説明

記録装置

【課題】接続されうる携帯端末装置又は可搬記録媒体が複数存在する場合でも、予約記録したコンテンツデータを、ユーザが望む携帯端末装置で使用する可搬記録媒体にだけ自動的に出力又は出力対象として選択できる記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置(録画装置1で例示)は、コンテンツデータの記録の予約操作をユーザから受け付けて予約情報を設定する予約設定部と、記録されたコンテンツデータを携帯端末装置3に装着可能な又は装着された可搬記録媒体30に出力するデータ出力部と、を備える。予約設定部は、予約情報に、携帯端末装置3又は可搬記録媒体30を識別するための識別情報を関連付けて設定する。データ出力部は、予約情報に基づき記録されたコンテンツデータを、予約情報に関連付けられた識別情報が示す可搬記録媒体30に、又は予約情報に関連付けられた識別情報が示す携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30に、出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関し、より詳細には、放送波で受信する放送番組データ等のコンテンツデータを予約により記録することが可能な記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放送番組データを記録するレコーダ等の記録装置が流通しており、このような記録装置は放送番組を予約して録画する機能をもつものが多い。近年、携帯電話機等の携帯端末装置側で再生させるために、携帯端末装置に装着可能な可搬記録媒体などにその放送番組データをコピー等で出力することが可能な記録装置も流通している。
【0003】
また、特許文献1には、ビデオサーバと端末装置とからなるテレビ番組の録画再生システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008―535345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の記録装置では、予約録画した放送番組データを、その記録装置に接続された携帯端末装置に自動的に出力するように構成すると、出力させる作業の手間が省けるものの、接続されうる携帯端末装置が1台のみである場合しか対応できない。より具体的には、その記録装置は、携帯端末装置が接続される度に接続された携帯端末装置全てに同じ放送番組データを出力してしまい、不要な放送番組データまで入力されてしまう携帯端末装置が存在してしまう。若しくは、その記録装置は、放送番組データを接続された最初の携帯端末装置に出力するだけに留まってしまい、不要な放送番組データが入力されてしまうことや、2番目以降に接続される携帯端末装置では必要な放送番組データが入力されなくなってしまう。
【0006】
このように、従来の記録装置において予約録画した放送番組データを接続された携帯端末装置側に自動的に出力するように構成すると、接続されうる携帯端末装置が複数台存在した場合、不要な放送番組データが入力されてしまう携帯端末装置や必要な放送番組データが入力されない携帯端末装置が存在してきてしまう。そして、このような使用形態では、各携帯端末装置ユーザが不要な放送番組データを削除すること、並びに必要な放送番組データを選択して出力する操作を行って出力させることが必要となり、放送番組データの管理が煩雑になってしまう。
【0007】
なお、特許文献1に記載の録画再生システムは、権利保護やアクセスコントロールを目的としたものであり、放送番組データを端末装置に視聴用に出力するための作業の手間を軽減できるものではない。
【0008】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続されうる携帯端末装置又は可搬記録媒体が複数存在する場合でも、予約記録したコンテンツデータを、ユーザが望む携帯端末装置で使用する可搬記録媒体にだけ自動的に出力すること又は自動的に出力対象として選択することが可能な、記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、コンテンツデータを入力するコンテンツ入力部と、該コンテンツ入力部で入力した番組データを記録するコンテンツ記録部と、該コンテンツ記録部でのコンテンツデータの記録を予約するための予約操作をユーザから受け付け、該予約操作に応じた予約情報を設定する予約設定部と、前記コンテンツ記録部に記録されたコンテンツデータを携帯端末装置に装着可能な又は装着された可搬記録媒体に出力するデータ出力部と、を備えた記録装置であって、前記予約設定部は、前記予約情報に、前記可搬記録媒体又は前記携帯端末装置を識別するための識別情報を関連付けて設定し、前記データ出力部は、前記コンテンツ記録部で前記予約情報に基づき記録されたコンテンツデータを、前記予約情報に関連付けられた前記識別情報が示す前記可搬記録媒体に、又は前記予約情報に関連付けられた前記識別情報が示す前記携帯端末装置に装着された可搬記録媒体に、出力することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記識別情報は、前記可搬記録媒体のグループ又は前記携帯端末装置のグループを識別するためのグループ識別情報であることを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記データ出力部は、前記出力を実行するか否かを、ユーザ操作に基づき決定することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記コンテンツ記録部で記録されるコンテンツデータより情報量が少ない出力専用データを生成する出力用データ生成部を、さらに備え、前記データ出力部は、前記コンテンツデータの代わりに前記出力専用データを出力することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の記録装置によれば、接続されうる携帯端末装置又は可搬記録媒体が複数存在する場合でも、予約記録したコンテンツデータを、ユーザが望む携帯端末装置で使用する可搬記録媒体にだけ自動的に出力すること又は自動的に出力対象として選択することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る、録画装置及び携帯端末装置を備えた予約録画管理システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の予約録画管理システムの録画装置で管理される転送ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】図1の予約録画管理システムの録画装置で録画予約により生成された予約テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1の予約録画管理システムで行う転送処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】図4の転送処理において録画装置が実行する転送処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。
【図6】図5の転送処理メインループにおいて表示装置に出力される問合せ画面の一例を示す図である。
【図7】図1の予約録画管理システムの録画装置で管理される転送ユーザ管理テーブルの他の例を示す図である。
【図8】図1の予約録画管理システムの録画装置で録画予約により生成された予約テーブルの他の例を示す図である。
【図9】図1の予約録画管理システムで行う転送処理の他の例を説明するためのフロー図である。
【図10】図9の転送処理において録画装置が実行する転送処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る記録装置は、予約記録された放送番組データ等のコンテンツデータ又はその圧縮データを、携帯端末装置で使用する可搬記録媒体に自動的に出力(コピー又はムーブ)する、或いは出力対象とすることが可能な装置である。この記録装置と携帯端末装置とにより、携帯端末装置又は可搬記録媒体毎に出力対象データの選択が自動的にできる予約記録管理システム(予約番組の記録・転送システム)を構成することができる。なお、出力はコピー又はムーブを指すが、受信した放送番組データ等を他に送るため、以下では、出力のことを転送とも呼ぶ。
【0016】
