説明

試験システム

【課題】複数の試験対象装置に対する複数の試験を、同時並行的に効率よく行える試験システムを提供する。
【解決手段】試験対象装置18の試験内容を定義した試験レシピが指定されると、操作制御装置140は、共有データ保持装置142を参照し、他の操作制御装置140が試験レシピ・バッチ処理を行っていないか否かを判断する。他の試験レシピなどが行われていないときには、指定された試験レシピなどが実行される。これ以外のときには、実行されようとする新たな試験レシピなどが、その時点で実行されている他の試験レシピとの間で、測定器162などの競合など、新たな試験の実行を妨げる理由を有するか否かが判断される。理由があるときには、試験レシピの例外処理が行われ、理由ないときには指定された試験レシピが実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験対象の複数の機器を試験する試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、試験対象の機器の故障部位を特定する試験装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−304129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであって、試験対象の複数の機器に対する試験を、これらの試験それぞれの手順に従って並行して実行するように工夫された試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる試験システム(3)は、それぞれ1つ以上の試験対象機器(18)の試験に用いられる値を測定する1つ以上の測定器(162)と、それぞれ前記試験対象機器から前記測定器への前記値を受け渡す接続、または、この接続の切断を行うために用いられる1つ以上のスイッチ(322,324)と、前記試験対象機器に対して指定された試験に対して予め定められた前記試験それぞれの手順(試験レシピ・バッチ処理)により、前記試験対象機器に接続された測定器による前記値の測定結果が、この試験において必要とされるときに、前記スイッチそれぞれを制御して、前記試験対象機器と前記測定器とを、前記値を測定できるように接続させ結果がされた前記試験対象機器の前記値を測定させ、この測定結果に基づいて、それぞれに対して指定された試験を行う複数の試験制御装置とを有する試験システムであって、前記試験制御装置それぞれは、他の試験制御装置が前記試験対象機器の試験を行っているとき以外には、必要に応じて前記スイッチの接続および切断を行って、前記指定された試験を実行し(S114,S122)、他の試験制御装置が前記試験対象機器の試験を行っているときには、この他の試験制御装置により前記スイッチの接続および切断が行われた状態で、前記指定された試験のために、この試験制御装置が行おうとする前記スイッチの接続および切断が可能であるか否かを判断し(S110)、この試験制御装置が行おうとする前記スイッチの接続および切断が可能であるときには、前記指定された試験を実行し(S114,S122)、これ以外のときには、前記指定された試験の実行に対する例外処理を行う(S112,S124)。
なお、この部分では、各構成部分と本願明細書・図面に付された番号および用語とを対応付けたが、これは、本願発明の各構成部分と本願明細書・図面との記載との対応関係の明確化のみを意図し、本願発明の技術的範囲の限定を意図していない。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる試験システムによれば、試験対象の複数の機器に対する試験を、これらの試験それぞれの手順に従って並行して実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の機器試験システムの構成を例示する図である。
【図2】本発明にかかる第2の機器試験システムの構成を示す図である。
【図3】本発明にかかる第3の機器試験システムの構成を示す図である。
【図4】(A)は、機器試験システムの操作制御装置および共有データ保持装置における試験レシピの管理方法を示す図であり、(B)は、試験レシピのステップの実行結果の表示例を示す図である。
【図5】(A)は、試験のバッチ処理のために用いられる第1のバッチ処理テーブルを例示する図であり、(B)は、(A)に示したバッチ処理テーブルに付記され、異常処理および試験結果に応じた例外処理を定義した例外処理テーブルを例示する図である。
【図6】図5(A),(B)に示したバッチ処理テーブルに従って行われる試験のタイムチャートを例示する図である。
【図7】試験のバッチ処理のために用いられる第2のバッチ処理テーブルを例示する図である。
