説明

記録装置およびそのワーク除給材方法

【課題】長尺のワークの記録領域を、精度良く除給材することのできる記録装置等を提供する。
【解決手段】1の送り方向に送られてきた長尺のワークWの記録領域を、吸着保持するワークステージ5と、記録領域に記録を行うインクジェットヘッド51と、ワークステージ5の送り方向下流側に配設され、ワークWの一部を不動に保持および保持解除可能に構成されたワーク保持手段60と、ワークステージ5とワーク保持手段60とを、ワークWの延在方向に相対的に離間移動させるX軸テーブル7等と、各構成を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、記録領域に記録を行う記録動作と、ワークWの一部を不動に保持する保持動作と、ワークステージ5とワーク保持手段60とを、延在方向に相対的に移動させて、ワークステージ5から記録済みの記録領域を除材するとともに、未記録の記録領域を給材する除給材動作と、を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークテーブル上に繰り出して吸着保持した長尺のワークの記録領域に記録を行う記録装置およびそのワーク除給材方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺のワーク(ロール紙)をテープ供給機構からテープ巻取機構へと1の方向に繰り出して、繰り出したワークの記録領域を吸着保持する吸着テーブルと、記録領域に描画を行う描画を行う描画装置と、テープ巻取機構側に設けられ、ワークを1の方向に搬送する紙送りローラー、および、テープ供給機構側に設けられ、吸着テーブル上のワークに所定の張りを与えるテンションローラーを有するテープ送り機構と、を備えた記録装置が知られている(特許文献1参照)。
この記録装置では、所定の記録の終了後、吸着テーブルへの保持状態が解除されたワークを、紙送りローラーを駆動して下流へと移動させることで、記録済みの記録領域が除材されると共に、未記録の記録領域が吸着テーブル上に給材されるようになっている(除給材動作)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した記録装置では、除給材動作が、紙送りローラーの駆動によって行われているため、その構造上ワークとの間での滑りや紙送りローラーの変形により、精度の高いワークの送り(除給材動作)を行うことが困難であった。特に、紙送りローラーおよびテンションローラーの経年劣化に起因する除給材動作における性能低下が問題となっていた。
【0005】
本発明は、長尺のワークの記録領域を、精度良く除給材することのできる記録装置およびそのワーク除給材方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、1の送り方向に送られてきた長尺のワークの記録領域を、吸着保持するワークステージと、吸着保持された記録領域に記録を行う記録手段と、ワークステージの送り方向下流側に配設され、ワークの一部を不動に保持および保持解除可能に構成されたワーク保持手段と、ワークステージとワーク保持手段とを、ワークの延在方向において相対的に離間するように移動させる除給材手段と、記録手段、ワーク保持手段および除給材手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、記録領域に記録を行う記録動作と、記録動作の後、ワークの一部を不動に保持する保持動作と、保持動作の後、ワークステージとワーク保持手段とを、延在方向に相対的に移動させて、ワークステージから記録済みの記録領域を除材するとともに、ワークステージに未記録の記録領域を給材する除給材動作と、を実施することを特徴とする。
【0007】
本発明の記録装置のワーク除給材方法は、長尺のワークの一部を不動に保持するワーク保持手段を用いて行う記録装置のワーク除給材方法であって、1の送り方向に送られてきたワークの記録領域を、ワークステージにセットして記録を行う記録工程と、記録工程の後、ワーク保持手段によりワークステージの送り方向下流側においてワークの一部を不動に保持する保持工程と、保持工程の後、ワークステージとワーク保持手段とをワークの延在方向に相対的に移動させて、ワークステージから記録済みの記録領域を除材するとともに、ワークステージに未記録の記録領域を給材する除給材工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、ワーク保持手段によりワークの一部を保持した状態で、ワーク保持手段とワークステージとを相対移動させることにより、ワークステージへのワーク(記録領域)の除給材が同時に行われる。すなわち、ワークの一部を保持した状態で相対移動することで、ワークと、ワーク保持手段との間で一切の滑りが生じることがない。つまり、除給材のために必要な移動距離だけワークを確実に移動させることができる。これにより、ワークステージに対し、記録済みの記録領域の除材と、未記録の記録領域の給材とを、確実に、かつ、精度良く行うことができる。
【0009】
この場合、制御手段は、保持動作と除給材動作との間で、記録領域の吸着保持を解除する吸着解除動作を、実施することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、ワークに無理な張力をかけることなく、ワークステージに対する除給材を行うことができる。
【0011】
