説明

記録装置

【課題】搬送部材の表面に異物が残存するのを抑制する。
【解決手段】プリンタは、搬送ベルトの表面にメインワイパの先端を接触させ、メインワイパと表面とを相対的に搬送方向に移動させて当該表面上の異物を払拭する第1ワイピング動作(ステップ4)を行う。そして、メインワイパが表面から離隔された後、サブワイパの先端を搬送ベルトの表面に接触させ、サブワイパを表面に対して搬送方向と直交する方向に移動させる第2ワイピング動作(ステップ5)を行って、メインワイパを搬送ベルトの表面から離隔したときに当該表面に残留する異物を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送ベルトの表面に付着したインクを拭き取るためのブレードを含むクリーニング装置について記載されている。このクリーニング装置のブレードは、揺動可能に支持されたブレード支持部材に固定されており、搬送ベルトの表面と離接可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−136533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のクリーニング装置においては、搬送ベルトの表面に付着したインクをブレードで拭き取った後、当該ブレードを搬送ベルトの表面から離隔したときに、ブレードで拭き取りきれないインクが搬送ベルトの表面に残存する。この結果、搬送ベルトで記録媒体を搬送する際に、残存したインクが記録媒体に付着し記録媒体を汚すという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、搬送部材の表面に異物が残存しにくくなる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、記録媒体に液体を吐出して画像を記録する記録ヘッドと、表面が前記記録ヘッドに対向して配置され、前記表面が記録媒体を支持しつつ搬送方向に移動することにより、前記搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部材と、先端が前記表面に対して離接可能に配置された第1及び第2ワイパと、前記表面から離隔した位置にある前記第1ワイパの前記先端を前記表面に接触させ、前記第1ワイパと前記表面とを相対的に前記搬送方向に移動させて前記表面上の異物を払拭する第1ワイピング動作を行うように、前記第1ワイパ及び前記搬送部材のうちの少なくともいずれか一方を駆動する第1ワイピング駆動手段と、前記表面から離隔した位置にある前記第2ワイパの前記先端を前記表面に接触させ、前記第2ワイパを前記表面に対して前記搬送方向と交差する方向に移動させて前記表面上の異物を払拭する第2ワイピング動作を行うように、前記第2ワイパを移動させる第2ワイピング駆動手段と、前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御する制御手段とを備えている。そして、前記制御手段は、前記第1ワイピング動作と、前記第1ワイピング動作が行われ前記第1ワイパを前記表面から離隔したときに当該表面に残留する異物を払拭するように行う前記第2ワイピング動作とを含む第1クリーニングシーケンスが実行されるように、前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御する。
【0007】
これによると、第1ワイピング動作後に搬送部材の表面に残留した異物を第2ワイピング動作で表面から除去することが可能になる。このため、搬送部材の表面に異物が残存しにくくなる。この結果、搬送部材で記録媒体を搬送するときに、記録媒体の搬送部材と対向する面に異物が付着しにくくなり、記録媒体が汚れにくくなる。
【0008】
本発明において、前記搬送方向に関して、前記表面に付着した異物の付着領域の長さが前記第2ワイパの長さ以上の場合に前記第1クリーニングシーケンスを実行すると判定し、前記付着領域の長さが前記第2ワイパの長さ未満の場合に第2クリーニングシーケンスを実行すると判定する判定手段とをさらに備えている。そして、前記制御手段は、前記判定手段が前記第1クリーニングシーケンスを実行すると判定したときに、前記第1クリーニングシーケンスが行われるように前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御し、前記判定手段が前記第2クリーニングシーケンスを実行すると判定したときに、前記第1ワイピング動作を行わずに前記表面上の異物を払拭するように行う前記第2ワイピング動作を行う前記第2クリーニングシーケンスが実行されるように前記第2ワイピング駆動手段を制御することが好ましい。これにより、表面に付着した異物の搬送方向に関する長さに応じて、第1及び第2クリーニングシーケンスのいずれかを実行することができ、クリーニングシーケンスに要するメンテナンス時間を効果的に短くすることができる。なお、本発明において判定手段は、表面に付着した異物の搬送方向に関する長さを実測して、表面に付着した異物の搬送方向に関する長さが第2ワイパの長さ以上であるか第2ワイパの長さ以下であるかを判断する態様と、液体を搬送部材に付着させる動作の種類から、表面に付着した異物の搬送方向に関する長さが第2ワイパの長さ以上であるか第2ワイパの長さ以下であるかを推測する態様との、いずれをも含むものである。
【0009】
また、本発明において、前記判定手段は、前記記録ヘッドから前記表面に所定量以下の液体が吐出された場合のみ、前記第2クリーニングシーケンスを実行すると判定することが好ましい。これにより、記録ヘッドから表面に所定量以下の液体が吐出されると第2クリーニングシーケンスが実行されるので、表面から確実に液体を含む異物を除去することが可能となる。
【0010】
また、本発明において、前記第2ワイピング動作における前記第2ワイパの前記表面に対する押圧力が、前記第1ワイピング動作における前記第1ワイパの前記表面に対する押圧力よりも小さいことが好ましい。これにより、押圧力の大きな第1ワイパで液体を確実に狭い範囲に集めることができると共に、押圧力の小さな第2ワイパで搬送部材をずらすことなく狭い範囲に集められた液体を払拭することができる。なお、第2ワイパの払拭能力は第1ワイパよりも小さいが、狭い範囲に集められた液体に多少の拭き残しが生じても支障がほとんどない。
【0011】
また、本発明において、前記搬送部材の前記表面には、前記第1ワイパを前記表面から離隔させる位置であって、前記搬送方向と交差する方向に延在し前記表面の他の領域よりも撥液性が高い撥液領域が形成されており、前記制御手段は、前記第2ワイピング動作において、前記第2ワイパが前記撥液領域上に付着した異物を払拭するように、前記第2ワイピング駆動手段を制御することが好ましい。これにより、撥液領域上の異物は押圧力の小さい第2ワイパでも容易に除去することが可能となる。このため、表面上に異物が残存しにくくなる。
【0012】
