説明

設計支援システム、プログラムおよび方法

【課題】
3D-CADと配線表から直接必要な設計情報を取得し、配線作業に適した配線経路および配線動作/時間を自動的に生成する設計支援技術を提供する。
【解決手段】
3D-CADと配線表から取得した設計情報を基に定義した配線空間と経由点候補から配線長が短くなる配線経路を探索し、その中からスタイル取りを考慮して配線時間が短くなるように配線経路を選択し、これをもとに実体配線図を描画するとともに、配線動作を生成し、配線時間を推定する。これによって3D-CADと配線表から実体配線図の描画と配線動作の生成ができるので、描画時間の短縮と配線工程の設計と改善構造の創出に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線経路および配線動作/時間を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、CAD(Computer Aided Design)図面とワイヤハーネス条件を基に、ワイヤハーネス配線経路探索空間を分割して複数の格子点を算出し、起点から終点方向に一番近い格子点を配線経路格子点として順次選択する方法が提案されている。
【0003】
非特許文献1には、結線方法およびアクセス障害有無と組立時間の二元表から該当する配線方法の所用時間を推定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-176616号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Product Design for Manufacture nad Assembly」(Geoffre Boothroyd,2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1の方法で分割したワイヤハーネス配線経路探索空間を起点から終点方向に一番近い格子点を配線経路格子点として順次選択した配線経路が、配線長最短配線経路とは限らない。またスタイル取り時間を考慮していないため、選択した配線経路が配線時間最短配線経路とは限らない。さらに配線経路探索空間内に障害物などの配線不可格子点がある場合は袋小路で行き止まりとなる可能性がある。
【0007】
非特許文献1の方法は、結線方法をリストから選択しなければならず時間が掛かる。またアクセス障害有無を決定するためには、障害物を迂回する配線経路を予め決定しなければならず、さらに時間が掛かる。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、3D-CADと配線表から取得した設計情報をもとに、配線時間を最短にする配線経路を生成し、配線動作/時間を生成する設計支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は配線の起点と終点の間の空間に格子点(node)を想定し、nodeを通る経路の中から、配線が曲がり角度を有して配置されるnodeにおけるスタイル取りを考慮して、配線作業を効率的に行うのに適した配線経路を探索することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、CADと配線表から配線時間を短くする配線経路を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係わる設計支援システムの第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる3D-CADモデルの一例を示す立体図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる配線表である。
【図4−1】本発明の第1の実施の形態に係わる3D-CADから取得した設計情報である。
【図4−2】本発明の第1の実施の形態に係わる配線表から取得した設計情報である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路を生成するシーケンスである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係わる配線空間とnodeである。
【図7−1】本発明の第1の実施の形態に係わる配線長最短配線経路を生成するシーケンスである。
【図7−2】本発明の第1の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成例である。
【図8−1】本発明の第1の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路探索方法を示す図である。
【図8−2】本発明の第1の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成例である。
【図9−1】本発明の第1の実施の形態に係わる実体配線図描画データである。
【図9−2】本発明の第1の実施の形態に係わる実体配線図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係わる配線動作/時間生成シーケンスである。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係わる接触面ベクトル情報取得方法を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係わる組付動作DBの結線情報の抜粋である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係わるスタイル取りが必要なnodeの取得シーケンスである。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係わる組付動作DBのスタイル取り情報の抜粋である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係わる組付動作DBの固定情報の抜粋である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係わる組立動作一覧表である。
【図17】本発明に係わる設計支援システムの第2の実施の形態を示す概略構成図である。
【図18−1】本発明の第2の実施の形態に係わる配線表である。
