説明

記録再生装置、記録管理方法、記録媒体、並びにプログラム

【課題】大容量ストレージ機器に適切な記録コンテンツ管理の実現。
【解決手段】入力されたコンテンツデータを記録媒体に記録し、また記録媒体からコンテンツデータを再生することのできる記録再生手段と、記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行うことができるコンテンツ状態管理手段と、記録媒体に記録したコンテンツデータについて、コンテンツ状態管理手段において削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像、音声、テキストなどの各種データによるマルチメディアコンテンツを記録再生する記録再生装置、及び記録したマルチメディアコンテンツについての記録管理方法、記録媒体、並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像データ、オーディオデータなどを記録再生するAV機器、例えば磁気テープや光ディスク、光磁気ディスク、メモリカードなどを記録媒体とするビデオテープレコーダやディスクレコーダ/プレーヤとして各種のものが普及しているが、近年では、例えばHDD(ハードディスクドライブ)などの大容量記録媒体を用いて、映像、音楽、データファイルその他の多様なコンテンツ(マルチメディアコンテンツ)を記録再生する機器が開発されている。
例えば、デジタル放送チューナにHDDを記録媒体とする記録再生部を設けて、放送番組を記録できる記録再生装置などとして実現されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のビデオテープレコーダー等では、記録可能な容量が小さいため、ユーザーはビデオテープ等に記録させた映像内容等を把握でき、また不要であれば上書記録することで使用していくため、記録したコンテンツを自動的に管理すること、例えば不要なコンテンツを自動的に消去するなどは必要とされなかった。
また、装置が各コンテンツの内容その他を把握するための電子的な付加情報もないため、コンテンツの自動管理ができないものでもあった。
【0004】
ところが近年の、大容量、ランダムアクセス可能なハードディスクを使ったデジタルオーディオ/ビデオレコーダーにおいては、ストレージの容量が大きいことから、ユーザーが全ての記録内容を把握することが難しくなり、またユーザが自分で不要のコンテンツを削除するような管理が面倒になっている。また、いくら大容量の記録媒体であっても、不要なコンテンツをいつまでも残しておくことと、いつかは容量的に一杯となってそれ以上記録できない事態となる。
このため装置側で自動的にコンテンツ管理を行うことがユーザーの使用性向上のために要望されている。
【0005】
また通常の録画予約では、ユーザが予約操作を行っている際に、録画に必要な蓄積装置の容量を確保できないと判断された場合、ユーザとの対話形式でコンテンツを消去することが可能である。
しかしながらHDDを用いた記録再生装置では、放送番組を、例えばユーザーの嗜好や視聴履歴などに基づいたり、或いは放送局やサービスサイトから推薦される番組を自動録画する機能も備えられており、そのような自動録画の実行に関してはユーザは操作を行わない。つまりユーザーの意志によらずに録画が行われるのであるが、その場合、容量が不足しても、ユーザーとの対話形式で不要なコンテンツを削除していくことができない。
このことからも、蓄積装置の記録領域を常に確保するため、自動消去を行うコンテンツ管理が要望されている。
【0006】
ここで例えばHDDに記録したコンテンツの自動管理の手法としては、例えば古いコンテンツから自動削除するような自動削除機能が知られている。即ちコンテンツの記録日時を管理しておき、必要に応じて記録日時が古いものから順に削除していく。
しかしながらこの場合、或るコンテンツが古いという理由だけで削除されるため、ユーザーにとって適切でない場合がある。例えばユーザーが気に入って何度も再生を楽しんでいるコンテンツを、古くなったからといって削除してしまうのは適切でない。
【0007】
また、特開平11-18039号公報に開示されているように、コンテンツが再生されたかどうか、或いは再生された回数の情報を利用して、コンテンツの自動消去を行うものがある。しかし再生の有無や回数に基づいて自動削除の対象を判断する方式にも、適切とは言えない場合がある。
例えば、ニュース番組は一回見たら普通削除してもいいが、ミュージックビデオの場合は再生回数が多ければ多いほど、ユーザが再視聴の可能性が高く、削除対象になるべきではない。
【0008】
また、特開2000-21136号公報に開示されているように、記録したコンテンツごとに「無条件保存」「視聴済みになったら自動削除」「保存期限が過ぎたら自動削除」「無条件自動削除」の4レベルをユーザが選択し、システムがユーザの指定通りにコンテンツを管理する方式もある。これにより、ユーザーの意志が反映されて、不適切な削除が行われないようにすることができるが、コンテンツごとに、ユーザが多段階の管理レベルを指定する必要があることで、ユーザにとって面倒である。例えばユーザーは、各コンテンツについて、どの管理レベルにするかの意志決定に迷ったり、複数段階の管理レベルの指定操作が面倒と感じる。
また、ユーザが大部分のコンテンツに対して「無条件保存」や「視聴済みになったら自動削除」などを指定してしまうと、削除実行が必要とされるときに削除できるコンテンツが存在しないといった事態が生ずる可能性もある。
【0009】
HDD等を用いたマルチメディアコンテンツ記録再生装置のストレージ容量の大容量化が、速いスピードで進んでいる現状を考えると、ユーザーにとって記録したコンテンツの管理は、ますます困難化することが予測され、不要なコンテンツを自動削除するというコンテンツ管理は重要となるが、上記各方式は、ユーザーの意志にそぐわない削除を行ってしまう可能性や、或いはユーザーに比較的大きな操作負担をかけたり必要な削除が実行できない場合があるなどのことから、必ずしも適切な自動削除制御とはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、マルチメディアコンテンツの記録再生装置、或いはその記録管理方法として、ユーザーにとって大きな操作負担を強いず、そのうえで適切な自動削除が行われるようにすることを目的とする。
【0011】
このため本発明の記録再生装置は、入力されたコンテンツデータを記録媒体に記録し、また記録媒体からコンテンツデータを再生することのできる記録再生手段と、上記記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行うことができるコンテンツ状態管理手段と、上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記コンテンツ状態管理手段において削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除制御手段とを備える。
