説明

試料管ホルダー

【課題】 長手方向対称軸(23)と、所定範囲の外径を有する円筒状の試料管(21、22)を受理、保持するための試料管ホルダー(11)を提供する。
【解決手段】 この試料管ホルダーは、試料管(21、22)の長手方向部分を受理するための少なくとも1つの長尺チャンバー(13)を具備してなる硬質本体(12)と、このチャンバー(13)と係合し、その外側に配置されたガーターバネ(31、32、33、34)とを有する。 試料管(21、22)がチャンバー(13)内に配置されたとき、試料管(21、22)と、チャンバー(13)の側壁(14)との間に間隙を生じさせ、ガーターバネ(31、32、33、34)の夫々を、試料管(21、22)の外面の少なくとも3点で直接、接触させ、それによりガーターバネ(31、32、33、34)の夫々が試料管(21、22)を保持すると共に、試料管の長手方向対称軸(23)を該チャンバー(13)の長手方向対称軸(17)と合致させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料管ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床化学分析装置に使用されている公知の試料管ホルダーは、複数のチャンバーを直線的に配列させ、その夫々が試料管を受理し、所定位置にて保持するようにしたものからなっている。この場合、この配列の全てのチャンバーは同一形状、同一寸法のものからなっている。更に、この試料管ホルダーの全てのチャンバーの長手方向対称軸は1つの同一面、例えば試料管ホルダーのチャンバーの直線的配列の対称面に横たわっている。
【0003】
臨床化学分析装置で使用される一次試料管として、通常、直径が異なり、更に長さも異なるものが使用される。このような一次試料管を所定位置にて保持させるため、公知の試料管ホルダーのチャンバーの夫々に、チャンバーの側壁内面から延出しチャンバーの中央に向って傾斜するようにして弾性舌片が設けられ、それにより各試料管をチャンバーの側壁に向けて押圧するようにしている。直径が異なる数個の試料管を、このような試料管ホルダーの各チャンバー内に挿入するとき、これらの試料管の長手方向対称軸は整合されなくなり、試料管ホルダーの複数のチャンバーの長手方向対称軸を包含する面から異なる距離を以ってこれらの試料管が横たわることになる。試料管が挿入されようとする試料管ホルダーのチャンバーの内径に近い直径の試料管は、それらのチャンバー内のほぼ中心に配置されることになる。それに対し、より細い試料管の中心は、それらが挿入されるべきチャンバーの中心から明らかに外れて配置されることになる。
【0004】
他の公知の試料管ホルダーとして、試料管ホルダーの複数のチャンバーの夫々の内壁に互いに90度の角度で離間させた4個の弾性舌片を設け、それにより試料管をチャンバーの長手方向対称軸に向けて押圧するようにしたものがある。試料管のセンタリングをこの方式で原理的に達成することができるが、実際には、製造許容差並びに舌片の経時的変形などにより、この公知の試料管ホルダーのチャンバー内に挿入された試料管の夫々が正確にセンタリングされ、試料管ホルダー内に挿入された全ての試料管の長手方向対称軸が正確に整合されて試料管ホルダーの対称面内に横たわるようにすることは不可能である。
【0005】
上述のような理由により、上述の従来の試料管ホルダーは、全ての試料管が試料管ホルダーのチャンバー内に正確にセンタリングされ、試料管ホルダー内に挿入された全ての試料管の長手方向対称軸が正確に整合されて試料管ホルダーの対称面内に横たわるようにすることを必要とする分析装置での使用に適していない。このような正確性は、例えば、試料管ホルダーのチャンバー列の対称面に横たわる直線路に沿ってのみピペット針を移動させるようにした自動ピペット操作ユニットを有する分析装置で、この試料管ホルダーが使用される場合に要求される。試料管の全てのものの正確なセンタリングには、試料管を搬送するのに使用されるロボット装置のグリッパーによりこれら試料管が正しく把持されることを確保することが更に要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の種類の試料管ホルダーであって、そのチャンバーの夫々が異なる径の試料管を正確にセンタリングさせるよう構成され、試料管ホルダーのチャンバー内に挿入された試料管の長手方向対称軸が、試料管を配置させる試料管ホルダーのチャンバーの長手方向対称軸と一致し、それにより試料管ホルダー内の全ての試料管の長手方向対称軸が整合し、試料管ホルダーの全てのチャンバーの長手方向対称軸を包含する面内に横たわるようにすることができる試料管ホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態によれば、上記目的は請求項1に定義した試料管ホルダーにより達成される。請求項2ないし15はこの試料管ホルダーの好ましい形態を記述している。
本発明の第2の形態によれば、上記目的は請求項16に定義した試料管ホルダーにより達成される。請求項17ないし32はこの試料管ホルダーの好ましい形態を記述している。
【0008】
本発明による試料管ホルダーで得られる主な利点は、試料管ホルダーのチャンバー内に異なる径の試料管を位置決めするため、並びに試料管が挿入される試料管ホルダーのチャンバー内に各試料管を正確にセンタリングするための安価な手段が提供されるということであり、更に、安価な自動ピペット操作ユニットの使用を可能にすることにより分析装置の製造コストを軽減させることができることである。すなわち、ここでは、例えば、ピペット針を互いに直交する3方向(x,y,z)に移動させるようにした、より高価な自動ピペット操作ユニットに代わって、このピペット操作ユニットは試料管ホルダーのチャンバー列の対称面内に横たわる直線路に沿ってのみピペット針を移動させるようにしている。本発明による試料管ホルダーで得られる特別な利点は、試料管を保持するために使用される弾性部材が何らの経時的変形をも生じることがなく、それにより試料管の正確なセンタリングが確保されることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して説明するが、これらは本発明の理解のためのものであり、限定を意図するものではない。
