説明

記録再生装置

【課題】光ディスクなどの記録媒体に記録された放送番組の消去と放送番組の記録とを行う操作を短時間で簡単に行うことのできる記録再生装置を提供する。
【解決手段】記録再生装置のリモコンには消去・録画キーが設けられている。記録再生装置のトレイに放送番組が記録されている書き換え可能型の光ディスクがセットされた状態で消去・録画キーが押されると、制御部は、録画されている全ての放送番組を光ディスクから消去し(S2)、消去終了後に放送番組の録画を開始する(S3)。録画中に停止キーが押されると(S4:YES)、放送番組の録画を終了する(S5)。一方、録画されている全ての放送番組を消去できない場合は(S1:NO)、制御部はエラーメッセージの表示信号を出力する(S6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクなどの記録媒体に放送番組を記録し、記録された放送番組を再生する記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD−RWなどの光ディスクはテレビ放送の放送番組の記録媒体として広く用いられている。この光ディスクに多数の放送番組が既に記録されており十分な空き領域が残っていない場合や、新たなシリーズ物の放送番組だけを1枚の光ディスクに記録したい場合がある。このような場合、従来のDVDレコーダなどの記録再生装置では、ユーザが既に記録されている全ての放送番組を光ディスクから消去するための操作をリモコンで行ってから、消去が終了するのを待って録画キーを押すことにより放送番組を録画している。
【0003】
尚、光ディスクに記録された放送番組の消去に関するものではないが、光ディスクのフォーマット処理の処理時間を短縮するための方法やフォーマット処理の手間を軽減するための方法が下記の特許文献1〜3に示されている。特許文献1には、ホストからのフォーマット処理要求に従ってDVD+RまたはDVD+RW規格に準拠した記録媒体のフォーマット処理を行い、データ記録要求に従ってデータを記録媒体に記録する情報記録装置が示されている。この情報記録装置では、フォーマット処理要求を受信すると直ちにフォーマット処理の完了をホストに通知し、通知後にフォーマット処理を行う。フォーマット処理中にデータ記録要求を受信すると、フォーマット処理を中断してデータを記録し、記録後にフォーマット処理を再開する。
【0004】
特許文献2には、フォーマット処理がされていない上記規格に準拠した記録媒体が情報記録再生装置にセットされると、記録媒体のデータ領域にダミーデータを記録せずにリードイン領域の一部だけを記録設定することにより、記録媒体をデータ記録可能状態にするイニシャライズ処理を自動的に行うことが示されている。特許文献3には、フォーマット処理がされていない記録媒体が媒体交換型記録装置にセットされると、自動的にフォーマット処理を開始することが示されている。
【特許文献1】特開2004−164809号公報(要約、段落0001〜0011、段落0043〜0111)
【特許文献2】特開2004−110962号公報(段落0001〜0010)
【特許文献3】特開2003−263839号公報(要約、段落0001〜0006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のものにおいては、記録されている放送番組の消去が終了してからでないと放送番組を録画することができないので、直ちに席を外すような場合には録画キーを押すことができず、受信中の放送番組を録画することができないという問題がある。また、録画された放送番組を消去するための操作と録画キーを押す操作との両方をしなければならないので、操作が煩わしいという問題もある。尚、特許文献1〜3に示される方法では上記の問題は解決されない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、光ディスクなどの記録媒体に記録された放送番組の消去と放送番組の記録とを行う操作を短時間で簡単に行うことのできる記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明では、複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信するテレビ放送番組を書き換え可能型の光ディスクに記録し、当該光ディスクに記録されたテレビ放送番組を再生する記録再生装置において、操作部に消去・録画キーを設け、消去・録画キーが押された場合、前記制御手段は、前記光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組を消去できるときは、当該全てのテレビ放送番組を消去し、消去後にテレビ放送番組を当該光ディスクに記録し、当該光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組を消去できないときは、エラーメッセージを外部に接続された表示装置に表示させる。ここで、消去できないテレビ放送番組とは、消去プロテクトがかけられているテレビ放送番組などである。
