説明

記録媒体処理装置の搬送状態判定方法

【課題】搬送される小切手の挿入方向が正しいか否かを磁気ヘッドの検出信号に基づいて判定する挿入方向判定手段の誤った判定を排除できる小切手処理装置を提案すること。
【解決手段】小切手処理装置1は小切手6の挿入方向が正しいか否かを磁気ヘッド23の検出信号に基づいて判定する挿入方向判定手段76と、重送を検出するための重送検出器62および重送判定手段62aと、挿入方向判定手段76および重送判定手段62aにおける挿入方向判定、重送判定の有効/無効を設定する有効/無効制御手段82と、挿入方向判定のみが有効な場合に重送判定を強制的に有効に設定する制御手段83とを備えている。挿入方向判定手段76が誤った判定する場合は重送が発生している場合なので、挿入方向判定が有効な場合には必ず重送判定を有効にする。また、重送の場合には、挿入方向判定を無効にすることにより、挿入方向が誤って判定される場合を排除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って一枚ずつ搬送しながら磁気インク文字を読み取る記録媒体処理装置に関する。より詳細には、搬送される記録媒体の挿入方向や重送などの搬送状態を判定する機能を備えた記録媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気インク文字が印刷されている記録媒体を処理する記録媒体処理装置としては小切手類を処理するための小切手処理装置が知られている。店舗や銀行などの金融機関においては、持ち込まれた小切手、手形などの小切手類を小切手処理装置に掛けて、それらの磁気インク文字および表裏の画像を読み取り、決済処理などを行っている。
【0003】
小切手処理装置では、小切手は搬送路に沿って一枚ずつ搬送されながら磁気ヘッド、イメージセンサなどによって磁気インク文字および表裏の画像が読み取られる。搬送路の下流端には2つの収納ポケットが形成されており、磁気インク文字の読み取りが正常に行われた小切手は第1収納ポケットに排出され、磁気インク文字を正確に読み取ることができなかった小切手は第2収納ポケットに排出されるようになっている。特許文献1には、このような小切手処理装置が開示されている。
【0004】
小切手処理装置では、複数枚の小切手が重送状態で搬送されることがある。重送が発生すると、磁気ヘッドと対峙する側(読取側)を搬送される小切手の磁気インク文字は読み取られるが、磁気ヘッドと対峙しない側(重送側)を搬送される小切手の磁気インク文字は読み取られない。このため、小切手処理装置に掛けられた小切手と読み取られた磁気インク文字の情報とが対応しなくなり、決済処理に支障が出る。そこで、重送を検出する重送判定手段を備え、重送が発生した場合には小切手の搬送を中止する小切手処理装置が、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2の重送判定手段は、搬送路を搬送される小切手の厚さを検出し、その厚さが所定厚さ以上の場合には重送が発生していると判定している。
【特許文献1】特開2004−206362号公報
【特許文献2】特開2005−225661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、小切手処理装置には、小切手が予め定められた挿入方向とは上下の向き、および/または、表裏の向きが逆の状態で挿入されることがある。この場合には、搬送される小切手の磁気インク文字が磁気ヘッドの読取位置を通過しなくなってしまうので、磁気インク文字の読み取りができない。
【0006】
そこで、本願出願人は、特願2006−297464において、挿入方向が正しくない小切手を迅速に処理するために、小切手の挿入方向を判定する挿入方向判定手段を備え、挿入方向が正しくない場合には文字認識処理を行わずに小切手を第2収納ポケットに排出する小切手処理装置を提案している。挿入方向判定手段は、磁気ヘッドの検出信号の変化量が所定未満の場合には、記録媒体の上下の向きが逆であるか、若しくは記録媒体の表裏の向きが逆であると判定している。検出信号の変化量が所定以上の場合には、予め記憶されている磁気インク文字認識用の信号パターンと照合させて、記録媒体の表裏の向きを判定している。
【0007】
しかし、この挿入方向判定手段は、重送が発生している場合に誤った判定をすることがある。例えば、読取側および重送側の小切手の挿入方向がそれぞれ正しくても、読取側の小切手の挿入方向が正しくないと判定することがある。この誤った判定は、磁気ヘッドが読取側および重送側の両方の小切手の磁気インク文字が発生させる磁界の変化を検出してしまい、検出信号と磁気インク文字認識用の信号パターンと照合させることができなった場合に発生する。
【0008】
また、例えば、読取側の小切手の挿入方向が上下および表裏が逆向きであっても、重送側の小切手の挿入方向が正しい場合には、読取側の小切手の挿入方向が正しいと判定することがある。この誤った判定は、重送側の小切手の磁気インク文字が発生させる磁界の変化量を磁気ヘッドが検出し、この検出信号と磁気インク文字認識用の信号パターンと照合させてしまったことに起因する。
【0009】
挿入方向が誤って判定されると、挿入方向判定手段を搭載したにもかかわらず、小切手を迅速に処理できないという問題が発生する。また、読取側の小切手に担持されている情報と読み取られた磁気インク文字の情報とが対応しなくなってしまうので、その後の決済処理などに支障が出るという問題がある。
【0010】
ここで、上記の小切手処理装置は挿入方向判定手段とともに重送判定手段を搭載しているので、重送判定および挿入方向判定が常に一緒に行なわれるように小切手処理装置を駆動制御すれば、挿入方向が誤って判定される場合を排除できる。しかし、小切手処理装置では、重送判定を行うか否か、挿入方向判定を行うか否かは、ユーザの要求に応じて別々に設定可能になっているのが現状である。例えば、上記の小切手処理装置は、小切手が使用された証拠として小切手の表裏の画像情報を保存するために、小切手の表裏の画像情報のみを読み取る用途に使われることがある。この場合、イメージセンサによって読み取られた表裏の画像情報は小切手の挿入方向に関係なく利用することができるので、挿入方向判定は必要ない。また、磁気インク文字の読み取りを行わないにも拘わらず磁気ヘッドの検出信号から挿入方向判定を行うとすれば、画像情報の読み取り処理速度が低下してしまう。このような場合に、ユーザは、重送判定のみを行うように小切手処理装置を駆動制御することを要求するからである。
