説明

記憶装置

【課題】記憶装置の置き換えの際の互換性の向上を図る。
【解決手段】記憶装置は、フラッシュメモリ50へのデータの読み書きを制御するSSDコントローラ30と、SATAコネクタ10と、USBポート20と、SATAコネクタ10とSSDコントローラ30との間を結ぶ第1接続線と、USBポート20に接続され、USBからSATAに変換するためのブリッジチップ40と、第1の接続線の中途の点と信号変換部との間を結ぶ第2の接続線と、前記中途の点に設けられ、SSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間が接続状態(SSDコントローラ30とブリッジチップ40との間は非接続状態)となる第1のモードと、SSDコントローラ30とブリッジチップ40との間が接続状態(SSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間は非接続状態)となる第2のモードとの切り替えを行うパッシブスイッチ70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを不揮発的に記憶可能なデータ記憶部を備える記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量のフラッシュメモリを備えた記憶装置が知られている。例えば、SSD(Solid State Drive)と呼ばれる記憶装置である。SSDは、パーソナルコンピュータに内蔵されるハードディスクドライブと同じ接続インタフェース(例えばSATA)を備え、ハードディスクドライブの代替として利用できる。SSDは、上記接続インタフェースの他に、USB等の第2の接続インタフェースを備えるものが知られている。この第2の接続インタフェースを用いてパーソナルコンピュータのデータのバックアップを行い、その後、ハードディスクドライブをSSDに取り替える。
【0003】
上記2つの接続インタフェースを備えるSSDでは、各接続インタフェースによる入出力信号をブリッジチップにより、制御部に橋渡しするのが通常である。ブリッジチップを備えたSSDでは、パーソナルコンピュータ(情報機器)へ取り付ける際に、初期化シーケンスがブリッジチップを備える分だけ複雑になることから、置き換えの互換性不備を引き起こす虞があった。このような問題は、SSDに限らず、複数のインタフェースを接続可能な記憶装置全般に共通した問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−33379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、記憶装置の置き換えの際の互換性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1] データを不揮発的に記憶可能なデータ記憶部を備える記憶装置において、
前記データ記憶部へのデータの読み書きを制御する制御部と、
第1の規格に則ったインタフェースが接続可能な第1の接続部と、
第2の規格に則ったインタフェースが接続可能な第2の接続部と、
前記第1の接続部と前記制御部との間を結ぶ第1の接続線と、
前記第2の接続部に接続され、前記第2の接続部における入出力信号を、前記第2の規格に則った信号から第1の規格に則った信号に変換するための信号変換部と、
前記第1の接続線の中途の点と前記信号変換部との間を結ぶ第2の接続線と、
前記中途の点に設けられ、前記制御部と前記第1の接続部との間が接続状態で、かつ前記制御部と前記信号変換部との間が非接続状態となる第1のモードと、前記制御部と前記第1の接続部との間が非接続状態で、かつ前記制御部と前記信号変換部との間が接続状態となる第2のモードとの切り替えを行うスイッチ部と
を備える記憶装置。
【0008】
適用例1に係る記憶装置では、スイッチ部が第1のモードに切り替えられたときに、第1の接続部と制御部との間は、信号変換部を介することなく接続される。このため、記憶装置を第1の規格に則ったインタフェースを利用して電子機器に接続しようとした場合に、信号変換部を設けたにもかかわらず、初期化シーケンスが複雑となることがない。したがって、適用例1に係る記憶装置は、置き換えの際の互換性を向上することができる。
【0009】
[適用例2] 適用例1に記載の記憶装置であって、前記第1の接続部または前記第2の接続部を通じて接続されたインタフェースの種類を判別する判別部を備え、前記スイッチ部は、前記判別されたインタフェースの種類に応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとの切り替えを行う構成である、記憶装置。
【0010】
この構成であれば、第1の規格に則ったインタフェースが接続された場合には、第1の規格に則ったインタフェースが接続可能な第1の接続部と制御部との間を直接に接続し、第2の規格に則ったインタフェースが接続された場合には、第2の規格に則ったインタフェースが接続可能な第2の接続部と制御部との間を、信号変換部を介して接続することができる。したがって、変換が必要な第2の規格に則った信号だけを信号変換部に通すことができる。