【0008】
上記のように、消去・録画キーを押すだけで、光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組が消去され、消去後にテレビ放送番組が当該光ディスクに自動的に記録されるので、従来のように全てのテレビ放送番組を消去する操作をした後に消去が終了するのを待って録画キーを押す必要がなくなる。すなわち、光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組の消去とテレビ放送番組の記録とを行う操作を短時間で簡単に行うことができる。これにより、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って録画キーを押す必要がないので、直ちに席を外すような場合でも記録されているテレビ放送番組が消去された光ディスクにテレビ放送番組を新たに記録することができる。また、光ディスクに消去できないテレビ放送番組が記録されている場合は、テレビ放送番組の消去が行われないので、保存しておきたいテレビ放送番組が消去されてしまうのを防止することができる。この場合、エラーメッセージが表示されるので、ユーザに装置にセットした光ディスクの間違いなどを知らせることができる。
【0009】
第2の発明では、複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信する放送番組を書き換え可能型の記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された放送番組を再生する記録再生装置において、操作部に消去・記録キーを設け、消去・記録キーが押された場合、前記制御手段は、前記記録媒体に記録されている放送番組を消去し、消去後に放送番組を当該記録媒体に記録する。
【0010】
上記のように、消去・記録キーを押すだけで、記録媒体に記録されている放送番組が消去され、消去後に放送番組が当該記録媒体に自動的に記録されるので、従来のように放送番組を消去する操作をした後に消去が終了するのを待って記録キーを押す必要がなくなる。すなわち、記録媒体に記録されている放送番組の消去と放送番組の記録とを行う操作を短時間で簡単に行うことができる。これにより、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って記録キーを押す必要がないので、直ちに席を外すような場合でも記録されている放送番組が消去された記録媒体に放送番組を新たに記録することができる。
【0011】
第3の発明では、複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信する放送番組を書き換え可能型の記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された放送番組を再生する記録再生装置において、操作部のキーが操作され、放送番組の記録予約がされた場合、記録予約において前記記録媒体に記録されている放送番組を消去する旨の指定がされたときは、前記制御手段は当該記録媒体に記録されている放送番組を消去し、記録予約された放送番組の記録開始時刻に到達した場合、前記制御手段は当該放送番組を前記記録媒体に記録する。
【0012】
上記のように、記録予約するときに記録媒体に記録されている放送番組を消去する旨の指定をすることにより、当該放送番組が消去され、消去後に記録予約された放送番組が当該記録媒体に自動的に記録されるので、従来のように放送番組を消去する操作をした後に消去が終了するのを待って記録予約の操作を行う必要がなくなる。すなわち、記録媒体に記録されている放送番組の消去と放送番組の記録予約とを行う操作を短時間で簡単に行うことができる。これにより、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って記録予約の操作を行う必要がないので、直ちに席を外すような場合でも記録されている放送番組が消去された記録媒体に記録予約された放送番組を新たに記録することができる。
【0013】
第2または第3の発明の実施形態においては、制御手段は、記録媒体に記録されている全ての放送番組を消去できるときは、当該全ての放送番組を消去し、当該記録媒体に記録されている放送番組の少なくとも1つが消去できないときは、当該記録媒体に記録されている放送番組の消去および放送番組の記録を行わないようにする。ここで、消去できない放送番組とは、消去プロテクトがかけられている放送番組などである。これにより、保存しておきたい放送番組が消去されてしまうのを防止することができる。また、消去できない放送番組が記録されているときは消去および記録が行われないので、既に記録されている放送番組と新たな放送番組とが1つの記録媒体に混在してしまうのを防止することができる。