【0011】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、搬送路を搬送される記録媒体の挿入方向を判定する挿入方向判定手段を備える記録媒体処理装置において、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる記録媒体処理装置、搬送状態判定方法および搬送状態判定用プログラムを提案することにある。
【0012】
また、重送判定を行うか否かおよび挿入方向判定を行うか否かがユーザの要求に応じて別々に設定可能になっている小切手処理装置において、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる記録媒体処理装置、搬送状態判定方法および搬送状態判定用プログラムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効とすることを特徴とする。
【0014】
磁気ヘッドの検出信号に基づいて搬送される記録媒体の挿入方向を判定する小切手処理装置では、重送が発生していると、磁気ヘッドが重送側の記録媒体に印刷されている磁気インク文字が発生させる磁界の変化を検出してしまい、挿入方向を誤って判定することがある。このような誤った判定を排除するために、本発明では、重送状態であると判定された場合には挿入方向判定の判定結果を無効とするようにしている。この結果、挿入方向の誤った判定に基づいて記録媒体の処理が行われることを回避できる。
【0015】
本発明において、記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることが望ましい。このようにすれば、挿入方向判定のみが有効になることを回避できるので、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる。また、重送判定の設定を優先しながら、挿入方向判定の有効/無効の設定を行うことができる。
【0016】
また、本発明において、記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とすることが望ましい。このようにすれば、挿入方向判定を有効に設定した場合には必ず重送判定が行われるので、挿入方向が誤って判定される場合を排除できる。
【0017】
次に、本発明の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、重送判定の有効/無効が設定可能になっており、記録媒体の搬送に先立って重送判定が無効に設定されている場合には、挿入方向判定を無効に設定する。この結果、挿入方向判定のみが有効になることを回避できるので、挿入方向が誤って判定される場合を排除できる。また、重送判定の有効/無効の設定を優先して、挿入方向判定の有効/無効を設定することができる。
【0019】
また、挿入方向判定の有効/無効の設定が可能になっている場合に、挿入方向判定が単独で行われることを回避して、挿入方向が誤って判定される場合を排除するためには、記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることが望ましい。
【0020】
次に本発明の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力と、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力とを受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、重送判定の有効/無効の設定および挿入方向判定の有効/無効の設定を個別にすることが可能な場合でも、挿入方向判定が単独で行われることを回避して、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる。すなわち、本発明によれば、重送判定が無効で挿入方向判定が有効という設定のパターンは除かれて、重送判定のみが有効、重送判定および挿入方向判定の双方が有効、および、重送判定および挿入方向判定の双方が無効という3つの設定のパターンのみが設定可能になる。
【0022】
次に、本発明は、磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効とする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムによれば、重送状態であると判定された場合には挿入方向判定の判定結果を無効とするので、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる。また、このような処理を搬送状態判定用プログラムとして提供することにより、記録媒体処理装置または記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることができる。
【0024】
本発明において、重送判定が無効に設定されている場合に、挿入方向判定が単独で有効になることを回避するためには、記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることが望ましい。
【0025】
また、挿入方向判定が単独で有効になることを回避するためには、記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることが望ましい。
【0026】
次に、本発明は、磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
前記重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする。このようにすれば、重送判定の設定を優先しながら、挿入方向判定のみが有効になることを回避できるので、挿入方向が誤って判定される場合を排除できる。
【0027】
また、挿入方向判定のみが有効になることを回避して、挿入方向が誤って判定される場合を排除するためには、記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることが望ましい。
【0028】
次に、本発明は、磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
前記重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力と、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力とを受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、記録媒体の搬送に先立って、重送判定の有効/無効の設定および挿入方向判定の有効/無効の設定を個別にすることが可能な場合でも、挿入方向判定が単独で行われることを回避して、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる。
