に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間を経過した後にさらにコメントが投稿された場合、一定の期間を経過してから最先に投稿されたコメントを「最初のコメント」とする。つまり、最先に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿されたコメントについては、コメントの集約を行わずに表示する。そして、一定の期間を経過した後、最先に投稿されたコメントは集約を行わずに表示してこれを「最初のコメント」とし、さらに一定の期間内に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントについて、コメントの集約を行う。なお、この処理は、一定の期間が経過する度に適用される。以降、これを繰り返す。
【0026】
第1の例外として、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントであっても、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合、同義語及び類義語を否定するコメントについては、コメントの集約を行わない。
【0027】
第2の例外として、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末とは異なる他のユーザ端末から入力されたコメントについてのみ、同義語及び類義語が含まれる複数のコメントの集約を行い、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末と同一のユーザ端末から入力されたコメントについては、コメントの集約を行わない。
【0028】
記事送信部14は、記事集約部13により集約されたコメントが付された記事を、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末2に送信する。
【0029】
[本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成]
本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成について説明する。記事管理装置1及びユーザ端末2のハードウェアには、制御装置(制御部)としてのCPUの他、記憶装置(記憶部)、通信装置(通信部)、表示装置(表示部)及び入力装置(入力部)が含まれる。記憶装置(記憶部)としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)又は光ディスク(CD、DVD等)ドライブ等が挙げられる。通信装置(通信部)としては、例えば、各種有線又は無線インターフェース装置等が挙げられる。表示装置(表示部)としては、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置(入力部)としては、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス(マウス等)又はリモコン装置等が挙げられる。
【0030】
記事管理装置1及びユーザ端末2のソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するプログラムやデータが含まれる。プログラムやデータは、記憶装置(記憶部)により記憶され、制御装置(制御部)により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、電磁的方法により配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0031】
なお、後に説明する第2実施形態の記事管理装置101及びユーザ端末2のハードウェア及びソフトウェアも同様の構成を有する。
【0032】
[フローチャート]
図4は、本実施形態に係る記事管理装置1のフローチャートである。
【0033】
ステップS1では、閲覧要求受付部11は、閲覧要求受付処理を行う。この閲覧要求受付処理では、閲覧要求受付部11は、ユーザ端末2から、記事データベース21に記憶された記事の閲覧要求を受け付ける処理を行う。
【0034】
ステップS2では、記事抽出部12は、記事抽出処理を行う。この記事抽出処理では、記事抽出部12は、閲覧要求受付部11により閲覧要求が受け付けられた記事を記事データベース21から抽出する処理を行う。
【0035】
ステップS3では、記事集約部13は、記事集約処理を行う。この記事集約処理では、記事集約部13は、記事抽出部12が抽出した記事に付された複数のコメントを、辞書データベース22を参照して解析し、前述した規則(原則、第1の例外及び第2の例外)にしたがって、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内(例えば、3日間)に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する処理を行う。
【0036】
ステップS4では、記事送信部14は、記事送信処理を行う。この記事送信処理では、記事送信部14は、記事集約部13により集約されたコメントが付された記事を、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末2に送信する処理を行う。この処理を終えると、制御部10は、記事管理装置1での一連の処理を終了する。
【0037】
[第1の実施形態に係る記事管理装置1の実施例]