以下の記載は、本発明の試料管ホルダーの好ましい具体例を添付図面を参照して説明するものである。
第1の実施例
本発明の試料管ホルダーの第1の実施例を図1−10を参照して以下に説明する。この試料管ホルダーは、複数の円筒状の試料管21を受理、保持するよう構成され、この試料管21の外径は所定の範囲のもの、例えば、約11ないし16mmの範囲、又は約7ないし17mmの範囲のものである。また、この試料管21はそれぞれ長手方向対称軸23を有する(図8参照)。
【0010】
好ましい実施例として、図1に示すように、本発明による試料管ホルダーは、長尺のチャンバー13の直線的配列を画成する硬質体12と、この配列の各チャンバー13と係合させ、かつ、その外側に配置させた弾性手段31、32とを具備している。硬質体12は、少なくとも1つのチャンバー13と、それに係合させた対応する弾性手段31、32とを有する。以下に述べる記載は複数のチャンバー13を有する実施例および少なくとも1つのチャンバー13を有する実施例の双方に適用し得るものである。この後者の場合、このチャンバー列の各チャンバー13についての記述は単一のチャンバー13の場合にも適用し得るものである。
【0011】
硬質体12は、適当なプラスチック材料を射出成形することにより製作することができる。
【0012】
弾性手段31、32はチャンバー内に配置された試料管21の夫々をセンタリングさせるようにしており、従って、試料管の長手方向対称軸23はチャンバー13の長手方向対称軸17と合致することになる。これらチャンバー13は互いに同一形状、同一寸法のものである。各チャンバー13は側壁14、上方開口部15、下方開口部16および長手方向対称軸17を有する。各チャンバー13は試料管21の長手方向部分を受理するようになっている。
【0013】
図1に示す好ましい実施例において、硬質体12は、各チャンバー13について、例えば、チャンバー13の側壁14の長手方向突起として上方に延出する例えば図1のようなピン41、42、43からなるピンの第1の列と、このピン41、42、43の第1の列の周りに伸ばされた第1のガーターバネ32とを具備している。
【0014】
図1に示す好ましい実施例において、硬質体12は、各チャンバー13について、ピンの第2の列、例えば図1のようなピン51、52、53を有し、これらは例えば、チャンバー13の側壁14の長手方向突起として下方に延出している。この実施例において、各チャンバー13に係合させた弾性手段は、ピン51、52、53の第2の列の周りに伸ばされた第2のガーターバネ32からなっている。
【0015】
これらのガーターバネ31、32は、それぞれ上述のピンの第1および第2の列の周りに予め緊張させて配置されている。
【0016】
上述の構造において、ガーターバネ31、32はそれぞれチャンバー13内に挿入された試料管の外面の等角度点に対し等しい半径方向の力を加えるようにしている。ガーターバネの両端を連結する方法としては幾つかの方法がある。すなわち、末端ループ部を相互に係合させる方法、一方の端部を他方の端部に螺合させる方法、半田付けする方法、他の短い延長バネをコネクターとして使用し、それをガーターバネの両端にネジ止めする方法などである。
【0017】
図3はガーターバネ31、32を夫々、静置させたときの状態を示す平面図である。図3に示すように、ガーターバネ31、32は夫々、細いコイルバネからなり、その両端が連結されていて輪を形成している。ガーターバネ31、32はステンレス鋼から作られ、夫々、幅Wが好ましくは約1.5ないし約2.0ミリの範囲の本体を有する。
【0018】
好ましい実施例において、ピンの第1の列のピン41、42、43の夫々の中心は第1の正多角形の各角部に位置し、ピン51、52、53の第2の列のピンの夫々の中心は第2の正多角形の各角部に位置している。
【0019】
好ましい実施例において、第1の正多角形の角部および第2の正多角形の角部は、チャンバー13の長手方向対称軸17に垂直な面内の第1の円44上に横たわっており、第1の円44(図2参照)の中心はチャンバー13の長手方向対称軸17上に横たわり、この第1の円44はチャンバー13の断面よりも大きい表面を有している。
【0020】
図2に示すように、ピン41、42、43の周りに伸ばされたガーターバネ31の内側は正多角形、例えば正三角形を画成している。好ましい実施例において、後者の正多角形に内接する第2の円45の直径は、試料管ホルダーのチャンバー13内に挿入される試料管21の最も小さい外径よりも小さくなっている。例えば、チャンバー13内に挿入される試料管21の最も小さい外径が11ミリの場合、この第2の円45の直径は11ミリより小さく、チャンバー13内に挿入される試料管21の最も小さい外径が7ミリの場合、この第2の円45の直径は7ミリより小さい。
【0021】
ガーターバネ31について上述の記載はガーターバネ32(図2には示していない)並びに対応するピン51、52、53についても適用される。
【0022】
好ましい実施例において、上述の正多角形の夫々は、図1、2、5に示すような正三角形からなっている。
【0023】
図2に示すような好ましい実施例において、ピンの第1の列のピン41、42、43の中心並びにピンの第2の列(図2には示していない)のピン51、52、53の中心は正三角形の角部に夫々、位置し、これらの角部はチャンバー13の長手方向対称軸17に垂直な面内の第1の円44上に横たわり、この円44の中心はチャンバー13の長手方向対称軸17上にある。
【0024】
上述のピンは夫々、円筒形をなし、その直径は例えば2ミリである。
【0025】
