説明

記録装置、記録方法

【課題】ループ録画を極力停止することなくループ録画した所望の映像コンテンツを保存する。
【解決手段】この記録装置は、所定期間のみを再生対象としたストリームデータを繰り返し上書き記録する複数の記録領域を記憶媒体に生成する手段と、記録領域に記録されたストリームデータの管理情報を有する管理情報ファイル記録する手段と、記録領域にストリームデータを記録し、その保存指示に基づいて記録を停止し、他の記録領域にストリームデータの記録を再開する手段と、ストリームデータの記録を停止した場合に、ストリームデータの管理情報を上書き記録されないデータとして管理情報ファイルに更新記述する手段と、管理情報ファイルに更新記述する際、更新された管理情報に対応するストリームデータをさらに他の記録領域に移動させる手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばハードディスクビデオ録画装置などのデータを記録する記録装置、記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクなどの大容量記憶媒体を利用するビデオ録画装置などにおいて、ループ録画と呼ばれる録画方法が開発されている。ループ録画とは、通常の録画用の領域とは別個に固定的な領域を確保し、その固定的な領域内で、通常の録画とは独立して上書き録画を繰り返す録画方式である。ループ録画は、記録容量が限定的とはいえ、記憶媒体の残容量を意識させない録画を可能とするから、例えば、テレビ視聴の途中で中座する際に視聴中の番組を一時的に保持しておき、後ほど中座により中断した箇所の続きから視聴を再開するような使い方を実現することができる。ループ録画に類する技術として、音声データを繰り返し録音する領域を確保する技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
ループ録画では、ユーザの操作などに基づいてループ録画が開始されると、ループ録画用の領域への記録が開始され、当該領域の終点まで記録が進むと当該領域の始点に戻って続きの記録を続行する。そのため、ループ録画においてユーザにとって必要なシーンのみを残して不要なシーンを削除するには、一旦ループ録画を停止して映像コンテンツを保存し、その保存された映像コンテンツに対して編集処理を施す必要がある。このことは、煩雑な操作をユーザに要求することになり、使い勝手を悪くしてしまう。
【特許文献1】特開平10−69300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の記録装置、記録方法では、ループ録画された映像コンテンツの中から所望のシーンを保存するには、ループ録画を中断して編集処理をする必要があるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、ループ録画を極力停止することなく所望の映像コンテンツを保存することのできる記録装置、記録方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明の記録装置は、記憶媒体にストリームデータを記録する記録装置であって、第1のストリームデータを記録する第1の記録領域を記憶媒体に生成する第1の領域生成手段と、第1のストリームデータと異なる所定期間のみを再生対象とした第2のストリームデータを繰り返し上書き記録する第2の記録領域および第3の記録領域を記憶媒体に生成する第2の領域生成手段と、第1の記録領域に記録された第1のストリームデータの管理情報ならびに第2および第3の記録領域に記録された第2のストリームデータの管理情報を有する管理情報ファイルを記憶媒体に記録する管理情報管理手段と、第2の記録領域に第2のストリームデータを記録し、第2のストリームデータの保存指示に基づいて第2の記録領域への第2のストリームデータの記録を停止し、第3の記録領域に第2のストリームデータの記録を再開する記録手段と、記録手段が第2の記録領域への第2のストリームデータの記録を停止した場合に、第2のストリームデータの管理情報を上書き記録されないストリームデータとして管理情報ファイルに更新記述し、記憶媒体に記録する管理情報編集手段と、管理情報編集手段が第2のストリームデータの管理情報を管理情報ファイルに更新記述する際、更新された管理情報に対応する第2のストリームデータを第2の記録領域から第1の記録領域に移動させる領域移動手段とを具備している。
【0007】
本発明の記録方法は、所定期間のみ再生対象としたデータを記憶媒体の第1の記録領域に記録するステップと、第1の記録領域の終点まで記録した場合に第1の記録領域の始点からデータの記録を続行するステップと、記録されたデータを保存する保存指示に基づいて、所定期間のみ再生対象としたデータの記録を停止するステップと、所定期間のみ再生対象としたデータの記録が停止された場合に記録されたデータを保存用データとして管理情報を設定するステップと、管理情報が設定された場合に所定期間のみ再生対象としたデータを記憶媒体の第1の記録領域とは異なる第2の記録領域へ記録を開始するステップとを有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ループ録画を極力停止することなく所望の映像コンテンツを保存することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
いわゆるループ録画機能を搭載したビデオ(記録装置)やテレビなどにおいては、ユーザが中座などによりテレビ視聴を一時中断する際にループ録画の起動操作を行い、その後ユーザがテレビ視聴を再開する際に「追っかけ再生操作」などの起動操作により視聴を中断した箇所からの再生を行うことができる。
【0010】
ループ録画をいつ開始し、またいつ終了するか、すなわちどれだけの時間に渡ってループ録画が実施されるかについては、ループ録画の機能をどのように使用するかに依存するため、さまざまな形態が考えられる。たとえば、テレビ視聴の途中で中座する際に視聴中の番組を一時的に保持しておき、のちほど中座により中断した箇所の続きから視聴を再開するような使い方をする場合、ユーザが席を外している間という比較的限られた時間内でループ録画が実行される。一方、例えば、記録装置をテレビに内蔵し、テレビの電源を投入した際に自動的にループ録画機能を起動するように、ユーザにそれと意識させずにループ録画を実行するような使い方をする場合は、テレビの電源が投入されている時間内という比較的長い時間に渡ってループ録画が実行されることになる。
【0011】
後者のケースでは、比較的長時間に渡ってループ録画が実施されるため、ループ録画で記録されたコンテンツの中には、ユーザが必要とするシーンだけでなく、不要なシーンも混在していることがありえる。これは前者のケースでも同様であって、比較的短い時間長のコンテンツであっても、ユーザにとって必要なシーンと不要なシーンとが混在していることがありえる。
【0012】
ループ録画においてユーザにとって必要なシーンのみを残して不要なシーンを削除するには、一旦ループ録画を停止して映像コンテンツを保存し、その保存された映像コンテンツに対して編集処理を施すことで必要なシーンのみを残すことになる。そのため、煩雑な操作をユーザに要求することになり、使い勝手があまりよくない。また、映像コンテンツを保存して編集処理を行うために一旦ループ録画を停止しなくてはならず、たとえばテレビの電源投入の際に自動的にループ録画を起動するような使用法では、基本的にユーザに意識させずに常時ループ録画を実行することを前提としているにも関わらず、必要なシーンを残す編集処理のためにある程度の時間ループ録画を停止しなくてはならず、ユーザの利便性が著しく低下してしまう。
【0013】
以下に説明する本発明の実施形態では、ループ録画を極力停止することなく所望の映像コンテンツを保存することのできる記録装置を提供するものである。
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る第1の実施形態の記録装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、この実施形態の記録装置10は、スピーカSP、ディスプレイD、地上アナログ放送を受信するアナログ用アンテナA1、および、地上デジタル放送を受信するデジタル用アンテナA2と併せてテレビシステム1を構成する。
