説明

試薬容器のキャップ構造および試薬の分取方法

【課題】試薬容器内に収容されている試薬に含まれていたタンパク質などの溶質によってキャップが容器に固着されても封止体保持部材を容易に回動させることができる試薬容器のキャップ構造およびキャップ構造を用いた試薬の分取方法を提供する。
【解決手段】本発明の試薬容器のキャップ構造2は、封止体4の上面中央部に第一係合突起41が形成され、封止体4の上面縁部に第二係合突起43が形成され、封止体4が容器本体11の開口部12に密着した状態で、第一係合突起41の第一係合部42の下面と、封止体保持部材5の頂面中央部に形成された第一貫通孔51の係止部53の上面との間に隙間αが設けられ、かつ、第二係合突起43の第二係合部44の下面と、封止体保持部材5の頂面縁部に形成された第二貫通孔52の開口縁部との間に隙間βが設けられ、隙間αと隙間βは、α>βの関係を満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学、生物学あるいは医療用などで幅広く採用されている分析機器において、液状の試薬を収納するために用いられる試薬容器のキャップ構造と、試薬の蒸発などの防止法に関するもので、より詳しくは、容器の開口部に装着することによって、容器の開口部を閉止することができ、試薬などの分取の際にのみ開口部を開放し、収容された試薬の分取を可能とする試薬容器のキャップ構造、およびこのキャップ構造を使用した試薬の分取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学的分析または生物学的分析や、判定に活用される各種分析機器用の試薬は、通常、ガラス製または合成樹脂製の容器に収容されている。中でも、液状の試薬の場合、試薬の蒸発や汚染を防止するために容器の開口部が密封され、その試薬を収容した容器は供給、輸送、貯蔵などがなされている。
そして、試薬の使用に際しては、開口部を閉止するキャップを取除いて、開口部を開放した状態で、各種分析装置に付随する所定温度の保冷庫などに試薬を収容した容器を収納しておき、必要に応じて、分析機器に付属する分取用プローブで自動的に容器から試薬を分取するというのが一般的である。
【0003】
保冷庫内などで保存されている液状の試薬にあっては、基本的に、試薬を収容した容器の開口部が開放されている。したがって、容器に収容された試薬は、常に汚染の危険に曝されるとともに、水分や揮発性成分の蒸発による濃度や組成の経時変化、さらには、取り扱い中の容器の転倒による薬剤の流出など、多くの解決すべき課題を内在している。そのため、これら試薬の汚染、蒸発、変質などを防止する手段が種々提案されている。
【0004】
例えば、開口を有する頂壁と、柔軟な材料で形成され、前記頂壁から下方に延在し、かつ容器上に滑り込み、密閉的に係合するように構成されたネジなしのスカート部と、前記開口を密閉するための密閉装置を有し、密閉位置と非密閉位置との間を動く細長いアームと、このアームを密閉位置の方に押付けるためのバイアス装置からなる「ふた」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、蓋が、キャップ・シール位置から横方向上方へ回動することができ、容器が傾斜した双安定性ヒンジによって開かれ、蓋を開閉するための装置と接触することのできる1つ、またはそれ以上のキャッチを設けたキャップが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、容器内に収容した試薬より比重が軽く、かつ当該試薬と混合しない液体を収容し、試薬の液面を液体で覆って試薬の蒸発を防止する手段も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
さらにまた、市販品の分析機器においても、容器の開口部に、弾性体からなる薄いシール部材を中栓として張設し、このシール部材の中心から放射状にスリットを形成し、薬剤分取用のプローブが下降するとシール部材が、下方に押し広げられ、分取用プローブを抜き去ると、弾性によってシール部材が水平状態に復帰して開口部を覆う容器(ダイナボット株式会社製;ARCHITECTi2000)が使用されている。
【特許文献1】特開平5−294354号公報
【特許文献2】特開平11−194132号公報
【特許文献3】特開2000−137032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のような、機械的な開閉部を形成した「ふた」は、「ふた」自体の構造がきわめて複雑である。また、各種分析装置に適用するに際し、容器にセットされた「ふた」を開閉するための装置機能が不可欠で、装置に付加的機能が要求されること、容器の製品コストなど実用面で解決すべき課題を有するものである。
【0009】
また、特許文献3に開示されているように、試薬の液面を、試薬よりも比重が軽く、かつ混合しない液体で覆って、液状試薬の蒸発を防止する手段は、前記の「ふた」のように機械的な構造はなく、薬剤と空気との接触がなく、蒸発も防止できる利点を奏する。