図5は、第1の実施形態に係る記事管理装置1を実施したときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す図である。ここでは、記事データベース21に、図2に示す情報が格納されている場合において、端末ID「aaa」に対応するユーザ端末2が、閲覧要求受付部11に対し、記事番号「1」に対応する記事の閲覧要求をした場合について説明する。
【0038】
まず、閲覧要求受付部11は、端末ID「aaa」に対応するユーザ端末2から、記事データベース21に記憶された記事のうち、記事番号「1」に対応する記事の閲覧要求を受け付ける。次に、記事抽出部12は、記事データベース21から、閲覧要求受付部11により閲覧要求が受け付けられた記事を、記事に付された複数のコメントと共に抽出する。
【0039】
記事集約部13は、記事抽出部12が抽出した記事に付された複数のコメントを、辞書データベース22を参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する。
【0040】
まず、コメント番号「1−1」に対応するコメントについて検討する。このコメントは、記事番号「1」に対応する記事に付された最初のコメントなので、集約の対象にはならない。
【0041】
次に、コメント番号「1−2」に対応するコメントについて検討する。このコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、同義語・類義語はない。よって、コメント番号「1−2」に対応するコメントは、集約の対象にはならない。
【0042】
次に、コメント番号「1−3」に対応するコメントについて検討する。このコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、同義語・類義語はない。しかし、このコメントと、コメント番号「1−2」に対応するコメントと対比すると、コメント「1−3」に含まれる「そう思う」は、コメント「1−2」に含まれる「そうだ」と同義語又は類義語の関係にある。同義語及び類義語を集約する規則によると、原則として、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントは、最先のコメントのみをユーザ端末2に送信し、他のコメントをユーザ端末2に送信することのないよう集約する。したがって、コメント番号「1−3」に対応するコメントは、集約の対象であり、ユーザ端末2に送信されることがないよう集約される。
【0043】
次に、コメント番号「1−4」に対応するコメントについて検討する。このコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、コメント「1−4」に含まれる「情けない」は、コメント「1−1」に含まれる「頼りない」と同義語又は類義語の関係にある。同義語及び類義語を集約する規則によると、原則として、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントは、最先のコメントのみをユーザ端末2に送信し、他のコメントをユーザ端末2に送信することのないよう集約する。したがって、コメント番号「1−4」に対応するコメントは、集約の対象であり、ユーザ端末2に送信されることがないよう集約される。
【0044】
次に、コメント番号「1−5」に対応するコメントについて検討する。このコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、同義語・類義語はないが、コメント番号「1−2」に対応するコメントと対比すると、コメント番号「1−5」に含まれる「同感」は、コメント番号「1−2」に含まれる「そうだ」と同義語又は類義語の関係にあるように思われる。しかし、同義語及び類義語を集約する規則によると、第1の例外として、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントであっても、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合、同義語及び類義語を否定するコメントについては、コメントの集約を行わない。コメント番号「1−5」に対応するコメントは、辞書データベース22に格納された単語である「同感」を含むが、コメント番号「1−2」に対応するコメントと、コメント番号「1−5」に対応するコメントとは、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係にある。したがって、コメント番号「1−5」に対応するコメントは、集約の対象にはならない。
【0045】
最後に、コメント番号「1−6」に対応するコメントについて検討する。このコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、コメント番号「1−6」に含まれる「愛想が尽き」は、コメント番号「1−1」に含まれる「情けない」と同義語又は類義語の関係にある。しかし、同義語及び類義語を集約する規則によると、第2の例外として、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末とは異なる他のユーザ端末から入力されたコメントについてのみ、同義語及び類義語が含まれる複数のコメントの集約を行い、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末と同一のユーザ端末から入力されたコメントについては、コメントの集約を行わない。コメント番号「1−6」に対応するコメントは、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求した端末ID「aaa」に対応するユーザ端末2と同一のユーザ端末2から入力されたコメントである。したがって、コメント番号「1−6」に対応するコメントは、集約の対象にはならない。
