説明

診断機器システム

【課題】充電池の重量を軽くすることができる診断機器システムを得る。
【解決手段】個人宅訪問又は介護施設訪問等での撮影により、訪問先に持ち出して可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を使用する場合には、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を移動用の自動車90に積み込む。自動車90に積み込まれた可搬型放射線撮影装置10若しくは可搬型X線源70に収納された稼働用充電池54、58の充電量が少ない場合、又は、訪問箇所が複数箇所あり、充電池54、58の充電量が途中で少なくなった場合には、自動車90に搭載された充電用充電池92を用いて稼働用充電池54、58を移動中に充電する。このように、移動中に稼働用充電池54、58を充電することで、予め多くの充電量を稼働用充電池に充電する必要がなくなるため、稼働用充電池54、58の重量を軽くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人又は動物の疾病の診断に用いられる診断機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の放射線画像検出器(診断機器)には、交換可能な充電池が搭載されている。そして、放射線画像検出器はこの充電池の電力で稼働するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−208303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、例えば、個人宅訪問又は介護施設訪問等で診断機器を使用する際に、訪問先が何箇所かある場合には、診断機器に用いられる充電池の充電量が減ってしまい、訪問先で診断機器が使用できなくなってしまう虞がある。このため、充電池の充電量を大きくする必要があり、従来の充電池の重量は重いものとなっていた。
【0005】
本発明の課題は、充電池の重量を軽くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る診断機器システムは、電力が供給されて稼働し、人又は動物の疾病の診断に用いられる診断機器と、車両に搭載される充電用充電池によって充電されると共に、前記診断機器に電力を供給して前記診断機器を稼働させる稼働用充電池と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、稼働用充電池から電力を取得して稼働した診断機器が、人又は動物の疾病の診断に用いられる。そして、この稼働用充電池は、車両に搭載される充電用充電池によって充電される。
【0008】
このように、車両に搭載される充電用充電池が、診断機器に電力を供給する稼働用充電池を充電することで、例えば、個人宅訪問又は介護施設訪問等で診断機器を使用する際に、移動の車両の中で稼働用充電池が充電される。
【0009】
これにより、予め多くの充電量を稼働用充電池に充電する必要がなくなるため、稼働用充電池の重量を軽くすることができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る診断機器システムは、請求項1に記載において、前記診断機器は、照射された放射線により現される放射線画像を記録する可搬型放射線撮影装置、及び前記可搬型放射線撮影装置に放射線を照射する可搬型X線源の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、診断機器は、照射された放射線により現される放射線画像を記録する可搬型放射線撮影装置、及び前記可搬型放射線撮影装置に放射線を照射する可搬型X線源の少なくとも一方である。
【0012】
可搬型放射線撮影装置及び可搬型X線源を稼働させる稼働用充電池の重量を軽くすることで、例えば、訪問先で、撮影時に被験者が可搬型放射線撮影装置を持って撮影する場合に、被験者の負担を軽減することができる。
【0013】
本発明の請求項3に係る診断機器システムは、請求項1又は2に記載において、前記充電用充電池は、車両としての自動車に搭載され、前記自動車の機能を発揮させるのに用いられることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、充電用充電池は、車両としての自動車に搭載され、自動車の機能を発揮させるのに用いられるものである。これにより、稼働用充電池を充電するためだけに専用部品として充電用充電池を設ける必要がなくなり、安価な構成で稼働用充電池を充電することができる。
【0015】
本発明の請求項4に係る診断機器システムは、請求項1〜3の何れか1項に記載において、前記稼働用充電池の容量は、前記充電用充電池の容量より小さいことを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、稼働用充電池の容量は、充電用充電池の容量より小さくされている。これにより、安定した状態で、充電用充電池が稼働用充電池を充電することができる。
【0017】
本発明の請求項5に係る診断機器システムは、請求項1〜4の何れか1項に記載において、前記稼働用充電池は、前記充電用充電池に比べて自己放電率が大きいことを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、稼働用充電池は、充電用充電池に比べて自己放電率が大きくされている。これにより、効果的に、充電用充電池が稼働用充電池を充電することができる。
【0019】
本発明の請求項6に係る診断機器システムは、請求項1〜5の何れか1項に記載において、前記稼働用充電池は、前記診断機器に着脱自在とされることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、稼働用充電池は、診断機器に着脱自在とされる。充電用充電池からの充電ができないようなトラブルが発生した場合には、診断機器に装着されている稼働用充電池を予備の稼働用充電池と交換することで、診断機器を稼働させることができる。