【0030】
次に、本発明の記録媒体処理装置は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効にする制御手段と、
を有していることを特徴とする。
【0031】
本発明の記録媒体処理装置によれば、重送状態であると判定された場合には、制御手段が挿入方向判定の判定結果を無効にするので、挿入方向が誤って判定される場合を排除することができる。
【0032】
本発明において、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段を有し、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることが望ましい。
【0033】
また、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段を有し、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることが望ましい。
【0034】
次に、本発明の記録媒体処理装置は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする制御手段と、
を有していることを特徴とする。
【0035】
本発明において、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段を有し、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることが望ましい。
【0036】
次に、本発明の記録媒体処理装置は、
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段と、
前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする制御手段と、
を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
磁気ヘッドの検出信号に基づいて搬送される記録媒体の挿入方向を判定する小切手処理装置では、重送が発生していると、磁気ヘッドが重送側の記録媒体に印刷されている磁気インク文字が発生させる磁界の変化を検出して、挿入方向を誤って判定することがある。このような誤った判定を排除するために、本発明では、重送状態であると判定された場合には挿入方向判定の判定結果を無効とするようにしている。この結果、挿入方向の誤った判定に基づいて記録媒体の処理が行われることを回避できる。
【0038】
また、記録媒体の搬送に先立って、重送判定の有効/無効および挿入方向判定の有効/無効が別々に設定可能になっている場合には、挿入方向判定のみが有効になる設定のパターンが除かれるようになっている。この結果、挿入方向判定が行われる場合には、必ず重送判定が行われるので、挿入方向について誤って判定される場合を排除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、図面を参照して、本発明を採用した小切手処理装置の実施の形態を説明する。
【0040】
(全体構成)
図1(a)および(b)は本実施の形態に係る小切手処理装置を示す斜視図および平面図である。小切手処理装置1は、装置本体側の本体ケース2と、本体ケース2の先端部に取り付けた垂直軸3を中心として左右に開閉可能な開閉カバー4、5とを備えている。本体ケース2と開閉カバー4、5の間には、小切手6を搬送するための小切手搬送路7が形成されている。小切手搬送路7は細幅の垂直溝によって規定されており、略U字状をしている。小切手搬送路7は小切手搬送方向の上流側から上流側搬送路部分8、湾曲状搬送路部分9、および下流側搬送路部分10を備えている。上流側搬送路部分8の上流端は広幅の垂直溝からなる小切手供給部11に繋がっている。下流側搬送路部分10の下流端は小切手収納部12に繋がっている。小切手収納部12は、下流側搬送路部分10の下流端に繋がっている細幅の垂直溝からなる第1および第2分岐通路13、14と、これらの下流端に繋がっている第1収納ポケット15および第2収納ポケット16とを備えている。第1および第2分岐通路13、14の分岐部分には、下流側搬送路部分10から排出される小切手6を第1または第2収納ポケット15、16に振り分けるための切換えレバー17が配置されている。
【0041】
小切手6は、図1に示すように、その表面6aの下端部分に、その長辺方向に磁気インク文字列6Aが印刷されている。また、表面6aには、所定の模様の背景に、金額、振出人、番号、サインなどが記載されており、裏面6bには裏書き欄などが設けられている。小切手6は、上下方向を揃え、表面6aが略U形状の小切手搬送路7の外側を向くように、小切手供給部11に挿入される。
【0042】
小切手搬送路7には、図1(b)において点線で示すように、小切手6の表面6a画像を読み取るための表面側コンタクトイメージスキャナ21、その裏面6b画像を読み取るための裏面側コンタクトイメージスキャナ22、その磁気インク文字列6Aを読み取るための磁気ヘッド23、その表面6aに「電子決済済み」などの印刷を行う印刷機構24がこの順序に配置されている。磁気ヘッド23における磁気インク文字読取位置は、搬送路上において正しい向きで搬送されている小切手6の磁気インク文字列6Aが通過する位置を包含するように配置されている。
【0043】
小切手供給部11から送り出された小切手6は、小切手搬送路7に沿って搬送されながら、その表面画像および裏面画像が読み取られ、しかる後に、その表面6aに印刷されている磁気インク文字列6Aが読み取られる。これらの情報が正常に読み取られた小切手6は、「電子決済済み」などの印刷が行われた後に、切換えレバー17によって第1収納ポケット15に振り分けられて、この収納ポケット15に収納される。読取不能、読取異常などが発生した小切手6については、そのような印刷が行われることなく、第2収納ポケット16に振り分けられて、この収納ポケット16に収納される。
【0044】
(内部構造)
図2は小切手処理装置1の内部構造を示す説明図である。小切手供給部11には、ここに積層状態で挿入された小切手6を小切手搬送路7に1枚ずつ送り出すための送り出しモータ30を備えた小切手送り出し機構が配置されている。
【0045】
