説明

記録装置及び記録方法

【課題】大容量のデータをリアルタイムに記録でき、且つ、断片化による無駄な空き容量の増加を防ぐことができるようにする。
【解決手段】入力されたデータを記憶するメモリに記憶されたデータを記録する記録媒体の記録領域を複数の管理単位に分割する領域分割手段と、前記領域分割手段により分割された管理単位に対して、前記メモリからデータを読み出して記録する記録手段と、前記複数の管理単位におけるそれぞれの空き領域のサイズを検出し、前記検出した各管理単位の空き領域に基づいて、前記記録手段が前記データを記録する管理単位を指定する管理手段とを設け、次の記録開始指示が行われているか否かに応じて、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位、または前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の何れか一方を指定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及び記録方法に関し、特に、動画や音声などのデータを記録する装置に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラッシュメモリにデータを記録する装置が知られている。一般的なNAND型フラッシュメモリにおいて、一回の書き込み要求で書き替え可能な最小単位はページと呼ばれている。データ書き込み済みのページを別のデータで上書きするためには事前に消去を行う必要がある。データの消去はページよりも大きなブロックと呼ばれる単位でしか行えない。
【0003】
そのため、ブロックの一部のページを書き替える場合でも、ブロック全体のデータを読み出し、書き替え部分のデータを変更した後、ブロック全体を消去して変更後のブロックのデータをフラッシュメモリに書き戻すという動作が必要になる。
【0004】
従って、一部のページにデータが記録されているブロックの空きページに対してデータを書き込む場合、ブロック単位でデータを書き込む場合に比べて書き込み速度が低下する。近年は、フラッシュメモリの大容量化に伴い、ブロックサイズが大きくなってきていることから、このような断片化されたブロックが増加し、小さな単位でのデータの書き込み速度はますます低下する傾向にある。
【0005】
また、近年では、このようなフラッシュメモリに対して動画や音声を記録再生するビデオカメラが登場している。ビデオカメラでは、動画や音声などの大容量のデータをリアルタイムに記録する必要がある。そこで、断片化されていないブロックに対してデータを記録することで、書き込み速度を低下させないようにすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−267904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の様に、断片化されていないブロックに対して動画や音声を記録した場合、断片化されたブロックに対しては動画や音声を記録できなくなる。フラッシュメモリの大容量化に伴い、ブロックサイズが大きくなると、このような断片化されたブロックが増加する。そのため、空き領域が残っているにもかかわらず、動画や音声など、リアルタイムに記録する必要があるデータを記録できなくなってしまうという問題があった。
本発明は前述の問題点に鑑み、大容量のデータをリアルタイムに記録でき、且つ、断片化による無駄な空き容量の増加を防ぐことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の記録装置は、入力されたデータを記憶するメモリと、前記メモリに記憶されたデータを記録する記録媒体の記録領域を、所定のサイズを有する複数の管理単位に分割する領域分割手段と、前記領域分割手段により分割された管理単位に対して、前記メモリからデータを読み出して記録する記録手段と、前記複数の管理単位における空き領域のサイズをそれぞれ検出し、前記検出した各管理単位の空き領域に基づいて、前記記録媒体における複数の管理単位のうちから、前記記録手段が前記データを記録する管理単位を指定する管理手段とを備え、前記管理手段は、記録開始の指示に応じて前記複数の管理単位のうち、空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定すると共に、記録停止の指示に応じて、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位、または前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の何れか一方を指定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大容量のデータをリアルタイムに記録でき、且つ、断片化による無駄な空き容量の増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【図2】アロケーションユニット(AU)とクラスタの様子を示す図である。