以下、本発明に係る予約記録管理システムについて、図面を参照しながら説明する。但し、以下の説明では、出力対象の放送番組データが、記録装置の放送受信部で受信した映像信号が示すデータ(映像データ)であることを前提とし、音声信号が示すデータ(音声データ)については触れない。音声データについては、圧縮方法や最終的な出力先がスピーカであることなどが映像データと異なるだけで、出力処理などは映像データと同時に取り扱えばよい。また、録画装置を挙げて説明するが、本発明に係る記録装置は、映像データを含まず音声データを含む放送番組データを、ユーザに聴取させるために取り扱うラジオ用の記録装置として、構成することもできる。また、放送番組データ以外のコンテンツデータについては最後に補足する。
【0017】
また、録画装置として、一般的に流通している録画装置のように、再生機能も備えた録画装置(つまり録画再生装置)を例に挙げて説明するが、再生機能は必須ではなく、また録画装置として構成する場合にも以下に例示する構成に限ったものではない。なお、再生機能を備えない録画装置の場合には、外部に接続した再生機器から録画機器内の映像データが読み出し可能な構成であれば映像データの再生も可能である。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る、録画装置及び携帯端末装置を備えた予約録画管理システムの一構成例を示すブロック図である。図1に示す予約録画管理システムは、録画装置1、表示装置2、及び携帯端末装置3で構成される。
【0019】
表示装置2としては、テレビ装置、モニタ装置等が挙げられる。なお、録画装置1と表示装置2とが有線又は無線で接続されていることを前提に説明するが、録画装置1が表示装置2に組み込まれていてもよい。
【0020】
携帯端末装置3としては、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、携帯型ゲーム機等が挙げられ、可搬記録媒体30が装着可能になっているものとする。可搬記録媒体30としては、SD規格の各種メモリカード、メモリースティック(登録商標)など、様々な記録媒体が適用できる。なお、可搬記録媒体30は書き込み可能であればよいが、そこに記録する映像データ等のデータは書き換えた方が容量的にも管理的にも好ましいため、可搬記録媒体30としては書き換え可能な記録媒体を採用することが好ましい。
【0021】
録画装置1は、制御部10、録画部11、映像入力部12、映像出力部13、操作部14、通信部15、及び記憶部16を備え、これらが接続されてなる。制御部10は、録画装置1の全体を制御する。操作部14は、リモコンからの操作信号を受信する受信部や本体操作部で構成され、ユーザ操作を入力し、その操作の内容を制御部10に伝える。操作部14では、チャンネル切替操作、録画操作、録画予約操作など、様々なユーザ操作が入力可能となっている。
【0022】
映像入力部12は、映像データ(映像ストリーム)、実際には映像データを含む放送番組データ(放送ストリーム)を受信する放送受信部の一例であり、BS/CSデジタルチューナ、地上デジタルチューナなどで構成される。映像入力部12から出力される映像データは、操作部14でのチャンネル切替操作や録画予約で指定されたチャンネルの復調後の映像データとなる。
【0023】
録画部11及び記憶部16は、放送受信部で受信した放送番組データを記録する放送番組記録部の一例である。録画部11は、操作部14からの録画操作に基づく制御部10からの指示に従って、映像入力部12から出力された映像データを記憶部16に記録する。記憶部16は、例えばハードディスクや半導体メモリ等の内部記録媒体でなる。また、記憶部16としては、BD(Blu-Ray Disc)−RE,DVD(Digital Versatile Disc)−RW等の書き換え可能な可搬記録媒体とその駆動装置(入出力I/F)とで構成してもよい。なお、ここで言うところの可搬記録媒体は、書き換えが不可能であっても書き込みが可能であればよく、また上記可搬記録媒体30とは別個の記録媒体である。
【0024】
また、録画部11は、通常の録画操作ではなく操作部14からの録画予約操作に基づく制御部10からの指示に従って、映像入力部12から出力された映像データを記憶部16に記録することが可能に構成されている。そのため、録画装置1は、放送番組データの記録を予約するための予約操作をユーザから操作部14を介して受け付け、その予約操作に応じた予約情報を設定する予約設定部を有する。
【0025】
この予約設定部は、制御部10、操作部14、及び映像出力部13等で例示できる。まず、制御部10が、例えばストリームから取得するなどして得た番組情報に基づき電子番組表(EPG)又はインターネット経由で取得したEPGについて、OSD(On Screen Display)画像を生成する。そして、映像出力部13がこのOSD画像を(映像データの映像に重畳して)表示装置2に出力し表示させる。この電子番組表は、録画予約可能な放送番組をユーザ選択可能に表示しておく。次いで、制御部10が、操作部14からのユーザによる放送番組選択操作を受け付け、必要に応じて表示装置2に予約確認のためのOSD画像を表示して予約確定操作を受け付ける。
【0026】
そして、制御部10は、この放送番組選択操作(つまり録画予約操作)の内容に従った予約情報、すなわち録画予約された放送番組のチャンネル(及び放送地域)及び放送日時を含む予約情報を、予約テーブル19として図示したように記憶部16(又は制御部10の内部メモリ)に記憶する。また、制御部10は、その放送日時の到来を監視し、到来により録画部11に録画指示を送り、放送終了日時の到来を監視し、到来により録画部11に録画終了指示を送る。若しくは、制御部10は、放送日時の到来を監視し、到来により録画部11に放送終了日時を含む録画指示を送る。
【0027】
録画部11は、通常録画時又は予約録画時、映像入力部12から出力された映像データを、そのまま記憶部16に記録するよう構成してもよいし、デコーダでデコードして記録するよう構成してもよいし、デコーダでデコードして再度エンコードして記録するよう構成してもよいし、トランスコーダでレート変換して記録するよう構成してもよい。ここで、トランスコーダで変換する対象となる特性はビットレート以外にも、圧縮方式や解像度などもある。記録の方法は操作部14から指定可能としておけばよい。図1では、予約情報に基づいて受信した放送番組A,B,Cの映像データのファイルが、そのまま又はデコードされて又はトランスコードされて、それぞれ録画ファイルA(17a),録画ファイルB(17b),録画ファイルC(17c)として記憶部16に記録された例を挙げている。
【0028】
映像出力部13は、デコーダや映像出力端子等で構成される。なお、このデコーダは録画部11において説明したデコーダと併用してもよい。映像出力部13は、映像入力部12から出力された映像データをデコードして再生して、表示装置2に出力する。また、映像出力部13は、記憶部16に記憶された映像データ(例えば録画ファイルA 17a等)を再生して、表示装置2に出力する。映像データが符号化されている場合、再生時にはデコードが施される。映像出力部13での出力対象の映像データの切り替えは、操作部14でのユーザ操作に応じて実行すればよい。
【0029】
録画装置1は、例えば録画ファイルA(17a)などの録画した映像データを可搬記録媒体30へ出力するためにデータ出力部を備える。つまり、このデータ出力部は、記憶部16に記録された放送番組の映像データを、携帯端末装置3に装着の可搬記録媒体30に出力(コピー又はムーブ)する。このデータ出力部は、制御部10及び通信部15で主に例示できる。通信部15は、携帯端末装置3との接続部であり、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブルによる有線通信又は無線通信により、制御部10からの制御に従い、携帯端末装置3又は携帯端末装置3に装着の可搬記録媒体30との間でデータの送受を行う。
【0030】
但し、出力する映像データは、携帯端末装置3で再生可能なデータとする。例えば、録画装置1がフルセグメント(フルセグ)の地上デジタル放送の映像データを受信する場合、携帯端末装置3での再生性能(主に表示能力)がその映像データをそのままのレートで再生できない場合には、その携帯端末装置3で再生可能な映像データ、つまり記録時にレート変換により圧縮された映像データを録画結果として残しておくとよい。
【0031】