【0021】
本発明の請求項7に係る診断機器システムは、請求項1〜5の何れか1項に記載において、前記稼働用充電池を収納すると共に、収納された前記稼働用充電池の電力を前記診断器に供給する電気ケーブルを備えた収納器が設けられことを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、診断機器は、稼働用充電池に収納器の電気ケーブルを介して接続される。例えば、複数の診断機器を使用する場合に、電気ケーブルを用いて1個の稼働用充電池に複数の診断機器を接続することで、複数の診断機器を稼働させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、充電池の重量を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る診断機器システム、充電用充電池、及び自動車を示した構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムを示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムに用いられる可搬型放射線撮影装置を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムに用いられる可搬型X線源を示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムに用いられる可搬型放射線撮影装置を示した回路図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムに用いられる可搬型放射線撮影装置を示した断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る診断機器システムに用いられる可搬型放射線撮影装置を示した平面図である。
【図8】(A)(B)本発明の第2実施形態に係る診断機器システム、充電用充電池、及び自動車を示した構成図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る診断機器システムを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1実施形態に係る診断機器システム64の一例について図1〜図7に従って説明する。なお、図中の矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0026】
(全体構成)
図5に示されるように、診断機器システム64(図1(B)参照)に設けられた診断機器の一例としての可搬型放射線撮影装置10(所謂電子カセッテ)の筐体18の内部には、放射線撮像素子12が設けられている。この放射線撮像素子12は、上部電極と半導体層と下部電極を備え、放射線撮像素子12には、光を受けて電荷を蓄積するセンサ部14と、センサ部14に蓄積された電荷を読み出すためのTFTスイッチ16と、を含んで構成される画素20が2次元状に多数設けられている。
【0027】
また、放射線撮像素子12には、前述したTFTスイッチ16をON/OFFするための複数の走査配線22と、センサ部14に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線24と、が互いに交差して設けられている。
【0028】
本実施形態に係る放射線撮像素子12は、表面にGOS又はCsI等からなるシンチレータ30(図6及び図7参照)が貼り付けられている。シンチレータ30は、発生した光の外部への漏れだしを防止するため、貼り付けられた放射線撮像素子12に対する反対側の面に発生した光を遮光する遮光体30A(図6参照)を有している。
【0029】
放射線撮像素子12では、照射されたX線などの放射線はシンチレータ30で光に変換され、センサ部14に照射される。センサ部14は、シンチレータ30から照射された光を受けて電荷を蓄積するようになっている。
【0030】
そして、各信号配線24には、信号配線24に接続された何れかのTFTスイッチ16がONされることによりセンサ部14に蓄積された電荷量に応じて放射線画像を示す電気信号(画像信号)が流れるようになっている。
【0031】
また、放射線撮像素子12の信号配線方向の一端側には、結線用のコネクタ32が複数個並んで設けられ、走査配線方向の一端側には、コネクタ34が複数個並んで設けられている。そして、各信号配線24はコネクタ32に接続され、各走査配線22はコネクタ34に接続されている。
【0032】
さらに、本実施の形態では、放射線撮像素子12による放射線検出の制御、及び各信号配線24に流れる電気信号に対する信号処理の制御を行う制御部36が設けられ、制御部36は、信号検出回路42と、スキャン信号制御回路40と、を備えている。
【0033】
また、信号検出回路42には、複数個のコネクタ46が設けられており、このコネクタ46には、フレキシブルケーブル44の一端が電気的に接続されている。さらに、このフレキシブルケーブル44の他端は、コネクタ32に接続されており、信号配線24毎に、入力される電気信号を増幅する増幅回路を内蔵している。この構成により、信号検出回路42は、各信号配線24より入力される電気信号を増幅回路により増幅して検出することで、画像を構成する各画素20の情報として、各センサ部14に蓄積された電荷量を検出するようになっている。
【0034】
一方、スキャン信号制御回路40には、コネクタ48が設けられており、このコネクタ48には、フレキシブルケーブル52の一端が電気的に接続されている。さらに、このフレキシブルケーブル52の他端は、コネクタ34に接続されており、スキャン信号制御回路40は各走査配線22にTFTスイッチ16をON/OFFするための制御信号を出力するようになっている。
【0035】
