説明

記録再生装置

(a)コンテンツを第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動し、(b)コンテンツを再生不能にするために当該コンテンツを書き換え、(c)当該コンテンツを第2の記録媒体から第1の記録媒体に回復することによって元のコンテンツを復元する際に、元のコンテンツとおおむね同じ品質のコンテンツを、短時間かつ少ない負荷で回復する記録再生装置を提供する。当該記録再生装置は、ムーブ処理部72aとリカバリー処理部73aとを備える。前者は、第2の記録媒体に第2のコンテンツと関連付けて復元情報を記録する。復元情報は、コンテンツの移動時に、当該コンテンツを再生不能にするために書き換えられた、1以上の箇所の復元に使用される。また、後者は、第2の記録媒体から復元情報を回復し、当該復元情報を用いることによって、第1の移動元の記録媒体に記録されている残留コンテンツに基づいて、元のコンテンツを復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声・映像などのコンテンツを記録再生する記録再生装置に関し、特に、著作権保護対象のコンテンツに対しては、著作権を保護しながら、他の記録媒体に安全に移動することができる記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質ハイビジョン放送(以下、HDTVと呼称する。)を含むデジタルテレビ放送によって、オリジナルと遜色の無い高品質な音声・映像コンテンツ(以下、単にコンテンツと略称する。)を提供することができる。さらに、デジタルテレビ放送で放送されたコンテンツを受信し、受信したコンテンツをハードディスク、書き換え可能な光ディスクなどに記録するという特徴を有するデジタルビデオレコーダも商品化されている。
【0003】
これに伴い、映像コンテンツの著作権保護の重要性が増し、例えば、衛星デジタル放送、地上デジタル放送においては、コピー・ワンス制御と呼ばれる仕組みが2004年から導入されている。
【0004】
コピー・ワンス制御システムを以下に説明する。まず、「1回だけ録画可能」の制御信号(これよりコピー・ワンス制御信号と呼称する)を音声・映像データに加え、付加後のデータを暗号化する。さらに、暗号化して得られたデジタルデータを放送する。このとき、受信した放送におけるデジタルデータを1回だけ復号することが許容される。すなわち、コピー・ワンスの制御信号が加えられた音声・映像データは、ハードディスク、書き換え可能な光ディスクなどの記録媒体に記録することができる。そのようなコピー・ワンスの制御信号は、記録された時点でコピー禁止の制御信号に書き換えられる。それゆえ、得られた信号によって記録されたデータを別の記録媒体にコピーすることが禁止される。しかしながら、以下に述べる例外がある。最初に記録した記録媒体から削除または再生無効化したうえで別の記録媒体に移動することは認められている(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】ARIBのTR−B14による、読み出された復元情報に含まれるひとつ以上の再生重要情報を用いる、「地上デジタルテレビジョン放送運用規定技術資料」第八編「地上デジタルテレビジョン放送コンテンツ保護規定」
【0005】
前記従来の技術を用いて、デジタルテレビ放送を通じて、著作権保護対象のコンテンツを、例えば、書き換え可能な光ディスクなどのような第1の記録媒体に、直接記録した場合を例にあげる。この例においては、コンテンツを書き換えられないが、第1の記録媒体上で再生は無効化される。記録再生装置でそのようなコンテンツを再生はできなくとも、パソコン用ドライブを用いて読み出せる場合がある。すなわち、そのようなコンテンツが不正にコピーされてしまう恐れがある。コンテンツを第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動する際に再生を無効化するために、第1の記録媒体上でコンテンツを書き換える場合も例にあげる。この例においては、第1の記録媒体上にコンテンツを戻す際に、そのコンテンツを第2の記録媒体から書き戻さなければならない。そのため、長い時間がかかり処理負荷が増すという問題が生じる。
【0006】
また、コピー・ワンス制御を実行できる従来の記録再生装置は、光ディスク等の外部記録媒体に、コンテンツを移動する。そのため、容量の限られた記録媒体にコンテンツを移動する場合、データレートを下げるために、音声・映像データを再圧縮符号化してからそのような記憶媒体に移動する場合がある。データレートを下げたコンテンツを移動する場合において、コンテンツを再生不能にするためにデータを一旦書き換えると、そのコンテンツを二度と元の品質で再生することができなくなるという問題が生じる。
【発明の開示】
【0007】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的のひとつは、コンテンツを第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動する際に、コンテンツを再生不能にするために、第1の記録媒体上のコンテンツを書き換えることができ、第2の記録媒体から第1の記録媒体にコンテンツのデータを移動する際に、処理負荷が軽く短時間で、略もとの品質で再生されるコンテンツに回復できる記録再生装置を提供することである。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る記録再生装置は、以下を備え、第1の記録媒体に記録された第1コンテンツに基づいて第2のコンテンツを生成し、第2の記録媒体に生成された第2コンテンツを記録する。すなわち、下記のふたつを含む。一つは、移動手段である。前記移動手段は、復元情報を第2の記録メディアに第2のコンテンツと関連付けて記録する。前記復元情報は、残留コンテンツの一つ以上の箇所を回復するのに使われる。前記残留コンテンツは、復元情報を含む第2のコンテンツが記録される時点で、第1の記録メディアに残留している。前記残留コンテンツは第1のコンテンツの一つ以上の箇所が、第1のコンテンツを再生不能にするために書き換えられたときに生成される。もう一つは、回復手段である。前記回復手段は、第2の記録媒体に記録された復元情報を読み出し、第1の記録媒体に記録された残留コンテンツを用いて元のコンテンツを回復する際に、復元情報を用いて元のコンテンツを復元する。
【0009】
回復手段は、元の記憶媒体に記録された残留コンテンツに基づき、元のコンテンツを回復する際に、コピー先の記録媒体上のコンテンツと関連付けて記録された復元情報を読み出し、再生不能にするために書き換えられた箇所を、読み出した復元情報を用いて回復する。これによって、コピー先の記録媒体上にコンテンツ全体を書き戻すことなしに、元のコンテンツが回復される。それゆえ、当該回復手段を用いれば、コンテンツの著作権をセキュアに保護しながら、短時間で処理負荷を増加させることなく元のコンテンツを回復することが可能になる。
【0010】
なお、本発明は、記録再生装置として実現されるだけではなく、(a)記録再生装置を制御する方法(以下、記録再生制御方法と呼称する。)、(b)記録再生制御方法をコンピュータシステム等に実行させる記録再生制御プログラム、(c)記録再生制御プログラムを記録した記録媒体等として実現されるとしてもよい。
【0011】
また、記録再生装置において生成されたコンテンツを記録した記録媒体として実現されるとしてもよい。
【0012】
また、記録再生装置に組み込まれて著作権保護対象のコンテンツを保護する機能(以下、コンテンツ保護機能と呼称する。)が組み込まれたシステムLSI、コンテンツ保護機能をFPGA、CPLD等のプログラマブル・ロジック・デバイスに形成するIPコア(以下、コンテンツ保護コアと呼称する。)として実現されるとしてもよい。また、コンテンツ保護コアを記録した記録媒体として実現されるとしてもよい。
【0013】
以上、本発明に係る記録再生装置によれば、著作権保護対象のコンテンツ全体またはその一部を第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動する際に、移動対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる再生重要情報を再生不能にするために書き換える。
【0014】
このとき、コンテンツのデータを再生不能にするために書き換える前に、再生重要情報を抽出し、抽出した1乃至2以上の再生重要情報から復元情報を構成し、構成した復元情報をコピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて第2の記録媒体に記録する。さらに、元の記録媒体に記録されている残留コンテンツに基づいて元のコンテンツを回復する際に、コピー先の記録媒体のコンテンツを全部書き戻す代わりに、コピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて記録されている復元情報を読み出し、読み出した復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報で再生不能な箇所を上書きすることにより、コンテンツを回復する。