【0011】
[適用例3] 適用例2に記載の記憶装置であって、前記判別部は、前記第1の接続部および前記第2の接続部が備える電源入力端子のうち、少なくとも一方の電源入力端子の電圧を検出することで、前記判別を行う、記憶装置。
【0012】
この構成であれば、第1の接続部または第2の接続部に供給されている電源電圧を検出することで、接続されたインタフェースの種類を容易に判別することができる。
【0013】
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれかに記載の記憶装置であって、前記第1のインタフェースは、SATAの接続インタフェースであり、前記第2のインタフェースは、USBの接続インタフェースである、記憶装置。
【0014】
この構成であれば、SATA接続に加えてUSB接続において、記憶装置の接続が可能となる。
【0015】
本発明は、上述した記憶装置としての構成のほか、記憶装置の制御方法や、記憶装置を制御するためのコンピュータプログラムとしても構成することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体としては、例えば、磁気ディスクや光ディスク、メモリカード、ハードディスク等の種々の媒体を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例としてのSSD100とその周辺の概略構成を示す説明図である。
【図2】パッシブスイッチ70の機能を説明するための説明図である。
【図3】SEL、NC、NOの相関を示す説明図である。
【図4】参考例としてのSSD300の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
A.実施例の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのSSDとその周辺の概略構成を示す説明図である。本実施例のSSD100は、パーソナルコンピュータなどのホスト装置200に接続されて使用される二次記憶装置であり、外部への接続部として、SATAコネクタ10とUSBポート20とを備える。また、SSD100は、SSDコントローラ30と、USB/SATAブリッジチップ40と、複数のフラッシュメモリ50と、を備えている。
【0018】
SATAコネクタ10は、SATA規格に則ったインタフェースが接続可能な接続部である。SSD100は、SATAコネクタ10を介して接続されたホスト装置200との間で通信を行う。本明細書において、SATA規格には、eSATA規格も含まれることとする。SATAコネクタ10には、ホスト装置200から電力の供給を受けるための電源入力端子も含まれている。この電源入力端子を介して、電圧5Vの電力が供給される(電流についての制限はなし)。
【0019】
SSDコントローラ30は、CPU、ROM、RAM等を備える小型マイクロコンピュータにより構成され、複数(本実施例では、8つ)のフラッシュメモリ50へのデータの読み書きを制御する。フラッシュメモリ50は、NAND型のものであり、大容量のデータが記憶可能となっている。
【0020】
なお、SSDコントローラ30には、SPIフラッシュ32が接続されている。SPIフラッシュ32は、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)という方式でインタフェースされるフラッシュメモリである。SPIフラッシュ32には、SSDコントローラ30で用いられるファームウェアが記憶されている。SSDコントローラ30は、SPIフラッシュ32からファームウェアを読み出し、そのファームウェアをRAMに一旦記憶し、CPUによりファームウェアを実行する。
【0021】
SSDコントローラ30には、4本(A+,A−,B+,B−)のデータ信号線(以下、「第1信号線」と呼ぶ)60を介してSATAコネクタ10が接続されている。第1信号線60の中途には、パッシブスイッチ70が設けられている。換言すれば、第1信号線60は、SATAコネクタ10とパッシブスイッチ70との間を結ぶ信号線部分61と、パッシブスイッチ70とSSDコントローラ30との間を結ぶ信号線部分62とから構成されている。
【0022】
SATAコネクタ10にホスト装置200から入力されたデータ信号は、パッシブスイッチ70を介してSSDコントローラ30に送られる。パッシブスイッチ70の機能については後述する。SSDコントローラ30では、パッシブスイッチ70側から送られてきたデータ信号に基づいて、複数のフラッシュメモリ50へのデータの読み書きを行う。
【0023】
USBポート20は、USB規格に則ったインタフェースが接続可能な接続部である。SSD100は、USBポート20を介して接続されたUSB機器(例えばホスト装置200)との間で通信を行う。図示の例では、SSD100とホスト装置200との間は、SATAのインタフェースで接続されているが、これに換えて、USBポート20を利用することで、USBのインタフェースで接続することが可能となる。USBポート20には、前記USB機器から電力の供給を受けるための電源入力端子(VBus)も含まれている。VBusを介して、電圧5V、最大電流500mAの電力が供給される。