小切手6を小切手搬送路7に沿って搬送する搬送機構は、搬送モータ31と、この搬送モータ31の回転軸に取り付けた駆動プーリ32と、小切手搬送路7に沿って配置されている搬送ローラ41〜47と、各搬送ローラ41〜47に押し付けられて連れ回りする押えローラ51〜57とを備えている。押えローラ57の回転は、伝達歯車58を介して、排出ローラ59に伝達されるようになっている。また、搬送モータ31の回転を各搬送ローラ41〜47に伝達するための無端ベルト33を備えており、搬送ローラ41〜47に動力を伝達する。
【0046】
搬送ローラ41〜44は、上流側搬送路部分8における上流端、その中程の位置、および湾曲状搬送路部分9との境界位置にそれぞれ配置されている。搬送ローラ45は湾曲状搬送路部分9における下流側の位置に配置されている。搬送ローラ46は、下流側搬送路部分10における中程の位置に配置されており、搬送ローラ47は第2収納ポケット16の排出口部分に配置されている。排出ローラ59は第1収納ポケット15の排出口部分に配置されている。
【0047】
搬送ローラ42、43の間には、表面画像読取手段としての表面側コンタクトイメージスキャナ21および裏面画像読取手段としての裏面側コンタクトイメージスキャナ22が配置されている。搬送ローラ43、44の間には、磁気インク文字読取用の磁気ヘッド23が配置されている。
【0048】
下流側搬送路部分10における搬送ローラ46の下流側には印刷機構24が配置されている。印刷機構24は小切手6に押圧される印刷位置と、この印刷位置から後退した待機位置の間を、駆動用モータ(図示せず)によって移動可能となっている。
【0049】
次に、小切手搬送路7には、小切手6搬送制御のために各種のセンサが配置されている。搬送ローラ41、42の間には、送り出される小切手6の長さを検出するための用紙長検出器61が配置されている。磁気ヘッド23の対向面には、小切手6が重なった状態で搬送されていることを検出するための重送検出器62が配置されている。搬送ローラ45の手前側の位置にはジャム検出器63が配置されており、この検出器63によって所定時間以上に亘って継続して小切手6が検出されている場合には、小切手搬送路7に小切手6が詰まった紙詰まり状態になったことが分かる。搬送ローラ46の手間側の位置には、印刷機構24によって印刷される小切手6の有無を検出するための印刷検出器64が配置されている。さらに、下流側搬送路部分10から第1、第2収納ポケット15、16に分岐している第1および第2分岐通路13、14の位置には、これらに排出される小切手6を検出するための排出検出器65が配置されている。
【0050】
第1および第2分岐通路13、14の分岐部分には、不図示の駆動モータによって切り替え操作される切換えレバー17が配置されている。切換えレバー17は、第1、第2収納ポケット15、16に対して、下流側搬送路部分10の下流端を選択的に切り替え、小切手6を選択された排出部に導く。
【0051】
(重送検出器)
重送検出器62は、磁気ヘッド23の磁気インク文字読取位置を通過する小切手6の厚さを検出するものであり、図3はその構成例を説明するための概略平面図である。
【0052】
図3に示すように、磁気ヘッド23に上流側搬送路部分8を介して対向する位置には、搬送されてくる小切手6を磁気ヘッド23に押し付けるための押付けレバー66が配置されている。重送検出器62は、この押付けレバー66と、押付けレバー66が上流側搬送路部分8を搬送されてくる小切手6を押し付けるときの変位量を検出する変位センサ67とから構成されている。
【0053】
押付けレバー66は棒状の部材であり一方の端部分に貫通させた回転軸68を中心に回動可能に支持されている。他方の端部分は変位センサ67の側に向って屈曲しており、この端面が変位センサ67と対向する検出部位66aとなっている。押付けレバー66の略中央部分からは磁気ヘッド23の側に向けて押付突起66bが突出している。押付けレバー66は不図示のバネ部材によって磁気ヘッド23の側に向けて付勢されており、押付突起66bは、上流側搬送路部分8を小切手6が通過していないときには磁気ヘッド23に当接するようになっている。
【0054】
小切手6が磁気ヘッド23と押付突起66bとの間を通過すると、押付けレバー66は小切手6の厚さに応じて磁気ヘッド23から離れる方向へ回動する。変位センサ67は、回動した押付けレバー66の検出部位66aの変化量を検出する。この変化量が、例えば、小切手6の厚さに対応する所定の変化量を超えている場合には、小切手が重送状態であると判定する。
【0055】
なお、表面側および裏面側コンタクトイメージスキャナ21、22を重送検出器とし、これらによって読み取られた画像情報を解析することによって、例えば、得られた画像情報に2枚の小切手の画像情報が含まれている場合に重送状態であると判定することもできる。
【0056】
(制御系)
図4は小切手処理装置の制御系を示す概略ブロック図である。小切手処理装置1の制御系は、CPU、ROM、RAM等を備えて構成された制御部71を有している。制御部71は通信ケーブル72を介して上位のコンピュータシステム73に接続される。
【0057】
コンピュータシステム73は表示器73a、キーボード、マウスなどの操作部73bなどの入出力機器を備えており、当該コンピュータシステム73の側から小切手6読み取り動作の開始指令や、センサ等の動作を有効または無効を設定する制御指令などが入力される。制御部71は開始指令に従って、送り出しモータ30を駆動して小切手供給部11から小切手6を一枚ずつ小切手搬送路7に送り出させ、送り出された小切手6を小切手搬送路7に沿って搬送させる。
【0058】
制御部71には、表面側コンタクトイメージスキャナ21、裏面側コンタクトイメージスキャナ22および磁気ヘッド23によって読み取られた小切手6の表面画像情報、裏面画像情報および磁気インク文字情報が入力される。磁気ヘッド23は、磁気インク文字読取位置を通過する磁気インク文字列6Aによって形成される磁界の変化によって発生する起電力を検出信号として出力する。検出信号は信号処理回路74を介して、増幅および波形整形後にデジタル信号に変換されて制御部71に入力される。これらの入力情報は、制御部71からコンピュータシステム73に供給され、画像処理、文字認識処理などが行われ、読み取りが正常に行われたか否かが判断され、制御部71は判断結果に基づき印刷機構24および切換えレバー17の駆動を制御して、読み取り後の小切手6を第1および第2収納ポケット15、16のいずれかに振り分ける。
【0059】
また、制御部71には小切手搬送路7に配置されている用紙長検出器61、重送検出器62、ジャム検出器63、印刷検出器64および排出検出器65からの検出信号が入力され、制御部71はこれらの検出信号に基づいて小切手6の搬送制御を行う。また、制御部71には、本体ケース2に形成された電源スイッチなどの操作スイッチを含む操作部75が接続されている。
