説明

設備機器の遠方監視制御システムおよびサーバ

【課題】設備機器の利用者が設備機器の監視および制御を遠方から行うにあたり、顧客端末を用いて設定したタイムスケジュールに従って設備機器を動作させる。
【解決手段】設備機器4に付設される通信アダプタ2とサーバ1との間で通信網NT1を通してデータ通信を行い、設備機器4の利用者が操作する顧客端末3とサーバ1との間でネットワークNT2を通してデータ通信を行う。サーバ1は、各設備機器4の動作と時刻とを対応付けたタイムスケジュールが格納されるスケジュール格納手段16と、タイムスケジュールに従って設備機器4の動作を制御するスケジュール実行手段18と、顧客端末3からタイムスケジュールの設定が要求されると接続管理テーブルT2において顧客端末3に対応付けられている設備機器について顧客端末3によるスケジュール格納手段16へのタイムスケジュールの登録を可能にするスケジュール設定手段19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が保守点検を業者に依頼する必要のある設備機器について、設備機器の保守点検に関するサービスを提供する業者が行っている設備機器の管理環境を流用することにより、利用者による設備機器の遠方からの監視および制御を実現する設備機器の遠方監視制御システムおよびサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク技術を用いて各種の設備機器の遠方からの監視や制御を可能とするシステムが提供されている。たとえば、集合住宅において共用される設備機器としてのコージェネレーション設備において、集合住宅の各住戸ごとの電力や熱の使用量、コージェネレーション設備の発電量などのデータを計測し、データセンタや管理センタにおいてネットワークを用いて計測データを収集する構成のシステムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムを用いると、データセンタや管理センタにおいてコージェネレーション設備の発電量や集合住宅の各住戸での電力や熱の使用量を遠方で集中的に監視することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−87970号公報(第0018−0023段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された技術では、データセンタや管理センタにおいて設備機器(コージェネレーション設備)の監視を行うものであって、設備機器の利用者が設備機器の監視や制御を行うものではなく、たとえば利用者が遠方から室温の監視や制御を行うことはできない。ただし、特許文献1に記載の構成では、各住戸に設けた端末をデータセンタや管理センタとともにネットワークに接続することによって、データセンタや管理センタで収集した計測データを利用可能にすることが可能であり、たとえば電力や熱の使用量を端末で確認したり、使用量に対する料金を確認したりする構成とすることは可能である。
【0005】
しかしながら、上述の構成を採用し得たとしても、データセンタや管理センタが収集した計測データを端末において確認することが可能になるのみである。また、データセンタや管理センタが提供する情報の種類を端末ごとに差別化することは考えられていないから、各住戸に端末を設けたとしても各端末で確認可能な内容は同内容になる。このように設備機器について、各利用者が同内容しか利用できないと、各利用者にとっては確認可能な内容に過不足が生じる。
【0006】
また、複数台の設備機器をネットワーク技術を用いて集中制御するシステムも提案されており、この種のシステムではネットワークのホスト装置において利用者が操作する端末と利用者が使用する設備機器とを対応付けることにより、端末の操作で所要の設備機器の動作を指示できるようにしてあり、さらにホスト装置において設備機器の稼働状況を管理するシステムも工場内設備などにおいて実現されている。
【0007】
特許文献1に記載されたシステムにおいて、データセンタあるいは管理センタにサーバを設置することにより設備機器の稼働状況をサーバで管理し、さらにサーバをホスト装置に用いることによって端末の操作で設備機器を遠方から制御することが可能になる。つまり、設備機器を遠方から制御したり監視したりすることが可能になる。ただし、この構成を採用したとしても、依然として利用者にとって確認可能な内容に過不足が生じるという問題は改善されない。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、設備機器の監視および制御を遠方から行うことを可能にし、しかも設備機器の動作状況について確認可能な内容を利用者が任意に選択できるようにし、もって確認可能な内容が利用者にとって過不足のないようにし、さらには、設備機器の利用者が顧客端末を用いてタイムスケジュールを設定するだけで設備機器をタイムスケジュールに従って動作させることができる設備機器の遠方監視制御システムおよびサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、設備機器に付設されるとともにデータ通信により設備機器の制御および監視が可能である通信アダプタと、通信アダプタとの間で通信網を介してデータ通信が可能であって設備機器の動作に関する複数種類の運転データを通信アダプタを通して設備機器から取得する機能および設備機器の動作を指示する制御要求信号を送信する機能を備えるサーバと、サーバとの間でネットワークを介してデータ通信が可能である顧客端末とを備え、サーバは、複数台の設備機器を顧客端末に対応付けて設定した接続管理テーブルと、設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付けて設定した監視内容テーブルと、設備機器の運転データの取得を要求