【図8】操作制御装置が、機器試験システム全体で行われている試験を入出力装置の表示装置に表示し、この表示に対してユーザがマウスなどを用いて操作を行うために用いられるUI(User Interface)画面を例示する第1の図である。
【図9】図8に示された試験対象装置を示すアイコンがユーザによりクリックされたときに表示される機器試験システムの個別の試験レシピを表示する画面を例示する図である。
【図10】操作制御装置が、機器試験システム全体で行われている試験を入出力装置の表示装置に表示し、この表示に対してユーザがマウスなどを用いて操作を行うために用いられるUI(User Interface)画面を例示する第2の図である。
【図11】図10に示されたバッチ処理iを示すアイコンがユーザによりクリックされたときに表示されるバッチ処理iの内容を表示する画面を例示する図である。
【図12】図3などに示した機器試験システムそれぞれの試験レシピの実行処理(S10)を示す第1のフローチャートである。
【図13】図3などに示した機器試験システムそれぞれのバッチ処理の実行処理(S10)を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態として、第1の機器試験システム1を説明する。
図1は、第1の機器試験システム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、機器試験システム1は、操作制御装置140−1〜140−n(nは2以上の整数であって、各nが同じ数を示すとは限らない)、共有データ保持装置142、および第1の試験ブロック16−1〜16−nを含む。
機器試験システム1において、操作制御装置140は、LANなどの通信回線を介して、相互に接続され、さらに、LAN,RS232C,GB−IBおよびDIOなどの通信回線を介して、共有データ保持装置142、試験ブロック16それぞれに接続されている。
試験ブロック16は、通信装置などの様々な試験対象装置18−1〜18−nの内の1つ以上と、ケーブルなどによりに固定的に接続される。
【0009】
なお、以下、操作制御装置140−1〜140−nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示すとき、または、複数ある構成部分それぞれを示すときには、単に操作制御装置140と略記することがある。
また、操作制御装置140、共有データ保持装置142、試験ブロック16および試験対象装置18など、機器試験システム1などにおいて処理の主体、動作の主体および試験の対象となりうる構成部分を、ノードと総称することがある。
【0010】
操作制御装置140は、CPU102、メモリ104およびこれらの周辺回路などを含む本体100、表示装置、キーボードおよびマウスなどを含む入出力装置106、他のノードとの信号の送受信および通信を行うために用いられる通信装置110、CD装置、DVD装置およびHDD装置など、記録媒体114に対するデータ・情報の記録および再生を行う記録装置112を含む。
つまり、操作制御装置140は、情報処理を行い、他のノードと通信可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
さらに、試験ブロック16および試験対象装置18などの操作制御装置140以外のノードもまた、必要に応じて、操作制御装置140と同様に、情報処理および他のノードと通信を行うために必要な構成部分を有することがある(以下同様)。
【0011】
試験ブロック16−1〜16−nは、それぞれ第1の信号切替器160−1〜160−nそれぞれと、信号発生器、電圧計、電力計およびデータロガ−などの測定器162−1−1〜162−1−n,・・・,162−n−1〜162−n−nそれぞれとを有する(信号切替器160−1〜160−nおよび測定器162−1−1〜162−1−n以外図示せず)。
試験対象装置18−1〜18−nは、例えば無線通信装置であって、それぞれ、無線通信回路、信号処理回路、電源および冷却ファンなど、試験の対象となりうる構成部分180−1−1〜180−1−n,・・・,180−n−1〜180−n−nを含み、これらそれぞれは、試験ブロック16に接続されている(図中において、1≦i,m≦nの整数)。
なお、以下、各図において、各実施形態の説明にとって実質的に同じ構成部分および処理には、同様な符号が付される。
機器試験システム1は、これらの構成部分により、試験対象装置18およびその構成部分180それぞれの機能および性能などの試験を行う。
【0012】
機器試験システム1において、試験ブロック16の信号切替器160は、機器試験システム14の制御に従って、試験対象装置18およびその構成部分180、または、試験対象装置18および構成部分180それぞれに、試験のために付加された測定用プローブと、測定器162とを接続する。