しかしながら、開口部が常に開放されているため、取り扱い上容器の転倒による薬剤の漏れ出しは回避できない。
【0010】
また、前記市販品の中栓方式は、中栓となる薄いシール部材にスリットを形成することが必須であるが故に、中栓自体に隙間が存在し、試薬の蒸発、容器外部の空気との遮断に満足できない。
さらに、キャップの除去後における中栓の取付け作業の過程においても、試薬が汚染されないよう慎重な作業が要求される。特に、試薬の分取用プローブが、シール部材に接触することによる分取用プローブの汚染、延いては試薬の汚染という問題がある。
【0011】
さらにまた、液状の試薬を分取する際、容器の開口部に試薬が付着し、その後、試薬の溶媒が揮発すると、試薬に含まれていたタンパク質などの溶質が析出し、キャップを容器に固着させてしまうという問題がある。
【0012】
本発明者はかかる現状に鑑み、容器の開口部に装着することによって、収容された液状の試薬を、外気に曝すことなく、かつ蒸発などによる濃度の変動や変質などを防止することができ、分析装置の分取用プローブによる必要量の分取に際しても、開口部から取外すことなく、繰り返し分取操作が可能で、特に分取用プローブや試薬を汚染するおそれのない試薬容器のキャップ構造と、このキャップ構造を用いた試薬の分取方法について、先に以下のような提案を行った(特願2004−144959)。
【0013】
先に提案した上記試薬容器のキャップ構造は、
1)容器本体の開口部を封止する封止体と、
2)この封止体を保持する封止体保持部材とリンク結合するとともに、封止体を常に開口部に密着させ、押圧力が作用すると、自身が有する付勢力に抗して封止体を上方に持ち上げて開口部を開放し、押圧力が消失すると付勢力によって定位置に復帰し、封止体で前記開口部を閉止させることのできる開閉部材と、
3)封止体保持部材を、封止体を保持する主体部分と、この主体部分に一体に設けられる連結部とで構成し、この連結部に開閉部材の先端部を挿入するための切欠き部を形成するとともに、左右の側板に長孔を設け、この長孔に開閉部材の先端部に設けた連結軸をそれぞれ係合させ、
4)これら封止体と封止体保持部材および開閉部材を、試薬が収容された容器本体の開口部に装着可能とするキャップ本体とから構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、同時に提案した試薬の分取方法は、試薬を収容した容器本体の開口部上に、封止体保持部材に装着された封止体を配置し、前記封止体保持部材とリンク結合する開閉部材の付勢力によって、前記開口部を封止体で密封して試薬の蒸発等を防ぎ、付勢力に抗して開閉部材を押圧することによってリンク結合する封止体保持部材を上方に回動させ、開口部を開放して試薬を分取することを特徴とするものである。
【0015】
しかしながら、上記提案の試薬容器のキャップ構造と、この試薬容器のキャップ構造を用いた試薬の分取方法は、タンパク質などの溶質の付着などによってキャップが容器に固着された場合、開閉部材を押圧することにより、封止体保持部材を容易に回動させることができず、結果として、容器の開口部を開放することが難しかった。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、試薬容器内に収容されている試薬に含まれていたタンパク質などの溶質によってキャップが容器に固着した場合であっても、封止体保持部材を容易に回動させることができる試薬容器のキャップ構造、および、この試薬容器のキャップ構造を用いた試薬の分取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
容器本体の開口部を封止する封止体と、
この封止体を保持する封止体保持部材と、
前記封止体保持部材とリンク結合するとともに、封止体を常に前記開口部に密着させ、押圧力が作用すると、自身が有する付勢力に抗して封止体を上方に持ち上げて開口部を開放し、押圧力が消失すると付勢力によって定位置に復帰し、封止体で前記開口部を閉止させることのできる開閉部材と、を備え、
前記封止体の上面中央部には、先端部に抜け止め防止用の第一係合部が設けられ、前記封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第一係合突起が一体に形成され、
前記封止体の上面縁部には、先端部に抜け止め防止用の第二係合部が設けられ、前記封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第二係合突起が一体に形成され、
前記封止体保持部材の主体部分の頂面中央部に前記封止体の第一係合突起を挿入する第一貫通孔が設けられているとともに、頂面縁部に前記封止体の第二係合突起を挿入する第二貫通孔が設けられ、