する監視要求と設備機器への制御要求信号の送信を要求する制御要求とのいずれかの要求を顧客端末から受けると当該顧客端末に対応する設備機器を接続管理テーブルから抽出する設備機器抽出手段と、顧客端末から監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データの取得を可能とする運転データ取得手段と、顧客端末から制御要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について制御要求の内容での設備機器への制御要求信号の送信を可能とする制御要求送信手段と、運転データ取得手段で取得した運転データを顧客端末から要求された形式で顧客端末に引き渡すデータ提示手段とを備え、サーバは、各設備機器の動作と時刻とを対応付けたタイムスケジュールが格納されるスケジュール格納手段と、現在日時を計時する時計手段と、時計手段が計時する現在日時がスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに含まれる時刻に一致すると当該タイムスケジュールに従って設備機器の動作を制御する制御要求信号を送信させるスケジュール実行手段と、顧客端末からタイムスケジュールの設定が要求されると接続管理テーブルにおいて顧客端末に対応付けられている設備機器について顧客端末によるスケジュール格納手段へのタイムスケジュールの登録を可能にするスケジュール設定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、顧客端末と設備機器とをサーバに設けた接続管理テーブルにより対応付けているから、複数台の設備機器をそれぞれ当該設備機器の利用者の顧客端末に対応付けることができ、各設備機器の遠方からの監視および制御をそれぞれの利用者のみが顧客端末を用いて行うことが可能になる。しかも、サーバに設けた監視内容テーブルにより設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付け、運転データ取得手段では顧客端末から監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データを取得するから、各利用者は設備機器ごとに任意に選択した所望の運転データのみを顧客端末に提示させることができ、利用者にとって過不足のない運転データを得ることが可能になる。さらに、設備機器の利用者が顧客端末を用いてサーバのスケジュール格納手段にタイムスケジュールを登録することができ、サーバではスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに従って設備機器を制御するから、設備機器の利用者はサーバを特に意識することなく設備機器ごとのタイムスケジュールを設定するだけで、タイムスケジュールに従って設備機器を動作せることが可能になる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記接続管理テーブルは前記設備機器と前記顧客端末とを多対一に対応付け、前記運転データ取得手段は、前記顧客端末から設備機器の監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器を顧客端末に提示するとともに、顧客端末で選択された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データを取得する機能を有することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、接続管理テーブルにより1台の顧客端末を複数台の設備機器に対応付けるから、たとえば、チェーン展開を行っている複数の店舗に設置した設備機器の稼働状況を本社が統括して管理する場合に、設備機器に関する保守点検のサービスを提供する業者がサーバを管理し、保守点検のために業者が取得する運転データを加工して本社に設けた顧客端末に提供したり、本社に設けた顧客端末からサーバを介して設備機器を制御したりすることが可能になる。すなわち、設備機器を保有する利用者は、複数台の設備機器からの運転データを取得したり複数台の設備機器をそれぞれ制御したりする場合に、各設備機器との間に通信路を開設する必要がなく、サーバとの間にのみ通信路を開設すればよいから、顧客端末においては設定の手間がかからず、システムの導入のための日数や費用を抑えることができる。換言すれば、設備機器の保守点検のサービスのためにすでにサーバを設置している業者であれば、サーバに顧客端末を接続する機能を付加するだけで、顧客端末による運転データの監視および設備機器の制御を可能とするサービスを提供することが可能になり、利用者に対して比較的低コストで高機能かつ利便性の高いサービスを提供することが可能になる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2記載の発明において、前記データ提示手段が前記顧客端末に引き渡す運転データの形式は、日報と月報とから選択されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、1日単位あるいは1月単位で設備機器の稼働状況の推移を利用者に提供するから、設備機器を使用している利用者が設備機器の運転計画を適切に設定するのに必要な基礎データを提供することができる。
【0015】