【0015】
これによって、コンテンツの著作権をセキュアに保護しながら、処理負荷を増加させることなく短時間で元のコンテンツを回復することができる。
【0016】
また、再生不能にするために暗号化され書き換えられた箇所を復号する際に使用される復号鍵から復元情報を構成でき、構成した復元情報をコピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けてコピー先の記録媒体に記録する。さらに、元の記録媒体に記録されている残留コンテンツに基づいて元のコンテンツを回復する際に、コピー先の記録媒体のコンテンツを全部書き戻す代わりに、コピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて記録されている復元情報を読み出し、読み出した復元情報に含まれる復号鍵を使用して、再生不能にするために書き換えられた箇所を復号することにより、元のコンテンツを回復する。
【0017】
これによって、元のコンテンツの著作権をセキュアに保護しながら、処理負荷を増加させることなく短時間で元のコンテンツを回復することができる。さらに、復元情報を再生重要情報から構成する場合よりも、復元情報を復号鍵から構成する場合の方が、第2の記録媒体に記録される移動後の復元情報のデータサイズを小さくすることができる。
【0018】
また、本発明は、移動されたコンテンツと復元情報とをコピー先の記録媒体上のひとつのファイルにまとめる。これにより、移動されたコンテンツファイルが別の記録媒体に移動された場合でも、コピー先の記録媒体を用いてリカバリー処理をおこなうことができる。
【0019】
さらに、コンテンツをリカバリーする際に参照する参照テーブルを作成することにより、元のコンテンツを短時間で回復することが可能になる。
【0020】
(本願の背景技術に関する詳細情報)
2004年11月30日に出願された、明細書と図面と請求項とを含む日本国特許出願番号2004‐347541を本願に引用して援用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1に示されるように、本発明の実施の形態1における記録再生装置1aは、衛星デジタル放送、地上デジタル放送などによって放送された音声・映像コンテンツ(以下、単にコンテンツと略称する。)を記録再生する装置である。さらに、そのような装置は、著作権保護対象のコンテンツに対しては、移動することができても複写することができないようにする機能(以下、コンテンツ保護機能と呼称する。)を備えている。
【0023】
例えば、第1の記録媒体2aに記録されているコンテンツを第2の記録媒体3aに移動する際に再生不能にする。そして、第1の記録媒体2aでコンテンツをリカバリーする際に、第2の記録媒体2aに記録されているコンテンツを削除するか再生不能状態にするために不要なデータを上書きして、第1記録媒体2aに記録されている再生不能なコンテンツを復元する。
【0024】
このことを踏まえて実施の形態1における記録再生装置について説明する。
先ず、実施の形態1における記録再生装置のハードウェア構成について説明する。
【0025】
図2に示されるように、記録再生装置1aは、マイクロプロセッサ11a、システムLSI(Large Scale Integration)12a、RAM(Random Access Memory)13a、ROM(Read Only Memory)14a、入出力インターフェース15aなどを備える。
【0026】
マイクロプロセッサ11aは、記録再生処理を実行するにあたって要する諸々の処理を実行する中央演算処理ユニットである。
【0027】
システムLSI12aは、記録再生処理を実行するにあたって要する画像処理を実行する集積回路である。例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、H.264等のような画像圧縮方式に基づいて画像を圧縮伸長するコーデックなどである。
【0028】
RAM13aは、データの読み出し書き込みが随時可能な半導体メモリである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などである。
【0029】
ROM14aは、読み出し専用のメモリである。例えば、電気的に内部データを書き換えることができるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などである。
【0030】
入出力インターフェース15a(図示せず)は、内部機器と記録再生装置1aに接続されている外部機器とに対してデータの入出力を行う。それは、例えば、(a)アナログ映像入出力、アナログ音声入出力、デジタル映像入出力、デジタル音声入出力等のような音声・映像入出力インターフェース、(b)Bluetooth、IrDA(Infrared Data Association)、赤外線通信ポート等のような短距離無線伝送インターフェース、(c)USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、シリアルATA(AT Attachment)等のようなシリアル伝送インターフェース、(d)ATAPI(AT Attachment Packet Interface)等のようなパラレル伝送インターフェース、(e)IEEE802.3、IEEE802.11等のようなネットワークインターフェースなどである。
【0031】
さらに、記録再生装置1aは、入出力インターフェース15aに接続されている第1記録再生ドライブ21a、第2記録再生ドライブ31aも備える。
【0032】
第1記録再生ドライブ21aは、第1記録媒体2aに対して読み書き可能な装置である。
【0033】
第2記録再生ドライブ31aは、第2記録媒体3aに対してデータの読み書きが可能な装置である。
【0034】
第1記録媒体2a、第2記録媒体3aとしては、BD−RE(Blu-ray Disk Rewritable)、HDD(Hard Disk Drive)、DVD−RAM、SD(Secure Digital)メモリカードなどである。
【0035】
なお、ROM14aには、記録再生装置1aを制御する組み込みOS(Operating System)、OSが周辺機器を制御する際に要するデバイスドライバ、OS上で動作するミドルウェア、ユーザインターフェース等のアプリケーションソフト等(以下、記録再生装置制御プログラムと呼称する。)(図示せず)が格納されている。そして、記録再生装置制御プログラムは、記録再生装置1aの通電とともに、ROM14aから読み出されてRAM13aに格納される。このようにして、本発明に係る各機能を記録再生装置1aに実現する。
【0036】
続いて、実施の形態1における記録再生装置の機能構成について説明する。
図3に示されるように、記録再生装置1aは、入力部51a、第1記録再生部52a、コンテンツ復号部53a、出力部54a、第2記録再生部55aなどを備える。
【0037】
入力部51aは、チューナにより選局されたデジタルテレビ放送信号(信号は図には示されてはいない)を復調し、復調したデジタルテレビ放送信号をコンテンツとして第1記録再生部52aに出力する。また、リモート・コントローラ等を介してユーザから指示や設定に係る操作情報を受け付け、受け付けた操作情報を第1記録再生部52aに出力する。
【0038】
第1記録再生部52aは、入力部51aから出力されたコンテンツを記録し、出力されたコンテンツに対して必要な処理を施し、当該コンテンツを第1記録媒体2aに書き込む。例えば、第1記録再生部52aは、著作権保護対象のコンテンツに含まれるコピー・ワンスの制御信号をコピー禁止の制御信号に書き換える。
【0039】
また、第1記録再生部52aは、再生対象のコンテンツを第1記録媒体2aから読み出し、読み出したコンテンツをコンテンツ復号部53aに出力することによって、第1記録媒体2aに記録されているコンテンツを再生する。
【0040】
コンテンツ復号部53aは、第1記録再生部52aから出力されたコンテンツを音声・映像信号を生成するために復号し、復号した音声・映像信号を出力部54aに出力する。
【0041】
出力部54aは、ディスプレイ、スピーカなどの外部装置(図示せず)に、コンテンツ復号部53aから出力された音声・映像信号を出力する。
【0042】
さらに、第1記録再生部52aは、移動対象のコンテンツを第1記録媒体2aから読み出し、読み出したコンテンツを第2記録再生部55aに出力することによって、著作権保護対象のコンテンツを第1記録媒体2aから第2記録媒体3aに移動する。
【0043】
第2記録再生部55aは、第1記録再生部52aから出力されたコンテンツに対して必要な処理を施し、当該コンテンツを第2記録媒体3aに書き込む。