前記第一貫通孔において、前記封止体保持部材の頂面とは反対側の開口縁部に第一係合突起を係止する係止部が形成され、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第一係合突起の第一係合部の下面と、前記第一貫通孔の係止部の上面との間には隙間αが設けられ、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第二係合突起の第二係合部の下面と、前記第二貫通孔の前記封止体保持部材の頂面側の開口縁部との間には隙間βが設けられ、
前記隙間αと前記隙間βは、α>βの関係を満たすことを特徴とする試薬容器のキャップ構造である。
【0018】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
前記第二貫通孔が、前記封止体保持部材に一体に設けられた連結部に対向する遠方の頂面縁部に設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の試薬容器のキャップ構造において、
前記封止体は、
全体形状が円盤状の弾性体からなることを特徴とする。
【0020】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の試薬容器のキャップ構造において、
前記隙間αを1とすると、前記隙間βが0.2〜0.6であることを特徴とする。
【0021】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の試薬容器のキャップ構造において、
前記隙間αを1とすると、前記隙間βが0.3〜0.5であることを特徴とする。
【0022】
さらに、この発明の請求項6に記載の発明は、
試薬を収容した容器本体の開口部上に、常時、前記容器本体の開口部を封止する封止体を装着保持する封止体保持部材を配置し、
前記封止体保持部材と一体に連設される連結部に、開閉部材の先端部を受入れ可能な切欠き部を形成するとともに、この切欠き部に形成された長孔に、前記開閉部材に係合保持された連結軸を係合保持させ、
前記封止体の上面中央部に第一係合突起を一体に形成し、この第一係合突起の頂部に、抜け止め防止用の第一係合部を形成し、
前記封止体の上面縁部に第二係合突起を一体に形成し、この第二係合突起の頂部に、抜け止め防止用の第二係合部を形成し、
前記封止体保持部材の主体部分の頂面中央部に第一貫通孔を形成するとともに、頂面縁部に第二貫通孔を形成し、
前記第一貫通孔の前記封止体保持部材の頂面とは反対側の開口縁部に係止部を形成し、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第一係合突起の第一係合部の下面と、前記第一貫通孔の係止部との間に隙間αを設け、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第二係合突起の第二係合部の下面と、前記第二貫通孔の開口縁部との間に隙間βを設け、
前記隙間αと前記隙間βは、α>βの関係を満たすようにし、
前記封止体保持部材とリンク結合する開閉部材の付勢力によって、前記開口部を前記封止体で密封し、
付勢力に抗して前記開閉部材を押圧して、前記第二係合突起の第二係合部の下面と前記第二貫通孔の開口縁部とを接触させ、次いで、前記第一係合突起の第一係合部の下面と前記第一貫通孔の係止部とを接触させることにより、リンク結合する前記封止体保持部材を上方に回動させ、前記封止体を装着保持する前記封止体保持部材を、前記容器本体の開口部から離隔させて、前記開口部を開放して試薬を分取することを特徴とする試薬の分取方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の試薬容器のキャップ構造は、試薬を収容した容器本体の開口部上に配置する封止体において、その上面中央部には、先端部に抜け止め防止用の第一係合部が設けられ、封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第一係合突起が一体に形成され、かつ、その上面縁部には、先端部に抜け止め防止用の第二係合部が設けられ、封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第二係合突起が一体に形成され、封止体が容器本体の開口部に密着した状態で、第一係合突起の第一係合部の下面と、封止体保持部材の主体部分の頂面中央部に形成された第一貫通孔の係止部の上面との間には隙間αが設けられ、かつ、封止体が容器本体の開口部に密着した状態で、第二係合突起の第二係合部の下面と、封止体保持部材の主体部分の頂面縁部に形成された第二貫通孔の封止体保持部材の頂面側の開口縁部との間には隙間βが設けられ、隙間αと隙間βは、α>βの関係を満たすので、付勢力に抗して開閉部材を押圧すると、先ず、第二係合突起の係合部の下面と第二貫通孔の開口縁部とが接触し、次いで、第一係合突起の第一係合部の下面と第一貫通孔の係止部とが接触する。