測定器162それぞれは、機器試験システム14の制御に従って、接続された構成部分180およびその構成部分180それぞれを測定し、指定された試験のために必要とされる測定値を得て、この測定値を、信号切替器160を介して操作制御装置140に対して出力する。
【0013】
操作制御装置140は、例えば、記録媒体114を開始得操作制御装置140に供給され、メモリ104にロードされた試験用プログラムを実行し、接続された試験ブロック16の信号切替器160の接続を制御し、指定された試験に必要な1つ以上の測定器162と、指定された試験の対象となる試験対象装置18とを接続する。
なお、全ての機器試験システム14は、必要に応じて、全ての信号切替器160を制御することができ、全ての試験対象装置18と、全ての測定器162とを接続させることができる。
さらに、操作制御装置140は、上記試験用プログラムの実行により、測定器162を制御して、試験対象装置18の各構成部分180から、試験の実行に必要とされる測定値(温度、電力、試験対象装置180の動作に伴って出力されるデータなど)を測定させ、この測定により得られた測定値を解析して、試験対象の試験対象装置18およびその構成部分180それぞれが正常に動作しているかなどの試験を行う。
操作制御装置140は、指定された試験を実行して得られた結果(合格/不合格)、および、その他、機器試験システム1のユーザに必要とされる情報(試験対象装置18に対する試験が不合格だったときのエラーメッセージおよび例外処理の内容(中断/試験再実行/試験待機など)、故障していると推定された構成部分180を示す情報)を、入出力装置106に表示し、さらに、これらを、操作制御装置140および共有データ保持装置142に記憶する。
【0014】
試験対象装置18に対する試験は、試験レシピに従って行われる。
試験レシピは、操作制御部140それぞれにおいて、複数、作成され、操作制御部140および共有データ保持装置142に記憶される。
複数の試験レシピそれぞれにおいては、例えば、以下のような事項(1)〜(9)、つまり、機器試験システム1のユーザにより、操作制御部140に対して指定されうる複数の試験それぞれを実行するための手順など、指定されうる複数の試験それぞれを実行するための事項が、例えば、試験される試験対象装置18の構成部分180それぞれに対する試験事項(ステップ)の集合として定義されている。
なお、以下、操作制御部140が、試験ブロック16などを制御して、試験レシピに定義された事項に従って試験を実行することを、単に、試験レシピの実行と略記することがある。
【0015】
(1)いずれの試験対象装置18およびその構成部分180が試験対象とされるか;
(2)試験対象の試験対象装置18およびその構成部分180といずれの測定器162とが接続されるか;
(3)測定器162が信号発生装置であるときに、測定器162が、接続された試験対象の試験対象装置18およびその構成部分180に対して、どのような指示信号(信号の種類、指示値)を与えるか;
(4)測定器162が、接続された試験対象の試験対象装置18およびその構成部分180に対する測定により得たいずれの測定値を試験のための解析の対象とするか;
(5)測定器162により得られた測定値をどのように解析するか;
(6)測定値の解析の際に、試験対象装置18およびその構成部分180それぞれの機能等を正常とするための条件を示す情報(温度・電圧の閾値など);
(7)指定された試験をいずれの時刻から、どのような時間長で行うか;
(8)上記(1)〜(6)を、どのような順番(シーケンス)で行うか;
(9)複数の試験が同時に行われようとしたときに、いずれの試験を優先して実行するか。
【0016】
なお、試験レシピは、見出し情報を含み、見出し情報には、その試験レシピの作成者、作成日および確認日などが含まれる。
基本的に、試験レシピは、共有データ保持装置142に記憶されるが、何らかの障害で、共有データ保持装置142に試験レシピのファイル書き込みできないときには、書き込みできなかった試験レシピのファイルであることを示す識別子が付され、操作制御装置140の記録装置112などに記録される。
なお、試験レシピの共有データ保持装置142への記憶を妨げる上記障害が解消されたときには、この障害により共有データ保持装置142に書き込めなかった試験レシピのファイルは、共有データ保持装置142にコピーされ、他の試験レシピおよびこれに含まれるデータとの整合性が取られる(制御操作部140−1〜140−nおよび共有データ保持装置142が、同一のデータを持つようにされる)。
この障害により共有データ保持装置142に書き込めなかった試験レシピのファイルは、共有データ保持装置142にコピーされる。
次に、試験レシピ実行前に、制御操作部140−1は、共有データ保持装置142からデータを読み出し、制御操作部140−1のデータを更新する。