【0016】
この実施形態の記録装置10は、アナログチューナ部11、PSエンコーダ部12、データプロセッサ部13、HDD部14、PSデコーダ部15、セレクタ16、D/A部17、デジタルチューナ部21、ストリームプロセッサ部22、TSデコーダ部25、編集管理情報制御部32および録画管理情報制御部33を有する演算部(CPU部)31、表示部34およびキー入力部35を備えている。
【0017】
アナログチューナ部11は、主として地上波により放送されるアナログ放送波を、アナログ用アンテナA1を介して受信するアナログチューナである。アナログチューナ部11は、NTSCなど所定の放送方式に基づいて放送波の選局・復調を行い、アナログ映像信号および音声信号に変換してPSエンコーダ部12に入力する。
【0018】
PSエンコーダ部12は、入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化するA/Dコンバータと、ビデオエンコーダと、オーディオエンコーダとを備える符号化手段であり、副映像エンコーダを含んでもよい。PSエンコーダ部12は、デジタル化されたビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に基づいた可変ビットレートの圧縮デジタルビデオ信号に変換する。また、PSエンコーダ部12は、デジタル化されたオーディオ信号を、MPEGまたはAC−3規格に基づいた固定ビットレートの圧縮デジタルオーディオ信号、あるいはリニアPCMのデジタルオーディオ信号に変換する。アナログチューナ部11からのアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号が入力されると、PSエンコーダ部12は所定のエンコード処理を行う。具体的には、PSエンコーダ部12は、ビデオ信号およびオーディオ信号をデジタル信号に変換した後でエンコードした後、パック化してビデオパック、オーディオパック、副映像パックに変換し、さらにこれらを組み合わせてHDD部14への記録に適したフォーマットに変換する。PSエンコーダ部12により変換された信号は、データプロセッサ部13に渡される。なお、PSエンコーダ部12は、A/D変換されたデジタルビデオ信号やオーディオ信号をエンコードすることなく、セレクタ16に直接データを渡してもよい。
【0019】
データプロセッサ部13は、PSエンコーダ部12によりエンコードされたデジタルビデオ信号およびオーディオ信号を受け取り、後段のHDD部14に書き込むデータ制御手段である。具体的には、データプロセッサ部13は、アナログ放送のコンテンツを録画する場合はPSエンコーダ部12に備えられたフォーマッタから、またデジタル放送のコンテンツを録画する場合はストリームプロセッサ部22から、それぞれGOP単位のデータを受け取ってHDD部14に記録する。併せて、データプロセッサ部13は、HDD部14から所定の再生信号を読み出す機能をも有する。データプロセッサ部13は、バッファ回路、変調・復調回路、エラー訂正回路等を備えており、記録または再生単位でデータ処理を実行する。
【0020】
HDD部14は、例えばハードディスクなどの記憶媒体を駆動してデータを記録し再生する記録装置である。HDD部14は、ハードディスクには限定されず、デジタルデータを記録・再生できるものであればよい。
【0021】
PSデコーダ部15は、パック構造でHDD部14に記録されている多重信号から映像や音声などの各パックを分離して取り出すセパレータと、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリと、セパレータで分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするビデオデコーダと、セパレータで分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするサブピクチャデコーダと、セパレータで分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするオーディオデコーダとを備える復号化手段である。PSデコーダ部15は、デコードされた主映像にデコードされた副映像を適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサを備えてもよい。PSデコーダ部15は、基本的にA/D変換されてHDD部14に記録されたアナログ放送波のビデオ/オーディオ信号の復号を行う。
【0022】
セレクタ16は、PSデコーダ部15からの出力信号、TSデコーダ部25からの出力信号、PSエンコーダ部12からの出力信号、ストリームプロセッサ部22からの出力信号を選択してD/A部17に出力する信号切り替え手段である。すなわち、セレクタ16は、HDD部14に記録されたアナログ放送波信号、同じく記録されたデジタル放送波信号、PSエンコーダ部12によりデジタル化されたアナログ放送波信号、およびストリームプロセッサ部22からのデジタル放送波信号のいずれかを選択する。セレクタ21は、CPU部31からのセレクト信号に基づいて選択を実行する。
【0023】
D/A部17は、セレクタ16により選択されたデジタルビデオ信号およびオーディオ信号をアナログのビデオ信号およびオーディオ信号に変換するD/A変換器である。D/A部17は、アナログ化されたビデオ信号およびオーディオ信号を、それぞれディスプレイDおよびスピーカSPに出力する。
【0024】
デジタルチューナ部21は、アナログチューナ部11と対応し、地上波やBS、CS等のデジタル放送波を、デジタル用アンテナA2を介して受信するデジタルチューナである。デジタルチューナ部21は、MPEG2−TS信号の中からユーザが選択した番組の映像や音声などのTSパケットを抽出してストリームプロセッサ部22に入力する。
【0025】
ストリームプロセッサ部22は、デジタルチューナ部21により抽出された小さなTSパケットに分割された映像データや音声データを、HDD部14への記録に適した大きいサイズのパケットに加工する等の変換処理を行うデータ変換手段である。変換された情報は、データプロセッサ部13を介してHDD部14に記録される。
【0026】
TSデコーダ部25は、PSデコーダ部15に対応し、データプロセッサ部13を介してHDD部14から読み出されたデジタル放送波の記録信号を復号する復号化手段である。TSデコーダ部25は、記録されている多重信号から映像や音声などを分離して取り出すセパレータと、分離された映像データをデコードするビデオでコーダと、同じく分離された音声データをデコードするオーディオデコーダとを備えている。TSデコーダ部25は、復号したデジタルのビデオ信号およびオーディオ信号をセレクタ16に入力する。
【0027】
CPU部31は、制御プログラムに従い、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定などの処理を実行する。また、CPU部31は、システム全体を制御するために必要な情報処理部を有し、図示しないワークRAM、ビデオ管理情報作成部、コピー関連情報検知部、コピーおよびスクランブリング情報処理部、パケットヘッダ処理部、シーケンスヘッダ処理部、アスペクト比情報処理部などを備えている。
【0028】
またCPU部31は、編集を実行する際の管理情報の制御を行う編集管理情報制御部32と、録画を実行する際の管理情報の制御を行う録画管理情報制御部33をも備えている。さらに、CPU部31は、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了時に作成した管理情報をデータプロセッサ部13に送る。これにより、管理情報がHDD部14に記録される。従って、CPU部31は、エンコードが行われているときはPSエンコーダ部12から、MPEG2−TS信号の記録が行なわれているときはストリームプロセッサ部22から、データ単位の情報(切り分け情報など)を受け取る。CPU部31は、記録開始時においては、ハードディスクから読み取ったファイルシステムの管理情報を認識し、ハードディスクの未記録エリアを認識し、データの記録エリアを、データプロセッサ部13を介してハードディスクに設定する機能を有している。