この場合、上記上限値は、上記記録媒体の容量の所定割合の容量値として設定されることで、削除禁止管理される1又は複数のコンテンツデータの総容量が上記所定割合の容量値以内とされるものとする。
また上記コンテンツ状態管理手段は、上記記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、或るコンテンツデータについて削除禁止を指示する操作入力がなされた場合に、当該コンテンツデータを削除禁止とすることで上記上限値を越えるか否かを判断し、上限値を超えないと判断した場合に、当該コンテンツデータを削除禁止として管理する。
【0012】
本発明の記録管理方法は、記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行う管理手順と、上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除手順とが行われるようにする。
この場合、上記上限値は、上記記録媒体の容量の所定割合の容量値として設定されることで、削除禁止管理される1又は複数のコンテンツデータの総容量が上記所定割合の容量値以内とされるようにする。
また上記管理手順では、上記記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、或るコンテンツデータについて削除禁止を指示する操作入力がなされた場合に、当該コンテンツデータを削除禁止とすることで上記上限値を越えるか否かを判断し、上限値を超えないと判断した場合に、当該コンテンツデータを削除禁止として管理する。
【0013】
以上の本発明によれば、ユーザーは、自動削除されたくないコンテンツについては、削除禁止管理を指示できるようにし、削除禁止管理されたコンテンツデータは自動削除の対象から外されるようにすることで、ユーザーの望まない自動削除は行われない。
このとき削除禁止管理については、上限値を設け、むやみに大量のコンテンツデータを削除禁止管理できないようにすることで、自動録画の際などの記録領域を確保できる。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から理解されるように本発明によれば、削除禁止管理については、上限値を設け、むやみに大量のコンテンツデータを削除禁止管理できないようにすることで、自動録画の際などの記録領域を確保できる。
【0015】
そして以上のことから、ユーザーに大きな操作負担をかけずに、自動削除の際に削除対象として適切なコンテンツデータが選ばれて削除され、これによって記録媒体の記録可能な残り容量も確実に確保されるため、大容量のマルチメディアコンテンツのストレージ機器における記録管理として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態の記録再生装置は、デジタル衛星放送受信機に例えばHDDドライブなどによる記録再生機能が設けられて成るものとする。もちろん、本発明の記録再生装置がこのような構成に限定されるものではない。説明は次の順序で行う。
1.記録再生装置のハードウエア構成
2.記録再生装置の機能ブロック構成
3.コンテンツ年齢の加算処理
4.録画時の自動削除
5.削除禁止管理
6.録画済コンテンツ一覧表作成処理
7.変形例
【0017】
1.記録再生装置のハードウエア構成
図1は、本発明の実施の形態としての記録再生装置1のハードウエア構成を示している。
この記録再生装置11は、デジタル衛星放送受信機に映像記録再生機能が付加された装置であり、膨大な記憶容量を備えるHDD(ハードディスクドライブ)85に数多くの映像を録画することができるとともに、ユーザの意図を的確に把握して録画映像の保存管理に反映することができるものである。
なお、この記録再生装置11は、AV機器として実装することができ、例えば、セットトップボックスのようなテレビジョン受信機と一体で構成することもできる。
【0018】
デジタル衛星放送として、例えばここでは図示しない通信衛星又は放送衛星から送信された放送波は、パラボラアンテナ3aにより受信され、記録再生装置11のチューナ71に供給される。この放送波には規定のフォーマットにしたがって電子番組情報のデータ(以降、EPG(Electronic Program Guide) データという)が重畳されている。
【0019】
放送衛星や通信衛星等によって、テレビジョン信号をデジタル信号化して伝送し、例えば各家庭においてこの放送信号を受信して視聴するデジタル衛星放送システムにおいては、例えば150近くあるチャンネルを確保することが可能であるため、例えばこれまでの地上波による放送と比較しても、非常に多くの番組を放送することができる。
そこで、デジタル衛星放送システムでは、多くの番組のなかから所望の番組を確実に選択できるようにするために、放送番組についての情報である、電子番組ガイド(EPG) の情報を伝送するようにしている。デジタル衛星放送受信装置側では電子番組ガイドのデータに基づいて番組ガイド表を作成して表示出力可能に構成されている。この番組ガイド表は、GUI(Graphical User Interface)として構成されており、例えばユーザは、この番組ガイド表に対する操作を行うことで所望の番組を選択することなどができるようになっている。
またEPGには番組のジャンル、例えばニュース、スポーツ、ドラマなどの種別が含まれており、EPGを利用することで、放送中の番組をジャンル毎にグループ化して管理することができるため、これを利用して大量のチャンネルの中から見たいジャンルの番組を検索することや、或いはユーザーが嗜好するジャンルの番組を自動録画することなども可能とされている。
【0020】
なお、上記受信される放送波としては、デジタル衛星放送波の他に有線放送波や地上波などの何れとされても構わない。また、受信した放送波がアナログ信号又はデジタル信号の何れとされるかによって、チューナ2部及び以降説明する各機能回路部の内部構成は適宜変更されることになる。
【0021】
チューナ71 は、CPU81の制御に基づいて、所定チャネルの放送波のチューニングすなわち選局を行い、受信データを復調器72 に出力する。
復調器72は、デジタル変調されている受信データを復調し、デコーダ73 に出力する。