【図18−2】本発明の第2の実施の形態に係わる配線表から取得した設計情報である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成シーケンスである。
【図20−1】本発明の第2の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成シーケンスである。
【図20−2】本発明の第2の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成例である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成例である。
【図22−1】本発明の第2の実施の形態に係わる実体配線図描画データである。
【図22−2】本発明の第2の実施の形態に係わる実体配線図描画例である。
【図23】本発明に係わる設計支援システムの第3の実施の形態を示す概略構成図である。
【図24−1】本発明の第3の実施の形態に係わる配線表である。
【図24−2】本発明の第3の実施の形態に係わる配線表から取得した設計情報例である。
【図25】本発明の第3の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成シーケンスである。
【図26−1】本発明の第3の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成シーケンスである。
【図26−2】本発明の第3の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成例である。
【図27】本発明の第3の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成例である。
【図28−1】本発明の第3の実施の形態に係わる実体配線図描画データである。
【図28−2】本発明の第3の実施の形態に係わる実体配線図描画例である。
【図29】本発明に係わる設計支援システムの第4の実施の形態を示す概略構成図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態に係わる3D-CADモデルである。
【図31】本発明の第4の実施の形態に係わる配線表である。
【図32−1】本発明の第4の実施の形態に係わる3D-CADモデルから取得した設計情報である。
【図32−2】本発明の第4の実施の形態に係わる配線表から取得した設計情報である。
【図33】本発明の第4の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成シーケンスである。
【図34】本発明の第4の実施の形態に係わる配線空間とnodeを示す図である。
【図35】本発明の第4の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成例である。
【図36】本発明の第4の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成例である。
【図37】本発明に係わる設計支援システムの第5の実施の形態を示す概略構成図である。
【図38】本発明の第5の実施の形態に係わる3D-CADモデルである。
【図39】本発明の第5の実施の形態に係わる配線表である。
【図40−1】本発明の第5の実施の形態に係わる3D-CADから取得した設計情報である。
【図40−2】本発明の第5の実施の形態に係わる配線表から取得した設計情報である。
【図41】本発明の第5の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成シーケンスである。
【図42】本発明の第5の実施の形態に係わる配線空間とnodeを示す図である。
【図43−1】本発明の第5の実施の形態に係わる配線長最短配線経路生成シーケンスである。
【図43−2】本発明の第5の実施の形態に係わる配線時間最短配線経路生成例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
以下に、本発明に係わる第1の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係わる設計支援システムの第1の実施の形態を示す概略構成図である。本発明に係わる設計支援システム1は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、RAMなどのメモリとHDDなどの外部記憶装置と、キーボード、マウスなどの入力装置と、ディスプレイ、プリンタなどの出力装置と、外部機器との接続のための通信インタフェースと、これらを接続するバスなどを備える、汎用のコンピュータシステム(図示せず)により構成される。メモリ、外部記憶装置には、下記の構成要素及び機能を達成するためのプログラムが格納されている。そして、下記の構成要素および機能は、CPUがメモリにロードされたプログラムを実行することにより達成される。
【0015】
設計支援システム1は、その機能部として設計情報取得部10と、配線経路生成部20と、配線動作/時間生成部30とを備えて構成される。
【0016】
設計情報取得部10は、3D-CAD(Computer Aided Design)モデルからコネクタ名、ピン座標等の設計情報を取得し、配線表からケーブル番号、ケーブル属性、コネクタ名称、ピン番号等の設計情報を取得する。
【0017】
配線経路生成部20は、設計情報取得部10で取得したコネクタピン座標から配線空間とnodeを定義し、配線時間が最短となる配線経路を生成し、実体配線図22を提示する。
【0018】
配線動作/時間生成部30は、設計情報取得部10で取得した設計情報と配線経路生成部20で生成した配線経路から配線動作の生成と配線時間の算出を行い、配線動作一覧表32を提示する。
【0019】
設計情報取得部10、配線経路生成部20、配線動作/時間生成部30は、演算装置上で動作するソフトウェアであり、3DCAD/配線表6、設計情報15、配線経路25、実体配線図22、配線動作一覧表32は、外部記憶装置、メモリなどに記憶されたデータである。
【0020】
次に、上記のように構成される設計支援システム1の動作について詳細に説明する。
【0021】