請求項4の発明はサーバであって、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の設備機器の遠方監視制御システムに用いられ、複数台の設備機器と顧客端末とを対応付けて設定した接続管理テーブルと、設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付けて設定した監視内容テーブルと、設備機器の運転データの取得と設備機器への制御要求信号の送信とのいずれかが顧客端末から要求されると当該顧客端末に対応する設備機器を接続管理テーブルから抽出する設備機器抽出手段と、設備機器の運転データの取得が顧客端末から要求されたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データの取得を可能とする運転データ取得手段と、設備機器への制御要求信号の送信が顧客端末から要求されたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について顧客端末から要求された内容で設備機器への制御要求信号の送信を可能とする制御要求送信手段と、運転データ取得手段で取得した運転データを顧客端末から要求された形式で顧客端末に引き渡すデータ提示手段と、各設備機器の動作と時刻とを対応付けたタイムスケジュールが格納されるスケジュール格納手段と、現在日時を計時する時計手段と、時計手段が計時する現在日時がスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに含まれる時刻に一致すると当該タイムスケジュールに従って設備機器の動作を制御する制御要求信号を送信させるスケジュール実行手段と、顧客端末からタイムスケジュールの設定が要求されると接続管理テーブルにおいて顧客端末に対応付けられている設備機器について顧客端末によるスケジュール格納手段へのタイムスケジュールの登録を可能にするスケジュール設定手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、顧客端末と設備機器とを接続管理テーブルにより対応付けているから、複数台の設備機器をそれぞれ当該設備機器の利用者の顧客端末に対応付けることができ、各設備機器の遠方からの監視および制御をそれぞれの利用者のみが顧客端末を用いて行うことが可能になる。しかも、監視内容テーブルにより設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付け、運転データ取得手段では顧客端末から監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データを取得するから、各利用者は設備機器ごとに任意に選択した所望の運転データのみを顧客端末に提示させることができ、利用者にとって過不足のない運転データを得ることが可能になる。さらに、設備機器の利用者が顧客端末を用いてサーバのスケジュール格納手段にタイムスケジュールを登録することができ、サーバではスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに従って設備機器を制御するから、設備機器の利用者はサーバを特に意識することなく設備機器ごとのタイムスケジュールを設定するだけで、タイムスケジュールに従って設備機器を動作せることが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、顧客端末と設備機器とを接続管理テーブルにより対応付けているから、複数台の設備機器をそれぞれ当該設備機器の利用者の顧客端末に対応付けることができ、各設備機器の遠方からの監視および制御をそれぞれの利用者のみが顧客端末を用いて行うことが可能になるという利点がある。しかも、監視内容テーブルにより設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付け、運転データ取得手段では顧客端末から監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データを取得するから、各利用者は設備機器ごとに任意に選択した所望の運転データのみを顧客端末に提示させることができ、利用者にとって過不足のない運転データを得ることが可能になるという利点がある。さらに、設備機器の利用者が顧客端末を用いてサーバのスケジュール格納手段にタイムスケジュールを登録することができ、サーバではスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに従って設備機器を制御するから、設備機器の利用者はサーバを特に意識することなく設備機器ごとのタイムスケジュールを設定するだけで、タイムスケジュールに従って設備機器を動作せることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の一利用形態を示す概念図である。
【図3】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図4】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図5】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図7】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9】同上の顧客端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施形態では、図2に示すように、チェーン展開を行っている複数の店舗5a〜5dにそれぞれGHP(ガスヒートポンプ)からなる空調機、コージェネレーション設備、エレベータ設備など定期的な保守点検を必要とする設備機器4(図1参照)が設置されている場合を想定する。各設備機器4は、内部の動作状態や出力を検出するための各種センサが内蔵され、設備機器4はセンサの計測値を外部に取り出すための端子を備える。また、設備機器4は運転開始と運転停止と出力の大きさとを外部信号によって調節可能であり、外部信号を入力するための端子も設備機器4に設けられる。センサの計測値を取り出すための端子および設備機器4を制御するための外部信号を入力するための端子には通信アダプタ2が接続され、通信アダプタ2を用いて他装置との間でデータ通信を行うことにより、データ通信による遠方からの設備機器3の制御および監視が可能になっている。
