説明

設定装置及びプログラム

【課題】設定内容の変更のための操作が簡易化し、かつ、視認性を向上させる。
【解決手段】スルー画像に重畳させて、表示状態設定テーブルT1に対応するアイコンとその他の画像とがそれぞれに対応する座標位置に表示されている状態で、露出値を示すアイコンB1に対応する領域に対して、タッチパネル23からのタッチを受け付けたと判断すると、特定範囲に対応するボタンアイコン以外のアイコンが消去され、露出値の変更に対応する移動可能範囲を示すバー状のアイコンと露出状態を示すボタンアイコンが表示される。そして、ボタンアイコンB3へのタッチが維持されたまま移動の範囲(バー状のアイコンB2で示される範囲)に沿った移動が検出されることにより、移動した位置に応じた設定内容(露出値を示すアイコンB4)が表示され、表示中のスルー画像に対して当該設定内容に応じた制御がなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定された機能に基づいて操作対象の動作制御を行う設定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の機能を記憶した電子機器において、その中から任意に選択された機能で動作制御を行うものとして、例えば特許文献1に記載されるような、複数の撮影条件から任意に選択された撮影条件で撮影を行うデジタルスチルカメラ(以下、単にデジタルカメラという)が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたデジタルカメラは、表示部と十字ボタンとを備え、被写体像を表示部に表示させた状態で所定の撮影条件の機能を変更する場合には、十字ボタンで指定可能な方向と変更対象の撮影条件とを被写体像に重畳するように全体表示させる技術が記載されている。
【0004】
また、ユーザがこの十字ボタンに対して入力を行い、指定可能な方向のうちの何れかの指定が検出されると、この方向に対応する撮影条件と十字ボタンの所定方向に対応付けられた選択可能な機能の設定内容(以下、単に設定内容という)とを被写体像に重畳するように全体表示させる技術が記載されている。
【特許文献1】特開2006−064737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術の場合、設定内容の変更を完了させるには、変更すべき撮影条件の選択をするための指示と、選択された撮影条件についての機能の変更をするための指示という少なくとも2つの操作を撮影者に行わせる必要がある。
【0006】
また、設定内容の見易さを考慮し被写体像に重畳して表示部の全体に表示させるため、被写体像の視認性が低下するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、設定内容の変更のための操作が簡易化し、かつ、視認性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、表示手段と、前記表示手段の予め定められた所定位置に対する外部からの指示を検出する指示検出手段と、前記指示検出手段によって前記指示が検出されている状態で、当該指示の予め定められた方向への移動を検出する移動検出手段と、前記指示検出手段によって検出された前記指示が解除されたことを検出する解除検出手段と、前記指示検出手段によって指示が検出されてから前記解除検出手段による解除が検出されるまでに前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて、制御対象に予め定められた機能の設定内容を変更する設定内容変更手段と、前記所定位置に前記設定内容を表示させるとともに、前記設定内容変更手段によって変更された前記設定内容を前記所定位置に表示させるよう制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記指示検出手段によって指示が検出された際に、前記移動検出手段による検出が可能な方向を示す第1の指標を前記表示手段に表示させるよう制御し、前記所定方向とは、前記表示制御手段によって表示される前記第1の指標で示される方向であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記所定位置への指示を入力するための操作子を示す第2の指標に重畳させて前記設定内容を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1乃至請求項3に記載の発明において、前記移動検出手段によって検出された前記所定方向への移動が停止したことを検出する停止検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって移動が検出されてから前記停止検出手段によって前記所定方向への移動の停止が検出されるまでの間に前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて前記設定内容変更手段によって変更された前記設定内容を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1乃至4の何れかに記載の発明において、前記表示手段は前記設定内容に応じて表示態様が制御された画像を表示することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、上記請求項5に記載の発明において、撮像手段を更に備え、