図2に、本事例で使用する3D-CADモデル100を示す。これは、筐体110に制御BOX111と機器112と機器113と機器114を取付けたものである。制御BOX111には3ピンコネクタ(F1)が、機器112と113と114にはそれぞれ1ピンコネクタ(T1),(T2),(T3)が取付けられている。
【0022】
図3に、3D-CADモデル100の配線表120を示す。これは、制御BOX111と機器112,機器113及び機器114を接続するケーブルのケーブル番号121、ケーブル属性122、起点となるコネクタの名称123、ピン番号124、終点となるコネクタの名称125、ピン番号126などが記載されている。
【0023】
図4-1および図4-2に、設計支援システム1の設計情報取得部10が取得した設計情報を示す。設計情報取得部10は、3D-CADモデル100から、電気機器名称131(制御BOX111、機器112、機器113、機器114)とこれらに取付けられたコネクタ名称132(F1,T1,T2,T3)とピン番号133およびそのピン座標134などの設計情報130を取得する。また、配線表120から制御BOX111と機器112,機器113及び機器114を接続するケーブルのケーブル番号141、ケーブル属性142、起点となるコネクタの名称143、ピン番号144、終点となるコネクタの名称145、ピン番号146などの設計情報140を取得する。
【0024】
図5に、設計支援システム1の配線経路生成部20が配線経路を生成し、実体配線図22を描画するシーケンスを示す。ステップS121で設計情報130および140を取得し、ステップS122で配線空間とnodeと起点・終点とを定義し、ステップS123で配線長が最短となる配線経路を探索し、ステップS124で配線時間が最短になる配線経路を探索し、ステップS125で配線経路をディスプレイに出力して描画する。
【0025】
図6に、ステップS122で定義した配線空間とnodeを示す。配線空間は筐体100内の全空間と定義してもよいが、ここではより配線経路となる可能性の高いコネクタピン座標の最大値と最小値の間の空間を配線空間と定義する。なお、3ピンコネクタの場合はその中央のピン座標を代表値とする。本実施例の配線空間を、配線表120から取得した設計情報140から、X方向の最大値は110mm、最小値は10mm、Y方向の最大値は90mm、最小値は10mm、Z方向は5mmと定義した。この配線空間に格子状の線を想定し、その交点をnodeとする。本事例では最大配線間隔を30mmとし、格子間隔をその2/3の20mmとし、斜め方向のnodeへの配線を可能に設定した。
【0026】
図7-1に図5のステップS123の配線長最短配線経路を探索するシーケンスの抜粋を、図7-2にコネクタ(F1)とコネクタ(T1)を接続する配線長最短配線経路の探索例を示す。ステップS1231で起点(F1)から30mm以内にあるnodeを探索し、node1 (図面中では、丸囲みの数字で表す。以下同じ)とnode6を抽出する。ステップS1232で抽出したnode1から30mm以内にあるnodeを探索し、node2、6、7を抽出する。またステップS1233で抽出したnode6から30mm以内にあるnodeを探索し、node1、2、7、11、12を抽出する。ステップS1234でnode2に至る各経路の距離を算出する。ステップS1235で経路1-2(1と2とをこの順で通る経路。以下同じ)と経路6-2の距離を比較し、より少ない経路だけを残し、それ以外は削除する。ここでは経路長40mmの経路1-2を残し、経路長56mmの経路6-2を削除する。図7-2に示すように、同様の操作を終点に至るまで繰り返し、配線長最短配線経路を探索する。
【0027】
図8-1に図5のステップS124の配線時間最短配線経路の探索方法を示す。図7-2で探索した配線長を最短とする4通りの経路(経路1:1-7-13-19、経路2:6-7-13-19、経路3:6-12-13-19、経路4:6-12-18-19)の中でケーブルを経路に沿って変形させる動作(以下、スタイル取り動作と称す)が必要な回数が最少の経路を配線時間最短配線経路として抽出する。スタイル取り動作は、配線長最短配線経路上にあるnodeとその前後にあるnodeの方向が異なることから判定することができる。node1の場合、配線経路(F1)1の配線方向を示す単位ベクトル(経路ベクトル(F1)1)は(1 0 0)、経路ベクトル1-7は(0.7 0.7 0)で、その内積≠1であることから、ケーブル1はnode1で変形していると判定することができる。同様の計算を各nodeについて実施し、配線時間最短配線経路として経路1を選択する。図8-2に3本のケーブルの配線時間最短配線経路探索例を示す。
【0028】
図9-1に実体配線図描画データ150を示す。これは図4-2のケーブル番号141とケーブル属性142から転記したケーブル番号151とケーブル属性152と、図4-2の起点コネクタ名称143およびピン番号144と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した起点座標153と、配線時間最短配線経路の生成により取得した経由点座標154〜157と、図4-2の終点コネクタ名称145およびピン番号146と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した終点座標158により構成する。
【0029】
図9-2に実体配線図を示す。これは図9-1の実体配線図描画データ150の各座標を経由点とし、これらを滑らかに繋ぐことにより実体配線図を自動描画したものである。
【0030】
図10に、設計支援システム1の配線動作/時間生成部30が配線動作の生成および配線時間の推定を行い、配線動作一覧表32を提示するシーケンスを示す。ステップS131で設計情報130および140を取得し、ステップS132で配線経路情報150を取得する。これらの情報をもとに、ステップS133でケーブル結線部の移動方向を解析し、S134で結線動作の生成と結線時間の推定を行う。またステップS135でスタイル取り回数を算出し、ステップS136でスタイル取り動作の生成とスタイル取り時間の推定を行う。さらにステップS137でケーブル固定箇所数を算出し、ステップS138で固定動作の生成と固定時間の推定を行う。最後にステップS139で配線動作の一覧表を作成する。
【0031】