【0029】
編集管理情報制御部32は、HDD部14に記録されたビデオ信号およびオーディオ信号に対応する管理情報を編集する管理データ制御手段である。
【0030】
録画管理情報制御部33は、HDD部14へのビデオ信号およびオーディオ信号の記録を制御し管理情報の設定等を行う管理データ制御手段である。
【0031】
表示部34は、CPU部31での動作状況等をユーザに示す表示手段であり、例えばLCD素子などからなる。キー入力部35は、CPU部31にユーザの指示を入力する入力デバイスであり、例えばキーボードやリモコン装置などである。
【0032】
ここで、この実施形態の記録装置10を含むテレビシステム1の記録・再生動作について説明する。
【0033】
アナログ放送信号の場合、アナログチューナ部11は、アナログ用アンテナA1からアナログ放送波の電波を受信して選局・復調し、アナログのビデオ信号・オーディオ信号に変換してPSエンコーダ部12に出力する。アナログのビデオ信号・オーディオ信号を受けると、PSエンコーダ部12は、ビデオ信号・オーディオ信号をA/D変換し、パック化(フォーマット化)を施してデータプロセッサ部13に出力する。このとき、CPU部31は管理情報を作成してデータプロセッサ部13に渡す。データプロセッサ部13は、受け取ったビデオ信号およびオーディオ信号を管理情報とともにHDD部14に記録する。
【0034】
一方、HDD部14に記録されたビデオ信号およびオーディオ信号は、データプロセッサ部13より読み出されてPSデコーダ部15に渡される。PSデコーダ部15は、読み出されたビデオ信号およびオーディオ信号のパック化信号を分離し、復号化してセレクタ16に出力する。セレクタ16は、受け取った信号をD/A部17に渡す。D/A部17は、受け取ったデジタルのビデオ信号およびオーディオ信号をD/A変換してディスプレイDおよびスピーカSPに出力する。
【0035】
デジタル放送信号の場合、デジタルチューナ部21は、デジタル用アンテナA2からデジタル放送波の電波を受信して選局・復調し、デジタルのビデオ信号・オーディオ信号を抽出する。デジタル放送の場合、映像や音声は放送局側でエンコードされており、MPEG2−TS信号の形式となっている。ストリームプロセッサ部22は、受け取ったMPEG2−TS信号から必要なパケットを選択するとともに、TSパケットから記録用のパケットに変換してデータプロセッサ部13に渡す。データプロセッサ部13は、受け取ったデータをHDD部14に記録する。
【0036】
HDD部14に記録されたデジタル放送波のビデオ信号およびオーディオ信号は、データプロセッサ部13により読み出されてTSデコーダ部25に渡される。TSデコーダ部25は、読み出されたビデオ信号およびオーディオ信号のパック化信号を分離し、復号化してセレクタ16に出力する。セレクタ16は、受け取った信号をD/A部17に渡す。D/A部17は、受け取ったデジタルのビデオ信号およびオーディオ信号をD/A変換してディスプレイDおよびスピーカSPに出力する。
【0037】
次に、図2を参照して、この実施形態の記録装置10がHDD部14に記録するデータ構成について詳細に説明する。図2は、この実施形態の記録装置10におけるデータ構成の概要を示す模式図である。
【0038】
図2に示すように、この実施形態の記録装置10における記録データは、ファイルシステム管理情報40、管理情報41、第1のAVストリームファイル44、第2のAVストリームファイル45および第3のAVストリームファイル46を有しており、それぞれHDD部14に記録されている。
【0039】
管理情報41は、HDD部14に記録される記録データの位置情報や属性等を管理するための管理情報である。管理情報41は、プログラム群情報42およびAVファイル情報43を有している。
【0040】
プログラム群情報42(オリジナルタイトル群情報)は、録画されたコンテンツ(プログラム)の再生順序を管理する情報(再生順序情報)であり、個々のプログラムに関する情報がプログラム単位で整理されている。個々のプログラム情報は、再生すべき対象となるAVデータストリーム(プログラム単位の映像・音声データの集合体)に関する情報であるAVファイル情報とリンクさせた参照情報を有している。
【0041】
AVファイル情報43は、ユーザの管理対象となるプログラム情報42と、現実の記録データである記録データとを結び付けるテーブルである。AVファイル情報43は、対応するAVデータストリームのHDD部14での論理アドレス情報が記述されたタイムマップ情報を有している。
【0042】
第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46は、それぞれプログラム(タイトル:ユーザが1回に記録する単位)に対応するAVデータストリームから構成されるデータファイルである。第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46を構成する個々のAVデータストリームは、情報パック、映像パック、音声パック、副映像パックなどからなる。情報パックは、AVデータストリームの属性や識別のための情報パッケージであり、これが属するGOPの最初のフィールドが再生される開始時間を示す情報、当該GOPの記録時を示す情報、コピーコントロール情報などを含んでいる。映像パックは、ビデオデータをMPEG2方式で圧縮した情報パッケージであり、パックヘッダ、パケットヘッダおよびビデオデータ部で構成されている。音声パックは、オーディオデータを、例えばリニアPCMやMPEG、AC−3などの方式で処理した情報パッケージであり、パックヘッダ、パケットヘッダ、オーディオデータ部で構成されている。
【0043】
第1のAVストリームファイル44は、通常録画の記録・再生のために用意されたデータファイルであり、第2および第3のAVストリームファイル45および46は、ループ録画のために用意されたデータファイルである。ここで、「通常録画」とは、保存を目的とした記録を指し、「ループ録画」とは、所定領域内を繰り返し上書き録画することで一定時間のみの保存を可能とした記録を指す。
【0044】
ファイルシステム管理情報40は、例えばUDF(Universal Disk Format)規格における管理情報であり、管理情報41のファイル、第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46を管理するための管理情報である。
【0045】
なお、プログラム群情報42に加えて、プログラムの再生順序を管理する情報(再生順序情報)のみで構成されているプレイリスト情報を設けてもよい。プレイリスト情報は、それ自身のAVデータストリームを持たず、オリジナルタイトルのAVファイル情報に対してリンクしている参照情報を編集(削除、追加)することで生成される。すなわち、直接AVデータストリームを加工せずに、参照情報のみを編集することにより、必要なシーンのみで構成されたプログラムを生成したり、不要なシーンを除去したプログラムを生成したりすることが可能となる。また、図2に示す例では、第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46の3つのストリームファイルが存在する例を示しているが、4つ以上存在してもよい。
【0046】
続いて、図3を参照して、この実施形態の記録装置10における録画管理情報制御部33について詳細に説明する。図3は、図1に示す録画管理情報制御部33の構成を示すブロック図である。録画管理情報制御部33は、この実施形態の記録装置10の録画処理を実行する機能を有する。
【0047】
図3に示すように、この実施形態における録画管理情報制御部33は、管理情報管理部51、FS管理部52、録画方式識別部53、記録領域形成部54、記録領域監視部55、通常録画部56、ループ録画部57、記録領域移動部58を有している。この実施形態の記録装置10は、図2に示すデータ記録構成、すなわち、通常録画のAVストリームファイルとループ録画のAVストリームファイルとを別構成とした構成により録画を行う。
【0048】