【図3】空きクラスタ率と記録上限レートの例を示す図である。
【図4】各AUの断片化率と分割された領域の様子を示す図である。
【図5】記録停止時におけるビデオカメラの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】記録停止時に指定されるAUの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態におけるビデオカメラ100の構成を示す図である。ビデオカメラ100において、撮像部101はレンズや撮像素子、信号処理回路などを有し、被写体の画像を撮影してデジタル動画データを出力する。音声入力部102はマイクロフォンやアンプ、信号処理回路などを有し、被写体の音声を入力してデジタル音声データを出力する。メモリ103は、撮影時には撮像部101からの動画データや音声入力部102からの音声データを記憶する。また、メモリ103は、符号化処理部104により符号化された動画、音声データも記憶する。また、メモリ103は、再生時には再生された動画、音声データを記憶する。
【0012】
符号化処理部104は、記録時には動画、音声データを公知の符号化方式により符号化し、情報量を圧縮する。また、符号化処理部104は、再生時には、再生された動画、音声データを復号し、情報量を伸張する。空き領域管理部105は、記録媒体116の空き領域の状態を管理する。操作部106は、電源スイッチや撮影開始、停止の指示ボタン、撮影モードと再生モードを切り替えるためのモードスイッチなど、各種の操作スイッチを備える。表示部107は、撮像部101により撮影された被写体の画像や、再生された画像、あるいは、各種の情報を表示する。
【0013】
CPU108は、マイクロコンピュータを有し、不図示のメモリに記憶された動作プログラムに従ってビデオカメラ100の各部を制御する。ファイル管理部109は、動画や音声の記録動作に伴い、記録媒体116に対して記録する動画ファイルを管理する。ファイルシステム110は、所定のファイルシステムに従って記録媒体116に記録される各種のデータやファイルを管理する。なお、本実施形態では、ファイルシステムとしてFAT(File Allocation Table)32ファイルシステムを用いる。
【0014】
多重化処理部111は、記録時においては、圧縮された動画データと音声データ、あるいはその他必要なデータを記録フォーマットに従って多重する。また、多重化処理部111は、再生時には、再生されたデータから動画、音声データとその他のデータを分離して出力する。バッファメモリ112は、記録時においては、多重化処理部111からのデータを一時記憶し、記録媒体インターフェイス(IF)113に出力する。
【0015】
また、バッファメモリ112は、再生時には、再生されたデータを一時記憶し、多重化処理部111に出力する。記録媒体IF113は、バッファメモリ112からデータを読み出して記録媒体116に記録し、また、記録媒体116からデータを読み出してバッファメモリ112に出力する。記録媒体116はフラッシュメモリを有するメモリカードである。記録媒体116は、不図示の装着、排出機構により、ビデオカメラ100に対して容易に装着、排出することができる。バス114、115はそれぞれ、各部の間でデータやコマンドを送受信する。
【0016】
なお、空き領域管理部105、ファイル管理部109、ファイルシステム110の機能は、CPU108の機能に含めることができる。また、記録媒体116をビデオカメラ100に内蔵する構成とすることも可能である。また、メモリ103とバッファメモリ112を一つのメモリチップで構成することも可能である。
【0017】
次に、ビデオカメラ100の撮影動作について説明する。操作部106により電源が投入されると、撮像部101はCPU108からの指示により被写体を撮影する。また、表示部107はCPU108からの指示により、撮像部101からの動画を表示し、撮影待機状態となる。また、記録媒体116が装着されると、CPU108は記録媒体IF113に対して、記録媒体116より、ファイルシステム110が記録媒体116に記録されたデータを管理するためのファイルシステム情報を読み出すように指示する。
【0018】
記録媒体IF113はファイルシステム情報を読み出してメモリ103に記憶する。ファイルシステム110は、記録媒体116より読み出されたファイルシステム情報に基づいて、記録媒体116の空きクラスタの状態を検出し、空き領域管理部105に知らせる。空き領域管理部105は、記録媒体116の空きクラスタの状態に基づいて、後述の様に記録媒体116の各AU(Allocation unit)に対する空きクラスタ率を算出する。
【0019】
撮影待機状態で 操作部106より撮影開始の指示があると、CPU108は各部を制御して、動画と音声の記録を開始する。撮像部101と音声入力部102はそれぞれ、動画データと音声データを出力し、メモリ103に記憶する。符号化処理部104は、メモリ103に記憶された動画データと音声データを符号化し、メモリ103に再度記憶する。