例えばデジタル衛星放送の場合、放送波からチューナ71により受信され、復調器72により復調されたデジタルデータは、MPEG2方式で圧縮されたAVデータ、およびデータ放送用データが多重化されているトランスポートストリームである。AVデータとは、放送コンテンツ本体を構成する映像情報および音声情報であり、データ放送用データとは、放送コンテンツ本体に付随するデータ、即ち例えば上述したEPGデータである。
【0022】
デコーダ73は、復調器72より供給されたトランスポートストリームを、MPSG2方式で圧縮されたAVデータとデータ放送用データに分離する。デコーダ73 はまた、MPEG2方式で圧縮されたリアルタイムAVデータを、圧縮映像データと圧縮音声データに分離する。
分離された音声データは、PCM(Pulse Code Modulation )デコードされた後、付加音と合成され、ミキサ(MUX)75 を介してスピーカ93 に出力される。
また、分離された映像データは、伸張された後、コンポーザ77を介してディスプレイ94 に出力される。
RAM74は、デコーダ73によるこれらの作業データを保存することができる。
スピーカ93は、ミキサ75より供給された音声信号を出力する。またディスプレイ94は、コンポーザ77より供給された映像信号を表示(再生)する。
【0023】
デコーダ73はまた、トランスポートストリームから分離されたデータ放送用データ(EPGデータ)を、バス79を介してCPU81に供給する。これによりCPU81は、所定のアプリケーションに従って所定の処理を実行し、EPG一覧表または再生スケジュール表などの作成に利用することができる。
【0024】
ユーザインタフェース制御部76は、ユーザからの入力操作を処理するモジュールであり、例えば、ユーザにより、操作ボタンまたはスイッチから構成されるリモートコマンダ91が操作されることにより、赤外線発光部(図示せず)から発光された操作信号(IR信号)を受光部76aで受光し、電気信号としての入力操作信号に変換してCPU81に出力する。
なお、もちろん装置筐体パネルに操作スイッチ等が形成され、ユーザーがそのようなパネル上の操作スイッチを操作できるようにしてもよい。その場合、パネル上の操作スイッチによる操作を、ユーザインターフェース制御部76が検出し、操作情報としてCPU81に供給する。
【0025】
グラフィック処理コントローラ78は、CPU81の制御に基づいて、画面を生成する専用コントローラであり、例えば、SVGA(Super Video Graphic Array )または、XGA(eXtended Graphic Array )相当の高精細な描画機能を備えている。
このグラフィック処理コントローラ78は、例えば、GUI(Graphical User Interface )操作画面、EPG一覧画面、あるいは、スケジュール画面等を描画する。
これらの描画画面データはコンポーザ77において、放送映像等と合成され、或いは切り換えられてディスプレイ94に出力されることで、ユーザーに対して表示される。
【0026】
通信制御部80は、電話回線やケーブルなどによる有線の通信を制御する。この通信制御部80を介して外部のサーバシステムと通信を行うことにより、放送コンテンツ、EPGデータ、あるいは、推薦録画番組データの授受が行われる。また、通信制御部80 を介して、外部の機器と通信を行うことにより、データの授受が行われる。
【0027】
CPU81は、記録再生装置11の全体の動作を制御するメインコントローラであり、オペレーティングシステム(OS)により提供されるプラットフォーム上で各種のアプリケーションを実行する。
このCPU81は、例えば、リモートコマンダ91およびユーザインターフェース制御部76を介して入力された操作信号に基づいて、放送受信及び出力、コンテンツの録画/再生、EPGデータを用いた放送番組管理、HDD85に記録したコンテンツ管理、グラフィック処理コントローラ78による管面表示データの生成などのための所要の制御を実行する。
【0028】
RAM82は、CPU81の実行プログラムをロードしたり、実行プログラムの作業データを書き込むために使用される、書き込み可能な揮発性メモリである。
ROM83 は、記録再生装置11の電源オン時に実行する自己診断・初期化プログラムや、ハードウェア操作用の制御コードなどを格納する読み出し専用メモリである。
【0029】
IEEE(The Institute of Electrical andElectronics Engineers )1394インターフェース84 は、数10MBps程度のデータ送受信が可能なシリアル高速インターフェースである。IEEE1394ポート84aには、IEEE1394対応の機器、例えばビデオカメラ92等を接続することができ、これらの接続機器との間でデータ通信を実行できる。
【0030】
ハードディスクドライブ(HDD)85は、プログラムやデータなどを所定フォーマットのファイル形式で蓄積することができる、ランダムアクセスが可能な記憶装置であり、例えば、数10GB程度(または100GB以上)の大容量を備えている。
HDD85はまた、ハードディスクインタフェース86を介してバス79に接続されており、CPU81の制御に基づいて、デコーダ73或いは通信制御部80から供給されるデータや制御情報の記録再生が行われる。例えばEPGデータ、放送コンテンツ、コンテンツの状態、推薦録画番組表、コンテンツ年齢や消去禁止情報等の記録/再生が行われる。例えば図2で後述する蓄積映像データベース50、EPGデータベース43、コンテンツ状態データベース56などは、HDD85において構築される。
HDD85から再生された放送コンテンツ等の映像データは、コンポーザ77を介してディスプレイ94に供給され、映像出力される。また再生された音声データは、ミキサ75を介してスピーカ93に供給され、音声出力される。
【0031】
2.記録再生装置の機能ブロック構成
図2は、上記ハードウエア構成の記録再生装置11において本実施の形態の動作、即ち主に放送番組(コンテンツデータ)の録画やその録画したコンテンツデータの管理を実現するために構成される機能ブロックを示したものである。
【0032】
放送波受信部41 は、アンテナ3a により受信された放送コンテンツ、およびEPGデータの入力を受け、それらのデータに対して、復調処理およびエラー訂正処理などの所定の処理を施す。即ち図1のチューナ71,復調器72,デコーダ73がCPU81の制御に基づいて実行する機能を示している。
【0033】
EPG抽出部42 は、放送波受信部41 により受信されたデータの中から、EPGデータを抽出し、EPGデータベース43に記憶させる。即ち図1のデコーダ73によるEPGデータ抽出、CPU81への転送、CPU81の制御による、HDD85に構築されるEPGデータベースへのEPGデータの書込動作機能である。