また、本発明において、前記搬送部材の前記表面に記録媒体を静電吸着させる吸着手段を有しており、前記制御手段は、前記搬送方向に関して前記表面の記録媒体の長さよりも短い所定の範囲内において、前記第1ワイパを前記表面から離隔させるように前記第1ワイピング駆動手段を制御することが好ましい。これにより、第1ワイパを表面から離隔させたときに残存した異物を第2ワイパで払拭したときに異物が多少残存することにより所定の範囲において吸着手段による記録媒体に対する吸着力が低下しても、この所定の範囲は記録媒体よりも狭いので、表面全体としての記録媒体に対する吸着力の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の記録装置によると、第1ワイピング動作後に搬送部材の表面に残留した異物を第2ワイピング動作で表面から除去することが可能になる。このため、搬送部材の表面に異物が残存しにくくなる。この結果、搬送部材で記録媒体を搬送するときに、記録媒体の搬送部材と対向する面に異物が付着しにくくなり、記録媒体が汚れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す搬送ユニットの概略平面図である。
【図3】図2に示す搬送ユニットにおいて形成される電気回路図である。
【図4】図1に示すメンテナンスユニットの概略斜視図である。
【図5】サブワイパの動作を説明するための説明図である。
【図6】プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示す制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】プリンタの制御装置が実行するメンテナンスの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
先ず、図1を参照し、本発明に係る記録装置の一実施形態としてのインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
【0017】
プリンタ1は、直方体形状の筐体1aを有する。筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。筐体1aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分されている。空間A,Bには、排紙部31に連なる用紙搬送経路が形成されている。空間Cには、インクジェットヘッド10に対するインク供給源としてのカートリッジ39が収容されている。
【0018】
空間Aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのヘッド10、用紙Pを搬送方向(図1中左から右に向かう方向)に搬送する搬送ユニット21、搬送ユニット21の下端近傍に設けられたメンテナンスユニット60、用紙Pをガイドするガイドユニット等が配置されている。空間Aには、プリンタ1の各部の動作を制御してプリンタ1全体の動作を司る制御装置(制御手段)1pが配置されている。
【0019】
制御装置1pは、外部装置から供給された画像データに基づいて、記録動作(プリンタ1の各部による用紙Pの搬送動作、用紙Pの搬送に同期したインクの吐出動作等)を制御する。制御装置1pは、ワイピング指令に基づいて、搬送ユニット21及びメンテナンスユニット60の駆動を制御し、メンテナンスを行う。ここで、メンテナンスとは、搬送ベルト8の表面8a上の異物(インク、紙粉等)を除去するワイピングを含む、一連の動作をいう。メンテナンスの具体的な内容については、図8を参照して後述する。
【0020】
搬送ユニット21は、ベルトローラ6,7、両ローラ6,7間に巻回されたエンドレスの搬送ベルト8、搬送ベルト8の外側に配置されたニップローラ4及び剥離プレート5、搬送ベルト8の内側に配置された吸着プラテン22等を有する。ベルトローラ7は、駆動ローラであって制御装置1pによって駆動された搬送モータ121(図6参照)によって回転し、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ7の回転に伴い、搬送ベルト8が図1中の太矢印方向に走行する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、搬送ベルト8が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。
【0021】
搬送ベルト8は、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂からなり、10〜1014Ωcm程度の体積抵抗率及び可撓性を有しているが、同様の体積抵抗率及び可撓性を有することが可能であれば、どのような材質であってもよい。また、搬送ベルト8の表面8aには、図2に示すように、主走査方向に延在した撥液領域8bが形成されている。撥液領域8bは、フッ素樹脂やシリコン撥水剤などによる撥液コーティングが施され、表面8aの他の領域よりも撥液性が高くなっている。なお、搬送ベルト8をフッ素樹脂により形成する場合には、撥液領域8bは、搬送ベルト8のフッ素樹脂のフッ素含有量よりも高いフッ素含有量のフッ素樹脂によってコーティングを施す。また、撥液領域8bは、搬送ベルト8の全幅に亘って形成されている。また、撥液領域8bは、副走査方向に関して、用紙P及び後述のサブワイパ51よりも短く形成されている。
【0022】
ここで、副走査方向とは、搬送ユニット21による用紙Pの搬送方向に平行な方向であり、主走査方向とは、水平面に平行且つ副走査方向に直交する方向である。
【0023】
吸着プラテン22は、図1及び図2に示すように、絶縁材料から構成された板状のベース部材32と、ベース部材32の上面32aに接着された2つの電極33,34と、これら電極33,34全体を覆うように上面32aに接着された保護フィルム23とを含んでおり、搬送ベルト8を挟んで4つのヘッド10に対向配置され、搬送ベルト8の上側ループを内側から支えている。これら電極33,34は、副走査方向(搬送方向)に沿って延在する複数の長尺部33a,34aを有し、これら長尺部33a,34aが主走査方向に交互に配置された櫛歯形状となっている。また、電極33,34は、筐体1a内に設けられた電源36(図6参照)に接続されている。なお、電源36は、制御装置1pにより制御される。これら吸着プラテン22及び電源36によって、搬送ベルト8の表面8aに用紙Pを吸着させる吸着手段が構成されている。
【0024】
保護フィルム23は、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂からなり、10〜1014Ωcm程度の体積抵抗率を有しているが、同様の体積抵抗率を有することが可能であれば、どのような材質であってもよい。
【0025】
ニップローラ4は、吸着プラテン22の上流端であって、電極33,34の長尺部33a,34aと対向する位置に配置されている。ニップローラ4は、給紙ユニット1bから送り出されてきた用紙Pを搬送ベルト8の表面8aに押さえ付ける。
【0026】
この構成において、制御装置1pの制御により、ベルトローラ7を図1中時計回りに回転させることによって、搬送ベルト8が回転する。このとき、搬送ベルト8の回転に伴ってベルトローラ6及びニップローラ4も回転する。また、このとき、制御装置1pの制御により、2つの電極33,34に互いに異なる電位(電極33は正又は負の電位、電極34はグランド電位)が印加される。
【0027】
つまり、電極33,34間に電圧を印加すると、搬送ベルト8や用紙Pを介して電極33,34間に電流が流れる。図3は、電極33,34間に電圧Vを印加した際に形成される電気回路を示している。なお、図3に示す電気回路は、本実施形態を電気的な構成として理想化した場合に想定される単なる一モデルである。