前記画像とは、前記撮像手段によって撮像された画像であることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1乃至6の何れかに記載の発明において、前記表示手段への接触を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段によって検出された接触の位置を検出する位置検出手段と、を更に備え、前記指示検出手段及び移動検出手段は前記位置検出手段による検出に基づいて、前記所定位置への指示及び前記所定方向への移動を検出するとともに、前記解除検出手段は、前記接触検出手段によって検出された接触の位置に基づいて前記指示検出手段による指示が解除されたことを検出することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の発明において、前記停止検出手段は、前記位置検出手段によって検出された接触の位置に基づいて、所定方向への移動が停止したことを検出することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項9に記載の発明は、表示部を備える電子機器が有するコンピュータを、前記表示部の予め定められた所定位置に対する外部からの指示を検出する指示検出手段、前記指示検出手段によって前記指示が検出されている状態で、当該指示の予め定められた方向への移動を検出する移動検出手段、前記指示検出手段によって検出された前記指示が解除されたことを検出する解除検出手段、前記指示検出手段によって指示が検出されてから前記解除検出手段による解除が検出されるまでに前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて予め定められた機能の設定内容を変更する設定内容変更手段、前記所定位置に前記設定内容を表示させるとともに、前記設定変更手段によって変更された前記設定内容を前記所定位置に表示させるよう制御する表示制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設定内容の変更のための操作が簡易化され、かつ、視認性が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、本発明に係る実施形態を適用したデジタルカメラ10の構成について説明する。なお、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
【0019】
図1に、本実施の形態におけるデジタルカメラ10の内部構成を示す。デジタルカメラ10は、図1に示すように、制御部20、撮像部21、A/D(Analog-Digital)変換部22、タッチパネル23、表示部24、記憶部25、画像処理部26、操作部27、I/F(InterFace)28、外部記憶I/O(InputOutput)部29等を備えて構成される。
【0020】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部25に格納された制御プログラムに従って、デジタルカメラ10の各部を統括的に制御する。
【0021】
撮像部21は、撮像手段として機能し、レンズユニットやCCD(Charge Coupled Device)等から構成され、レンズユニットを介して入射された撮影画像をアナログ信号に光電変換する。本実施の形態においては、撮像部21はAF(Auto Focus)機能を備えており、レンズユニットの焦点距離(ピント)を変化させることができる。
【0022】
A/D変換部22は、撮像部21で得られたアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部20へ入力する。
【0023】
タッチパネル23は、指示検出手段、接触検出手段、及び位置検出手段として機能し、表示部24と一体となって設けられ、表示部24の表示画面に接触する操作者の手の接触位置を検出する。即ち、タッチパネル23は、例えば、表示部24の表示画面上或いは表示画面よりも内側に設けられ、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、静電容量方式等の方式により、表示画面上における接触位置のXY座標を検出する。
【0024】
図2に、本実施の形態におけるタッチパネル23の領域を模式的に示す。
図2に示すように、タッチパネルの領域は平面座標系(以下、XY座標という)において表され、外部から接触された部分の座標を検出する。本実施の形態においては、タッチパネル23の水平方向(X軸方向)を400等分した座標、及び垂直方向(Y軸方向)を240等分した座標で表現する。タッチパネル23は、外部からの接触によって検出したXY座標を制御部20に対して送信する。
【0025】
表示部24は、表示手段として機能し、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electroluminescent)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)等を備え、制御部20から入力される表示制御信号に従って、所要の表示処理を行う。また、表示部20は、レンズを介して入力された撮影画像を連続的に表示するファインダとしての機能も有する。なお、表示部24を、デジタルカメラ10の本体の背面だけでなく上面にも備えるようにしてもよい。
【0026】