携帯端末装置3に、フルセグの地上デジタル放送のチューナが搭載されておらず、ワンセグメント(ワンセグ)チューナのみが搭載されているケースを想定する。この場合、ワンセグチューナの映像解像度320画素×180ライン(又は320×240)、最大フレームレート15fps、最大伝送速度(例えば384kbps)に比べ、少なくとも精細な映像データを記憶部16に記録しておき、それを可搬記録媒体30に出力するとよい。これにより、携帯端末装置3において取得可能なワンセグ映像より綺麗な映像を携帯端末装置3で視聴することができるようになる。例えば、フルセグ用の映像解像度640画素×360ライン(又は640×480)、最大フレームレート30fps、最大伝送速度1.5Mbpsの映像データを、録画装置1で記録し、可搬記録媒体30に出力するとよい。
【0032】
このように記憶部16への予約録画や携帯端末装置3又は可搬記録媒体30とのデータ通信が可能に構成された録画装置1における、本発明の主たる特徴について、以下に説明する。
【0033】
まず、転送処理例(1)として、図2〜図6を併せて参照しながら説明する。図2は、図1の予約録画管理システムの録画装置で管理される転送ユーザ管理テーブルの一例を示す図、図3は、図1の予約録画管理システムの録画装置で録画予約により生成された予約テーブルの一例を示す図である。
【0034】
転送処理例(1)の主たる特徴として、上記予約設定部は、携帯端末装置3を識別するための識別情報又は可搬記録媒体30を識別するための識別情報を、予約情報に関連付けて設定する。識別情報を関連付ける理由は、後述の説明から明らかになるように、予約録画で記録した各映像データの出力先をその識別情報に基づき選択するためである。つまり、このような予約情報に対する識別情報の設定は、予約情報に従って予約録画された映像データの出力先の設定を意味する。
【0035】
従って、予約設定部での関連付けの設定は、例えば録画予約画面において携帯端末装置3の名称やユーザ名等又は可搬記録媒体30の名称やユーザ名等を、ユーザ選択可能に表示装置2に表示しておき、選択された名称やユーザ名等に対応する識別情報をそのときの予約情報に関連付けて予約テーブル19に登録するとよい。
【0036】
より具体的な例を挙げて、この設定について説明する。まず、識別情報とユーザ名とを関連付け、記憶部16(又は制御部10の内部メモリ等)に登録しておく必要があり、ここでは転送ユーザ管理テーブル18として登録した例を挙げる。ここで、識別情報としてユーザに分かり易い情報を用いることができるのであれば、転送ユーザ管理テーブル18に識別情報の一覧を格納しておくだけでもよい。このように、録画装置1は、少なくとも識別情報を、携帯端末装置毎に或いは可搬記録媒体毎に記憶する識別情報記憶部を備えるとよい。
【0037】
携帯端末装置3の識別情報は、携帯端末装置3に固有の情報であればよく、携帯端末装置3に予め登録されている機器ID等の機器情報、携帯端末装置3においてユーザが設定した機器の名称等の機器情報又はユーザ名等のユーザ情報、或いは携帯端末装置3に予め登録されている電話番号や登録氏名等のユーザ情報などが採用できる。
【0038】
機器情報に関して補足すると、例えば、携帯端末装置3が録画装置1又は他種の機器と無線/有線LAN(Local Area Network)で接続可能となっていれば、MAC(Media Access Control)アドレスを、携帯端末装置3の機器情報として採用できる。また、携帯端末装置3がUSB接続可能な機器であれば、一般的に、デバイス情報としてシリアル番号のフィールドがあり、そのシリアル番号(USB接続部のシリアル番号)を、携帯端末装置3の機器情報として採用できる。
【0039】
また、いずれの識別情報を採用した場合でも、携帯端末装置3を録画装置1に接続したときに、録画装置1から読み取れるようにしておく必要がある。従って、録画装置1からマスストレージモードで可搬記録媒体30にUSB接続する場合で且つ識別情報としてシリアル番号以外の情報を採用している場合には、携帯端末装置3の識別情報を可搬記録媒体30側に事前に登録しておくなどすればよい。これにより、録画装置1から識別情報の読み出しは可能となる。また、録画装置1が携帯端末装置3とLANで接続する場合には、識別情報としてMACアドレスを採用した場合、しなかった場合のいずれであっても、携帯端末装置3の識別情報が内蔵メモリ又は可搬記録媒体30に登録されていれば、録画装置1からの読み出しは可能となる。
【0040】
可搬記録媒体30の識別情報は、可搬記録媒体30に固有の情報であればよく、ユーザが携帯端末装置3を用いて可搬記録媒体30内に設定し記憶させた可搬記録媒体名等の媒体情報、同様に記憶させたユーザ名等のユーザ情報、或いは元々媒体内に記録されている媒体情報などが挙げられる。この識別情報は、録画装置1に可搬記録媒体30をマスストレージモードで接続したときであっても録画装置1から読み取ることができる。また、可搬記録媒体30には元々媒体情報が媒体内に記録されていない場合が多い。従って、可搬記録媒体30の識別情報は、録画装置1が、携帯端末装置3との最初の接続時(又は後述する可搬記録媒体30の録画装置1への挿入時)に自動的に割り当て、記憶部16と可搬記録媒体30の双方に記録したものを利用してもよい。なお、携帯端末装置3との接続時の代わりに、後述する可搬記録媒体30を直接録画装置1に挿入可能な例では、可搬記録媒体30の録画装置1への挿入時に、自動割り当てを行うか或いはユーザに設定させてもよく、この例でも録画装置1からの識別情報の読み取りは可能である。
【0041】
識別情報として、転送先になり得る携帯端末装置3の機器ID(以下、転送機器IDという)を採用した登録例を説明する。転送機器IDを採用した転送ユーザ管理テーブル18は、図2の転送ユーザ管理テーブル18aで例示している。転送ユーザ管理テーブル18aでは、ID123、ID456、ID789、IDaaaといった転送機器IDに、ユーザI、ユーザII、ユーザIII、ユーザIVといったユーザ名がそれぞれ関連付けられて登録されている。
【0042】
このような登録は、録画装置1に携帯端末装置3が接続されたときに、録画装置1がユーザ名の入力をユーザに促してその入力を得て(或いはユーザ名の自動付与を行い)、接続中の携帯端末装置3の機器IDを転送機器IDとしてユーザ名と関連付ければよい。なお、識別情報として用いるユーザに分かり易い情報の例として、ユーザ名を採用する場合には、この転送ユーザ管理テーブル18aはユーザ名の一覧のみで済む。
【0043】
このようにして、転送機器IDがユーザ名と関連付けられて転送ユーザ管理テーブル18aに登録された例を挙げて、予約設定部における識別情報の設定例について説明する。勿論、説明する例は、上述した他の識別情報で登録した場合でも基本的に同様である。
【0044】
制御部10が、放送番組選択操作を受け付けた後にユーザ名を選択するためのOSD画像を表示装置2に表示して、ユーザ名の選択操作を受け付け、必要に応じて表示装置2に予約確認のためのOSD画像を表示して予約確定操作を受け付ける。なお、ユーザ名選択のためのOSD画像は放送番組を選択するとプルダウンメニューなどで表示させてもよいし、予約画面を開く前に表示させてもよい。また、上述した識別情報の登録(例えば転送機器IDとユーザ名とを関連付ける登録など)を、放送番組選択操作後などにユーザに行わせるようにしてもよい。
【0045】
最後に、制御部10は、転送ユーザ管理テーブル18aを参照して選択操作されたユーザ名に対応する識別情報(この例では転送機器ID)を得て、この識別情報をこの放送番組選択操作の内容に従った予約情報に関連付け、記憶部16の予約テーブル19に登録する。
【0046】
予約テーブル19の一例として、図3の予約テーブル19aを挙げる。予約テーブル19aでは、チャンネル「7」、放送日時「2009.1.1 0:00〜1:00」、放送番組名「A」といった予約情報に、転送機器ID「ID123」(ユーザIに対応する転送機器ID)が関連付けられて登録されている。他の予約情報と転送機器IDについても同様に関連付けられて登録されている。
【0047】
このように登録された予約テーブル19aに基づき、上述したように制御部10は放送日時の監視及び録画指示を行い、録画部11は、その指示に応じて録画開始時に録画ファイルを生成してその録画ファイルに映像データを追記していく。なお、予約情報に録画方式が設定されている場合には、その録画方式に基づき、受信した映像データをそのまま記録するか、或いはデコードして記録するか、或いはトランスコードして記録する。
【0048】
そして、録画開始時又は録画終了時に、制御部10又は録画部11が、録画ファイルにその予約情報に対応する転送機器IDを関連付けて記憶しておく。例えば、放送番組名「A」の予約情報に基づき録画ファイルA(17a)が記憶部16に記憶されるが、その録画ファイルA(17a)には転送機器ID「ID123」が関連付けて記憶される。このような関連付けにより、後述するような特徴をもつデータ出力部において、喩え予約情報を消去した後であっても、転送機器ID「ID123」への出力対象として録画ファイルA(17a)が抽出できるようになる。また、予約情報の設定時に、空の録画ファイルを生成してそれに転送機器IDを関連付けておいてもよい。
