説明

記録媒体搬送装置

【課題】異なる厚みの記録媒体を搬送可能な搬送装置であって、記録媒体の厚みの入力が不要であり、記録媒体に対する加圧力を調整可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置8は、ピンチローラ17を支持する昇降自在なローラ支持部材15と、ステッピングモータ11によって昇降自在な移動部材13と、移動部材13とローラ支持部材15との間に介在するばね14と、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出するタッチセンサ16と、タッチセンサ16の検出結果および移動部材13の移動量に基づいてステッピングモータ11を制御する制御装置50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタやプロット等の記録装置に設けられ、記録媒体を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばプリンタやプロッタ等の記録装置において、紙等の記録媒体を挟む一対のローラを備え、それらローラを回転させることによって記録媒体を搬送する搬送装置が用いられている。通常、この種の搬送装置は、一対のローラを複数組備えており、それら複数組のローラは、記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って配置されている。それら複数組のローラが記録媒体の両端部および中央部等を挟み込みながら回転することにより、記録媒体が搬送される。
【0003】
この種の搬送装置において、搬送中に記録媒体が蛇行してしまうことがある。そこで、特許文献1に記載されているように、記録媒体に対するローラの加圧力を調節可能とし、ローラの加圧力を調節することによって記録媒体の蛇行を修正することが提案されている。特許文献1には、記録紙を挟み込む定着ローラおよび加圧ローラと、加圧ローラを定着ローラ側に付勢する加圧ばねとを備えた複写機において、加圧ばねの長さを調節することにより、加圧ローラの加圧力を調節することが記載されている。
【0004】
詳しくは、特許文献1に記載された装置は、モータによって上下移動が可能なばね掛けねじを備えている。このばね掛けねじの下端部に、加圧ばねの上端部が引っ掛けられている。加圧ローラは定着ローラの下方に配置されており、加圧ローラにはレバーが取り付けられている。加圧ばねの下端部は、このレバーに取り付けられている。
【0005】
モータによりばね掛けねじを上昇させると、加圧ばねが伸び、加圧ローラの加圧力は大きくなる。逆に、モータによりばね掛けねじを下降させると、加圧ばねが縮み、加圧ローラの加圧力は小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−69487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、レバーの上下位置は、加圧ローラと定着ローラとの間に挟み込まれる記録媒体の厚みによって異なってくる。すなわち、記録媒体の厚みが大きいと、レバーは相対的に上側に位置することになる。逆に、記録媒体の厚みが小さいと、レバーは相対的に下側に位置することになる。上述の通り、加圧ばねの下端はレバーに取り付けられている。そのため、加圧ばねの長さは、ばね掛けねじの上下位置だけでなく、レバーの上下位置によっても変わってくる。したがって、加圧ばねの長さは記録媒体の厚みによっても変化することとなり、加圧ローラの加圧力は、ばね掛けねじの上下位置だけでなく、記録媒体の厚みによっても異なることになる。
【0008】
このように、特許文献1に記載された装置では、記録媒体の厚みが変わると、加圧ローラの加圧力が変わってしまう。そのため、加圧力を正確に調節することが難しいという課題があった。加圧力を正確に調節するためには、常に同じ厚みの記録媒体を使用するか、あるいは、使用に際して予め記録媒体の厚みを入力し、それに応じてばね掛けねじの位置を微調整する必要がある。
【0009】
しかし、プリンタ等の高機能化に伴い、同一のプリンタ等において、厚みの異なる複数種類の記録媒体を使用したいというニーズがある。また、使用に際して記録媒体の厚みを入力しなければならないとすると、大きな手間がかかってしまう。また、記録媒体によっては、実際の厚みが正確でない場合もあり得る。そのような場合には、入力した厚みと実際の厚みとの間の誤差が原因となって、加圧力を正確に調節することが困難となる。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異なる厚みの記録媒体を搬送可能な搬送装置であって、記録媒体の厚みの入力が不要であり、記録媒体に対する加圧力を調整可能な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る記録媒体搬送装置は、記録媒体に押し当てられるピンチローラと、前記記録媒体を介して前記ピンチローラと対向する対向ローラと、前記ピンチローラおよび前記対向ローラの少なくとも一方を駆動するローラ駆動装置と、前記ピンチローラを支持し、前記ピンチローラが前記対向ローラに接近する方向である接近方向および前記接近方向と逆の方向である離反方向に移動可能なローラ支持部材と、前記接近方向および前記離反方向に移動自在な移動部材と、一端が前記ローラ支持部材に取り付けられ、他端が前記移動部材に取り付けられた弾性部材と、前記移動部材を前記接近方向および前記離反方向に駆動する駆動装置と、前記ピンチローラが前記記録媒体に接触したことを検出する接触検出装置と、前記移動部材の位置または移動量を検出する移動検出装置と、前記接触検出装置および前記移動検出装置の検出結果から前記弾性部材の伸縮量を検出する伸縮量検出装置と、前記伸縮量検出装置が検出した前記弾性部材の伸縮量に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備えたものである。