また、図6に示されるように、本実施の形態に係る可搬型放射線撮影装置10は、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮影する撮影部60を有している。この撮影部60は、平板状に形成された支持基板62の一方の面に放射線撮像素子12が配置され(図5参照)、支持基板62の他方の面に放射線撮像素子12に対応する信号検出回路42及びスキャン信号制御回路40が配置されている。
【0036】
また、図3に示されるように、可搬型放射線撮影装置10には、可搬型放射線撮影装置10を稼働させる稼働用充電池54が設けられており、この稼働用充電池54は、可搬型放射線撮影装置10の側面に設けられた収納部56に着脱自在とされている。
【0037】
これに対し、図4に示されるように、可搬型放射線撮影装置10に放射線を照射する可搬型X線源70には、X線を照射する照射窓72と、可搬型X線源70のコリメータを調整する調整ダイヤル74と、可搬型X線源70を持ち運ぶときに把持する把持部76とが設けられている。
【0038】
さらに、可搬型X線源70には、可搬型X線源70を稼働させる稼働用充電池58が2個設けられている。そして、可搬型X線源70の側面には、この稼働用充電池58を収納する収納部68が2個設けられており、稼働用充電池58は、収納部68に対して着脱自在とされている。なお、稼働用充電池54、58、及び稼働用充電池54、58の充電方法については詳細を後述する。
【0039】
次ぎに、本実施形態に係る可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70の動作について説明する。
【0040】
図2に示されるように、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70は、後述する自動車90(図1(A)参照)に載せて個人宅や介護施設に持ち運ばれる。そして、この可搬型放射線撮影装置10は、放射線画像の撮影時において、放射線を発生させる可搬型X線源70と間隔を空けて配置される。詳細には、可搬型X線源70の把持部76を、個人宅又は介護施設にて簡易に組み立てられたアングル78の引掛け部80に引っ掛けることで、可搬型放射線撮影装置10と可搬型X線源70とは垂直方向に間隔を空けて配置される。
【0041】
また、このときの可搬型X線源70と可搬型放射線撮影装置10との間は、被写体82が位置するための撮影位置とされており、放射線画像の撮影が指示されると、可搬型X線源70は予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線を射出する。そして、可搬型X線源70から射出された放射線は、撮影位置に位置している被写体82を透過することで画像情報を担持した後に可搬型放射線撮影装置10に照射される。
【0042】
図6に示されるように、放射線撮像素子12では、照射されたX線などの放射線はシンチレータ30で光に変換され、センサ部14(図5参照)に照射される。センサ部14は、シンチレータ30から照射された光を受けて電荷を蓄積する。
【0043】
図5に示されるように、画像読出時には、スキャン信号制御回路40から放射線撮像素子12のTFTスイッチ16のゲート電極に走査配線22を介して順次ON信号(+10〜20V)が印加される。これにより、放射線撮像素子12のTFTスイッチ16が順次ONされることによりセンサ部14に蓄積された電荷量に応じた電気信号が信号配線24に流れ出す。信号検出回路42は、放射線撮像素子12の信号配線24に流れ出した電気信号に基づいて各センサ部14に蓄積された電荷量を、画像を構成する各画素20の情報として検出する。これにより、放射線撮像素子12に照射された放射線により示される画像を示す画像情報を得る。
【0044】
(要部構成)
次ぎに、稼働用充電池54、58、及び稼働用充電池54、58の充電方法について説明する。
【0045】
稼働用充電池54は、稼働用充電池58に対して同一形状及び同一特性とされており、稼働用充電池54と稼働用充電池58とは互換性を有している。
【0046】
また、前述したように、図3に示されるように、可搬型放射線撮影装置10には、稼働用充電池54を収納する収納部56が1個設けられている。これに対して、図4に示されるように、可搬型X線源70には、稼働用充電池58を収納する収納部68が2個設けられている。
【0047】
ここで、収納部56の個数及び収納部68の個数は、放射線画像を記録する際の単位枚数当りの可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70の消費電力に基づいて決められる。詳細には、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70の設計時に、放射線画像を記録する際の単位枚数当りの消費電力を、それぞれについて計測し、以下の数式に当てはまるように収納部56、68の個数を求め、収納部56、68を設ける。
【0048】
(可搬型放射線撮影装置10の単位枚数当りの消費電力)/(可搬型X線源70の単位枚数当りの消費電力)=(収納部56の個数)/(収納部68の個数)
なお、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70の単位枚数当りの消費電力の個体差を考慮し、複数の個体について消費電力を計測し、それら複数の計測値から、適宜、代表値を選ぶものとする。例えば、代表値とされる消費電力としては、以下の値から適宜選択することができる。
1.最大の消費電力にマージン(10%程度)を上乗せした値(この値が稼働用充電池の電力切れ防止の観点で最も良いと考える)
2.最大の消費電力の値
3.3σ(σは標準偏差)
4.平均値
5.最頻値
一方、図1(A)(B)に示されるように、稼働用充電池54、58を充電する充電用充電池92が設けられており、この充電用充電池92は、自動車90に搭載されている。そして、自動車90は、ガソリンを燃料として走行するガソリン車であって、充電用充電池92は、この自動車90の電気部品(例えばヘッドライト)に電力を供給する電力源とされている。