なお、EPGデータをインターネット通信等により外部サーバから取得する場合は、EPG抽出部42は通信部58(図1の通信制御部80)で得られる情報としてEPGデータを抽出する。
【0034】
上述したようにEPGデータには、各放送番組(コンテンツ)毎に、タイトル、ジャンル、チャンネル、放送日時(開始/終了時刻やそれによる時間長(データサイズ))、出演者、解説、その他各種の情報が含まれている。
EPGデータベース43は、図3に示すように、各コンテンツについてこれらタイトル、ジャンル等のEPGデータを格納するものとなる。なお、本例では各コンテンツのEPGデータを、コンテンツデータ毎に与えられたコンテンツID(ID1,ID2・・・)を基準に管理するようにする。このコンテンツIDは、後述する蓄積映像データベース50やコンテンツ状態データベース56のデータとの対応付けに用いられる。
【0035】
録画予約部44は、将来放送されるコンテンツが録画処理部45 において録画されるように、事前に、所望の放送コンテンツを登録(予約)する。
録画の登録としては、ユーザに対してEPG一覧表を提示し、ユーザーが操作入力によりEPG一覧表から録画したい番組を選択することに応じて実行する予約登録(ユーザーの意志による予約録画の登録)や、あるいは、ユーザの嗜好や習慣などに基づいて自動的に録画を行うための予約登録(ユーザーの操作によらない自動録画の登録)が行われる。また、通信部58を介して、サービスが提供する推薦番組を予約登録する場合もある。
この録画予約部44の機能はCPU81の処理によって実現される。また予約登録の情報はHDD85に記憶される。或いはCPU81がアクセス可能なフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えていれば、そのフラッシュメモリ等に登録情報を記憶させても良い。
【0036】
録画処理部45は、録画予約部44により録画予約されていた放送コンテンツが放送される際に、そのコンテンツをHDD85に録画する機能である。録画処理部45はまた、現在放送中のコンテンツを手動または自動で録画することも可能である。その際、録画に必要な空き容量を確保するため、自動でコンテンツの削除を行う。
録画開始の際の処理、特に容量確保のための自動削除の処理については図7を参照して後述する。
録画処理部45の機能はCPU81、HDDインターフェース86、HDD85の動作により実現される。
【0037】
録画処理部45の機能によってHDD85に録画されていくコンテンツは、HDD85において蓄積映像データベース50のデータファイルといて記録されていく。
即ち蓄積映像データベース50は、録画処理部45により録画された各コンテンツを図4のように蓄積する。この蓄積映像データベース50に蓄積される映像データは、例えば、放送チャンネル、放送日時(録画日時)、あるいは、EPGデータより取得されるコンテンツIDなどと関連付けられて、MPEG2(Moving Picture Experts Group2 )圧縮形式で記録される。
【0038】
コンテンツ管理部46は、EPGデータベース43に蓄積されている個々のコンテンツ情報(EPGデータ内容)と、蓄積映像データベース50に蓄積されている個々の映像データとの対応付けを行う。
この対応付けには、例えば、コンテンツIDが用いられ、図3,図4に示したように、EPGデータベース43および蓄積映像データベース50の両方に、予め同じコンテンツIDが記録される。
例えば図4では、コンテンツIDとしてEPGデータベース43におけるID1、ID3、ID4のコンテンツが録画された状態を示しているが、蓄積映像データベース50において、各圧縮コンテンツファイルに当該コンテンツIDが付されていることで、実際に録画した各コンテンツデータ(圧縮コンテンツファイル)に対応するEPGデータ内容が関連ずけられた状態となる。
なお、圧縮コンテンツファイル内に、対応するEPGデータ内容が記録されるようにしてもよい。
【0039】
また、録画した、或いは録画予約されたコンテンツデータについては、そのコンテンツの状態データが、録画予約部44または録画処理部45からコンテンツ管理部46に通知される。
上記のように対応付けられたコンテンツ情報(EPGデータ)と映像データ(圧縮コンテンツファイル)は、「録画予約」や「録画済み」などのコンテンツの状態データとともに一括管理される。
コンテンツの状態データには、コンテンツの「削除禁止」情報や、「コンテンツ年齢」情報、コンテンツの「記憶容量」や「記録日時」も格納される。
【0040】
即ち、コンテンツ管理部46によっては、例えばHDD85内に図5のようなコンテンツ状態データベース56が構築される。
コンテンツ状態データベース56には、コンテンツ管理部46により各コンテンツが登録される。
例えばコンテンツ状態データベース56には、録画予約されたコンテンツ及び録画されたコンテンツがコンテンツIDを基準に管理され、各コンテンツに対して、コンテンツ状態として、録画予約中/録画済の情報が記録される。
また後述するが、ユーザーの削除禁止指定に応じて削除禁止情報が記録される。
また年齢管理部57によりコンテンツ年齢が更新されながら保持される。
また、コンテンツの容量(データサイズや時間長)が記録される。
また日時情報が記録される。日時情報としては、例えばコンテンツのHDD85への録画日時(録画予定日時)や、当該コンテンツ状態データベース56の情報の更新日時、例えばコンテンツ状態、削除禁止情報、コンテンツ年齢等の情報の更新日時が記録される。
【0041】
また、コンテンツ管理部46は、このようにコンテンツ状態データベース56を管理しながら、コンテンツの「記憶容量」や「記録日時」、および、コンテンツの「削除禁止」情報や、「年齢」情報を録画処理部45に対して与える。録画処理部45は後述する自動削除処理の際にこれらの情報を参照する。
コンテンツ管理部46としての機能はCPU81の処理により実現される。
【0042】
年齢管理部57は、図6で後述するように、記録済みコンテンツの加齢処理を行い、コンテンツの年齢を加算する。そしてコンテンツ状態データベース56におけるコンテンツ年齢の情報を更新していく。
また年齢管理部57は、後述する図9の処理やその他の処理のためにユーザインタフェース制御部52より供給されたコンテンツIDに基づいて、コンテンツ状態データベース56を参照し、そのコンテンツに対応する年齢データを読み出し、ユーザインタフェース制御部52に返信する。
年齢管理部57としての機能はCPU81の処理により実現される。
【0043】
コンテンツ表管理部47は、EPG一覧表、録画済みコンテンツ一覧表、および、再生スケジュール表などを作成する。