【0012】
上記記録媒体搬送装置によれば、駆動装置が移動部材を接近方向に駆動すると、ローラ支持部材が弾性部材を介して移動部材から接近方向の力を受け、接近方向に移動する。その結果、ピンチローラが対向ローラの方に移動し、ピンチローラと対向ローラとの間に記録媒体が挟み込まれる。ローラ駆動装置がピンチローラまたは対向ローラを駆動すると、記録媒体が搬送される。
【0013】
ピンチローラが接触した後、記録媒体は、ピンチローラから弾性部材の伸縮量に応じた加圧力を受ける。ピンチローラが記録媒体を押圧しているときの弾性部材の伸縮量と、ピンチローラが記録媒体に接触したときの弾性部材の伸縮量とから、弾性部材の弾性力を特定することができる。ピンチローラが記録媒体に接触したことは接触検出装置によって検出され、移動部材の位置または移動量は移動検出装置によって検出される。弾性部材の伸縮量は、接触検出装置および移動検出装置の検出結果から、伸縮量検出装置によって検出される。制御装置は、伸縮量検出装置によって検出された弾性部材の伸縮量に基づいて、駆動装置を制御する。これにより、記録媒体の厚みに拘わらず、また、記録媒体の厚みを入力しなくても、加圧力を正確に調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
したがって、本発明によれば、異なる厚みの記録媒体を搬送可能な搬送装置であって、記録媒体の厚みの入力が不要であり、記録媒体に対する加圧力を調整可能な搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る記録媒体搬送装置の概念図である。
【図2】第1実施形態の変形例に係る記録媒体搬送装置の概念図である。
【図3】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置が搭載されたプリンタの斜視図である。
【図4】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置を右方から見た断面図であり、ピンチローラが記録紙と接触していない状態を表す。
【図5】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置を右方から見た断面図であり、ピンチローラが記録紙と接触したときの状態を表す。
【図6】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置を右方から見た断面図であり、ピンチローラが記録紙を加圧しているときの状態を表す。
【図7】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置の背面図であり、ピンチローラが記録紙を加圧しているときの状態を表す。
【図8】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置による搬送方法の一例を示す概念図である。
【図9】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置による搬送方法の他の一例を示す概念図である。
【図10】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置による搬送方法の他の一例を示す概念図である。
【図11】第2実施形態に係る記録媒体搬送装置による搬送方法の他の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る記録媒体搬送装置の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る記録媒体搬送装置(以下、単に搬送装置という)8の概念図である。搬送装置8は、記録媒体の一例としての記録紙10を搬送するものである。搬送装置8は、記録紙10を上方から押さえつけるピンチロール装置9と、記録紙10を支持するグリッドローラ19とを備えている。搬送装置8は、ピンチローラ17とグリッドローラ19との間に記録紙10を挟んだままグリッドローラ19を駆動することにより、記録紙10を搬送するように構成されている。
【0017】
以下の説明では、図1の上、下、左、右を、それぞれ上、下、前、後とすることとする。ピンチロール装置9は、駆動装置の一例としてのステッピングモータ11と、ステッピングモータ11に連結されたねじ12とを備えている。ねじ12は、上下方向に延びている。ねじ12には、上下に移動自在な移動部材13が係合している。ピンチロール装置9は、上下に延びるガイド棒18を備えている。移動部材13には、ガイド棒18が貫通する孔13aが形成されており、移動部材13はガイド棒18に対して摺動自在に構成されている。また、移動部材13には、ねじ12と係合する雌ねじ部13bが形成されている。図示は省略するが、雌ねじ部13bの内周面には、ねじ12の外周面に形成された螺旋状の溝と噛み合う螺旋状の溝が形成されている。ねじ12が回転すると、移動部材13は上向きまたは下向きの力を受けることになる。そのため、ステッピングモータ11によってねじ12を回転させると、移動部材13はガイド棒18に案内されて上昇または下降する。
【0018】
また、ガイド棒18には、ローラ支持部材15が係合している。ローラ支持部材15には、ガイド棒18が貫通する孔15aが形成されている。ローラ支持部材15は、ガイド棒18に対して摺動自在に構成されており、上昇および下降が可能なようにガイド棒18に支持されている。ピンチローラ17は、ローラ支持部材15の下端部に回転自在に支持されている。ピンチローラ17は自ら回転する駆動ローラであってもよいが、ここでは、自らは回転しない従動ローラによって構成されている。
【0019】