また、この場合、ワークステージの延在方向の両端部において、延在方向に並んでそれぞれ設けられ、ワークステージ上に臨むワークに所定の張力を付与するニップ部と、各ニップ部の上部がワークステージの上面と面一となる位置である下降位置と、下降位置よりも上昇した上昇位置と、の間で昇降させる昇降手段と、を更に備え、制御手段は、吸着解除動作の後に、ニップ部を上昇位置に移動させて、記録領域をワークステージから離間させる離間動作を実施することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、ワーク(記録領域)は、ワークステージから離間(浮上)しているため、ワークに擦痕等の傷をつけることなく除給材することができる。
また、下降位置に存する各ニップ部は、延在方向に並んで、かつ、ワークステージの上面と略面一に構成されている。このため、ワークステージ上に吸着保持した領域だけでなく、1のニップ部に挟み込まれた位置から他のニップ部に挟み込まれた位置までの間においてワークの平面度を保つことができる。すなわち、記録領域を広く確保することができる。
【0013】
この場合、制御手段は、除給材動作において、ワークステージを不動とし、ワーク保持手段を移動させることが好ましい。
【0014】
また、この場合、制御手段は、除給材動作において、ワーク保持手段を不動とし、ワークステージを移動させることが好ましい。
【0015】
これらの構成によれば、ワーク固定手段の移動精度またはワークステージの移動精度によって、ワークの除給材動作(送り)の精度を確保することができる。これにより、特に、ローラーおよびエンコーダー等によるワークの送り精度に比べて、送り精度を高く確保することが容易であると共に、精度を向上させることも容易となる。
【0016】
この場合、ワークステージに対し、ワークをリール・ツー・リール形式で送る供給回収手段を、更に備え、供給回収手段は、ワークを巻き取る巻取リール、および巻取リールに巻き取られるワークをワークステージに対しバッファリングする巻取側バッファー機構を有する巻取装置を有していることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、送り方向下流側に送られたワークを、巻取側バッファー機構により吸収することができるため、送られたワークを巻取リールに巻き取ることなく、除給材動作を行うことができる。また、ワークステージ上のワークに対し、余計な張力をかけることなく、ワークを巻取リールに巻き取ることができる。
【0018】
また、この場合、供給回収手段は、ワークを繰り出す繰出リール、および繰出リールから繰り出されたワークをワークステージに対しバッファリングする繰出側バッファー機構を有する繰出装置を更に有していることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、送り方向上流側に送られたワークを、繰出側バッファー機構により吸収することができるため、繰り出したワークを再び繰出リールに巻き取る必要がない。このような構成は、記録動作のためにワークステージを送り方向下流側に送った後に、再び上流側に戻して、1の記録領域に対し記録動作を再び行う際に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】インクジェット記録装置の(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図2】インクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るワーク除給材方法のフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図(1)である。
【図5】第1実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図(2)である。
【図6】第1実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図(3)である。
【図7】第2実施形態に係るワーク除給材方法のフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図である。
【図9】第3実施形態に係るワーク除給材方法のフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図(1)である。
【図11】第3実施形態に係るワーク除給材方法を説明するための説明図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る記録装置について説明する。この記録装置は、いわゆるリール・ツー・リール形式で除給材される薄いフィルム状のワークに対して、例えば、紫外線硬化インク(UVインク)をインクジェットヘッドにより吐出することで、所望の画像等を印刷するものである。なお、以下の説明では、ワークの送り方向をX軸方向と、X軸方向に直交する方向をY軸方向と、X軸方向およびY軸方向に直交する方向をZ軸方向と、さらにワークと平行な平面内における回転方向をθ方向と規定する。
【0022】