管理情報管理部51は、図2に示すプログラム群情報42と、AVファイル情報43とを管理する情報処理手段である。管理情報管理部51は、HDD部14に記録されたプログラム群情報を表示部34やディスプレイDを通じてユーザに提供し、録画の際にプログラム群情報を設定する機能を有する。管理情報管理部51が管理するプログラム群情報42は、プログラムごとの時間情報(HDD部14に記録されたデータ中の位置を示す時間情報)を含んでいる。また、管理情報管理部51が管理するAVファイル情報43は、記録データの論理的な位置情報に相当する論理アドレス情報を含んでいる。
【0049】
FS管理部52は、例えばUDF(Universal Disk Format)規格に基づくファイルシステム管理情報40を管理する情報処理手段である。この実施形態の記録装置10では、プログラムごとの記録データが連なってAVストリームファイルを構成する。FS管理情報は、このAVストリームファイルの識別情報であり、FS管理部52はFS管理情報を通じてAVストリームファイルを管理する。
【0050】
録画方式識別部53は、キー入力部35から入力されるユーザからの指示内容の録画方式を識別する録画方式管理手段である。録画方式識別部53が管理する録画方式としては、通常の録画を行う通常録画と、所定領域を繰り返し上書きしながら録画を行うループ録画の二つの録画方式がある。ユーザからの指示は明示的なものであっても、あるいは解除しない限り指示されたものとしてもかまわない。例えば、電源オンと連動してループ録画を開始するように構成してもよい。
【0051】
記録領域形成部54は、HDD部14の記録領域を確保し管理する管理手段である。記録領域形成部54は、HDD部14に対して第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46の記録領域をあらかじめ確保し、または解放する機能を有する。
【0052】
記録領域監視部55は、記録領域形成部54が確保した記録領域を監視する監視手段である。記録領域監視部55は、記録領域形成部54が確保した記録領域を監視し、監視結果を通常録画部56またはループ録画部57に通知する機能を有する。
【0053】
通常録画部56は、通常録画処理を実行する処理手段であり、PSエンコーダ部12またはストリームプロセッサ部22から送られるビデオデータおよびオーディオデータを、HDD部14に通常録画するようデータプロセッサ部13に指示する機能を有する。
【0054】
ループ録画部57は、ループ録画処理を実行する処理手段である。ループ録画部57は、PSエンコーダ部12またはストリームプロセッサ部22から送られるビデオデータおよびオーディオデータを、HDD部14にループ録画するようデータプロセッサ部13に指示する機能を有する。
【0055】
記録領域移動部58は、AVデータストリームとして記録されたデータを、AVストリームファイル間で論理的に移動させるデータ移動手段である。記録領域移動部58は、後述する所定のチャプター間の領域について、記録された第2および第3のAVストリームファイル45および46から第1のAVストリームファイル44に移動する機能を有する。AVストリームファイル間の移動は論理的アドレスの変更によって実現するため、現実の記録場所の移動を行うものではない。したがって、AVデータストリームを単に移動処理する場合と比較して高速処理が可能となる。
【0056】
次に、図4ないし図11を参照して、この実施形態に係る記録装置10の動作について説明する。図4は、この実施形態の記録装置10の記録動作を示すフローチャート、図5ないし図7は、この実施形態における通常録画の記録動作を示す模式図、図8ないし図11は、同じくループ録画の記録動作を示す模式図である。
【0057】
まず、初期状態の管理情報41、第1のAVストリームファイル44、第2のAVストリームファイル45および第3のAVストリームファイル46の様子を図5に示す。ここでは、通常録画に使用される第1のAVストリームファイル44に、通常録画のための第1の記録領域が確保されている。一方、ループ録画に使用される第2のAVストリームファイル45および第3のAVストリームファイル46に、ループ録画のための第2および第3の記録領域がそれぞれ確保されている。図5に示す例では、通常録画で記録されたプログラム群情報42として、PG #1からPG #mまでのタイトルが既に記録され、第1のAVストリームファイル上に録画済領域が形成されているが(図5の太字斜線領域)、以後説明の便宜上これらの表記を省略することがある。
【0058】
キー入力部35がユーザの指示を受けると、録画方式識別部53は、ユーザの指示がループ録画か否かを判定する(図4のステップ100。以下「S100」のように示す)。ユーザの指示が通常録画の場合(S100のNo)、録画方式識別部53は、通常録画部56に通常録画処理を指示する。通常録画指示を受けると、通常録画部56は、記録領域監視部55に対し通常録画のための記録領域が確保されているか問い合わせる(S101)。問い合わせを受けると、記録領域監視部55は、通常録画の記録領域が第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46のどれに通常録画用に確保されているかをFS管理部52に問い合わせる。この例では、通常録画は第1のAVストリームファイル44に割り当てられているので、通常録画用のファイルシステムとして第1のAVストリームファイル44が存在するファイルシステムを返答する。記録領域監視部55は、FS管理部52が返したファイルシステム上の第1のAVストリームファイル44上に通常録画のための記録領域(以下「第1の記録領域」と称する。)が確保されているかを判定して判定結果を通常録画部56に渡す。
【0059】
判定の結果、第1の記録領域が確保されていない場合(S101のNo)、通常録画部56は、記録領域形成部54に第1の記録領域確保を指示する。記録領域形成部54は、HDD部14の第1のAVストリームファイル44に第1の記録領域を形成し、その始点および終点の論理アドレスを通常録画部56に返す(S102)。図5はこの状態を示している。
【0060】
判定の結果、第1の記録領域が確保済みである場合(S101のYes)または記録領域形成部54により第1の記録領域が確保された場合、通常録画部56は、録画開始時点の初期状態の管理情報を生成して内部メモリ上に保持する(S103)。具体的には、通常録画部56は、管理情報管理部51に対し、プログラム群情報42や参照情報、AVファイル情報43のうち録画するコンテンツ全体に関わる管理情報41の生成を指示する。指示を受けると、管理情報管理部51は、記録領域形成部54が返した第1の記録領域の始点および終点の論理アドレスを通常録画部56から受け取り、AVファイル情報43のタイムマップ情報として設定する。
【0061】
管理情報41が生成されると、通常録画部56は、PSエンコーダ部12またはストリームプロセッサ部22から送られるビデオデータおよびオーディオデータを、HDD部14上の第1のAVデータストリーム44に確保された第1の記録領域に記録する(S104)。なお、第1の記録領域への記録中、管理情報管理部51は、AVデータストリームの記録の進行分を反映させたタイムマップ情報を刻々と生成して、メモリ上のAVファイル情報43に記録する(S105)。図6は、第1のAVストリームファイル44の第1の記録領域へ通常録画が行なわれている様子を示している。図6では、新たにPG #nというタイトルとして、通常録画によるコンテンツの記録を行なっている。図6に示すように、第1の記録領域内に通常録画で記録するAVデータストリーム(細線の斜線部)が記録されており、管理情報であるタイムマップ情報がその第1の記録領域に記録されたAVデータストリームと対応している。
【0062】
記録領域監視部55は、通常録画部56の記録処理中、通常録画部56が記録している第1の記録領域の状態を監視して通常録画部56に通知している(S106)。具体的には、記録領域監視部55は、管理情報管理部51が生成したタイムマップ情報からAVデータストリームが記録メディア上のどの位置(第1のAVストリームファイル44上のどの位置)まで記録されたかを求め、保持されている第1の記録領域の終点の位置(記録メディア上の論理アドレス)と比較することにより、第1の記録領域の終点到達を判定する。
【0063】
通常録画部56の記録箇所が第1の記録領域の終点でない場合(S106のNo)、通常録画部56は録画終了か否かを判定し、録画終了でなければ(S107のNo)そのまま録画処理を続行する(S104)。