ピンチローラ17の下方には、グリッドローラ19が設けられている。グリッドローラ19は、記録紙10を介してピンチローラ17と対向する対向ローラの一例である。ピンチローラ17とグリッドローラ19との間には、記録紙10が配置される。グリッドローラ19には、ローラ駆動装置の一例としてのモータ20が連結されている。グリッドローラ19は、モータ20によって駆動されるように構成されており、自ら回転する駆動モータとなっている。このように、本実施形態では、グリッドローラ19が駆動モータであり、ピンチローラ17が従動ローラである。しかし、グリッドローラ19が従動ローラであり、ピンチローラ17が駆動ローラであってもよい。また、グリッドローラ19およびピンチローラ17の両方を駆動ローラで構成し、それらを同期させるようにしてもよい。
【0020】
移動部材13とローラ支持部材15との間には、弾性部材の一例であるコイルばね(以下、単にばねという)14が設けられている。ここでは、ばね14の上端部14aはローラ支持部材15の上部15bに取り付けられ、ばね14の下端部14bは移動部材13の下部13cに取り付けられている。ステッピングモータ11の回転に伴って移動部材13が下降すると、ローラ支持部材15は、ばね14を介して移動部材13により下向きに引っ張られる。その結果、ローラ支持部材15は下降する。逆に、ステッピングモータ11の回転に伴って移動部材13が上昇すると、ローラ支持部材15は、後述するタッチセンサ16を介して移動部材13により押し上げられる。その結果、ローラ支持部材15は上昇する。このように、ローラ支持部材15は移動部材13に従って移動する。本実施形態では、ピンチローラ17がグリッドローラ19に接近する方向(接近方向)は下向き方向であり、ピンチローラ17がグリッドローラ19から離反する方向(離反方向)は上向き方向となっている。
【0021】
図1に示すように、ピンチローラ17が記録紙10と接触していない状態では、ばね14は自然長よりも長い所定の長さに保たれる。以下、このときの長さを「基準長さ」と称することとする。すなわち、ここでいう基準長さとは、ピンチローラ17が記録紙10と接触していないときのばね14の長さのことである。
【0022】
ピンチローラ17が記録紙10と接触していない場合に、ばね14が振動してしまわない程度に移動部材13をゆっくりと下降させると、ばね14の長さが基準長さを保ったまま、ローラ支持部材15は下降することになる。ローラ支持部材15が下降し続けると、やがて、ピンチローラ17が記録紙10と接触する。ピンチローラ17が記録紙10と接触すると、ピンチローラ17の更なる下降は記録紙10によって規制される。そのため、移動部材13は更に下降し続ける一方、ローラ支持部材15は停止する。その結果、ばね14が伸長し、ばね14の長さは基準長さよりも長くなる。よって、ばね14の伸縮量の変化に基づいて、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出することができる。
【0023】
ばね14は移動部材13とローラ支持部材15との間に介在している。移動部材13とローラ支持部材15との相対位置が変化すると、ばね14の伸縮量が変化する。そこで、移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化によって、ばね14の伸縮量の変化を特定することができる。したがって、ばね14の伸縮量の変化を直接検出しなくても、移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化を検出することにより、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出することができる。本実施形態では、移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化に基づいて、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出することとしている。
【0024】
ここでは、移動部材13とローラ支持部材15との相対位置が変化したことを検出するセンサとして、タッチセンサ16が設けられている。タッチセンサ16は、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出する接触検出装置を構成している。タッチセンサ16の設置位置は特に限定されず、例えば図1に示すように、移動部材13の上部13dとローラ支持部材15の上部15cとの間に設置されていてもよい。ここでは、タッチセンサ16はローラ支持部材15に固定され、移動部材13の上部13dの接触面13eに接触している。しかし、タッチセンサ16は移動部材13に固定され、ローラ支持部材15の所定箇所と接触するように構成されていてもよい。
【0025】
ピンチローラ17が記録紙10に接触すると、移動部材13は下降を続ける一方、ローラ支持部材15の下降は記録紙10によって規制されるので、移動部材13の上部13dの接触面13eは、タッチセンサ16から下方に離反する。すると、タッチセンサ16のON/OFF状態が切り替えられ、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことが検出される。なお、タッチセンサ16の構成は何ら限定されず、接触面13eがタッチセンサ16から離れた際に、ON状態からOFF状態に切り替えられてもよく、OFF状態からON状態に切り替えられてもよい。
【0026】
搬送装置8は、ステッピングモータ11を制御する制御装置50を備えている。ステッピングモータ11は駆動量の検出が可能なモータであり、制御装置50はステッピングモータ11の回転位置を常時把握しており、ステッピングモータ11の位置決め制御を実行する。また、制御装置50には、有線または無線による通信が可能なようにタッチセンサ16が接続されている。タッチセンサ16の検出結果は、制御装置50に入力される。
【0027】
前述したように、ステッピングモータ11を駆動して移動部材13を下降させると、ローラ支持部材15が下降する。ステッピングモータ11の回転量と移動部材13の移動量とは比例関係にある。制御装置50は、ステッピングモータ11の回転位置を把握しているため、その回転位置に基づいて移動部材13の位置を検出することができる。