【0044】
続いて、実施の形態1における記録再生装置の詳細な機能構成について説明する。ここでは、主に、第1記録再生部52aについて説明する。
【0045】
図4Aに示されるように、第1記録再生部52aは、コンテンツ保護部61a、読み出し部62a、書き込み部63aなどを備える。
【0046】
コンテンツ保護部61aは、コンテンツ保護機能を有し、第1記録媒体2aに記録されるコンテンツと、記録されているコンテンツの著作権とを保護する。
【0047】
読み出し部62aは、読み出し指定を受けたコンテンツを第1記録媒体2aから読み出す。
【0048】
書き込み部63aは、書き込み指定を受けたコンテンツを第1記録媒体2aに書き込む。
【0049】
図4Bに示されるように、コンテンツ保護部61aは、さらに、制御部71a、ムーブ処理部72a、リカバリー処理部73aなどを備える。
【0050】
制御部71aは、入力部51aから出力された操作情報、すなわち、ユーザによって入力された操作情報に応じて、下記(1)、(2)の処理のいずれかを行う。
【0051】
(1)コンテンツ全体またはその一部を移動する場合には、ムーブ処理部72aを制御してムーブ処理を実行させる。
【0052】
(2)コンテンツ全体またはその一部を回復する場合には、リカバリー処理部73aを制御してリカバリー処理を実行させる。
【0053】
ムーブ処理部72aは、移動対象のコンテンツ全体またはその一部(以下、ムーブ対象データと呼称する。)を第1記録媒体2aから読み出し、読み出したムーブ対象データを第2記録再生部55aに出力する。また、第1記録媒体2aに記録されているムーブ対象データから再生重要情報を抽出し、抽出した箇所の再生重要情報を再生不能にするために書き換える。そして、ムーブ処理部72aは、(a)ムーブ対象データを第2記録再生部55aに出力し、(b)終端情報を第2記録再生部55aに出力し、(c)ムーブ対象データから抽出した1乃至2以上の再生重要情報を復元情報として第2記録再生部55aに出力する。
【0054】
リカバリー処理部73aは、回復対象のコンテンツ全体またはその一部(以下、リカバリー対象データと呼称する。)と対応して第2記録媒体3aに記録されている復元情報を読み出し、読み出した復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報を使用して、リカバリー対象データを復元する。そして、リカバリー処理部73aは、リカバリー対象データを徐々に復元し、リカバリー対象データと対応して第2記録媒体3aに記録されているコンテンツを削除する。
【0055】
なお、第2記録再生部55aは、第1記録再生部52aと同一の構成としてもよいし、第1記録再生部52aとは異なり、コンテンツ保護部61aを省略した構成としてもよい。
【0056】
なお、データを再生不能に書き換える方法としては、下記(a)〜(c)のいずれかの方法を採用するものとする。
【0057】
(a)データを削除し、そのスペースを空けておく。
【0058】
(b)例えば、全てのビットが“1”又は“0”で表されるような、無関係なデータで上書きをする。
【0059】
(c)記録再生装置1aに内蔵した独自の暗号鍵を使用して暗号化する。
【0060】
「再生重要情報」とは、コンテンツを再生するにあたって重要な情報である。例えば、図5に示されるように、コンテンツ401のデータを構成するGOP(Group of Picture)に含まれるIピクチャ421、422はヘッダ情報などである。
【0061】
続いて、実施の形態1における記録再生装置によってムーブ処理が実行される前と実行された後とのコンテンツのデータ構造について説明する。
【0062】
図6、図7に示されるように、ムーブ処理が実行される前は、コンテンツ101が第1記録媒体2aに記録されている。ムーブ処理が実行された際に、コンテンツ101の部分110が第2記録媒体3aに移動される。そして、ムーブ処理が実行された後は、コンテンツ102が第1記録媒体2aに記録され、新たに、コンテンツ201が第2記録媒体3aに記録される。
【0063】
ここで、コンテンツ102は、コンテンツ101の部分111〜117を再生不能に書き換えた後のコンテンツ101である。
【0064】
コンテンツ201は、先頭から順に、第1記録媒体2aから第2記録媒体3aに移動された部分110からなる部分210、終端情報からなる部分211、復元情報からなる部分212から構成される。
【0065】
「終端情報」とは、コンテンツの再生区間の終端を示す情報をいう。例えば、MPEG規格の“sequence_end_code”などである。
【0066】
また、「復元情報」とは、移動時に再生不能にするために書き換えられた部分を復元する際に使用される。例えば、部分111〜117から抽出された再生重要情報から構成される情報などである。
【0067】
例えば、コンテンツ201のように、部分210、部分211、部分212の順に並んだデータを1つのファイルにまとめることによって、別の記録媒体にコンテンツ201を移動したとしても、コピー先の記録媒体を用いてリカバリー処理を行うことができる。また、ファイルの先頭からコンテンツを再生しても、終端情報(再生区間の終端を示す情報)が部分211に含まれ、この終端情報によって部分210の次に復元情報が読み出され再生されることを抑止し、誤動作を引き起こすことを防止することができる。さらに、ファイルの最後の部分に復元情報を置くことにより、移動する部分が確定した後に復元情報を置くことになり、データ構造が単純になる。
【0068】
続いて、実施の形態1における記録再生装置によってリカバリー処理が実行される前と実行された後とのコンテンツのデータ構造について説明する。
【0069】
図6、図7に示されるように、リカバリー処理が実行される前は、コンテンツ102が第1記録媒体2aに記録されている。リカバリー処理が実行された際に、コンテンツ201の部分212が第1記録媒体2aに移動される。そして、リカバリー処理が実行された後は、コンテンツ201が第2記録媒体3aから削除され、コンテンツ101が第1記録媒体2aに記録される。
【0070】
ここで、コンテンツ101は、第2記録媒体3aから読み出された部分212に含まれる復元情報を使用して、コンテンツ101の部分121〜127を復元した後のコンテンツ102である。
【0071】
ムーブ処理部72aは、コンテンツ101の部分111〜117の再生重要情報を再生不能にするために書き換える。
【0072】
リカバリー処理部73aは、コンテンツ102の部分120を回復する際に、第2記録媒体3aからコンテンツ201の部分212を読み出し、再生不能にするために書き換えられた部分121〜127を復元する。このとき、参照テーブル(図7参照。)を参照しながら、読み出した復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報を元の箇所に書き戻す。
【0073】
続いて、次の記載は、実施の形態1における記録再生装置が、コンテンツを再生不能にするよう書き換えられたコンテンツを回復する際に参照される参照テーブルのデータ構造に関する。
【0074】
図8Bに示されるように、参照テーブル301は、ムーブ処理が施された部分に係る情報が登録されるエリア311と、部分121〜127の夫々の開始アドレスが登録されるコラム312と、部分121〜127の夫々のオフセットが登録されるコラム313から構成される。
【0075】
例えば、ムーブ処理が施されて再生不能に書き換えられた部分120を例にする。エリア311には、コンテンツ102の識別情報である“stream_PID=X”と、部分120の開始アドレスである“move_start=a0”、部分120のオフセットである“move_offset=b0”が示されている。コラム312には、部分121の開始アドレスである“missing_block_start=a1”が示されている。また、コラム313には、部分121のオフセットである“missing_block_offset=b1”などが示されている。
【0076】
なお、参照テーブル301は、部分120に対してムーブ処理が施される際に生成され、第1記録媒体2aに記録される。
【0077】
続いて、実施の形態1における記録再生装置によって実行されるムーブ処理とリカバリー処理とについて説明する。
【0078】
図9に示されるように、制御部71aは、ユーザ4からのリクエストに応じて、下記(a)、(b)の処理のいずれかを行う。
【0079】
処理(a)は、ムーブリクエストを受け付けた場合(シーケンスS11)に実行される。ムーブ処理部72aを制御して下記のムーブ処理を実行させる。
【0080】
図9、図10に示されるように、ムーブ処理部72aは、制御部71aにおいて受け付けたムーブリクエストによって特定されるムーブ対象データを第1記録媒体2aから読み出し(ステップS101)、読み出したムーブ対象データに対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS102)。