【0046】
図5は、記事送信部14が、記事集約部13により集約されたコメントが付された記事を、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末2である、端末ID「aaa」のユーザ端末2に送信したときの画面30での表示例である。画面30には、記事集約部13が集約し、記事送信部14が送信した情報が、コメントが付された順に配列して逐次表示される。図5によると、画面30の上方には、記事番号「1」に対応する記事として、「日本代表チーム、格下に大敗・・・」という文字が表示されている。この記事の下方には、記事に付されたコメントのうち、記事集約部13により集約されたコメントであるコメント番号「1−1」、「1−2」、「1−5」及び「1−6」に対応するコメントが表示されている。
【0047】
本実施例によると、コメントの内容が変更又は削除されることはないため、ユーザのコメントをできるだけ反映させることができる。また、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複するコメントが複数あっても、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約してユーザ端末2に送信するため、不適切な文言が多用された場合だけでなく、個々の文言は不適切でなくても、不特定多数の人が繰り返すことによって被害を与えてしまい得る文言が多用された場合においても、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することができる。よって、ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止可能な記事管理装置1を提供することができる。なお、記事データベース21には、あらゆるコメントが記憶されているので、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けた場合に、コメントの履歴を検索することが可能である。
【0048】
また、本実施例によると、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントであっても、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合、同義語及び類義語を否定するコメントについては、コメントの集約を行わない。よって、不適切な文言が用いられていないにも関わらず、コメントの内容が集約されることを防ぐことができる。
【0049】
また、本実施例によると、記事集約部13は、閲覧要求受付部11に対して閲覧要求したユーザ端末2とは異なる他のユーザ端末2から入力されたコメントについてのみ、前記同義語及び類義語が含まれる複数のコメントの集約を行う。これにより、自身が入力したコメントは集約されないので、記事管理装置1でコメントを集約しているという心証をユーザに与えることを防ぐことができる。したがって、あたかも全てのコメントが反映されているかのような心証を与えつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを防止することの可能な記事管理装置1を提供することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、複数のコメントを付すことの可能なニュース記事を例にしているが、電子掲示板やブログにも適用できる。電子掲示板やブログの場合、最初に記事を投稿するのは個人であることが多く、ニュース記事の場合よりも高い頻度で、記事の作成者が全く予期しない被害を受け得るが、本実施形態に記載の発明を電子掲示板やブログに適用することで、記事の作成者が予期せぬ被害を受けることを防止できる。
【0051】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図を参照しながら説明する。
第1の実施形態は、いったんは全てのコメントを受け付け、閲覧要求受付部11が記事の閲覧要求を受け付けたことに応じてコメントの集約を行うものであるが、集約されるべきコメントについても記事データベース21に格納することから、記事データベース21の記憶容量が膨大になるという懸念が残る。第2実施形態は、コメントを受け付ける段階でコメントの集約を行うことにより、記事データベース21の記憶容量を軽減させたものである。
【0052】
[全体構成]
図6は、第2実施形態に係る記事管理装置101を説明するための全体構成を示す図である。記事管理装置101は、複数のユーザ端末2から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する装置であり、記事管理装置101に係る各機能を統括的に制御する制御部110と、この制御部110が各機能を制御するために必要なプログラムやデータが記憶される記憶部120とを備える。複数のユーザ端末2の構成は、第1実施形態のものと同じである。
【0053】
まず、記憶部120について説明すると、記憶部120は、複数のユーザ端末2から投稿された複数のコメントが付された記事が記憶される記事データベース121と、同義語及び類義語が予め記憶された辞書データベース22とを備える。記事は、複数のコメントが付されたものであれば、どのようなものであってもよく、複数のコメントを付すことの可能なニュース記事について説明するが、電子掲示板であってもよいし、ブログであってもよい。なお、辞書データベース22の構成は、第1実施形態のものと同じである。
【0054】