コンテンツ一覧表示部48 は、ユーザインタフェース制御部52を介してコンテンツ表管理部47より入力されたEPG一覧表、録画済みコンテンツ一覧表、または、再生スケジュール表をディスプレイ94に表示させる。
コンテンツ表管理部47,コンテンツ一覧表示部48の機能は、CPU81、グラフィック処理コントローラ78、コンポーザ77等の処理により実現される。
【0044】
コンテンツ選択部49は、コンテンツ一覧表示部48によりディスプレイ94に表示された録画済みタイトル一覧表などにおいて、ユーザによりカーソル操作されることにより選択されたコンテンツを特定する。
特定(選択)されたコンテンツに対応する映像データは、蓄積映像データベース50 より読み出され、再生処理部51に出力される。
再生処理部51は、蓄積映像データベース50に蓄積されている映像データ(圧縮コンテンツファイル)を読み出し、映像と音声に分離し、それらをMPEG方式で伸張する。
即ち、コンテンツ選択部49、再生処理部51は録画したコンテンツの再生出力のための機能であり、図1のCPU81、ユーザインターフェース制御部76、デコーダ73、コンポーザ77、ミキサ75等の処理により実現される。
【0045】
ユーザインタフェース制御部52は、映像データあるいはコンテンツの情報(例えば、番組名など)の一覧をユーザに提示する方法を制御する。
すなわち、ユーザインタフェース制御部52は、コンテンツ選択部49により選択されたコンテンツのコンテンツIDを年齢管理部57に問い合わせ、対応するコンテンツの年齢を取得し、年齢に基づいて、コンテンツの提示方法を変更する。これにより、例えば、各コンテンツに対するタイトルの文字の大きさや色、タイトルの近くに表示される削除予定マークなどが変更される。
【0046】
また、ユーザインタフェース制御部52は、各コンテンツに対して、「削除禁止」マークをユーザに入力させることができる。このマークのついているコンテンツは、自動削除の対象とはならない。
ユーザーが削除禁止マークを入力したコンテンツについては、コンテンツ状態データベース56において削除禁止情報が記録され、即ち削除禁止コンテンツとして管理されることになる。
本例では、「削除禁止」マークのついているコンテンツの総量の上限を設けることで、むやみに大量のコンテンツが削除禁止管理されないようにし、この仕組みにより、HDD85において録画に必要な容量を常に確保できるようにする。
削除禁止入力に関する処理は図8で後述する。
【0047】
映像表示部53は、ユーザインタフェース制御部52を介して再生処理部51より入力された映像を表示(再生)する。
音声再生部54 は、ユーザインタフェース制御部52 を介して再生処理部51より入力された音声を出力(再生)する。
【0048】
通信部58は、電話回線やケーブルなどによる有線の通信を制御する。この通信部58を介してサービスの提供するサーバシステムと通信を行うことにより、EPGデータや推薦録画番組一覧等を得ることができる。この一覧表を用いて、録画予約部44は、自動録画の予約登録を行うことが可能である。
【0049】
ユーザ情報管理部59は、ユーザ情報(例えば、ユーザID、パスワード、氏名、住所、および嗜好など)の入力または変更を可能にする。これらの情報をサービスの提供するサーバシステム に送信することで、ユーザに応じた推薦録画番組の一覧の配信をうけることができる。
【0050】
ユーザ情報登録部60は、ユーザにより入力されたユーザ情報(例えば、ユーザID、パスワード、氏名、住所、および嗜好など)を登録する。登録されたユーザ情報は、ユーザ情報管理部59 および通信部58を介してサーバシステム に送信される。これにより、サーバシステム の顧客データベースでは、ユーザ情報(顧客情報)のエントリの追加あるいは変更が行われる。
【0051】
3.コンテンツ年齢の加算処理
上記の機能構成からわかるように、本例の記録再生装置11では、各放送番組(コンテンツ)についてのEPGデータがEPGデータベース43に管理される。また、コンテンツが録画されると、そのコンテンツは圧縮コンテンツファイルとして蓄積映像データベース50に格納される。そして各圧縮コンテンツファイルと各EPGデータは例えばコンテンツIDにより対応づけられた状態とされる。
さらに、録画されたコンテンツや録画予約されたコンテンツについては、コンテンツIDで対応づけられてコンテンツ状態データベース56で、各種情報が管理される。
【0052】
HDD85に記録したコンテンツの管理としては、録画を実行しようとする際の記録容量の確保のために、不要なコンテンツを自動削除する管理が重要となることは先に述べた。
本例では、この自動削除の際の削除するコンテンツ選択の指標として、コンテンツ年齢を用いる。コンテンツ年齢は、コンテンツ状態データベース56に記録され、また年齢管理部57によって加齢処理されていくものであるが、このコンテンツ年齢とは、コンテンツの記録日時からの経過時間と、そのコンテンツのジャンルに応じて算出される値とされる。
即ち、年齢管理部57は、コンテンツ状態データベース56において録画済とされている各コンテンツについては、コンテンツ年齢の加齢更新処理を逐次実行していくものであるが、この処理を図6に示す。
【0053】
年齢管理部57は、図6に示すようなアルゴリズムにより、コンテンツ状態データベース56において録画済とされている各コンテンツの年齢を更新する。
コンテンツ年齢の更新のタイミングは、たとえば数十分〜数時間間隔で行うのが適当である。
【0054】
年齢管理部57は、図6の処理におけるステップF101として、コンテンツ管理部46に問い合わせて、各コンテンツの属するカテゴリを検索する。
年齢管理部57は、コンテンツ状態データベース56においてコンテンツ状態の情報が「録画済」とされている全てのコンテンツを対象としてコンテンツ年齢更新処理を行うが、ステップF101では録画済のコンテンツの1つを指定して、カテゴリを検索する。この場合、コンテンツ管理部46は、コンテンツIDに基づいてEPGデータベースを検索し、当該コンテンツのジャンル情報を得ることで、年齢管理部57にコンテンツのカテゴリ(ジャンル)を通知する。
【0055】
年齢管理部57は、カテゴリ毎の加齢処理のための加算係数を保持している。放送番組のカテゴリとしては、ニュース、ドラマ、バラエティ、スポーツ、音楽、映画などのジャンルがあるが、これらのジャンルに応じて、年齢加算に関する係数が設定されているものである。例えばニュースなど即時性の高いジャンルは、日時が経過するにつれてコンテンツの重要性は低くなる。一方、音楽などではユーザーが繰り返し視聴したいコンテンツもあり、例えばユーザーの好みのアーティストの音楽映像などは日時の経過によって重要度が低くなることはない。