【0081】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72aから出力された書き込み要求を受け付け、受け付けた書き込み要求と共に受け取ったムーブ対象データを第2記録媒体3aに書き込む(シーケンスS12)。
【0082】
また、ムーブ処理部72aは、第1記録媒体2aに記録されているムーブ対象データから再生重要情報を抽出し(ステップS103)、抽出した箇所の再生重要情報を再生不能にするために書き換える(ステップS104)。そして、ムーブ対象データを第2記録再生部55aに出力すると(ステップS105)、終端情報に対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS106)。
【0083】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72aから出力された書き込み要求を受け付け、受け付けた書き込み要求と共に受け取った終端情報をムーブ対象データがすでに書き込まれた第2記録媒体3aに追記する(シーケンスS13)。
【0084】
さらに、ムーブ処理部72aは、第1記録媒体に記録されていたムーブ対象データから抽出した1乃至2以上の再生重要情報に基づいて復元情報を構成し、構成した復元情報に対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS107)。
【0085】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72aから出力された書き込み要求を受け付け、当該書き込み要求と共に受け取った復元情報をムーブ対象データがすでに書き込まれた第2記録媒体3aに追記する(シーケンス14)。
【0086】
この時点で、ムーブ処理部72aは、ムーブ処理を終了する。
処理(b)は、リカバリーリクエストを受け付けた場合(シーケンスS21)に実行される。リカバリー処理部73aを制御して下記のリカバリー処理を実行させる。
【0087】
図9、図11に示されるように、リカバリー処理部73aは、制御部71aにおいて受け付けたリカバリーリクエストによって特定されるコンテンツ全体またはその一部(以下、リカバリー対象データと呼称する。)と対応して第2記録媒体3aに記録されている復元情報に対する読み出し要求を第2記録再生部55aに出力する(シーケンスS22)。
【0088】
これに対して、第2記録再生部55aは、リカバリー処理部73aから出力された読み出し要求を受け付け、受け付けた読み出し要求によって特定される復元情報を第2記録媒体3aから読み出し(ステップS111)、読み出した復元情報をリカバリー処理部73aに渡す(シーケンスS23)。
【0089】
さらに、リカバリー処理部73aは、第2記録再生部55aから渡された復元情報を受け取り、受け取った復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報を使用して、リカバリー対象データにおける復元部分を復元する(ステップS112)。また、リカバリー処理部73aは、リカバリー対象データを復元しながら、リカバリー対象データと対応して第2記録媒体3aに記録されているコンテンツに対する削除要求を第2記録再生部55aに出力する(シーケンスS24)。
【0090】
これに対して、第2記録再生部55aは、リカバリー処理部73aから出力された削除要求を受け付け、受け付けた削除要求によって特定されるコンテンツを第2記録媒体3aから削除する(ステップS113)。
【0091】
そして、リカバリー処理部73aは、リカバリー対象データが復元され(ステップS114)、リカバリー対象データと対応して第2記録媒体3aに記録されているコンテンツが削除されると(ステップS115)、リカバリー処理を終了する。
【0092】
以上説明したように実施の形態1における記録再生装置によれば、著作権保護対象のコンテンツ全体またはその一部を第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動する際に、移動対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる再生重要情報を再生不能にするために書き換える。
【0093】
このとき、再生不能にするために書き換える前に、再生重要情報を抽出し、抽出した1乃至2以上の再生重要情報に基づいて復元情報を構成し、構成した復元情報をコピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて第2の記録媒体に記録する。さらに、第1の記録媒体に記録されている残留コンテンツに基づいて元のコンテンツを回復する際、コピー先のコンテンツと対応付けて記録されている復元情報を読み出す。つまり、コンテンツを全部書き戻す必要はない。次に、読み出した復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報で再生不能にするために書き換えられた箇所を上書きする。この時点で、コンテンツの回復が完了する。
【0094】
これによって、コンテンツの著作権をセキュアに保護しながら、処理負荷を増加させることなく短時間で元のコンテンツを回復することができる。
【0095】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
【0096】
本発明の実施の形態2における記録再生装置は、ムーブ処理を実行する際に、鍵を生成して、再生重要情報を暗号化する。当該記録再生装置は、暗号化した再生重要情報を復号する復号鍵を、コピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて第2記録媒体に記録することを特徴とする。
【0097】
このことを踏まえて実施の形態2における記録再生装置について説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0098】
先ず、実施の形態2における記録再生装置の詳細な機能構成について説明する。ここでは、主に、コンテンツ保護部について説明する。
【0099】
図12に示されるように、コンテンツ保護部61bは、コンテンツ保護部61aと比べて、下記(a)、(b)の点が異なる。
【0100】
(a)コンテンツ保護部61bは、ムーブ処理部72aの代わりにムーブ処理部72bを備える。新たに、鍵生成部73bおよび暗号化部74bを備える。
【0101】
ムーブ処理部72bは、ムーブ処理部72aと比べて、ムーブ処理(図16参照。)を実行する際に、再生不能にするために移動対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる再生重要情報を暗号化することによって書き換える。
【0102】
鍵生成部73bは、データを暗号化する際に利用される暗号鍵と、暗号化されたデータを復号する際に利用される復号鍵を生成する。
【0103】
暗号化部74bは、ムーブ対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる再生重要情報を暗号化する。
【0104】
(b)コンテンツ保護部61bは、リカバリー処理部75aの代わりにリカバリー処理部75bを備える。新たに、復号鍵保持部76b、復号部77bを備える。
【0105】
リカバリー処理部75aと異なり、リカバリー処理部75bは、リカバリー処理(図17参照。)を実行する際に、回復対象のコンテンツと対応して第2記録媒体に記録されているコンテンツから復号鍵を取り出し、取り出した復号鍵を利用して、回復対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる暗号化部分を復号する。
【0106】
復号鍵保持部76bは、取り出した復号鍵を保持する。
復号部77bは、復号鍵保持部76bに保持されている復号鍵を利用して、暗号化された再生重要情報を復号する。
【0107】
続いて、実施の形態2における記録再生装置においてムーブ処理が実行される前と実行された後とのコンテンツのデータ構造について説明する。
【0108】
図13、図14に示されるように、ムーブ処理が実行された後は、コンテンツ103が第1記録媒体2bに記録され、新たに、コンテンツ202が第2記録媒体3bに記録される。
【0109】
このとき、ムーブ処理部72bは、コンテンツ101の部分111〜117の再生重要情報を再生不能にするために暗号化して書き換える。
【0110】
ここで、コンテンツ103は、コンテンツ101の部分111〜117を再生不能にするために暗号化して書き換えた後のコンテンツ101である。
【0111】
コンテンツ202は、先頭から順に、第1記録媒体2bから第2記録媒体3bに移動された部分110からなる部分210、終端情報からなる部分211、復元情報からなる部分213から構成される。