記事データベース121は、図7に例示される。記事データベース121は、記事を識別するための「記事番号」フィールドと、記事の実際の内容を示す「記事の内容」フィールドと、この記事に付したコメントを識別するための「コメント番号」フィールドと、複数のユーザ端末2の中から実際にコメントを入力したユーザ端末2の種類を識別するための「端末ID」フィールドと、コメントを入力した日時を示す「日時」フィールドと、コメントの内容を示す「コメントの内容」フィールドとを有する。例えば、「日本代表チーム、格下に大敗・・・」という記事番号「1」の記事に対し、最初に、端末IDが「aaa」のユーザ端末2から2010年5月13日11時35分に「情けない。こんな奴に任せてたら、ダメになる。もう我慢の限界だ!」というコメントが入力されると、記事データベース21には、コメント番号フィールド「1−1」が追加され、端末IDフィールドに「aaa」という情報が記憶され、日時フィールドに「2010年5月13日11時35分」という情報が記憶され、コメントの内容フィールドに「情けない。こんな奴に任せてたら、ダメになる。もう我慢の限界だ!」という情報が記憶される。続いて、端末IDが「bbb」のユーザ端末2から2010年5月13日12時07分に「そうだ。そうだ。」というコメントが入力されると、記事データベース121には、コメント番号フィールド「1−2」が追加され、端末IDフィールドに「bbb」という情報が記憶され、日時フィールドに「2010年5月13日12時07分」という情報が記憶され、コメントの内容フィールドに「そうだ。そうだ。」という情報が記憶される。
【0055】
続いて、制御部110について説明する。制御部10は、投稿受付部111と、共通語判定部112と、コメント記憶制御部113と、投稿結果送信部114とを備える。投稿受付部111は、投稿受付手段として機能し、共通語判定部112は、共通語判定手段として機能し、コメント記憶制御部113は、コメント記憶制御手段として機能し、投稿結果送信部114は、投稿結果送信手段として機能する。
【0056】
投稿受付部111は、ユーザ端末2から記事データベース121に記憶された記事に対するコメントの投稿をさらに受け付ける。
【0057】
共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントのうち、現在の時点から遡って一定の期間内に投稿されたコメントを解析し、そのコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満(例えば、3未満)であるか否かを判定する。
【0058】
同義語及び類義語の判定は、次の規則にしたがって行う。共通語判定部112は、原則として、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語の数で判定するが、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合は、同義語及び類義語として計数しない。この判定の結果、同義語及び類義語の数が一定数未満(例えば、3未満)であれば、一定数未満と判定し、そうでなければ、一定数未満と判定しない。
【0059】
コメント記憶制御部113は、共通語判定部112により、同義語及び類義語が一定数未満であると判定されたことを条件に、投稿受付部111により受け付けられたコメントを記事データベース121に記憶された記事にさらに付して記事データベース121に記憶させる。
【0060】
投稿結果送信部114は、共通語判定部112による判定の結果を、投稿受付部111に対して投稿の受け付けを求めたユーザ端末2に送信する。
【0061】
[フローチャート]
図8は、第2実施形態に係る記事管理装置101のフローチャートである。
【0062】
ステップS101では、投稿受付部111は、投稿受付処理を行う。この投稿受付処理では、投稿受付部111は、ユーザ端末2から記事データベース121に記憶された記事に対するコメントの投稿をさらに受け付ける処理を行う。
【0063】
ステップS102では、共通語判定部112は、共通語判定処理を行う。この共通語判定処理では、共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントのうち、現在の時点から遡って一定の期間内に投稿されたコメントを解析し、そのコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満(例えば、3未満)であるか否かを、前述した規則にしたがって判定する処理を行う。
【0064】
ステップS103では、コメント記憶制御部113は、コメント記憶制御処理を行う。このコメント記憶制御処理では、コメント記憶制御部113は、共通語判定部112により、同義語及び類義語が一定数未満であると判定されたことを条件に、投稿受付部111により受け付けられたコメントを記事データベース121に記憶された記事にさらに付して記事データベース121に記憶させる。
【0065】
ステップS103では、投稿結果送信部114は、投稿結果送信処理を行う。この投稿結果送信処理では、投稿結果送信部114は、共通語判定部112による判定の結果を、投稿受付部111に対して投稿の受け付けを求めたユーザ端末2に送信する処理を行う。この処理を終えると、制御部110は、記事管理装置101での一連の処理を終了する。
【0066】
[第2の実施形態に係る記事管理装置1の実施例]
図9〜図12は、第2の実施形態に係る記事管理装置1を実施したときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す図である。ここでは、記事データベース121に、図7に示す情報が格納されている場合において、ユーザ端末2が、投稿受付部111に対し、記事番号「1」に対応する記事の投稿の受け付けを要求した場合について説明する。