【0028】
この電気回路は、電極33→搬送ベルト8→用紙P→搬送ベルト8→電極34の経路を含んでいる。図3のRk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、この経路に沿った各部分の電気抵抗を表している。具体的には、Rk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、電極33,34と搬送ベルト8との間の保護フィルム23の電気抵抗、保護フィルム23と搬送ベルト8との間隙の電気抵抗、搬送ベルト8の電気抵抗、搬送ベルト8と用紙Pの間隙の電気抵抗、並びに、用紙P中の電気抵抗にそれぞれ対応している。
【0029】
また、この電気回路は、上記の経路に並列に接続された迂回経路を含んでおり、RkmやRbmはこれらの迂回経路の電気抵抗を示している。具体的には、Rkmは、電極33,34を保護フィルム23のみを介して直接結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。Rbmは、電極33側と電極34側とを用紙Pを介さず搬送ベルト8を介して結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。
【0030】
また、電極33,34間に電圧を印加した場合、上記の各部材や間隙には電荷が溜まり、これによって図3に示すように各電気抵抗に並列に接続されたコンデンサが形成される。このコンデンサを充電する微小な電流が用紙Pと搬送ベルト8との間隙に流れる際に、この間隙に電界が発生する。これにより、用紙Pと搬送ベルト8との間にジョンセン・ラーベック力(吸着力)が発生する。この吸着力により、搬送ベルト8上の用紙Pが表面8aに静電吸着される。
【0031】
こうして、給紙ユニット1bから送り出された用紙Pが、吸着プラテン22による吸着力によって表面8aに吸着されながら搬送方向に搬送される。さらにこのとき、搬送ベルト8の表面8a上に吸着されつつ搬送されてきた用紙Pが4つのインクジェットヘッド10のすぐ下方(吐出面10aと対向する領域)を順に通過する際に、制御装置1pが各インクジェットヘッド10を制御し、用紙Pに向けて各色のインクを吐出する。こうして、用紙Pに所望のカラー画像が形成される。剥離プレート5は、ベルトローラ7に対向配置され、用紙Pを表面8aから剥離し、さらに搬送方向下流側へと導く。
【0032】
メンテナンスユニット60は、メインワイパ41、サブワイパ51、ワイパクリーナー45等を含む。メンテナンスユニット60の各部は、搬送ベルト8の下側ループに対向した位置に配置されている。搬送ベルト8の内側であって、搬送ベルト8を挟んでワイパ41,51と対向する位置に、搬送ベルト8の下側ループを内側から支えるプラテン9が配置されている。プラテン9の存在により、各ワイパ41,51が異物除去を行う際、ワイパ41,51による押圧力で搬送ベルト8が撓むのが防止され、ワイピング性能が効果的に確保される。メンテナンスユニット60のより具体的な構成については、図4及び図5を参照して後述する。
【0033】
各ヘッド10は、図1に示すように、主走査方向に長尺な略直方体形状を有するライン式のヘッドである。各ヘッド10の下面は、多数の吐出口が開口した吐出面10aである。記録(画像形成)に際して、4つのヘッド10の吐出面10aからそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのインクが吐出される。ヘッド10は、副走査方向に所定ピッチで並び、ヘッドホルダ3を介して筐体1aに支持されている。ヘッドホルダ3は、吐出面10aが搬送ベルト8の上側ループの表面8aに対向し、且つ、吐出面10aと表面8aとの間に記録に適した所定の間隙が形成されるように、ヘッド10を保持している。
【0034】
ガイドユニットは、搬送ユニット21を挟んで配置された、上流側ガイド部及び下流側ガイド部を含む。上流側ガイド部は、2つのガイド27a,27b及び一対の送りローラ26を有する。当該ガイド部は、給紙ユニット1b(後述)と搬送ユニット21とを繋ぐ。下流側ガイド部は、2つのガイド29a,29b及び二対の送りローラ28を有する。当該ガイド部は、搬送ユニット21と排紙部31とを繋ぐ。
【0035】
空間Bには、給紙ユニット1bが筐体1aに対して着脱可能に配置されている。給紙ユニット1bは、給紙トレイ24及び給紙ローラ25を有する。給紙トレイ24は、上方に開口した箱体であり、複数種類のサイズの用紙Pを収納可能である。給紙ローラ25は、給紙トレイ24内で最も上方にある用紙Pを送り出し、上流側ガイド部に供給する。
【0036】
上述したように、空間A,Bに、給紙ユニット1bから搬送ユニット21を介して排紙部31に至る用紙搬送経路が形成されている。外部装置から受信した記録指令に基づいて、制御装置1pは、給紙ローラ25用の給紙モータ125(図6参照)、各ガイド部の送りローラ用の送りモータ127(図6参照)、搬送モータ121(図6参照)等を駆動する。給紙トレイ24から送り出された用紙Pは、送りローラ26によって、搬送ユニット21に供給される。このとき、上述のように制御装置1pは電源36を制御して搬送ベルト8上に搬送されてくる用紙Pを表面8aに吸着する。そして、用紙Pが各ヘッド10の真下を搬送方向に通過する際、ヘッド10から各色のインクが順に吐出され、用紙P上にカラー画像が形成される。なお、インクの吐出動作は、用紙センサ20からの検出信号に基づいて行われる。用紙Pは、その後、剥離プレート5により剥離され、2つの送りローラ28によって上方に搬送されて、上方の開口30から排紙部31に排出される。
【0037】
空間Cには、カートリッジユニット1cが筐体1aに対して着脱可能に配置されている。カートリッジユニット1cは、トレイ35、及び、トレイ35内に並んで収納された4つのカートリッジ39を有する。カートリッジ39はチューブ(図示せず)を介して対応するヘッド10にインクを供給する。
【0038】
次に、図4及び図5を参照し、メンテナンスユニット60の構成について説明する。メンテナンスユニット60は、図4に示すように、メインワイプ機構40及びサブワイプ機構50を含む。
【0039】
メインワイプ機構40は、メインワイパ41及びワイパクリーナー45を有する。メインワイパ41は、後述の第1ワイピング動作時に用いられる、ゴム等の弾性材料からなる板状部材であり、主走査方向に延在している。メインワイパ41の基端(下端)は、シャフト42の周面に固定されている。シャフト42は、主走査方向に延在し、メインワイパ41と共に主走査方向に沿った軸を中心として回転可能にフレーム62に支持されている。フレーム62は筐体1a(図1参照)に固定されている。
【0040】
メインワイプ機構40は、シャフト42を回転させる構成部材として、モータ41Mの出力軸に固定されたギア43a、ギア43aに噛合したギア43b、及び、ギア43bの回転に伴い回転するウォームギア43cを有する。シャフト42の一端には、ウォームギア43cの周面と噛合したウォームホイール42gが設けられている。モータ41Mの駆動に伴ってギア43a,43b,43cが回転すると、ウォームホイール42gが回転する。これにより、シャフト42が主走査方向に沿った軸を中心として回転し、水平面に対するメインワイパ41の傾斜角度が変化する。
【0041】