【0020】
通信アダプタ2は通信網NT1に接続され、通信網NT1に接続されたサーバ1との間でデータ通信が可能になっている。サーバ1は設備機器4の保守点検のサービスを提供する業者が管理し、通常は設備機器4を販売した業者が設備機器4の利用者との間に保守点検の契約を結ぶことにより、通信アダプタ2を設備機器4に取り付けるとともに、サーバ1を用いて保守点検のサービスを提供することになる。通信網NT1には移動体通信のパケット通信網(たとえば、NTTドコモ社が提供している「Dopa」)を用いる。通信網NT1に移動体通信網を用いることによって、通信アダプタ2とサーバ1との間に有線の通信線を敷設する必要がなく、設備機器4に設けた端子に通信アダプタ2を接続するだけでサーバ1による設備機器4の遠方からの監視および制御が可能になるから、施工の省力化になる。
【0021】
本実施形態のサーバ1は3台以上のコンピュータを用いて構成され、通信網NT1にはコンピュータからなる通信サーバ1aが接続される。通信サーバ1aは、通信アダプタ2との間で通信網NT1を通してデータ通信を行う際の伝送制御を行うものであり、後述する業務サーバ10と通信網NT1との間のインターフェースとして機能する。業務サーバ10は、通信サーバ1aとは別に設けた1台以上のコンピュータを用いて構成され、後述する種々のデータ処理を行う。
【0022】
業務サーバ10にはコンピュータからなるウェブサーバ1bも接続され、ウェブサーバ1bはインターネットを用いて構築されたイントラネットからなるネットワークNT2と業務サーバ10との間のインターフェースとして機能する。ウェブサーバ1bをネットワークNT2に接続していることにより、ネットワークNT2に顧客端末3を接続すれば業務サーバ10から顧客端末3に対して種々のサービスを提供することが可能になる。顧客端末3にはウェブサーバ1bが提供するウェブページを閲覧するためのウェブブラウザを搭載したものを用いる。すなわち、顧客端末3には、パーソナルコンピュータのほか、携帯端末、移動体電話機などの各種形態のものを用いることが可能である。しかも、ネットワークNT2にはインターネットを用いているから、インターネットとの接続環境があれば任意の場所で顧客端末3を操作することが可能である。
【0023】
業務サーバ10は、設備機器4の保守点検のために通信アダプタ2を通して設備機器4の動作に関する複数種類の運転データを取得する運転データ取得手段11を備える。設備機器4がサーバ1に伝送可能な運転データには、運転開始時刻、運転終了時刻、出力(たとえば、室内機で検出される室温など)のほか、設備機器4の内部の各部についてセンサで検出される検出値など多数の種類の運転データがある。ところで、保守点検に必要な運転データや利用者が必要とする運転データは、全種類の運転データというわけではなく、取得する必要のある運転データの種類は、設備機器4の種類や利用者による運転データの利用の仕方によって変化する。そこで、本実施形態では、運転データ取得手段11に、設備機器4ごとに取得する必要のある運転データの種類を対応付けた監視内容テーブルT1を付設してある。
【0024】
運転データ取得手段11では、運転データの取得を必要とする設備機器4が通知されると、監視内容テーブルT1に設備機器4(実際には、設備機器4に対応する設備ID)を照合し、当該設備機器4に対応する運転データの種類を監視内容テーブルT1から抽出した後、当該設備機器4について監視内容テーブルT1から抽出した種類の運転データのみの伝送を要求する。運転データの伝送要求は制御要求送信手段12を通して行い、制御要求送信手段12から通信アダプタ2に対して、運転データの返送を要求する制御要求信号を送出させる。運転データの取得を要求する制御要求信号は、運転データの種類毎のパケットとして通信アダプタ2に送信される。したがって、通信アダプタ2は設備機器4の運転データを制御要求信号により要求された運転データの種類毎に返送する。なお、通信サーバ1aと通信アダプタ2との間のソケット(すなわち、ネットワークリンク)は、パケット毎に接続するのではなく、監視内容テーブルT1から抽出した種類のすべての運転データについて返送されるまでソケットの接続を維持する。また、通信アダプタ2には現在日時を計時する時計が内蔵されており、通信アダプタ2から運転データをサーバ1に伝送する際には、運転データを取得した日時が付加される。
【0025】
ところで、運転データ取得手段11が運転データを取得する設備機器4は、設備機器抽出手段13により指定される。設備機器抽出手段13は、顧客端末3からウェブサーバ1bを通して監視要求(つまり、運転データの取得指示)を受けたときに、顧客端末3ごとに設定された顧客IDを接続管理テーブルT2と照合し、顧客IDに対応する設備IDを抽出する。つまり、接続管理テーブルT2には通信アダプタ2ごとに設定された設備IDを顧客IDに対応付けて設定されている。顧客端末3から監視要求があると、ウェブサーバ1bが顧客IDを設備機器抽出手段13に引き渡し、設備機器抽出手段13は顧客IDを接続管理テーブルT2に照合することによって設備IDを抽出する。抽出された設備IDは運転データ取得手段11と制御要求送信手段12とに引き渡される。したがって、運転データ取得手段12では、設備IDを監視内容テーブルT1に照合することで、運転データの種類を抽出することができる。なお、接続管理テーブルT2において各設備IDには店舗5a〜5dの名称と所在地とが対応付けられる。
【0026】