【0067】
図9は、記事番号「1」に対応する記事をユーザ端末2に表示しているときの例を示す。画面30の上方には、記事番号「1」に対応する記事として、「日本代表チーム、格下に大敗・・・」という文字が表示されている。この記事の下方には、記事に付されたコメントとして、コメント番号「1−1」〜「1−3」に対応するコメントが表示されている。
【0068】
このコメントの下方には、「追加コメント」という文字と、追加コメントを入力するための追加コメント入力領域31とが設けられている。この追加コメント入力領域31には、「俺も、同感。だらしがないとしか、言いようがない。」という文字が入力されている。追加コメント入力領域31の右方には、ユーザが操作したい箇所を合わせるためのカーソル32と、このカーソル32を合わせてクリックすることにより追加コメントを記事管理装置1に送信する操作を行うための送信ボタン33とが設けられている。
【0069】
送信ボタン33が操作されると、投稿受付部111は、ユーザ端末2から記事番号「1」に対応する記事に対するコメントの投稿をさらに受け付け、共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントを解析し、そのコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満(例えば、3未満)であるか否かを判定する。
【0070】
まず、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、新たに受け付けたコメントに含まれる「だらしがない」は、コメント「1−1」に含まれる「情けない」と同義語又は類義語の関係にある。また、コメント番号「1−2」に対応するコメントと対比すると、新たに受け付けたコメントに含まれる「同感」は、コメント「1−2」に含まれる「そうだ」と同義語又は類義語の関係にあり、コメント番号「1−3」に対応するコメントと対比すると、新たに受け付けたコメントに含まれる「同感」は、コメント「1−3」に含まれる「そう思う」と同義語又は類義語の関係にある。そうすると、共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語は、一定数未満(例えば、3未満)でないと判定する。
【0071】
図10は、共通語判定部112による判定の結果が一定数未満でない場合に、その判定の結果を、投稿受付部111に対して投稿の受け付けを求めたユーザ端末2に投稿結果送信部114が送信したときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す。画面30には、「送信不可」という文字が表示され、その下段には、「荒らしの可能性があり、送信できませんでした。」という文字が表示される。
【0072】
図11は、図9と同じ内容の記事を他のユーザ端末2に表示しているときの例を示す。当該他のユーザ端末2では、追加コメントとして、「みんないい過ぎじゃない。私は、情けないとは思わないけど。」という文字が表示されている。
【0073】
送信ボタン33が操作されると、投稿受付部111は、ユーザ端末2から記事番号「1」に対応する記事に対するコメントの投稿をさらに受け付け、共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントを解析し、そのコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満(例えば、3未満)であるか否かを判定する。
【0074】
まず、コメント番号「1−1」に対応するコメントと対比すると、新たに受け付けたコメントに含まれる「情けない」は、コメント「1−1」に含まれる「情けない」と同義語又は類義語の関係にあるようにも思われる。しかし、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合は、同義語及び類義語として計数しないため、新たに受け付けたコメントと、コメント番号「1−1」に対応するコメントとの間では、同義語・類義語はない。
【0075】
そうすると、共通語判定部112は、辞書データベース22を参照して投稿受付部111により受け付けられたコメントと、記事データベース121に記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語は、一定数未満(例えば、3未満)であると判定する。
【0076】
図12は、共通語判定部112による判定の結果が一定数未満である場合に、その判定の結果を、投稿受付部111に対して投稿の受け付けを求めたユーザ端末2に投稿結果送信部114が送信したときのユーザ端末2の画面30での表示例を示す。画面30には、図11で表示していた記事及びコメントに加え、新たに追加したコメントも表示されている。
【0077】
本実施形態は、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する記事管理装置であって、複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事が、投稿された日時とともに記憶される記事データベースと、ユーザ端末から前記記事データベースに記憶された記事に対するコメントの投稿をさらに受け付ける投稿受付手段と、同義語及び類義語が予め記憶された辞書データベースと、前記辞書データベースを参照して、前記投稿受付手段により受け付けられたコメントのうち、現在の時点から遡って一定の期間内に投稿されたコメントを解析し、そのコメントと、前記記事データベースに記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満であるか否かを判定する共通語判定手段と、前記共通語判定手段により、前記同義語及び類義語が一定数未満であると判定されたことを条件に、前記投稿受付手段により受け付けられたコメントを前記記事データベースに記憶された記事にさらに付して前記記事データベースに記憶させるコメント記憶制御手段とを備える記事管理装置を提供するものである。