メインワイパ41の傾斜角度は、第1ワイピング動作時にメインワイパ41の先端近傍が撓みながら搬送ベルト8の表面8aに接触し、且つ、第1ワイピング動作時以外のときはメインワイパ41の先端が搬送ベルト8の表面8aから離隔するよう、制御装置1pによって制御される。また、メインワイパ41の傾斜角度は、後述のワイパクリーニング時以外のときはメインワイパ41の先端がワイパクリーナー45から離隔するよう、制御装置1pによって制御される。
【0042】
また、メインワイパ41は、主走査方向の長さが搬送ベルト8の幅より若干長く、搬送ベルト8の幅全体に亘って配置されている。つまり、メインワイパ41は、主走査方向の中心が搬送ベルト8の幅方向の中心と一致し且つ平面視において搬送ベルト8の幅方向両側にメインワイパ41が突出するように配置されている。したがって、ワイピング時にメインワイパ41の先端は搬送ベルト8の幅全体に接触する。
【0043】
ワイパクリーナー45は、ワイパクリーニング時に用いられる部材であり、例えばスポンジ等の吸収体からなる。ワイパクリーナー45は、円筒状であり、主走査方向に延在し、シャフト46に軸支されている。シャフト46は、主走査方向に延在し、ワイパクリーナー45と共に主走査方向に沿った軸を中心として回転可能にフレーム62に支持されている。
【0044】
メインワイプ機構40は、シャフト46を回転させる構成部材として、モータ45Mの出力軸に固定されたプーリ47、シャフト46の一端に固定されたプーリ46p、及び、プーリ46pとプーリ47との間に巻回されたベルト48を有する。モータ45Mの駆動に伴ってプーリ47が回転すると、ベルト48が走行し、プーリ46pが回転する。これにより、シャフト46がワイパクリーナー45と共に主走査方向に沿った軸を中心として回転する。
【0045】
サブワイプ機構50は、サブワイパ51及びサブワイパクリーナー55aを有し、搬送ベルト8によって用紙Pが搬送方向に搬送されるときの搬送ベルト8の走行方向に関して、メインワイプ機構40の下流に配置されている。サブワイパ51は、後述の第2ワイピング動作時に用いられる、ゴム等の弾性材料からなる板状部材であり、副走査方向に延在している。サブワイパ51の副走査方向の長さは、撥液領域8bの長さよりも長くなっている。サブワイパ51の基端(下端)は、ワイパサポータ51aに固定されている。ワイパサポータ51aは、副走査方向に延在し、サブワイパ51と共に副走査方向に沿った軸を中心として回転可能且つ主走査方向に移動可能にフレーム62に支持されている。ワイパサポータ51aの副走査方向両端にスライダ52が設けられており、ワイパサポータ51aは副走査方向に沿った軸を中心として回転可能に一対のスライダ52に支持されている。なお、サブワイパ51及びワイパサポータ51aは、図5(a)における時計回り方向に、バネ等の付勢部材(図示せず)により付勢されている。一対のスライダ52は、主走査方向に移動可能に、一対のバー53に支持されている。バー53はそれぞれ主走査方向に延在し、スライダ52に貫挿されている。
【0046】
サブワイプ機構50は、サブワイパ51を主走査方向に移動させる構成部材として、一対のスライダ52のそれぞれに下側ループが固定された一対のベルト54、一対のベルト54がそれぞれ巻回されたプーリ54a1,54a2、一対のベルト54がそれぞれ両端に巻回されたローラ54b、及び、ローラ54bの両端に設けられたプーリ54b1,54b2を有する。さらにサブワイプ機構50は、上記構成部材として、プーリ54b2と一体的に回転するギア54c、及び、ギア54cに噛合し且つモータ59Mの出力軸に固定されたギア54dを有する。モータ59Mの駆動に伴ってギア54c,54dが回転すると、プーリ54b2が回転する。そしてプーリ54b2の回転に伴ってローラ54bが回転し、一対のベルト54が走行する。これにより、スライダ52がワイパサポータ51aを支持しつつ主走査方向に移動する。
【0047】
また、サブワイプ機構50は、サブワイパ51を回転させる構成部材として、ワイパサポータ51aの下方に配置されたプレート58を有する。プレート58は、主走査方向に細長く、水平面に平行に配置された板状部材である。図5(a)に示すように、サブワイパ51が主走査方向に移動する間、ワイパサポータ51aの下端がプレート58の表面に摺接する。
【0048】
プレート58の表面(上面)は、主走査方向両端を除いて、平らである。プレート58の主走査方向一端(ワイピング動作時におけるサブワイパ51の移動方向(図4の矢印方向)上流側の端部)に段差面58a、主走査方向他端に傾斜面58bがそれぞれ設けられている。段差面58aは、プレート58の表面の主走査方向両端以外の部分よりも低い面である。プレート58の表面における段差面58aと段差面58a以外の部分との境界には、凸部58a1が設けられている。
【0049】
サブワイパクリーナー55aは、第2ワイピング動作終了後にサブワイパ51をクリーニングする部材であり、例えばスポンジ等の吸収体からなる。サブワイパクリーナー55aは、円筒状であり、副走査方向に延在し、シャフト55bに軸支されている。シャフト55bは、副走査方向に延在し、サブワイパクリーナー55aと共に副走査方向に沿った軸を中心として回転可能にフレーム62に支持されている。また、サブワイプ機構50は、シャフト55bを回転させる構成部材として、モータ51Mの出力軸に固定されたプーリ57、シャフト55bの一端に固定されたプーリ55a1、及び、プーリ57とプーリ55a1との間に巻回されたベルト56を有する。モータ51Mの駆動に伴ってプーリ57が回転すると、ベルト56が走行し、プーリ55a1が回転する。これにより、シャフト55bがサブワイパクリーナー55aと共に副走査方向に沿った軸を中心として回転する。凸部58a1は、プレート58の表面の主走査方向両端以外の部分よりも上方に突出した位置と、プレート58の表面の主走査方向両端以外の部分と同じ高さになるように没入した位置とに移動可能である。なお、凸部58a1は、上方に向けて付勢されており、外力が加えられない状態においては、プレート58の表面の主走査方向両端以外の部分よりも上方に突出した位置にある。
【0050】
ここで、第2ワイピング動作時におけるサブワイパ51の動作について、説明する。なお、第2ワイピング動作は、サブワイパ51が表面8aに接触しつつ主走査方向に沿って移動し、表面8aから異物を払拭する動作である。
【0051】
サブワイパ51は、第2ワイピング動作時以外のとき、プレート58の主走査方向一端のホームポジションにて、上下方向に関して搬送ベルト8の表面8aに対向しつつ、先端が表面8aに接触しない傾斜角度で静止している。このとき、図5(b)に示すように、ワイパサポータ51aの下端51a1が凸部58a1の段差面58a側の斜面に当接している。
【0052】