図2には更に、チャンバー13の側壁14およびこのチャンバー13の側壁14の内面を表す円46が示されている。この円46の直径は、チャンバー13内に挿入可能な試料管が有し得る最大の直径を規定するものである。図2を参照した上記実施例において、円46は直径が16.3ミリであり、この実施例のチャンバー13内に挿入可能な試料管の最大径は16.2ミリである。
【0026】
図2に示すように、第1の円44は、円46の表面により画成されるチャンバー13の断面よりも大きい表面を有している。
【0027】
図2に示すように、ガーターバネ31の内壁は、正三角形の辺に沿って延びている。図2には、この後者の三角形に内接する円45が示されている。本発明の試料管ホルダー11は、円45の直径よりの大きい外径を有する試料管を保持するのに適している。換言すれば、円45の直径は、試料管ホルダー11のチャンバー13内に挿入されるべき試料管21の最も小さい外径よりも小さくなっている。
【0028】
図3は、ガーターバネ31および32の夫々の静置状態を示している。図3に示すように、これらのバネの夫々は、内径D1、外径D2および幅Wを有している。この後者の内径D1は図2に示す第1の円44の直径よりも小さくなっている。
【0029】
図2を参照して記述した実施例において、ガーターバネ31、32は、例えば、1.65ミリの幅Wを有する。
【0030】
図4は、図1の試料管ホルダー11を図1に示す矢線18の方向から見た前面図である。図4は、隣接するチャンバー13のガーターバネ31、33並びに32、34が同一高さとなっておらず、互いに食い違った高さに配置されていることを示している。この形態は試料管ホルダー11のチャンバーの配置をよりコンパクトにすることを可能にするものである。図1に示すガーターバネ31、33並びに32、34の配列もチャンバー13を互いに接近させて配置させることに寄与するものであり、それにより試料管ホルダー11のチャンバーのコンパクトな配置が達成される。
【0031】
図5は、上述の試料管ホルダー11並びにこれを臨床化学分析装置(例えば、図9に示す分析装置70)内に配設させるために使用される種々の部材を示す分解斜視図である。図5は、試料管ホルダー11の硬質体12を受理するためのフレーム61を示している。このフレーム61は分析装置70の適当なキャビティー内(例えば、図9に示す試料管部位69)に挿入、接続されるようになっている。図5は更に、開口部63を有するカバー62を示している。これら開口部63は、硬質体12のチャンバー13の上部開口部15と場所的に対応している。カバー61は分析装置70のカバープレート(図示しない)の対応する開口部内に正確に嵌合するようになっている。
【0032】
図6は、図5に示す部材からなる試料管ホルダーアッセンブリー64を示している。
【0033】
図7は、図6に示す試料管ホルダーアッセンブリー64が、分析装置の一部である支持フレーム65内に設置された後の状態を示している。
【0034】
図8は、図6に示す試料管ホルダーアッセンブリー64の断面並びに試料管ホルダー11の全てのチャンバー13の長手方向対称軸を通過する面に沿って試料管ホルダー11の各チャンバー13内に挿入された試料管21、22の断面を示している。図8は更に、試料管ホルダー11のチャンバー13の内の1つの長手方向対称軸および試料管21の内の1つの長手方向対称軸23を示しており、この場合、この試料管21の長手方向部分が試料管ホルダー11のチャンバー13の内の1つに挿入されている。
【0035】
図8において、第1の直径を有する第1の試料管21の長手方向部分が試料管ホルダー11の第1のチャンバー13内に挿入され、試料管はガーターバネ31、32によりチャンバー13内の所定位置にてセンタリングされた状態で保持されている。
【0036】
図8において、試料管21の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の試料管22の長手方向部分が試料管ホルダー11の第2のチャンバー13内に挿入されている。この試料管22は試料管21よりも短く、更にチャンバー13の長さよりも短い。この試料管22の上部には環状フランジが設けられていて、これが試料管22の下方部分をチャンバー13内に挿入したときに、カバー62の開口部63(図5参照)の上方リム(縁部)上に嵌着されるようになっている。試料管22は、一方において、開口部63の上方リムにフランジ24が嵌着することにより、他方において、試料管22の中央部を保持するガーターバネ32の作用により第2のチャンバー13内の所定位置にてセンタリングされた状態で保持されることになる。
【0037】
図8から明らかなように、試料管21並びに試料管22がチャンバー13内に配置されたとき、試料管21、22と、チャンバー13の側壁14との間に間隙が生じる。試料管21、22が図8に示すように配置されたとき、ガーターバネ31、32、33、34の夫々が、試料管21、22の外面の少なくとも3点で直接、接触することになり、それによりガーターバネ31、32、33、34の夫々が試料管21、22を保持し、試料管の長手方向対称軸23を対応するチャンバー13の長手方向対称軸17と合致させるようにしている。
【0038】
図9は、本発明の試料管ホルダーアッセンブリー64を備えた分析装置70の斜視図を示している。1実施例において、この分析装置70は、一次試料管から分取されたアリコート(既知少量)の生物試料と、試薬容器に収容された試薬とを混合することにより得られた試料/試薬混合物を分析するための臨床化学分析装置である。本発明による試料管ホルダー11(図1参照)は試料管ホルダーアッセンブリー64の一部を構成するものであり、これは反応用キュベット67を円形路に沿って搬送するためのコンベヤー66に隣接して配置された試料管領域69内に配設される。なお、この反応用キュベット67はコンベヤー66の対応するキャビティー内に挿入されてコンベヤー66により搬送される。ここで、複数の試薬容器を収容する着脱自在な試薬容器アッセンブリー68がコンベヤー66の中央部に配設されるようになっている。図9に示す分析装置70は更に、自動ピペットユニット71と、コンベヤー近傍に設けられた光度計75と、コンベヤー66を回転駆動するためのコンベヤー駆動手段77とを備えている。