【0060】
ここで、コンピュータシステム73においては、磁気ヘッド23の検出信号に基づいて小切手6の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かを判定する挿入方向判定手段76を備えている。挿入方向判定手段76は、文字認識手段77並びに第1および第2判定手段78、79を備えている。
【0061】
文字認識手段77は、磁気ヘッド23の検出信号波形の変化量が所定以上である場合に、検出信号を、各磁気インク文字の検出信号波形に対応するデジタルデータパターン(表文字信号パターン)80と照合して、各磁気インク文字をパターン認識する。また、検出信号を表文字信号パターン80と照合できた場合には、小切手6の向きが所定方向を向いた正しい状態で搬送されていると判定するものである。
【0062】
第1判定手段78は、小切手6の上下が逆であること、あるいは、磁気インク文字が印刷されていない小切手6以外の紙葉類が送り込まれたことを判定するものである。磁気ヘッド23の検出信号に基づいて、検出信号波形の変化量が所定未満の場合には、小切手6の方向が正しくないもの、あるいは小切手以外の紙葉類が送り込まれたものと判定する。
【0063】
第2判定手段79は、磁気ヘッド23の検出信号波形の変化量が所定以上である場合に、検出信号を磁気ヘッド23によって小切手6の磁気インク文字を裏面6b側から読み取った場合に得られる検出信号波形に対応するデジタルデータパターン(裏文字信号パターン)81と照合して、小切手6が表裏逆の状態で搬送されていることを判定する。
【0064】
なお、図4において一点鎖線で示すように、挿入方向判定手段76は小切手処理装置1の制御部71の側に持たせることができる。
【0065】
次に、制御部71は、制御部71は重送検出器62の検出信号に基づいて小切手の重送状態を判定する重送判定手段62aを備えている。また、コンピュータシステム73からの制御指令に基づいて、挿入方向判定手段76による挿入方向判定を行うか否かおよび重送判定手段62aによる重送判定を行うか否かをそれぞれ設定する有効/無効設定手段82を備えている。また、挿入方向判定のみが有効に設定されている場合には、重送判定を強制的に有効に設定する制御手段83を備えている。
【0066】
(挿入方向判定処理動作)
ここで、挿入方向判定手段76による小切手6の向きの挿入方向判定処理動作を詳細に説明する。図5(a)、(b)は、磁気ヘッド23の検出信号S1に基づき、搬送される小切手6の向きが所定方向か否かを判定するための挿入方向判定処理動作を示す説明図および概略フローチャートである。
【0067】
図5(a)は小切手6の搬送姿勢を示しており、6(1)は正常な挿入姿勢の小切手であり、6(2)は表裏および上下が逆の姿勢の小切手である。6(3)は上下および前後が逆の姿勢の小切手であり、6(4)は表裏および前後が逆の小切手である。小切手6(2)、6(3)では、磁気インク文字列6Aの位置が正常な姿勢の小切手6(1)とは上下が逆になっており、磁気ヘッド23により磁気インク文字列6Aを読み取ることが不能である。小切手6(4)では、磁気インク文字列6Aが磁気ヘッド23によって裏面6b側から読み取られることになる。本例では、このような小切手6の向きを磁気ヘッド23の検出信号から判定している。
【0068】
挿入方向判定処理動作は、図5(b)に示すように、まず、磁気ヘッド23の検出信号が実質的に変化するか否かを判定する(ステップST11)。すなわち、検出信号の信号波形の振幅が所定幅以上に振れるか否かを判定する。小切手6(2)、6(3)の場合には、磁気ヘッド23によって磁気インク文字列6Aを読み取ることができず、検出信号が実質的に変化しないので、搬送されている小切手6が、上下が逆になっている小切手6(2)、6(3)であると判定できる(ステップST15)。あるいは、磁気インク文字列6Aが印刷されていない小切手6以外の用紙であると判定できる。また、小切手6(4)の表裏逆の状態の場合で紙厚が厚いときは、磁気ヘッド23の検出信号の信号波形の振幅が、所定幅以上に振れないことがある。この場合も、判定することができる(ステップST15)。
【0069】
検出信号が変化している場合には、検出信号を、予め記憶保持されている表文字信号パターン80と照合して文字認識処理を行う(ステップST12)。文字認識を行うことができる場合には、小切手6は正常な姿勢で搬送されていると判定される(ステップST14)。すなわち、小切手6(1)の状態であると判定できる。
【0070】
文字認識が不能の場合には、検出信号を予め記憶保持されている裏面側文字信号パターン81と照合して文字認識処理を行う(ステップST16)。これにより文字認識を行うことができた場合には、小切手6は小切手6(4)の表裏逆の状態で搬送されているものと判定できる(ステップST18)。
【0071】
文字認識が不能の場合には小切手6は上下が逆の搬送状態6(2)、6(3)であると判定される(ステップST19)。ここで、上下の逆の判定は、ステップST11において検出信号の変化の有無に基づいて行っている。しかしながら、小切手6には、表面6a全体に磁気インク文字によって背景模様などが印刷されている種類のものもある。このような小切手6では、上下が逆であっても磁気ヘッド23の検出信号が変化するので、検出信号の変化の有無に基づく上下の判定ができない。本例では、裏面6b側文字信号パターンと照合することにより、このような小切手6であっても、その上下の逆を判定できる。
【0072】
(挿入方向判定および重送判定の有効/無効の設定処理動作)
次に、小切手処理装置1における挿入方向判定および重送判定の有効/無効の設定動作を説明する。図6(a)は挿入方向判定および重送判定の有効/無効の設定の組み合わせ表であり、図6(b)は挿入方向判定および重送判定の有効/無効の設定動作を示す概略フローチャートである。
【0073】
まず、小切手処理装置1では、コンピュータシステム73からの制御指令によって、有効/無効設定手段82が挿入方向判定の有効/無効および重送判定の有効/無効をそれぞれを設定するようになっている。すなわち、図6(a)に示すように、挿入方向判定および重送判定の両方が無効の第1パターン、重送判定のみが有効の第2パターン、挿入方向判定のみが有効の第3パターン、挿入方向判定および重送判定の両方が有効の第4パターンの設定が可能である。
【0074】
しかし、読み取り開始指令が入力された時点で第3パターンに設定されている場合には、挿入方向判定および重送判定の両方が有効の第4パターンに強制的に移行する。挿入方向判定のみが単独で有効になることを排除するためである。
【0075】