【0020】
多重化処理部111は、メモリ103から符号化された動画データと音声データを読み出して、各種の情報と共に多重してバッファメモリ112に記憶する。ファイル管理部109は、記録開始の指示があると、ファイルシステム110に対して、新たに動画ファイルをオープンする様に指示する。
【0021】
ファイルシステム110は、記録媒体IF113に対し、新たな動画ファイルを生成し、空き領域管理部105により後述の様に指定されたクラスタにデータを格納して記録するように指示する。記録媒体IF113は、バッファメモリ112に対して記憶されたデータが閾値に達すると、バッファメモリ112からデータを読み出し、記録媒体116に書き込む。また、記録媒体IF113は、バッファメモリ112に記憶されたデータが所定値よりも少なくなると、記録媒体116に対するデータの書き込みを一時停止する。後述の様に、記録媒体116に対して書き込み可能なデータレートは、記録データのデータレートよりも大きい。そのため、記録媒体IF113は、記録媒体116に対して間欠的にデータを書き込む。
【0022】
そして、操作部106より撮影停止の指示があるか、あるいは、記録媒体116の空き領域が無くなるまで、データの記録を続ける。操作部106より記録停止の指示があると、CPU108は、各部に対して記録停止を指示する。この、記録停止に伴う処理については後述する。
【0023】
次に、ファイルシステム110による記録媒体116の制御について説明する。FATファイルシステムでは、所定サイズのクラスタという単位でデータを書き込む。また、図2に示す様に、1以上の所定数のクラスタからなるAUという単位を定義し、このAUを単位としてデータを消去する。一方、記録媒体116では、前述の様に、ページ単位でデータを書き込み、ブロック単位でデータを消去する。ファイルシステム110は、初期化時に、AUサイズとクラスタサイズを設定する。本実施形態では、AUサイズをブロックのn倍(nは自然数)となるように設定する。
【0024】
また、本実施形態では、空き領域管理部105が、各AUにおいてデータ書き込み済み(使用済み)のクラスタ数の情報に基づいて、各AUの断片化率を算出する。そして、空きクラスタ率(断片化率)に応じて各AUに対して書き込み可能なデータレートの上限を設定し、それぞれ所定のサイズを有する複数の管理単位に分割する領域分割を行う。例えば、図3に示す様に、空きクラスタの割合が100パーセントのAUに対するデータレートの上限を6メガバイト(MB)/秒とする。以下、空きクラスタ率が75パーセントのAUは4MB/秒、空きクラスタ率50パーセントのAUは2MB/秒、空きクラスタ率25パーセントのAUは1MB/秒とする。
【0025】
そして、空き領域管理部105は、算出した各AUの上限のレートと記録媒体116の記録領域に記録するデータのデータレートとに基づいて、それぞれ所定のサイズを有する複数の管理単位に分類する領域分類を行い、各AUを三つの領域に分類する。図4は、各領域を示している。図4において、領域AのAUは、記録データのデータレートよりもデータレートの上限が高いAUである。すなわち、空き領域のサイズが所定量以上の管理単位である。領域BのAUは、空きクラスタが1以上残っており、且つ、記録データのデータレートよりもデータレートの上限が低いAUである。領域Cは全てのクラスタに対してデータを書き込み済みで、空きクラスタ数が0のAUである。
【0026】
空き領域管理部105は、動画の撮影中、記録データのデータレートよりもデータレートの上限が高いAU、即ち、領域Aに分類されたAUを順次指定する。このとき指定する順序はどのような順序でもかまわないが、本実施形態では、領域AのAUのうち、上限レートが低いAU、即ち断片化率が大きいAUから順に指定する。
【0027】
ファイルシステム110は、空き領域管理部105により指定されたAUの空きクラスタを指定し、データを書き込むように指示する。また、空き領域管理部105は、記録データのデータレートよりもデータレートの上限が高いAUが無くなると、その旨をCPU108に知らせ、CPU108により、記録を停止する。
【0028】
このように、各AUの断片化率に応じた書き込み上限レートに基づいて、記録データを書き込むAUを指定することで、撮影中にバッファメモリ112がオーバーフローするのを防ぐことができる。
【0029】
次に、記録停止時の処理について説明する。図5は、記録停止時におけるビデオカメラ100の処理を示すフローチャートである。図5の処理は、CPU108が各部を制御することにより実行される。
【0030】
前述の様に、動画ファイルの記録中に 操作部106より記録停止の指示があると、CPU108は、空き領域管理部105、ファイル管理部109、ファイルシステム110に対して、撮影停止の指示を知らせる。空き領域管理部105は、撮影停止の指示に応じて、その時点でバッファメモリ112に記憶されている、未記録のデータのサイズDを検出する。また、空き領域管理部105は、現在データを書き込み中のAUにおける空き領域のサイズSを検出する(S501)。そして、空き領域管理部105は、未記録データのサイズDと書き込み中AUの空き領域サイズSを比較し、サイズDがサイズSよりも大きいか否かを判別する(S502)。