【0039】
自動ピペットユニット71は分析装置内での全てのピペット操作を実行するのに適しているものである。例えば、試料領域69内の試料管ホルダーにより保持された試料管から採取された試料部分をコンベヤー66内の反応用キュベット67へ移すピペット操作、試薬容器アッセンブリー68内の試薬容器から採取された試薬量をコンベヤー66内の反応用キュベット67へ移すピペット操作などである。これらのピペット操作を経て、反応用キュベット67内に試料/試薬混合物が収容されることになる。
【0040】
自動ピペットユニット71は更に、着脱自在に装着されたピペット針72と、図5に示すX方向に延出するレール73上に装着された搬送装置74とを有している。この搬送装置74はピペット針72を直線路に沿ってX方向に移動させ、ピペット針72を幾つかのピペット操作位置に移動させる。すなわち特に、分析されるべき試料のアリコート(既知少量)を採取するための試料管領域69におけるピペット操作位置、試薬容器から試薬のアリコートを採取するための他のピペット操作位置、およびこのアリコートの試料および試薬をコンベヤー66に配設された反応用キュベット67内に吐出させるための他のピペット操作位置である。
【0041】
自動ピペットユニット71は更に、針搬送ヘッド74を有し、これは図9に示すレール73に沿って移動し、それによりピペット針72を直線路に沿って第1の方向(例えば、図1に示すX軸に平行な方向)に移動させ、複数のピペット操作位置に配置させるようになっている。なお、これらのピペット操作位置は全て、その中心が1つの同一垂直面(例えば、図1のX−Z面に平行であって、上記直線路を通る面)に横たわるようになっている。
【0042】
上述のピペット操作位置の配置が、図9の分析装置70の概略的平面図である図10に示されている。すなわち、図10は、図9に示す分析装置のカバー79の平面を示している。このカバー79はピペット針72と共にピペット操作を行うための以下のような開口部を有している。すなわち、試薬容器アッセンブリー68の試薬容器から試薬量を分取するための第1の開口部312と、試薬容器アッセンブリー68の他の試薬容器から試薬量を分取するための第2の開口部312と、コンベヤー66上の反応用キュベット67の1つにてピペット操作を行うための第3の開口部314と、初期化方法を行い、洗浄ステーションにアクセスするため参照部材と接触するための第4の開口部319と、ISE装置のチャンバー内でピペット操作を行うための第5の開口部315とを有する。
【0043】
図9に示す分析装置のカバー(図示しない)内の上記開口部の中心は、針搬送ヘッド74によりピペット針72が搬送されるべきピペット操作位置の配置を規定するものである。
【0044】
図10は更に、その右側に、試料管領域69並びに試料管を保持する試料管ホルダーアッセンブリー64のカバーの複数の上方開口部63を示している。これら開口部63の中心は更に、針搬送ヘッド74によりピペット針72が搬送されるべきピペット操作位置となっている。
【0045】
図9および10に示すように、上述の全てのピペット操作位置は、それらの中心が1つの同一の垂直面内に横たわるようになっている。この垂直面は前記X−Z面に平行であり、かつ、搬送ヘッド74によりピペット針72が搬送されるX方向の直線路を通過するものである。図10において、ピペット操作位置の中心が全て横たわる面が直線で表されており、これをこの記載の目的からして、ピペット操作軸320と呼ぶ。
【0046】
第2の実施例
本発明の試料管ホルダーの第2の実施例を図11−20を参照して以下に説明する。
図11は複数の試料管82,83を受理し、保持するための試料管ホルダー81を示すもので、これら試料管は円筒状をなし、所定範囲の外径、例えば、7mmないし17mmを有する。
【0047】
図16、19および20に示すように、試料管82,83はそれぞれ長手方向対称軸84を有する。
【0048】
特に図11ないし14に示す好ましい実施例において、試料管ホルダー81はハウジング87を備え、このハウジングは好ましくは、ハウジングベース88と、ハウジングカバー89とを有する。
【0049】
以下に記載するチャンバーのマトリックス状配列およびこれに関連する格子構造体は、しかしながら、自立構造体として(すなわち、それらの周りにハウジングを設けることなく)、構築することができる。
【0050】
特に図15および16に示すように、試料管ホルダー81は長尺チャンバー85のマトリックス状配列を有する。これらチャンバーの夫々は試料管82,83の少なくとも一部を受理するようになっている。チャンバー85の夫々は長手方向対称軸86を有すると共に、チャンバー85の1つに挿入される試料管82,83の最も大きい断面よりも大きい断面を有する。
【0051】
特に図12および13に示すように、試料管ホルダー81は更に格子構造体91を有し、これは、第1の方向Yに延びた長尺弾性部材92の第1の列と、好ましい実施例において前記第1の方向Yに垂直な第2の方向Xに延びた長尺弾性部材93の第2の列との重なりにより形成されている。なお、他の実施例において、このX方向はY方向に対し90°の角度とは異なる角度を形成するものでもよい。これら長尺弾性部材92,93は夫々、長手方向対称軸を有する。この第1の列の弾性部材92の長手方向対称軸は第1の面に横たわり、第2の列の弾性部材93の長手方向対称軸は前記第1の面と平行な第2の面に横たわっている。
【0052】
添付図面に表されている軸XおよびYは水平面を画成するものである。各チャンバー85の長手方向対称軸86およびこのチャンバー内に配列された試料管の長手方向対称軸84は前記水平面に対し垂直となっている。
【0053】
好ましい実施例において、前記第1の列の弾性部材92はそれぞれ第2の方向Xに均一に離間されており、前記第2の列の弾性部材93はそれぞれ第1の方向Yに均一に離間されており、隣接する弾性部材間の間隙はこれら両方向において同一である。
【0054】