【0028】
記録紙10がない状態でローラ支持部材15を下降させると、やがてピンチローラ17はグリッドローラ19と直接接触する。この位置は、ピンチローラ17の下限位置となる。制御装置50に、この下限位置を予め記憶させておいてもよい。ピンチローラ17とグリッドローラ19との間に記録紙10を配置し、ローラ支持部材15を下降させると、やがてピンチローラ17は記録紙10と接触し、タッチセンサ16のON/OFFが切り替えられる。このときのピンチローラ17の位置と上記下限位置との差は、記録紙10の厚みに相当する。そのため、制御装置50に上記下限位置を予め記憶させておくことにより、移動部材13の位置とタッチセンサ16からの信号とに基づいて、記録紙10の厚みを検出することができる。ただし、記録紙10の厚みの検出は、必ずしも必要ではない。その場合、制御装置50にピンチローラ17の下限位置を予め記憶させておく必要はない。搬送装置8は、記録紙10の厚みを測定する機能を有していてもよく、有していなくてもよい。
【0029】
また、上述の通り、ピンチローラ17が記録紙10に接触すると、移動部材13は下降を続けるが、ローラ支持部材15は下降を停止し、ばね14の長さは基準長さよりも長くなる。ピンチローラ17が記録紙10に接触した位置は、ばね14が基準長さから伸び始めた位置に対応する。この位置を移動部材13の「基準位置」と称することとすると、移動部材13の現在位置と基準位置との差は、ばね14の基準長さからの伸び量に相当する。
【0030】
そのため、制御装置50は、移動部材13の位置とタッチセンサ16からの信号とに基づいて、ばね14の伸び量を検出することができる。ピンチローラ17は、ばね14の弾性力を受け、その弾性力に見合った加圧力で記録紙10を押圧する。ここで、ばね14の特性、すなわちばね定数等は予め特定されており、そのデータは予め制御装置50に記憶されている。したがって、制御装置50は、ばね14の弾性力、言い換えるとピンチローラ17の加圧力を検出することができる。制御装置50は、ピンチローラ17が所定の加圧力を発揮するように、ステッピングモータ11を制御することができる。
【0031】
図1に示すように、制御装置50は、ステッピングモータ11の回転量から移動部材13の位置または移動量を検出する移動検出部50aと、タッチセンサ16および移動検出部50aの検出結果からばね14の伸縮量を検出する伸縮量検出部50bと、ばね14の伸縮量に基づいてステッピングモータ11を制御する駆動制御部50cとを有している。
【0032】
このように、本実施形態に係る搬送装置8によれば、記録紙10の厚みを検出することができる。また、搬送装置8によれば、記録紙10に対する加圧力を検出することができる。また、制御装置50により、記録紙10に対する加圧力を制御することができる。
【0033】
したがって、搬送装置8によれば、制御装置50によって様々な制御が可能である。例えば、搬送装置8は、厚みが異なる複数種類の記録紙10に対して、常に一定の加圧力を付与することが可能である。また、記録紙10に対し、その厚みに応じた加圧力を付与することが可能である。例えば、厚みの大きな記録紙10に対しては相対的に大きな加圧力を付与し、厚みの小さな記録紙10に対しては相対的に小さな加圧力を付与することができる。また、搬送装置8によれば、同一の記録紙10に対し、状況等に応じて異なる加圧力を付与することが可能である。例えば、記録紙10を前方に搬送する場合と後方に搬送する場合とで、加圧力を変更してもよい。また、搬送装置8によれば、記録紙10の搬送途中において、加圧力を変更することも可能である。
【0034】
なお、上記実施形態は一例に過ぎず、他に種々の変形が可能である。上記実施形態では、ばね14は、移動部材13の移動に伴ってローラ支持部材15を引っ張るように形成されていた。ばね14は、いわゆる引っ張りばねとして用いられていた。しかし、例えば図2に示すように、ばね14は、移動部材13の移動に伴ってローラ支持部材15を押し下げるように形成されていてもよい。ばね14は、いわゆる圧縮ばねとして用いられてもよい。
【0035】
また、ばね14の種類は特に限定されない。ばね14はコイルばねに限らず、皿ばね等の他の種類のばねであってもよい。また、ばね14は弾性部材の一例であるが、弾性部材はばねに限定されない。例えば、弾性部材は、空気ばね等の他の弾性部材であってもよい。
【0036】
上記実施形態では、移動部材13を駆動する駆動装置は、ステッピングモータ11とねじ12とにより構成されていた。しかし、駆動装置は、ステッピングモータ11に限らず、サーボモータ等の他のモータを備えていてもよく、モータ以外のアクチュエータを備えていてもよい。
【0037】
上記実施形態では、制御装置50は、ステッピングモータ11の回転量から移動部材13の位置を検出し、ピンチローラ17が記録紙10に接触したときの移動部材13の位置と、ピンチローラ17が記録紙10を加圧しているときの移動部材13の位置とに基づいて、ばね14の伸縮量を検出するように構成されていた。しかし、ばね14の伸縮量を検出する方法は、特に限定される訳ではない。ばね14の伸縮量を直接検出する専用のセンサ等を備えていてもよい。また、ステッピングモータ11の回転量から移動部材13の位置を検出する代わりに、移動部材13の位置を直接検出する専用の位置センサ等を備えていてもよい。
【0038】
上述の通り、移動部材13の位置は、位置センサ等によって直接検出されてもよく、上記実施形態のように、ステッピングモータ11の回転量等から間接的に検出されてもよい。ただし、上記実施形態のステッピングモータ11のように、駆動量の検出が可能なモータを用い、その駆動量に基づいて移動部材13の位置または移動量を間接的に検出することとすれば、専用の検出装置が不要となり、部品点数を削減することができる。
【0039】