接続管理テーブルT2では、1個の顧客IDに複数個の設備IDを対応付けることができ、設備機器4と顧客端末3とを多対一に対応付けることができる。顧客IDに複数個の設備IDを対応付けている場合には、各設備IDに対応するすべての設備機器4から運転データを取得するようにすることも可能ではあるが、通信網NT1のトラフィックが増加するから、運転データの取得に比較的長い時間を要することになる。そこで、顧客IDに複数個の設備IDを対応付けている場合は、設備機器抽出手段13で接続管理テーブルT2から抽出した設備IDに対応付けられている設備機器4を顧客端末3に一覧表示させ、顧客端末3において所望の設備機器4を選択させる。顧客端末3で設備機器4が選択されると、選択された設備機器4について運転データの取得が可能になる。また、図2に示すように、チェーン展開している複数の店舗5a〜5dが存在し、各店舗5a〜5dに1台以上の設備機器4(図1参照)が設置されている場合には、本社などに設置した顧客端末3に店舗5a〜5dごとの各設備機器4の設置場所を一覧表示させ、顧客端末3において所望の設備機器4を選択させる。
【0027】
上述したように、接続管理テーブルT2により1台の顧客端末3を複数台の設備機器4に対応付けることで、チェーン展開を行っている複数の店舗5a〜5dに設置した設備機器4の稼働状況を本社が統括して管理することができる。この場合、本社に設けた顧客端末3は設備機器4の保守点検のサービスを提供する業者が保有しているサーバ1との間にのみ通信路を開設すればよく、複数台の設備機器4との間にそれぞれ通信路を開設する必要がないから、顧客端末3においては通信路を開設する際の設定の手間がかからず、システムの導入のための日数や費用を抑えることができる。
【0028】
一方、サーバ1は、設備機器4の保守点検のサービスを提供する業者が管理しているから、保守点検のために業者が取得する運転データを加工して本社に設けた顧客端末3に提供したり、本社に設けた顧客端末3からサーバを介して設備機器を制御したりするのであって、保守点検のサービスのために業者が保有しているサーバ1に、顧客端末3を接続するための機能を付加するだけで、顧客端末3による設備機器4の運転データの監視および制御を行うサービスを提供することが可能になる。
【0029】
上述したように、顧客端末3からの監視要求により設備機器4の運転データを取得すると、運転データを取得した日時とともに運転データ記憶手段14に格納される。運転データ記憶手段14は大容量の記憶装置であって、設備IDごとの運転データを比較的長期間(たとえば、1年間)にわたって保存する。したがって、運転データ記憶手段14に格納された運転データにより設備機器4の稼働状況の履歴を知ることができる。運転データ記憶手段14に格納された運転データのうち、設備機器4からの監視要求によって取得した運転データは、データ提示手段15により顧客端末3から要求された形式に整えられ、顧客端末3に引き渡される。なお、運転データ記憶手段14には、顧客端末3からの監視要求によって取得した運転データだけではなく、業務サーバ10が設備機器4の保守点検に必要な情報として取得した運転データも格納される。たとえば、運転開始時刻と運転停止時刻と出力との運転データは、顧客端末3による指定がない場合でも運転データ記憶手段14に格納される。
【0030】
データ提示手段15は、顧客端末3から監視要求があったときに運転データを顧客端末3に引き渡す機能だけではなく、運転データ記憶手段14に格納されている運転データに基づいて、図3に示すように、設備機器4の1日の時間帯別の運転状態(図示例はガスを燃料に用いるコージェネレーション設備を示しており、運転状態としては、1時間毎の受電電力量、発電電力量、回収熱量、ガス積算流量を示している)を一覧表Tb1の形で示す日報と、図4に示すように、設備機器4の1月の日毎の運転状態を一覧表Tb2の形で示す月報とを顧客端末3に引き渡す機能も備える。日報および月報の各一覧表Tb1,Tb2にはそれぞれ1日または1月の最大値、最小値、累計(当日累計、当月累計)、通算の累計(全累計合計)も示される。
【0031】
日報や月報は顧客端末3からの要求がなくとも作成され、ウェブページにおいて閲覧可能になる。図示例では、「日付入力」のフィールドF1,F2を設けてあり、フィールドF1,F2に日付を入力することによって、入力した日または月の日報または月報が表示される。ここに、日報は翌日の午前0時以降に閲覧可能になり、月報は翌月1日の午前0時以降に閲覧可能になるようしておくのが望ましい。日報や月報は、設備機器4の運転時間の累積積算値や設備機器4の稼働状況の推移を1日単位または1月単位で提供するから、たとえば設備機器4がコージェネレーション設備であって電力会社との買売電契約を行っているような場合には、電力会社約款に定められた自家発補給電力契約用運転管理用の日報や月報を作成するための基礎データになる。あるいはまた、日報や月報は、省エネルギになるように設備機器4の運転計画を適切に設定するのに必要な基礎データになる。
【0032】
業務サーバ10では、上述した機能によって、顧客端末3からの監視要求に従って設備機器4の運転データを取得することができる。一方、顧客端末3からの制御要求に従って設備機器4を制御する場合には、ウェブサーバ1bから設備機器抽出手段13に対して設備IDの抽出が要求され、運転データを取得する場合と同様に、設備機器抽出手段13において接続管理テーブルT2から設備IDが抽出される。また、複数個の設備IDが抽出される場合には顧客端末3を用いて所望の設備機器3(あるいは店舗5a〜5d)が選択される。顧客端末3が制御要求を行ったときには、設備機器抽出手段13で抽出された設備機器3を送信先として、制御要求送信手段12において制御要求信号が生成される。この制御要求信号の内容は顧客端末3において指示される内容であって、たとえば設備機器4の運転開始、運転停止、出力などを指示することが可能になっている。このように顧客端末3から設備機器4の出力を指示可能としたことにより、たとえばGHPを用いた空調機による室温を顧客端末3から指示することが可能になる。
【0033】