図1に示すように、記録装置1は、機台2と、ロール状に巻回された長尺のワークWを繰り出す繰出装置3と、印刷済みのワークWを巻き取る巻取装置4と、機台2上に配設され、給材されたワークWを吸着セットするワークステージ5と、ワークステージ5をθ方向に回転させるステージ回転機構(図示省略)と、X軸方向に延在し、ワークステージ5を介してワークWをX軸方向に間欠送りするX軸テーブル7と、X軸テーブル7を跨ぐようにY軸方向に架け渡されたY軸テーブル8と、インクを吐出してワークWに印刷を行う複数のインクジェットヘッド51を有し、Y軸テーブル8に移動自在に搭載されたキャリッジユニット9と、ワークステージ5のX軸方向下流側に設けられ、ワークWを挟持固定するワーク保持手段60と、を備えている。
【0023】
また、記録装置1は、各インクジェットヘッド51からインクを強制的に排出させる吸引ユニットやノズル面57を払拭するワイピングユニットからなる保守装置11と、記録装置1を統括制御する制御装置13と、を備えている。保守装置11は、X軸テーブル7およびY軸テーブル8が交差する印刷領域からY軸方向に外れた保守領域に配設されており、保守領域に臨ませたインクジェットヘッド51の保守を行う。
【0024】
この記録装置1では、繰出装置3により繰出されたワークWをワークステージ5で吸着した後、X軸テーブル7によりワークステージ5を介してワークWをX軸方向に間欠送り(副走査)すると共に、吸着保持されたワークWの印刷領域に対し、キャリッジユニット9を往復動(主走査)させながらインクジェットヘッド51からインクを吐出して印刷を行う。
【0025】
繰出装置3は、機台2よりワークWの送り方向(X軸方向)上流側に配設されている。繰出装置3は、ワークWをロール状に巻回した繰出リール21と、繰出リール21を繰り出し回転させる繰出モーター22と、繰出されたワークWをZ軸方向に「V」字状に屈曲させると共に、ワークWに軽いバックテンションを付与する繰出側バッファー機構23と、を備えている。
【0026】
図1(b)に示すように、繰出側バッファー機構23は、ワークWに常時バックテンションを付与するようにZ軸方向に移動可能な繰出側ダンサーローラー23aと、繰出側ダンサーローラー23aの上流側および下流側に夫々設けられた繰出側ガイドローラー23bと、繰出側ダンサーローラー23aのZ軸方向の位置を検出する上下一対の繰出側センサー23cと、を有している。なお、上流側の繰出側ガイドローラー23bは、ニップローラーとなっている。
【0027】
繰出側バッファー機構23にキープされるワークWの長さは、ワークステージ5の移動距離以上の長さに設定されている(図4(b)参照)。本実施形態では、このワークWの長さを維持できるように、上限側の繰出側センサー23cの検出により繰出モーター22を駆動し、下限側の繰出側センサー23cの検出により繰出モーター22を停止させるようになっている。これにより、必要量のワークWを繰り出すことが可能となっている。また、詳細は後述するが、ワークWを、繰出側バッファー機構23により吸収することで、1の記録領域に対し記録動作を複数回行う際に、再びワークWを繰出リール21に巻き取ることを省略することができる。
【0028】
巻取装置4は、機台2よりワークWの送り方向(X軸方向)下流側に配設されている。巻取装置4は、ワークWをロール状に巻き取る巻取リール24と、巻取リール24を巻き取り回転させる巻取モーター25と、巻き取られたワークWをZ軸方向に「V」字状に屈曲させると共に、ワークWに軽いフォワードテンションを付与する巻取側バッファー機構26と、を備えている。
【0029】
図1(b)に示すように、巻取側バッファー機構26は、ワークWに常時フォワードテンションを付与するようにZ軸方向に移動可能な巻取側ダンサーローラー26aと、巻取側ダンサーローラー26aの上流側および下流側にそれぞれ設けられた巻取側ガイドローラー26bと、巻取側ダンサーローラー26aのZ軸方向の位置を検出する上下一対の巻取側センサー26cと、を有している。なお、下流側の繰出側ガイドローラー23bは、ニップローラーとなっている。
【0030】
巻取側バッファー機構26は、繰出側バッファー機構23と同様に、所定の長さのワークWを維持できるように、下限側の巻取側センサー26cの検出により巻取モーター25を駆動し、上限側の巻取側センサー26cの検出により巻取モーター25を停止させるようになっている。これにより、巻取リール24のロール径に影響されることなく、必要量のワークWを巻き取ることが可能となっている。これにより、下流側に送られたワークWを、巻取側バッファー機構26により吸収することができるため、送られたワークWを巻取リール24に巻き取ることなく、除給材を行うことができる。また、ワークステージ5上のワークWに対し、余計な張力をかけることなく、ワークWを巻取リール24に巻き取ることができる。
【0031】
ワークステージ5は、表面に孔(図示省略)が複数個形成され、繰出装置3から送られてきたワークWを吸着するステージ本体27と、ステージ本体27のワークWの搬送(X軸)方向上流端部に添設された送込ローラー28と、ステージ本体27のワークWの搬送(X軸)方向下流端部に添設された送出ローラー29と、を有している。なお、詳細な説明は省略するが、ステージ本体27に形成された複数の孔は、それぞれ図外の真空吸引設備および圧縮空気供給設備に連通している。
【0032】
ワークステージ5は、ステージ本体27においてワークWを吸着した状態で、X軸テーブル7によりX軸方向(上流側から下流側)に間欠送りされる。本実施形態では、1の記録領域に複数回重ねて描画するため、1の記録領域分の描画が終了する下流端位置(印刷終了位置)に達すると、X軸テーブル7により上流端位置(印刷開始位置)に復帰移動する。
【0033】