【0049】
なお、放送終了日時の到来の監視及び録画部11への録画終了指示を送る場合には、制御部10は、その録画終了指示時に予約情報及び転送機器IDを予約テーブル19aから消去する。この場合には、録画終了までのいずれのタイミングで転送機器IDを録画ファイルに関連付けてもよい。録画部11に放送終了日時を含む録画指示を送る場合には、制御部10は、その録画指示時に予約情報及び転送機器IDを予約テーブル19aから消去する。この場合には、録画開始以前のタイミングで録画ファイルに転送機器IDを関連付ければよい。
【0050】
また、録画ファイルへの転送機器IDの関連付けは、例えば図3の予約テーブル19aに新たにファイル名の項目を追加しておくことでも実現でき、この場合の予約情報や転送機器IDやファイル名の消去は、後述するような特徴をもつデータ出力部において映像データの出力が完了したときに実行すればよい。
【0051】
識別情報として携帯端末装置3の識別情報を採用した場合について、録画装置1に具備されるデータ出力部の主たる特徴について説明する。このデータ出力部は、予約情報に基づき記憶部16に記録された映像データを、その予約情報に関連付けられた識別情報(転送機器ID等)が示す携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30に出力する。予約情報に基づき記録された映像データと携帯端末装置3の識別情報との照合は、上述したように映像データに識別情報を付加しておくか、予約情報に映像データのファイル名を関連付けるなどすることで、実現できる。また、当然、可搬記録媒体30への出力は、予約情報に基づく記録後、予約情報に関連付けられた識別情報が示す携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30へのアクセスが可能な状態で行われる。なお、コピー/ムーブのいずれで出力(転送)を行うかはコピー制限やユーザ設定(予約時のユーザ設定でも可)に従えばよい。
【0052】
出力のタイミングとしては、そのアクセスが可能となった時点であってもよいし、操作部14での識別情報を指定した出力指示があった時点であってもよい。後者の場合、出力指示の時点でその識別情報に対応する携帯端末装置3の可搬記録媒体30にアクセス可能となっていなくても、出力指示を受けたときにアクセス可能な接続状態にすることをユーザに促すなどしてアクセス可能にすれば済む。また、可搬記録媒体30への出力対象の抽出は、前者の場合でも後者の場合でも出力直前で行えば済むが、後者の場合には出力直前に限らず、アクセス可能になる前に実行しておいてもよい。
【0053】
図2及び図3の例では、例えば録画ファイルA(17a)が転送機器ID「ID123」(ユーザIに対応)と関連付けられているため、転送機器ID「ID123」の携帯端末装置3が録画装置1に接続され、録画装置1がその携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30にアクセスできたときに、その可搬記録媒体30に録画ファイルA(17a)を出力する。
【0054】
このように録画装置1は、予約設定時に、予約記録した後の映像データの出力先(可搬記録媒体30)を携帯端末装置3の識別情報で紐付けている。従って、複数人が共有して使用している録画装置1であっても、つまり接続されうる携帯端末装置3(そこに装着されうる可搬記録媒体30)が複数存在する場合でも、予約記録した映像データを、各ユーザが望む携帯端末装置3で使用する可搬記録媒体30にだけ自動的に出力することが可能になる。換言すれば、各ユーザが望む予約記録した映像データだけ、そのユーザが用いる携帯端末装置3に装着の可搬記録媒体30に自動的に出力することができる。また、自動的な処理であるため、ユーザ自らが録画装置1の出力機能(転送機能)を呼び出す必要もない。
【0055】
次に、識別情報として可搬記録媒体30の識別情報を採用した場合について、録画装置1に具備されるデータ出力部の主たる特徴について説明する。このデータ出力部は、予約情報に基づき記憶部16に記録された映像データを、その予約情報に関連付けられた識別情報が示す可搬記録媒体30に出力する。予約情報に基づき記録された映像データと可搬記録媒体30の識別情報との照合は、上述したように映像データに識別情報を付加しておくか、予約情報に映像データのファイル名を関連付けるなどすることで、実現できる。なお、この構成でも、コピー/ムーブのいずれで出力を行うかはコピー制限やユーザ設定(予約時のユーザ設定でも可)に従えばよい。当然、この出力は、予約情報に基づく記録後、予約情報に関連付けられた識別情報が示す可搬記録媒体30へのアクセスが可能な状態で行われる。出力のタイミングは、携帯端末装置3の識別情報を使用した場合と同様に、その可搬記録媒体30へのアクセスが可能となった時点であってもよいし、操作部14での識別情報を指定した出力指示があった時点であってもよい。
【0056】
これにより、接続されうる可搬記録媒体30が複数存在する場合でも、予約記録した放送番組データを、ユーザが望む可搬記録媒体30にだけ自動的に出力することが可能になる。また、映像データ出力後の識別情報の消去については、上述した通りである。
【0057】
また、携帯端末装置3の識別情報、可搬記録媒体30の識別情報のいずれを用いるかに拘わらず、録画装置1で番組を予約する際に作成される予約情報には1個以上の識別情報が関連付けられるが、識別情報を関連付けない予約情報が存在してもよい。但し、できるだけ、過去の予約履歴(タイトルやジャンル)からデフォルト値を推測して、予約情報に自動的に関連付けるかユーザ問い合わせを経て関連付けるとよい。
【0058】
また、予約設定時に識別情報を設定せずに予約録画された映像データや通常録画された映像データについても、例えば可搬記録媒体30へのアクセスが可能となったときなど、後から識別情報を設定できるようにしておくか、個別にユーザに転送の可否を確認できるようにしておくことで、転送のための設定のし忘れや変更・追加に対応することができるようになる。このとき、全ての映像データを転送することや全ての映像データを無視して転送しないようにすることを、ユーザ選択できるようにしておいてもよい。また、上記予約履歴に関連し、ユーザにより転送可と選択された映像データについては、次回以降の同じシリーズ番組の予約情報に、現在接続中の携帯端末装置3又は可搬記録媒体30に対応する識別情報をデフォルト値として使用するか否かを問い合わせ、その応答結果を今後録画される予約情報に反映してもよい。
【0059】
また、録画ファイルA(17a)等の映像データを対応する可搬記録媒体30に出力した後は、その映像データに関連付けられた識別情報を消去すればよい。このように、録画装置1は、予約設定部で設定された出力先に応じて、携帯端末装置3の可搬記録媒体30への出力の完了/未完了を管理する管理部を有することが好ましい。
【0060】
また、録画装置1の通信部15と携帯端末装置3とが有線又は無線で接続可能であることを前提としたが、通信部15の代わりに又は通信部15と共に、携帯端末装置3で使用可能な可搬記録媒体30についての入出力I/Fである可搬記録媒体駆動装置を録画装置1側にも設け、可搬記録媒体30を持ち運ぶことによりデータの送受を可能に構成してもよい。この可搬記録媒体駆動装置は、録画装置1の内部に設けても、ケーブル経由で録画装置1に接続して設けてもよい。
【0061】
このような構成を採用した場合、識別情報は可搬記録媒体30の識別情報であるか、或いは携帯端末装置3の識別情報であっても可搬記録媒体30に記録されている識別情報である必要がある。さらに、この構成におけるデータ出力部は、制御部10及びこの可搬記録媒体駆動装置で主に例示できる。例えば、携帯端末装置3に装着可能な可搬記録媒体30をユーザが録画装置1の可搬記録媒体駆動装置に装着しておき、制御部10が、その可搬記録媒体30内の識別情報に対応する出力対象の映像データを記憶部16から読み出して、その可搬記録媒体駆動装置を介してその可搬記録媒体30に出力すればよい。その後、ユーザが携帯端末装置3にその可搬記録媒体30を装着すれば、出力された映像データを携帯端末装置3で再生することができる。
【0062】