まずステップS131で取得した設計情報をもとに、ステップS133でケーブル結線部の移動方向を解析し、ステップS134で結線動作の生成と結線時間の推定を行う。図11に示すように、制御BOX111に取り付けられたコネクタ(F1)がケーブル1と接触する面のベクトルの反対方向の単位ベクトル(接触面ベクトルa)を取得する。この接触面ベクトルaと鉛直方向を示す単位ベクトル(鉛直ベクトルg)との内積を算出することにより、ケーブル結線部の移動方向を決定することができる。すなわち、内積が1であれば移動方向は鉛直方向と同じだから上から下への移動(下移動)となり、内積が0であれば移動方向は鉛直方向に直交するから横移動となる。図12に組付動作DB21の抜粋を示す。これは、接触面ベクトルと鉛直ベクトルの内積値欄1211と対応する移動動作欄1212と移動動作時間欄1213からなる対応表と、コネクタ型式などの結線方法を示す設計情報欄1214と対応する組立動作欄1215と組立時間欄1216からなる対応表により構成される。以上により、ケーブル1の結線動作を以下のように生成することができる。
・[コネクタ(F1)]を[制御BOX]に[横移動]動作で接続し、[保持]し、2本のねじで[ロック]する。
・推定時間:32秒
次にステップS132で取得した配線経路情報をもとに、ステップS135でスタイル取り回数を算出し、ステップS136でスタイル取り動作の生成とスタイル取り時間の推定を行う。図13にスタイル取り回数とそのnode情報の取得シーケンスを示す。まず起点と終点および経路上にあるnode座標などの設計情報を取得する。1つのnodeを選択し、その前後の経路ベクトルを算出する。前後の経路ベクトルの内積が1でなければこのnodeをスタイル取りが必要な経路点として登録する。内積が1であれば登録せずに次のステップに行く。配線経路上の全てのnodeに対してこれを実施する。図14に組付動作DB21の抜粋を示す。これは、経路ベクトルの内積欄1217と対応する組立動作欄1215と組立時間欄1216からなる対応表である。以上により、ケーブル1のスタイル取り動作を以下のように生成することができる。
・[ケーブル1]を[経由点1]でスタイル取りする。
・推定時間:16秒
次にステップS131で取得した設計情報とステップS132で取得した配線経路情報をもとに、ステップS137でケーブル固定箇所数を算出し、ステップS138でケーブル固定動作の生成とケーブル固定時間の推定を行う。連続するスタイル取りが不要なnodeの間隔を最大固定間隔で除した値を切り上げした整数値に1を加えた値をケーブル固定箇所数とする。図15に組付動作DB21の抜粋を示す。これは、ケーブル固定方法の設計情報欄1218と対応する組立動作欄1215と組立時間欄1216からなる対応表である。以上により、ケーブル1の固定動作を以下のように生成することができる。
・[ケーブル1]を[4ヶ所]で[束線バンド固定]する。
・推定時間:64秒
最後に生成した配線動作と所要時間をステップS139でまとめ、図16に示す配線動作一覧表160として提示する。これは、組立順161と配線動作162と動作時間163により構成する。
【0032】
以上により、3D-CADと配線表から取得した設計情報から単線の配線時間を最短とする配線経路を生成し、これを実体配線図として描画することができる。さらに配線動作を生成し、配線時間を推定できる。
【実施例2】
【0033】
以下に、本発明に係わる第2の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
図17は、本発明に係わる設計支援システムの第2の実施の形態を示す概略構成図である。本発明に係わる設計支援システム2は、実施例1の設計支援システム1と同等のハード構成を有する。
【0035】
設計支援システム2は、その機能部として設計情報取得部10と、配線経路生成部20とを備えて構成される。
【0036】
設計情報取得部10は、3D-CADモデルからコネクタ名、ピン座標等の設計情報を取得し、配線表からケーブル番号、ケーブル属性、コネクタ名称、ピン番号等の設計情報を取得する。
【0037】
配線経路生成部20は、設計情報取得部10で取得したコネクタピン座標から配線空間とnodeを定義し、配線時間が最短となる配線経路を生成し、実体配線図22を提示する。
【0038】
次に、上記のように構成される設計支援システム2の動作について詳細に説明する。本事例で使用する3D-CADモデルは、実施例1の3D-CADモデル100を使用する。
【0039】
図18-1に、配線表220を示す。これは、図3の配線表120にケーブル内部番号欄227を追加したものである。配線表220に示すように、本事例で使用するケーブルは3芯ケーブルである。
【0040】
設計支援システム2の設計情報取得部10が3D-CADモデル100から取得した設計情報は、図4-1と同様である。また図18-2に、配線表220から取得した設計情報240を示す。これは、図4-2にケーブル内部番号247を追加したものである。
【0041】
図19に、設計支援システム2の配線経路生成部20が配線経路を生成し、実体配線図22を描画するシーケンスを示す。ステップS221で設計情報130および240を取得し、ステップS122で配線空間とnodeを定義し、ステップS223で配線長が最短となる配線経路を探索し、ステップS224で配線時間が最短になる配線経路を探索し、ステップS225で配線経路を自動描画する。ステップS122で定義した配線空間とnodeは、実施例1と同様である。
【0042】
図20-1に図19のステップS223の配線長最短配線経路を探索するシーケンスを、図20-2に生成した配線長最短配線経路を示す。ステップS2231でnodeの1つを選択し、ステップS2232で起点(F1)と終点(T1)、(T2)、(T3)に至る配線長を最短とする配線経路を探索し、ステップS2233でこれらの配線長の合計値を算出する。ステップS2234でこの値が最小であれば、ステップS1235でこのnodeを分岐点として登録する。ステップS2234でこの値が最小でなければ、登録せずにステップS2236に進む。ステップS2236で全nodeを選択していなければ、再びステップS2233から計算を続行する。全nodeを選択した後に終了する。これにより図20-2に示すように、3芯ケーブルの配線長最短配線経路としてnode19を分岐点とした配線経路1〜4を生成することができる。
【0043】