第2ワイピング動作時に、モータ59Mの駆動に伴ってスライダ52が主走査方向に移動を開始しようとしたとき、図5(b),(c),(d)に示すように、下端51a1が凸部58a1の上記斜面に当接しながら回転する。これにより、ワイパサポータ51aと共にサブワイパ51が付勢部材による付勢力に抗って副走査方向に沿った軸を中心として回転し、水平面に対するサブワイパ51の傾斜角度が徐々に大きくなるようにθ1からθ3へと変化し、サブワイパ51の先端が搬送ベルト8の表面8aに接触する。スライダ52がさらに主走査方向に移動すると、凸部58a1が下端51a1によって下方に押されて、凸部58a1がプレート58の表面の主走査方向両端以外の部分と同じ高さになるように没入した位置に移動する。そして、スライダ52がさらに主走査方向に移動すると、図5(e)に示すように、下端51a1が凸部58a1を通過し、サブワイパ51は、水平面に対する傾斜角度が最も大きいθ3となる。このときサブワイパ51及びワイパサポータ51aには付勢部材による付勢力(サブワイパ51の傾斜角度がθ3からθ1となる向きの力)が働いているが、下端51a1がプレート58の表面に支持されているため、サブワイパ51の傾斜角度はθ3に維持される。そして、サブワイパ51は、先端を表面8aに接触させつつ、主走査方向に移動する。サブワイパ51がプレート58の主走査方向他端に至り、下端51a1が傾斜面58bに到達したとき、図5(f)に示すように、下端51a1がプレート58の表面(傾斜面58b)から離隔する。これにより、付勢部材の付勢力によりワイパサポータ51aと共にサブワイパ51が副走査方向に沿った軸を中心として回転し、水平面に対するサブワイパ51の傾斜角度がθ3から再びθ1と変化し、サブワイパ51の先端が搬送ベルト8の表面8aから離隔する。なお、サブワイパ51の主走査方向の移動速度は、メインワイパ41によって表面8aを払拭する第1ワイピング動作におけるメインワイパ41と搬送ベルト8との相対移動速度よりも速くなるように設定されている。
【0053】
第2ワイピング動作の終了後、サブワイパ51は、水平面に対する傾斜角度をθ1に維持し、先端が表面8aから離隔した状態で、先端がサブワイパクリーナー55aに当接する位置まで移動される。そして、サブワイパ51の先端がサブワイパクリーナー55aによりクリーニングされた後、図5(g)に示すように、サブワイパ51は、ホームポジションに向けて主走査方向に移動する。ホームポジション近傍において下端51a1が凸部58a1の段差面58aと反対側の斜面に当接して、凸部58a1を下方に移動させつつ凸部58a1を通過した後、サブワイパ51は、水平面に対する傾斜角度をθ1に維持し、先端が表面8aから離隔した状態で、ホームポジションで停止される。
【0054】
傾斜角度θ2,θ3は、サブワイパ51の先端近傍が撓みながら搬送ベルト8の表面8aに接触するように設定されている。また、傾斜角度θ3においては、サブワイパ51の搬送ベルト8の表面8aに対する押圧力が、第1ワイピング動作時におけるメインワイパ41の表面8aに対する押圧力よりも小さくなるように設定されている。具体的には、サブワイパ51の回動中心軸である軸51bと搬送ベルト8の表面8aとの距離が、メインワイパ41の回動中心軸であるシャフト42と搬送ベルト8の表面8aとの距離よりも長くなるように設定されている。なお、サブワイパ51の回動中心軸である軸51bと搬送ベルト8の表面8aとの距離と、メインワイパ41の回動中心軸であるシャフト42と搬送ベルト8の表面8aとの距離とが同じ場合であっても、第2ワイピング動作時におけるサブワイパ51の水平面に対する傾斜角度が、第1ワイピング動作時におけるメインワイパ41の水平面に対する傾斜角度よりも小さくなるように設定されていてもよい。つまり、第1ワイピング動作時におけるメインワイパ41の水平面に対する傾斜角度がθ3よりも大きくなるように設定されていても良い。
【0055】
つまり、サブワイパ51における表面8aから異物を払拭する払拭能力は、メインワイパ41の払拭能力よりも小さくなっている。このようにサブワイパ51による押圧力がメインワイパ41よりも小さくなることで、第2ワイピング動作時において、サブワイパ51と表面8aとの摩擦力が小さくなる。そのため、第2ワイピング動作時において、サブワイパ51の主走査方向の移動に伴って搬送ベルト8が主走査方向に移動する(ズレる)のを抑制することができる。搬送ベルト8が主査方向にズレるのを抑制できるため、搬送ベルトの搬送精度の低下を抑制できる。さらに、押圧力の大きなメインワイパ41で後述するように異物を確実に狭い範囲に集めることができると共に、押圧力の小さなサブワイパ51で搬送ベルト8をずらすことなく狭い範囲に集められた異物を除去することができる。なお、サブワイパ51の押圧力が小さくなっていても、サブワイパ51と搬送ベルト8の表面8aとは接触しているので、表面8aから所望量の異物は除去される。つまり、サブワイパ51によって除去されるのは、メインワイパ41が表面8aから離隔されたときに残存する異物(メインワイパ41によって狭い範囲に集められた異物)であり、さらに、サブワイパ51による拭き残しも僅かであるので支障がほとんどない。ここで、支障とは、表面8aに付着した異物が搬送ベルト8によって搬送される用紙Pの裏面に付着することや、表面8aに付着した異物によって搬送ベルト8の用紙Pに対する吸着力が低下して搬送ベルト8が用紙Pを搬送できなくなることである。
【0056】
また、サブワイパ51を主走査方向に移動させる構成部材(ベルト54等)は、搬送ベルト8の幅全体に亘って配置されている。したがって、サブワイパ51は、第2ワイピング動作時に、先端近傍が撓みながら搬送ベルト8の表面8aに接触した状態で、搬送ベルト8の幅方向一端から他端に亘って移動し、搬送ベルト8の幅全体の異物を除去する。なお、各ワイパ41,51により除去された異物は、各ワイパ41,51の下方にある受け皿(図示せず)により受容される。
【0057】
次に、図6、図7を参照し、プリンタ1の電気的構成について説明する。
【0058】
制御装置1pは、図6に示すように、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)101に加えて、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )104、I/F(Interface)105、I/O(Input/Output Port)106等を有する。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(例えば、用紙Pに記録される画像に係る画像データ)が一時的に記憶される。ASIC104では、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/F105は、外部装置とのデータ送受信を行う。I/O106は、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
【0059】
制御装置1pは、各モータ121,125,127,41M,45M,51M,59M、用紙センサ20、電源36、各ヘッド10の制御基板等に接続されている。また、制御装置1pは、図7に示すように上述のハードウェアによって構築された第1クリーニングシーケンス実行部131、第2クリーニングシーケンス実行部132、及び、判定部134などの機能部を有している。
【0060】
第1クリーニングシーケンス実行部131は、表面8aから離隔した位置にあるメインワイパ41の先端を表面8aに接触させ、メインワイパ41と表面8aとを相対的に搬送方向に移動させて表面8a上の異物を払拭する第1ワイピング動作を行うように、モータ41M及び搬送モータ121を制御する。なお、メインワイパ41を移動させるメインワイプ機構40の一部(モータ41Mを含む)と、搬送ベルト8を走行させる搬送ユニット21の一部(搬送モータ121を含む)とによって第1ワイピング駆動手段が構成されている。
【0061】