このようなジャンル毎の性格をコンテンツ年齢に反映させるため、ニュースなどでは高い係数値、音楽コンテンツなどでは低い係数値が設定されている。
このジャンル毎の係数値については、予め設定されていても良いし、ユーザーが係数値を設定したり変更できるようにし、ユーザーがなるべく長く保存したいジャンルについて加算係数値を低くできるようにすると好適である。
【0056】
そして年齢管理部57は、ステップF102では、コンテンツのカテゴリに応じた加算係数値を取り出す。
ステップF103では、現在日時について、前回コンテンツ年齢を更新した日時からの経過時間を計算する。即ちコンテンツ状態データベース56における更新日時の情報を参照して、その更新日時からの経過時間を算出する。
ステップF104では、上記算出した経過時間に、上記取り出した加算係数値を乗算して加算する年齢値を求める。そしてその加算する年齢値を、コンテンツ状態データベース56に記録されているコンテンツ年齢の値に加算して新たなコンテンツ年齢とし、コンテンツ状態データベース56におけるコンテンツ年齢の値を更新する。この際、更新日時の情報も、現在時刻に更新する。
【0057】
ステップF105では、以上のようなコンテンツ年齢の更新を、HDD85に記録済の全てのコンテンツデータについて完了したか否かを判断し、完了してなければステップF101に戻って、次のコンテンツデータに対する加齢処理を行う。
全ての記録済コンテンツデータについて、ステップF101〜F104の加齢処理を行ってコンテンツ状態データベース56におけるコンテンツ年齢の値を更新したら、ステップF105から処理を終える。
【0058】
このようなコンテンツ年齢の加齢処理が行われることで、例えば、ニュースなど、時事性が高く早く削除されてしまっても構わないコンテンツについては、コンテンツ年齢が早く進むことになる。一方、ドラマや映画、音楽番組など、比較的長く保持されることが望ましいコンテンツは、コンテンツ年齢の進みかたが遅いものとなる。
もちろん、上記のようにジャンルに応じた係数をユーザーが設定・変更できるようにすれば、長く保存したいジャンルと早く削除されてもかまわないジャンルとで、ユーザーの意志に応じてコンテンツ年齢の進み具合を設定できる。
【0059】
4.録画時の自動削除
録画処理部45は、録画予約部44での録画予約(ユーザー操作による録画予約や、自動録画予約)、或いはユーザーの手動録画操作に応じて放送番組をHDD85に録画していく処理を行う。
そして録画実行に際して、HDD85の記録可能な残り容量が十分でないときは、既にHDD85に記録されているコンテンツの自動削除処理も行う。
【0060】
このため録画処理部45は、予約登録或いは操作に応じて録画を実行する際には図7の処理を行う。
まず、録画の実行に際して、ステップF201で、今回のコンテンツの録画に必要なストレージ容量がHDD85に残されているか否かを確認する。録画しようとするコンテンツデータのデータサイズは、EPGデータベース43に記録された、当該コンテンツのEPGデータにおける録画日時(開始・終了時刻/データサイズ)によって判別することができる。従って、HDD85の記録可能容量を判別して、それが録画しようとするコンテンツのデータサイズより大きいか否かを確認する。
【0061】
HDD85において、録画に必要なストレージ容量が確保できるのであればステップF204に進み、録画処理を開始する。
一方、HDD85において、録画に必要なストレージ容量が確保できない場合は、ステップF202、F203で自動削除処理を行う。
【0062】
ステップF202では、コンテンツ状態データベース56において録画済とされたコンテンツを抽出し、さらに録画済のコンテンツの中で、削除禁止管理されていないコンテンツを抽出する。
削除禁止管理とは、ユーザーが削除禁止に指定したコンテンツについて、コンテンツ状態データベース56において削除禁止情報を付して管理することである。削除禁止管理については後述する。
【0063】
ステップF202で、録画済コンテンツであり、しかも削除禁止管理されていないコンテンツを抽出したら、ステップF203で、自動削除を実行する。
この場合、抽出した削除禁止管理されていない全てのコンテンツについて、コンテンツ年齢をチェックし、録画に必要なストレージ容量が確保できるまで、コンテンツ年齢が高い順にコンテンツをHDD85から削除していく処理を行うものとなる。
即ち、まず一番コンテンツ年齢の高いコンテンツを削除して、削除した状態でHDD85の記録可能容量を確認し、今回の録画が可能となったか否かを判断する。録画のための容量が確保できれば、これで自動削除を完了するが、確保できなければ、次にコンテンツ年齢の高いコンテンツの削除を行い、再び録画のための容量が確保できたか否かを確認する。
このように、コンテンツ年齢の高い順に、自動削除を行っていき、今回の録画ための容量を確保する。
【0064】
このような自動削除処理によって、HDD85での容量が確保できたら、ステップF204に進んで録画処理を開始する。
【0065】
録画処理部45が、このように必要に応じて自動削除を行うことで、常に録画は実行可能となる。
そして録画の実行に必要な記録域を常に確保することが可能になることで、システムが推薦する番組やネットワークに接続したサービスが推薦する番組を常に自動的に録画することも可能になる。
また、ユーザが削除禁止としたコンテンツは自動削除の対象から除外されるため、ユーザーの異にそぐわない削除が行われることはない。
また後述するが、削除禁止管理できるコンテンツには上限が設けられるため、自動削除できるコンテンツがなく、録画のための容量確保ができないといった事態も生じない。
また、自動削除は、上記図6の処理で加齢されていくコンテンツ年齢の高いものから行われていく。上述の通り、コンテンツ年齢は記録日時からの経過時間とジャンルに応じて加齢されるものであるため、比較的保存の重要性の低いものから自動削除されることになり、適切に自動削除されるコンテンツが選択されることになる。
もちろん加齢アルゴリズムの調節により、よりユーザーの意図に近い自動削除に近づけることが可能である。
【0066】
5.削除禁止管理
ユーザーインターフェース制御部52、コンテンツ管理部46の処理により、ユーザー操作に応じたコンテンツの削除禁止管理が行われる。
この場合の処理を図8に示す。
【0067】
ユーザーインターフェース制御部52はステップF301として、コンテンツ表管理部47が作成した録画済みコンテンツ一覧表をコンテンツ一覧表示部48によりユーザーに提示し、削除禁止にしたいコンテンツをユーザーに選択させる。
ユーザは、ユーザインタフェース制御部52の提供する、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を操作して、コンテンツの情報(例えば、番組名など)の一覧から、「削除禁止」にしたいコンテンツを選択する。