図21に示すように、nodeからの配線長最短配線経路の合計値が最小となる配線経路が複数ある場合は、スタイル取り回数を最少とする配線経路を配線時間最短配線経路として選択する。図20-2の配線経路1のスタイル取り回数は3回で、配線経路2〜4は4回であるから、配線経路1を配線時間最短配線経路として選択した。
【0044】
図22-1に実体配線図描画データ250を示す。これは図18-2のケーブル番号141とケーブル属性142とケーブル内部番号247から転記したケーブル番号151とケーブル属性152とケーブル内部番号259と、図18-2の起点コネクタ名称143およびピン番号144と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した起点座標153と、配線時間最短配線経路の生成により取得した3芯ケーブルの経由点座標254〜256および分岐点座標257と、図4-2の終点コネクタ名称145およびピン番号146と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した終点座標158により構成する。
【0045】
図22-2に実体配線図を示す。これは図22-1の実体配線図描画データ250の各座標を経由点とし、これらを滑らかに繋ぐことにより実体配線図を自動描画したものである。
【0046】
以上により、3D-CADと配線表から取得した設計情報から3芯ケーブルの配線時間を最短とする配線経路を生成し、これを実体配線図として描画することができる。
【実施例3】
【0047】
以下に、本発明に係わる第3の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0048】
図23は、本発明に係わる設計支援システムの第3の実施の形態を示す概略構成図である。本発明に係わる設計支援システム3は、実施例1の設計支援システム1と同等のハード構成を有する。
【0049】
設計支援システム3は、その機能部として設計情報取得部10と、配線経路生成部20とを備えて構成される。
【0050】
設計情報取得部10は、3D-CADモデルからコネクタ名、ピン座標等の設計情報を取得し、配線表からケーブル番号、ケーブル属性、コネクタ名称、ピン番号等の設計情報を取得する。
【0051】
配線経路生成部20は、設計情報取得部10で取得したコネクタピン座標から配線空間とnodeを定義し、配線時間が最短となる配線経路を生成し、実体配線図22を提示する。
【0052】
次に、上記のように構成される設計支援システム3の動作について詳細に説明する。
【0053】
本事例で使用する3D-CADモデルは、実施例1の3D-CADモデル100を使用する。
【0054】
図24-1に、配線表320を示す。これは、図3の配線表120のケーブル属性欄122をハーネスとしたものである。配線表320に示すように、本事例で使用するケーブルは3本のケーブルを束ねたワイヤハーネスである。
【0055】
設計支援システム3の設計情報取得部10が3D-CADモデル100から取得した設計情報は、図4-1と同様である。また図24-2に、配線表320から取得した設計情報340を示す。
【0056】
図25に、設計支援システム3の配線経路生成部20が配線経路を生成し、実体配線図22を描画するシーケンスを示す。ステップS321で設計情報130および340を取得し、ステップS122で配線空間とnodeを定義し、ステップS323で配線長が最短となる配線経路を探索し、ステップS324で配線時間が最短になる配線経路を探索し、ステップS325で配線経路を自動描画する。
【0057】
ステップS122で定義した配線空間とnodeは、実施例1と同様である。
【0058】
図26-1に図25のステップS323の配線長最短配線経路を探索するシーケンスを、図26-2に生成した配線長最短配線経路を示す。ステップS3231でnodeの1つを選択し、ステップS3232で起点(F1)と終点(T1)、(T2)、(T3)に至る配線経路をX,Y,Z方向に限定した配線長を最短とする配線経路を探索し、ステップS3233でこれらの配線長の合計値を算出する。ステップS3234でこの値が最小であれば、ステップS3235でこのnodeを分岐点として登録する。ステップS3234でこの値が最小でなければ、登録せずにステップS3236に進む。ステップS3236で全nodeを選択していなければ、再びステップS3233から計算を続行する。全nodeを選択した後に終了する。これにより図26-2に示すように、node19を分岐点とした多数の配線長最短配線経路を生成することができる。
【0059】
図27に示すように、nodeからの配線長最短配線経路の合計値が最小となる配線経路が複数ある場合は、スタイル取り回数を最少とする配線経路を配線時間最短配線経路として選択する。図26-2の配線経路1のスタイル取り回数は3回で、他の配線経路は4回以上であるから、配線経路1を配線時間最短配線経路として選択した。
【0060】
図28-1に実体配線図描画データ350を示す。これは図24-2のケーブル番号141とケーブル属性142から転記したケーブル番号151とケーブル属性152と、図24-2の起点コネクタ名称143およびピン番号144と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した起点座標153と、配線時間最短配線経路の生成により取得したワイヤハーネスの経由点座標354-1乃至354-6および分岐点座標357と、図4-2の終点コネクタ名称145およびピン番号146と図4-1のコネクタ名称132およびピン番号133の照合により取得したピン座標134を転記した終点座標158により構成する。
【0061】
図28-2に実体配線図を示す。これは図28-1の実体配線図描画データ350の各座標を経由点とし、これらを滑らかに繋ぐことにより実体配線図を自動描画したものである。
【0062】
以上により、3D-CADと配線表から取得した設計情報からワイヤハーネスの配線時間を最短とする配線経路を生成し、これを実体配線図として描画することができる。
【実施例4】
【0063】
以下に、本発明に係わる第4の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0064】
図29は、本発明に係わる設計支援システムの第4の実施の形態を示す概略構成図である。本発明に係わる設計支援システム4は、実施例1の設計支援システム1と同等のハード構成を有する。