このキャップ構造によると、押圧によってまず第二係合部の下面の封止体と容器本体の開口部との密着が剥がされ、剥がされて生じた開口から両側の円周に沿って密着がさらに剥がされ、次いで第一係合部の下面と第一貫通孔の係止部との接触によって、封止体全体が容器本体から密着を剥がすように回動する。したがって、容器本体内に収容されている液状の試薬を分取する際、容器本体の開口部に試薬が付着し、その後、試薬の溶媒が揮発して、試薬に含まれていたタンパク質などの溶質が析出し、封止体が容器本体の開口部に固着した場合であっても、回動初期に必要な力量は、一部の密着を剥がすために用いられ、次第に密着面全体を開口させる。よって、封止体が強固に開口部に固着した場合であっても、開閉部材を弱い力で押圧することにより、封止体を保持した封止体保持部材を容易に回動させることができ、結果として、容器本体の開口部を容易に開放することができる。
【0024】
また、本発明の試薬の分取方法は、上記の試薬容器のキャップ構造を容器本体に取り付けると、封止体が容器本体の開口部に固着した場合であっても、封止体を保持した封止体保持部材を容易に回動させることができ、結果として、容器本体の開口部を容易に開放することができる。したがって、試薬の分取作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る試薬容器のキャップ構造、および、試薬の分取方法についての最良の実施形態について、図1〜6を参照して説明するが、この発明は、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えることができるものである。
【0026】
図1は、本発明に係る試薬容器のキャップ構造の一実施形態を示す一部切欠き側面図である。図2は、図1のキャップ構造の一部を拡大した側面図である。図3は、図1の平面図である。図4は、図1の試薬容器の開口部を開放状態にした状態を示す一部切欠き側面図である。図5は、試薬容器の平面図である。図6は、試薬容器のキャップ構造を構成する封止部材を示す図であり、(a)は封止体の平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0027】
図1〜5において、符号1は内部に液状の試薬を収容する試薬容器である。
本発明の試薬容器のキャップ構造2(以下、単に「キャップ構造2」と言う。)は、収容された試薬を分析に用いるために、試薬容器1を分析機器の保冷庫などに収納する際に、収容された試薬の汚染、蒸発防止のために試薬容器1の開口部12に装着されていた密封用キャップ(図示略)を取外した後、その開口部12に装着されるものである。
【0028】
このキャップ構造2は、試薬容器1の付属品として供給されるか、あるいは、分析機器の付属品として常備されて、試薬の使用時に、個々の試薬容器に取り付けることが可能なものである。また、キャップ構造2は、あらかじめ分析機器に組み込まれて、必要に応じて、試薬容器1を取り付けることも可能なものである。
【0029】
このキャップ構造2は、図1に示すように、試薬容器1の開口部12の外側に装着されるキャップ本体3と、このキャップ本体3の開口部31を密封状態に保持する封止体4と、この封止体4を保持する封止体保持部材5を常時、開口部31に押圧する開閉部材6と、この開閉部材6を回動可能に保持するハウジング7とから概略構成されている。
【0030】
試薬容器1は、平面形状が横長の形状、例えば、ほぼ二等辺三角形、台形、長方形などの形状をなす自立可能な容器本体11と、この容器本体11の上面部一端側に突出形成された円筒状の開口部12とから構成されている。
この開口部12の外周部には、雄ねじ部13が形成されている。また、開口部12の側方には、上方に向けて板状の係止体14が一体に突設されている。
この係止板14としては、従来の試薬容器に付設されている摘み部材を適用することもできる。
【0031】
キャップ本体3は、開口部12の長さとほぼ高さが等しい中空円筒体からなる。キャップ本体3の内周部には、試薬容器1の開口部12に設けられた雄ねじ部13と係合する雌ネジ部32が設けられている。また、キャップ本体3の上端部は、その軸方向に水平に屈曲されて、フランジ状の係止部33を形成し、封止体4の載置部をなしている。
【0032】
なお、このキャップ本体3の係止部33の裏面には、下方に向けて、容器本体11の開口部12の内周面と当接するリング状の延出部34が形成されている。これにより、キャップ本体3を、容器本体11の開口部12により確実に装着することができる。
【0033】
また、このキャップ本体3の側面の一部には、図1に示すように、封止体4を保持する封止体保持部材(主体部分)5と、常時、開口部31に対して封止体保持部材(主体部分)5を押圧する開閉部材6と、この開閉部材6を回動可能に保持するハウジング7とが一体に形成されている。
【0034】
封止体4は、全体形状が円盤状をなし、天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性エラストマーなどの弾性体、あるいは、軟質の樹脂で形成されたものである。