【0031】
判別の結果、サイズDの方がサイズSよりも小さい場合、空き領域管理部105は、現在書き込み中のAUにそのまま未記録データを記録するように、ファイルシステム110に知らせる(S512)。
【0032】
図6(a)は、サイズSの方がサイズDよりも大きい場合の様子を示す図である。図6(a)において、606がAUのサイズで、601が記録停止の指示があったときに書き込み中のAUに書き込み済みのデータ、602は記録停止の指示があった時点でバッファメモリ112に記憶されていた未記録データである。また、603が記録停止の指示があったときの書き込み位置である。
【0033】
また、604が未記録データのサイズDで、605が書き込み中のAUにおける空き領域のサイズSである。図6(a)では、サイズDよりもサイズSの方が大きいので、現在書き込み中のAUにそのまま未記録データを記録する。
【0034】
また、S502の判別において、サイズSがサイズD以下の場合、空き領域管理部105は、現在書き込み中のAUの終端までそのまま未記録データを記録するように、ファイルシステム110に知らせる(S503)。そして、空き領域管理部105は、現在書き込み中のAUの終端まで未記録データを書き込んでいる間に、操作部106からの指示により、CPU108から記録開始の指示を受けたか否かを判別する(S504)。
【0035】
現在書き込み中のAUの終端まで未記録データを書き込んでいる間に記録開始の指示があった場合、空き領域管理部105は、現在書き込み中のAUの終端まで未記録データを書き込まれるのを待つ(S513)。そして、空き領域管理部105は、領域AのAUのうちの一つを選択し(S514)、選択したAUをファイルシステム110に知らせる(S515)。
【0036】
領域BのAUに未記録データを記録すると書き込み速度が低下するため、バッファメモリ112の未記録データの書き込みが完了するまでに、次の記録開始指示による符号化データがバッファメモリ112に記憶され、溢れる恐れがある。そこで、書き込み中のAUに対して未記録データを記録している間に次の記録開始の指示があった場合には、領域AのAUを指定して残りの未記録データを記録することで、未記録データの書き込みを迅速に完了することができる。そのため、次の記録指示による動画、音声データを記憶するために、バッファメモリ112を空けておくことが可能となる。
【0037】
また、記録開始の指示を受けずにAU終端まで未記録データの書き込みが完了した場合(S505)、空き領域管理部105は、S506に進む。そして、空き領域管理部105は、領域Bの各AUにおける空き領域のサイズ(空きクラスタ数)と、バッファメモリ112に残っている未記録データのサイズとに基づいて、未記録データを記録するために必要なAUの数Nを検出する(S506)。なお、ここでは、領域BのAUのうち、断片化率が小さいAUから順に指定し、指定されたAUの合計の空き領域サイズと未記録データのサイズを比較することで、未記録データを記録するために必要なAUの数Nを検出する。
【0038】
次に、空き領域管理部105は、検出したAUの数Nと所定の閾値とを比較し、AUの数Nが閾値よりも大きいか否かを判別する(S507)。なお、閾値は1以上の任意の整数を設定するものとする。S507の判別で、AUの数Nが閾値以下の場合、空き領域管理部105は、S506で指定した領域BのAUのうちの一つを選択し(S508)、選択したAUをファイルシステム110に指示する(S509)。ファイルシステム110は、指定されたAUの空きクラスタに対してデータを記録するよう記録媒体IF113に指示する。
【0039】
そして、ファイルシステム110は、全ての未記録データの記録が完了したか否かを判別し(S510)、全ての未記録データの記録が完了するとその旨をCPU108に知らせて処理を終了する。また、全ての未記録データの記録が完了していない場合、現在のAUへの書き込みが完了した旨を空き領域管理部105に知らせる。空き領域管理部105は、領域BのAUから次のAUを選択し、ファイルシステム110に知らせる(S511)。
【0040】
一方、S507の判別で、AUの数Nが閾値よりも大きい場合、領域AのAUを選択し(S514)、選択したAUをファイルシステム110に知らせる(S515)。AUの数Nが閾値よりも大きい場合、未記録データを記録するために長い時間を要するものと考えられる。そして、未記録データの書き込み中に次の記録開始指示があると、新たに符号化データがバッファメモリ112に記憶され、溢れる恐れがある。
【0041】