【0014】
また、第2または第3の発明の実施形態においては、制御手段は、記録媒体に記録されている全ての放送番組を消去できるときは、当該全ての放送番組を消去し、当該記録媒体に記録されている放送番組の少なくとも1つが消去できないときは、当該記録媒体に記録されている消去できる放送番組だけを消去するようにする。ここで、消去できない放送番組とは、消去プロテクトがかけられている放送番組などである。これにより、保存しておきたい放送番組が消去されてしまうのを防止することができる。また、消去できない放送番組が記録されているときでも消去できる放送番組だけを消去した後に放送番組を新たに記録するので、既に記録されている放送番組と新たに記録される放送番組とが1つの記録媒体に混在しても不都合がない場合には、ユーザの使い勝手が良くなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録媒体に記録されている放送番組の消去と放送番組の記録とを行う操作を短時間で簡単に行うことができるので、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って記録キーを押す必要がないので、直ちに席を外すような場合でも記録されている放送番組が消去された記録媒体に放送番組を新たに記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明に係る記録再生装置のブロック図を示す。この記録再生装置1は、書き換え可能型の光ディスク10(DVD−RWなど)および追記型の光ディスク10(DVD−Rなど)にテレビ放送の放送番組を記録すると共に、光ディスク10(DVD−R、DVD−RW、DVD−ROMなど)に記録された放送番組や映像データなどを再生する。尚、この記録再生装置1の構成は、後述する消去・録画キーがリモコン20に設けられている点を除き、ハードウエア的には従来の記録再生装置と同様である。
【0017】
以下、図1を参照して記録再生装置1について説明する。制御部18は、CPU18a、メモリ18bおよび不図示の制御回路から構成され、メモリ18bに格納されているプログラムをCPU18aが実行することによって、記録再生装置1の各部を制御する。図中の矢印付きの破線は制御信号や制御データの流れを示す。また、メモリ18bは各種の制御データの記憶領域やCPU18aの演算作業領域などとしても使用される。
【0018】
リモコン20には、図2に示すように電源スイッチ21と多数のキー22(消去・録画キー22a、メニューキー22b、録画キー22c、再生キー22d、停止キー22e、決定キー22f、カーソルキー22gなど)とが設けられている。リモコン20のキー22が押されると、押されたキー22の信号が制御部18に送られ、制御部18がキー操作に応じて各部を制御することにより、放送番組の光ディスク10への記録や記録された放送番組の再生などが行われる。記録再生装置1の筐体(不図示)の前面に配置された操作パネル19にも、電源スイッチや、消去・録画キー、録画キー、再生キー、停止キーなどが設けられている。以下では、リモコン20のキー22だけが押されるものとして説明する。時計IC17は現在の年月日および時刻(以下、両者を合わせて日時という)を記憶しており、制御部18によって日時データの読み書きが行われる。
【0019】
放送受信部12は、アンテナ11で受信された放送信号を選局し、さらに選局された放送信号の増幅および検波を行い、映像信号と音声信号とを出力する。この映像信号と音声信号とは、それぞれ記録信号処理部13でA/D変換された後に圧縮符号化され、記録再生部14で光ディスク10に書き込まれる(記録される)。記録再生部14は、圧縮符号化された映像信号と音声信号とを光ディスク10の書き込み信号に変調する変調回路や、光ディスク10から読み出された信号を復調する復調回路、光ピックアップ、光ディスク10をセットするトレイ、光ディスク10を回転させるための回転駆動機構などから構成される。
【0020】
一方、記録再生部14で光ディスク10から読み出された(再生された)信号は、再生信号処理部15で映像信号と音声信号とに分離され、分離された信号が伸張復号化された後にD/A変換される。D/A変換された音声信号はテレビ30の音声信号入力端子に入力される。また、D/A変換された映像信号に対して、OSD処理部16でOSD用信号が重畳される。OSD用信号は、制御部18によって生成されるオンスクリーン表示用の信号であり、テレビ30の画面にオンスクリーン表示をするときに制御部18から出力される。そして、OSD処理部16の出力信号がテレビ30(外部に接続された表示装置)の映像信号入力端子に入力される。