同様に、試験レシピ実行前(試験レシピを選択する画面を表示するタイミング時)に、制御操作部140−2は、共有データ保持装置142からデータを読み出して、制御操作部140−2のデータを更新する。
同様に、試験レシピ実行前に、制御操作部140−nは、共有データ保持装置142から読み出して、制御操作部140−nのデータを更新する。
以上のような動作により、データの整合性が取られ、制御操作部140−1〜140−nおよび共有データ保持装置142に記憶されているデータが同一に保たれる。
【0017】
操作制御装置140に記憶された試験レシピは、何らかの障害により、その操作制御装置140から共有データ保持装置142にアクセスができないときに、指定された試験の実行のために参照される。
共有データ保持装置142への試験レシピおよびその他のデータ・情報の書き込み、および、共有データ保持装置142に記憶された試験レシピおよびその他のデータ・情報は、いずれの操作制御装置140からも可能である。
共有データ保持装置142は、共有データ保持装置142に記憶された試験レシピ等の操作制御装置140による編集に対して排他制御を行う。
例えば、操作制御装置140−1が、入出力装置106に対するユーザの操作に従って、共有データ保持装置142に記憶されている試験レシピを編集しているときには、共有データ保持装置142は、操作制御装置140−2〜140−nに対して、操作制御装置140−1が編集している試験レシピに対する編集を禁止する。
また、操作制御装置140−1が、ある試験レシピを実行しているときには、共有データ保持装置142は、操作制御装置140−2〜140−nに対して、操作制御装置140−1が編集している試験レシピに対する編集を禁止する。
【0018】
上述したように、機器試験システム1においては、ユーザの操作に応じて、操作制御装置140それぞれが、すべての試験対象装置18についての様々な試験のための試験レシピを作成することができる。
つまり、操作制御装置140それぞれは、試験レシピの複数の種類(テスト用レシピ、簡易試験レシピ、選択試験レシピ、本番試験レシピ、自己診断レシピおよびシステム診断レシピなど)それぞれについて、複数の異なる内容の試験レシピ(試験レシピファイル1〜n)を持つことができる。
操作制御装置140それぞれので、同じ試験を行うための様々な試験レシピから、ユーザは、自身にとって最適ないずれかを選択することができる。
つまり、機器試験システム1によれば、同じ試験について単一の試験レシピしか使用できない場合に比べて、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0019】
例えば、機器試験システム1においては、様々な種類の試験レシピが作られ得るので、例えば、下記のような様々な種類の試験レシピを作成することができる。
(1)テスト用の試験レシピ(例えば、複数の試験対象装置18の間の信号シーケンスを確認するシミュレーション用の試験レシピ);
(2)テンプレート型の試験レシピ(雛形となるような共通機能に特化した試験レシピ);
(3)簡易試験レシピ(詳細な試験を行う前の一般的な項目をチェックするための試験レシピ);
(4)選択試験レシピ(試験項目を選択して試験を行うための試験レシピ、例えば、試験対象装置18の複数の構成部分180の内、重点的に試験すべき構成部分180に対する試験を行うための試験レシピ);
(5)本番用の試験レシピ(試験対象装置18の特性に応じ得、あらかじめ試験手順を固定化した試験レシピ);
(6)自己診断用の試験レシピ(構成部分180の各ノードおよび各試験対象装置18の構成部分180の自己診断を行うための試験レシピ);
(7)システム診断用の試験レシピ(信号切替器160により操作制御装置140、試験ブロック16および試験対象装置18の間の接続関係を変更したときの機器試験システム1の動作チェックのための試験レシピ)。
【0020】
機器試験システム1においては、ある試験レシピの実行のために必要とされる測定器162−iが故障しており、これを他の測定器162−j(i≠j)で代用することができるときには、同じ試験対象装置18に対して、同じ試験を、測定器162−iを用いて行うための試験レシピと、測定器162−jを用いて行うための試験レシピとがあれば、測定器162−iが故障したときにでも、測定器162−jを用いる後者の試験レシピを用いることにより、試験対象装置18の試験を予定通りに行うことができる。
また、例えば、試験の内容に応じて、同じ値を測定する異なった品質の2つの測定器162を使い分けたいときには、これら2つの測定器162の1方ずつを用いる2つの試験レシピを用意することにより、これら2つの測定器162を使い分けた試験を行うことができる。