【0024】
USBポート20は、第2信号線80を介してUSB/SATAブリッジチップ40に接続されている。USB/SATAブリッジチップ40は、CPU、ROM、RAM等を備える小型マイクロコンピュータにより構成され、入力信号をUSB規格に則った信号からSATA規格に則った信号に変換する処理を行う。USBポート20から送られてきたデータ信号は、USB/SATAブリッジチップ40によりSATA規格に則った信号に変換されて出力する。USB/SATAブリッジチップ40は、第3信号線82を介してパッシブスイッチ70に接続されている。
【0025】
なお、USB/SATAブリッジチップ40には、SPIフラッシュ42が接続されている。SPIフラッシュ42には、USB/SATAブリッジチップ40で用いられるファームウェアが記憶されている。USB/SATAブリッジチップ40は、SPIフラッシ42からファームウェアを読み出し、そのファームウェアをRAMに一旦記憶し、CPUによりファームウェアを実行する。
【0026】
図2は、パッシブスイッチ70の機能を説明するための説明図である。パッシブスイッチ70は、2つの2極/双投スイッチを備えた集積回路であり、下記の端子を備える。
【0027】
COM1+:アナログスイッチ1、正のコモン端子
COM1−:アナログスイッチ1、負のコモン端子
COM2+:アナログスイッチ2、正のコモン端子
COM2−:アナログスイッチ2、負のコモン端子
NC1+:アナログスイッチ1、正のノーマリクローズ端子
NC1−:アナログスイッチ1、負のノーマリクローズ端子
NO1+:アナログスイッチ1、正のノーマリオープン端子
NO1−:アナログスイッチ1、負のノーマリオープン端子
NC2+:アナログスイッチ2、正のノーマリクローズ端子
NC2−:アナログスイッチ2、負のノーマリクローズ端子
NO2+:アナログスイッチ2、正のノーマリオープン端子
NO2−:アナログスイッチ2、負のノーマリオープン端子
SEL:制御信号入力端子
V+:正の電源電圧入力
GND:グラウンド
【0028】
COM1+、COM1−の端子にSSDコントローラ30のA+,A−のデータ信号線(62の一部)が接続され、COM2+、COM2−の端子にSSDコントローラ30のB+,B−のデータ信号線(62の一部)が接続される。NC1+、NC1−の端子にSATAコネクタ10のA+,A−のデータ信号線(61の一部)が接続され、NC2+、NC2−の端子にSATAコネクタ10の他のB+,B−のデータ信号線(61の一部)が接続される。NO1+、NO1−の端子にUSB/SATAブリッジチップ40のA+,A−のデータ信号線(82の一部)が接続され、NO2+、NO2−の端子にUSB/SATAブリッジチップ40の他のB+,B−のデータ信号線(82の一部)が接続される。SELの端子には、信号線92(図1)を介してインタフェース判別回路90が接続されている。
【0029】
インタフェース判別回路90は、SSD100とホスト装置200との間を接続するインタフェースの種類を判別するための回路であり、USBポート20のVBusの端子と電源線94を介して接続されている。インタフェース判別回路90は、USBの電源線94を通じて所定の電圧値(例えば、3V)以上の電圧が入力された場合に、SSD100とホスト装置200との間の接続インタフェースはUSBであると判別し、前記所定の電圧値を下回る電圧が入力された場合に、前記接続インタフェースはSATAであると判別する。この判別結果を示す信号が、信号線92を介してパッシブスイッチ70のSEL端子に送られる。例えば、SATAと判別されたときに値0が、USBと判別されたときに値1が、SEL端子に送られる。
【0030】
図3は、SEL、NC(ノーマリクローズ端子)、NO(ノーマリオープン端子)の相関を示す説明図である。図示の表TBに示すように、SELに接続インタフェースがSATAであることを示す値0が入力された場合には、SATAコネクタ10が接続されるNCがオン状態、USBポート20が接続されるNOがオフ状態となる。こうした状態を、以下「第1のモード」と呼ぶ。第1のモードでは、SSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間が接続状態で、かつSSDコントローラ30とUSB/SATAブリッジチップ40との間が非接続となる。
【0031】
一方、SELに接続インタフェースがUSBであることを示す値1が入力された場合には、SATAコネクタ10が接続されるNCがオフ状態、USBポート20が接続されるNOがオン状態となる。こうした状態を、以下、「第2のモード」と呼ぶ。第2のモードでは、SSDコントローラ30とUSB/SATAブリッジチップ40との間が接続状態で、かつSSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間が非接続となる。
【0032】