【0049】
詳細には、自動車90には、充電用充電池92によって稼働用充電池54、58を充電可能とする充電回路94が設けられている。そして、例えば、個人宅訪問又は介護施設訪問等で可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を使用する際に、移動の自動車90の中で稼働用充電池54、58が、充電回路94を介して充電用充電池92によって充電されるようになっている。
【0050】
また、稼働用充電池54、58の容量は、充電用充電池92の容量より小さくされている。さらに、稼働用充電池54、58は、充電用充電池92に比べて自己放電率が大きくさくされている。つまり、充電用充電池92は、充電池54、58に比べて放電し難いようになっている。
【0051】
なお、自己放電率の算出方法及び測定方法を下記に示す。
【0052】
電池の自己放電率[%]=(初期放電容量−保存後放電容量)/初期放電容量×100
<測定方法>
・第一段階:単電池又は組電池を周囲温度20±5℃で製造業者が指定する方法で充電する。
・第二段階:単電池又は組電池を周囲温度20±5℃で、電池電圧が規定する放電終止電圧になるまで0.2I[A]の定電流で放電する。この際の放電量を初期放電容量とする。ここで、I[A]:単電池又は組電池の1時間率の電流である。
・第三段階:単電池又は組電池を周囲温度20±5℃で製造業者が指定する方法で充電する。
・第四段階:単電池又は組電池を周囲温度20±5℃で28日間放置する。
・第五段階:単電池又は組電池を周囲温度20±5℃で、電池電圧が規定する放電終止電圧になるまで0.2I[A]の定電流で放電する。この際の放電量を保存後放電容量とする。
【0053】
(作用・効果)
次ぎに、診断機器システム64の作用・効果について説明する。
【0054】
図1に示されるように、個人宅訪問又は介護施設訪問等での撮影により、訪問先に持ち出して可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を使用する場合には、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を移動用の自動車90に積み込む。
【0055】
自動車90に積み込まれた可搬型放射線撮影装置10若しくは可搬型X線源70に収納された稼働用充電池54、58の充電量が少ない場合、又は、訪問箇所が複数箇所あり、充電池54、58の充電量が途中で少なくなった場合には、自動車90に搭載された充電用充電池92を用いて稼働用充電池54、58を移動中に充電する。
【0056】
このように、移動中に稼働用充電池54、58を充電することで、予め多くの充電量を稼働用充電池に充電する必要がなくなる。このため、稼働用充電池54、58の重量を軽くすることができる。
【0057】
また、稼働用充電池54、58の重量を軽くすることで、稼働用充電池54、58が収納される可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70の重量を軽くすることができる。
【0058】
また、可搬型放射線撮影装置10を軽くすることで、例えば、訪問先で、撮影時に被験者が可搬型放射線撮影装置10を持って撮影する場合に、被験者の負担を軽減することができる。
【0059】
また、移動中に稼働用充電池54、58を充電することができるため、稼働用充電池54、58の容量を1回の訪問で行う撮影枚数(撮影オーダ)に基づいて決めることができる。
【0060】
また、充電用充電池92は、自動車90に搭載され、自動車90の機能を発揮させるのに用いられるものである。これにより、稼働用充電池54、58を充電するためだけに専用部品として充電用充電池92を設ける必要がなくなり、安価な構成で稼働用充電池54、58を充電することができる。
【0061】
また、稼働用充電池54、58の容量は、充電用充電池92の容量より小さくされている。これにより、安定した状態で、充電用充電池92が稼働用充電池54、58を充電することができる。
【0062】
また、稼働用充電池54、58は、充電用充電池92に比べて自己放電率が大きくされている。つまり、充電用充電池92は、稼働用充電池54、58に比べて放電し難いようになっている。このため、充電用充電池92を用いて稼働用充電池54、58を充電する際に、効果的に稼働用充電池54、58を充電することができる。
【0063】
また、稼働用充電池54、58は、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に着脱自在とされている。充電用充電池92からの充電ができないようなトラブルが発生した場合には、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に装着されている稼働用充電池54、58を予備の稼働用充電池54,58と交換することで、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を稼働させることができる。
【0064】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、診断機器システム64を構成する機器として、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を用いて説明したが、どちらか一方であってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、診断機器システム64を構成する機器として、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を用いて説明したが、特に可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に限定されることなく、超音波診断機器又は心電図検査機器等であってもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