移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化を検出するセンサは、タッチセンサ16に限られない。例えば、上記センサとして、移動部材13およびローラ支持部材15の位置を検出する位置センサを用いることも可能である。また、上記センサは、接触式のセンサに限らず、光学式センサ等の非接触式のセンサであってもよい。上記センサは、結果として移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化を検出できるセンサであればよく、その構成は何ら限定されるものではない。また、移動部材13とローラ支持部材15との相対位置の変化を検出する代わりに、ばね14の長さの変化を検出するセンサ等を設けてもよい。
【0040】
ただし、上記実施形態のタッチセンサ16のように、移動部材13の所定箇所とローラ支持部材15の所定箇所との間の距離が所定値になったことを検出するセンサを用いることとすれば、安価かつ簡易な構成により、ピンチローラ17が記録紙10に接触したことを検出することができる。
【0041】
上記実施形態では、移動部材13にはガイド棒18が貫通する孔13aが形成され、ローラ支持部材15にはガイド棒18が貫通する孔15aが形成されていた。しかし、移動部材13およびローラ支持部材15を上方または下方に案内する部分は、ガイド棒18と係合する他の形状を有する部分であってもよく、必ずしも孔13a,15aに限定される訳ではない。例えば、ガイド棒18と係合する部分は、ガイド棒18を両側から挟み込む一対の板状体等であってもよい。
【0042】
<第2実施形態>
搬送装置8は、単独で使用することも可能であるが、複数の搬送装置8を並べて使用してもよい。以下に説明する第2実施形態に係る搬送装置30は、前述の搬送装置8を複数備えたものである。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図3に示すように、第2実施形態に係る搬送装置30は、インクジェット式のプリンタ1に搭載されたものである。ただし、本発明に係る記録媒体搬送装置は、プロッタ等の他の記録装置に搭載されたものであってもよく、記録装置から独立して用いられる単独の搬送装置であってもよい。
【0044】
(プリンタの構成)
まず、プリンタ1の構成について説明する。以下の説明では、左、右、上、下は、プリンタ1の正面にいる人から見た左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、プリンタ1の正面にいる人から見たプリンタ1の手前側、奥側を、それぞれ前側、後側ということとする。図中の符号L、R、F、Reは、それぞれ左、右、前、後を表す。
【0045】
プリンタ1は、左右方向に延びるガイドレール2と、ガイドレール2に沿って左方および右方に移動可能なインクジェットヘッド3とを備えている。ガイドレール2およびインクジェットヘッド3の下方には、記録紙10を支持するプラテン4が配置されている。
【0046】
プラテン4には、複数のグリッドローラ19が設けられている。それらグリッドローラ19は、左右方向に配列されている。各グリッドローラ19は、その上部がプラテン4から露出し、上部以外の部分がプラテン4内に埋没するように構成されている。グリッドローラ19は、左右方向に延びる連結軸(図示せず)によって連結されている。連結軸の右端部には、モータ20(図3では図示せず。図1参照。)が接続されている。モータ20が回転すると連結軸が回転し、その連結軸の回転に伴って全グリッドローラ19が回転する。本実施形態では、1個のモータ20によって全グリッドローラ19が駆動される。
【0047】
ただし、モータ20の個数は1個に限らず、2個以上であってもよい。本実施形態のように1個のモータ20で全てのグリッドローラ19を駆動してもよく、2個以上のモータを用いて全てのグリッドローラ19を駆動するようにしてもよい。例えば、左側のグリッドローラ19を連結する左側の連結軸と、右側のグリッドローラ19を連結する右側の連結軸とを分離し、プラテン4の左端部に設けたモータ20で左側の連結軸を回転させ、プラテン4の右端部に設けたモータ20で右側の連結軸を回転させるようにしてもよい。この場合、左半分のグリッドローラ19は左側のモータ20によって駆動され、右半分のグリッドローラ19は右側のモータ20によって駆動されることになる。
【0048】
また、本実施形態では、1つのピンチローラ17に対して1つのグリッドローラ19が配置されているが、複数のグリッドローラ19が一体化されていてもよい。複数のピンチローラ17に対して、1つのグリッドローラ19が配置されていてもよい。
【0049】
第1実施形態と同様、グリッドローラ19の上方には、ピンチロール装置9が設けられている。ピンチロール装置9は、左右方向に配列されている。各ピンチロール装置9の構成については後述する。
【0050】
ガイドレール2には、キャリッジ5が係合している。キャリッジ5はガイドレール2に沿って左方および右方に移動自在である。ガイドレール2は、キャリッジ5の左方および右方の移動を案内する。キャリッジ5には、キャリッジ5を左方および右方に移動させる駆動機構が接続されている。図示は省略するが本実施形態では、駆動機構は、ガイドレール2の左端部の近傍に配置された左プーリと、ガイドレール2の右端部の近傍に配置された右プーリと、左プーリおよび右プーリの少なくとも一方を駆動するモータ等の駆動装置と、左プーリおよび右プーリに巻き掛けられ且つキャリッジ5が固定された無端状の伝動ベルトとを備えている。ただし、上記駆動機構は一例に過ぎず、キャリッジ5を駆動する駆動機構の構成は、何ら限定される訳ではない。
【0051】
インクジェットヘッド3は、キャリッジ5に支持されている。インクジェットヘッド3は、キャリッジ5と共に左方および右方に移動する。インクジェットヘッド3は、左方または右方に移動する際に、記録紙10に向かってインクを吐出する。これにより、記録紙10に対して印刷が行われる。インクジェットヘッド3が一走査分の印刷を終了すると、グリッドローラ19が回転し、記録紙10が前方に所定長さだけ搬送される。以下、同様の動作が繰り返され、記録紙10上に所定の画像等が形成される。
