説明

設備ユニット

【課題】室内天井に空調設備及び照明器具を配設するにあたり、二系統のダクト及び照明器具並びにその配線の施工性を向上することができる設備ユニットを提供すること。
【解決手段】室内の天井に配設される設備ユニットであって、第1吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第1ダクトを収容する筒状の第1ケース部材と、第2吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第2ダクトを収容する、前記第1ケース部材と平行に前記第1ケース部材の側方に配設された筒状の第2ケース部材と、前記第1ケース部材の側部と当該側部に向かい合う前記第2ケース部材の側部とを連結し、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の空間を下方の照明器具空間と、当該照明器具空間に配設される照明器具の配線が通過する上方の配線空間と、に区分けすると共に前記照明器具を支持する繋ぎ部材と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は室内の空調・照明設備に関する。
【背景技術】
【0002】
事務室等の室内空間の空調システムとして、室内をタスク領域とアンビエント領域と呼ばれる2系統の領域に分けて空調を行う空調設備が知られている。この種の空調設備では、室内全体を一様な雰囲気とする設備よりも省エネルギ化を図りながら室内作業者の快適性を向上でき、また、個々のタスク領域での風量及び風向を調節することで、個々の作業者の嗜好に応じた空調制御を行うことができる。例えば、特許文献1では、携行型無線操作機からの操作信号により、タスク領域毎に風量及び風向が調節できる吹出口システムが提案されている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2541764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなタスク−アンビエント方式の空調を行う場合、天井から空調空気を吹き出す方式以外に床面から吹き出す方式(床吹出方式)や各作業領域を仕切るパーティションから吹き出す方式(パーティション吹出方式)が一般に知られている。
【0005】
床吹出方式の場合、足元を中心に空調空気が供給されるため、空調範囲が狭いという問題があり、例えば、夏場であれば足元だけが無用に冷えてしまうことが多い。パーティション吹出方式の場合、パーティションが配設された室内にしか適用できず、また、パーティションとして空調空気の流通路や吹出口等が設けられた専用品が必要とされる。さらに、床下に設けられた空調空気の流通路に対してパーティションの配設位置が制約されるという問題もある。
【0006】
このような問題から、空調設備を天井に配設することが望ましいが、二系統の設備を配設する必要があるため、主に空調空気のダクトの配設に手間が掛かってしまう。また、タスク領域には、空調設備の吹出口の他に、照明器具も配設する必要があるため、空調設備や照明器具並びにその配線の配設スペースの取り合いも問題となり、施工に手間がかかり易い。
【0007】
従って、本発明の目的は、室内天井に空調設備及び照明器具を配設するにあたり、二系統のダクト及び照明器具並びにその配線の施工性を向上することができる設備ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、室内の天井に配設される設備ユニットであって、空調空気を吹き出す第1吹出部を有すると共に、該第1吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第1ダクトを収容する筒状の第1ケース部材と、空調空気を吹き出す第2吹出部を有すると共に、該第2吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第2ダクトを収容する、前記第1ケース部材と平行に前記第1ケース部材の側方に配設された筒状の第2ケース部材と、前記第1ケース部材の側部と当該側部に向かい合う前記第2ケース部材の側部とを連結し、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の空間を下方の照明器具空間と、当該照明器具空間に配設される照明器具の配線が通過する上方の配線空間と、に区分けすると共に前記照明器具を支持する繋ぎ部材と、を備えたことを特徴とする設備ユニットが提供される。
【0009】
この構成によれば、前記第1ダクトを収容する前記第1ケース部材と前記第2ダクトを収容する前記第2ケース部材とが前記繋ぎ部材で連結されてユニット化されるので、二系統のダクトを配設するにあたり、これらを個別に配設する場合よりも施工性を向上できる。また、前記繋ぎ部材が前記照明器具を支持すると共に、前記繋ぎ部材の上方が前記照明器具の配線の配設空間となる。このように本発明では、二系統のダクト、照明器具及びその配線の配設空間をユニット化して構成でき、室内天井に空調設備及び照明器具を配設するにあたり、二系統のダクト及び照明器具並びにその配線の施工性を向上することができる。