また、例えば、試験対象装置18にマイナーチェンジがなされたときには、マイナーチェンジ前の試験対象装置18用の試験レシピを変更することにより、新規に試験レシピを最初から作成しなくても、マイナーチェンジ後の試験対象装置18の試験を行うことができる。
【0021】
しかしながら、機器試験システム1においては、試験ブロック16−1内の測定器162は、試験ブロック16−1に接続された試験対象装置18−1,18−2の試験にしか用いられ得ず、同様に、各試験ブロック16内の測定器162は、その試験ブロック16に接続された試験対象装置18の試験にしか用いられ得ない。
つまり、機器試験システム1においては、試験ブロック16と試験対象装置18との組み合わせを変更して試験を行うためには、これらの間のケーブル接続を変更する必要がある。
また、機器試験システム1においては、1つの試験ブロック16がある時刻に試験可能な試験対象装置18は1つに限定されてしまい、複数の試験対象装置18の試験のために用いられる測定器162に重複が生じなくても、1つの試験ブロック16で、複数の試験を同時並行して行うことはできない。
【0022】
しかしながら、様々な種類の試験レシピが実行可能であるときには、これら複数の試験レシピが同時並行的に実行可能であることが望ましい。
つまり、例えば、本番用の試験レシピを2種類、用意したときに、これらの試験レシピが同時平行に実行できれば、効率的に試験が行えるので、ユーザにとって便利である。
さらに、機器試験システム1において、複数の試験レシピを組み合わせて(レシピコンビネーション)、バッチ処理テーブルに沿って実行させることができれば、バッチ処理テーブル作成後に自動的に試験が行われるので、ユーザが機器試験システム1につききりで試験を行う必要がないので、ユーザにとって便利である。
【0023】
なお、機器試験システム1のような試験システムにおいては、従来、ユーザが、複数の試験レシピのいずれかを選択して実行させ、それが終わったら、次の試験レシピを選択して実行するという手順で試験が行われてきた。
この場合において、バッチ処理テーブルにおいて、タイムスケジュールに沿って、一つの試験対象装置18に対して、連続的に実行する試験レシピを定義することも、複数の試験対象装置18に対して、連続的に試験を実行する試験レシピを定義することもできれば、ユーザにとって便利である。
【0024】
ただし、複数の試験対象装置18に対して、連続的に実行される試験レシピを定義できても、その実行の際に、例えば、複数の試験の間で同一の測定器162に対して競合が起きるような場合には、複数の試験対象装置18に対する試験を同時並行的に実行することはできない。
つまり、上述のような同一の測定器162に対する競合などが発生せず、同時並行的に実行可能な試験を選択的に実行することができるように工夫すると、試験時間の短縮などが達成され、ユーザにとってのメリットが生じる。
【0025】
[第2実施形態]
以下、第2の実施例を説明する。
図2は、本発明にかかる第2の機器試験システム2の構成を示す図である。
第2の機器試験システム2には、複数の試験を同時並行的にできないなどの第1の機器試験システム1の不具合を解消するための工夫がなされており、図1に示した第1の機器試験システム1の試験ブロック16を、第2の試験ブロック20に置換し、全ての試験ブロック20が、各試験ブロック20の測定器162により得られた試験対象装置18の測定値を受け渡すための計測器信号線24で接続された構成をとる。
第2の試験ブロック20は、機器試験システム14の制御に従って、第1の試験ブロック16の第1の信号切替器160の代わりに、それに接続された測定器162により得られた値を他の試験ブロック20に対して送る。
また、試験ブロック20は、機器試験システム14の制御に従って、他の試験ブロック20から送られてきた測定値を、この測定値を用いた試験を行う機器試験システム14に対して出力する。
【0026】
機器試験システム2においては、試験ブロック20それぞれに含まれる測定器162の種類は、なるべく多くの種類の試験対象装置18の試験のための測定に用いられるようにまとめられており、例えば、試験ブロック20−1,20−2の中には、アナログ無線機の試験に用いられる測定器162と、ディジタル無線機の試験に用いられる測定器162との両方が配置される。
このように、試験ブロック20それぞれに、なるべく多くの種類の試験対象装置18の試験に用いられる測定器162を配置することにより、同じ種類の試験対象装置18に対する試験を同時並行的に行うことができる確率を高めることができる。
【0027】
つまり、例えば、試験ブロック20−1に接続された2つのアナログ無線機(試験対象装置18)の両方に同時並行して同じ試験を行うときに、一方の試験対象装置18に対しては試験ブロック20−1の中のアナログ無線機測定用の測定器162を用いた測定を行い、他方の試験対象装置18には、計測器信号線24を介して試験ブロック20−2の中のアナログ無線機測定用の測定器162を用いた測定を行うことにより、これら2つの試験対象装置18に対する試験を、同時並行的に行うことができる。