この封止体4は、キャップ本体3の係止部33上に当接可能な径を有し、厚み1mm〜2mm程度の円板からなることが好ましいが、その厚みは特に制限されない。
【0035】
また、封止体4の上面中央部には、開閉部材6と連動する封止体保持部材(主体部分)5に装着保持させるための第一係合突起41が一体に形成されている。
この第一係合突起41の頂部(先端部)には、封止体保持部材(主体部分)5からの抜け止め防止用の第一係合部42が形成されている。
そして、この第一係合部42は、第一係合突起41のその他の部分(主体部分)よりも突出した形状をなしている。
【0036】
さらに、封止体4の上面縁部には、第一係合突起41と間隔をおいて、封止体保持部材(主体部分)5に、封止体4を装着保持させるための第二係合突起43が一体に形成されている。
この第二係合突起43の頂部(先端部)には、封止体保持部材(主体部分)5からの抜け止め防止用の第二係合部44が形成されている。
【0037】
この封止体4を保持する封止体保持部材(主体部分)5は、その開口縁部がキャップ本体3の上面部と当接する逆椀状のものである。
封止体保持部材(主体部分)5の頂面中央部には、封止体保持部材(主体部分)5を貫通し、封止体4の第一係合突起41を挿入するための第一貫通孔51が形成されている。
また、封止体保持部材(主体部分)5の頂面縁部には、第一貫通孔51と間隔をおいて、封止体保持部材(主体部分)5を貫通し、封止体4の第二係合突起43を挿入する第二貫通孔52が形成されている。この第二貫通孔52は、頂面縁部に設けられ、連結部8の近接した頂面縁部または連結部8に対向する遠方の頂面縁部に設けることができるが、遠方の頂面縁部に設けることが、封止体保持部材5を上方に回動させて効率よく開閉を行うためには好ましい。
また、封止体保持部材(主体部分)5の頂部から、ハウジング7方向に向けて水平に連結部8が一体に突出して形成されている。
【0038】
第一貫通孔51には、封止体保持部材5の頂面とは反対側の開口縁部の全周に、封止体4の第一係合突起41を係止する係止部53が形成されている。
また、封止体4が容器本体11の開口部12に密着した状態で、第一係合突起41の第一係合部42の下面(容器本体11の開口部12側の面)42aと、第一貫通孔51の係止部53の上面53aとの間には隙間αが設けられている。
また、封止体4が容器本体11の開口部12に密着した状態で、第二係合突起43の第二係合部44の下面(容器本体11の開口部12側の面)44aと、第二貫通孔52の封止体保持部材5の頂面側の開口縁部52aとの間には隙間βが設けられている。
さらに、隙間αと隙間βは、α>βの関係を満たしている。隙間αと隙間βについて、隙間αを1とすると、隙間βが0.2〜0.6の範囲にあることが好ましく、隙間βが0.3〜0.5の範囲にあることがさらに好ましい。例えば、封止体4が、厚み1mm〜2mm程度の円板状である場合には、隙間αは約0.5mm、隙間βは約0.2mmである。
【0039】
封止体保持部材5は、封止体4を保持する主体部分と、この主体部分に一体に設けられる連結部8とから構成され、この連結部8に開閉部材6の先端部を挿入するための切り欠き部81を形成するとともに、この連結部8の左右の側板82に長孔84を設け、この長孔84に開閉部材6の先端部に設けた連結軸63をそれぞれ係合させることができる。すなわち、連結部8には、図3に示すように、先端部に開閉部材6の先端部を挿入するための切欠き部81が形成されている。
この切欠き部81の両側方には、下方に鉛直に延びる側板82、82が一体に形成されている。
さらに、各側板82、82の外側には、それぞれハウジング7の対向する側壁71、71に形成された凹状の軸受け72、72と係合する支軸83、83が設けられている。
【0040】
また、相対する側板82、82の所要位置には、それぞれ長孔84が形成されている。
また、この長孔84には、開閉部材6の側面に突出させた連結軸63、63がそれぞれ嵌め込まれている。
したがって、開閉部材6を下方に押圧すれば、前記支軸83、83を支点として、図4に示すように、連結部8が上方に回動可能となる。
【0041】
開閉部材6は、図4に示すように、全体が側面視緩やかなへ字状をなすアーム61の先端部に、筒状の係合保持部62を形成するとともに、この係合保持部62内に、連結部8の長孔84と係合する円柱状または丸棒状の連結軸63を保持し、基端部の側面の対称位置に、それぞれ支軸67、67を突設したものである。
【0042】
この支軸67、67を、ハウジング7の側壁71、71の後部側に形成された凹状の軸受け73、73にそれぞれ嵌め込むことにより、開閉部材6が、この支軸67、67を支点としてハウジング7に回動可能に保持される。
その際、側板82、82の所要位置に、円柱状または丸棒状の連結軸63を嵌入させ保持する長孔84が形成されているので、開閉部材6を下方に押圧すれば、連結部8は支軸83、83を支点として、封止体保持部材(主体部分)5、さらには封止体4を上方に大きく回動させることができる。