【0068】
ユーザーが削除禁止にしたいコンテンツを指定する入力を行ったら、ユーザーインターフェース制御部52は、その入力情報をコンテンツ管理部46に通知する。コンテンツ管理部46は、ステップF302として、削除禁止管理するコンテンツの総量が、上限値を越えるかどうかを判断する。
上限値としては、例えばHDD85においてコンテンツデータの録画のために用意されている総容量に対する或る割合値、例えば上記総容量の50%と設定される。
コンテンツ管理部46は、コンテンツ状態データベース56において、現在削除禁止管理しているコンテンツの総容量を算出することで、既に削除禁止管理されたコンテンツの総容量を算出できる。そこで、その総容量に、今回新たにユーザーによって指定されたコンテンツの容量(データサイズ)を加算し、その加算した容量値が、上記上限値としての容量値を越えるか否かを判断する。
【0069】
今回指定されたコンテンツの容量を加えても、削除禁止管理されるコンテンツの総容量が上限値を越えなければ、ステップF303に進み、ユーザーが指定したコンテンツを削除禁止として管理する。即ち、そのコンテンツについてコンテンツ状態データベース56において削除禁止情報を書き込む。
一方、今回指定されたコンテンツの容量を加えたら、削除禁止管理されるコンテンツの総容量が上限値を越えると判断された場合は、削除禁止管理不能としてステップF304に進む。即ちコンテンツ管理部46はユーザーインターフェース制御部52に対して削除禁止管理不能であることを通知し、ユーザーインターフェース制御部52は、ユーザーに対して、これ以上削除禁止ができない旨のメッセージを提示する。
【0070】
このように、ユーザーは、削除させたくないコンテンツについては、上限値以内であれば、削除禁止指定することで、自動削除させないようにできる。上記図7のステップF202で、削除禁止管理されたコンテンツが自動削除の対象から外されるためである。
また、削除禁止管理されるコンテンツの総容量が、上限値、例えばHDD85のコンテンツ記録のための総容量の50%とされていることで、自動削除の余地がなくなり、録画が実行できなくなるといった事態が生じないようにすることができる。即ち上記図7の処理により、録画が確実に実行できる。
【0071】
なお、ユーザーが、或るコンテンツについて削除禁止を解除することも、当然可能とされる。例えばユーザーが削除禁止にしようとしたコンテンツが上記図8のステップF304で削除禁止にできないとされた場合、ユーザは、既に削除禁止管理させていたコンテンツの中で、削除しても良いコンテンツを選んで削除禁止管理を解除させることで、上限値に対して余裕ができ、新たに削除禁止管理させることが可能となる。
【0072】
6.録画済コンテンツ一覧表作成処理
ところで本例では、必要に応じて、つまり録画しようとする際にHDD85に十分な容量が確保できない場合において、コンテンツ年齢が高い順に、自動削除が行われる。
コンテンツ年齢については、記録日時からの経過時間とジャンルに応じたものであるが、場合によってはユーザーが削除させたくないコンテンツが自動削除されてしまう可能性もある。例えば上記のようにニュース等はコンテンツ年齢が早く進行するが、ユーザーが、或る特定のニュースコンテンツのみ、削除しないでとっておきたいといった例外的な事情が発生することもある。
また、自動削除自体は問題ないが、ユーザーがどのコンテンツが自動削除されるかを把握したいという要望もある。
【0073】
このため本例では、録画済コンテンツ一覧表において、自動削除が実行される可能性の高いコンテンツを、ユーザーに提示できるようにする。
このため、コンテンツ表管理部47,ユーザーインターフェース制御部52において、図9のような処理が行われるようにする。
【0074】
まず、ステップF401,F402は、コンテンツ表管理部47において録画済コンテンツ一覧表のデータを作成する処理を示している。
即ちステップF401では、コンテンツ状態データベース56を参照して、コンテンツ状態が「録画済」とされているコンテンツを全て抽出する。
そして、その抽出したコンテンツについて、ステップF402で、そのコンテンツ状態データベース56に記録されている情報や、EPGデータベース43に記録されている情報を用いて、例えば番組名や放送日時などの情報を含む一覧表データを作成する。これをユーザーインターフェース制御部52に受け渡す。
【0075】
ユーザーインターフェース制御部52は、ステップF403で、一覧表に挙げられたコンテンツについてコンテンツ年齢をチェックする。例えばユーザーインターフェース制御部52は年齢管理部57に対して、一覧表に挙げられた各コンテンツのコンテンツ年齢の問い合わせを行う。そしてその結果から、コンテンツ年齢の高い順に、いくつかのコンテンツを選別する。
ステップF404では、上記選別した1又は複数のコンテンツ、つまりコンテンツ年齢が高いコンテンツについて、一覧表データ上で削除予定マークを付加する。
そしてステップF405で、削除予定マークを付加した一覧表データを出力し、コンテンツ一覧表示部48で表示させる。
【0076】
このように録画済コンテンツ一覧表が表示されることで、ユーザーは、近々削除されそうなコンテンツを知ることができる。また、もしその削除予定とされるコンテンツとして、削除させたくないコンテンツがあれば、例えばその時点で削除禁止の入力を行うなどで対応できる。
【0077】
なおステップF403で削除予定コンテンツを抽出する際には、録画予約状況、HDD85の残り容量などに応じて、削除予定とするコンテンツの数を設定すると、より正確な予定情報となる。
例えば録画予約されているコンテンツのデータサイズはEPGデータからわかるため、現在のHDD85の記録可能容量と、次の録画予約コンテンツのデータサイズから、自動削除が必要な容量を計算し、その容量分を得るために削除が必要な分だけのコンテンツを、自動削除予定とすればよい。
【0078】
7.変形例
以上本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されず、多様な例が考えられる。
上記実施の形態では、ユーザーによる削除禁止指定に応じてコンテンツの削除禁止管理を行うと共に、削除禁止管理されていないコンテンツは、コンテンツ年齢に基づいて自動削除されるものとした。
【0079】
変形例としては、この一方の処理を採用する記録再生装置として実現できる。
例えばユーザーによる削除禁止指定に応じて上限値範囲内でコンテンツの削除禁止管理を行う記録再生装置として、自動削除は削除禁止管理されていないものから例えば記録日時のみを基準にして行われる例が考えられる。