【0064】
通常録画部56の記録箇所が第1の記録領域の終点である場合(S106のYes)または通常録画部56が録画終了と判定した場合(S107のYes)、通常録画部56は録画の終了を管理情報管理部51に指示する。指示を受けると、管理情報管理部51はそこまで記録した管理情報41を管理情報ファイルとしてHDD部14に記録し(S108)、通常録画部56は録画処理を終了し、管理情報管理部51は第1のAVストリームファイルをクローズする(S109)。
【0065】
その後、記録領域形成部54は、新たな第1の記録領域を形成し、その始点および終点の論理アドレスを管理情報管理部51に渡す。これにより、次回の通常録画ではステップ102の記録領域確保が不要となる。図7は、第1のAVストリームファイル44への通常録画が終了した状態を示している。ここでは、タイトルPG #nの録画が完了したのを受けて(太字斜線)、次回の通常録画用に、第1のAVストリームファイル44に新たな第1の記録領域が確保されている。
【0066】
キー入力部35から受けたユーザの指示がループ録画の場合(S100のYes)、録画方式識別部53は、ループ録画部57にループ録画処理を指示する。ループ録画指示を受けると、ループ録画部57は、記録領域監視部55に対しループ録画のための記録領域が確保されているか問い合わせる(S111)。問い合わせを受けると、記録領域監視部55は、ループ録画の記録領域が第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46のどれに確保されているかをFS管理部52に問い合わせる。この例では、ループ録画は第2および第3のAVストリームファイル45および46に割り当てられているので、ループ録画用のファイルシステムとして一番初めの第2のAVストリームファイル45が存在するファイルシステムを返答する。記録領域監視部55は、FS管理部52が返したファイルシステム上の第2のAVストリームファイル45上にループ録画のための記録領域(以下「第2の記録領域」と称する。)が確保されているかを判定して判定結果をループ録画部57に返す。
【0067】
判定の結果、第2の記録領域が確保されていない場合(S111のNo)、ループ録画部57は、記録領域形成部54に第2の記録領域の確保を指示する。記録領域形成部54は、HDD部14の第2のAVストリームファイル45に第2の記録領域を形成し、その始点および終点の論理アドレスをループ録画部57に返す(S112)。
なお、このステップS112の時点で、第2の記録領域に加えて、第3のAVストリームファイル46に第3の記録領域を形成する処理を併せて実施してもよい。
【0068】
判定の結果、第2の記録領域が確保済みである場合(S111のYes)または記録領域形成部54により第2の記録領域が確保された場合、ループ録画部57は、録画開始時点の初期状態の管理情報41を生成して内部メモリ上に保持する(S113)。具体的には、ループ録画部57は、管理情報管理部51に対し、プログラム群情報42や参照情報、AVファイル情報43のうち録画するコンテンツ全体に関わる管理情報41の生成を指示する。指示を受けると、管理情報管理部51は、記録領域形成部54が返した第2の記録領域の始点および終点の論理アドレスをループ録画部57から受け取り、AVファイル情報43のタイムマップ情報として設定する。
【0069】
管理情報41が生成されると、ループ録画部57は、PSエンコーダ部12またはストリームプロセッサ部22から送られるビデオデータおよびオーディオデータを、HDD部14上の第2のAVデータストリームに確保された第2の記録領域に記録する(S114)。なお、第2の記録領域への記録中、管理情報管理部51は、AVデータストリームの記録の進行分を反映させたタイムマップ情報を刻々と生成してメモリ上のAVファイル情報43に記録する(S115)。図8は、第2のAVストリームファイル45の第2の記録領域へループ録画が行なわれている様子を示している。図8では、新たにPG #oというタイトルとして、ループ録画によるコンテンツの記録を行なっている。図8に示すように、第2の記録領域内にループ録画で記録するAVデータストリーム(細線の斜線部)が記録されており、管理情報であるタイムマップ情報がその第2の記録領域に記録されたAVデータストリームと対応している。
【0070】
記録領域監視部55は、ループ録画部57の記録処理中、ループ録画部57が記録している第2の記録領域の状態を監視してループ録画部57に通知している(S116)。具体的には、記録領域監視部55は、管理情報管理部51が生成したタイムマップ情報からAVデータストリームが記録メディア上のどの位置(第2のAVストリームファイル45上のどの位置)まで記録されたかを求め、保持されている第2の記録領域の終点の位置(記録メディア上の論理アドレス)と比較することにより、第2の記録領域の終点到達を判定する。
【0071】
ループ録画部57の記録箇所が第2の記録領域の終点でない場合(S116のNo)、ループ録画部57は、そのままループ録画処理を続行する。
【0072】
ループ録画部57の記録箇所が第2の記録領域の終点である場合(S116のYes)、ループ録画部57は、第2のAVストリームファイル45のファイルポインタ(記録点)を、保持された第2の記録領域の始点の位置(記録メディア上の論理アドレス)に移す(S117)。これにより、続くAVデータストリームの記録は第2の記録領域の始点からの上書き記録として行なわれることになり、確保された第2の記録領域内を使い回すような上書き記録、すなわちループ録画が実行される。
【0073】
ここで、第2の記録領域に折り返しが生じた場合には、タイムマップ情報における第2のAVデータストリーム45の記録開始の始点位置を調整する必要がある。管理情報管理部151は、続くAVデータストリームの記録開始の始点位置を、上書き記録により時間的に後の方にシフトさせる。
【0074】
図9は、第2のAVストリームファイル45へのループ録画が行なわれている途中の状態で、第2の記録領域における折り返しが発生した状態を表している。ループ録画で記録されたAVデータストリームのうち、時間的に古いものは図中aのAVデータストリームであるが、このaのAVデータストリームの末端が第2の記録領域の終点に達してしまったため、第2のAVストリームファイル45のファイルポインタを第2の記録領域の始点に再設定し、続きの部分がbのAVデータストリームとして記録されている。その際、bのAVデータストリームはaのAVデータストリームの先頭よりも前の位置から順次上書き記録されるため、aのAVデータストリームを指し示しているタイムマップ情報は、bのAVデータストリームの上書き記録に伴い、指し示しているaのAVデータストリームの始点位置をシフトさせている。
【0075】
なお、図9では、折り返しの発生によりaのAVデータストリームとbのAVデータストリームの接続点が不連続になるのを受けて、それぞれのAVデータストリームを指し示すタイムマップ情報を別個に設けている。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば第2の記録領域全体を1つのタイムマップ情報で指し示し、記録されたAVデータストリームの始点/終点の情報を別途独自に保持するような仕組みであってもよい。また、この図9ではbのAVデータストリームの末尾とaのAVデータストリームの先頭に若干の間隙を設けているが、これは必ずしも必須ではない。
【0076】
ループ録画処理の実行中、ループ録画部57は、チャプター分割指示を常に受付可能な状態にある。例えば、キー入力部35から入力されたチャプター分割指示や、あらかじめ設定されたルール(特定の時間経過、副音声等のデータ属性の変化など)の条件を満たす場合(S118のYes)、ループ録画部57は、ループ録画中のデータにチャプター境界(例えば番組等の切れ目を示す印)を付加して、タイトル内にチャプターという部分領域を設定する(S119)。チャプター分割を行うルールとして、番組の切れ目を検知して自動的にチャプター分割を行うものとしてもよい。また、ループ録画中に追っかけ再生を行って位置決めを行った後、ユーザが手動でチャプター分割を行ってもよいし、これら2つの方法を併用してもよい。設定されるチャプターは、始点および終点の2つのチャプターで囲まれた特定領域として記録データ中に形成される。