第2クリーニングシーケンス実行部132は、表面8aから離隔した位置にあるサブワイパ51の先端を表面8aに接触させ、サブワイパ51と表面8aとを相対的に主走査方向に移動させて表面8a上の異物を払拭する第2ワイピング動作を行うように、モータ59Mを制御する。なお、サブワイパ51を移動させるサブワイプ機構50の一部(モータ59Mを含む)によって第2ワイピング駆動手段が構成されている。
【0062】
判定部134は、副走査方向(搬送方向)に関して、表面8aに付着した異物の付着領域の長さがサブワイパ51の長さ以上の場合に第1及び第2ワイピング動作を含む第1クリーニングシーケンスを実行すると判定する。なお、判定手段は、表面8aに付着した異物の搬送方向に関する長さを実測して、表面8aに付着した異物の搬送方向に関する長さがサブワイパ51の長さ以上であるかサブワイパ51の長さ以下であるかを判断する第1の態様と、インクを搬送ベルト8に付着させる動作の種類から、表面8aに付着した異物の搬送方向に関する長さがサブワイパ51の長さ以上であるかサブワイパ51の長さ以下であるかを推測する第2の態様との、いずれをも含むものである。第1の態様は、搬送方向に関して表面8aに付着した異物の付着領域の長さを実測する手段(例えば画像センサ)をプリンタに設ける。判定部134は当該測定手段によって実測された付着領域の長さとサブワイパ51の長さとを比較する。判定部134は、当該測定手段からの信号に基づいて、表面8aに付着した異物の搬送方向に関する長さがサブワイパ51の長さ以上であるかサブワイパ51の長さ以下であるかを判断する。第2の態様は、インクを搬送ベルトに付着させる動作の種類(例えば、ジャムが発生したときや、パージ、予備吐出)に基づいて、表面8aに付着した異物の搬送方向に関する長さがサブワイパ51以上であるかサブワイパ51以下であるかを推測する。以下の説明においては、上記第2の態様について詳細に説明する。
【0063】
判定部134は、搬送ベルト8の表面8aに向けてパージ(ポンプの駆動によりヘッド10内のインクに圧力を付与して全吐出口からインクを吐出させる動作)が行われた後、及び、用紙Pの詰まり(ジャム)が生じた場合に、表面8aに付着した異物の付着領域の長さがサブワイパ51の長さ以上であると推測し、第1クリーニングシーケンスを実行すると判定する。搬送ベルト8の表面8aに向けてパージが行われる場合には、表面8aには多量の異物が付着しており、異物の付着領域の長さはサブワイパ51の長さ以上であると推測されるためである。また、ジャムが生じた場合は、用紙Pが搬送されていないにも関わらず、ヘッド10からインクが吐出され、表面8aにはサブワイパ51の長さ以上に亘って異物が付着していると推測されるためである。なお、第1クリーニングシーケンスとは、上述の第1ワイピング動作を行い、その後、メインワイパ41を表面8aから離隔したときに表面8aに残留する異物を払拭するように上述の第2ワイピング動作を行うことをいう。
【0064】
一方、判定部134は、副走査方向に関する付着領域の長さがサブワイパ51の長さ未満と推測される場合に第2クリーニングシーケンスを実行すると判定する。具体的には、判定部134は、予備吐出(画像データとは異なる予備吐出データに基づくヘッド10のアクチュエータの駆動により吐出口からインク吐出させる動作)が行われた場合に、表面8aに付着した異物の付着領域の長さがサブワイパ51の長さ未満であると推測する。本実施形態における予備吐出は、撥液領域8b内に行われるように制御されるため、異物の付着領域の長さがサブワイパ51よりも短くなると推測されるためである。なお、判定部134は、予備吐出であってヘッド10から表面8aに所定量以上のインクが吐出された場合には、第1クリーニングシーケンスを実行する。ここで、所定量以上とは、サブワイパ51の長さ未満の領域に付着した異物をサブワイパ51で払拭した場合に、サブワイパ51で払拭しきれずに表面8a上に異物が残存する量である。つまり、判定部134は、ヘッド10から表面8aに所定量以下のインクが吐出された場合、すなわち、サブワイパ51で異物が払拭可能な場合にのみ第2クリーニングシーケンスを実行すると判定する。なお、第2クリーニングシーケンスとは、第1ワイピング動作を行わずに撥液領域8b上の異物を払拭するように上述の第2ワイピング動作を行うことをいう。
【0065】
次に、図8を参照し、制御装置1pが実行するメンテナンスの内容について説明する。以下の各処理は、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、CPU101が実行する。
【0066】
制御装置1pは、図8に示すように、先ず、ワイピング指令の受信の有無を判断する(ステップ1:S1)。ワイピング指令は、例えば、プリンタ1の電源投入後、搬送ベルト8の表面8aに向けてパージや予備吐出が行われた後、及び、ジャムが生じた時等に受信される。
【0067】
制御装置1pは、ステップ1において、ワイピング指令を受信しなければ(NO)、待機状態を継続する。制御装置1pは、ステップ1において、ワイピング指令を受信すると(YES)、ステップ2(S2)に進む。ステップ2においては、判定部134が第1クリーニングシーケンスを実行するか否かを判定する。つまり、パージが行われた時やジャムが生じた時に、判定部134が第1クリーニングシーケンスを実行する(YES)と判定しステップ3(S3)に進み、予備吐出であって吐出されたインクの量が所定量以下の予備吐出が行われた時に、判定部134が第1ワイピング動作を行わない第2クリーニングシーケンスを実行(NO)と判定しステップ6(S6)に進む。なお、判定部134は、パージが行われた時や、ジャムが生じた場合であっても、ヘッド10から吐出されたインクの量が所定量以下であって、付着領域の長さがサブワイパ51の長さ未満と推測される場合には、第2クリーニングシーケンスを実行するようにしても良い。例えば、ジャムが生じた場合には、画像データに基づいて判断する。
【0068】
ステップ3において、制御装置1pは、搬送ベルト8が停止した状態でモータ41Mを駆動し、メインワイパ41を主走査方向に沿った軸を中心として図1中時計回りに一回転させる。この回転の際、メインワイパ41の先端は、撓みながらワイパクリーナー45の周面に接触する。このとき、メインワイパ41の先端に付着した異物がワイパクリーナー45に付着し、メインワイパ41の先端から除去される(ワイパクリーニング)。
【0069】
なお、制御装置1pは、1又は数回のワイパクリーニング(S3)の完了の度に、ワイパクリーナー45を360度より小さい所定角度だけ回転させる。これにより、ワイパクリーニング時にメインワイパ41の先端が接触するワイパクリーナー45の部分が変化し、メインワイパ41の先端に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0070】