【0052】
プラテン4の左方、右方には、サイドカバー6L、6Rがそれぞれ配置されている。右のサイドカバー6Rには、操作パネル7が設けられている。制御装置50は、半導体等を有するICボードからなり、例えば、サイドカバー6Rの内部に設けられている。制御装置50は、ピンチロール装置9およびグリッドローラ19の制御だけでなく、キャリッジ5の移動およびインクジェットヘッド3の吐出動作も制御するように構成されている。なお、本実施形態に係る制御装置50はプリンタ1の専用の制御装置であるが、パーソナルコンピュータ等の外部のコンピュータによって、プリンタ1の制御の一部または全部を行うことも可能である。制御装置50はプリンタ1に内蔵されていなくてもよく、プリンタ1とは別体に構成されていてもよい。
【0053】
(ピンチロール装置の構成)
図4〜図6は搬送装置8を右方から見た断面図である。図4は、ピンチローラ17が記録紙10と接触していない状態を表している。図5は、ピンチローラ17が記録紙10と接触したときの状態を表している。図6は、ピンチローラ17が記録紙10を加圧しているときの状態を表す。図7は、ピンチローラ17が記録紙10を加圧しているときのピンチロール装置9の背面図である。
【0054】
図4〜図6に示すように、ピンチロール装置9はケース31を備えている。ケース31は、ガイドレール2の後方に位置するプリンタ1の垂直板21に、ねじ22によって固定されている。ケース31の上部には、ステッピングモータ11が固定されている。ステッピングモータ11には、下方に延びるねじ12の上端部が連結されている。ねじ12の下端部は、ケース31の支持部31aに回転自在に支持されている。図7に示すように、ねじ12の前方であって、且つねじ12の左右には、ガイド棒18が配置されている。ここでは、2本のガイド棒18が設けられている。各ガイド棒18の上端部および下端部は、ケース31に固定されている。
【0055】
移動部材13には、ねじ12に係合する雌ねじ部13bが形成されている。図4に示すように、移動部材13の下部13cには、ばね14の下端部14bが係止される係止部13fが設けられている。ローラ支持部材15の上部15bには、ばね14の上端部14aが係止される係止部15dが設けられている。移動部材13およびローラ支持部材15は、ガイド棒18に摺動自在に係合している。
【0056】
図7に示すように、ローラ支持部材15の上部15bには、タッチセンサ16が取り付けられている。タッチセンサ16の下方には、移動部材13の上部13dが配置され、その上部13eにはタッチセンサ16に対向する接触面13eが形成されている。
【0057】
図4に示すように、ピンチローラ17が記録紙10に接触していない状態では、ばね14の長さは基準長さL1となる。図5に示すように、移動部材13およびローラ支持部材15が下降すると、ピンチローラ17が記録紙10に接触する。その接触の瞬間まで、ばね14の長さは基準長さL1のままである。しかし、図6に示すように、移動部材13が更に下降すると、ローラ支持部材15の下降は規制されるので、ばね14は伸長し、その長さL2は基準長さL1よりも長くなる。その結果、ピンチローラ17には、ばね14の長さL2に応じた加圧力が発生する。記録紙10は、ピンチローラ17により、上記加圧力で押さえつけられることになる。
【0058】
本実施形態に係る搬送装置30によれば、記録紙10の幅方向(すなわち、左右方向)に沿って配列された複数の搬送装置8を備えている。そのため、記録紙10の幅方向に沿った複数箇所をピンチローラ17およびグリッドローラ19で挟み込むことができ、記録紙10を安定して搬送することができる。
【0059】
なお、前述したように、本実施形態では、グリッドローラ19は搬送装置8ごとに独立して形成されていたが、2または3以上のグリッドローラ19が一体化されていてもよく、全ての搬送装置8のグリッドローラ19が一体化されていてもよい。
【0060】
各搬送装置8は、ステッピングモータ11の回転位置の制御が自在に構成されている。各搬送装置8は、他の搬送装置8から独立して制御可能である。そのため、本実施形態によれば、記録紙10の異なる箇所に対し、異なる加圧力を付与することができる。
【0061】
記録紙10の搬送方向と直交する方向において記録紙10に対する加圧力が異なるように、少なくとも2つのピンチロール装置9において、ばね14の伸縮量を異ならせることとすれば、記録紙10を様々な態様で搬送することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、複数の搬送装置8のステッピングモータ11に対して異なる制御を適用することにより、記録紙10を様々な態様で搬送することができる。次に、搬送方法の具体例をいくつか説明する。
【0062】
(搬送方法1)
例えば、搬送中に記録紙10が右側に蛇行している場合に、図8に示すように、左側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fを高めるようにしてもよい。左側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fを高くすることにより、記録紙10を左側に傾けることができる。そのため、このような搬送方法を採ることにより、記録紙10の蛇行を修正することができる。なお、逆に、右側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fを高めることとすれば、記録紙10を右側に傾けることができ、左側に蛇行している記録紙10の蛇行を修正することができる。
【0063】