以上の転送処理例(1)の説明は、携帯端末装置3の識別情報か可搬記録媒体30の識別情報のいずれかを予約情報に関連付けて設定しておくことが前提となっている。しかし、携帯端末装置3の識別情報及び可搬記録媒体30の識別情報の双方を予約情報に関連付けて設定しておき、可搬記録媒体30への映像データの出力を、少なくとも一方が合致したときに実行するようにしてもよいし、双方が合致したときにのみ実行するようにしてもよい。出力は、上述した一方の識別情報のみの設定と同様に、録画された映像データ(録画ファイル)に双方の識別情報を関連付けておけば予約情報を消去後も実行できる。なお、双方の識別情報は互いに区別がつかないような識別情報を用いても予約テーブルにおいて携帯端末装置3用と可搬記録媒体30用とで区別して登録しておけば判定可能である。
【0063】
図4及び図5のフローに従い、上述した転送処理例(1)における処理手順の一例について説明する。図4は、図1の予約録画管理システムで行う転送処理の一例を説明するためのフロー図で、図5は、図4の転送処理において録画装置が実行する転送処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。また、図6は、図5の転送処理メインループにおいて表示装置に出力される問合せ画面の一例を示す図である。
【0064】
まず、ユーザが携帯端末装置3を録画装置1に接続する(ステップS1)。その後、自動的に制御部10が、通信部15を介して携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30にマスストレージモードで接続し、可搬記録媒体30に格納された携帯端末装置3の機器IDを取得する(ステップS2)。ステップS2に続き、主に制御部10が、図5で説明する転送処理メインループを実行する(ステップS3)。
【0065】
転送処理メインループでは、まず、録画ファイルA(17a)等の映像データが管理された録画リストなどから、転送処理が未処理の映像データがあるか否かを検索して判定し(ステップS11)、存在しなければ処理を終了する。転送処理済みの映像データか否かは、転送機器IDが付加してあるか否かで判定すればよい。ステップS11でYESの場合には、未処理の映像データから、録画開始順など規定の順序で1つ選択する(ステップS12)。ステップS12の後、その映像データに指定された転送機器IDが、ステップS2で得た現在接続中の転送機器IDか否かを判定し(ステップS13)、NOであればステップS11へ戻る。
【0066】
ステップS13でYESであれば、図6の問合せ画面21で例示するように、「番組○○○○(例えば番組「A」)を接続中の携帯端末装置に転送しますか?」などと、出力を行うか否かを問い合わせる画面(問合せのOSD画像)を、表示装置2に出力して表示させ、ユーザによる操作部14からの入力(応答)を待つ(ステップS14)。問合せ画面21には、ユーザ選択可能なように「はい」キー21aと「いいえ」キー21bとが表示されており、ユーザにいずれかを選択させる。転送可否を示すユーザの入力があったとき、その入力を判定する(ステップS15)。
【0067】
転送可のユーザ入力があったとき(ステップS15でYESの場合)には、該当する映像データ(この場合、録画ファイルA 17a)を記憶部16から読み出して通信部15を介して携帯端末装置3の可搬記録媒体30に転送すると共に、その映像データを転送処理済みとし(ステップS16)、ステップS11へ戻る。転送処理済みとするには、その映像データに関連付けられた転送機器IDを消去すればよい。一方、ステップS14で転送可のユーザ入力がなかったとき(ステップS15でNOの場合)には、該当する映像データ(この場合、録画ファイルA 17a)を処理済みとし(ステップS16)、ステップS11へ戻る。
【0068】
また、ステップS14のような問い合わせを行わなくても、事前に映像データを転送するか否かのユーザ設定を行っておき、そのユーザ設定(又はデフォルト設定)に基づき、ステップS15のような判定を行ってもよい。
【0069】
ステップS14〜S16等の処理として説明したように、データ出力部は、出力を実行するか否かをユーザ操作に基づき決定し、実行する旨のユーザ操作が決定時又は事前設定にあるときのみ、出力を行うようにしてもよい。この例では、転送機器IDが示す携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30へのアクセスが可能となった時点での問い合わせについて説明したが、同様に、操作部14での転送機器ID等の識別情報を指定した出力指示があった時点であってもよい。また、識別情報として可搬記録媒体30の識別情報を採用した場合でも同様に適用できる。
【0070】
このような問い合わせ等によるユーザ意志の確認により、接続されうる携帯端末装置3(そこに装着されうる可搬記録媒体30)や接続されうる可搬記録媒体30が複数存在する場合でも、予約記録した映像データを、ユーザが望む携帯端末装置3で使用する可搬記録媒体30又はユーザが望む可搬記録媒体30にだけ、自動的に出力対象として選択することが可能になる。また、自動的な処理であるため、ユーザ自らが録画装置1の出力機能(転送機能)を呼び出す必要もない。
【0071】
次に、本発明の他の転送処理例を、転送処理例(2)として説明する。この転送処理例(2)においても、録画装置1は、記憶部16への予約録画や携帯端末装置3又は可搬記録媒体30とのデータ通信が可能に構成されているものとする。また、転送処理例(1)との相違点を中心に説明するが、本転送処理例(2)においても転送処理例(1)における様々な変更例を同様に適用できる。
【0072】
転送処理例(2)の主たる特徴は、1つの識別情報が1つの携帯端末装置3又は1つの可搬記録媒体30と一対一に対応している場合のみならず、一対複数で対応している場合も含めて取り扱う点にある。より具体的には、本転送処理例では、上述した識別情報は、携帯端末装置3のグループ又は可搬記録媒体30のグループを識別(区別・参照)するためのグループ識別情報である。これらグループは、転送のためのグループであり転送グループと呼べる。グループ識別情報(以下、転送グループIDという)は、1又は複数の携帯端末装置3に共通の識別情報、若しくは1又は複数の可搬記録媒体30に共通の識別情報であると言える。
【0073】
転送処理例(2−1)として、個々の機器の識別情報(携帯端末装置3又は可搬記録媒体30の識別情報)を間接的に使用した転送グループIDを用いる例を説明する。
【0074】
まず、転送処理例(2−1)における転送グループIDの登録例について、図7を参照して説明する。図7は、図1の予約録画管理システムの録画装置で管理される転送ユーザ管理テーブルの他の例を示す図である。ここでは、個々の機器の識別情報として、上述した転送機器ID(携帯端末装置3の機器ID)を適用した例を示す。但し、個々の機器に関する他種の識別情報についても(喩えユーザが設定した識別情報であっても)、上述したように個々に設定後、ここで説明する転送機器IDの代わりに採用することができる。
【0075】
図7で例示する転送ユーザ管理テーブル18bでは、1つの転送機器IDのみに対応する転送グループID「1」〜「4」と、複数の転送機器IDを含むグループの転送グループID「5」,「6」とが、ユーザ選択し易いようなグループ名と共に登録されている。転送グループID「1」,「2」,「3」,「4」には、それぞれ、ID123、ID456、ID789、IDaaaといった転送機器IDが関連付けられ、さらにユーザI、ユーザII、ユーザIII、ユーザIVといったグループ名が関連付けられて登録されている。転送グループID「5」,「6」には、それぞれ、ID456及びIDaaa、ID123及びID789といった転送機器IDが関連付けられ、さらに大人、子供といったグループ名が関連付けられて登録されている。
【0076】
このような登録は、録画装置1に携帯端末装置3が接続されたときに、録画装置1がグループ名の入力又は既存のグループ名からの選択入力をユーザに促して、その入力を得て(或いはグループ名の自動付与を行い)、接続中の携帯端末装置3の機器IDを転送機器IDとしてそのグループ名及び転送グループIDと関連付ければよい。ユーザから新規のグループ名が入力された場合には、転送グループIDを連番等により付せばよい。
【0077】
このようにして、1又は複数の転送機器IDが1つのグループ名及び転送グループIDと関連付けられて転送ユーザ管理テーブル18bに登録された例を挙げて、予約設定部における転送グループIDの設定例について簡単に説明する。
【0078】
転送処理例(2−1)においては、転送グループIDは、予約設定部において、予約情報に関連付けて設定されることになる。つまり、予約設定は、転送処理例(1)における転送機器ID等の機器単独の識別情報の代わりに、転送グループIDを予約情報に関連付けることで行う。ユーザの操作の観点から見ると、録画予約時にユーザ名の代わりにグループ名を入力すればよい。