【0112】
図13、図14に示されるように、リカバリー処理が実行される前は、コンテンツ103が第1記録媒体2bに記録されている。リカバリー処理が実行された際に、コンテンツ202の部分213が第2記録媒体3bから読み出される。そして、リカバリー処理が実行された後は、コンテンツ202が第2記録媒体3bから削除され、コンテンツ101が第1記録媒体2bに記録される。
【0113】
リカバリー処理部75bは、コンテンツ103の部分130を回復する際に、第2記録媒体3bからコンテンツ202の部分213を読み出し、読み出した部分213に含まれる復元情報を使用して、再生不能にするために書き換えられた部分131〜137を復元する。このとき、参照テーブル(図7参照。)を参照しながら、読み出した復元情報に含まれる復号鍵情報を使用して復号する。
【0114】
ここで、コンテンツ101は、第2記録媒体3bから読み出された部分213に含まれる復元情報を使用して、コンテンツ101の部分121〜127を復元した後のコンテンツ102である。
【0115】
続いて、実施の形態2における記録再生装置において実行されるムーブ処理とリカバリー処理とについて説明する。
【0116】
図15に示されるように、制御部71aは、ユーザ4から受け付けるリクエストに応じて、下記(a)、(b)の処理のいずれかを行う。
【0117】
処理(a)は、ムーブリクエストを受け付けた場合(シーケンスS31)に実行される。ムーブ処理部72bを制御して下記のムーブ処理を実行させる。
【0118】
図15、図16に示されるように、ムーブ処理部72bは、鍵生成要求を鍵生成部73bに出力する。
【0119】
これに対して、鍵生成部73bは、暗号鍵と復号鍵とを生成し(ステップS201)、生成した暗号鍵を暗号化部74bに渡し、復号鍵をムーブ処理部72bに渡す。
【0120】
また、ムーブ処理部72aは、制御部71aにおいて受け付けたムーブリクエストによって特定されるムーブ対象データを第1記録媒体2aから読み出し(ステップS101)、読み出したムーブ対象データに対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS102)。
【0121】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72bから出力された書き込み要求を受け付け、当該書き込み要求と共に受け取ったムーブ対象データを第2記録媒体3bに書き込む(シーケンスS32)。
【0122】
また、ムーブ処理部72bは、暗号化要求を暗号化部74bに出力する。
これに対して、暗号化部74bは、鍵生成部73bから渡された暗号鍵を使用して、第1記録媒体2bに記録されているムーブ対象データにおける再生重要情報を暗号化する。
【0123】
そして、ムーブ処理部72bは、ムーブ対象データを第2記録再生部55aに出力すると(ステップS105)、終端情報に対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS106)。
【0124】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72bから出力された書き込み要求を受け付け、当該書き込み要求と共に受け取った終端情報をムーブ対象データがすでに書き込まれた第2記録媒体3bに追記する(シーケンスS33)。
【0125】
さらに、ムーブ処理部72bは、鍵生成部73bから渡された暗号鍵から復元情報を構成し、構成した復元情報に対する書き込み要求を第2記録再生部55aに出力する(ステップS203)。
【0126】
これに対して、第2記録再生部55aは、ムーブ処理部72bから出力された書き込み要求を受け付け、当該書き込み要求と共に受け取った復元情報をムーブ対象データがすでに書き込まれた第2記録媒体3bに追記する(シーケンス34)。
【0127】
この時点で、ムーブ処理部72bは、ムーブ処理を終了する。
処理(b)は、リカバリーリクエストを受け付けた場合(シーケンスS41)に実行される。リカバリー処理部75bを制御して下記のリカバリー処理を実行させる。
【0128】
図15、図17に示されるように、リカバリー処理部75bは、制御部71aにおいて受け付けたリカバリーリクエストによって特定されるリカバリー対象データと対応して第2記録媒体3bに記録されている復元情報に対する読み出し要求を第2記録再生部55aに出力する(シーケンスS42)。
【0129】
これに対して、第2記録再生部55aは、リカバリー処理部75bから出力された読み出し要求を受け付け、受け付けた読み出し要求によって特定される復元情報を第2記録媒体3bから読み出し(ステップS211)、読み出した復元情報をリカバリー処理部75bに渡す(シーケンスS43)。
【0130】
さらに、リカバリー処理部75bは、第2記録再生部55aから渡された復元情報を受け取り、受け取った復元情報に含まれる復号鍵を使用して、リカバリー対象データにおける暗号化部分を復元する(ステップS212)。また、リカバリー処理部75bは、リカバリー対象データを復元しながら、リカバリー対象データと対応して第2記録媒体3bに記録されているコンテンツに対する削除要求を第2記録再生部55aに出力する(シーケンスS44)。
【0131】
これに対して、第2記録再生部55aは、リカバリー処理部75bから出力された削除要求を受け付け、受け付けた削除要求によって特定されるコンテンツを第2記録媒体3bから削除する(ステップS113)。
【0132】
そして、リカバリー処理部75bは、リカバリー対象データが復元され(ステップS213)、リカバリー対象データと対応して第2記録媒体3bに記録されているコンテンツが削除されると(ステップS115)、リカバリー処理を終了する。
【0133】
以上説明したように実施の形態2における記録再生装置によれば、著作権保護対象のコンテンツ全体またはその一部を第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動する際に、移動対象のコンテンツ全体またはその一部に含まれる再生重要情報を再生不能にするために書き換える。このとき、暗号化において再生不能にするために書き換えた箇所を復号する際に使用される復号鍵から復元情報を構成し、構成した復元情報をコピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて第2記録媒体に記録する。さらに、元の記録媒体に記録されている残留コンテンツに基づいて元のコンテンツを回復する際に、コピー先のコンテンツを全部書き戻す代わりに、コピー先の記録媒体に当該コンテンツと対応付けて記録されている復元情報を読み出し、読み出した復元情報に含まれる復号鍵を使用して、再生不能にするために書き換えられた箇所を復号して、元のコンテンツを回復する。
【0134】
これによって、コンテンツの著作権をセキュアに保護しながら、処理負荷を増加させることなく短時間で元のコンテンツを回復することができる。さらに、復元情報を再生重要情報に基づいて構成する場合よりも、復号鍵を用いて復元情報を構成する場合の方が、移動に伴い、第2の記録媒体に記録される復元情報のデータサイズを小さくすることができる。
【0135】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。
【0136】
本発明の実施の形態3における記録再生装置は、ムーブ処理を実行する際に、移動対象のコンテンツ全体またはその一部の解像度を、高解像度から低解像度に変換することを特徴とする。
【0137】
このことを踏まえて実施の形態3における記録再生装置について説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0138】
先ず、実施の形態3における記録再生装置の機能構成について説明する。
図18に示されるように、記録再生装置1cは、記録再生装置1aと比べて、下記(a)、(b)の点が異なる。
【0139】
(a)第1記録再生部52a、第2記録再生部55aの代わりに第1記録再生部52c、第2記録再生部55cを備えること。
【0140】
第1記録再生部52cは、著作権保護対象のコンテンツ全体またはその一部を第1記録媒体2cから第2記録媒体3cに移動する際に、第1記録媒体2cから読み出した移動対象のデータを、変換部56cを介して第2記録再生部55cに出力する。
【0141】
(b)新たに変換部56cを備えること。
変換部56cは、コンテンツの解像度を高解像度から低解像度に変換する。また、コンテンツのビットレートを高ビットレートから低ビットレートに変換する。
【0142】