【0010】
本発明においては、前記第1吹出部は、前記室内のうち、各作業領域に個別に割り当てて配設されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、前記各作業領域に個別に空調空気を供給することができる。
【0012】
また、本発明においては、各々の前記第1吹出部には、前記第1ケース部材内に吹出ユニットが配設され、前記吹出ユニットは、空調空気を前記室内へ吹き出す開口部と、前記第1ダクト内を流通する空調空気を前記室内に送り出す、風量調節可能な電動ファンと、前記開口部を開閉すると共に前記開口部から吹き出される空調空気の風向調整を行なう電動ルーバと、を備えてもよい。
【0013】
この構成によれば、各作業領域の風量、風向き等を個別に調整できる。また、前記電動ファン、前記電動ルーバを前記吹出ユニットとしてユニット化しておくことで、前記吹出ユニットの配設作業時の施工性を向上できる。
【0014】
また、本発明においては、前記吹出ユニットは、前記作業領域に配された作業者のコンピュータからの指示に応じて前記電動ファンの風量を調節する風量制御手段と、前記コンピュータからの指示に応じて前記電動ルーバの角度を調整する角度制御手段と、を備えてもよい。
【0015】
この構成によれば、各作業領域の風量、風向き等を作業者の嗜好に応じて調整できる。また、前記吹出ユニットが前記風量制御手段、前記角度制御手段を備えたことにより、前記吹出ユニットの配設作業時の施工性を向上できる。
【0016】
また、本発明においては、前記吹出ユニットは、前記作業領域に配された作業者のコンピュータの電源OFFにより前記電動ルーバを閉鎖し、前記コンピュータの電源ONにより前記電動ルーバを開放するルーバ制御手段を備えてもよい。
【0017】
この構成によれば、前記コンピュータの電源ON又は電源OFFに連動して、自動的に電動ルーバが開閉するため、無人の作業領域に空調空気が供給されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上述べた通り、本発明によれば、室内天井に空調設備及び照明器具を配設するにあたり、二系統のダクト及び照明器具並びにその配線の施工性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る設備ユニット100を用いた空調システム200が設置された事務室1の概略平面図である。事務室1は、空調上、タスク領域Tとアンビエント領域Aとに仮想的に区分けされている。タスク領域Tは、事務室1内の個々の作業者毎に設定された作業領域に対応する領域であり、本実施形態の場合、パーティション2で区切られた複数の作業領域を想定している。
【0020】
なお、各作業領域には各作業者のコンピュータ(パソコン)6が配されている。アンビエント領域Aは、事務室1内の作業空間以外の残りの、作業者が常駐しない共有空間である。本実施形態の場合、アンビエント領域Aの一部には、一時的に打ち合わせ等を行うテーブル3、コピー機4等のオフィス機器、飲料水等の自動販売機5等が設置されている。
【0021】
空調システム200は事務室1に2つ配備されており、いずれも、設備ユニット100と、空調機110と、外調機120と、を備える。本実施形態の場合、設備ユニット100及び空調機110はいずれも事務室1の天井に配設されており、空調空気は事務室1の天井側から吹き出される構成としている。
【0022】
外調機120は、事務室1外に設置され、ダクト121を介して、空調機110に接続されている。外調機120は外気を吸入して空調機110へ供給する。なお、外調機120は、取り入れた外気の温度や湿度を調節した後、空調機110に送出する構成としてもよい。
【0023】
空調機110は、事務室1内の空気を吸入し、吸入した室内の空気と外調機120から供給される外気との混合気を温度調節し、これを空調空気として設備ユニット100に送出する。空調機110は、例えば、送風機、熱交換器、エアフィルタ等から構成される。後述するように、設備ユニット100はアンビエント領域A用の空調空気の流通路とタスク領域T用の空調空気の流通路との2系統の流通路を構成する。空調空気110は、熱交換器を各系統毎に備え、各系統毎に温度調節された空調空気を送出することが可能である。また、外調機120から供給される外気の量を、アンビエント領域A用の空調空気とタスク領域T用の空調空気とで異なるように構成してもよい。
【0024】
設備ユニット100は一対のケース部材10を備える。ケース部材10は後述するように空調機110から送出される空調空気の流通路を形成し、一方のケース部材10は、空調空気を吹き出す吹出部10aを有し、他方のケース部材10は空調空気を吹き出す吹出部10bを有する。なお、各ケース部材10はその上流側の端部において空調機110に接続されている一方、下流側の端部はバイパスダクト101により接続され、その内部が互いに連通している。その理由については後述する。