このように、記録紙10の搬送方向と直交する方向の一方から他方にかけて、記録紙10に対する加圧力Fが徐々に増加または減少するように、ピンチロール装置9のばね14(図8では図示せず。図4等参照)の伸縮量を変化させることとすれば、記録紙10の蛇行を修正することが可能となる。
【0064】
記録紙10の蛇行を検出する公知の検出装置(以下、蛇行検出装置という)を設け、その蛇行検出装置の検出結果に基づいて、記録紙10の蛇行を自動的に修正することも可能である。すなわち、蛇行検出装置によって記録紙10が左側に蛇行していることが検出されると、右側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fが高まるように、各ピンチロール装置9のステッピングモータ11を制御する。逆に、蛇行検出装置によって記録紙10が右側に蛇行していることが検出されると、左側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fが高まるように、各ピンチロール装置9のステッピングモータ11を制御する。このことにより、記録紙10の蛇行を自動的に修正することが可能となる。
【0065】
なお、蛇行検出装置の具体的構成は何ら限定されない。例えば、蛇行検出装置として、記録紙10の側端の位置を光学式センサで検出し、その側端の位置の変化に基づいて、記録紙10の蛇行を検出する装置等を好適に用いることができる。
【0066】
(搬送方法2)
図9に示すように、左右両側に行くほどピンチローラ17の加圧力Fを高めるようにしてもよい。このような搬送方法を採ることにより、記録紙10を左右両側に引っ張ることができ、記録紙10の皺を伸ばすことができる。この搬送方法は、皺が生じやすい記録紙10に対して特に好適である。
【0067】
このように、記録紙10の搬送方向と直交する方向の一方から他方にかけて、記録紙10に対する加圧力Fが徐々に減少してから徐々に増加するように、ピンチロール装置9のばね14(図9では図示せず。図4等参照)の伸縮量を変化させることとすれば、記録紙10の皺を伸ばすことが可能となる。
【0068】
(搬送方法3)
図10に誇張して示すように、表面の凹凸が大きな記録紙10を搬送する際に、場所ごとの厚みの大小に拘わらず、常に一定の加圧力Fで記録紙10を押さえつけることも可能である。場所ごとの加圧力Fを一定にすることにより、表面の凹凸が大きな記録紙10であっても、蛇行しないように安定して搬送することができる。
【0069】
このように、記録紙10の搬送方向と直交する方向において記録紙10に対する加圧力Fが一定となるように、ピンチロール装置9のばね14(図10では図示せず。図4等参照)の伸縮量を同一に設定することとすれば、凹凸が大きな記録紙10であっても安定して搬送することができる。
【0070】
(搬送方法4)
図11に示すように、台紙10Aの上に写真10Bや図画などが貼られた記録媒体10を搬送する場合に、台紙10A上の写真10B等を挟み込まないよう、台紙10Aのみを押さえつけるようにすることも可能である。すなわち、台紙10Aの上方に位置するピンチロール装置9のみを使用し、写真10B等の上方に位置するピンチロール装置9は上方に離間させることにより、使用しないようにしてもよい。図11に示す例では、台紙10Aの両端部のみを押さえつけ、それら両端部を前方に送り出すことによって、記録媒体10を前方に搬送している。なお、使用するピンチロール装置9は、記録媒体10の両端部の上方に限らず、台紙10Aの上の写真10B等の位置や大きさに応じて、適宜に選択することができる。
【0071】
このように、少なくとも1つのピンチロール装置9のピンチローラ17を記録媒体10と接触させ、他の少なくとも1つのピンチロール装置9のピンチローラ17を記録媒体10から離間させることにより、例えば記録媒体10の種類や印刷の内容等に応じて、ピンチローラ17により記録媒体10の所望の位置を選択的に押さえつけることができ、より高度な搬送が可能となる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は他に種々の形態で実施することができる。
【0073】
前記実施形態では、各ピンチロール装置9にステッピングモータ11が設けられていたが、2以上のピンチロール装置9において、ステッピングモータ11を共通化してもよい。例えば、2以上のピンチロール装置9のねじ12を同期するように連結し、1つのステッピングモータ11で複数のピンチロール装置9のねじ12を同期回転させてもよい。このことにより、ステッピングモータ11の個数を削減することができる。
【0074】
本発明に係る記録媒体搬送装置が対象とする記録媒体は、記録紙に限定されない。記録媒体は、例えば、ガラス、木、樹脂、金属等からなるシート等であってもよい。
【0075】
前記実施形態では、記録紙10の上方にピンチローラ17が配置され、記録紙10の下方にグリッドローラ19が配置されていた。しかし、ピンチローラ17およびグリッドローラ19の位置は特に限定されない。例えば、ピンチローラ17およびグリッドローラ19を前後に配置し、記録紙10を上方または下方に搬送するように構成することも可能である。
【0076】
本発明に係る記録媒体搬送装置は、加圧力の調整ができない他の記録媒体搬送装置と組み合わせて使用することも可能である。例えば、加圧力の調整が可能な前記搬送装置8と、加圧力の調整ができない他の搬送装置とを交互に配置してもよい。
【符号の説明】
【0077】
8 記録媒体搬送装置
9 ピンチロール装置
10 記録紙(記録媒体)
11 ステッピングモータ(駆動装置)
12 ねじ(駆動装置)
13 移動部材
14 ばね(弾性部材)
15 ローラ支持部材
16 タッチセンサ(接触検出装置)
17 ピンチローラ
19 グリッドローラ(対向ローラ)
20 モータ(ローラ駆動装置)
50 制御装置
50a 移動検出部(移動検出装置)
50b 伸縮量検出部(伸縮量検出装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に押し当てられるピンチローラと、