例えば、第1記録媒体2cをBD−REとし、第2記録媒体3cをDVD−RAMとした場合において、BD−REからDVD−RAMへの変換は以下のような方法でおこなわれる。BD−REに記録されているMPEG2−TS形式のコンテンツの解像度をHDTV(High Definition Television)からSDTV(Standard Definition Television)に変換し、データレートを変換してMPEG2−PS形式のコンテンツにしてから、変換したコンテンツをDVD−RAMに記録する。このような変換処理は、例えば、MPEG2−TS形式のコンテンツを完全に復号し、映像信号のサンプルを間引いて解像度をHDTVからSDTVに変換し、MPEG2で再符号化し、最後に、MPEG2−PS形式で多重化することにより実現することができる。他の変換処理としては、いわゆるトランスコード技術を用いてもよい。トランスコードは、DCT符号の段階でコンテンツを変換する技術であるため、当該技術によりコンテンツ全体を復号化する必要はなくなる。
【0143】
「HDTV」とは、高画質ハイビジョン放送をいう。
「SDTV」とは、標準画質放送をいう。
【0144】
以上説明したように、実施の形態3における記録再生装置1cは、著作権保護対象のコンテンツを第1記録媒体2cから第2記録媒体3cに移動する際に、内部の変換部に映像信号の解像度をHDTVからSDTVに変換させると共にデータレートを下げる。
【0145】
この変換処理を採用することにより、再生をおこないやすくなる。例えば、図19Bに示される再生装置5c(小型かつ軽量、低消費電力、再生処理部81c、コンテンツ復号部82c、音声・映像出力部83cなどを備える)でもこの種の再生を十分おこなうことができる。
【0146】
再生処理部81cは、第2記録媒体3cに記録されているコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツをコンテンツ復号部83cに出力する。
【0147】
コンテンツ復号部82cは、再生処理部81cから出力されたコンテンツを復号し、復号した音声・映像信号を音声・映像出力部83cに出力する。
【0148】
音声・映像出力部81cは、コンテンツ復号部82cから出力された音声・映像信号を、液晶ディスプレイなどの携帯型表示デバイスや携帯型ヘッドホンなどを介してユーザに出力する。
【0149】
記録再生装置1cは、コンテンツを再圧縮符号化してデータレートを下げてから、第2記録媒体に記録した場合においても、(a)第1記録媒体に記録されているコンテンツの再生重要情報を再生不能にするために書き換える前に、再生重要情報を抽出し、(b)抽出した1乃至2以上の再生重要情報から復元情報を構成し、(c)構成した復元情報をコピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて第2記録媒体に記録する。さらに、記録再生装置1cは、第2記録媒体から第1記録媒体に回復する際に、コピー先のコンテンツを全部書き戻す代わりに、(a)コピー先の記録媒体のコンテンツと対応付けて記録されている復元情報を読み出し、(b)読み出した復元情報に含まれる1乃至2以上の再生重要情報を使用して、再生不能にするために書き換えられた箇所を上書きして、元のコンテンツを回復する。
【0150】
これによって、消費電力が低く小型かつ軽量の再生装置でも、著作権を保護しながらコンテンツを再生できるようになり、処理負荷を増加させることなく短時間で元のコンテンツを回復することができる。
【0151】
(その他)
なお、コンテンツは、MPEG2トランスポートストリーム形式のストリームとしてもよいし、MPEG2プログラムストリームとしてもよい。
【0152】
なお、記録再生装置は、第2記録再生部の代わりに第1記録再生部を備えてもよい。
図20に示されるように、例えば、据置型の記録再生装置1dは、第1記録再生部を備え、携帯型の記録再生装置6dは、第2記録再生部を備えるとする。このとき、据置型の記録再生装置1dの第1記録再生部は、著作権保護対象のコンテンツ全体またはその一部を第1記録媒体2dから第3記録媒体7dに移動する際に、第1記録媒体2dから読み出した移動対象のデータを携帯型の記録再生装置6dの第2記録再生部に出力する。
【0153】
なお、参照テーブルの代わりに、EP_mapとしてもよい。ここで、EP_mapとは、本来、BD−REにおいて特殊再生を行うために設けられるテーブルである。そして、これを流用することで、リカバリー処理専用に別途参照テーブルを生成するオーバーヘッドを減らすことが可能である。
【0154】
図21に示されるように、EP_map302は、ムーブ処理が施されたコンテンツに係る情報が格納されるエリア321と、部分121〜127(再生不能にするために書き換えられた部分)夫々の開始アドレスが格納されるコラム322と、夫々のオフセットが格納されるコラム323から構成される。
【0155】
ここで、ムーブ処理が実行された後において再生不能にするために書き換えられた部分120を例にあげる。エリア311には、コンテンツ102の識別情報である“stream_PID=X”が示されている。コラム322には、部分121の開始アドレスである“start=a1”が、コラム313には、部分121のオフセットである“offset=b1”などが示されている。
【0156】
なお、EP_map302は、部分120に対してムーブ処理が施される際に生成され、第1記録媒体に記録される。
【0157】
なお、Iピクチャ又はそのヘッダ情報の代わりに、MPEG2パケタイズドエレメンタリーストリーム(以下、PESと呼称する。)を再生重要情報として用いてもよい。
【0158】
図22に示されるように、PESパケットは、可変長である。PESパケット・データは、ビデオ、オーディオを圧縮したエレメンタリーストリームに相当する。PESパケット長を記述するための領域を持たないパケタイズドエレメンタリーストリームを作成することが認められているため、そのようなPESパケット長に基づいて次のPESパケットの位置を知ることは不可能である。そのため、PESパケットの先頭位置は、PESスタートコードを検出することによって判別される。
【0159】
例えば、MPEG2においては、連続する32ビットのデータにおける先頭24ビットが16進数表記で、00、00、01となる場合には、この32ビットをスタートコードとする。この場合、残りの8ビットで、スタートコードの種類を表す。このスタートコードは、ストリームの各レイヤにおけるヘッダ開始位置を示すために用いられる。スタートコードの誤検出が発生しないように、MPEG2の規格では、ストリーム中におけるスタートコード以外の場所において、0が23ビット以上連続しないように定められている。しかし、PESの一部を、不定期に、00によって上書きした場合には、PESスタートコード検出において、スタートコード・エミュレーションが発生する。すなわち、パケット・データを00で上書き結果として、元のパケット・データには存在しない00、00、01という24ビットのパターンが発生する。このため、PESパケット先頭位置を誤検出する場合が発生し、正常な画像をデコードすることができなくなる。
【0160】
なお、Iピクチャ又はそのヘッダ情報の代わりに、MPEG2のトランスポートストリームのパケットIDを再生重要情報として用いてもよい。
【0161】
図23に示されるように、トランスポートストリームは、188バイトの固定長のトランスポートストリームパケットによって構成される。また、トランスポートストリームパケットは、同期符号(8ビット)、誤り表示(1ビット)、ユニット開始表示(1ビット)、トランスポート・パケット・プライオリティ(1ビット)、パケットID(13ビット)、スクランブル制御(2ビット)、アダプテーションフィールド制御(2ビット)、巡回カウンタ(4ビット)、アダプテーションフィールド及びペイロードから構成される。さらに、PESストリームのペイロードには、PESパケット(図22参照。)が格納される。そして、一つのストリームは、同一のパケットIDを持つトランスポートパケットに分割され、トランスポートストリームに多重化される。このため、通常のデジタル放送においては、複数のストリームが、夫々、固有のPIDを持ったトランスポートパケットとして、トランスポートストリームに多重化されている。
【0162】
例えば、以下のPIDを有するトランスポートストリームの場合、映像1のPIDが101、映像2のPIDが201、音声1のPIDが102とすると、これらのトランスポートパケット内のデータが時間軸で多重化されている。ある程度の期間にわたって、全パケットのPIDを消去することにより、それらのPIDとそのトランスポートパケットのペイロードに含まれるPESストリームとの対応関係を隠すことができる。例えば、映像1、映像2、音声1がすでにストリームにおいて混ざっているため、それらを分離することができない。
【0163】
なお、Iピクチャ又はそのヘッダ情報の代わりに、MPEG2のプログラムストリームのパックヘッダを再生重要情報として用いてもよい。
【0164】