【0065】
設計支援システム1は、その機能部として設計情報取得部10と、配線経路生成部20とを備えて構成される。
【0066】
設計情報取得部10は、3D-CADモデルからコネクタ名、ピン座標などの配線に関連する設計情報や筐体と障害物との接触面ポイントの座標などの構造に関する設計情報を取得し、配線表からケーブル番号、ケーブル属性、コネクタ名称、ピン番号等の設計情報を取得する。
【0067】
配線経路生成部20は、設計情報取得部10で取得したコネクタピン座標や接触面ポイント座標から配線空間と配線可能なnodeを定義し、配線時間が最短となる配線経路を生成し、配線経路図21を提示する。
【0068】
次に、上記のように構成される設計支援システム4の動作について詳細に説明する。
【0069】
図30に、本事例で使用する3D-CADモデル400を示す。これは、筐体110に制御BOX111と機器112と機器113と機器114を取付けたものである。制御BOX111には3ピンコネクタ(F1)が、機器112と113と114にはそれぞれ1ピンコネクタ(T1),(T2),(T3)が取付けられている。さらに、筐体110の制御BOX111と機器112の間に障害物415が取付けられている。
【0070】
図31に、3D-CADモデル400の配線表420を示す。これは、図18-1と同様である。配線表420に示すように、本事例で使用するケーブルは3芯ケーブルである。
【0071】
図32-1および図32-2に、設計支援システム4の設計情報取得部10が取得した設計情報を示す。設計情報取得部10は、3D-CADモデル400から、電気機器名称131(制御BOX111、機器112、機器113、機器114)とこれらに取付けられたコネクタ名称132(F1,T1,T2,T3)とピン番号133とそのピン座標134とコネクタ型式135および障害物名435と障害物415と筐体100との接触面ポイント名436とポイント座標437と障害物415の高さ438などの設計情報430を取得する。また、配線表420から制御BOX111と機器112,機器113及び機器114を接続するケーブルのケーブル番号141、ケーブル属性142、起点となるコネクタの名称143、ピン番号144、終点となるコネクタの名称145、ピン番号146などの設計情報440を取得する。
【0072】
図33に、設計支援システム4の配線経路生成部20で配線経路を生成するシーケンスを示す。ステップS421で設計情報430および440を取得し、ステップS422で配線空間とnodeを定義する。ステップS423で筐体と障害物との接触面と配線空間の重なりがなければステップS426に進み、重なりがあればステップS424に進む。ステップS424で障害物高さが配線空間高さよりも低ければステップS426に進み、高ければステップS425に進む。ステップS425で接触面と配線空間の重なり領域にあるnodeを配線不可nodeとして登録する。ステップS426で配線長が最短となる配線経路を探索し、ステップS427で配線時間が最短になる配線経路を探索する。
【0073】
図34に、ステップS422で定義した配線空間とnodeおよびステップS423乃至S425で登録した配線不可nodeを示す。配線空間は筐体100内の全空間と定義してもよいが、ここではより配線経路となる可能性の高いコネクタピン座標の最大値と最小値の間の空間を配線空間と定義する。なお、3ピンコネクタの場合はその中央のピン座標を代表値とする。本実施例の配線空間を、配線表120から取得した設計情報140から、X方向の最大値は110mm、最小値は10mm、Y方向の最大値は90mm、最小値は10mm、Z方向は5mmと定義した。この配線空間に格子状の線を想定し、その交点をnodeとする。本事例では最大配線間隔を30mmとし、格子間隔をその2/3の20mmとした。筐体110と障害物415の接触面ポイントは、図32-1のP1、P2、P3、P4の4点であり、上記配線空間と重なる領域にある配線不可nodeは、node13、14、15の3ヶ所である。
【0074】
図35にnode13、14、15を配線不可nodeとした配線長最短配線経路の探索例を示す。nodeの1つを選択し、起点(F1)と終点(T1)、(T2)、(T3)に至る配線長を最短とする配線経路を探索し、これらの配線長の合計値が最小となる配線経路を最短経路として生成する。これにより、node18を分岐点とした配線経路1および2を生成することができる。
【0075】
図36に示すように、nodeからの配線長最短配線経路の合計値が最小となる配線経路が複数ある場合は、スタイル取り回数を最少とする配線経路を配線時間最短配線経路として選択する。図35の配線経路1のスタイル取り回数は5回で、配線経路2は6回であるから、配線経路1を配線時間最短配線経路として選択した。
【0076】
以上により、3D-CADと配線表から取得した設計情報から配線空間に障害物がある場合でも、単線の配線時間を最短とする配線経路を生成し、配線経路図を提示することができる。
【実施例5】
【0077】
以下に、本発明に係わる第5の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0078】
図37は、本発明に係わる設計支援システムの第5の実施の形態を示す概略構成図である。本発明に係わる設計支援システム5は、実施例1の設計支援システム1と同等のハード構成を有する。
【0079】
設計支援システム5は、その機能部として設計情報取得部10と、配線経路生成部20とを備えて構成される。
【0080】
設計情報取得部10は、3D-CADモデルからコネクタ名、ピン座標等の設計情報を取得し、配線表からケーブル番号、ケーブル属性、コネクタ名称、ピン番号等の設計情報を取得する。
【0081】
配線経路生成部20は、設計情報取得部10で取得したコネクタピン座標から配線空間とnodeを定義し、配線時間が最短となる配線経路を生成し、配線経路図21を提示する。
【0082】
次に、上記のように構成される設計支援システム5の動作について詳細に説明する。
【0083】
図38に、本事例で使用する3D-CADモデル500を示す。これは、筐体510に制御BOX511と電源BOX512と機器513とを取付けたものである。制御BOX511にはコネクタ(S1)が、電源BOX512にはコネクタ(D1)が、機器513にはコネクタ(S2)と(D2)が取付けられている。