記憶部25は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体としての不揮発性の半導体メモリにより構成され、制御部20によって実行される各種制御プログラム、後述する設定内容変更処理を始めとする各種処理プログラム及びこれらのプログラムの実行に必要なパラメータや、撮像した画像データ、後述する表示状態設定テーブルT1、設定内容テーブルT2等を記憶する。
なお、上記記憶部25以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線(図示せず)を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用可能である。
【0027】
図3に、記憶部25に記憶される表示状態設定テーブルT1の一例を模式的に示す。
図3に示すように、表示状態設定テーブルT1は、「表示座標」フィールド、「検出範囲(座標)」フィールド、「スルー画像表示状態」フィールド、「設定モード状態」フィールド、「設定内容(機能)」フィールドから構成される。
【0028】
「表示座標」フィールドには、当該レコードに該当するアイコンを表示する座標を示す。座標とは、先述した図2におけるタッチパネル23のXY座標のことであり、本実施の形態においては、(35、216)とはX座標が35でありY座標が216のタッチパネル23上の位置を示す。「検出範囲」フィールドには、タッチパネル23からのタッチが有効な領域(以下、タッチ検出範囲という)を示す座標である。例えば、「(0、240)−(70、192)」という値が格納されている場合には、タッチパネル23の(0、240)と(70、192)を対角線とする四角形の領域がタッチ検出範囲として設定される。「スルー画像表示状態」フィールドには、表示部24にスルー画像(静止画像)が表示されている状態において、当該スルー画像に重畳して表示させる画像(以下、アイコンという)が格納される。「設定モード状態」フィールドには、後述する設定モードにおいて表示させる画像(以下、ボタンアイコンという)が格納される。「設定内容(機能)」フィールドには、当該レコードに該当するボタンアイコンに対応する機能が格納される。
【0029】
図3の例では、「設定内容(機能)」フィールドに格納される機能として、フォーカスモード、タイマ撮影、画質、フラッシュ、ISO感度、露出値、ホワイトバランスを示している。
フォーカスモードとは、デジタルカメラ10の撮像部21のピントを合わせるための機能である。
タイマ撮影とは、デジタルカメラ10の撮像部21をタイマをセットして撮影を行うための機能である。
画質とは、撮像部21で撮像した被写体を画像処理部26で画像処理を行う際の機能である。
フラッシュとは、撮像部21で撮像する際にフラッシュ(露光)機能を使用して撮像するための機能である。
ISO感度とは、撮像部21を構成するCCD等の受像素子の感度の機能である。
露出値とは、撮像の際の露光量の機能である。
ホワイトバランスとは、被写体の白色を補正するための機能である。
「設定内容(機能)」フィールドの内容が「設定メニューへの移行/解除」であるレコードに対応するアイコン(図3の例では「SET」の文字のアイコン)をタッチすると、表示部24に「設定モード状態」フィールドの各種ボタンアイコンが表示され、各機能の設定内容の変更をすることができる設定モードへと移行し、各ボタンアイコンへのタッチが受け付けられることになる。
【0030】
図4に、記憶部25に記憶される設定内容テーブルT2の一例を模式的に示す。
図4に示すように、設定内容テーブルT2は、「設定内容(露出値/Ev)」フィールド、「対応移動範囲(中心座標の移動範囲)」フィールド、「移動時の表示位置(座標)」フィールド、及び「設定フラグ」フィールドから構成される。
【0031】
「設定内容(露出値/Ev)」フィールドには、露出値として設定されるべき値が格納される。「対応移動範囲(中心座標の移動範囲)」フィールドには、当該レコードに対応する設定内容が設定されるためのタッチパネル23のタッチによる移動範囲の値が格納される。具体的には、「(365、120)→(365、235)−(365、225)」という値は、(365、120)の座標をタッチの始点とし、接触の終点のX座標が365でありY座標が225から235の間の地点の移動であることを示す。「移動時の表示位置(座標)」フィールドには、露出値の値を表示させる座標位置が格納される。「設定フラグ」フィールドには、設定内容として設定すべきレコードを特定するためのフラグが格納される。フラグが1となっているレコードに対応する「設定内容(露出値/Ev)」フィールドの値が設定内容として設定される。
【0032】
つまり、図4の例では(365、120)に表示されている露出値を設定するためのボタンアイコンがタッチパネルを介してタッチされ、(365、210)の地点までスライド(タッチしたまま移動することをいう)した場合、露出値として「+1.8」が設定され、(330、220)の位置に「+1.8」の表示がなされることになる。詳細な表示部24の画面遷移等は後述する。
【0033】
画像処理部26は、画像処理のための回路から構成され、撮像部21で撮像された画像に対し、圧縮処理等の各種画像処理を行う。
【0034】
操作部27は、主電源ボタン、シャッターキー、レリーズボタン、再生ボタン、モード切替ボタン、カーソルボタン等により構成され、操作部27を構成する各種ボタンの押下による操作信号を制御部20に出力する。
【0035】
I/F28は、デジタルカメラ10と外部機器を接続するためのインターフェースであり、デジタルカメラ10と外部機器のデータ送受信を仲介する。
【0036】
外部記憶I/O部29は、フラッシュメモリ等の半導体メモリが着脱可能な構成になっている。
【0037】