図24に示されるように、プログラムストリームは、パックと呼ばれるパケットによって構成されている。各パックのバイト数は、MPEG規格上では、規定されていないが、DVDに応用する場合には、固定長で2048バイトと規定されている。また、一つのパックには、一つまたは複数のPESパケットが多重化される。なお、これらのPESパケットが、映像であるか、音声であるかは、PESヘッダ中に多重化されているストリームIDに基づいて判定される。そして、ストリームIDとストリームの内容とを関連付ける情報は、別途専用のPESパケットとして多重化される。
【0165】
例えば、所定の領域に渡って、全PESパケットのPESヘッダを消去すれば、そのPESパケットに含まれるストリームの対応関係を特定することができなくなる。また、パックヘッダ中には、データレートバッファリングの情報や、PESパケットを再生するための時間基準が多重化されている。所定の領域に渡って、パックヘッダを消去すれば、ストリームの滑らかな再生を困難にすることができる。特に、DVDのような可変ビットレートのストリームを多重化するシステムにおいては有効である。
【0166】
なお、記録再生装置制御プログラムは、コンピュータシステム、組み込みシステム等のようなハードウェアシステムに読み出され得るように、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくとしてもよい。そのような記録媒体には、CD−ROMなどの光学記録媒体、ハードディスクなどの磁気記録媒体、MOなどの光磁気記録媒体、メモリカードなどの半導体メモリ等がある。そして、記録再生装置制御プログラムは、上記記録媒体を介して、他のハードウェアシステムにおいて実行されるとしてもよい。
【0167】
また、ネットワーク上のハードウェアシステムに記録再生装置制御プログラムを保持しておき、ネットワークを介して記録再生装置制御プログラムをダウンロードした他のハードウェアシステムにおいて実行されるとしてもよい。
【0168】
なお、コンテンツ保護部は、ROMに格納されているプログラムによって記録再生装置に実現されるとしてもよいし、システムLSIに組み込まれているとしてもよい。
【0169】
なお、システムLSIは、フルカスタムLSI(Large Scale Integration)によって実現されるとしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のようなセミカスタムLSIによって実現されるとしてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等のようなプログラマブル・ロジック・デバイスによって実現されるとしてもよい。また、動的に回路構成が書き換え可能なダイナミック・リコンフィギュラブル・デバイスとして実現されるとしてもよい。
【0170】
さらに、コンテンツ保護部を構成する1乃至2以上の機能を、これ等のLSIに形成する設計データは、VHDL(Very high speed integrated circuit Hardware Description Language)、Verilog−HDL、SystemC等のようなハードウェア記述言語によって記述されたプログラム(以下、HDLプログラムと呼称する。)としてもよい。また、HDLプログラムを論理合成して得られるゲート・レベルのネットリストとしてもよい。また、ゲート・レベルのネットリストに、配置情報、プロセス条件等を付加したマクロセル情報としてもよい。また、寸法、タイミング等が規定されたマスクデータとしてもよい。
【0171】
さらに、設計データは、コンピュータシステム、組み込みシステム等のようなハードウェアシステムに読み出され得るように、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくとしてもよい。そのような記録媒体には、CD−ROMなどの光学記録媒体、ハードディスクなどの磁気記録媒体、MOなどの光磁気記録媒体、メモリカードなどの半導体メモリ等がある。そして、設計データは、ダウンロードケーブルを介して、プログラマブル・ロジック・デバイスにダウンロードされるとしてもよい。
【0172】
または、設計データは、伝送路を経由して他のハードウェアシステムに取得され得るように、ネットワーク等のような伝送路上のハードウェアシステムに保持しておくとしてもよい。さらに、伝送路を介してハードウェアシステムから第2のハードウェアシステムに取得された設計データは、ダウンロードケーブルを介して、プログラマブル・ロジック・デバイスにダウンロードされるとしてよい。
【0173】
または、論理合成、配置、配線された設計データは、回路の通電時にFPGAに転送され得るように、シリアルROMに記録しておくとしてもよい。そして、シリアルROMに記録された設計データは、直接、FPGAにダウンロードされるとしてもよい。
【0174】
または、論理合成、配置、配線された設計データは、回路の通電時に、マイクロプロセッサによって生成されて、FPGAにダウンロードされるとしてもよい。
【0175】
本願の実施の形態の例をいくつか詳細に記載したが、本願の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示した実施の形態において多くの改良が可能であることは、当業者には容易に理解できる。したがって、そのような変形例は本願の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、著作権保護機能を有する記録再生装置として利用することができ、特に、以下のような場合でも元のコンテンツを回復することができる記録再生装置等として利用することができる。すなわち、(a)(デジタル放送の)著作権保護対象コンテンツが第1の記録媒体に記録された場合、(b)復元情報が生成され、当該復元情報とコンテンツ全体または一部が第1の記録媒体から第2の記録媒体に移動された場合、および(c)第2の記録媒体から当該復元情報を回復することによって第1の記録媒体で元のコンテンツが復元された場合である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
本願におけるこれらの目的および他の目的や、効果、特徴は、実施の形態を示す付属図面に関する以下の説明から明確になる。当該図面において、
【図1】図1は、本願の実施の形態1における記録再生装置の説明図である。
【図2】図2は、実施の形態1における記録再生装置のハードウェアの機能構成を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1における記録再生装置の機能構成を示す図である。
【図4A】図4Aは、実施の形態1における記録再生装置の詳細な機能構成を示す第1の図である。
【図4B】図4Bは、実施の形態1における記録再生装置の詳細な機能構成を示す第2の図である。
【図5】図5は、実施の形態1における再生重要情報(つまり、本図ではIピクチャ)の例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1における記録再生装置においてムーブ処理が実行される前と実行された後とのコンテンツのデータ構造を示す第1の説明図である。
【図7】図7は、実施の形態1における記録再生装置においてムーブ処理が実行される前と実行された後とのコンテンツのデータ構造を示す第2の説明図である。
【図8A】図8Aは、ストリームのデータ構造の説明図である。
【図8B】図8Bは、実施の形態1における記録再生装置において、再生不能にするために書き換えられたデータを有するコンテンツを回復する際に参照される参照テーブルのデータ構造を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態1における記録再生装置によって実行されるムーブ処理からリカバリー処理までのシーケンスを示す図である。
【図10】図10は、実施の形態1における記録再生装置において実行されるムーブ処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態1における記録再生装置によって実行されるリカバリー処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本願の実施の形態2における記録再生装置の詳細な機能構成を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態2における記録再生装置においてムーブ処理が実行される前と実行された後それぞれにおいて示されるコンテンツのデータ構造の第1の説明図である。
【図14】図14は、実施の形態2における記録再生装置においてムーブ処理が実行される前と実行された後それぞれにおいて示されるコンテンツのデータ構造の第2の説明図である。
【図15】図15は、実施の形態2における記録再生装置において実行されるムーブ処理からリカバリー処理までのシーケンスを示す図である。