【0084】
図39に、3D-CADモデル500の配線表520を示す。これは、制御BOX511のコネクタ(S1)と機器513のコネクタ(S2)を接続するケーブル1と、電源BOX512のコネクタ(D1)と機器513のコネクタ(D2)を接続するケーブル2のケーブル番号521、ケーブル属性522、起点となるコネクタの名称523、ピン番号524、終点となるコネクタの名称525、ピン番号526などが記載されている。
【0085】
図40-1および図40-2に、設計支援システム5の設計情報取得部10が取得した設計情報を示す。設計情報取得部10は、3D-CADモデル500から、電気機器名称531(制御BOX511、電源BOX512、機器513)とこれらに取付けられたコネクタ名称532(S1,D1,S2,D2)とピン番号533とそのピン座標534などの設計情報530を取得する。また、配線表520から制御BOX511のコネクタ(S1)と機器513のコネクタ(S2)を接続するケーブル1と、電源BOX512のコネクタ(D1)と機器513のコネクタ(D2)を接続するケーブル2のケーブル番号521、ケーブル属性522、起点となるコネクタの名称523、ピン番号524、終点となるコネクタの名称525、ピン番号526などの設計情報540を取得する。
【0086】
図41に、設計支援システム5の配線経路生成部20が配線経路を生成し、配線経路図21を生成するシーケンスを示す。ステップS521で設計情報530および540を取得し、ステップS522で配線空間とnodeを定義し、ステップS523で配線長が最短となる配線経路を探索し、ステップS524で配線時間が最短になる配線経路を探索し、ステップS525で配線経路図を生成する。
【0087】
図42に、ステップS522で定義した配線空間とnodeを示す。配線空間は筐体510内の全空間と定義してもよいが、ここではより配線経路となる可能性の高いコネクタピン座標の最大値と最小値の間の空間を配線空間と定義する。本実施例の配線空間を、配線表520から取得した設計情報540から、X方向の最大値は110mm、最小値は10mm、Y方向の最大値は90mm、最小値は10mm、Z方向は5mmと定義した。この配線空間に格子状の線を想定し、その交点をnodeとする。本事例では最大配線間隔を30mmとし、格子間隔をその1/3の10mmとした。
【0088】
図43-1に図41のステップS523の配線長最短配線経路を探索するシーケンスを、図43-2に配線長最短配線経路の探索例を示す。ステップS5231で、起点(S1,D1)の中点C1を起点とし、終点(S2,D2)の中点C2を終点とする配線時間最短配線経路を探索し、仮想最短経路(V1)とする。本事例の場合、node(a)(g)(m)(s)を経由点とする経路を生成した。ステップS5232で、仮想最短経路(V1)から算出した配線長さと取得した設計情報から、ケーブル1とケーブル2に必要な間隔dを算出する。ステップS5232で、仮想最短経路(V1)から1/d離れた境界線を持つ2つの配線空間とnodeを新たに定義する。ステップS5232で、これらのnodeを経由点とする配線長最短配線経路を探索する。本事例の場合、ケーブル1の配線長最短配線経路としてnode1-7-13-19を、ケーブル2の配線長最短配線経路としてnode6-12-18を経由点とする配線経路を生成した。
【0089】
ステップS524で、図43-2の配線長最短配線経路が複数ある場合は、スタイル取り回数が最少の経路を配線時間最短配線経路として抽出する。本事例の場合、各経路ともに配線長最短配線経路が1通りであるから、これを配線時間最短配線経路とした。
【0090】
以上により、3D-CADと配線表から取得した設計情報からノイズによる障害が発生する危険性のある隣接する複数のケーブルがある場合でも、これらを考慮した配線時間を最短とする配線経路を生成し、配線経路図を提示することができる。
【0091】
以上、実施例1〜5について説明した。実施例内では、配線経路長が最短となる経路のみを候補とし、配線時間やスタイル取り回数等を算出したが、これに限らず、経路長が最短でないものについても配線時間・スタイル取り回数を算出し、配線長と配線時間・スタイル取り回数等から総合的に判断して、最終的に提示する配線経路を選択してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1〜5・・設計支援システム、6・・3D−CAD/配線表、10・・設計情報取得部、15・・設計情報、20・・配線経路生成部、25・・配線経路、30・・配線動作/時間生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線に関する情報を生成する設計支援システムであって、
CADデータ及び配線表とに基づいて、配線が配置されるべき起点と終点を含む配線空間を生成する配線空間生成手段と、
前記配線空間に配線経路を生成する配線経路生成手段と、
前記生成した配線経路を出力する配線経路出力手段とを備え、
前記配線経路生成手段は、配置される配線の長さ及び曲がり角に基づいて配線経路を生成することを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記CADデータは、前記配線を取り付けるための複数のnodeの位置情報を有し、
前記配線経路は、配線が前記nodeを経由し、前記node間に配線が所定距離内になるように生成されることを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記配線は、各node間を直線で接続されるとともに、前記nodeにおいて前記曲がり角を有することが可能であることを特徴とする設計支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記配線経路生成手段は、複数の配線経路の候補を生成し、前記配線経路の候補の長さ及び曲がり角に基づいて配線を配置するのに要する配線時間を算出し、当該配線時間に基づいて、前記配線経路として生成する前記配線経路の候補を選択することを特徴とする設計支援システム。
【請求項5】
請求項3において、