【0079】
より具体的には、制御部10が、放送番組選択操作を受け付けた後にグループ名を選択するためのOSD画像を表示装置2に表示して、グループ名の選択操作を受け付け、必要に応じて表示装置2に予約確認のためのOSD画像を表示して予約確定操作を受け付ける。なお、グループ名選択のためのOSD画像は放送番組を選択するとプルダウンメニューなどで表示させてもよいし、予約画面を開く前に表示させてもよい。また、上述した転送グループIDの登録を、放送番組選択操作後などにユーザに行わせるようにしてもよい。
【0080】
最後に、制御部10は、転送ユーザ管理テーブル18bを参照して選択操作されたグループ名に対応する転送グループIDを得て、この転送グループIDをこの放送番組選択操作の内容に従った予約情報に関連付け、記憶部16の予約テーブル19に登録する。
【0081】
図8を参照して、予約テーブル19の一例を挙げる。図8は、図1の予約録画管理システムの録画装置で録画予約により生成された予約テーブルの他の例を示す図である。図8で例示する予約テーブル19bでは、チャンネル「7」、放送日時「2009.1.1 0:00〜1:00」、放送番組名「A」といった予約情報に、転送グループID「5」(大人に対応する転送グループID)が関連付けられて登録されている。他の予約情報と転送グループIDについても同様に関連付けられて登録されている。
【0082】
転送処理例(2−1)においても、転送処理例(1)と同様に、登録された予約テーブル19bに基づき制御部10及び録画部11が録画を実行して、記憶部16に映像データを録画ファイルとして保存する。
【0083】
そして、転送処理例(2−1)では、録画開始時又は録画終了時に、制御部10又は録画部11が、録画ファイルにその予約情報に対応する転送グループIDを関連付けて記憶しておく。例えば、放送番組名「A」の予約情報に基づき録画ファイルA(17a)が記憶部16に記憶されるが、その録画ファイルA(17a)には転送グループID「5」が関連付けて記憶される。このような関連付けにより、後述するような特徴をもつデータ出力部において、喩え予約情報を消去した後であっても、転送グループID「5」への出力対象として録画ファイルA(17a)が抽出できるようになる。また、予約情報の設定時に、空の録画ファイルを生成してそれに転送グループIDを関連付けておいてもよい。なお、予約情報や転送グループIDの消去に関しては、予約情報及び転送機器IDの消去に関して説明したものと同様に実行すればよい。
【0084】
また、録画ファイルへの転送グループIDの関連付けは、例えば図8の予約テーブル19bに新たにファイル名の項目を追加しておくことでも実現でき、この場合の予約情報や転送グループIDやファイル名の消去は、後述するような特徴をもつデータ出力部において映像データの出力が完了したときに実行すればよい。
【0085】
転送処理例(2−1)におけるデータ出力部は、予約情報に基づき記録された映像データを、その予約情報に関連付けられた転送グループIDが示す携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30に出力する。転送グループIDが可搬記録媒体30のグループ識別情報である場合には、データ出力部は、その予約情報に関連付けられた転送グループIDが示す可搬記録媒体30に出力すればよい。
【0086】
予約情報に基づき記録された映像データと携帯端末装置3又は可搬記録媒体30の転送グループIDとの照合は、転送機器ID等の識別情報を携帯端末装置3又は可搬記録媒体30から取得し、取得した識別情報を含むような転送グループIDを得ると共に、上述したように映像データに識別情報を付加しておくか、予約情報に映像データのファイル名を関連付けるなどすることで、実現できる。
【0087】
出力のタイミング等については、機器単独の識別情報を予約情報に関連付けた転送処理例(1)と同様に、可搬記録媒体30へのアクセスが可能となった時点であってもよいし、操作部14での転送グループIDを指定した出力指示があった時点であってもよい。従って、転送処理例(2−1)においても、図4及び図5の転送処理例とステップS2,S13を除いて同様の処理例が適用できる。ステップS2では携帯端末装置3の転送グループIDを取得すればよく、ステップS13では、選択された映像データに指定された転送グループIDが現在接続中の転送グループIDかを判定すればよい。また、ステップS11に関し、転送済みの映像データか否かも転送グループIDが付加してあるか否かで判定すればよく、ステップS16,S17に関して映像データを転送処理済みとするにはその映像データに付加された転送グループIDを消去すればよい。また、転送処理例(1)と同様に、操作部14での転送グループIDを指定した出力指示があった時点で問い合わせを行うなどしてもよい。
【0088】
このように、転送処理例(2−1)を採用した録画装置1では、予約設定時に、予約記録した後の映像データの出力先(可搬記録媒体30)を携帯端末装置3又は可搬記録媒体30の転送グループIDで紐付けている。従って、複数人が共有して使用している録画装置1であっても、つまり接続されうる携帯端末装置3や可搬記録媒体30が複数存在する場合でも、予約記録した映像データを、各ユーザが望む携帯端末装置3で使用する可搬記録媒体30にだけ又はユーザが望む可搬記録媒体30にだけ自動的に出力することが可能になる。換言すれば、各ユーザが望む予約記録した映像データだけ、そのユーザが用いる携帯端末装置3に装着の可搬記録媒体30に又はそのユーザが用いる可搬記録媒体30にだけ、自動的に出力することができる。また、自動的な処理であるため、ユーザ自らが録画装置1の出力機能(転送機能)を呼び出す必要もない。
【0089】
次に、転送処理例(2−2)として、個々の機器の識別情報(携帯端末装置3又は可搬記録媒体30単独の識別情報)を間接的にも使用せずに設定した転送グループIDを用いる例を、図9及び図10のフローに従って、説明する。図9は、図1の予約録画管理システムで行う転送処理の他の例を説明するためのフロー図で、図10は、図9の転送処理において録画装置が実行する転送処理メインループの一例を説明するためのフロー図である。
【0090】
転送処理例(2−2)では、録画装置1が携帯端末装置3の可搬記録媒体30にマスストレージモードで接続することを前提に、転送グループIDを可搬記録媒体30に格納した場合について説明する。なお、転送処理例(1)の説明で述べた、ユーザ設定した機器単独の識別情報を可搬記録媒体30に格納した場合の説明についても、ここでの説明における転送グループIDを機器単独の識別情報に読み変えることで援用できる。
【0091】
まず、ユーザが携帯端末装置3を録画装置1に接続する(ステップS21)。その後、自動的に制御部10が、通信部15を介して携帯端末装置3に装着された可搬記録媒体30にマスストレージモードで接続し、可搬記録媒体30に格納された転送用ディレクトリの有無を検出する(ステップS22)。転送用ディレクトリについてはその生成のステップ(ステップS24)で後述する。
【0092】
ステップS22の検出結果から、制御部10が、可搬記録媒体30に転送用ディレクトリが存在するか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23では、転送用ディレクトリが存在してもその転送用ディレクトリから読み取れる録画装置1の機器情報が異なっていれば、録画装置1に対して未登録の状態であり、転送用ディレクトリが存在しないものとして判定する。
【0093】
転送用ディレクトリが存在しないか未登録の場合(ステップS23でNOの場合)には、制御部10は、転送処理開始前にその録画装置1用の転送用ディレクトリを可搬記録媒体30に生成する(ステップS24)。より具体的には、制御部10が、その録画装置1の機器情報を得ると共に、転送グループIDを選択して、その機器情報及び選択した転送グループIDを用いた転送用ディレクトリを可搬記録媒体30に生成する。
【0094】
録画装置1の機器情報としては、携帯端末装置3の識別情報と同様に、自身のMACアドレス、自身のUSB接続部のシリアル番号、ユーザがその録画装置1で設定した情報などが採用でき、いずれも制御部10の内蔵メモリ等に格納しておくなどすればよい。転送グループIDの選択に関しては、制御部10が、転送グループIDを自動付与した結果を転送グループIDの選択結果としてもよいし、ユーザに問い合わせて既存の中から選択又は新規入力させた結果を転送グループIDの選択結果としてもよい。また、ユーザがもつ携帯端末装置3用として、転送グループを新規作成するか、既存の転送グループを用いるかをユーザ選択できるようにしておくことが好ましい。前者をユーザが選択した場合には上述のように転送グループIDを自動付与するかユーザ入力させればよく、後者をユーザが選択した場合には上述のように問い合わせて既存の転送グループIDの中から選択させればよい。