次に、動作について説明する。
図5に、デジタルカメラ10によって実行される設定内容変更処理のフローを示す。設定内容変更処理は、操作部27からの入力により撮像部21によって被写体を撮影するための撮影モード移行が指示された際に、制御部20と記憶部25に記憶されたプログラムとの協働によるソフトウェア処理により実現される。
設定内容変更処理では、タッチパネル23から入力された指示に基づいて設定内容の変更、及び表示部24に表示させるアイコンの変更の処理を行う。設定内容変更処理により、制御部20は、移動検出手段、解除検出手段、設定内容変更手段、表示制御手段、及び停止検出手段として機能する。
なお、本実施の形態における設定内容変更処理は各機能のうち露出値の設定内容を変更する処理を例に挙げて説明する。
【0038】
まず、撮像部21により順次撮像が指示され、この結果、この撮像画像を逐次スルー画像として表示するようになると(ステップS51)、現在の設定内容に基づいて撮影条件が設定される(ステップS52)。次いで、表示状態設定テーブルT1が参照され、スルー画像に重畳させてアイコンが表示される(ステップS53)。具体的には、表示状態設定テーブルT1の「表示座標」フィールドに対応する値に対応する座標に、当該レコードの「スルー画像表示状態」フィールドに格納されたアイコンが表示される。
【0039】
図6(a)に、本実施の形態におけるスルー画像表示時の表示画面G1の一例を示す。図6(a)に示すように、ステップS51で撮像されたスルー画像(図示せず)に重畳させて、表示状態設定テーブルT1に対応するアイコンとその他の画像が、それぞれに対応する座標位置に表示されている。なお、後述する特定範囲は、表示画面G1の例では、第1の指標であるアイコンB1に対応する領域である。
【0040】
次いで、表示状態設定テーブルT1の「設定内容」フィールドの内容が「露出値」のレコードに該当する「検出範囲」フィールドに格納されている領域(図3の例では(330、144)−(400、96)で囲まれたタッチパネル23の領域である。以下、特定範囲という。)に対して、タッチパネル23からのタッチを受け付けたか否か判断される(ステップS54)。そして、タッチを受けたと判断すると、特定範囲に対応するボタンアイコン以外のアイコンが消去される(ステップS55)。本実施の形態においては、表示状態設定テーブルT1の「設定内容」フィールドの内容が「露出値」以外のレコードに対応するアイコンが消去される。
次いで、露出値の変更に対応する移動可能範囲を示すバー状のアイコンと露出状態を示すボタンアイコンが表示される(ステップS56)。
【0041】
図6(b)に、本実施の形態におけるスルー画像表示時の表示画面G2の一例を示す。図6(b)に示すように、表示画面G2は、第1の指標であるバー状のアイコンB2、第2の指標である操作子を示すボタンアイコンB3、及び露出値を示すアイコンB4等から構成される。ボタンアイコンB3がタッチされたまま、次に説明する処理が実行されるか待ち受けられることになる。
【0042】
次いで、ボタンアイコンB3へのタッチが維持されたまま移動の範囲(バー状のアイコンB2で示される範囲)に沿った移動が検出されたか否か判断される(ステップS57)。図6(b)の例では、操作子を示すボタンアイコンB3にタッチパネル23からのタッチが維持されたまま、バー状のアイコンB2の方向の移動が検出されたか否かが判断されることになる。
タッチが維持されたまま移動の範囲に沿った移動が検出されなかった場合(ステップS57;NO)、ステップS55に戻る。
【0043】
タッチが維持されたまま移動の範囲に沿った移動が検出された場合(ステップS57;YES)、当該移動された位置にボタンアイコンB3が移動される(ステップS58)。そして移動した位置に応じた設定内容(露出値を示すアイコンB4)が表示され(ステップS59)、表示中のスルー画像に対して当該設定内容に応じた制御がなされる(ステップS60)。具体的には、設定内容テーブルT2の「対応移動範囲(中心座標の移動範囲)」フィールドの値がステップS58において移動された位置に対応するレコードの「設定内容(露出値/Ev)」フィールドの値が設定内容として抽出され、「移動時の表示位置(座標)」フィールドに格納された位置に表示される。設定内容として抽出された値に応じた制御がステップS60において行われることになる。
例えば、ボタンアイコンB3がタッチされて移動した位置が(365、210)であれば、設定内容テーブルT2の「対応移動範囲(中心座標の移動範囲)」フィールドの値が「(365、120)→(365、210)−(365、205)」に対応するレコードの「設定内容(露出値/Ev)」フィールドの値である「+1.6」が露出値として設定され、スルー画像に対して制御が行われる。
【0044】
図6(c)に、本実施の形態におけるスルー画像表示時の表示画面G3の一例を示す。図6(c)の例では、ボタンアイコンB3へのタッチが維持されたまま(365、225)から(365、215)の間の領域までタッチの位置が移動された場合を示している。
当該タッチの位置に対応する設定内容テーブルT2のレコードが参照され、「移動時の表示位置(座標)」フィールドに格納された値(本例では(330、210)の位置)に対応する座標に設定内容の数値(本例では「+1.6」)が表示される。表示中のスルー画像に対しては当該表示中の数値(本例では「+1.6」)に対応した処理がスルー画像に対して行われ、表示画面G3に各アイコンに重畳されて表示されることになる。
【0045】