図17は、図11に示す試料管ホルダー81の上面を示す平面図であって、ハウジングカバー89が存在せず、試料管82、83が格子構造体91の各開口部に挿入された状態を示している。ここで、この格子構造体91は、Y方向に延びた長尺弾性部材92の第1の列と、Y方向に垂直なX方向に延びた長尺弾性部材93の第2の列との重なりにより形成されている。図18は、図17と同様の試料管ホルダー81の上面を示す平面図であって、ハウジングカバー89が存在せず、かつ、第1の方向Yに延びた長尺弾性部材92の第1の列が存在しない状態を示している。図17および18は試料管82,83の挿入により生じた弾性部材92,93の変形を示している。
【0055】
図19は、図17のB−B面に沿う、試料管ホルダー81および試料管83の断面を示している。
【0056】
図20は、図17のC−C面に沿う、試料管ホルダー81および試料管82の断面を示している。
【0057】
特に図17に示すように、格子構造体91は、前記第1のセットの弾性部材92のセグメントおよび前記第2のセットの弾性部材93のセグメントにより形成された開口部を有する。図17において、開口部94−97および101−103は、格子構造体91の開口部の第1の列に存在する。格子構造体91の全ての開口部は、チャンバー85の1つに挿入される試料管82,83の最も小さい断面よりも小さくなっている。特に図17に示す好ましい実施例において、格子構造体91の各開口部は四角形となっている。X方向と、Y方向とが90°とは異なる角度を形成する場合の他の実施例において、格子構造体91の各開口部は平行四辺形、特に菱形であってもよい。
【0058】
格子構造体91は、試料管82,83が格子構造体91の開口部の1つを介して挿入されたときに、試料管82,83の長手方向対称軸84が、対応するチャンバー85の長手方向対称軸86と合致するように、チャンバー85のマトリックス状配列と操作的に関連している。この目的のため、チャンバー列のチャンバー85の夫々は、格子構造体91の開口部の1つと整合している。
【0059】
図17において、チャンバーのマトリックス状配列の対応するチャンバー85と整合している開口部の夫々は、開口部の中央の円により認識可能となっている。この円は、開口部と整合するチャンバー85の底部に対応している。図17から分かるように、格子構造体91の開口部の第1の列の開口部の全てがチャンバー85と整合しているわけではない。図17に示す開口部のY方向の第1の列の場合、開口部94−97は夫々、チャンバーと整合しているが、開口部101−103は整合していない。このことは、X方向の開口部の列にも当て嵌まる。従って、同じ列の隣接する開口部の内、その内の1つのみがチャンバーと整合することになる。対応するチャンバーと整合する開口部の分布は従って、図17に示すようなものとなる。すなわち、第1の列ではその内の4つ、第2の列ではその内の3つ、第3の列ではその内の4つなどとなる。
【0060】
特に図11ないし14に示す好ましい実施例において、チャンバー85の上述のマトリックス状配列および格子構造体91はハウジング87内にぴったり嵌合している。
【0061】
特に図11,12,15、16に示す好ましい実施例において、ハウジングカバー89は開口部99のマトリックス状配列を有し、この開口部の夫々が、格子構造体91の開口部の1つと整合していると共に、チャンバーのマトリックス状配列のチャンバー85の1つも整合している。試料管を試料管ホルダー81のチャンバーの1つに正確にセンタリングさせるため、この試料管ホルダーの使用者は、任意のサイズの試料管を開口部99の1つ、およびこの開口部と整合する格子状開口部を介して導入し、それによりこの格子状開口部およびハウジングカバー89の対応する開口部99の双方と整合するチャンバー内に試料管を正確にセンタリングさせる。
【0062】
図15は、ハウジングカバー89を含めて、図11に示す試料管ホルダーの上面を示すものであって、ここで試料管83が試料管ホルダー81の中央部に位置するチャンバー内に挿入され、試料管82が他のチャンバー内に挿入されている。図16は、図15のA−A面に沿う試料管ホルダー81および試料管83の断面を示している。図16に示すように、弾性部材93は試料管83を試料管ホルダーのチャンバー85内の中心位置に位置決めさせるのに寄与するものである。チャンバー85の円錐形底面は試料管83を垂直位置に配置させるのに寄与するものである。図16において、この垂直方向は、X軸およびY軸により画成される面に対し垂直なZ軸により示されている。
【0063】
特に図14に示す好ましい実施例において、格子構造体91を形成する弾性部材の夫々の動きの自由度を制限するガイド部材がハウジングカバー89内およびハウジングベース88の上部内に配列されている。
【0064】
この目的のため、ハウジングカバー89には第1のタイプのガイド部材111,112が備えられ、これらは各弾性部材92の両端に配置されている。これらのガイド部材は、各弾性部材のその長手方向対称軸に沿う動き(すなわち、Y方向の動き)を防止するものである。上述の第1のタイプのガイド部材は、例えば、ハウジングカバー89の側壁の一部からなるものであってもよい。ハウジングカバー89内には更に、第2のタイプのガイド部材113が配置され、これらは各弾性部材92に沿って均一に離間した点に位置している。これらのガイド部材は、弾性部材92の長手方向軸に対し垂直方向の各弾性部材92のこれら点の動き(すなわち、X方向の動き)を防止するものである。この後者の均一に離間した点の夫々は、格子構造体91の開口部の1つの隅角部の1つと整合している。
【0065】
同様にして、ハウジングベース88には第1のタイプのガイド部材114,115が備えられ、これらは各弾性部材93の両端に配置されている。これらのガイド部材は、各弾性部材93のその長手方向対称軸に沿う動き(すなわち、X方向の動き)を防止するものである。上述の第1のタイプのガイド部材は、例えば、ハウジングベース88の側壁の一部からなるものであってもよい。ハウジングベース88内には更に、第2のタイプのガイド部材116が配置され、これらは各弾性部材93に沿って均一に離間した点に位置している。これらのガイド部材は、弾性部材93の長手方向軸に対し垂直方向の各弾性部材93のこれら点の動き(すなわち、Y方向の動き)を防止するものである。この後者の均一に離間した点の夫々は、格子構造体91の開口部の1つの隅角部の1つと整合している。