【0021】
上述のようにして記録された放送番組のデータは、録画操作ごとに(すなわち、放送番組(タイトル)ごとに)ファイルとして光ディスク10のデータ領域に記録される。また、ファイルの管理情報(記録開始アドレスや記録サイズなど)は、光ディスク10の管理領域に記録される。従って、記録された放送番組の消去は、データ領域に記録されたデータ自体を消去するのではなく、ファイルの管理情報を書き換えることによって行われる。尚、DVD−RWの略全域に放送番組のデータが記録されているときに、全ての放送番組のファイルの管理情報を書き換えるのにかかる時間は1分程度である。
【0022】
次に、記録再生装置1の本発明にかかる動作について説明する。リモコン20の消去・録画キー22aが押されると、図3に示す消去・録画処理がメインルーチン(不図示)から呼び出される。この消去・録画処理は、光ディスク10に記録されている全ての放送番組を消去し、消去後に受信中の放送番組を当該光ディスク10に記録する処理である。以下では、書き換え可能型の光ディスク10(DVD−RWなど)が記録再生装置1のトレイ(不図示)にセットされているものとして説明する。
【0023】
まず、制御部18は光ディスク10に記録された全ての放送番組を消去できるか否かを判定する(S1)。この判定は、各放送番組のファイルの管理情報を読み出し、消去プロテクトがかけられているか否か等を調べることによって行われる。全ての放送番組を消去できない場合(S1:NO)、例えば、消去プロテクトがかけられたファイルが存在する場合は、制御部18はエラーメッセージの表示信号を出力する(S6)。具体的には、オンスクリーン表示用のデータを生成してOSD処理部16に送る。この結果、全ての放送番組を消去できないことを示すエラーメッセージがオンスクリーン表示される。全ての放送番組を消去できる場合は(S1:YES)、制御部18は、記録されている全ての放送番組を光ディスク10から消去し(S2)、消去の終了後に受信中の放送番組の録画を開始する(S3)。録画中に停止キー22eが押されると(S4:YES)、制御部18は、放送番組の録画を終了し(S5)、処理ステップを呼び出し元に戻す。
【0024】
尚、上記の消去プロテクトの設定・解除は、図4に示す録画済み番組リスト40をテレビ30の画面にオンスクリーン表示させ、消去プロテクトの設定・解除対象のタイトルの消去プロテクト欄においてオン(消去プロテクトをかける)またはオフ(消去プロテクトを外す)のいずれかを選択することにより行われる。上記の選択は、カーソルキー22gおよび決定キー22fを用いて行われる。また、録画済み番組リスト40は、メニューキー22bなどを押すことによってオンスクリーン表示される。また、図4に示すように、タイトル番号2の放送番組に消去プロテクトがかけられているような場合は、上記のステップS1での判定はNOとなる。
【0025】
上記のように、消去・録画キー22aを押すだけで、光ディスク10に録画されている全ての放送番組が消去され、消去後に受信中の放送番組が自動的に録画されるので、従来のように全ての放送番組を消去する操作をした後に消去が終了するのを待って録画キー22cを押す必要がなくなる。すなわち、光ディスク10に録画されている全ての放送番組の消去と放送番組の録画とを行う操作を短時間で簡単に行うことができる。これにより、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って録画キー22cを押す必要がないので、直ちに席を外すような場合でも録画されている放送番組が消去された光ディスク10にテレビ放送番組を新たに録画することができる。また、光ディスク10に消去できない放送番組が録画されている場合は、放送番組の消去が行われないので、保存しておきたい放送番組が消去されてしまうのを防止することができる。
【0026】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。先の実施形態では消去・録画キー22aを用いることにより光ディスク10に記録されている全ての放送番組の消去と録画とを1つの操作で行えるようにしたが、本実施形態では記録されている全ての放送番組の消去と放送番組の録画予約とを一括してできるようにする。図5は、放送番組を録画予約するための録画予約処理のフローチャートである。図6は、録画予約された番組を録画するための予約録画処理のフローチャートである。図7は、録画予約のときにテレビ30の画面にオンスクリーン表示される録画予約画面を示す図である。
【0027】