【図16】図16は、実施の形態2における記録再生装置において実行されるムーブ処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施の形態2における記録再生装置において実行されるムーブ処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の実施の形態3における記録再生装置の機能構成を示す図である。
【図19A】図19Aは、携帯電話とSDカードの説明図である。
【図19B】図19Bは、実施の形態3における再生装置の構成の概要を示す図である。
【図20】図20は、本願のその他と称された記載箇所における据置型の記録再生装置と携帯型の記録再生装置の説明図である。
【図21】図21は、その他における記録再生装置において、再生不能にするために書き換えられたコンテンツを回復する際に参照されるEP_mapのデータ構造を示す図である。
【図22】図22は、その他におけるMPEG2パケタイズド・エレメンタリ・ストリームのデータ構造を示す図である。
【図23】図23は、その他におけるMPEG2トランスポートストリームのデータ構造を示す図である。
【図24】図24は、その他におけるMPEG2プログラムストリームのデータ構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記録媒体に記録された第1のコンテンツに基づいて第2のコンテンツを生成し、第2の記録媒体に前記生成した第2のコンテンツを記録し、再生不能にするために、前記第1コンテンツのひとつ以上の箇所を書き換えることによって、前記第1記録媒体から前記第2記録媒体へ第1コンテンツを移動する記録再生装置であって、
前記第2コンテンツと関連付けて復元情報を前記第2記録媒体に記録する移動手段と、
前記第2記録媒体の復元情報を用いて、前記第1コンテンツの書き換えられた箇所を復元することによって、前記第1記録媒体の残留コンテンツから前記第1コンテンツを回復する回復手段と
を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記移動手段は、第1コンテンツに基づいて生成された第2コンテンツに対応する第1の部分と、復元情報に対応する第2の部分とを含むコンテンツを第2記録媒体に記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記第1部分の再生の終端位置を示すヘッダ情報を含む第3の部分を前記第1の部分の後に追記する
ことを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記記録再生装置は、さらに、
前記コンテンツの属性を変換する変換手段を備え、
前記第1の部分は、前記変換手段によって属性が変換された後の前記移動対象部分を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記コンテンツの属性は、前記コンテンツの表示解像度であり、
前記変換手段は、
前記コンテンツの表示解像度を第1の表示解像度から第2の表示解像度に変換する
ことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記コンテンツは、フレーム間圧縮符号化された画像ストリームであって、
前記移動手段は、前記第1コンテンツを再生不能にするために、前記画像ストリームの参照画像、及び前記参照画像のヘッダ情報のいずれかが含まれる箇所を書き換える
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記コンテンツは、パケット多重化されたストリームであって、
前記移動手段は、前記第1コンテンツを再生不能にするために、前記元の記録媒体に記録された前記元のコンテンツのパケット識別情報が含まれる箇所を書き換える
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記移動手段は、前記第1コンテンツを再生不能にするために、書き換えられた箇所のアドレスを特定するテーブルを生成し、
前記回復手段は、前記テーブルを参照しながら復元する箇所を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記移動手段は、前記第1コンテンツがまだ移動されていないとき、早送りや巻き戻しのための重要データのアドレスを特定し、かつ、前記第1コンテンツを再生不能にするために書き換えられた箇所のアドレスを特定するマップ情報を生成し、
前記回復手段は、前記マップ情報を参照しながら復元する箇所を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記移動手段は、所定のデータで上書きすること、及び暗号化することのいずれかによって、前記第1コンテンツを再生不能にするために前記箇所を書き換える
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項11】
前記移動手段は、前記第1コンテンツを再生不能にするために書き換える箇所に対応するデータから前記復元情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項12】
前記移動手段は、前記箇所を暗号化することによって前記第1コンテンツを再生不能にするために書き換えた箇所の復号に使用される復号鍵を用いて前記復元情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項13】
第1コンテンツに基づいて生成された第2コンテンツに対応する第1の部分と、
前記復元情報を含む第2コンテンツを記録する際に、第1コンテンツを再生不能にするためにひとつ以上の箇所を書き換えたときに生成された、前記第1記録媒体に残っている第1コンテンツを再生不能にするために書き換えられたひとつ以上の箇所を復元する際に使用される復元情報に対応する第2の部分と
を含むコンテンツが記録され用いられることを特徴とする記録媒体。
【請求項14】
第1の記録媒体に記録された第1のコンテンツに基づいて第2のコンテンツを生成し、第2の記録媒体に前記生成した第2のコンテンツを記録するコンテンツ保護方法であって、
前記復元情報を含む第2コンテンツを記録する際に、第1コンテンツを再生不能にするためにひとつ以上の箇所を書き換えたときに生成された、前記第1記録媒体に残っている第1コンテンツを再生不能にするために書き換えられたひとつ以上の箇所を復元する際に使用される復元情報を、前記第2のコンテンツに関連付けて前記第2記録媒体に記録し、 前記第2記録媒体に記録された前記復元情報を回復して使用することによって、前記第1記録媒体に記憶された前記残留コンテンツに基づいて前記第1コンテンツを復元すること
を含むことを特徴とするコンテンツ保護方法。
【請求項15】
第1の記録媒体に記録された第1のコンテンツに基づいて第2のコンテンツを生成し、第2の記録媒体に前記生成した第2のコンテンツを記録するコンテンツ保護方法をコンピュータシステムに実行させるコンテンツ保護プログラムであって、
前記復元情報を含む第2コンテンツを記録する際に、第1コンテンツを再生不能にするためにひとつ以上の箇所を書き換えたときに生成された、前記第1記録媒体に残っている第1コンテンツを再生不能にするために書き換えられたひとつ以上の箇所を復元する際に使用される復元情報を、前記第2のコンテンツに関連付けて前記第2記録媒体に記録し、 前記第2記録媒体に記録された前記復元情報を回復して使用することによって、前記第1記録媒体に記憶された前記残留コンテンツに基づいて前記第1コンテンツを復元するコンテンツ保護方法をコンピュータシステムに実行させること
を特徴とするコンテンツ保護プログラム。
【請求項16】
第1の記録媒体に記録された第1コンテンツに基づき第2のコンテンツを生成し、第2の記録媒体に生成された第2コンテンツを記録するコンテンツ保護回路であって、
前記復元情報を含む第2コンテンツを記録する際に、第1コンテンツを再生不能にするためにひとつ以上の箇所を書き換えたときに生成された、前記第1記録媒体に残っている第1コンテンツを再生不能にするために書き換えられたひとつ以上の箇所を復元する際に使用される復元情報を、前記第2のコンテンツに関連付けて前記第2記録媒体に記録する移動手段と、
前記第2記録媒体に記録された前記復元情報を回復して使用することによって、前記第1記録媒体に記憶された前記残留コンテンツに基づいて前記第1コンテンツを復元する回復手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2008−522333(P2008−522333A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524108(P2007−524108)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/JP2005/020773
【国際公開番号】WO2006/059475
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】