図6(d)に、本実施の形態におけるスルー画像表示時の表示画面G4の一例を示す。図6(d)に示すように、図6(c)の状態からタッチパネル23へのタッチが維持されたまま、さらにバー状のアイコンB2方向の移動がなされた場合には、継続して露出値の変化がなされ、表示部24も表示画面G4のように変化する。
【0046】
次いで、タッチパネル23から接触の解除が検出されたか否か判断される(ステップS61)。タッチの解除が検出されなかった場合(ステップS61;NO)、ステップS58に戻る。タッチの解除が検出された場合(ステップS61;YES)、解除された地点のタッチパネル23上の座標が取得され、対応する露出値にフラグがセットされる(ステップS62)。具体的には、ステップS61でタッチが解除された時点での露出値に対応する設定内容テーブルT1のレコードの「設定フラグ」フィールドの値が「1」として設定され、他のレコードの「設定フラグ」フィールドの値が「0」として設定される。
【0047】
図7(a)にステップS61によってタッチの解除が検出された後の表示画面G5の一例を示す。図7(a)に示すように、タッチが解除された場合には、バー状のアイコンが消去され、タッチが解除された位置から表示画面G1において表示されていたアイコンB1の位置にボタンアイコンB3が戻る。
【0048】
次いで、ステップS62でフラグが設定されたレコードに対応する値がアイコンB1に重畳して表示される(ステップS63)。
【0049】
図7(b)にステップS63によって設定された後の表示画面G6の一例を示す。図7(b)に示すように、接触解除が検出された時点での値(図示中の例では露光値が「+2.0」の値)がアイコンB1に重畳して表示画面G6に表示されている。
【0050】
一方、特定範囲のタッチが検出されなかった場合(ステップS54)、操作部27のシャッターキーの操作が検出されたか否か判断される(ステップS64)。操作部27のシャッターキーの操作が検出された場合(ステップS64;YES)、撮像部21によって撮像された画像が記憶部25もしくは外部記憶I/O部29に接続されているメモリーカード等に保存され(ステップS65)、ステップS53に戻る。
シャッターキーの操作が検出されなかった場合(ステップS64;NO)、操作部27を介して撮影モードの解除の入力がされたか否か判断される(ステップS66)。撮影モードの解除の入力がされなかった場合(ステップS66;NO)、ステップS53に戻る。撮影モードの解除の入力がされた場合(ステップS66;YES)、処理は終了する。
【0051】
以上のように、本実施の形態におけるデジタルカメラ10は、表示部24に表示されているスルー画像に重畳的に表示されているアイコンをタッチパネル23からタッチすることにより、当該アイコンから設定内容の変更の操作を行うことができるので、設定内容の変更のためのメニュー画面の呼び出し操作が簡略化し、さらに画面上の情報表示の位置と設定内容の変更ためのボタンアイコンの位置に関連性があるため、ユーザが設定内容の変更を行う際の操作の利便性が向上する。
【0052】
また、表示部24の中央等に設定変更のためのアイコン等やテキスト画面等が重畳して表示されることがなく、設定変更に伴うスルー画像の変化を確認しながらアイコンの操作をすることができるので、設定変更時の視認性が向上する。
【0053】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定されない。例えば、本実施の形態ではデジタルカメラ10を例に挙げて説明したが、PDA(Personal Digital Assistant)やその他の情報端末であってもよく、本実施の形態における説明は本発明を限定するものではない。
【0054】
なお、本実施の形態では、露光値の設定内容の変更の場合を例としてあげたが、この記述は本発明の一例を示すものであり、これに限定されない。例えば、本実施の形態の表示状態設定テーブルT1の内容で挙げれば、ISO感度やホワイトバランスを本実施の形態と同様、タッチパネル23からの接触によりバー状のアイコンを表示させ、接触を保ったままスライドすることにより設定内容の変更ができるようにしてもよい。
【0055】
なお、表示状態設定テーブルT1に格納される内容は、本実施の形態に限られるものではない。例えば、スルー画像に重畳的に表示されるアイコンとボタンアイコンの位置はユーザの好みに応じて配置が変更できるようにしてもよい。つまり、表示状態設定テーブルT1に格納される内容やアイコン表示等は、ユーザの好みに応じて設定するようにしてもよい。
【0056】
なお、設定内容テーブルT2に格納される内容は、本実施の形態に限られるものではない。図4に示した例の各値は設定に応じて任意に変更可能であってもよいし、露出値以外の機能を変更する場合には、機能に応じた値が格納されることになる。例えば、設定内容変更処理によってホワイトバランスを変更する場合には、ホワイトバランスを示す値が格納されてもよいし、「対応移動範囲(中心座標の移動範囲)」フィールドに格納される値は、機能の変更に応じて随時更新されるものとする。
【0057】
その他、本実施の形態に係るデジタルカメラ10を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施の形態におけるデジタルカメラを示す機能ブロック図である。
【図2】図1のタッチパネルの構成を示す模式図である。
【図3】図1の記憶部に記憶される表示状態設定テーブルの一例を示す模式図である。