【0043】
また、アーム61の基端部近傍の裏面には、図4に示すように、先端部が常時、ハウジング7の底面部74と当接する弾性材からなる、湾曲部66を部分的に有するアーム支持体65が一体に設けられ、常時、アーム61を図1に示す状態(所定位置)に保持するよう構成されている。
【0044】
なお、アーム61のへ字状の頂部に相当する表面部に、凸状または半球状などの形状の押圧部64を設けることによって、開閉部材6に対する押圧部位を明示することができる。特に、押圧部64の形状を半球状にすれば、押圧部材が先端平面で棒状のものであって、その平面部で押圧する際に、押圧時の反力を常に一定に保つことができる。
【0045】
また、ハウジング7は、キャップ本体3の一部に連設されているので、ポリプロピレンなどのプラスチックによってキャップ本体3と一体成形されていることが好ましい。
さらに、ハウジング7の裏面部には、取付位置を固定するため、キャップ本体3を試薬容器1の開口部12に螺合させたとき、試薬容器1の上面肩部に設けられた係止板14を挟んで位置決めする一対の可撓板75、75が設けられている。
そして、ハウジング7の裏面基端部には、先端が肩部表面の形状に合わせた脚部76がそれぞれ一体に設けられている。
【0046】
可撓板75、75は、ハウジング7の裏面部に設けるに際し、回転方向側に位置する一方の可撓板75の長さを、他方の可撓板75の長さより短くしておけば、係止板14との係合がきわめて容易となって、位置決めを簡単に行うことができる。
【0047】
このキャップ構造2によれば、封止体4の上面中央部に第一係合突起41が形成され、封止体4の上面縁部に第二係合突起43が形成され、封止体4が容器本体11の開口部12に密着した状態で、第一係合突起41の第一係合部42の下面42aと、封止体保持部材5の頂面中央部に形成された第一貫通孔51の係止部53の上面53aとの間に隙間αが設けられ、かつ、第二係合突起43の第二係合部44の下面44aと、封止体保持部材5の頂面縁部に形成された第二貫通孔52の開口縁部52aとの間に隙間βが設けられ、隙間αと隙間βは、α>βの関係を満たすので、付勢力に抗して開閉部材6を押圧すると、先ず、第二係合突起43の第二係合部44の下面44aと第二貫通孔52の開口縁部52aとが接触して、第二係合部44の下面44aと第二貫通孔52の開口縁部52aの接触面には、開閉部材6の押圧力に応じて互いに反発し合う力が発生し、次いで、第一係合突起41の第一係合部42の下面42aと、封止体保持部材5の第一貫通孔51の係止部53の上面53aが接触して、第一係合部42の下面42aと第一貫通孔51の係止部53の上面53aの接触面には、開閉部材6の押圧力に応じて互いに反発し合う力が発生する。その結果、容器本体11内に収容されている液状の試薬を分取する際、容器本体11の開口部12に試薬が付着し、その後、試薬の溶媒が揮発して、試薬に含まれていたタンパク質などの溶質が析出し、封止体4が容器本体11の開口部12に固着した場合であっても、開閉部材6を押圧することにより、封止体4を保持した封止体保持部材5を容易に回動させることができ、結果として、容器本体11の開口部12を容易に開放することができる。
【0048】
また、試薬を収容した容器本体11の開口部12上に配置する封止体4を、この封止体4を保持する封止体保持部材5を介して開閉部材6とリンク結合させ、開閉部材6の付勢力によって封止体4を開口部12に密着させて試薬の蒸発などを防止することができる。
また、開閉部材6に押圧力を作用させることによって封止体4を上方に回動させて、容器本体11の開口部12を開放し、この状態を保持しながら試薬を分取用プローブで必要量分取した後、開閉部材6に対する押圧力を解除することによって、封止体4を自動的に容器本体11の開口部12に密着させることができる。
したがって、分析装置の分取用プローブによる繰り返しの分取が可能であって、分取に際し、キャップ(封止体4を保持した封止体保持部材5)を、容器本体11の開口部12から取り外す必要がなく、収容された液状試薬は、容器外部の空気にほとんど曝されることがなく、蒸発などによる濃度の変動や変質などがほぼ完璧に防止される。
【0049】
また、キャップ構造2によれば、容器本体11の開口部12が自動的に塞がれるので、分析装置用の試薬を分析装置の保冷庫に収容するに際して、従来のようにキャップを容器から取り外す必要がない。したがって、不用意な取り扱いによる容器の転倒に際しても、試薬が一切流れ出すおそれがなく、収容された試薬は、汚染や蒸発などの危険を考慮することなく、随時、各種分析装置において試薬の分取を可能とすることができる。
【0050】
また、キャップ構造2によれば、容器本体11の開口部12を密封する封止体4を、封止体保持部材5を介して開閉部材6にリンク結合させているので、きわめて短い動作距離で封止体4を開閉することができるとともに、キャップ構造を小型化することができ、しかも構成がきわめて簡易であるという実用性がある。