次に、ステップ4(S4)において、第1クリーニングシーケンス実行部131は、先ず、搬送モータ121の駆動により搬送ベルト8を走行させ、撥液領域8bとメインワイパ41とが対向する位置、より詳細には、撥液領域8b内の特定部位とメインワイパ41の先端とが対向するタイミングで搬送モータ121の駆動を停止する。ここで、特定部位とは、副走査方向に関して撥液領域8bの中心である。そして、第1クリーニングシーケンス実行部131は、モータ41Mを駆動し、メインワイパ41を主走査方向に沿った軸を中心として若干回転させ、搬送ベルト8の表面8aから離隔した位置にあるメインワイパ41の先端を撥液領域8bに接触させる。第1クリーニングシーケンス実行部131は、メインワイパ41の先端が撓みながら表面8aに接触したタイミングで、モータ41Mの駆動を停止する。そして、第1クリーニングシーケンス実行部131は、再び搬送モータ121を駆動して搬送ベルト8を1又は数周走行させる。これにより、搬送ベルト8の表面8a上の異物が、メインワイパ41によって表面8aの狭い範囲に集められながら除去されていく(第1ワイピング動作)。第1クリーニングシーケンス実行部131は、搬送ベルト8が1又は数周走行した後、メインワイパ41の先端が撥液領域8bの特定部位と接触している時に搬送モータ121の駆動を停止する。そして、搬送ベルト8が停止した状態で、モータ41Mを駆動し、メインワイパ41を主走査方向に沿った軸を中心として若干回転させ、メインワイパ41の先端を撥液領域8bの特定部位から離隔させる。なお、本実施形態においては、第1ワイピング動作を行ってから撥液領域8bに接触したメインワイパ41を離隔させる位置は、常に撥液領域8bの特定部位となっている。
【0071】
次に、ステップ5(S5)において、第2クリーニングシーケンス実行部132は、搬送モータ121の駆動により搬送ベルト8を走行させ、撥液領域8bとサブワイパ51とが対向する位置、すなわち、撥液領域8bがサブワイパ51の上方に配置されたタイミングで搬送モータ121の駆動を停止する。このとき、副走査方向に関して、サブワイパ51の中心と撥液領域8bの中心とがちょうど重なるときに、搬送ベルト8の走行が停止される。これにより、サブワイパ51が主走査方向に移動することで、撥液領域8bの全体をサブワイパ51で払拭することが可能となる。
【0072】
そして、第2クリーニングシーケンス実行部132は、モータ59Mを正方向に駆動する。これにより、搬送ベルト8の表面8aから離隔した位置にあるサブワイパ51の先端が表面8a(撥液領域8b)に接触し、さらにサブワイパ51がホームポジションから主走査方向に移動することで、搬送ベルト8の撥液領域8b上の異物(すなわち、メインワイパ41を表面8a(撥液領域8b)から離隔させることによって当該表面に残留する異物)がサブワイパ51によって撥液領域8bの狭い範囲に集められながら除去されていく(第2ワイピング動作)。そして、第2クリーニングシーケンス実行部132は、サブワイパ51がプレート58の主走査方向他端に至ったタイミングで、モータ59Mの駆動を一旦停止する。このとき、サブワイパ51の先端は、表面8aから離隔し(図5(f)参照)、且つ、サブワイパクリーナー55aに当接している。その後、第2クリーニングシーケンス実行部132は、モータ59Mを逆方向に駆動し、サブワイパ51を主走査方向に逆向き(異物除去時におけるサブワイパ51の移動方向(図4の矢印方向)とは逆の方向)に移動させ(図5(g)参照)、サブワイパ51がホームポジションに至ったタイミングで、モータ59Mの駆動を停止する。こうして、第1及び第2ワイピング動作が終了する。
【0073】
一方、ステップ2からステップ6に進んだときは、ステップ6において、第2クリーニングシーケンス実行部132が、搬送モータ121の駆動により搬送ベルト8を走行させ、ステップ5と同様に、サブワイパ51の中心と撥液領域8bの中心とがちょうど重なるタイミングで搬送モータ121の駆動を停止する。そして、第2クリーニングシーケンス実行部132は、モータ59Mを正方向に駆動する。これにより、搬送ベルト8の表面8aから離隔した位置にあるサブワイパ51の先端が表面8a(撥液領域8b)に接触し、さらにサブワイパ51がホームポジションから主走査方向に移動することで、搬送ベルト8の撥液領域8b上の異物(すなわち、予備吐出で撥液領域8bに付着したインクなどの異物)がサブワイパ51によって撥液領域8bの狭い範囲に集められながら除去されていく(第2クリーニングシーケンス)。つまり、第1ワイピング動作が行われずに撥液領域8bの異物が払拭される(第2ワイピング動作)。そして、第2クリーニングシーケンス実行部132は、サブワイパ51がプレート58の主走査方向他端に至ったタイミングで、モータ59Mの駆動を一旦停止する。このとき、サブワイパ51の先端は、表面8aから離隔し(図5(f)参照)、且つ、サブワイパクリーナー55aに当接している。その後、第2クリーニングシーケンス実行部132は、モータ59Mを逆方向に駆動し、サブワイパ51を主走査方向に逆向き(異物除去時におけるサブワイパ51の移動方向(図4の矢印方向)とは逆の方向)に移動させ(図5(g)参照)、サブワイパ51がホームポジションに至ったタイミングで、モータ59Mの駆動を停止する。こうして、第2クリーニングシーケンスが終了する。
【0074】
以上に述べたように、本実施形態に係るプリンタ1によると、第1ワイピング動作を行った後に第2ワイピング動作が行われる第1クリーニングシーケンスが行われるため、第1ワイピング動作において撥液領域8bに残留した異物が除去される。このため、搬送ベルト8の表面に異物が残存しにくくなる。この結果、搬送ベルト8で用紙Pを搬送するときに、用紙Pの表面8aと対向する面(裏面)に異物が付着しにくくなり、用紙Pが汚れにくくなる。
【0075】
また、制御装置1pが判定部134を有し、当該判定部134の判定に応じて、第1及び第2クリーニングシーケンスのいずれか選択することが可能であるため、ワイピング動作に要するメンテナンス時間を効果的に短くすることができる。つまり、撥液領域8bに予備吐出が行われた場合においては、第2ワイピング動作だけを行うこと(第2クリーニングシーケンス)が可能となり、第1及び第2ワイピング動作を行う第1クリーニングシーケンスのメンテナンス時間よりも短くすることができる。
【0076】
また、判定部134が、所定量以下のインクが吐出される場合にのみ第2クリーニングシーケンスを実行と判定するので、表面8aから確実にインクを含む異物を除去することができる。
【0077】
また、搬送ベルト8の表面8aに撥液領域8bが形成されているため、第2クリーニングシーケンス実行部132が、押圧力の小さいサブワイパ51で撥液領域8b上に残留した異物を払拭させても、撥液領域8bから容易に異物を除去することが可能となる。このため、表面8a上に異物が残存しにくくなる。また、撥液領域8bが形成されていることで、第2ワイピング動作時におけるサブワイパ51の移動速度が、第1ワイピング動作時におけるメインワイパ41と搬送ベルト8との相対移動速度よりも速くサブワイパ51によるワイピング性能が低下しても、撥液領域8b上に異物が残存しにくくなる。このため、クリーニング性を維持しつつ、メンテナンスに要する時間を短くすることが可能となる。
【0078】