そこで、未記録データを書き込むのに必要なAUの数が閾値よりも大きい場合には、領域AのAUを指定して残りの未記録データを記録することで、未記録データの書き込みを迅速に完了することができるようになる。そのため、次の記録指示による動画、音声データを記憶するために、バッファメモリ112を迅速に空けておくことが可能となる。
【0042】
図6(b)は、サイズDの方がサイズSよりも大きい場合の様子を示す図である。図6(b)において、607が記録停止の指示があったときの書き込み位置で、608が書き込み中のAUにおける空き領域のサイズSである。図6(b)では、サイズSよりもサイズDの方が大きいので、未記録データ602のうちサイズ608分のデータを書き込み中のAUの終端まで書き込む。そして、残りの未記録サイズ609については、前述の様に指定された領域BのAU、或いは、領域AのAUに記録される。
【0043】
このように記録が完了すると、ファイル管理部109は記録中の動画ファイルをクローズするようにファイルシステム110に指示する。ファイルシステム110は、記録中の動画ファイルをクローズし、メモリ103に記憶されたファイルシステム情報を更新する。そして、ファイルシステム110は、記録媒体116に記録されたファイルシステム情報を、メモリ103に記憶されたファイルシステム情報により更新する。
【0044】
次に、ビデオカメラ100における再生時の処理について説明する。
ユーザが操作部106を操作して、再生モードの切り替えを指示すると、CPU108は各部を制御して再生モードに切り替える。そして、CPU108は、ファイルシステム110に対し、記録媒体116に記録された動画ファイルのうち、ユーザによって指定された動画ファイルを再生するように指示する。
【0045】
ファイルシステム110は、記録媒体IF113に対して指定された動画ファイルを読み出すように指示する。記録媒体IF113は、指定された動画ファイルを記録媒体116から読み出し、バッファメモリ112に記憶する。多重化処理部111は、バッファメモリ112に記憶されたデータから動画データと音声データを取り出し、符号化処理部104に出力する。
【0046】
符号化処理部104は、再生された動画データと音声データを復号し、メモリ103に記憶する。表示部107はメモリに103に記憶された動画データを表示する。また、メモリ103に記憶された音声データは、不図示のスピーカにより出力される。
【0047】
このように、本実施形態では、記録停止時においてバッファメモリ112に記憶されている未記録データを記録する場合に、一部のクラスタが記録済みのAUを選択して未記録データを記録する。そのため、一部のクラスタが記録済みのAUにおける空きクラスタを有効に用いて動画や音声などのリアルタイムデータを記録することができる。
【0048】
また、記録停止の指示の後、未記録データの記録が完了するまでに、再度記録開始の指示を受けた場合には、記録済みのクラスタを含んでいないAUを選択して未記録データを記録する。そのため、未記録データの書き込みを迅速に完了することができる。従って、バッファメモリ112内に、次の記録開始の指示により符号化された動画、音声データを記憶するための空きを作ることができる。
【0049】
また、未記録データの書き込みに必要なAUの数が閾値よりも多い場合には、記録済みのクラスタを含んでいないAUを選択して未記録データを記録する。そのため、未記録データの書き込みを迅速に完了することができる。従って、バッファメモリ112内に、次の記録開始の指示により符号化された動画、音声データを記憶するための空きを迅速に作ることができる。
【0050】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0051】
100 ビデオカメラ、101 撮像部、102 音声入力部、103 メモリ、104 符号化処理部、105 空き領域管理部、106 操作部、107 表示部、108 CPU、109 ファイル管理部、110 ファイルシステム、111 多重化処理部、112 バッファメモリ、113 記録媒体IF、114、115 バス、116 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたデータを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶されたデータを記録する記録媒体の記録領域を、それぞれ所定のサイズを有する複数の管理単位に分割する領域分割手段と、
前記領域分割手段により分割された管理単位に対して、前記メモリからデータを読み出して記録する記録手段と、
前記複数の管理単位におけるそれぞれの空き領域のサイズを検出し、前記検出した各管理単位の空き領域に基づいて、前記記録媒体における前記複数の管理単位のうちから、前記記録手段が前記データを記録する管理単位を指定する管理手段とを備え、