また、削除禁止指定は行われず、コンテンツ年齢によってコンテンツ管理が行われる例も考えられる。
その場合、全てのコンテンツは、いつかは最高年齢に達する可能性があるが、例えばユーザーは削除させたくないものは年齢をリセットしたり、加算処理をキャンセルさせたりすることができるようにすることも考えられる。
【0080】
また上記例では、自動削除は録画実行に際して必要であれば行われるようにしたが、自動削除の実行タイミングは多様に考えられる。例えばHDD85の容量が或る程度以下となった際に、自動削除が行われるようにすることも考えられる。さらには、HDD容量や録画動作に関わらず、定期的に、或いはユーザーの操作に応じて自動削除が行われるような方式も考えられる。
【0081】
また、削除禁止管理されるコンテンツ容量の上限値を、例えばHDD85の録画用の総容量の50%としたが、この上限値は各種設定可能である。また、ユーザーが上限値を任意に設定できるようにしても良い。
【0082】
また、HDD85に記録されたコンテンツに関しては、コンテンツ状態管理データベース56とEPGデータベース43に関連づけられて必要な情報が管理されるが、このようなデータベース構成に限られない。
例えばEPGデータ、コンテンツ状態、削除禁止情報等が、コンテンツ自体のファイル内、あるいはコンテンツファイルの管理ファイルにおいて記録されてもよい。
【0083】
また、本発明は放送番組コンテンツの録画だけでなく、マルチメディアコンテンツ、つまり、動画映像、静止画映像、音声、テキスト、プログラムその他、多様なデータ記録再生機器に適用できる。
さらに、上記実施の形態はデジタル衛星放送チューナに記録再生部を備えた構成としたが、チューナ機能を備えず、チューナ装置或いは他のAV機器、或いは情報処理装置等と接続される記録再生装置などとしての構成も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態の記録再生装置のハードウエア構成のブロック図である。
【図2】実施の形態の記録再生装置の機能的構成のブロック図である。
【図3】実施の形態のEPGデータベースの説明図である。
【図4】実施の形態の蓄積映像データベースの説明図である。
【図5】実施の形態のコンテンツ状態データベースの説明図である。
【図6】実施の形態のコンテンツ年齢加算処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態の録画開始時の自動削除のフローチャートである。
【図8】実施の形態の削除禁止管理のフローチャートである。
【図9】実施の形態の録画済コンテンツ一覧表作成処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0085】
11 記録再生装置、41 放送波受信部、42 EPG抽出部、43 EPGデータベース、44 録画予約部、45 録画処理部、46 コンテンツ管理部、47 コンテンツ表管理部、48 コンテンツ一覧表示部、49 コンテンツ選択部、50 蓄積映像データベース、51 再生処理部、52 ユーザーインターフェース制御部、53 映像表示部、54 音声再生部、56 コンテンツ状態データベース、57 年齢管理部、58 通信部、59 ユーザ情報管理部、60 ユーザ登録部、81 CPU、85 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたコンテンツデータを記録媒体に記録し、また記録媒体からコンテンツデータを再生することのできる記録再生手段と、
上記記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行うことができるコンテンツ状態管理手段と、
上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記コンテンツ状態管理手段において削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
上記上限値は、上記記録媒体の容量の所定割合の容量値として設定されることで、削除禁止管理される1又は複数のコンテンツデータの総容量が上記所定割合の容量値以内とされることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
上記コンテンツ状態管理手段は、上記記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、或るコンテンツデータについて削除禁止を指示する操作入力がなされた場合に、当該コンテンツデータを削除禁止とすることで上記上限値を越えるか否かを判断し、上限値を超えないと判断した場合に、当該コンテンツデータを削除禁止として管理することを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
記録再生装置の記録管理方法であって、
記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行う管理手順と、
上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除手順と、
を備えることを特徴とする記録管理方法。
【請求項5】
記録再生装置を制御するコンピュータにロードされるプログラムであって、
記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行う管理ステップと、
上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記載されている記録媒体。
【請求項6】
記録再生装置を制御するコンピュータに、
記録媒体に記録したコンテンツデータのうちで、上限値以内で1又は複数のコンテンツデータについて削除禁止とする管理を行う管理ステップと、
上記記録媒体に記録したコンテンツデータについて、上記削除禁止として管理されているコンテンツデータを除いて、自動的に上記記録媒体からのコンテンツデータの削除を行う自動削除ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−257648(P2007−257648A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102038(P2007−102038)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【分割の表示】特願2002−243192(P2002−243192)の分割
【原出願日】平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】