業務サーバ10には各設備機器4をタイムスケジュールに従って運転する機能も設けられている。タイムスケジュールは各設備機器4の動作と時刻とを対応付けたものであり、顧客端末3を用いてスケジュール格納手段16に設定される。タイムスケジュールとして設定可能な時刻には最小単位が規定され、たとえば5分を最小単位にしてある。業務サーバ10には現在日時を計時する時計手段17が設けられ、スケジュール実行手段18において、時計手段17が計時する現在日時と、スケジュール格納手段16に格納されているタイムスケジュールに含まれる時刻とが比較される。スケジュール実行手段18では、タイムスケジュールに含まれる時刻と時計手段17の計時する現在日時とが一致すると、制御対象の設備機器4に対して設定されている動作の内容を指示する制御要求信号を制御要求送信手段12に生成させ設備機器4に送信させる。したがって、タイムスケジュール格納手段16に格納されたタイムスケジュールに従って設備機器4を制御することが可能になる。
【0034】
タイムスケジュール格納手段16に格納されるタイムスケジュールは、顧客端末3からスケジュール設定手段19を通して設定される。すなわち、ウェブサーバ1bが顧客端末3に提供するウェブページにおいて、タイムスケジュールを設定するウェブページが選択されると、ウェブサーバ1bでは設備機器抽出手段13に対して接続管理テーブルT2を参照して顧客端末3(顧客ID)に対応する設備機器4(設備ID)を抽出するように要求し、抽出された設備機器4を顧客端末3に一覧表示する。この状態において、顧客端末3では、一覧表示された設備機器4からタイムスケジュールを設定しようとする所望の設備機器4を選択し、設備機器4に要求する動作と時刻とを入力することが可能になる。顧客端末3において設備機器4を選択する際には、1台の設備機器4を選択するだけではなく、複数台の設備機器4をまとめて選択したり、すべての設備機器4を一括して選択したりすることも可能になっている。また、設備機器4に要求する動作には、運転開始と運転停止と出力とが含まれており、出力はたとえば設備機器4に設けたセンサにより計測される室温であって、運転開始から運転停止までの期間において設定可能になっている。
【0035】
顧客端末3において設備機器4を選択するとともに要求する動作および時刻を入力し、ネットワークNT2に送出すると、スケジュール設定手段19では接続管理テーブルT2との照合により、顧客IDと設備IDとの対応関係を確認し、対応関係に間違いがなければ、要求された動作および時刻とともにタイムスケジュールとしてスケジュール格納手段16に格納する。すなわち、顧客端末3を用いてスケジュール格納手段16へのタイムスケジュールの登録が可能になる。このように、設備機器4の利用者はサーバ1をとくに意識することなく設備機器4ごとのタイムスケジュールを設定し、タイムスケジュールに従って設備機器4を動作せることが可能になる。
【0036】
顧客端末3において、運転データの取得や設備機器4の制御を行ったり、スケジュールの確認や登録を行ったりする場合には、図6に示す画面が顧客端末3に表示される。この画面では、各店舗5a〜5dごとに設備機器4を一覧表Tb3として表示してあり、処理対象とする設備機器4を選択するには、各設備機器4に対応して設けたチェックボックスBx2にチェックを入れる。図6に示す画面の下部には、「運転状況モニタ・遠隔操作」の釦B4、「スケジュール確認」の釦B5、「スケジュール登録」の釦B6が設けられている。なお、各設備機器4には遠隔操作の可否が設定されており、「遠隔操作」の欄において「不可」である設備機器4は顧客端末3から制御要求を送信させることはできない。
【0037】
図6の画面において「運転状況モニタ・遠隔操作」の釦B4が押されると、図7の画面が表示される。この画面では図6において選択した各設備機器4について、動作データが一覧表Tb4として表示される。制御が必要な設備機器4については、各設備機器4に対応して設定されているチェックボックスBx3にチェックを入れる。チェックを入れた設備機器4について「遠隔操作」が「不可」でなければ、「選択」の欄の右側の各欄について指示することが可能になる。図示例では設備機器4が空調機である場合を示しており、「運転/停止」、冷房運転や暖房運転を指示する「モード」、室温を設定する「温度」、「風量」の指定が可能になっている。「モード」「温度」「風量」は「運転/停止」の欄に設けたラジオボタンについて「運転」が選択されている設備機器4についてのみ有効になる。「モード」「温度」「風量」の選択はプルダウンメニューによって行う。図7に示す画面では、「最新読み込み」の釦B7と「遠隔操作」の釦B8とが設けられ、「最新読み込み」の釦B7が操作されると、釦B7を押した時点の動作データが取得される。また、「遠隔操作」の釦B8が押されると、「運転/停止」「モード」「温度」「風量」の各欄で設定した制御要求が各設備機器4に伝送される。
【0038】
図6の画面において「スケジュール確認」の釦B5または「スケジュール登録」の釦B6が押されると、図8に示すように、選択した各設備機器4ごとのタイムスケジュールが表示される。タイムスケジュールは、日毎に繰り返す設定と1回限りの設定とが可能であり、日毎に繰り返す設定か1回限りの設定かは設定欄Tb5で選択し、日時は設定欄Tb6で設定する。また、動作は設定欄Tb7において設定する。各設定欄Tb5〜Tb7で設定した内容をタイムスケジュールとして登録する場合には、「上記データを登録する」の釦B9を押す。
【0039】