送込ローラー28および送出ローラー29は、それぞれ自由回転するニップローラーで構成されており、X軸方向に並んで配設されている。送込ローラー28および送出ローラー29は、それぞれの上部をステージ本体27の上面と略面一となる位置である下降位置と、下降位置よりも僅かに(数mm程度)上昇した上昇位置と、の間で昇降可能に設けられている。なお、送込ローラー28および送出ローラー29の昇降機構としては、シリンダー(空気圧、油圧いずれでもよい。)や、モーターおよびラック・アンド・ピニオン等で構成することが好ましい。
【0034】
ワークWは、送込ローラー28および送出ローラー29に挟み込まれた状態で、ステージ本体27の上面に渡される。送込ローラー28および送出ローラー29を、下降位置に移動することでステージ本体27の上面へのワークW(記録領域)の吸着保持が可能となり、他方、当該吸着保持を解除(真空吸引を中止)し、圧縮空気をワークWとステージ本体27との間に供給して、上昇位置に移動することでワークWを僅かに浮上させる。これにより、ワークWに無理な張力をかけることなく、ステージ本体27の上面からの除材または給材が可能となる。また、記録領域は、ワークステージ5から離間(浮上)しているため、ワークWに擦痕等の傷をつけることなく除給材することができる。
【0035】
下降位置に存する送込ローラー28および送出ローラー29は、X軸方向に並んで、かつ、ステージ本体27の上面と略面一に構成されている。このため、ステージ本体27上に吸着保持した領域だけでなく、送込ローラー28に挟み込まれた位置から送出ローラー29に挟み込まれた位置までの間においてワークWの平面度を保つことができる。すなわち、記録領域を広く確保することができる。また、送込ローラー28および送出ローラー29を昇降させる際には、送込ローラー28または送出ローラー29のうち、どちらか一方の昇降を開始した後、遅れて他方の昇降を開始することが好ましい。これにより、下降位置に移動する際には、ワークWとステージ本体27との間の空気を押し出すようにしてワークWをステージ本体27上に密着させることができ良好な吸着保持を担保することができる。
【0036】
X軸テーブル7は、機台2上に配設され、X軸方向に延在する一対のX軸ガイドレール31と、ワークステージ5をX軸ガイドレール31に沿ってスライド自在に支持するモーター駆動のX軸スライダー32と、を有している。X軸テーブル7は、キャリッジユニット9(各インクジェットヘッド51)の往動(または復動)時には停止し、次の復動(または往動)までに、印刷幅分、ワークWをX軸方向の下流側に送る。すなわち、X軸テーブル7は、キャリッジユニット9の印刷走査をした後、ワークステージ5(ワークW)を、その印刷した幅に相当する距離だけ間欠送り(改行送り)する。なお、その駆動系は、リニアモーターや、モーターおよびボールネジ機構等で構成することが好ましい。
【0037】
Y軸テーブル8は、機台2をY軸方向に跨ぐように架け渡された一対のY軸ガイドレール34と、キャリッジユニット9を吊設したブリッジプレート35と、ブリッジプレート35をY軸方向にスライド自在に支持するモーター駆動のY軸スライダー36と、を有している。Y軸テーブル8は、キャリッジユニット9を介して印刷時にインクジェットヘッド51をY軸方向に往復動させるほか、インクジェットヘッド51を保守装置11に臨ませる。なお、その駆動系は、リニアモーター、モーターおよびボールネジ機構や、ベルトおよびプーリーによる機構等で構成することが好ましい。
【0038】
キャリッジユニット9は、ブリッジプレート35に垂設したキャリッジ本体43と、キャリッジ本体43に垂設され、複数個のインクジェットヘッド51を有するヘッドユニット44と、を備えている。キャリッジ本体43には、ヘッドユニット44をθ回転する機構が組み込まれている。ヘッドユニット44は、複数個のインクジェットヘッド51を、ヘッドプレート(図示省略)に搭載して構成されており、ヘッドプレートのY軸方向両端部には、一対の紫外線ランプ45が搭載されている。
【0039】
図2に示すように、インクジェットヘッド51は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針55を有するインク導入部52と、インク導入部52に連なる2連のヘッド基板53と、インク導入部52の下方に連なり、内部にインクで満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体54と、多数の吐出ノズル56が開口したノズル面57を有するノズルプレート58と、を備えている。ヘッド本体54には、各吐出ノズル56毎に対応するピエゾ圧電素子が構成され、ピエゾ圧電素子に電圧が印加されると吐出ノズル56からインク滴が吐出される。
【0040】
本実施形態で使用するインクは、いわゆる紫外線硬化インクであり、ヘッドユニット44に搭載した一対の紫外線ランプ45が点灯し、ワークWに着弾した紫外線硬化インクを硬化・定着させる。
【0041】
図1に示すように、ワーク保持手段60は、ワークWの上面および下面に対してそれぞれ臨む一対のクランパー61と、一対のクランパー61を中寄せ移動させる挟持駆動機構62と、各クランパー61および挟持駆動機構62を、上記した一対のX軸ガイドレール31に沿ってスライド自在に支持するモーター駆動のクランパースライダー63と、を有している。ワーク保持手段60は、巻取装置4の近傍位置(X軸方向の下流端)をホームポジションとし、ワークステージ5のX軸方向下流側において移動可能に設けられている。なお、請求項に言う「除給材手段」とは、上記したX軸テーブル7およびクランパースライダー63を指す。