【0025】
吹出部10aは、タスク領域Tに空調空気を供給するためにタスク領域Tの上部に設けられ、本実施形態の場合、各タスク領域T毎(作業者毎の作業領域毎)に個別に割り当てられて一つずつ配設されている。従って、吹出部10aを有する一方のケース部材10はタスク領域T用の空調空気の流通路を形成する。
【0026】
吹出部10bは、アンビエント領域Aに空調空気を供給するためにアンビエント領域Aの上部に配設されている。本実施形態では、発熱を伴うコピー機4、飲料水等の自動販売機5の近傍と、作業者が一時的に存するテーブル3近傍にそれぞれ吹出部10bが配設されている。従って、吹出部10bを有する他方のケース部材10はアンビエント領域A用の空調空気の流通路を形成する。
【0027】
このように本実施形態では、一方のケース部材10と吹出部10aはタスク領域T用の空調系統を構成し、他方のケース部材10と吹出部10bはアンビエント領域A用の空調系統を構成している。
【0028】
続いて設備ユニット100の構成を詳述する。図2は図1の線X−Xに沿う設備ユニット100の断面図、図3は設備ユニット100の部分分解斜視図、図4はケース部材10の部分分解斜視図である。なお、図3及び図4においてはネジ、ネジ孔等は図示省略されている。
【0029】
ケース部材10は、その天部に配された断面L字型の鋼材11と、中底板12と、鋼材11と中底板12とを連結する鋼材13と、から方形筒状に構成されるフレームを備える。このフレームの側部にはパンチングメタル等の多孔板14、15が連結されている。
【0030】
多孔板14は設備ユニット10の外側側部にそれぞれ配され、外装材として設備ユニット10の外側側部全体を覆うように配設されている。多孔板15は各ケース部材10の内側側部にそれぞれ配され、外装材としてケース部材10の内側側部の下部を覆うように配設されている。一対のケース部材10の間には後述する照明器具80が存在し、一対のケース部材10間の上部は照明器具80により概ね隠れることから、多孔板15はケース部材10の内側側部の下部のみを覆うようにしている。
【0031】
中底板12の下方には、ブラケット18を介して多孔板14、15の下部に支持された、多孔板からなる底板16が配設されている。ケース部材10はこれらの構成により、全体として方形筒状に構成されている。そして、一対のケース部材10は互いに平行かつ側方に配設されている。
【0032】
鋼材11、中底板12及び鋼材13により囲包される空間内には空調空気の流通路を形成するダクト20が収容されている。ダクト20は方形筒状をなしており、例えば、断熱材等から構成される。ダクト20は、その上流側の端部が空調機110に連結されて空調機110からの空調空気が流通する。
【0033】
ダクト20の底部には部分的に開口部20aが形成されている。また、中底板12、底板16にはそれぞれ開口部20aと重なるように開口部12a、16aが形成されており、ダクト20内を流通する空調空気はこれらの開口部20a、12a及び16aを通って事務室内1に吹き出される。つまり、これらの開口部20a、12a及び16aは吹出部10a及び10bを構成する。なお、各開口部16aには、後述する電動ルーバ63と風向きの調整方向が直交するように配設された手動ルーバ17が設けられている。
【0034】
各吹出部10aには吹出ユニット60が配設されている。吹出ユニット60はダクト20の開口部20aに挿入されて中底板12上に支持されている。吹出ユニット60は、上下端部が開放した方形筒状のケース61と、ケース61の上部内部に支持された風量調節可能な電動ファン62と、ケース61の下部内部に支持された空調空気の風向調整を行なう電動ルーバ63(ファンモータ)と、ケース61の側部に設けられ、電動ファン62及び電動ルーバ63を制御する制御回路を内蔵した制御回路ボックス64と、を備える。
【0035】
電動ファン62は、ケース61の上端開口部61aからダクト20内を流れる空調空気を吸入して、ケース61の下端開口部61bを介して事務室内1へ空調空気を送風する。電動ファン62のファンの回転速度及び回転停止により吹出部10aから吹き出される空調空気の風量が調節でき、電動ファン62を制御する上記制御回路は風量調節手段として機能する。
【0036】
電動ルーバ63は、複数の羽根部63aと羽根部63aを支持する複数の軸部63bと各軸部63bを同期回転する不図示の駆動部と、から構成されており、羽根部63aの傾斜角度を調節することにより、吹出部10aから吹き出される風向を調整することができる。また、羽根部63aを略水平とすることで下端開口部61bを閉鎖して空調空気が吹き出さないようにすることもできる。つまり、電動ルーバ63は下端開口部61bを開閉すると共に下端開口部61bから吹き出される空調空気の風向調整を行なうことができる。そして、電動ルーバ63を制御する上記制御回路は電動ルーバ63の角度を調整する角度制御手段、電動ルーバ63の閉鎖、開放を制御するルーバ制御手段として機能する。