録画予約をするときにメニューキー22bなどが押されると、録画予約画面50がオンスクリーン表示されると共に、録画予約処理がメインルーチン(不図示)から呼び出される。録画予約画面50の上部側には録画予約の入力画面51が表示され、下部側には既に行われた録画予約の内容を示す録画予約リスト52が表示される。録画予約リスト52は、録画予約の内容を記憶する録画予約テーブルを表形式で表示したものである。録画予約テーブルは制御部18のメモリ18bに保存されている。録画予約画面50が表示された状態で、カーソルキー22gや決定キー22fなどを従来と同様に操作することにより、録画開始時刻や全ての放送番組を消去するか否かの指定などの録画予約情報が入力画面51に入力される。
【0028】
録画予約処理(図5)では、制御部18は、入力画面51に全ての録画予約情報が入力されたか否かを判定し(S21)、全ての録画予約情報が入力されると(S21:YES)、全ての放送番組を消去する指定が行われたか否かを判定する(S22)。上記の指定が行われなかった場合は(S22:NO)、制御部18は入力された録画予約情報を録画予約テーブルに登録して(S25)、処理ステップを呼び出し元に戻す。上記の指定が行われた場合は(S22:YES)、制御部18は光ディスク10に記録されている全ての放送番組を消去できるか否かを判定する(S23)。
【0029】
全ての放送番組を消去できない場合(S23:NO)、例えば、消去プロテクトがかけられた放送番組が光ディスク10に記録されている場合は、制御部18はエラーメッセージの表示信号を出力する(S26)。この結果、全ての放送番組を消去できないことを示すエラーメッセージがオンスクリーン表示される。それに対し、全ての放送番組を消去できる場合は(S23:YES)、制御部18は全ての放送番組を光ディスク10から消去する(S24)。その後、入力された録画予約情報を録画予約テーブルに登録して(S25)、処理ステップを呼び出し元に戻す。
【0030】
一方、予約録画処理(図6)は、一定時間ごとに(例えば、100m秒ごとに)メインルーチン(不図示)から呼び出される。まず、制御部18は、時計IC17から読み出した日時データを調べることにより、録画予約テーブル中の録画予約のいずれかが録画開始時刻に到達したか否かを判定する(S31)。録画開始時刻に到達していない場合は(S31:NO)、何もせずに処理ステップを呼び出し元に戻す。録画開始時刻に到達した場合は(S31:YES)、録画予約されたチャンネルの放送番組が受信されるように当該チャンネルを放送受信部12に設定するなどして、放送番組の録画を開始する(S32)。そして、録画終了時刻に到達すると(S33:YES)、放送番組の録画を終了する(S34)。さらに録画した放送番組の録画予約情報を録画予約テーブルから削除し(S35)、処理ステップを呼び出し元に戻す。
【0031】
上記のように、録画予約するときに全ての放送番組を消去する旨の指定を行うことにより、光ディスク10に録画されている全ての放送番組が消去され、消去後に録画予約された放送番組が自動的に録画されるので、従来のように全ての放送番組を消去する操作をした後に消去が終了するのを待って録画予約の操作を行う必要がなくなる。すなわち、光ディスク10に録画されている全ての放送番組の消去と録画予約とを行う操作を短時間で簡単に行うことができる。これにより、ユーザの操作の手間を軽減することができる。また、従来のように消去が終了するのを待って録画予約の操作を行う必要がないので、直ちに席を外すような場合でも録画されている放送番組が消去された光ディスク10に録画予約された放送番組を新たに録画することができる。また、光ディスク10に消去できない放送番組が録画されている場合は、放送番組の消去が行われないので、保存しておきたい放送番組が消去されてしまうのを防止することができる。
【0032】
以上述べた実施形態においては、1つでも消去できない放送番組(例えば、消去プロテクトがかけられている放送番組)があると、消去を行うことなくエラーメッセージを表示するようにしたが、消去できない放送番組をそのまま残し、消去できる放送番組だけを消去した後に新たな放送番組を録画するようにしてもよい。また、上記実施形態では、本発明で使用される記録媒体が書き換え可能型の光ディスク10である場合について説明したが、記録媒体は当該光ディスク10に限定されるものではなく、記録媒体がハードディスクなどの他の記録媒体であっても本発明を実施することができる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、消去・録画処理(図3)および録画予約処理(図5)において光ディスク10に記録された全ての放送番組を消去する前にユーザに対する警告メッセージを出さなかったが、警告メッセージを出すようにし、ユーザが許可した場合に限り全ての放送番組を消去するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、テレビ放送の放送番組を録画する場合について説明したが、ラジオ放送の放送番組を録音する場合にも本発明を実施することができる。