ところで、本実施形態では、監視内容テーブルT1の内容を顧客端末3からウェブページ上で設定することを可能にしてある。監視内容テーブルT1の内容を設定する際には、顧客端末3から監視内容テーブルT1の設定を要求すると、サーバ1において顧客端末3の顧客IDを接続管理テーブルT2と照合することにより、顧客端末3からの監視要求を受け付ける設備機器4の設備IDを抽出する。図1に示していないが、業務サーバ10には、設備機器4の型式と設備IDとを対応付けた設備登録データベースと、設備機器4の型式に他の仕様を対応付けた設備仕様データベースとが設けられており、設備機器4の設備IDが抽出されると、設備登録データベースとの照合により設備機器4の型式が抽出され、さらに設備機器4の型式を設備仕様データベースに照合することにより設備機器4の仕様が抽出される。設備機器4の仕様には取得可能な運転データの種類が含まれており、顧客IDに基づいて抽出された運転データの種類は、図5に示すように、運転データの種類ごとにチェックボックスBx1を対応付けて顧客端末3の画面に表示される。監視内容テーブルT1の内容を設定する際には、設備機器4からの取得を希望する運転データの種類についてチェックボックスBx1にチェックを入れ(マウスなどで所望のチェックボックスBx1にカーソルの位置を合わせてクリックする)、この画面を送信すれば、当該運転データを設備IDに対応付けて監視内容テーブルT1に格納することができる。
【0040】
1台の設備機器4について選択可能な運転データの種類は比較的多いから、画面上には「全選択」と「全解除」との2個の釦B1,B2を設けてあり、「全選択」釦B1を押せば(マウスなどでカーソルの位置を合わせてクリックする)、すべてのチェックボックスBx1にチェックが入り、「全解除」釦B2を押せば、すべてのチェックボックスBx1からチェックを外すことができる。これらの釦B1,B2は、チェックを入れる数が多い場合または少ない場合に用いると便利であって、釦B1,B2を押した後に、所望のチェックボックスBx1についてチェックを入れたりチェックを外したりすれば、動作データの種類の選択作業の省力化になる。なお、サーバ1に、CRTや液晶表示器からなるディスプレイ装置とキーボードおよびマウスのような入力装置とを設け、ディスプレイ装置と入力装置とを用いて監視内容テーブルT1の内容を設定してもよい。また、接続管理テーブルT2の内容は利用者との契約に基づくから、顧客端末3から設定するのではなくディスプレイ装置および入力装置を用いて設定する。
【0041】
上述したように、顧客端末3の操作により利用者が監視内容テーブルT1の内容を設定できるから、設備機器4ごとに取得する運転データの種類を異ならせることが可能であり、設備機器4ごとに任意に選択した所望の運転データのみを顧客端末3に提示させることにより利用者にとって過不足のない運転データを得ることができる。
【0042】
ところで、サーバ1は、設備機器4に設けた通信アダプタ2との間では移動体通信網である通信網NT1を介して接続され、顧客端末3との間ではインターネットを用いたネットワークNT2を介して接続されるから、通信網NT1とネットワークNT2とは別系統になる。すなわち、保守点検に用いるために通信網NT1が開設されているだけでは顧客端末3が通信アダプタ2との間でデータを授受することはできず、顧客端末3が通信アダプタ2との間で授受するデータはサーバ1を通るから、サーバ1に履歴を残すようにすれば、設備機器4の制御および監視が不正に行われないようにセキュリティを向上させることが可能になる。
【0043】
なお、図示していないが、サーバ1には設備機器4の修理や調整を実施する業者の連絡先が登録されており、設備機器4に修理や調整が必要な場合には各設備機器4に応じた業者に対して修理や調整を要請する連絡がなされるようにしてある。この連絡には、電子メールあるいはファクシミリを用いる。すなわち、設備機器4に異常が生じることにより通信アダプタ2からサーバ1に対して設備機器4の異常が通知された場合や、通信アダプタ2から取得した運転データに基づいて業務サーバ10が異常の兆候を感知した場合には、当該設備機器4の修理や調整を担当する業者に連絡される。
【0044】
業務サーバ10は、上述の機能以外にも種々の機能を持っており、たとえば、通信アダプタ2が正常に動作し設備機器4の運転データを正常に伝送可能か否かを定期的に監視するライブチェック、顧客端末3から指定された特定の運転データを時刻の指定された時間範囲で連続的に取得する連続モニタなどの記載を備える。
【0045】
ライブチェックは、監視内容テーブルT1に登録されている種類の運転データを設備機器4から定期的に取得する機能であって、運転データは設備機器4の種類に応じて1日〜7日間に1回の頻度で取得される。取得した運転データは、運転データ記憶手段14に格納される。ライブチェックの機能により、サーバ1から通信アダプタ2へのアクセスに対して通信アダプタ2から応答があれば通信アダプタ2が動作していることを知ることができ、取得した運転データを運転データ記憶手段14に格納された運転データの履歴と比較して、履歴からは予測できない異常値があれば、通信アダプタ2または設備機器4に異常が生じている可能性があると判断して対処することができる。
【0046】
一方、連続モニタが指定されたときには、監視対象である設備機器4について、指定された特定の運転データを連続的に取得する。ただし、データ通信によって運転データを取得しているから、実際には連続モニタであっても運転データは一定時間間隔で間欠的に取得される。また、連続モニタが可能な時間範囲は顧客端末3を用いて任意に設定することができ、連続モニタの開始時に終了時刻を指定しておくことによって、終了時刻まで連続モニタを行うことが可能になる。ただし、連続モニタの終了時刻に達していない場合でも顧客端末3から連続モニタの終了を指示すれば、連続モニタを終了させることが可能になっている。図9に連続モニタを行ったときの表示例を示す。図示例では連続モニタを行った日時をフィールドF3で選択することにより、選択した日時の連続モニタの結果が一覧表Tb8として表示されるようにしてある。
【符号の説明】
【0047】
1 サーバ
1a 通信サーバ
1b ウェブサーバ
2 通信アダプタ
3 顧客端末
4 設備機器
10 業務サーバ
11 運転データ取得手段
12 制御要求送信手段