以上のように構成されたSSD100において、フラッシュメモリ50が適用例1における「データ記憶部」に、SSDコントローラ30が適用例1における「制御部」に、SATAコネクタ10が適用例1における「第1の接続部」に、USBポート20が適用例1における「第2の接続部」に、第1信号線60が適用例1における「第1の接続線」に、USB/SATAブリッジチップ40が適用例1における「信号変換部」に、第3信号線82が適用例1における「第2の接続線」に、パッシブスイッチ70が適用例1における「スイッチ部」に、それぞれ相当する。
【0033】
以上で説明した第1実施例のSSD100によれば、SSD100とホスト装置200との間の接続インタフェースがUSBである場合には、USB/SATAブリッジチップ40を介して、USBポート20とSSDコントローラ30との間が接続される。これにより、USBポート20から入力されたデータをフラッシュメモリ50へ書き込んだり、フラッシュメモリ50に記憶されたデータをUSBポート20から読み出すことが可能となる。一方、SSD100とホスト装置200との間の接続インタフェースがSATAである場合には、USB/SATAブリッジチップ40を介することなく、SSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間が接続される。これにより、SATAコネクタ10から入力されたデータをフラッシュメモリ50へ書き込んだり、フラッシュメモリ50に記憶されたデータをSATAコネクタ10から読み出すことが可能となる。
【0034】
前述したように、接続インタフェースがSATAである場合には、パッシブスイッチ70が第1のモードに切り替えられたときに、SSDコントローラ30とSATAコネクタ10との間は、USB/SATAブリッジチップ40を介することなく接続される。このため、次に説明する参考例に比べて、パーソナルコンピュータへ取り付ける際の初期化シーケンスが簡単で済む。
【0035】
B.比較のための参考例:
図4は、参考例としてのSSDの概略構成を示す説明図である。図1に示した本発明の一実施例(以下、「本発明実施例」と呼ぶ)のSSD100と、図3に示した参考例のSSD300とで同一の構成要素には、同一の符号を付している。図4に示すように、参考例のSSD300は、図1に示した本発明実施例のSSD100と比較して、パッシブスイッチを備えないことが主に相違する。SATAコネクタ10に接続されるデータ信号線360は、USB/SATAブリッジチップ40に接続される。USB/SATAブリッジチップ40は、本発明実施例と同様に、USB規格に則った入力信号をSATA規格に則った入力信号に変換して出力するもので、この参考例では、SATAコネクタ10から送られてきたSATA規格に則った入力信号をそのまま出力する処理も行なっている。
【0036】
USB/SATAブリッジチップ40の出力信号は、データ信号線382を介してSSDコントローラ30に送られる。この参考例では、パッシブスイッチを備えないことに伴って、インタフェース判別回路も備えない。
【0037】
こうした構成の参考例のSSD300では、SATAコネクタ10から入力されたデータ信号、あるいはUSBポート20から入力されたデータ信号を、USB/SATAブリッジチップ40により、SATA規格に則った入力信号はそのまま、USB規格に則った入力信号はSATA規格に則った信号に変換して、SSDコントローラ30に橋渡しすることができる。
【0038】
しかしながら、SATAを利用してSSD300をホスト装置200へ取り付ける際には、ホスト装置200とUSB/SATAブリッジチップ40との間、およびUSB/SATAブリッジチップ40とSSDコントローラ30との間で、逐一コマンドのやりとりを行っていく必要があり、初期化シーケンスが複雑になるという問題がある。
【0039】
C.実施例の効果:
これに対して、図1に示した本発明実施例のSSD100によれば、USB/SATAブリッジチップ40を設けたにもかかわらず、SSATAを利用してSD100をホスト装置200に接続する際には、初期化シーケンスは、ホスト装置200とSSDコントローラ30との間でコマンドのやりとりを行うだけで済むことから、初期化シーケンスが簡単に済む。したがって、本発明実施例のSSD100によれば、初期化シーケンスが簡単に済むことから、置き換えの際の互換性を向上することができる。
【0040】
また、本発明実施例のSSD100によれば、ホスト装置200から送られてくるデータ信号に、SSDコントローラ30で対応していながらSATAブリッジチップ40で対応していないコマンドが含まれるような場合にも、問題なく対応できる。これに対して、参考例のSSD300では、前記コマンドを含むデータ信号はSATAブリッジチップ40を介することから、互換性不備が発生した。したがって、この理由からも、本発明実施例のSSD100は、置き換えの際の互換性がより高いことが判る。
【0041】
D.変形例:
・変形例1:
前記実施例では、USBポート20の電源線94だけがインタフェース判別回路90に接続されているが、これに換えて、USBポート20の電源線94と、SATAコネクタ10の電源線とがインタフェース判別回路90に接続される構成としてもよい。この場合、両電源線の電圧を検出することで、いずれのインタフェースであるかを検出することができる。また、SATAコネクタ10の電源線だけがインタフェース判別回路90に接続される構成として、SATAコネクタ10を通じて電源が供給されていなければ、USBポート20を通じて電源が供給されていると判断することができるので、これによっても接続インタフェースの判別が可能となる。
【0042】
・変形例2:
前記第2実施例では、接続インタフェースとしてSATAとUSBとを用いているが、接続インタフェースの種類はこれらに限られない。例えば、PATAやIEEE1394、PoE(Power over Ethernet(登録商標))対応のLANインタフェースなど、SSD等の記憶装置に給電可能な種々の接続インタフェースを適用することが可能である。
【0043】
・変形例3:
前記実施例では、データ記憶部としてのフラッシュメモリ50を、NAND型のものとしていたが、これに換えて、FRAM、MRAM等としてもよい。また、前記実施例では、本発明をSSDに適用することとしたが、本発明は、ハードディスクや光ディスク、磁気ディスク等を記録媒体とする記憶装置に対しても適用することが可能である。この場合、例えば、ハードディスクや光ディスク、磁気ディスク等の回転数を増減させることで、接続インタフェースに応じて消費電力を調整することが可能である。
【0044】
・変形例4:
前記実施例において、ハードウェアによって実現した機能は、ソフトウェアによって実現するものとしてもよい。例えば、パッシブスイッチ70および/またはインタフェース判別回路90を、SSDコントローラ30のCPUにより実行されるソフトウェアよって実現する構成とすることもできる。
【0045】
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明はこれらの実施例および各変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…SATAコネクタ
20…USBポート
30…SSDコントローラ
32…SPIフラッシュ
40…USB/SATAブリッジチップ
42…SPIフラッシュ
50…フラッシュメモリ
60…第1信号線
61…信号線部分
62…信号線部分
70…パッシブスイッチ
80…第2信号線
82…第3信号線
90…インタフェース判別回路
92…信号線
94…電源線
100…SSD
200…ホスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを不揮発的に記憶可能なデータ記憶部を備える記憶装置において、
前記データ記憶部へのデータの読み書きを制御する制御部と、
第1の規格に則ったインタフェースが接続可能な第1の接続部と、
第2の規格に則ったインタフェースが接続可能な第2の接続部と、
前記第1の接続部と前記制御部との間を結ぶ第1の接続線と、
前記第2の接続部に接続され、前記第2の接続部における入出力信号を、前記第2の規格に則った信号から第1の規格に則った信号に変換するための信号変換部と、
前記第1の接続線の中途の点と前記信号変換部との間を結ぶ第2の接続線と、
前記中途の点に設けられ、前記制御部と前記第1の接続部との間が接続状態で、かつ前記制御部と前記信号変換部との間が非接続状態となる第1のモードと、前記制御部と前記第1の接続部との間が非接続状態で、かつ前記制御部と前記信号変換部との間が接続状態となる第2のモードとの切り替えを行うスイッチ部と
を備える記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶装置であって、
前記第1の接続部または前記第2の接続部を通じて接続されたインタフェースの種類を判別する判別部を備え、
前記スイッチ部は、
前記判別されたインタフェースの種類に応じて、前記第1のモードと前記第2のモードとの切り替えを行う構成である、記憶装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記憶装置であって、
前記判別部は、前記第1の接続部および前記第2の接続部が備える電源入力端子のうち、少なくとも一方の電源入力端子の電圧を検出することで、前記判別を行う、記憶装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の記憶装置であって、
前記第1のインタフェースは、SATAの接続インタフェースであり、
前記第2のインタフェースは、USBの接続インタフェースである、記憶装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−43025(P2012−43025A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181222(P2010−181222)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】