【0051】
さらに、キャップ構造2によれば、封止体保持部材5と開閉部材6とをリンク結合するために、円柱状または丸棒状の連結軸を嵌入し、封止体保持部材5に設けられた孔部を長孔84にしたので、封止体4の作動範囲が拡大し、容器の開放をさらに確実にし、試薬分取用プローブの出し入れをより容易にすることができる。
さらにまた、開閉部材6を構成し、それに付勢力を付与するアーム支持体65を、湾曲部66を有するものとしたので、封止体4の開閉を滑らかに行うことができる。
【0052】
次に、本発明の試薬容器のキャップ構造を用いた試薬の分取方法を説明する。
上記のようなリンク機構を有するキャップ構造2を、試薬容器1の開口部12に装着するに当たっては、ハウジング7内に開閉部材6をあらかじめ回動自在に組み込み、この開閉部材6の先端部に、連結部8の連結軸63を係合保持させる。
【0053】
次いで、ハウジング7に一体に付設されたキャップ本体3の雌ねじ部32を、容器本体11の開口部12の雄ねじ部13に螺合させながら全体を回転させ、雌ねじ部32と雄ねじ部13とを完全に係合させる。すると、ハウジング7が容器本体11の上部に確実に固定されて、連結部8の先端部(封止体保持部材5)に固着された封止体4が、キャップ本体3の開口部31を完全に密封する(図1参照)。
【0054】
この状態で、図4に示すように、開閉部材6のアーム61に形成された押圧部64をハウジング7の底部方向に押圧すると、アーム支持体65が弾性によって撓みながら、全体がキャップ本体3の開口部31側に僅かにスライドすると同時に、アーム61は支軸67、67を支点として、下方に回動する。その際、開閉部材6の両側に突出させた連結軸63が、連結部8の側板82に形成した長孔84に沿って移動する。
【0055】
すると、アーム61の先端部の係合保持部62と、連結軸63を介して連結している連結部8は、その基端部側に下方への押圧力が作用するとともに、第二係合突起43の第二係合部44の下面44aと、封止体保持部材5の第二貫通孔52の開口縁部52aが接触して、第二係合部44の下面44aと第二貫通孔52の開口縁部52aの接触面には、前記の押圧力に応じて互いに反発し合う力が発生し、次いで、第一係合突起41の第一係合部42の下面42aと、封止体保持部材5の第一貫通孔51の係止部53の上面53aが接触して、第一係合部42の下面42aと第一貫通孔51の係止部53の上面53aの接触面には、前記の押圧力に応じて互いに反発し合う力が発生する。
【0056】
これにより、支軸83、83を支点として先端側が図4に示すように上方に持ち上げられるので、この連結部8と一体の封止体4がキャップ本体3の開口部31から離れ、連結部8がほぼ垂直状態にまで持ち上げられる。すなわち、キャップ本体3の開口部31が大きく開口する。したがって、その状態(押圧状態)を保持しながら、開口部31上方から容器本体11内に分取用プローブ(図示略)を垂直に下ろせば、容器本体11内に収容された液状の試薬を必要量だけ容易に分取することができる。
【0057】
この分取用プローブによる試薬の分取が完了し、分取用プローブを上方に引き上げた後、アーム61の押圧部64に加えていた押圧力を解除すれば、アーム支持体65が自身の弾性力によって元の状態に復帰する。
したがって、アーム61も元の状態、すなわち定位置に復帰し、同時に封止体保持部材5が開口部31側に下降して、その開口部31を封止体4で閉止するとともに、アーム支持体65の付勢力によって、封止体4が開口部31を密封し、収容されている試薬の蒸発や汚染を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る試薬容器のキャップ構造の一実施形態を示す一部切欠き側面図である。
【図2】図1のキャップ構造の一部を拡大した側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の試薬容器の開口部を開放状態にした状態を示す一部切欠き側面図である。
【図5】試薬容器の平面図である。
【図6】試薬容器のキャップ構造を構成する封止部材を示す図であり、(a)は封止体の平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 試薬容器
11 容器本体
12 容器本体の開口部
2 キャップ構造
3 キャップ本体
31 キャップ本体の開口部
4 封止体
41 第一係合突起
42 第一係合部
43 第二係合突起
44 第二係合部
5 封止体保持部材(主体部分)
51 第一貫通孔
52 第二貫通孔
53 係止部
6 開閉部材
61 開閉部材のアーム
63 連結軸
65 開閉部材のアーム支持体
67 支軸
7 ハウジング
8 連結部
81 切欠き部
82 側板
83 支軸
84 長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口部を封止する封止体と、