以上説明したように、各試験ブロック20が含む測定器162の種類の組みあわせを工夫することにより、各試験ブロック20が、同じ種類の測定器162を複数、含む場合に比べて、より少ない数の測定器162で、コストを抑えつつ、同時並行して行うことができる試験の数を増やすことができる。
【0028】
また、第2の機器試験システム2においては、複数の機器試験システム14が、複数の試験対象装置18に対する複数の試験を、同時並行的に実行することができる。
つまり、例えば、第2の機器試験システム2においては、操作制御装置140−1の制御により、試験対象装置18−1に対する試験が行われ、操作制御装置140−2の制御により、試験対象装置18−2に対する試験が行われうる。
一方、第1の機器試験システム1(図1)においては、例えば、試験ブロック16−1に接続された試験対象装置18−1に対して、測定器162−1−1を用いる試験が行われているときには、この試験には用いられない測定器162−1−2を用いる試験対象装置18−2に対する試験は行われ得ないという制約が存在した。
【0029】
さらに、第2の機器試験システム2においては、1つの操作制御装置140により、複数の試験対象装置18に対する試験を行うことができる。
つまり、例えば、機器試験システム2においては、操作制御装置140−1が、試験ブロック20−1に接続された試験対象装置18−1の試験と、試験ブロック20−nに接続された試験対象装置18−nの試験とを、同時並行して行い得る。
一方、第1の機器試験システム1においては、1つの操作制御装置140は、ある時点においては、1つの試験しか行うことができない。
また、第1の機器試験システム1に比べて、機器試験システム2においては、複数の試験レシピの同時並行的な実行を行えるので、試験対象装置18に対する試験の時間が短縮され、また、ある測定器162が故障したときに、他の測定器162に、故障した測定器162の代用の役割を果たさせることができる。
【0030】
[第3実施形態]
以下、第3の実施形態を説明する。
図3は、本発明にかかる第3の機器試験システム3の構成を示す図である。
図3に示すように、第3の機器試験システム3においては、第1の機器試験システム1における第1の試験ブロック16または第2の機器試験システム2における第2の試験ブロック20と置換された信号切替器32と測定器162とが、LAN300などの通信回線を介して操作制御装置140および共有データ保持装置142と相互に接続されている。
また、信号切替器32の制御部320と測定器162とが相互に接続され、信号切替器32−iに、構成部分180−i−1〜180−i−nが接続される構成をとる。
信号切替器32それぞれには、図1に示した操作制御装置140ど同様にCPU102およびメモリ104などを含む制御部320と、測定器162と試験対象装置18との間を接続し、または、これらの間を切断するリレースイッチ(1つのメインスイッチ322およびサブスイッチ324−1〜324−n)とを含む。
【0031】
制御部320は、試験レシピを実行する操作制御装置140が、LAN300を介して送ってきたコマンドに応じてメインスイッチ322およびサブスイッチ324による信号測定用線の接続および切断を制御する。
メインスイッチ322およびサブスイッチ324それぞれは、試験レシピを実行する操作制御装置140のLAN300および制御部320を介した制御に従って、測定器162と試験対象装置18との間の信号測定用線を接続し、または、切断する。
【0032】
なお、図3には、各信号切替器32に接続される測定器162それぞれが1本の信号測定用線を有する場合を例示しているが、測定器162に、複数の信号測定用線を有する場合には、その数に応じて、メインスイッチ322およびサブスイッチ324の数を増加させる必要がある。
また、測定器162の信号測定用線に応じてメインスイッチ322およびサブスイッチ324の数が増えたときには、必要に応じて、制御部320の処理能力を向上させる必要がある場合がある。
【0033】
制御部320と各測定器162との間は、例えば、LAN,RS232C,GP−IBおよびDIOなどのディジタル信号伝送用のケーブルと、測定信号伝送用のケーブルとで接続され、制御部320は、ディジタル形式の信号により、測定器162それぞれの動作を制御し、測定信号伝送用ケーブルから入力された測定値を、ディジタル形式のデータに変換し、LAN300を介して、指定された試験を行っている操作制御装置140に対して出力する。
【0034】