、ガソリンを燃料として走行する自動車90(ガソリン車)に用いられる充電用充電池92を用いて説明したが、特にこれに限定されることなくディーゼル車、ハイブリッド、電気自動車等に用いる充電池を充電用充電池として用いてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、稼働用充電池54、58が可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に装着された状態で、充電用充電池92によって充電される図を用いて説明したが、特にこれに限定されることなく、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70から離脱された状態の稼働用充電池54、58を充電用充電池92で充電してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、特に言及しなかったが、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を用いて被写体82を撮影する際には、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を制御するノート型等のパーソナルコンピュータを用いてもよい。そして、このパーソナルコンピュータを稼働用充電池54、58で稼働させてもよい。
【0069】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る診断機器システム100の一例について図8、図9に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図8(A)(B)に示されるように、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70を稼働させる稼働用充電池102は、直接、充電用充電池92から充電回路94を介して充電されるようになっている。
【0071】
さらに、図9に示されるように、稼働用充電池102を収納する収納器104が設けられている。そして、訪問先で、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に電力を供給する場合には、稼働用充電池102を収納器104に収納する。さらに、収納器104に設けられた電気ケーブル106、108を、可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70から延出された電気ケーブル110、112と接続する。これにより、稼働用充電池102が、収納器104を介して可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70へ電力を供給するようになっている。
【0072】
また、収納器104には、電源ケーブル114が設けられており、この電源ケーブル114を電力供給可能なコンセント(例えば壁コンセント)に接続することで、収納器104に設けられた充電回路(図示省略)を介して収納器104に収納された稼働用充電池102が充電されるようになっている。
【0073】
つまり、稼働用充電池102は、訪問先への移動中には、充電用充電池92から充電可能とされ、訪問先では、収納器104に収納して電源ケーブル114をコンセントに差し込むことで充電可能とされている。
【0074】
以上説明したように、訪問先では、収納器104に収納された稼働用充電池102が電気ケーブル106、108を介して可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70に電力を供給する。これにより、1個の稼働用充電池102を用いて可搬型放射線撮影装置10及び可搬型X線源70(複数の診断機器)を稼働させることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 可搬型放射線撮影装置(診断機器)
54 稼働用充電池
58 稼働用充電池
64 診断機器システム
70 可搬型X線源(診断機器)
90 自動車(車両)
92 充電用充電池
100 診断機器システム
102 稼働用充電池
104 収納器
106 電気ケーブル
110 電気ケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が供給されて稼働し、人又は動物の疾病の診断に用いられる診断機器と、
車両に搭載される充電用充電池によって充電されると共に、前記診断機器に電力を供給して前記診断機器を稼働させる稼働用充電池と、
を備える診断機器システム。
【請求項2】
前記診断機器は、照射された放射線により現される放射線画像を記録する可搬型放射線撮影装置、及び前記可搬型放射線撮影装置に放射線を照射する可搬型X線源の少なくとも一方である請求項1に記載の診断機器システム。
【請求項3】
前記充電用充電池は、車両としての自動車に搭載され、前記自動車の機能を発揮させるのに用いられる請求項1又は2に記載の診断機器システム。
【請求項4】
前記稼働用充電池の容量は、前記充電用充電池の容量より小さい請求項1〜3の何れか1項に記載の診断機器システム。
【請求項5】
前記稼働用充電池は、前記充電用充電池に比べて自己放電率が大きい請求項1〜4の何れか1項に記載の診断機器システム。
【請求項6】
前記稼働用充電池は、前記診断機器に着脱自在とされる請求項1〜5の何れか1項に記載の診断機器システム。
【請求項7】
前記稼働用充電池を収納すると共に、収納された前記稼働用充電池の電力を前記診断器に供給する電気ケーブルを備えた収納器が設けられる請求項1〜5の何れか1項に記載の診断機器システム。
























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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