【0077】
続いて、ループ録画部57は、ステップ119で設定されたチャプターに対し、「保存」や「廃棄」などの印を設定する(S120)。具体的には、チャプター名もしくはチャプター名の一部として「保存」や「廃棄」といった文言を付加したり、チャプター名とは別にフラグを設け、該フラグに「保存」や「廃棄」の意味を持たせた値を設定したりする。ここでは、保存するチャプターであるのか、そうでないのかを識別するための印が与えられればよいから、そのような趣旨に沿うものであれば、他にもさまざまな手段を採ることが可能である。図9のcは、「保存」の印が設定された様子を示している。
【0078】
印が設定されてもループ録画は続行されるから、ループ録画部57は、当該「保存」の印が設定されたチャプターが上書き記録によって消滅してしまう前の適当なタイミングで、記録対象ファイルを別のAVストリームファイルに切り替える処理を行う必要がある。記録対象ファイルを切り替えるタイミングは、「保存」の印を付けたチャプターが上書き記録によって消滅してしまう前であれば特に制限はない。しかしながら、記録対象ファイルの切り替えに際し、多少の映像の欠落を生じる可能性があるため、たとえば録画された時間順でもっとも新しい「保存」の印が付いたチャプターより後の、番組の切れ目などを検知したタイミングで切り替えるなどの手段が考えられる。
【0079】
具体的には、所定の切り替えタイミングとなると(S121のYes)、ループ録画部57は、記録領域監視部55に対しループ録画のための記録領域が確保されているか問い合わせる(S122)。問い合わせを受けると、記録領域監視部55は、ループ録画の記録領域が第1ないし第3のAVストリームファイル44ないし46のどちらに確保されているかをFS管理部52に問い合わせる。この例では、ループ録画は第2および第3のAVストリームファイル45および46に割り当てられており、第2のAVストリームファイル45は既に選択されているので、ループ録画用のファイルシステムとして二番目の第3のAVストリームファイル46が存在するファイルシステムを返答する。記録領域監視部55は、FS管理部52が返したファイルシステム上の第3のAVストリームファイル46上にループ録画のための記録領域(以下「第3の記録領域」と称する。)が確保されているかを判定して判定結果をループ録画部57に返す。
【0080】
判定の結果、第3の記録領域が確保されていない場合、ループ録画部57は、記録領域形成部54に第3の記録領域の確保を指示する。記録領域形成部54は、HDD部14の第3のAVストリームファイル46に第3の記録領域を形成し、その始点および終点の論理アドレスをループ録画部57に返す。判定の結果、第3の記録領域が確保済みである場合または記録領域形成部54により第3の記録領域が確保された場合、ループ録画部57は、録画開始時点の初期状態の管理情報41を生成して内部メモリ上に保持する(S122)。具体的には、ループ録画部57は、管理情報管理部51に対し、プログラム群情報42や参照情報、AVファイル情報43のうち録画するコンテンツ全体に関わる管理情報41の生成を指示する。指示を受けると、管理情報管理部51は、記録領域形成部54が返した第3の記録領域の始点および終点の論理アドレスをループ録画部57から受け取り、AVファイル情報43のタイムマップ情報として設定する。
【0081】
管理情報41が生成されると、ループ録画部57は、第2のAVストリームファイル45上の第2の記録領域に対するループ録画を停止し、PSエンコーダ部12またはストリームプロセッサ部22から送られるビデオデータおよびオーディオデータを、HDD部14上の第3のAVストリームファイル46に確保された第3の記録領域に記録開始する(S123)。これにより、ループ録画の領域が第2の記録領域から第3の記録領域へ変更されることになり、ほぼ切れ目のないループ録画が継続される。
【0082】
なお、“保存”の印を付けたチャプターが存在しない場合は、そのまま同一の記録対象ファイルに対してループ録画を継続実施してもよいし、あるいはその場合でも所定の時間が経過した後などの適当なタイミングで記録対象ファイルを切り替えてもよい。
【0083】
次に、ループ録画部57は、所定のタイミングで管理情報管理部51に「保存」印のデータの保存を指示する(S124)。指示を受けると、管理情報管理部51は、「保存」印が設定されたチャプター間のデータに対応する管理情報41を、HDD部14の第1のAVストリームファイル44の第1の記録領域に対応する管理情報ファイルとして更新する。すなわち、管理情報管理部51は、ループ録画により第2の記録領域内にAVデータストリームが記録された領域のうち「保存」印の付された領域を、再生順序の整合を取りつつ、第2のAVストリームファイルから第1のAVストリームファイルに移し変える。たとえば、UDF(Universal Disk Format)規格に基づくファイルシステムを使用している場合であれば、FS管理部52により、AVデータストリームが記録された領域に相当するエクステントを、第2のAVストリームファイルのファイルエントリから第1のAVストリームファイルのファイルエントリに移し変える処理を行うことになる。
【0084】
また、管理情報管理部51は、ループ録画として記録されてきたデータのタイムマップ情報を、第1のAVストリームファイル44の第1の記録領域に移された後の論理アドレスに変更して記録する。このことは、ループ録画され「保存」印の設定された記録データが論理的に通常録画された記録データとして管理されることを意味する。また、第2のAVストリームファイル45上に生じていた折り返し部分(AVデータストリームの分断部分)は、順序が正しく並べ替えられて一つのタイムマップ情報に統合されて記録される。
【0085】
ループ録画対象の第2の記録領域から第3の記録領域への変更処理、および、第2の記録領域上の「保存」設定領域の第1の記録領域への保存処理は、並行的に実施される。つまり、記録対象ファイルを新たなAVストリームファイルに切り替えてループ録画を実施しつつ、それと並行して保存対象ファイルに対する処理を行う形となる。図10は、これら二つの処理が並列的に行われる様子を示している。
【0086】
続いて、記録領域移動部58は、「保存」の印が付いたチャプター以外の部分のAVデータストリームを廃棄する(S125)。この処理により、アーカイブファイル(ここでは第1のAVストリームファイル44)に保存しないAVデータストリームが記録された領域を未使用状態とし、次回の録画の際に上書き録画する領域として解放されることになる。
【0087】
そして、記録領域形成部54は、保存対象ファイルが所定の量の空き領域を有するように再設定し、新たな記録対象ファイルとして次回のループ録画に使用できるようにする(S126)。図11は、第2の記録領域が再設定された様子を示している。
【0088】
管理情報管理部51が管理情報ファイルを記録した結果、第2のAVストリームファイル45に記録された記録済み領域が第1のAVストリームファイル44に移動され、録画済領域としてプログラム群情報42に設定され、通常録画された第1のAVストリームファイル44の録画済領域と共通の管理下に置かれることになる。
【0089】
なお、構成を簡単にするため、[1]最初の記録対象ファイルに対するループ録画の停止、[2]記録対象ファイルの切り替え、[3]新たな記録対象ファイルに対してループ録画を再開、という単純な手順を採ってもよい。その一方で、たとえばAVストリームデータのバッファ容量を多めに設定して、記録対象ファイルの切り替えに際しての映像の欠落を極力少なくするような工夫を凝らしてもよい。また、最初の記録対象ファイルに対するループ録画の停止のタイミングを少し遅らせて先に新たな記録対象ファイルに対するループ録画を開始し、その後もしばらくの間並行して最初の記録対象ファイルに対してループ録画を継続し、これによりいわゆるのりしろ領域を設けることで記録対象ファイルの切り替えによる映像の欠落を生じないようにしてもよい。
【0090】
このように、この実施形態の記録装置10によれば、管理情報管理部151が、通常録画の管理情報とループ録画の管理情報とを、共通のプログラム群情報42およびAVファイル情報43により管理するので、通常録画・ループ録画の区別なくプログラム情報としてユーザに提供することができる。