【0078】
本実施形態に係る発明によれば、投稿受付手段は、ユーザ端末から記事データベースに記憶された記事に対するコメントの投稿をさらに受け付け、共通語判定手段は、投稿受付手段により受け付けられたコメントのうち、現在の時点から遡って一定の期間内に投稿されたコメントを解析し、そのコメントと、記事データベースに記憶された複数のコメントとの間の同義語及び類義語が一定数未満であるか否かを判定する。そして、コメント記憶制御手段は、共通語判定手段により、同義語及び類義語が一定数未満であると判定されたことを条件に、投稿受付手段により受け付けられたコメントを記事データベースに記憶された記事にさらに付して記事データベースに記憶させる。
【0079】
これを図6〜図12の実施例に則して説明すると、図6〜図12の実施例では、コメントの内容が変更又は削除されることはないため、ユーザのコメントをできるだけ反映させることができる。また、同義語及び類義語を集約したコメントが記事データベース121に記憶されるため、不適切な文言を多用したコメントや、個々の文言は不適切でなくても、不特定多数の人が繰り返すことによって被害を与えてしまい得るコメントがユーザ端末に送信されることを抑制できるので、結果として、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止することができる。よって、ユーザのコメントをできるだけ反映させつつ、記事の作成者や第三者が予期せぬ被害を受けることを抑止可能な記事管理装置1を提供することができる。なお、記事データベース121には、同義語及び類義語を集約したコメントが記憶されるため、集約しないで記憶される場合に比べ、必要な記憶容量を抑えることができる。
【0080】
また、図6〜図12の実施例によると、辞書データベース22に格納された同義語及び類義語を含むコメントであっても、同義語及び類義語を肯定するコメントと、同義語及び類義語を否定するコメントとの関係に立つ場合、同義語及び類義語を否定するコメントについては、同義語及び類義語として計数しない。よって、不適切な文言が用いられていないにも関わらず、共通語判定部112が誤って不適切な文言が用いられていると判定することを防ぐことができる。
【0081】
なお、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0082】
1 第1実施形態に係る記事管理装置
2 ユーザ端末
10 第1実施形態に係る記事管理装置の制御部
11 閲覧要求受付部
12 記事抽出部
13 記事集約部
14 記事送信部
20 第1実施形態に係る記事管理装置の記憶部
21 記事データベース
22 辞書データベース
101 第2実施形態に係る記事管理装置
110 第2実施形態に係る記事管理装置の制御部
111 投稿受付部
112 共通語判定部
113 コメント配信制御部
114 送信結果送信部
120 第2実施形態に係る記事管理装置の記憶部
121 記事データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事を管理する記事管理装置であって、
複数のユーザ端末から投稿された複数のコメントが付された記事が、当該複数のコメントが投稿された日時とともに記憶される記事データベースと、
ユーザ端末から、前記記事データベースに記憶された記事の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付手段と、
前記閲覧要求受付手段により閲覧要求が受け付けられた記事を前記記事データベースから抽出する記事抽出手段と、
同義語及び類義語が予め記憶された辞書データベースと、
前記記事抽出手段により抽出された記事に付された複数のコメントを、前記辞書データベースを参照して解析し、同義語及び類義語が含まれることにより、最初のコメントと重複する複数のコメントのうち、最初に投稿されたコメントを表示し、当該最初に投稿されたコメントが投稿された日時から一定の期間内に投稿された、前記最初に投稿されたコメントと重複するコメントを非表示にするように集約する記事集約手段と、
前記記事集約手段により集約されたコメントが付された記事を前記閲覧要求受付手段に対して閲覧要求したユーザ端末に送信する記事送信手段とを備える記事管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記事管理装置であって、
前記記事集約手段は、前記閲覧要求受付手段に対して閲覧要求したユーザ端末とは異なる他のユーザ端末から入力されたコメントについてのみ、前記同義語及び類義語が含まれる複数のコメントの集約を行う記事管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−243078(P2011−243078A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115908(P2010−115908)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】