【0042】
各クランパー61は、ワークWのY軸方向の幅よりも幅広に形成されており、ワークWをY軸方向に横断するようにして、ワークWの表裏両面に臨むように配設されている。一対のクランパー61は、ワークWに対向する面をゴム等の弾性材で構成されており、挟持駆動機構62を駆動してワークWを上下方向から挟み込んだ際に、相対的に滑りが生じないように、かつ、ワークWに傷をつけないようになっている。
【0043】
挟持駆動機構62は、一対のクランパー61をその両端部分において連結させ、一対のクランパー61を、ワークWを中心にして、ワークWを上下方向から挟み込むように移動(中寄せ移動)させる。このように、一対のクランパー61を中寄せ移動することで、繰出装置3から巻取装置4に到る搬送経路において、ワークWが上下方向に移動することがなく、ワークWに不要なテンションが加わることを防止することができる。これにより、ワークWの破損(伸びを含む。)や、ワーク保持手段60により挟持したワークWを移動させた際の移動量に誤差が生じることを防止することができる。なお、その挟持駆動機構62は、シリンダー(空気圧、油圧いずれでもよい。)や、モーターおよびラック・アンド・ピニオン等で構成することが好ましい。
【0044】
クランパースライダー63は、モーターおよびベルト機構で構成された駆動系を用いて、支持した各クランパー61および挟持駆動機構62をX軸方向に往復移動させる。詳細は後述するが、ワーク保持手段60は、一対のクランパー61によりワークWを挟持し、クランパースライダー63によりX軸方向下流側に移動させることで、ワークWを巻取装置4へと送るようになっている。なお、クランパースライダー63の駆動系を、リニアモーターや、モーターおよびボールネジ機構、その他シリンダー(空気圧、油圧いずれでもよい。)等で構成してもよい。
【0045】
続いて、図3ないし図6を参照して、制御装置13による本実施形態に係るワーク除給材方法について説明する。まず、ステップS1では、図4(a)に示すように、ロール状のワークWは、繰出リール21に導入され、繰り出された先端部分を、送込ローラー28および送出ローラー29に通し、巻取リール24に接続する。そして、送込ローラー28および送出ローラー29を下降位置に移動させ、ワークWの記録領域を、ワークステージ5(ステージ本体27)上に吸着保持させ、ワークステージ5を印刷開始位置に移動する。
【0046】
ステップS2では、図4(b)に示すように、繰出モーター22を駆動して、ワークステージ5の移動距離と略同等の長さのワークWを繰り出し、繰出側バッファー機構23に繰り出したワークWをキープさせる。
【0047】
ステップS3では、ワークステージ5に吸着保持された記録領域に対し、キャリッジユニット9をY軸方向に走査させながら、各インクジェットヘッド51からインク滴を吐出して所定の印刷を行う(印刷走査)。その後、印刷走査における印刷幅分だけワークステージ5(ワークW)をX軸方向の下流側に送る(改行送り)。印刷走査と改行送りとを複数回繰り返して、1の記録領域分の印刷を行う(請求項に言う「記録動作」を指す。)。1の記録領域分の記録動作が終了すると、ワークステージ5は、印刷終了位置に到達する(図4(c)参照)。ステップS2において、繰出側バッファー機構23にキープされていたワークWは、ワークステージ5に移動に伴ってX軸方向下流側引き出されると同時に、ワークステージ5のX軸方向下流側のワークWは、巻取側バッファー機構26に送られキープされることとなる。なお、ステップS3の実行中は、繰出モーター22および巻取モーター25は駆動しない。
【0048】
ステップS4では、1の記録領域に2回目の記録動作を行うため、印刷終了位置に臨むワークステージ5を印刷開始位置に復帰移動する(図5(d)参照)。復帰移動を行うと、ステップS3において、巻取側バッファー機構26にキープされていたワークWは、ワークステージ5に移動に伴ってX軸方向上流側に引き出されると同時に、ワークステージ5のX軸方向上流側のワークWは、繰出側バッファー機構23に送られ再びキープされることとなる。このように、上流側に送られたワークWは、繰出側バッファー機構23により吸収することができるため、ワークWを再び繰出リール21に巻き取る必要がない。このような構成は、本実施形態のように、記録動作を複数回行う場合に特に有効である。なお、本実施形態では、1の記録領域分に対して2回の記録動作を施すが、記録動作の回数は、1回であってもよいし、2回以上であってもよい。
【0049】
ステップS5では、1回目の記録動作が終了した記録領域に2回目の記録動作を行う(図5(e)参照)。なお、ステップS5は、上記したステップS3と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
ステップS6では、2回目の記録動作が終了し、印刷終了位置に臨む記録領域を、再び印刷開始位置に復帰移動する。この復帰移動の際、ワーク保持手段60も印刷開始位置方向へと移動させる(図5(f)参照)。すなわち、ワーク保持手段60は、印刷開始位置に移動させたワークステージ5の送出ローラー29の下流側近傍に位置している。
【0051】
ステップS7では、図6(g)に示すように、ワーク保持手段60を駆動してワークWを挟み込み挟持する(請求項に言う「保持動作」を指す。)。
【0052】