前記記録媒体を介して前記ピンチローラと対向する対向ローラと、
前記ピンチローラおよび前記対向ローラの少なくとも一方を駆動するローラ駆動装置と、
前記ピンチローラを支持し、前記ピンチローラが前記対向ローラに接近する方向である接近方向および前記接近方向と逆の方向である離反方向に移動可能なローラ支持部材と、
前記接近方向および前記離反方向に移動自在な移動部材と、
一端が前記ローラ支持部材に取り付けられ、他端が前記移動部材に取り付けられた弾性部材と、
前記移動部材を前記接近方向および前記離反方向に駆動する駆動装置と、
前記ピンチローラが前記記録媒体に接触したことを検出する接触検出装置と、
前記移動部材の位置または移動量を検出する移動検出装置と、
前記接触検出装置および前記移動検出装置の検出結果から前記弾性部材の伸縮量を検出する伸縮量検出装置と、
前記伸縮量検出装置が検出した前記弾性部材の伸縮量に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、
を備えた記録媒体搬送装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記弾性部材の伸縮量が所定量になるように前記駆動装置を制御する、請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項3】
前記接触検出装置は、前記移動部材の所定箇所と前記ローラ支持部材の所定箇所との間の距離が所定値になったことを検出するセンサからなっている、請求項1または2に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項4】
前記駆動装置は、駆動量の検出が可能なモータを有し、
前記移動検出装置は、前記モータの駆動量に基づいて前記移動部材の位置または移動量を検出するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の記録媒体搬送装置。
【請求項5】
前記対向ローラは、記録媒体を下方から支持し、前記ローラ駆動装置によって駆動されるグリッドローラからなり、
前記ピンチローラは、前記対向ローラの上方に配置され、
前記駆動装置は、ステッピングモータと、前記ステッピングモータによって駆動されるねじとを有し、
前記移動部材は、前記ねじに係合する雌ねじ部を有し、前記ねじの回転に伴って昇降するように構成され、
前記弾性部材は、上端が前記ローラ支持部材に取り付けられ、下端が前記移動部材に取り付けられ、上下方向に延びるコイルばねからなっている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の記録媒体搬送装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記接触検出装置の検出結果に基づいて前記記録媒体の厚みを検出し、前記記録媒体の厚みが大きいほど前記弾性部材の伸縮量が大きくなるように前記駆動装置を制御する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の記録媒体搬送装置。
【請求項7】
前記ピンチローラ、前記ローラ支持部材、前記移動部材、前記弾性部材、前記駆動装置、前記接触検出装置、および前記移動検出装置は、前記記録媒体を押さえつけるピンチロール装置を構成しており、
前記ピンチロール装置は、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に複数配列されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の記録媒体搬送装置。
【請求項8】
前記記録媒体の搬送方向と直交する方向において前記記録媒体に対する加圧力が異なるように、少なくとも2つのピンチロール装置において、前記弾性部材の伸縮量が異なっている、請求項7に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項9】
前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の一方から他方にかけて、前記記録媒体に対する加圧力が徐々に増加または減少するように、前記ピンチロール装置の前記弾性部材の伸縮量が変化している、請求項7に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項10】
前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の一方から他方にかけて、前記記録媒体に対する加圧力が徐々に減少してから徐々に増加するように、前記ピンチロール装置の前記弾性部材の伸縮量が変化している、請求項7に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項11】
前記記録媒体の搬送方向と直交する方向において前記記録媒体に対する加圧力が同一となるように、前記ピンチロール装置の前記弾性部材の伸縮量が同一となっている、請求項7に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項12】
少なくとも1つのピンチロール装置のピンチローラは、前記記録媒体と接触しており、
少なくとも1つの他のピンチロール装置のピンチローラは、前記記録媒体から離間している、請求項7に記載の記録媒体搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−82526(P2013−82526A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222888(P2011−222888)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000116057)ローランドディー.ジー.株式会社 (163)
【Fターム(参考)】