【0091】
また、この実施形態の記録装置10によれば、ユーザの指示または所定のルールにより所定のチャプター間で保存設定がなされると、当該チャプター間のデータの保存領域への移動とループ録画領域の変更とが同時並行的に行われるので、ループ録画を止めることなく所望の領域を保存することができる。
【0092】
次に、図12を参照して、本発明の他の実施形態に係る記録装置について説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係る記録装置のループ録画動作を示す模式図である。第2の実施形態の記録装置は、図1および図3に示す第1の実施形態の記録装置と同様の構成を有しており、ループ録画領域を3つ以上備えた点のみが相違している。そこで、重複する説明を省略する。
【0093】
第1の実施形態の記録装置では、第2の記録領域の「保存」印設定領域を第1の記録領域に保存処理する間、ループ録画を第3の記録領域に対して行うことで、継続的なループ録画を可能としている。しかし、「保存」印の設定がユーザの指示により行われる場合、「保存」印設定領域が第2の記録領域に収まらないことも考えられ、その場合は継続的なループ録画が不可能となってしまう。
【0094】
そこで、第2の実施形態の記録装置では、ループ録画領域として第2ないし第4のAVストリームファイル45ないし47を確保している。すなわち、ループ録画57は、「保存」印設定領域が第2の記録領域を超える場合、具体的には、1回目のチャプター設定の後、2回目のチャプター設定がなされないまま第2の記録領域の全領域をループ録画する段階に至った場合、ループ録画部57は、記録領域形成部54に対し新たなループ録画領域として第3の記録領域の確保を指示する。そして、現在の記録箇所が先に設定された1回目のチャプター位置に到達する前に、ループ録画の対象を第3の記録領域に変更し、引き続きループ録画を実行する。
【0095】
2回目のチャプター設定が第3の記録領域上で行われると、ループ録画部57は、第2記録領域および第3の記録領域を「保存」印設定候補領域とし、第3の記録領域へのループ録画を停止して新たなループ録画を第4の記録領域から開始する。そして、第2および第3の記録領域上に「保存」印が設定されると、当該設定領域を第1の記録領域に保存処理する。図12は、第4の記録領域に対するループ録画処理(図12のi)と、第2および第3の記録領域に設定された「保存」印領域の第1の記録領域への保存処理(図12のfgh)とが並行的に行われている様子を示している。なお、新たな記録領域の確保処理、「保存」印設定領域の第1の記録領域への移動処理等は、第1の実施形態と同様の工程により実現できる。
【0096】
このような構成および動作により、「保存」印設定領域が一つの記録領域を超えてしまう場合にも、ループ録画を停止することなく保存領域の保存を行うことができる。
【0097】
次に、図13を参照して、本発明の他の実施形態に係る記録装置について説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係る記録装置のループ録画動作を示す模式図である。第3の実施形態の記録装置は、図1および図3に示す第1の実施形態の記録装置と同様の構成を有しており、通常録画、ループ録画の他にアーカイブ保存(半永久保存)のための記録領域として第5の記録領域を備えた点のみが相違している。そこで、重複する説明を省略する。
【0098】
第1の実施形態の記録装置では、記録領域移動部58は、「保存」印設定領域を通常録画領域である第1の記録領域に移動しているが、通常録画としてではなく半永久保存として管理するニーズも存在する。第3の実施形態の記録装置は、かかる点を考慮し、記録領域移動部58が「保存」印領域を第1の記録領域ではなく、アーカイブ保存用としてあらかじめ確保された第5の記録領域に移し変えるものである。図13は、第3の記録領域へのループ録画(図13のm)と、第2の記録領域上の「保存」印設定領域の第5の記録領域への保存処理(図13のl)とが並列的に行われている様子を示している。なお、新たな記録領域の確保処理、「保存」印設定領域の第5の記録領域への移動処理等は、第1の実施形態と同様の工程により実現できる。このような構成・動作により、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
なお、通常録画で記録したAVデータストリームについては、ループ録画と同様に、通常録画の停止後にアーカイブ保存のための第5の記録領域に移し変えてもよい。この場合、第1のAVストリームファイル44は一時的な作業用ストリームファイルという位置付けになる。その一方で、従来通り通常録画で記録したAVデータストリームは、通常録画の停止後もそのまま第1のAVストリームファイル44に留めておく構成であってもよい。
【0099】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。すなわち、通常録画のためのAVストリームファイルを2以上設けたり、ループ録画のためのAVストリームファイルを3以上設けたり、アーカイブ用のAVストリームファイルを2以上設けたり、あるいはこれらを組み合わせたりしてもよい。
【0100】
実施形態に記載した手段により、ループ録画によって記録されたコンテンツが、通常の録画によって記録されたコンテンツと同じ1つの管理情報によって包括的に管理される。これにより、ユーザが後で再生して視聴することを可能としたループ録画の手法が実現され、ユーザの利便性を向上させることができる。ループ録画によって記録されたコンテンツが、通常の録画によって記録されたコンテンツと同じように保存されて包括的に管理される。これにより、後で再生して視聴することを可能としたループ録画の手法が実現され、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0101】
また、実施形態に記載した手段により、ループ録画を極力停止することなくループ録画された映像コンテンツから所望の領域を保存することが可能となる。
【0102】
上記実施形態の説明ではハードウェア構成を元に説明したが、コンピュータプログラム等のソフトウェアにより実現されてもよい。ソフトウェアは、フレキシブルディスクなどのコンピュータが読み出し可能な記憶媒体に記憶されていても良く、また、ソフトウェア(プログラム)単体として伝送されるものでもよい。この場合、記憶媒体に記憶されたソフトウェア(プログラム)をコンピュータが読み出したり、LANやインターネッ上のサイト(サーバ)からダウンロードしてインストールすることにより、各実施形態における処理が可能になる。
【0103】
つまり、本発明におけるソフトウェア(プログラム)は、コンピュータと独立した記憶媒体に記憶されているものだけに限らず、LANやインターネットなどの伝送媒体を介して流通されるものも含まれる。
【0104】
なお、記憶媒体としては、フレキシブルディスクの他、例えば磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、半導体メモリなど、プログラムや記録データを記憶でき、かつコンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式はいずれの形態であっても良い。
【0105】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフトなどのMW(ミドルウェア)などが本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0106】
さらに、記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネットなどにより伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。また、記憶媒体は一つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記録媒体に含まれ、媒体構成はいずれの構成であっても良い。
【0107】