ステップS8では、図6(h)に示すように、ワークステージ5上におけるワークW(記録領域)の吸着を解除(真空吸引を中止)し、圧縮空気を供給して(請求項に言う「吸着解除動作」を指す。)、送込ローラー28および送出ローラー29を上昇位置に移動させる(請求項に言う「離間動作」を指す。)。その後、ワークステージ5を不動とし、ワーク保持手段60を下流に向けて移動させる(請求項に言う「除給材動作」を指す。)。この際、ワークステージ5上の印刷済みのワークW(記録領域)は、X軸方向下流側に引き出され、それに伴い引き出された分のワークWが巻取側バッファー機構26に吸収(キープ)される。他方、繰出側バッファー機構23にキープされたワークWは、引き出されてワークステージ5上に臨むこととなる。
【0053】
ステップS9では、図6(i)に示すように、送込ローラー28および送出ローラー29を下降位置に移動させ、ワークステージ5上に臨んだ未記録の記録領域を吸着保持した後、ワーク保持手段60によるワークWの挟持状態を解除する。なお、本実施形態では、ワークステージ5にワークWを吸着する直前または直後に、繰出モーター22を巻き取り方向に駆動して、ワークステージ5上のワークWに作用するテンションを調整している。
【0054】
そして、制御装置13は、巻取モーター25を駆動して、巻取側バッファー機構26にキープされているワークWを巻き取ると共に、上記したステップS2で示したように、繰出モーター22を駆動して繰出側バッファー機構23にワークステージ5の移動距離と略同等のワークWを繰り出す(図4(b)参照)。これにより、新たな記録領域に対する印刷が可能となる。
【0055】
なお、請求項に言う「記録工程」とは、ステップS3およびステップS5を指し、請求項に言う「保持工程」とは、ステップS7を指す。また、請求項に言う「除給材工程」とは、ステップS8において行われるワーク保持手段60の移動を指す。
【0056】
以上の構成によれば、ワーク保持手段60によりワークWの一部を保持した状態で、ワーク保持手段60とワークステージ5とを相対移動させることにより、ワークステージ5へのワークW(記録領域)の除給材が同時に行われる。すなわち、ワークWの一部を保持した状態で相対移動することで、ワークWと、ワーク保持手段60との間で一切の滑りが生じることがない。つまり、除給材のために必要な移動距離だけワークWを確実に移動させることができる。これにより、ワークステージ5に対し、記録済みの記録領域の除材と、未記録の記録領域の給材とを、確実に、かつ、精度良く行うことができる。
また、ワーク保持手段60の移動精度によって、ワークWの除給材(送り)の精度を確保することができるため、ローラーおよびエンコーダー等によるものと比べて、送り精度を高く確保することが容易であると共に、精度を向上させることも容易となる。
【0057】
(第2実施形態)
図7および図8を参照して、第2実施形態に係る記録装置1およびワーク除給材方法について説明する。
第2実施形態に係る記録装置1では、ワーク保持手段60が固定的に配設されている。すなわち、ワーク保持手段60のクランパースライダー63が省略され、ワーク保持手段60は、X軸ガイドレール31または巻取装置4に対し、固設されている。その他の記録装置1の構成は、第1実施形態を同様であるため説明は省略する。
【0058】
第2実施形態に係るワーク除給材方法は、第1実施形態において説明したステップS1からステップS4まで(図4(a)〜(c)、図5(d))は同様であり、ステップS5(ステップS15とする。)以降が異なる。そこで、以降の説明では、第1実施形態に係るものと同様の説明は省略し、異なる点のみを示す。
【0059】
ステップS15では、第1実施形態におけるステップS5と同様に、1回目の記録動作が終了した記録領域に2回目の記録動作を行う。この際、記録動作における改行送りに同期して、巻取モーター25が駆動され、巻取リール24へワークWが巻き取られる(図8(a)参照)。これにより、巻取側バッファー機構26には、ワークWが吸収されることが無いため、記録動作の終了後に、巻取側バッファー機構26にキープされたワークWを巻き取る工程を省略することができる。なお、巻取モーター25の駆動は、巻取側センサー26cの検出結果に基づき制御される。すなわち、巻取側センサー26cの下限と上限との間にワークWがキープされるように巻取モーター25の駆動制御を行なえばよい。
【0060】
ステップS16では、図8(b)に示すように、ワークステージ5が印刷終了位置に到達した状態で、ワーク保持手段60を駆動してワークWを挟み込み挟持する(保持動作)。
【0061】
ステップS17では、図8(c)に示すように、ワークステージ5上における記録領域の吸着を解除し、圧縮空気を供給して(吸着解除動作)、送込ローラー28および送出ローラー29を上昇位置に移動させる(離間動作)。その後、ワークステージ5を上流に向けて移動させる(除給材動作)。すると、固設されたワーク保持手段60に保持固定されたワークWを不動とし、ワークステージ5が移動するため、未記録の記録領域に対して、ワークステージ5上が臨むこととなる(図8(d)参照)。
【0062】
ステップS18では、図8(d)に示すように、送込ローラー28および送出ローラー29を下降位置に移動させ、ワークステージ5上に臨んだ新たな記録領域を吸着保持する。この際、第1実施形態におけるステップS9と同様に、繰出モーター22によりワークステージ5上のワークWに作用するテンションを調整している。ワークWを吸着保持した後、ワーク保持手段60によるワークWの挟持状態を解除する。その後、再びステップS2(第1実施形態のもの)へと戻り、新たな記録領域に対する印刷が可能となる。