図6(b)を参照して具体的に説明すると、操作者が上位のコンピュータシステム73の操作部73bから読み取り開始指令を入力すると、制御手段83は、挿入方向判定が有効に設定されているか否かを検出する(ステップST21)。挿入方向判定が有効になっている場合には、制御手段83は重送判定が有効に設定されているか否かを検出する(ステップST22)。重送判定が無効になっている場合には、制御手段83は重送判定の有効/無効を強制的に有効に設定する(ステップST23)。しかる後に、送り出しモータ30が駆動されて小切手収納部11から小切手6が小切手搬送路7へ送り出される。
【0076】
一方、ステップST21において挿入方向判定が無効に設定されていることが検出された場合には、重送判定の有効/無効の設定にかかわらず、送り出しモータ30が駆動されて小切手6が小切手搬送路7へ送り出される。
【0077】
なお、制御手段83は小切手処理装置1が読み取り開始指令を受信した時に各機能の動作の設定を検出し、必要に応じて重送判定を有効に設定しているが、小切手処理装置1の電源投入時に各機能の動作の設定を検出して、必要に応じて重送判定を有効に設定するようにしてもよい。また、読み取り開始命令受信時および電源投入時において各機能の動作の設定を検出してもよい。
【0078】
また、制御手段83は挿入方向判定の設定を検出した後に重送判定の設定を検出しているが、制御手段83は挿入方向判定のみが有効に設定されている状態を検出した場合には、重送検出器62による重送判定を強制的に有効に設定するようになっているので、挿入方向判定および重送判定の設定を検出する順番はこの逆でもよい。
【0079】
(搬送状態判定処理動作)
図7は本例の小切手処理装置の搬送状態判定処理動作を示す概略フローチャートであり、挿入方向判定および重送判定の設定の両方が有効に設定された状態で搬送状態を判定する動作を示している。
【0080】
小切手搬送路7に送り出された小切手6が小切手搬送路7に沿って搬送されると、搬送されている小切手6の表面画像および裏面画像、並びに磁気インク文字列Aが、それぞれ、表面側コンタクトイメージスキャナ21、裏面側コンタクトイメージスキャナ22および磁気ヘッド23によって読み取られる。読み取られた情報は、通信ケーブル72を介して上位のコンピュータシステム73に送信される。ここで、挿入方向判定は有効に設定されているので、コンピュータシステム73では搬送されている小切手6の挿入方向が正しいか否かの判定を行う(ステップST31)。
【0081】
小切手6の挿入方向が正しいと判断された場合には、コンピュータシステム73は重送状態であると判定されているか否かを確認し(ステップST32)、重送状態でない場合には、読み取られた情報が正確であるものと判断して第1処理内容を行う(ステップST33)。
【0082】
一方、ステップST32で重送状態であると判定された場合には第1処理内容とは異なる第2処理内容を行う(ステップST34)。これは、挿入方向判定によって小切手6の挿入方向が正しいと判定されていても、重送状態の場合には、判定結果が誤っている場合があるからである。
【0083】
誤っている場合とは、読取側の小切手の挿入方向が上下および表裏が逆向きであっても、重送側の小切手の挿入方向が正しい場合には、読取側の小切手の挿入方向が正しいと判定される場合である。この誤った判定は、重送側の小切手の磁気インク文字が発生させる磁界の変化量を磁気ヘッド23が検出し、文字認識手段77がこの検出信号と表文字信号パターン80と照合させてしまったことに起因する。このような誤った判定が行われると読取側の小切手が担持している情報と読み取られた磁気インク文字の情報とが対応しなくなってしまうので、第1処理内容とは異なる処理内容の処理を行うようにしてある。
【0084】
次に、ステップST31において小切手6の挿入方向が正しくないと判断された場合には、コンピュータシステム73は重送状態であると判定されているか否かを確認する(ステップST35)。重送状態でない場合には、情報が読み取られた小切手6は、正しい向きで搬送されていないか、または種類が不正な記録媒体であるとして、第3処理内容を行う(ステップST36)。
【0085】
一方、ステップST35で重送状態であると判定された場合には、読み取られた情報から磁気インク文字を正確に読取ることができない可能性が高い。また、挿入方向判定によって小切手6の挿入方向が異常であると判定されていても、その判定が誤った判定の場合がある。従って、第2処理内容を行う(ステップST34)。
【0086】
誤った判定の場合とは、例えば、読取側および重送側の小切手の挿入方向がそれぞれ正しくても、読取側の小切手の挿入方向が正しくないと判定される場合である。この誤った判定は、磁気ヘッド23が読取側および重送側の両方の小切手の磁気インク文字が発生させる磁界の変化を検出してしまい、文字認識手段77が検出信号と表文字信号パターン80と照合させることができなかった場合に発生する。
【0087】
ここで、第1処理内容は、磁気インク文字列Aを正常に読み取ることができた場合に行われる処理であり、小切手6を搬送して印刷機構24によって裏書き用の印刷を行い、第1収納ポケット15の側に排出する処理とすることができる。
【0088】
第2処理内容は、磁気ヘッド23よりも下流側で行われる全ての処理を中止して、小切手6を第2収納ポケット16の側に排出する処理とすることができる。また、磁気インク文字の情報および表裏の画像情報が得られていても、それらを用いた決済等を中止する処理とすることができる。
【0089】
第3処理内容は、第2処理内容と同様の処理とすることができる。あるいは、挿入方向判定手段76の判定結果に基づいて、さらに細分化した処理内容とすることもできる。
【0090】
例えば、小切手6の挿入方向が表裏逆向きで搬送されてきたと判定されている場合には、裏文字信号パターン81を利用して第2判定手段79が読み取った磁気インク文字の情報を文字認識結果として採用する。また、読み取られている表裏の画像情報を入れ替える。これらの処理を行えば、磁気インク文字列Aを正常に読み取ることができた場合と同様の処理状態になるので、コンピュータシステム73においてこれらの処理を施した後に第1処理内容の処理を行う。
【0091】
また、小切手6の挿入方向が上下逆向きで搬送されてきたと判定されている場合には、読み取られている表裏の画像情報の上下に向きを逆にすれば、画像情報を再び読み込む必要がない。従って、上下に向きを逆にする画像処理、および、操作者が小切手収納部12へ排出される小切手6から目視で磁気インク文字を読み取ってコンピュータシステム73に入力することを前提として、第1処理内容と同様の処理を行うようにことができる。
【0092】