13 設備機器抽出手段
14 運転データ記憶手段
15 運転データ取得手段
16 スケジュール格納手段
17 時計手段
18 スケジュール実行手段
19 スケジュール設定手段
NT1 通信網
NT2 ネットワーク
T1 監視内容テーブル
T2 接続管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器に付設されるとともにデータ通信により設備機器の制御および監視が可能である通信アダプタと、通信アダプタとの間で通信網を介してデータ通信が可能であって設備機器の動作に関する複数種類の運転データを通信アダプタを通して設備機器から取得する機能および設備機器の動作を指示する制御要求信号を送信する機能を備えるサーバと、サーバとの間でネットワークを介してデータ通信が可能である顧客端末とを備え、サーバは、複数台の設備機器を顧客端末に対応付けて設定した接続管理テーブルと、設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付けて設定した監視内容テーブルと、設備機器の運転データの取得を要求する監視要求と設備機器への制御要求信号の送信を要求する制御要求とのいずれかの要求を顧客端末から受けると当該顧客端末に対応する設備機器を接続管理テーブルから抽出する設備機器抽出手段と、顧客端末から監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データの取得を可能とする運転データ取得手段と、顧客端末から制御要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について制御要求の内容での設備機器への制御要求信号の送信を可能とする制御要求送信手段と、運転データ取得手段で取得した運転データを顧客端末から要求された形式で顧客端末に引き渡すデータ提示手段とを備え、サーバは、各設備機器の動作と時刻とを対応付けたタイムスケジュールが格納されるスケジュール格納手段と、現在日時を計時する時計手段と、時計手段が計時する現在日時がスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに含まれる時刻に一致すると当該タイムスケジュールに従って設備機器の動作を制御する制御要求信号を送信させるスケジュール実行手段と、顧客端末からタイムスケジュールの設定が要求されると接続管理テーブルにおいて顧客端末に対応付けられている設備機器について顧客端末によるスケジュール格納手段へのタイムスケジュールの登録を可能にするスケジュール設定手段とを備えることを特徴とする設備機器の遠方監視制御システム。
【請求項2】
前記接続管理テーブルは前記設備機器と前記顧客端末とを多対一に対応付け、前記運転データ取得手段は、前記顧客端末から設備機器の監視要求を受けたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器を顧客端末に提示するとともに、顧客端末で選択された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データを取得する機能を有することを特徴とする請求項1記載の設備機器の遠方監視制御システム。
【請求項3】
前記データ提示手段が前記顧客端末に引き渡す運転データの形式は、日報と月報とから選択されることを特徴とする請求項2記載の設備機器の遠方監視制御システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の設備機器の遠方監視制御システムに用いられ、複数台の設備機器と顧客端末とを対応付けて設定した接続管理テーブルと、設備機器ごとに取得する運転データの種類を対応付けて設定した監視内容テーブルと、設備機器の運転データの取得と設備機器への制御要求信号の送信とのいずれかが顧客端末から要求されると当該顧客端末に対応する設備機器を接続管理テーブルから抽出する設備機器抽出手段と、設備機器の運転データの取得が顧客端末から要求されたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について監視内容テーブルに設定された種類の運転データの取得を可能とする運転データ取得手段と、設備機器への制御要求信号の送信が顧客端末から要求されたときに接続管理テーブルから抽出された設備機器について顧客端末から要求された内容で設備機器への制御要求信号の送信を可能とする制御要求送信手段と、運転データ取得手段で取得した運転データを顧客端末から要求された形式で顧客端末に引き渡すデータ提示手段と、各設備機器の動作と時刻とを対応付けたタイムスケジュールが格納されるスケジュール格納手段と、現在日時を計時する時計手段と、時計手段が計時する現在日時がスケジュール格納手段に格納されたタイムスケジュールに含まれる時刻に一致すると当該タイムスケジュールに従って設備機器の動作を制御する制御要求信号を送信させるスケジュール実行手段と、顧客端末からタイムスケジュールの設定が要求されると接続管理テーブルにおいて顧客端末に対応付けられている設備機器について顧客端末によるスケジュール格納手段へのタイムスケジュールの登録を可能にするスケジュール設定手段とを備えることを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−289274(P2009−289274A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187171(P2009−187171)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【分割の表示】特願2004−93131(P2004−93131)の分割
【原出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】