【0095】
また、転送グループIDや録画装置1の機器情報は、この転送用ディレクトリの名称として含めればよい。若しくは、転送用ディレクトリの階層下に、転送グループIDや録画装置1の機器情報を格納した転送グループ情報ファイルを保持させるなどしてもよい。
【0096】
ステップS24に続き、制御部10は、作成された転送用ディレクトリの名称又は転送グループ情報ファイルを読み取って、転送グループIDを得る(ステップS25)。ステップS25に続き、主に制御部10が、図10で説明する転送処理メインループを実行する(ステップS26)。
【0097】
一方、転送用ディレクトリが存在し録画装置1自身の機器情報と一致した場合(ステップS23でYESの場合)には、制御部10は、ステップS24を経ずに、ステップS25へ進み、その転送用ディレクトリの名称又は転送グループ情報ファイルを読み取って転送グループIDを得る。続いて、同様にステップS26の転送処理メインループを実行する。
【0098】
転送処理メインループについては、転送処理例(2−1)について説明したように、図5の転送処理例とステップS13を除いて同様の処理例が適用できる。図5のステップS11〜S17はそれぞれ図10のステップS31〜S37に相当する。図5のステップS13の代わりに、ステップS33では、選択された映像データに指定された転送グループIDが現在接続中の転送グループIDかを判定すればよい。また、ステップS31に関し、転送済みの映像データか否かも例えば転送グループIDが付加してあるか否かで判定すればよく、ステップS36,S37に関して映像データを転送処理済みとするにはその映像データに付加された転送グループIDを消去すればよい。
【0099】
ステップS31〜S37の処理により、転送グループIDが映像データに付加された転送グループIDと一致すれば、転送対象の携帯端末装置3又は可搬記録媒体30であるとみなして、出力を行う。従って、転送処理例(2−2)でも、転送処理例(2−1)と同様の効果が得られる。また、転送処理例(1),(2−1)と同様に、操作部14での転送グループIDを指定した出力指示があった時点で問い合わせを行うなどしてもよい。
【0100】
図9及び図10で説明したように、転送グループIDは、可搬記録媒体30に録画装置1の機器情報と共に記録されていてもよい。その場合、データ出力部は、可搬記録媒体30に記録されている録画装置1の機器情報が録画装置1自身の機器情報と一致する場合にのみ、転送グループIDに基づく映像データの出力を判定するようにすればよい。なお、転送グループIDの代わりに機器単独の識別情報を用いた場合でも同様である。
【0101】
また、ここで説明した転送処理例(2−2)では、映像データに転送グループIDが未設定である場合にも、ユーザにより或る映像データについて転送操作がなされた場合、可搬記録媒体30の転送グループ情報ファイル又は転送用ディレクトリに記載された転送グループIDを当該映像データに設定することで、その後同じ手順で転送が実行できる。
【0102】
以上、転送処理例(2−1),(2−2)で詳述した転送処理例(2)では、録画装置1で番組を予約する際に作成される予約情報には1個以上の転送グループIDが関連付けられるが、転送グループIDを関連付けない予約情報が存在してもよい。但し、できるだけ、過去の予約履歴(タイトルやジャンル)からデフォルト値を推測して、予約情報に自動的に関連付けるかユーザ問い合わせを経て関連付けるとよい。
【0103】
また、転送処理例(2)において、予約設定時に転送グループIDを設定せずに予約録画された映像データや通常録画された映像データについても、例えば可搬記録媒体30へのアクセスが可能となったときなど、後から転送グループIDを設定できるようにしておくか、個別にユーザに転送の可否を確認できるようにしておくことで、転送のための設定のし忘れや変更・追加に対応することができるようになる。このとき、全ての映像データを転送することや全ての映像データを無視して転送しないようにすることを、ユーザ選択できるようにしておいてもよい。上記予約履歴に関連し、ユーザにより転送可と選択された映像データについては、次回以降の同じシリーズ番組の予約情報に、現在接続中の携帯端末装置3又は可搬記録媒体30に対応する転送グループIDをデフォルト値として使用するか否かを問い合わせ、その応答結果を今後録画される予約情報に反映してもよい。
【0104】
また、転送処理例(2)においても、携帯端末装置3で使用可能な可搬記録媒体30についての入出力I/Fである可搬記録媒体駆動装置を録画装置1側にも設け、可搬記録媒体30を持ち運ぶことによりデータの送受を可能に構成することができる。このような構成を採用した場合、転送グループIDは可搬記録媒体30の転送グループIDであるか、或いは携帯端末装置3の転送グループIDであっても可搬記録媒体30に記録されている転送グループIDである必要がある点などは、機器単独の識別情報を採用した転送処理例(1)と同様である。
【0105】
また、転送処理例(2)においても、転送処理例(1)と同様に、携帯端末装置3の転送グループID及び可搬記録媒体30の転送グループIDの双方を予約情報に関連付けて設定しておいてもよい。そして、可搬記録媒体30への映像データの出力を、少なくとも一方が合致したときに実行するようにしてもよいし、双方が合致したときにのみ実行するようにしてもよい。出力は、上述した一方の転送グループIDのみの設定と同様に、録画された映像データ(録画ファイル)に双方の転送グループIDを関連付けておけば予約情報を消去後も実行できる。なお、双方の転送グループIDは互いに区別がつかないようなIDを用いても予約テーブルにおいて携帯端末装置3用と可搬記録媒体30用とで区別して登録しておけば判定可能である。
【0106】
また、転送処理例(2)では転送グループIDを採用している。つまり、予約録画した映像データの出力先として、予約設定時に複数の携帯端末装置3又は可搬記録媒体30を関連付けることができる。この点を考慮して、グループ内の1つでも転送が終了すれば、その映像データを消去するか、或いは図10等で説明したようにその映像データに付加された転送グループIDを消去することで、同グループの他の個体には転送しないよう処理してもよい。これに対し、グループ内の全ての個体に対して転送するよう処理してもよい。例えば、グループ内の個体数を映像データに付加しておき転送の度にカウントダウンしていってもよいし、図7の転送ユーザ管理テーブル18bにおける転送機器IDのようにグループ内の個々の個体の識別情報を映像データに付加しておき、転送が完了した識別情報のみ削除していってもよい。
【0107】
また、転送処理例(1),(2)では、特に記憶部16内に残しておきたい映像データより可搬記録媒体30に出力する映像データのビットレートを下げることを想定していないが、ユーザが下げることを望む場合や携帯端末装置3の再生性能から下げる必要が生じることもある。従って、録画部11は、記憶部16に記録済みの映像データについて、トランスコーダ等でレート変換して記憶部16に再記録ができるように構成することが好ましい。この構成を採用することで、例えば録画ファイルA(17a)を圧縮した圧縮ファイルが記憶部16に記録できる。
【0108】
すなわち、録画装置1は、次の出力用データ生成部を備えることが好ましい。この出力用データ生成部は、記録済みの映像データ(上述の放送番組記録部で記録される放送番組データ)より情報量が少ない(つまりビット数が少ない)出力専用データを生成し、記憶部16に記録する。
【0109】
そして、データ出力部は、上述した映像データの代わりに出力専用データ(勿論このデータも映像データではある)を出力すればよい。そのため、録画時の録画ファイルへの転送機器ID等の識別情報や転送グループIDの関連付けは、録画ファイルそのものではなくこの出力専用データのファイル(圧縮ファイル)に対して行うとよい。
【0110】
また、この出力専用データは、記録済みの映像データから映像解像度を低くするなどしてビットレートを下げた圧縮映像データであり、且つ、携帯端末装置3で再生可能な映像データである。録画時と同様に、携帯端末装置3にフルセグ用チューナが搭載されておらずワンセグチューナのみが搭載されているケースを想定する。この場合、ワンセグチューナの映像解像度、最大フレームレート、最大伝送速度より精細になるように、別途、出力専用データを生成し可搬記録媒体30に出力して記録しておくことで、携帯端末装置3において取得可能なワンセグ映像より綺麗な映像を携帯端末装置3で視聴することができるようになる。例えば、フルセグ用の映像解像度、最大フレームレート、最大伝送速度で規定されるデータとして、出力専用データを生成しておけばよい。