なお、コンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコンなどの一つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステムなどのいずれの構成であっても良い。
【0108】
また、コンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコンなども含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、電子機器製造業などに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の記録装置におけるデータ構成の概要を示す模式図である。
【図3】図1に示す録画管理情報制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る記録装置のループ録画動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における通常録画の記録動作を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態における通常録画の記録動作を示す模式図である。
【図7】第1の実施形態における通常録画の記録動作を示す模式図である。
【図8】第1の実施形態におけるループ録画の記録動作を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態におけるループ録画の記録動作を示す模式図である。
【図10】第1の実施形態におけるループ録画の記録動作を示す模式図である。
【図11】第1の実施形態におけるループ録画の記録動作を示す模式図である。
【図12】第2の実施形態の記録装置のループ録画の記録動作を示す模式図である。
【図13】第3の実施形態の記録装置のループ録画の記録動作を示す模式図である。
【符号の説明】
【0111】
1…テレビシステム、10…記録装置、SP…スピーカ、D…ディスプレイ、A1…アナログ用アンテナ、A2…デジタル用アンテナ、11…アナログチューナ部、12…PSエンコーダ部、13…データプロセッサ部、14…HDD部、15…PSデコーダ部、16…セレクタ、17…D/A部、21…デジタルチューナ部、22…ストリームプロセッサ部、25…TSデコーダ部、31…CPU部、32…編集管理情報制御部、33…録画管理情報制御部、34…表示部、35…キー入力部、51…管理情報管理部、52…FS管理部、53…録画方式識別部、54…記録領域形成部、55…記録領域監視部、56…通常録画部、57…ループ録画部、58…記録領域移動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体にストリームデータを記録する記録装置であって、
第1のストリームデータを記録する第1の記録領域を前記記憶媒体に生成する第1の領域生成手段と、
前記第1のストリームデータと異なる所定期間のみを再生対象とした第2のストリームデータを繰り返し上書き記録する第2の記録領域および第3の記録領域を前記記憶媒体に生成する第2の領域生成手段と、
前記第1の記録領域に記録された第1のストリームデータの管理情報ならびに前記第2および第3の記録領域に記録された第2のストリームデータの管理情報を有する管理情報ファイルを前記記憶媒体に記録する管理情報管理手段と、
前記第2の記録領域に前記第2のストリームデータを記録し、前記第2のストリームデータの保存指示に基づいて前記第2の記録領域への前記第2のストリームデータの記録を停止し、前記第3の記録領域に前記第2のストリームデータの記録を再開する記録手段と、
前記記録手段が前記第2の記録領域への前記第2のストリームデータの記録を停止した場合に、前記第2のストリームデータの管理情報を上書き記録されないストリームデータとして前記管理情報ファイルに更新記述し、前記記憶媒体に記録する管理情報編集手段と、
前記管理情報編集手段が前記第2のストリームデータの管理情報を前記管理情報ファイルに更新記述する際、更新された管理情報に対応する前記第2のストリームデータを前記第2の記録領域から前記第1の記録領域に移動させる領域移動手段と
を具備したことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の記録領域と前記第2の記録領域および前記第3の記録領域とは、共通のファイルシステム上に構築されたことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録手段は、前記第2のストリームデータが前記第2の記録領域の終点まで記録した場合、前記第2の記録領域の始点から引き続き前記第2のストリームデータの記録を続行することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項4】
前記管理情報編集手段は、前記第2のストリームデータのうち所定の領域に対応する管理情報を上書き記録されないストリームデータとして前記管理情報ファイルに更新記述し、
前記領域移動手段は、更新された管理情報に対応する前記所定の領域に対応するストリームデータを前記第2の記録領域から前記第1の記録領域に移動させること
を特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項5】
前記第2の領域生成手段は、さらに、前記第1のストリームデータと異なる所定期間のみを再生対象とした第2のストリームデータを繰り返し上書き記録する第4の記録領域を前記記憶媒体に生成し、
前記記録手段は、前記第2のストリームデータの保存指示に係るデータ量が前記第2の記録領域の容量を超える場合、前記第2の記録領域に加えて前記第3の記録領域に前記第2のストリームデータを記録し、前記保存指示に基づいて前記第2の記録領域および前記第3の記録領域への前記第2のストリームデータの記録を停止し、前記第4の記録領域に前記第2のストリームデータの記録を再開し、
前記管理情報編集手段は、前記記録手段が前記第2の記録領域および前記第3の記録領域への前記第2のストリームデータの記録を停止した場合に、前記第2のストリームデータの管理情報を上書き記録されないストリームデータとして前記管理情報ファイルに更新記述し、
前記領域移動手段は、前記管理情報編集手段が前記第2のストリームデータの管理情報を前記管理情報ファイルに更新記述する際、更新された管理情報に対応する前記第2のストリームデータを前記第2の記録領域および前記第3の記録領域から前記第1の記録領域に移動させること
を特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項6】
前記第1および第2のストリームデータと異なる第3のストリームデータを記録する第5の記録領域を前記記憶媒体に生成する第3の領域生成手段をさらに備え、
前記領域移動手段は、前記更新された管理情報に対応する前記第2のストリームデータを前記第2の記録領域から前記第5の記録領域に移動させること
を特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項7】
所定期間のみ再生対象としたデータを記憶媒体の第1の記録領域に記録するステップと、
前記第1の記録領域の終点まで記録した場合に前記第1の記録領域の始点から前記データの記録を続行するステップと、
前記記録されたデータを保存する保存指示に基づいて、前記所定期間のみ再生対象としたデータの記録を停止するステップと、
前記所定期間のみ再生対象としたデータの記録が停止された場合に前記記録されたデータを保存用データとして管理情報を設定するステップと、
前記管理情報が設定された場合に前記所定期間のみ再生対象としたデータを前記記憶媒体の前記第1の記録領域とは異なる第2の記録領域へ記録を開始するステップと
を有することを特徴とする記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−11402(P2008−11402A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182095(P2006−182095)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】