【0066】
特に図13,14に示す好ましい実施例において、チャンバーのマトリックス状配列のチャンバー85は夫々、側壁を有し、これら側壁は夫々、上端を有し、ハウジングベース88内の第2のタイプのガイド部材は夫々、この上端の1つに形成されたU字形ノッチからなっている。ハウジングカバー89内の第2のタイプのガイド部材は、ハウジングベース88の第2のタイプのガイド部材と同一又は同様の構造のものであってもよい。
【0067】
好ましい実施例において、弾性部材92,93の夫々の両端は、夫々、固定した点に接続されておらず、これら弾性部材はプレストレス下に曝されていない。この好ましい実施例において、弾性部材92,93は夫々、好ましくはウォーム形コイルバネ又は圧縮バネからなる。
【0068】
他の好ましい実施例において、弾性部材92,93の夫々の両端は、夫々、固定した点に接続されていて、これら弾性部材は所定のプレストレス下に曝されている。この好ましい実施例において、弾性部材92,93は夫々、好ましくは引張りバネ又はウォーム形コイルバネからなる。
【0069】
本発明の好ましい実施例を特定の用語を使用して説明したが、これらの記載は説明を目的としたものに過ぎず、従って、当業者に自明な変更および変形は本願発明の趣旨および範囲に基づいて考慮されること、更に本願発明の範囲は、添付した請求項およびそれらの均等物によってのみ制限されるべきであることを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による第1の実施例の試料管ホルダーを示す斜視図。
【図2】図1に示す試料管ホルダー11のチャンバー13およびガーターバネ31を示す平面図。
【図3】ガーターバネ31および32の夫々の静置状態を示す平面図。
【図4】図1の試料管ホルダー11を図1に示す矢線18の方向から見た前面図。
【図5】図1に示す試料管ホルダー11を具備する試料管ホルダーアッセンブリーの種々の部材を示す分解斜視図。
【図6】図5に示す部材からなる試料管ホルダーアッセンブリー64を示す斜視図。
【図7】図6に示す試料管ホルダーアッセンブリー64を、分析装置の一部である支持フレーム内に設置した状態を示す斜視図。
【図8】図6に示す試料管ホルダーアッセンブリー64の断面並びに試料管ホルダー11の全てのチャンバー13の長手方向対称軸を通過する面に沿って試料管ホルダー11の各チャンバー13内に挿入された試料管21、22の断面を示す図。
【図9】本発明の試料管ホルダーを備えた分析装置を示す斜視図。
【図10】図9に示す分析装置の概略的平面図であって、特に分析装置のカバー内のピペット操作用孔の配置を示す図。
【0071】
【図11】本発明による第2の実施例の試料管ホルダーを示す斜視図であって、試料管がこの試料管ホルダーのチャンバー内に挿入されている状態を示す図。
【図12】図11に示す試料管ホルダーを示す斜視図。
【図13】図11に示す試料管ホルダーの一部の概略的拡大斜視図であって、試料管が試料管ホルダー内に配置されている状態を示す図。
【図14】図12に示す試料管ホルダーの斜視図であって、ハウジングカバー89がハウジングベース88から分離された状態を示す図。
【図15】ハウジングカバー89を含めて、図11に示す試料管ホルダーの上面を示す平面図であって、試料管82が試料管ホルダー81の中央部に位置するチャンバー内に挿入された状態を示す図。
【図16】図15のA−A面に沿う、試料管ホルダー81および試料管82の断面を示す図。
【図17】図11に示す試料管ホルダー81の上面を示す平面図であって、ハウジングカバー89が存在せず、試料管82、83が格子構造体91の各開口部に挿入された状態を示し、ここで、この格子構造体91は、Y方向に延びた長尺弾性部材92の第1の列と、前記方向に垂直なX方向に延びた長尺弾性部材93の第2の列との重なりにより形成されている。
【図18】図17と同様の試料管ホルダー81の上面を示す平面図であって、ハウジングカバー89が存在せず、かつ、第1の方向Yに延びた長尺弾性部材92の第1の列が存在しない状態を示す図。
【図19】図17のB−B面に沿う、試料管ホルダー81および試料管82の断面を示す図。
【図20】図17のC−C面に沿う、試料管ホルダー81および試料管83の断面を示す図。
【符号の説明】
【0072】
11 試料管ホルダー
12 硬質体
13 試料管ホルダーのチャンバー
14 チャンバー13の側壁
15 上方開口部
16 下方開口部
17 チャンバー13の長手方向対称軸
18 矢線
21,22 試料管
23 試料管の長手方向対称軸
24 環状フランジ
31,32,33,34 ガーターバネ
41,42,43 ピン
44 第1の円
45 第2の円
46 チャンバー13の側壁14の円形/内面
51,52,53 ピン
【0073】
61 フレーム
62 カバー
63 開口部
64 試料管ホルダーアッセンブリー
65 支持フレーム
66 コンベヤー
67 反応用キュベット
68 試薬容器アッセンブリー
69 試料管領域
70 分析装置
71 自動ピペット装置
72 ピペット針
73 ピペット針の搬送装置用レール
74 ピペット針72を搬送するための搬送ヘッド
75 光度計
77 コンベヤー駆動手段
81 試料管ホルダー
82 16mm径の試料管
83 13mm径の試料管
84 試料管82,83の長手方向対称軸
85 チャンバー
86 チャンバー85の長手方向対称軸
87 ハウジング
88 ハウジングベース
89 ハウジングカバー
91 格子構造体
92 Y方向の長手軸を有する弾性部材
93 X方向の長手軸を有する弾性部材
94,95,96,97 チャンバー85と整合した格子構造体91の開口部