【0037】
本実施形態の場合、電動ファン62や電動ルーバ63による風量・風向調節を各タスク領域Tである各作業領域に配されたコンピュータ6から行なうことができる。これにより、作業者は自己の作業領域に割り当てられた吹出部10aから吹き出される空調空気の風量・風向を、作業領域に居ながら自由に調節できる。
【0038】
図5は、事務室1のネットワークのシステム図である。各コンピュータ6はLANを介してサーバ300と通信可能に接続されている。サーバ300はインターフェース301を介して各吹出ユニット60の制御回路ボックス64に収納された制御回路や空調機110に接続されている。
【0039】
各コンピュータ6と各吹出ユニット60との対応関係は予め設定されており、各タスク領域Tで作業をしている各作業者が、各自のコンピュータ6に風量又は風向(電動ルーバ63の羽根部63aの角度)の調節指示を入力すると、その指示がサーバ300を介して、吹出ユニット60の制御回路に送信される。これにより、吹出部10aからの空調空気の風量又は風向が調整される。また、サーバ300は作業者の在席数等に応じて空調機110を制御することができる。
【0040】
なお、本実施形態ではネットワーク経由で吹出ユニット60の制御を行なうようにしたが、例えば、各作業者にリモコンを配布し、個々の吹出ユニット60の制御回路とリモコンとの無線通信により吹出ユニット60の制御を行なうようにしてもよい。
【0041】
また、コンピュータ6の電源がOFFにされると電動ファン62を自動的に停止し、また、電動ルーバ63を自動的に閉鎖(全閉)とし、ONにされると電動ファン62を自動的に作動させ、また、電動ルーバ63を自動的に開放するようにしてもよい。この場合、コンピュータ6の電源がONにされると電源OFF時の条件にて電動ファン62や電動ルーバ63を作動させるようにしてもよい。コンピュータ6の電源がOFFにされる場合、そのタスク領域Tの作業者が不在である可能性が高いため、作業者が不在のタスク領域Tには空調空気を供給しないようにしたものである。また、コンピュータ6の電源がONにされると電源OFF時の条件にて電動ファン62や電動ルーバ63を作動させれば、作業者はコンピュータ6の電源ON時にその都度、空調空気の風量、風向を設定する手間が省ける。電源OFF時の条件はコンピュータ6又は吹出ユニット60の制御回路が保持しておくことができる。
【0042】
なお、本実施形態では、図1に示すように、一対のケース部材10は下流側の端部においてバイパスダクト101によりダクト20間が接続されている。これは、例えば、タスク領域Tの一部に作業者が存在しなくなり、電動ルーバ63の一部が閉じられている場合には、閉じられている電動ルーバ63の個数に応じて、空調機110の吹出し風量が低下するが、風量調整時や万一この機能が故障した場合など、余分な風量をこれをアンビエント領域Aに逃がすためのものである。このように構成することで、吹出部10aを有する方のケース部材10内のダクト20内に空調空気が滞留し、無用に圧力が高くなることを防止することができる。
【0043】
本実施形態では、このように各吹出部10a毎に吹出ユニット60を設けたことにより、タスク領域Tの各作業者の嗜好に応じて空調空気の風量等の調節を行うことができる。一方、本実施形態の場合、吹出部10bには吹出ユニット60は設けられていない。アンビエント領域Aは、作業者が継続的に滞在する領域ではないため、各作業者毎の嗜好に応じた空調空気の調節が必要無いからである。
【0044】
続いて図2乃至図4を参照して設備ユニット100の構成を更に説明する。一対のケース部材10の間には、複数の繋ぎ部材30が一定の間隔を置いて配設されている。繋ぎ部材30は一方のケース部材10の側部(鋼材13)と当該側部に向かい合う他方のケース部材10の側部(鋼材13)とを連結する。また、図2に示すように、繋ぎ部材30は、一対のケース部材10の間の空間を下方の照明器具空間S1と、照明器具空間S1に配設される照明器具80の配線が通過する上方の配線空間S2と、に区分けすると共に照明器具80を支持する。照明器具80はブラケット81を介して繋ぎ部材30の下面に連結されて支持されている。なお、区分けとは便宜上のもので、密閉するような形で仕切られる場合であっても、空気が連通する形で仕切られていてもよい。
【0045】
配線空間S2には複数の繋ぎ部材30に跨るようにこれらに支持された断面コの字型の配線パレット40が配設されている。配線パレット40内には照明器具80の配線の他、制御回路ボックス64内に収納される制御回路の配線も収納される。
【0046】
設備ユニット100は、また、一対のケース部材10に跨ってこれらを連結する鋼材50を備える。鋼材50は鋼材11に連結されている。図2に示すように、鋼材50は鋼材70を介して事務室1の天井の梁1aに連結されており、設備ユニット100は梁1aから吊り下げられるようにして支持される。鋼材50には、また、ブラケット21が連結されている。ブラケット21はダクト20の天部に連結されており、ダクト20は鋼材50に支持されている。