【0111】
この出力用データ生成部は、上述したように、主に制御部10、及びトランスコーダを有する(又はデコーダに加えてエンコーダも有する)録画部11で例示できる。例えば、制御部10の制御により、トランスコーダで録画ファイルA(17a)から圧縮ファイルAを生成して記憶部16に記録する。
【0112】
また、生成した出力専用データを記憶部16に記録する際、再生部で再生不可能な状態で記録することが好ましい。ここで、再生部は、映像出力部13で例示したように、記憶部16に記録された映像データを再生する部位とする。再生不可能な状態で記録するとは、単に、ユーザ操作で再生のための選択ができないように、出力専用データを録画リストに掲示しないようにしておくだけでもよいし、録画リストには掲示するが録画リスト上でユーザ選択不可能にしておくだけでもよい。なお、録画装置1が再生部を具備しない構成においては、録画装置1に外部接続した再生機器からも再生不可能な状態としておけばよい。このように、出力専用データを再生不可能な状態で記録することで、ダビング10といったコピー制限がかかっている場合にも、出力専用データを生成したときにはダビング回数に換算せずに出力(コピー)実行後にはじめてダビング回数にカウントすることができる。
【0113】
出力専用データの生成のタイミングは、可搬記録媒体30にアクセス可能になってから又はユーザによる転送操作を受け付けてから、可搬記録媒体30への出力対象を圧縮対象として出力専用データを生成するようにすればよい。しかし、映像データの生成後、直ぐにその映像データを自動的に圧縮対象として出力専用データを生成しておくことが、アクセス可能になってから又は転送操作を受け付けてから出力の完了までの待ち時間(生成のための待ち時間)を無くすことができるため好ましい。出力専用データ生成中の転送開始の場合にも、少なくとも生成のための待ち時間を減らすことはできる。
【0114】
また、出力用データ生成部で生成する出力専用データの生成元は、記憶部16に記録済みの映像データに限らず、データ出力部で出力対象とできる映像データであればよい。従って、生成元は放送波で受信した映像データであってもよい。すなわち、上述した出力用データ生成部は、映像データの記録時に同時に、情報量を削減した出力専用データも生成し、生成した出力専用データを(好ましくは上記再生部で再生不可能な状態で)記憶部16に記録するように構成してもよい。
【0115】
この出力用データ生成部は、主に制御部10、及びトランスコーダを有する録画部11で例示できる。例えば、制御部10の制御により、録画ファイルA(17a)の記録時に同時に、トランスコーダでそれに対応する圧縮ファイルAも生成して記憶部16に記録する。また、この出力専用データは、同時に記録する映像データより映像解像度を低く設定するなどして低ビットレートの圧縮データであり、且つ、携帯端末装置3で再生可能な映像データである。この例では、出力専用データの生成のタイミングが録画時であるため、アクセス可能になってから又は転送操作を受け付けてから出力完了までの待ち時間(生成のための待ち時間)を無くすことができる。
【0116】
また、転送処理例(1),(2)や出力専用データを出力する例では、録画装置1が、携帯端末装置3で使用可能な可搬記録媒体30に映像データを出力することを前提として説明した。一方で、携帯端末装置3に内蔵された内部記録媒体に映像データを出力するように構成することもできる。そのような構成例の場合、録画装置1が機器の特定のために参照する機器単独の識別情報又は転送グループIDは、携帯端末装置3の機器単独の識別情報又は転送グループIDとなる。これは、機器単独の識別情報又は転送グループIDが、携帯端末装置3の内部記録媒体と携帯端末装置3とで基本的に同じものを指すためである。但し、この構成例は、当然ではあるが、可搬記録媒体30に特有の例(録画装置1に直接可搬記録媒体30を装着する例など)は採用できない。
【0117】
また、転送処理例(1),(2)や出力専用データを出力する例や携帯端末装置3内蔵の内部記録媒体に映像データを出力する例では、録画装置1が、出力対象の映像データとして、放送受信部で受信した映像データ又はその出力専用データを出力することを前提に説明した。しかし、放送受信部以外のコンテンツ入力部(例えば図1の映像入力部12がチューナを含まない場合)であっても、本発明は適用できる。例えば、(A)他のチューナ機器から外部入力された映像データ、(B)他の録画装置等からダビング用に入力された映像データ、(C)ネットワーク経由でサーバ装置等からダウンロード用に入力された又はストリーム配信された映像データなど、放送以外の経路から入力したコンテンツデータを出力対象としてもよいし、そのコンテンツデータの出力専用データを出力対象としてもよい。
【0118】
上記(A)の場合には、予約設定部における予約操作を、上記他のチューナ機器での受信予約操作を伴うように行えば済む。上記(B)の場合には、直ぐにダビングは完了しないことから、他の録画装置等からダビングする操作を予約設定部における予約操作として取り扱えばよい。また、ダビングを日時指定で予約する予約操作や録画装置の稼働状況が空いているときに実行する予約操作を、予約設定部における予約操作として取り扱ってもよい。上記(C)の場合には、ダウンロードやストリーム受信についても受信は直ぐには完了しないことから、ダウンロードやストリーム受信の対象となるコンテンツを選択する操作を予約設定部における予約操作として取り扱えばよい。また、上記(C)の場合にも、ダウンロードやストリーム受信を日時指定で予約する予約操作や録画装置の稼働状況が空いているときに実行する予約操作を、予約設定部における予約操作として取り扱ってもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…録画装置、2…表示装置、3…携帯端末装置、10…制御部、11…録画部、12…映像入力部、13…映像出力部、14…操作部、15…通信部、16…記憶部、17a,17b,17c…録画ファイル、18,18a,18b…転送ユーザ管理テーブル、19,19a,19b…予約テーブル、30…可搬記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを入力するコンテンツ入力部と、該コンテンツ入力部で入力した番組データを記録するコンテンツ記録部と、該コンテンツ記録部でのコンテンツデータの記録を予約するための予約操作をユーザから受け付け、該予約操作に応じた予約情報を設定する予約設定部と、前記コンテンツ記録部に記録されたコンテンツデータを携帯端末装置に装着可能な又は装着された可搬記録媒体に出力するデータ出力部と、を備えた記録装置であって、
前記予約設定部は、前記予約情報に、前記可搬記録媒体又は前記携帯端末装置を識別するための識別情報を関連付けて設定し、
前記データ出力部は、前記コンテンツ記録部で前記予約情報に基づき記録されたコンテンツデータを、前記予約情報に関連付けられた前記識別情報が示す前記可搬記録媒体に、又は前記予約情報に関連付けられた前記識別情報が示す前記携帯端末装置に装着された可搬記録媒体に、出力することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記識別情報は、前記可搬記録媒体のグループ又は前記携帯端末装置のグループを識別するためのグループ識別情報であることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録装置において、前記データ出力部は、前記出力を実行するか否かを、ユーザ操作に基づき決定することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記コンテンツ記録部で記録されるコンテンツデータより情報量が少ない出力専用データを生成する出力用データ生成部を、さらに備え、
前記データ出力部は、前記コンテンツデータの代わりに前記出力専用データを出力することを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−263276(P2010−263276A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110492(P2009−110492)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】