101,102,103 チャンバー85と整合しない格子構造体91の開口部
111,112 ハウジングカバー89内の第1のタイプのガイド部材
113 ハウジングカバー89内の第2のタイプのガイド部材
114,115 ハウジングベース88内の第1のタイプのガイド部材
116 ハウジングベース88内の第2のタイプのガイド部材
312 試薬をピペット分取するための第1の開口部
313 試薬をピペット分取するための第2の開口部
314 反応用キュベット内へのピペット操作のための開口部
315 ISE装置のチャンバー内へのピペット操作のための開口部
319 参照部材へアクセスさせるための開口部
320 ピペット操作軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向対称軸(23)と、所定範囲の外径を有する円筒状の試料管(21、22)を受理、保持するための試料管ホルダー(11)であって、
(a) 側壁(14)と、上方開口部(15)と、下方開口部(16)と、長手方向対称軸(17)とを有する少なくとも1つの長尺チャンバー(13)を具備してなる硬質本体(12)であって、該チャンバーが試料管(21、22)の長手方向部分を受理するようになっているものと;
(b) 該チャンバー(13)と係合し、その外側に配置されたガーターバネ(31、32、33、34)とを具備してなり;
試料管(21、22)がチャンバー(13)内に配置されたとき、試料管(21、22)と、チャンバー(13)の側壁(14)との間に間隙を生じさせ、ガーターバネ(31、32、33、34)の夫々を、試料管(21、22)の外面の少なくとも3点で直接、接触させ、それによりガーターバネ(31、32、33、34)の夫々が試料管(21、22)を保持すると共に、試料管の長手方向対称軸(23)を該チャンバー(13)の長手方向対称軸(17)と合致させるようにしたことを特徴とする試料管ホルダー。
【請求項2】
前記硬質本体(12)がプラスチック材料から作られたものである請求項1記載の試料管ホルダー。
【請求項3】
前記硬質本体(12)が、
チャンバー(13)の側壁(14)の長手方向硬質突起として上方に延出するピン(41、42、43)からなるピンの第1の列と、
このピン(41、42、43)の第1の列の周りに伸ばされた第1のガーターバネ(31、32)と、
を具備してなる請求項1又は2記載の試料管ホルダー。
【請求項4】
前記硬質体(12)が、チャンバー(13)の側壁(14)の長手方向硬質突起として下方に延出するピン(51、52、53)からなるピンの第2の列を具備してなり、
第2のガーターバネ(32、34)がピン(51、52、53)の第2の列の周りに伸ばして配置されている請求項3記載の試料管ホルダー。
【請求項5】
前記ガーターバネ(31、32、33、34)の夫々がステンレス鋼から作られ、幅が約1.5ないし約2.0ミリの範囲の本体を有する請求項3又は4記載の試料管ホルダー。
【請求項6】
前記第1のピンの列のピン(41、42、43)の夫々の中心が第1の正多角形の角部に位置している請求項3記載の試料管ホルダー。
【請求項7】
前記第2のピンの列のピン(51、52、53)の夫々の中心が第2の正多角形の角部に位置している請求項4記載の試料管ホルダー。
【請求項8】
前記角部が、チャンバー(13)の長手方向対称軸(17)に垂直な面内の第1の円(44)上に横たわり、第1の円(44)の中心がチャンバー(13)の長手方向対称軸(17)上に横たわり、この第1の円(44)がチャンバー(13)の断面よりも大きい表面を有している請求項6又は7記載の試料管ホルダー。
【請求項9】
前記ガーターバネ(31、32、33、34)の夫々が静置状態において、前記第1の円の直径よりも小さい直径を有する第3の円に沿って延びている請求項8記載の試料管ホルダー。
【請求項10】
前記正多角形が正三角形である請求項6ないし9のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項11】
前記チャンバー(13)が、約11ないし16mmの範囲の外径を有する試料管(21、22)を受理するよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項12】
前記ピン(41、42、43並びに51、52、53)の周りに伸ばされたガーターバネ(31、32)の内側側面により画成された正多角形に内接する第2の円(45)の直径が11ミリよりも小さい請求項11記載の試料管ホルダー。
【請求項13】
前記チャンバー(13)の夫々が、約7ないし17mmの範囲の外径を有する試料管(21、22)を受理するよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項14】
前記ピン(41、42、43並びに51、52、53)の周りに伸ばされたガーターバネ(31、32)の内側側面により画成された正多角形に内接する第2の円(45)の直径が7ミリよりも小さい請求項13記載の試料管ホルダー。
【請求項15】
前記硬質体(12)が、同一形状、同一寸法の長尺チャンバー(13)の直線配列を有し、それにより複数の試料管(21、22)を受理し、保持するようになっている請求項1ないし14のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項16】
円筒状であって、所定範囲の外径並びに長手方向対称軸(84)を有する複数の試料管(82、83)を受理、保持するための試料管ホルダー(81)であって、更に、
(a) 夫々が試料管(82、83)の少なくとも一部を受理するようにした複数の長尺チャンバー(85)のマトリックス状列であって、該チャンバー(85)の夫々が長手方向対称軸(86)を有すると共に、該チャンバー(85)の1つに挿入される試料管(82、83)の最も大きい断面よりも大きい断面を有するものと;
(b) 第1の方向(Y)に延びた長尺弾性部材(92)の第1の列と、第2の方向(X)に延びた長尺弾性部材(93)の第2の列との重なりにより形成された格子構造体(91)であって、これら長尺弾性部材(92、93)が夫々、長手方向対称軸を有するものと;