【0063】
なお、第2実施形態に係るワーク除給材方法では、ワーク保持手段60が移動することが無いため、ワーク保持手段60のクランパースライダー63を省略したが、第1実施形態に係る記録装置1(ワーク保持手段60がX軸方向にスライド自在なもの)を、第2実施形態に係るワーク除給材方法に用いてもよい。
【0064】
以上の構成により、ワークステージ5の移動精度によって、ワークWの除給材動作(送り)の精度を確保することができ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0065】
(第3実施形態)
図9ないし11を参照して、第3実施形態に係る記録装置1およびワーク除給材方法について説明する。
第3実施形態に係る記録装置1は、第2実施形態に係るものと同様に、クランパースライダー63が省略されたワーク保持手段60が、巻取装置4に固定的に配設されている。また、第3実施形態に係る記録装置1は、繰出装置3における繰出側バッファー機構23が省略されている。その他の記録装置1の構成は、第1実施形態を同様であるため説明は省略する。なお、ワーク保持手段60をX軸ガイドレール31上に配設してもよい。
【0066】
第3実施形態に係るワーク除給材方法は、第1実施形態において説明したステップS2が省略されている。以降の説明では、第1実施形態および第2実施形態と異なる点のみを示す。
まず、ステップS21では、第1実施形態におけるステップS1と同様に、ワークWの記録領域をワークステージ5(ステージ本体27)上に吸着保持させ、ワークステージ5を印刷開始位置に移動させる(図10(a)参照)。
【0067】
ステップS22では、第1実施形態におけるステップS3と同様に、ワークステージ5に吸着保持された記録領域に対して記録動作を行う。この際、記録動作における改行送りに同期して、繰出モーター22が駆動され、ワークWの繰り出しが開始される(図10(b)参照)。1の記録領域分の印刷が終了すると、ワークステージ5は、印刷終了位置に到達する。ワークステージ5に移動距離だけ繰出されたワークWは、巻取側バッファー機構26に送られキープされることとなる。なお、ステップS3の実行中は、巻取モーター25は駆動せず、かつ、下流側の巻取側ガイドローラー26bは回転を禁止している。
【0068】
ステップS23では、第1実施形態におけるステップS4と同様に、印刷終了位置に臨むワークステージ5を印刷開始位置に復帰移動する。この際、ワークステージ5の復帰移動の開始と同時に、繰出モーター22を駆動して、繰り出したワークWの繰出リール21への巻き取りを開始する(図10(c)参照)。これにより、ステップS22において、巻取側バッファー機構26にキープされていたワークWは、ワークステージ5に移動に伴ってX軸方向上流側に引き出されると同時に、ワークステージ5の上流側のワークWは、繰出リール21に巻き取られて行く。
【0069】
ステップS24では、ステップS22と同様の手順で、2回目の記録動作を行うが、この際、記録動作における改行送りに同期して、繰出モーター22が駆動され、ワークWの繰り出しが開始されると同時に(または遅れて)巻取モーター25が駆動され、巻取リール24へのワークWの巻き取りが開始される(図10(d)参照)。これにより、巻取側バッファー機構26には、ワークWが吸収されること無いため、記録動作の終了後に、ワークWを巻き取る工程を省略することができる。なお、巻取モーター25の駆動は、巻取側センサー26cの検出結果に基づき制御される。
【0070】
以降の手順は、第2実施形態におけるステップS16、S17、S18と略同一であり、ステップS25では、ワーク保持手段60を駆動してワークWを挟み込み挟持し(保持動作(図11(e)参照))、ステップS26では、ワークステージ5上における記録領域の吸着を解除して(吸着解除動作)、送込ローラー28および送出ローラー29を上昇位置に移動させる(離間動作(図11(f)参照))。そして、ワークステージ5を印刷開始位置に移動させる(除給材動作(図11(g)参照))。続く、ステップS27では、図11(h)に示すように、送込ローラー28および送出ローラー29を下降位置に移動させ、ワークWに適切なテンションを与えつつ、ワークステージ5に新たな記録領域を吸着保持する。その後、ワーク保持手段60によるワークWの挟持状態を解除する。そして、再びステップS21へと戻り、新たな記録領域に対する印刷が可能となる。なお、ステップS24で、記録動作における改行送りに同期して、巻取リール24へのワークWの巻き取りを開始したが、ステップ25ないしステップ27において、巻取リール24へのワークWの巻き取りを開始してもよい。すなわち、少なくとも新たな記録領域に対する印刷が開始する前に、巻取リール24へのワークWの巻き取りを完了させればよい。
【0071】
以上の構成によっても、第1および第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1実施形態に係る記録装置1から繰出側バッファー機構23を省略した記録装置1を用い、第1実施形態に係るワーク除給材方法と同様に、ワークステージ5を不動とし、ワーク保持手段60を下流側に移動させてもよい。この場合、ワーク保持手段60の移動に同期して、繰出モーター22を駆動する。
【0072】