前記配線経路生成手段は、配線が曲がり角度を有して配置される前記nodeの数に基づいて、配線経路として生成する前記配線経路の候補の選択を行うことを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】
請求項3または請求項5において、
前記配線経路生成手段は、nodeの前後における配線の方向ベクトルの内積を計算し、前記内積に基づいて、前記配線経路として生成する前記配線経路の候補の選択を行うことを特徴とする設計支援システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記配線経路生成手段は、生成した配線経路の候補のうち最短のものについてのみ、前記配線時間、配線が曲がり角を有して配置される前記nodeの数、または前記内積の算出対象とし、当該算出した配線時間もしくはnode数が最小、または内積が最大の配線経路の候補のみを配線経路として生成することを特徴とする設計支援システム。
【請求項8】
請求項1乃至7において、
前記配線経路は複数であり、
前記配線経路生成手段は、複数の配線経路の長さの合計に基づいて、前記複数の配線経路を生成することを特徴とする設計支援システム。
【請求項9】
請求項1乃至8において、
前記複数の配線は、少なくとも一部が結束され、異なる起点または終点を有する配線束であり、
前記配線経路生成手段は、前記結束の有無を考慮して前記配線経路の候補から生成する配線経路を選択することを特徴とする設計支援システム。
【請求項10】
請求項9において、
前記配線または配線束が曲がり角度を有して配置されるnodeの数に基づいて、前記配線経路経路の候補から生成する配線経路を選択することを特徴とする設計支援システム。
【請求項11】
請求項9において、
前記配線経路生成手段は、前記配線束と単線の前記配線では、配置可能な曲がり角の角度及びnode間距離の基準を異らせて、前記配線経路の候補を生成することを特徴とする設計支援システム。
【請求項12】
請求項2において、
前記CADデータに含まれるnodeのうち、配線ができないnodeを設定可能であることを特徴とする設計支援システム。
【請求項13】
請求項8において、
前記配線経路生成手段は、前記複数の配線経路間の距離が所定の距離より小さくならないように前記配線経路を生成することを特徴とするする設計支援システム。
【請求項14】
配線に関する情報を生成する設計支援プログラムであって、
コンピュータを、
CADデータ及び配線表とに基づいて、配線が配置されるべき起点と終点を含む配線空間を生成する配線空間生成機能と、
前記配線空間に配線経路を生成する配線経路生成機能と、
前記生成した配線経路を出力する配線経路出力機能として動作させ、
前記配線経路生成機能は、配置される配線の長さ及び曲がり角に基づいて配線経路を生成することを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項15】
配線に関する情報を生成する設計支援方法であって、
配線空間生成手段が、CADデータ及び配線表とに基づいて、配線が配置されるべき起点と終点を含む配線空間を生成する工程と、
配線経路生成手段が、前記配線空間に配線経路を生成する工程と、
配線経路出力手段が、前記生成した配線経路を出力する工程とを含み、
前記配線経路を生成する工程では、配置される配線の長さ及び曲がり角に基づいて配線経路を生成することを特徴とする設計支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【図19】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図21】
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【図22−1】
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【図22−2】
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【図23】
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【図24−1】
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【図24−2】
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【図25】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【図27】
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【図28−1】
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【図28−2】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32−1】
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【図32−2】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40−1】
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【図40−2】
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【図41】
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【図42】
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【図43−1】
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【図43−2】
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【公開番号】特開2011−242961(P2011−242961A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113819(P2010−113819)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】