を具備してなり;
前記第1の列の弾性部材(92)の長手方向対称軸が第1の面に横たわり、第2の列の弾性部材(93)の長手方向対称軸が前記第1の面と平行な第2の面に横たわり;
前記格子構造体(91)が、前記第1のセットの弾性部材(92)のセグメントおよび前記第2のセットの弾性部材(93)のセグメントにより形成された開口部(94、95、96、97)を有し、該開口部(94、95、96、97)は、前記チャンバー(85)の1つに挿入される試料管(82、83)の最も小さい断面よりも小さく;
該格子構造体(91)が、試料管(82、83)が格子構造体(91)の開口部の1つを介して挿入されたときに、該試料管(82、83)の長手方向対称軸(84)が、前記チャンバー(85)の長手方向対称軸(86)と合致するように、前記チャンバーのマトリックス状配列と操作的に関連するようになっていることを特徴とする試料管ホルダー。
【請求項17】
前記第2の方向(X)が前記第1の方向(Y)に対し垂直であり、前記格子構造体(91)の開口部の夫々が四角形である請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項18】
前記第1の列の弾性部材(92)が、それぞれ前記第2の方向(X)に均一に離間されており、前記第2の列の弾性部材(93)が、それぞれ第1の方向(Y)に均一に離間されており、隣接する弾性部材間の間隙はこれら両方向において同一である請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項19】
前記チャンバーのマトリックス状配列のチャンバー(85)の夫々が、前記格子構造体(91)の開口部(94、95、96、97)の1つと整合している請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項20】
前記弾性部材(92、93)の夫々の両端に配置されたガイド部材を更に具備し、これらガイド部材により、各弾性部材(92、93)のその長手方向対称軸に沿う動きを防止するようにした請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項21】
前記弾性部材(92、93)の夫々に沿って均一に離間した点に位置させたガイド部材(113、116)を更に具備し、これらガイド部材により、該弾性部材(92、93)の長手方向軸に対し垂直な方向の該弾性部材(92、93)のこれら点での動きを防止すると共に、この均一に離間した点の夫々を、格子構造体(91)の開口部(94、95、96、97)の1つの隅角部の1つと整合するようにした請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項22】
前記チャンバーのマトリックス状配列のチャンバー(85)が夫々、側壁を有し、これら側壁は夫々、上端を有し、前記ガイド部材が夫々、この上端の1つに形成されたU字形ノッチからなっている請求項21記載の試料管ホルダー。
【請求項23】
前記弾性部材(92、93)の夫々の両端に配置されたガイド部材(111、112;114、115)を更に具備し、これらガイド部材により、弾性部材(92、93)のその長手方向対称軸に沿う動きを防止するようにした請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項24】
ハウジング(87)を更に具備してなり、その中にチャンバー(85)の前記マトリックス状配列および格子構造体(91)がぴったり嵌合するようになっている請求項16記載の試料管ホルダー。
【請求項25】
前記ハウジング(87)がハウジングベース(88)と、ハウジングカバー(89)とを有する請求項24記載の試料管ホルダー。
【請求項26】
前記ハウジングベース(88)の側壁がガイド部材を有し、これらは各弾性部材(92、93)の両端に配置され、それにより弾性部材(92、93)のその長手方向対称軸に沿う動きを防止するようにした請求項25記載の試料管ホルダー。
【請求項27】
前記ハウジングカバー(89)がマトリックス状列の開口部(99)を有し、該開口部の夫々が前記格子構造体(91)の開口部(94、95、96、97)の1つと整合すると共に、前記チャンバーのマトリックス状列のチャンバー(85)の1つとも整合するようにした請求項25記載の試料管ホルダー。
【請求項28】
前記弾性部材(92、93)の夫々の両端の各々が、固定点に接続されていない請求項16ないし27のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項29】
前記弾性部材(92、93)の夫々がウォーム形コイルバネである請求項28記載の試料管ホルダー。
【請求項30】
前記弾性部材(92、93)の夫々が圧縮バネである請求項28記載の試料管ホルダー。
【請求項31】
前記弾性部材(92、93)の夫々の両端の各々が、固定点に接続されている請求項16ないし27のいずれかに記載の試料管ホルダー。
【請求項32】
前記弾性部材(92、93)の夫々が引張りバネである請求項31記載の試料管ホルダー。
【請求項33】
前記弾性部材(92、93)の夫々がウォーム形コイルバネである請求項31記載の試料管ホルダー。
【請求項34】
前記チャンバー(85)の夫々、並びに前記格子構造体(91)の開口部の夫々が、外径が7mmないし17mmの範囲の円筒状の試料管(82、83)を受理、保持するよう構成されている請求項16ないし33のいずれかに記載の試料管ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−178435(P2007−178435A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−350609(P2006−350609)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】