上記第1ないし第3実施形態において、送込側ニップ28および送出側ニップ29は、それぞれ自由回転するニップローラーで構成したが、一対のクランパーで構成してもよい。この場合、ワークWは、一対のクランパーに挟み込まれた状態で、下降位置に移動することで、ステージ本体27の上面へのワークW(記録領域)の吸着保持が可能となり、他方、当該吸着保持を解除し圧縮空気がワークWとステージ本体27との間に供給して上昇位置に移動することで僅かに浮上させたワークWに無理な張力をかけることなく、ステージ本体27の上面からの除材または給材が可能となる。それ以外の動作においては、一対のクランパーによるワークWのクランプを解除してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1:記録装置、3:繰出装置、4:巻取装置、5:ワークステージ、9:キャリッジユニット、13:制御手段、21:繰出リール、23:繰出側バッファー機構、25:巻取リール、26:巻取側バッファー機構、28:送込ローラー、29:送出ローラー、51:インクジェットヘッド、60:ワーク保持手段、W:ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の送り方向に送られてきた長尺のワークの記録領域を、吸着保持するワークステージと、
吸着保持された前記記録領域に記録を行う記録手段と、
前記ワークステージの前記送り方向下流側に配設され、前記ワークの一部を不動に保持および保持解除可能に構成されたワーク保持手段と、
前記ワークステージと前記ワーク保持手段とを、前記ワークの延在方向において相対的に離間するように移動させる除給材手段と、
前記記録手段、前記ワーク保持手段および前記除給材手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記記録領域に記録を行う記録動作と、
前記記録動作の後、前記ワークの一部を不動に保持する保持動作と、
前記保持動作の後、前記ワークステージと前記ワーク保持手段とを、前記延在方向に相対的に移動させて、前記ワークステージから記録済みの前記記録領域を除材するとともに、前記ワークステージに未記録の前記記録領域を給材する除給材動作と、を実施することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記保持動作と前記除給材動作との間で、前記記録領域の吸着保持を解除する吸着解除動作を、実施することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記ワークステージの前記延在方向の両端部において、前記延在方向に並んでそれぞれ設けられ、前記ワークステージ上に臨む前記ワークに所定の張力を付与するニップ部と、
前記各ニップ部の上部が前記ワークステージの上面と面一となる位置である下降位置と、前記下降位置よりも上昇した上昇位置と、の間で昇降させる昇降手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記吸着解除動作の後に、前記ニップ部を前記上昇位置に移動させて、前記記録領域を前記ワークステージから離間させる離間動作を実施することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記除給材動作において、
前記ワークステージを不動とし、前記ワーク保持手段を移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記除給材動作において、
前記ワーク保持手段を不動とし、前記ワークステージを移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
前記ワークステージに対し、前記ワークをリール・ツー・リール形式で送る供給回収手段を、更に備え、
前記供給回収手段は、前記ワークを巻き取る巻取リール、および前記巻取リールに巻き取られる前記ワークを前記ワークステージに対しバッファリングする巻取側バッファー機構を有する巻取装置を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記供給回収手段は、前記ワークを繰り出す繰出リール、および前記繰出リールから繰り出された前記ワークを前記ワークステージに対しバッファリングする繰出側バッファー機構を有する繰出装置を更に有していることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
長尺のワークの一部を不動に保持するワーク保持手段を用いて行う記録装置のワーク除給材方法であって、
1の送り方向に送られてきた前記ワークの記録領域を、ワークステージにセットして記録を行う記録工程と、
前記記録工程の後、前記ワーク保持手段により前記ワークステージの前記送り方向下流側において前記ワークの一部を不動に保持する保持工程と、
前記保持工程の後、前記ワークステージと前記ワーク保持手段とを前記ワークの延在方向に相対的に移動させて、前記ワークステージから記録済みの前記記録領域を除材するとともに、前記ワークステージに未記録の前記記録領域を給材する除給材工程と、を備えたことを特徴とする記録装置のワーク除給材方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−40813(P2012−40813A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185426(P2010−185426)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】