また、第1クリーニングシーケンス実行部131は、第1ワイピング動作が終了し撥液領域8bの特定部位と接触しているときにメインワイパ41を、常に表面8aから離隔させている。つまり、第1クリーニングシーケンス実行部131は、搬送方向に関して、用紙Pの長さよりも狭い撥液領域8b内において、メインワイパ41を表面8aから離隔させている。このため、メインワイパ41を表面8aから離隔させたときに残存した異物をサブワイパ51で払拭したときに異物が多少残存しても、この範囲(撥液領域8b:所定の範囲)が用紙Pよりも狭くなるので、表面8a全体としての用紙Pの吸着力の低下を抑制することができる。搬送ベルト8の表面8aがインクによって濡れていると、電極33,34に電圧を印加したときに、この範囲の表面8a上において電流が流れやすくなって、搬送ベルト8と用紙Pとの吸着力が低下してしまう。しかし、この表面8aの濡れた範囲が用紙Pよりも狭くなるため、当該濡れた範囲を含む表面8a上において、用紙Pを表面8aに吸着させても当該吸着力の低下が抑制することができる。なお、本実施形態においては、メインワイパ41を撥液領域8bの特定部位において表面8aから離隔させているが、表面8a上において、撥液領域8bに代えて用紙Pよりも狭い特定の範囲を決め当該範囲においてメインワイパ41を表面8aから離隔させれば、上述と同様な効果を得ることができる。また、この狭い特定の範囲を、予備吐出を行ったときにインクが付着する範囲に設定してもよい。さらに、当該特定の範囲は、撥液領域8bよりも広くてもよい。また、本実施形態において、撥液領域8bの特定部位は、副走査方向に関して撥液領域の中心であるとしたが、撥駅領域8b内であればどこでも良い。
【0079】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、制御装置1pに判定部134が設けられていたが、これを設けずに各ワイピング指令を受けたときに、第1及び第2ワイピング動作を行う第1クリーニングシーケンスを実行してもよい。こうすれば、制御構成が簡易になる。
【0080】
メインワイパ41は、主及び副走査方向に対して交差した方向に延在していてもよい。また、サブワイパ51は、主及び副走査方向に対して交差した方向に延在していてもよい。また、第2ワイピング動作時において、サブワイパ51は主及び副走査方向に交差した方向に移動してもよい。
【0081】
第1ワイピング動作時において、搬送ベルト8を停止させた状態又は搬送ベルト8を走行させた状態でメインワイパ41を副走査方向に移動させてもよい。また、第1ワイピング動作時において、メインワイパ41の先端を表面8aに接触させた状態で、搬送ベルト8を1周未満走行させてもよい。
【0082】
搬送部材は、搬送ベルトに限定されず、例えば、回転ドラム等であってもよい。メイン及びサブワイパは、先端が搬送部材の表面に接触しつつ当該表面に対して相対的に移動することにより当該表面上の異物を除去することができる限りは、板状に限定されず、様々な形状であってよい。
【0083】
本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う記録装置にも適用可能である。本発明は、インクジェット式に限定されず、例えばレーザー式、サーマル式等の記録装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。
【符号の説明】
【0084】
1 インクジェットプリンタ(記録装置)
1p 制御装置(制御手段)
8 搬送ベルト(搬送部材)
8a 表面
8b 撥液領域
10 インクジェットヘッド(記録ヘッド)
21 搬送ユニット
22 吸着プラテン(吸着手段の一部)
40 メインワイプ機構
41 メインワイパ(第1ワイパ)
50 サブワイプ機構
51 サブワイパ(第2ワイパ)
134 判定部(判定手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に液体を吐出して画像を記録する記録ヘッドと、
表面が前記記録ヘッドに対向して配置され、前記表面が記録媒体を支持しつつ搬送方向に移動することにより、前記搬送方向に記録媒体を搬送する搬送部材と、
先端が前記表面に対して離接可能に配置された第1及び第2ワイパと、
前記表面から離隔した位置にある前記第1ワイパの前記先端を前記表面に接触させ、前記第1ワイパと前記表面とを相対的に前記搬送方向に移動させて前記表面上の異物を払拭する第1ワイピングを行うように、前記第1ワイパ及び前記搬送部材のうちの少なくともいずれか一方を駆動する第1ワイピング駆動手段と、
前記表面から離隔した位置にある前記第2ワイパの前記先端を前記表面に接触させ、前記第2ワイパを前記表面に対して前記搬送方向と交差する方向に移動させて前記表面上の異物を払拭する第2ワイピング動作を行うように、前記第2ワイパを移動させる第2ワイピング駆動手段と、
前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、前記第1ワイピング動作と、前記第1ワイピング動作が行われ前記第1ワイパを前記表面から離隔したときに当該表面に残留する異物を払拭するように行う前記第2ワイピング動作とを含む第1クリーニングシーケンスが実行されるように、前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記搬送方向に関して、前記表面に付着した異物の付着領域の長さが前記第2ワイパの長さ以上の場合に前記第1クリーニングシーケンスを実行すると判定し、前記付着領域の長さが前記第2ワイパの長さ未満の場合に第2クリーニングシーケンスを実行すると判定する判定手段とをさらに備えており、
前記制御手段は、前記判定手段が前記第1クリーニングシーケンスを実行すると判定したときに、前記第1クリーニングシーケンスが実行されるように前記第1及び第2ワイピング駆動手段を制御し、前記判定手段が前記第2クリーニングシーケンスを実行すると判定したときに、前記第1ワイピング動作を行わずに前記表面上の異物を払拭するように行う前記第2ワイピング動作を行う前記第2クリーニングシーケンスが実行されるように前記第2ワイピング駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記記録ヘッドから前記表面に所定量以下の液体が吐出された場合のみ、前記第2クリーニングシーケンスを実行すると判定することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記第2ワイピング動作における前記第2ワイパの前記表面に対する押圧力が、前記第1ワイピング動作における前記第1ワイパの前記表面に対する押圧力よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記搬送部材の前記表面には、前記第1ワイパを前記表面から離隔させる位置であって、前記搬送方向と交差する方向に延在し前記表面の他の領域よりも撥液性が高い撥液領域が形成されており、
前記制御手段は、前記第2ワイピング動作において、前記第2ワイパが前記撥液領域上に付着した異物を払拭するように、前記第2ワイピング駆動手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記搬送部材の前記表面に記録媒体を静電吸着させる吸着手段を有しており、
前記制御手段は、前記搬送方向に関して前記表面の記録媒体の長さよりも短い所定の範囲において、前記第1ワイパを前記表面から離隔させるように前記第1ワイピング駆動手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−251420(P2011−251420A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125160(P2010−125160)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】