【0034】
さらに、上記実施形態では、記録再生装置1とテレビ30は別々の装置であったが、本発明にかかる記録再生装置1は、記録再生装置一体型テレビを構成する記録再生装置をも含むものである。さらに、上記実施形態では、書き換え可能型の光ディスク10が記録再生装置1のトレイにセットされているものとして説明したが、追記型または読み出し専用型の光ディスク10がセットされている場合には、エラーメッセージがオンスクリーン表示される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る記録再生装置のブロック図である。
【図2】消去・録画キーが設けられたリモコンを示す図である。
【図3】消去・録画処理のフローチャートである。
【図4】録画済み番組リストを示す図である。
【図5】録画予約処理のフローチャートである。
【図6】予約録画処理のフローチャートである。
【図7】録画予約画面を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 記録再生装置
10 光ディスク(記録媒体)
14 記録再生部
18 制御部(制御手段)
19 操作パネル(操作部)
20 リモコン(操作部)
22 キー
22a 消去・録画キー(消去・記録キー)
22c 録画キー(記録キー)
30 テレビ(表示装置)
50 録画予約画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信するテレビ放送番組を書き換え可能型の光ディスクに記録し、当該光ディスクに記録されたテレビ放送番組を再生する記録再生装置において、
前記操作部に消去・録画キーを設け、
前記消去・録画キーが押された場合、前記制御手段は、前記光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組を消去できるときは、当該全てのテレビ放送番組を消去し、消去後にテレビ放送番組を当該光ディスクに記録し、当該光ディスクに記録されている全てのテレビ放送番組を消去できないときは、エラーメッセージを外部に接続された表示装置に表示させることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信する放送番組を書き換え可能型の記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された放送番組を再生する記録再生装置において、
前記操作部に消去・記録キーを設け、
前記消去・記録キーが押された場合、前記制御手段は、前記記録媒体に記録されている放送番組を消去し、消去後に放送番組を当該記録媒体に記録することを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
複数のキーを備えた操作部からの指示に基づいて制御手段で装置の各部を制御することにより、受信する放送番組を書き換え可能型の記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された放送番組を再生する記録再生装置において、
前記操作部のキーが操作され、放送番組の記録予約がされた場合、記録予約において前記記録媒体に記録されている放送番組を消去する旨の指定がされたときは、前記制御手段は当該記録媒体に記録されている放送番組を消去し、
前記記録予約された放送番組の記録開始時刻に到達した場合、前記制御手段は当該放送番組を前記記録媒体に記録することを特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の記録再生装置において、
前記制御手段は、前記記録媒体に記録されている全ての放送番組を消去できるときは、当該全ての放送番組を消去し、当該記録媒体に記録されている放送番組の少なくとも1つが消去できないときは、当該記録媒体に記録されている放送番組の消去および放送番組の記録を行わないことを特徴とする記録再生装置。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の記録再生装置において、
前記制御手段は、前記記録媒体に記録されている全ての放送番組を消去できるときは、当該全ての放送番組を消去し、当該記録媒体に記録されている放送番組の少なくとも1つが消去できないときは、当該記録媒体に記録されている消去できる放送番組だけを消去することを特徴とする記録再生装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−179083(P2006−179083A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370116(P2004−370116)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】