また、信号切替器32のサブスイッチ324と試験対象装置18とは、一般に測定信号用ケーブルにより接続されるが、測定器162が、試験対象装置18のディジタル形式の信号を測定するときには、測定器162と試験対象装置18との間をLANなどのディジタル形式の信号を伝送する通信路とすることもできる。
この場合には、測定器162と試験対象装置18との間をLANにより接続する場合には、これらの間に、LANケーブルおよびHUB装置を用いることができる。
また、構成部分180の測定値を、制御部320がディジタル形式の信号に変換して、LAN300を介して、測定器162に対して送るように構成することもできる。
【0035】
また、試験対象装置18および信号切替器32の構成によっては、これらの間を接続する信号測定線を共通化してバス接続することができる。
このような場合には、サブスイッチ324の数を減らして最小0個にすることができ、さらに、メインスイッチ322も省かれることがある。
ただし、複数の試験対象装置18をまとめて信号測定線で接続すると、同じ信号測定線で共通に接続された複数の試験対象装置18に対して同時並行的に試験を行うことはできなくなるので、複数の試験対象装置18の信号測定線を共通化することによる低コスト化と、試験の同時並行的な実行とをトレードオフして機器試験システム3を構成する必要がある。
【0036】
つまり、例えば、複数の試験対象装置18に対する同時並行的な試験の頻度が少ない機器試験システム3においては、なるべく多くの試験対象装置18を共通の信号測定線で接続することが好ましい。
なお、信号測定線を少なくする場合でも、その数は最小2本とすべきである。
1本のみのときには、この信号測定線に障害が発生すると試験が不能となるからである。
反対に、例えば、複数の試験対象装置18に対する同時並行的な試験の頻度が多い機器試験システム3においては、試験対象装置18と信号切替器32とを、なるべく多くの信号測定線で接続することが好ましい。
【0037】
[測定器162と試験対象装置18との間の経路設定]
以下、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路設定を例として、機器試験システム3における測定器162と試験対象装置18との間の信号測定線の経路設定を説明する。
試験レシピに従って、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間で信号測定線の経路を設定して、試験対象装置18−1−2に対する試験を実行使用とする操作制御装置140−1は、この試験において使用される測定器162−1が、他の試験に用いられているか否か、および、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路を設定するためのメインスイッチ322およびサブスイッチ324の接続または切断が、他の試験に用いられている信号測定線の経路に不具合を起こすか否かを判断する。
【0038】
つまり、操作制御装置140−1は、ユーザにより実行すべき試験を指定する操作がなされると、操作制御装置140−2〜140−nそれぞれに対して、LAN300を介してオンライン確認コマンドを発行し、操作制御装置140−2〜140−nそれぞれが、LAN300に接続されている(オンライン)状態にあるか否かを判定する。
操作制御装置140−2〜140−nの1つ以上が、LAN300に接続されていない(オフライン)状態にある場合には、オフライン状態の操作制御装置140において、操作制御装置140を介さない試験を実行している可能性がある旨を、操作制御装置140−1の入出力装置106に表示して、ユーザに対して警告を発する。
【0039】
操作制御装置140−1は、共有データ保持装置142を参照して、操作制御装置140−2〜140−nの内の1つ以上が試験を行っているか否かを判定する。
操作制御装置140−1は、操作制御装置140−2〜140−nのいずれかが試験を行っているときには、試験を行っている全ての操作制御装置140から、実行中の試験レシピを取得し、取得した各試験レシピを解析して、測定器162−1が使用されているか否か、および、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路が、他の実行中の試験に不具合を起こすか否かを判断する。
測定器162−1が他の試験に使用されているとき、および、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路が、他の実行中の試験に不具合を起こすときには、操作制御装置140−1は、その旨のメッセージ(エラーメッセージ)を入出力装置106に表示し、試験の実行を中止する。
【0040】