なお、第1処理内容から第3処理内容のうちのいずれかの処理が行われると、送り出しモータ30が駆動されて、小切手供給部11にある次の小切手6が小切手搬送路7に送り出される。
【0093】
(本形態の効果)
本例の小切手処理装置1では、挿入方向判定が有効に設定されている場合には重送判定が必ず有効になるように設定される。この結果、挿入方向判定手段76が小切手の挿入方向について誤った判定をしてしまう場合を排除しながら、小切手6に適切な処理を行うことができる。
【0094】
また、挿入方向判定手段76によって誤った判定がされる場合は重送が発生している場合に限られているので、重送状態であると判定された場合には、挿入方向判定の判定結果に拘わらず、小切手に対する処理内容を同一にしている。この結果、挿入方向判定手段76によって誤った判定が行われる場合を一律に排除することができる。
【0095】
さらに、重送状態であると判定されている場合には、第2処理内容に従って、小切手6を第2収納ポケット16に排出しているので、重送された小切手を第2収納ポケット16から取り出して、方向などを揃えた後に再び小切手処理装置1に掛ける作業が容易になる。
【0096】
(その他の実施の形態)
上記の例では、有効/無効設定手段82は重送判定を行うか否かについて有効/無効を設定していたが、重送判定は常に行われるが、その判定結果を有効とするか無効とするかを設定するものであってもよい。また、これと同様に、上記の例では、有効/無効設定手段82は挿入方向判定を行うか否かについて有効/無効を設定していたが、挿入方向判定は常に行われるが、その判定結果を有効とするか無効とするかを設定するものであってもよい。
【0097】
また、上記の例では、有効/無効設定手段82は、制御手段83が挿入方向判定のみが有効に設定されている状態を検出した場合に、重送検出器62による重送判定を強制的に有効に設定するようにしているが、この場合に挿入方向判定を強制的に無効に設定してもよい。
【0098】
すなわち、挿入方向判定のみが有効な第3パターンに設定されている場合には、重送判定の無効の設定を優先して、強制的に挿入方向判定および重送判定の両方が無効の第1パターンに移行させる。挿入方向判定が単独で行われる場合には、その誤った判定によって読み取り対象の記録媒体に担持されている情報と読み取った磁気インク文字の情報とが対応しなくなってしまい、その後処理に支障をきたすという問題がある。しかし、重送状態を判定しない場合には記録媒体の挿入方向の判定も行わないようにすることにより、このような問題の発生を未然に回避できる。
【0099】
なお、挿入方向判定手段76、重送判定手段62a、有効/無効設定手段82、制御手段83および搬送状態判定処理動作は小切手処理装置1を駆動制御するためのプログラムとして提供される。この場合、小切手処理装置1で実行されることにより小切手処理装置1の駆動を制御するプログラムとすることができる。また、コンピュータシステム73の側で実行されることにより、小切手処理装置1の駆動を制御するプログラムとすることができる。
【0100】
さらに、上記の例は本発明を小切手読取装置に適用したものであるが、本発明の処理方法は、小切手以外の磁気インク文字が印刷されている記録媒体を取り扱う場合にも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を適用した小切手処理装置の斜視図および平面図である。
【図2】小切手処理装置の内部構造を示す説明図である。
【図3】重送検出器の構成例を説明するための概略平面図である。
【図4】小切手処理装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図5】挿入方向判定手段による判定動作を示す説明図および概略フローチャートである。
【図6】重送判定および挿入方向判定の設定処理動作を説明するための説明図である。
【図7】搬送状態判定処理動作を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 小切手処理装置、2 本体ケース、3 垂直軸、4,5 開閉カバー、6 小切手、7 小切手搬送路、8 上流側搬送路部分、9 湾曲状搬送路部分、10 下流側搬送路部分、11 小切手供給部、12 小切手収納部、13 第1分岐通路、14 第2分岐通路、15 第1収納ポケット、16 第2収納ポケット、17 切換レバー、21 表面側コンタクトイメージスキャナ、22 裏面側コンタクトイメージスキャナ、23 磁気ヘッド、24 印刷機構、30 送り出しモータ、31 搬送モータ、32 駆動プーリ、33 無端ベルト、41〜47 搬送ローラ、51〜57 押えローラ、58 伝達歯車、59 排出ローラ、61 用紙長検出器、62 重送検出器、62a 重送判定手段、63 ジャム検出器、64 印刷検出器、65 排出検出器、71 制御部、72 通信ケーブル、73 コンピュータシステム、73a 表示器、73b 操作部、74 信号処理部、75 操作部、76 挿入方向判定手段、7 文字認識手段、78 第1判定手段、79 第2判定手段、80 表文字信号パターン、81 裏文字信号パターン、82 有効/無効設定手段、83 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効とすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法において、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法において、
記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項4】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定方法において、
記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項6】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送し、
磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取り、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行い、
搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行い、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力と、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力とを受け付け、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定方法。