【図4】図1の記憶部に記憶される設定内容テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】図1の制御部によって実行される設定内容変更処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の表示部に表示される画面遷移の一例を示す模式図である。
【図7】図1の表示部に表示される画面遷移の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0059】
10 デジタルカメラ
20 制御部
21 撮像部
22 A/D変換部
23 タッチパネル
24 表示部
25 記憶部
26 画像処理部
27 操作部
28 I/F
29 外部記憶I/O部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段の予め定められた所定位置に対する外部からの指示を検出する指示検出手段と、
前記指示検出手段によって前記指示が検出されている状態で、当該指示の予め定められた方向への移動を検出する移動検出手段と、
前記指示検出手段によって検出された前記指示が解除されたことを検出する解除検出手段と、
前記指示検出手段によって指示が検出されてから前記解除検出手段による解除が検出されるまでに前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて、制御対象に予め定められた機能の設定内容を変更する設定内容変更手段と、
前記所定位置に前記設定内容を表示させるとともに、前記設定内容変更手段によって変更された前記設定内容を前記所定位置に表示させるよう制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする設定装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記指示検出手段によって指示が検出された際に、前記移動検出手段による検出が可能な方向を示す第1の指標を前記表示手段に表示させるよう制御し、
前記所定方向とは、前記表示制御手段によって表示される前記第1の指標で示される方向であることを特徴とする請求項1に記載の設定装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記所定位置への指示を入力するための操作子を示す第2の指標に重畳させて前記設定内容を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の設定装置。
【請求項4】
前記移動検出手段によって検出された前記所定方向への移動が停止したことを検出する停止検出手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって移動が検出されてから前記停止検出手段によって前記所定方向への移動の停止が検出されるまでの間に前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて前記設定内容変更手段によって変更された前記設定内容を前記表示手段に表示させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の設定装置。
【請求項5】
前記表示手段は前記設定内容に応じて表示態様が制御された画像を表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の設定装置。
【請求項6】
撮像手段を更に備え、
前記画像とは、前記撮像手段によって撮像された画像であることを特徴とする請求項5に記載の設定装置。
【請求項7】
前記表示手段への接触を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段によって検出された接触の位置を検出する位置検出手段と、
を更に備え、
前記指示検出手段及び移動検出手段は前記位置検出手段による検出に基づいて、前記所定位置への指示及び前記所定方向への移動を検出するとともに、前記解除検出手段は、前記接触検出手段によって検出された接触の位置に基づいて前記指示検出手段による指示が解除されたことを検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の設定装置。
【請求項8】
前記停止検出手段は、前記位置検出手段によって検出された接触の位置に基づいて、所定方向への移動が停止したことを検出することを特徴とする請求項7に記載の設定装置。
【請求項9】
表示部を備える電子機器が有するコンピュータを、
前記表示部の予め定められた所定位置に対する外部からの指示を検出する指示検出手段、
前記指示検出手段によって前記指示が検出されている状態で、当該指示の予め定められた方向への移動を検出する移動検出手段、
前記指示検出手段によって検出された前記指示が解除されたことを検出する解除検出手段、
前記指示検出手段によって指示が検出されてから前記解除検出手段による解除が検出されるまでに前記移動検出手段によって検出された移動の距離に応じて予め定められた機能の設定内容を変更する設定内容変更手段、
前記所定位置に前記設定内容を表示させるとともに、前記設定変更手段によって変更された前記設定内容を前記所定位置に表示させるよう制御する表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−230036(P2009−230036A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78134(P2008−78134)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】