【0047】
係る構成からなる設備ユニット100では、ダクト20を収容する一対のケース部材10が繋ぎ部材30で連結されてユニット化されるので、二系統のダクト20を配設するにあたり、これらを個別に配設する場合よりも施工性を向上できる。また、繋ぎ部材30が照明器具80を支持すると共に、繋ぎ部材30の上方が照明器具80等の配線の配設空間となる。
【0048】
このように本実施形態では、二系統のダクト20、照明器具80及びその配線の配設空間をユニット化して構成できる。こうして本実施形態では、室内天井に空調設備及び照明器具を配設するにあたり、二系統のダクト及び照明器具並びにその配線の施工性を向上することができる。また、このユニット全体を工場等で予め準備しておけば、現場での作業が格段に少なくなり、更に施工性が向上する。
【0049】
また、一対のケース部材10の構成を共通とし、タスク領域T用とアンビエント領域A用の空調系統の構造上の相違は吹出ユニット60の有無のみであるため、より簡易に2系統の空調設備を構築できる。更に、電動ファン62、電動ルーバ63を吹出ユニット60としてユニット化したため、吹出ユニット60の配設作業時の施工性を向上できる。更に、吹出ユニット60に制御回路ボックス64を設けて各吹出ユニット60に制御回路を設けたため、電動ファン62、電動ルーバ63からの配線は制御回路までで足り、事務室1内の天井に配線する必要がないため、吹出ユニット60の配設作業時の施工性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る設備ユニット100を用いた空調システム200が設置された事務室1の概略平面図である。
【図2】図1の線X−Xに沿う設備ユニット100の断面図である。
【図3】設備ユニット100の部分分解斜視図である。
【図4】ケース部材10の部分分解斜視図である。
【図5】室内1のネットワークのシステム図である。
【符号の説明】
【0051】
10 ケース部材
10a、10b 吹出部
20 ダクト
30 繋ぎ部材
80 照明器具
100 設備ユニット
S1 照明器具空間
S2 配線空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の天井に配設される設備ユニットであって、
空調空気を吹き出す第1吹出部を有すると共に、該第1吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第1ダクトを収容する筒状の第1ケース部材と、
空調空気を吹き出す第2吹出部を有すると共に、該第2吹出部から吹き出される空調空気の流通路を形成する第2ダクトを収容する、前記第1ケース部材と平行に前記第1ケース部材の側方に配設された筒状の第2ケース部材と、
前記第1ケース部材の側部と当該側部に向かい合う前記第2ケース部材の側部とを連結し、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の空間を下方の照明器具空間と、当該照明器具空間に配設される照明器具の配線が通過する上方の配線空間と、に区分けすると共に前記照明器具を支持する繋ぎ部材と、
を備えたことを特徴とする設備ユニット。
【請求項2】
前記第1吹出部は、前記室内のうち、各作業領域に個別に割り当てて配設されていることを特徴とする請求項1に記載の設備ユニット。
【請求項3】
各々の前記第1吹出部には、前記第1ケース部材内に吹出ユニットが配設され、
前記吹出ユニットは、
空調空気を前記室内へ吹き出す開口部と、
前記第1ダクト内を流通する空調空気を前記室内に送り出す、風量調節可能な電動ファンと、
前記開口部を開閉すると共に前記開口部から吹き出される空調空気の風向調整を行なう電動ルーバと、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の設備ユニット。
【請求項4】
前記吹出ユニットは、
前記作業領域に配された作業者のコンピュータからの指示に応じて前記電動ファンの風量を調節する風量制御手段と、
前記コンピュータからの指示に応じて前記電動ルーバの角度を調整する角度制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の設備ユニット。
【請求項5】
前記吹出ユニットは、
前記作業領域に配された作業者のコンピュータの電源OFFにより前記電動ルーバを閉鎖し、前記コンピュータの電源ONにより前記電動ルーバを開放するルーバ制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の設備ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−96001(P2008−96001A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275712(P2006−275712)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】