【請求項7】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効とする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムにおいて、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムにおいて、
記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項10】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
前記重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムにおいて、
記録媒体の搬送に先立って、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力を受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項12】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送路に沿って搬送させ、磁気ヘッドにより、前記搬送路における磁気インク文字読取位置を通過する前記記録媒体の磁気インク文字を読み取らせ、搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器の検出信号および前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の搬送状態を判定する記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラムであって、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う処理と、
前記重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う処理と、
記録媒体の搬送に先立って、前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効の設定入力と、前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効の設定入力とを受け付ける処理と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする処理とを、
前記記録媒体処理装置または前記記録媒体処理装置に接続されているコンピュータに実行させることを特徴とする記録媒体処理装置の搬送状態判定用プログラム。
【請求項13】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定において重送状態であると判定された場合には、前記挿入方向判定の判定結果を無効にする制御手段と、
を有していることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の記録媒体処理装置において、
前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段を有し、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にすることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の記録媒体処理装置において、
前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段を有し、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項16】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段と、
当該重送判定の有効/無効が無効に設定されている場合には、前記挿入方向判定を行わないか、あるいは当該挿入方向判定の結果を無効にする制御手段と、
有していることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項17】
請求項16に記載の記録媒体処理装置において、
前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段を有し、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記制御手段は、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にすることを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項18】
磁気インク文字が印刷されている小切手などの記録媒体を搬送する搬送路と、
この搬送路における予め定められた磁気インク文字読取位置を通過する記録媒体の磁気インク文字を読み取る磁気ヘッドと、
搬送される前記記録媒体の重送状態を検出するための重送検出器と、
前記磁気ヘッドの検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体の上下の向き、および/または、表裏の向きが逆であるか否かの挿入方向判定を行う挿入方向判定手段と、
当該重送検出器の検出信号に基づき、搬送される前記記録媒体が重送状態であるか否かの重送判定を行う重送判定手段と、
前記重送判定を行うか否か、あるいは、当該重送判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための重送判定の有効/無効設定手段と、
前記挿入方向判定を行うか否か、あるいは、当該挿入方向判定の結果を有効とするか無効とするかを設定するための挿入方向判定の有効/無効設定手段と、
当該挿入方向判定の有効/無効が有効に設定されている場合には、前記重送判定の有効/無効を強制的に有効にする制御手段と、
を有していることを特徴とする記録媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−46297(P2009−46297A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216795(P2007−216795)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】