前記管理手段は、記録開始の指示に応じて複数の前記管理単位のうち、空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定すると共に、記録停止の指示に応じて、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位、または前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の何れか一方を指定することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記管理手段は、
前記記録停止の指示があった時点で前記メモリに記憶されていた未記録データを前記記録停止の指示があった時点で指定していた前記管理単位の終端まで記録するまでに、新たに前記記録開始の指示があった場合には、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定し、
前記記録停止の指示があった時点で前記メモリに記憶されていた未記録データを、前記記録停止の指示があった時点で指定していた前記管理単位の終端まで記録するまでに、新たに前記記録開始の指示が無かった場合には、前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位を指定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記管理手段は、
前記記録停止の指示があった時点で前記メモリに記憶されていた未記録データを記録するために必要な、前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の数が閾値よりも大きい場合、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定し、
前記記録停止の指示があった時点で前記メモリに記憶されていた未記録データを記録するために必要な、前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の数が閾値以下の場合、前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位を指定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録手段は、前記管理単位ごとに前記記録媒体に記録されたデータを消去し、前記管理単位よりも小さいサイズの書き込み単位ごとに前記記録媒体にデータを記録することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記管理手段は、前記複数の管理単位のそれぞれについて、前記管理単位のサイズに対する空き領域のサイズの割合を示す断片化率を算出し、前記断片化率に基づいて前記記録手段が前記データを記録する管理単位を指定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
入力されたデータを記憶するメモリに記憶されたデータを記録する記録媒体の記録領域を、所定のサイズを有する複数の管理単位に分割する領域分割工程と、
前記領域分割工程において分割された管理単位に対して、前記メモリからデータを読み出して記録する記録工程と、
前記複数の管理単位における空き領域のサイズをそれぞれ検出し、前記検出した各管理単位の空き領域に基づいて、前記記録媒体における複数の管理単位のうちから、前記記録工程が前記データを記録する管理単位を指定する管理工程とを備え、
前記管理工程は、記録開始の指示に応じて前記複数の管理単位のうち、空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定すると共に、記録停止の指示に応じて、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位、または前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の何れか一方を指定することを特徴とする記録方法。
【請求項7】
入力されたデータを記憶するメモリに記憶されたデータを記録する記録媒体の記録領域を、所定のサイズを有する複数の管理単位に分割する領域分割工程と、
前記領域分割工程において分割された管理単位に対して、前記メモリからデータを読み出して記録する記録工程と、
前記複数の管理単位における空き領域のサイズをそれぞれ検出し、前記検出した各管理単位の空き領域に基づいて、前記記録媒体における複数の管理単位のうちから、前記記録工程が前記データを記録する管理単位を指定する管理工程とをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記管理工程は、記録開始の指示に応じて前記複数の管理単位のうち、空き領域のサイズが所定量以上の管理単位を指定すると共に、記録停止の指示に応じて、前記空き領域のサイズが所定量以上の管理単位、または前記空き領域のサイズが所定量よりも小さい管理単位の何れか一方を指定することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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