この封止体を保持する封止体保持部材と、
前記封止体保持部材とリンク結合するとともに、封止体を常に前記開口部に密着させ、押圧力が作用すると、自身が有する付勢力に抗して封止体を上方に持ち上げて開口部を開放し、押圧力が消失すると付勢力によって定位置に復帰し、封止体で前記開口部を閉止させることのできる開閉部材と、を備え、
前記封止体の上面中央部には、先端部に抜け止め防止用の第一係合部が設けられ、前記封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第一係合突起が一体に形成され、
前記封止体の上面縁部には、先端部に抜け止め防止用の第二係合部が設けられ、前記封止体保持部材の主体部分に装着保持させるための第二係合突起が一体に形成され、
前記封止体保持部材の主体部分の頂面中央部に前記封止体の第一係合突起を挿入する第一貫通孔が設けられているとともに、頂面縁部に前記封止体の第二係合突起を挿入する第二貫通孔が設けられ、
前記第一貫通孔において、前記封止体保持部材の頂面とは反対側の開口縁部に第一係合突起を係止する係止部が形成され、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第一係合突起の第一係合部の下面と、前記第一貫通孔の係止部の上面との間には隙間αが設けられ、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第二係合突起の第二係合部の下面と、前記第二貫通孔の前記封止体保持部材の頂面側の開口縁部との間には隙間βが設けられ、
前記隙間αと前記隙間βは、α>βの関係を満たすことを特徴とする試薬容器のキャップ構造。
【請求項2】
前記第二貫通孔が、前記封止体保持部材に一体に設けられた連結部に対向する遠方の頂面縁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器のキャップ構造。
【請求項3】
前記封止体は、
全体形状が円盤状の弾性体からなることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器のキャップ構造。
【請求項4】
前記隙間αを1とすると、前記隙間βが0.2〜0.6であることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器のキャップ構造。
【請求項5】
前記隙間αを1とすると、前記隙間βが0.3〜0.5であることを特徴とする請求項4に記載の試薬容器のキャップ構造。
【請求項6】
試薬を収容した容器本体の開口部上に、常時、前記容器本体の開口部を封止する封止体を装着保持する封止体保持部材を配置し、
前記封止体保持部材と一体に連設される連結部に、開閉部材の先端部を受入れ可能な切欠き部を形成するとともに、この切欠き部に形成された長孔に、前記開閉部材に係合保持された連結軸を係合保持させ、
前記封止体の上面中央部に第一係合突起を一体に形成し、この第一係合突起の頂部に、抜け止め防止用の第一係合部を形成し、
前記封止体の上面縁部に第二係合突起を一体に形成し、この第二係合突起の頂部に、抜け止め防止用の第二係合部を形成し、
前記封止体保持部材の主体部分の頂面中央部に第一貫通孔を形成するとともに、頂面縁部に第二貫通孔を形成し、
前記第一貫通孔の前記封止体保持部材の頂面とは反対側の開口縁部に係止部を形成し、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第一係合突起の第一係合部の下面と、前記第一貫通孔の係止部との間に隙間αを設け、
前記封止体が前記容器本体の開口部に密着した状態で、前記第二係合突起の第二係合部の下面と、前記第二貫通孔の開口縁部との間に隙間βを設け、
前記隙間αと前記隙間βは、α>βの関係を満たすようにし、
前記封止体保持部材とリンク結合する開閉部材の付勢力によって、前記開口部を前記封止体で密封し、
付勢力に抗して前記開閉部材を押圧して、前記第二係合突起の第二係合部の下面と前記第二貫通孔の開口縁部とを接触させ、次いで、前記第一係合突起の第一係合部の下面と前記第一貫通孔の係止部とを接触させることにより、リンク結合する前記封止体保持部材を上方に回動させ、前記封止体を装着保持する前記封止体保持部材を、前記容器本体の開口部から離隔させて、前記開口部を開放して試薬を分取することを特徴とする試薬の分取方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−105668(P2010−105668A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276596(P2008−276596)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(306008724)富士レビオ株式会社 (55)
【Fターム(参考)】