操作制御装置140−1は、操作制御装置140−2〜140−nのいずれも試験を行っていないとき、および、測定器162−1が他の試験に使用されておらず、かつ、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路が、他の実行中の試験に不具合を起こさないときには、ユーザにより実行を指定された試験を、その試験レシピに従って実行する。
つまり、操作制御装置140−1は、信号切替器32−1の制御部320に対して、LAN300を介して経路設定コマンドを発行し、試験対象装置18−1−2と測定器162−1との間に信号測定線を設定するように、メインスイッチ322およびサブスイッチ324それぞれを接続または切断させるように制御させる。
また、試験に用いられていない信号切替器32それぞれの制御部320に対して経路切断コマンドをLAN300に発行して、その信号切替器32それぞれのメインスイッチ322による信号測定線を切断させる。
【0041】
以上のように、測定器162−1と試験対象装置18−1−2との間の信号測定線の経路設定が終わると、操作制御装置140−1は、信号切替器32−1の信号切替器32に対し・BR>ト、LAN300を介して、測定器162−1に対して試験対象装置18−1−2およびその構成部分180の値を測定させる測定指示コマンドを発行し、試験対象装置18−1−2に対する測定を開始させる。
操作制御装置140−1は、測定器162−1による試験対象装置18−1−2に対する測定が終了すると、この測定により得られた測定値を解析し、試験対象装置18−1−2の機能および動作などが正常であるか否かを判断して、判断結果を記録装置112および共有データ保持装置142に記憶し、さらに、入出力装置106に表示してユーザに示す。
共有データ保持装置142は、いずれの試験対象装置18に対して、いずれの操作制御装置140によるいずれの試験レシピが実行されているか監視し、監視結果を、試験実行情報として各操作制御装置140に通知する。
各操作制御装置140は、このバッチ処理の試験実行情報を、図8を参照して後述するUI画像によるユーザの操作の受け入れなどのために用いる。
【0042】
[複数の試験レシピの管理方法]
以下、機器試験システム3における複数の試験レシピの管理方法を説明する。
図4(A)は、機器試験システム3の操作制御装置140および共有データ保持装置142における試験レシピの管理方法を示す図であり、(B)は、試験レシピのステップの実行結果の表示例を示す図である。
操作制御装置140または共有データ保持装置142は、図4(A)に示すように、それらのメモリに試験レシピフォルダ記憶領域を設け、この記憶領域に、試験レシピフォルダを作成し、さらに、試験の目的別にサブフォルダーを設けて試験レシピのファイル(試験レシピファイル;以下の説明においては、試験レシピと試験レシピファイルとを同じものとして扱う)を管理する。
【0043】
試験レシピファイルは、ヘッダ部とデータ部とを含む。
ヘッダ部には、履歴情報が含まれ、この履歴情報は、試験レシピそれぞれの更新履歴管理および過去の試験の結果の保存などに用いられる。
また、データ部には、上述のように試験の手順を示す試験レシピの内容が格納される。
なお、図4(A)に示した例においては、試験レシピのファイルは試験の目的別に管理されているが、試験レシピのファイルは、試験の目的別の他、試験対象装置18ごとに管理されたり、さらに管理のための階層が増やされたりしてもよい。
【0044】
[試験レシピの実行結果の表示]
上述のように、試験レシピは、試験対象装置18の試験を、構成部分180ごとの試験のステップの集合として実行するように構成されていることがある。
試験レシピに含まれる各ステップの結果は、試験レシピファイルのヘッダに履歴情報として格納され、操作制御装置140は、図4(B)に示すように、試験レシピの各ステップの前回実行により得られた試験の結果を表示し、さらに、実行中の試験レシピの各ステップの結果(合格/不合格)と、発生したアラーム情報と、実行中の試験レシピにより示され、実行中の試験に使用された測定器とを対応付けて機器試験システム108に表示する。
【0045】
このように、試験レシピに含まれるステップの実行が終了するたびに、その前回の試験における各ステップの結果を表示すると、操作制御装置140は、試験対象の試験対象装置18のいずれの部分が前回と比べて劣化したかをユーザに示すことができ、また、ユーザは、ステップごとに順次、その結果を確認することができる。
さらに、不合格に終わったステップにおいて構成部分180などにより出されたアラーム、および、各ステップにおいて用いられた測定器162を、ステップごとに表示することにより、操作制御装置140は、ステップごとの試験結果とともに、これらの情報をユーザに通知することができる。
【0046】
[バッチ処理]
以下、試験レシピに従った試験の第1のバッチ処理を説明する。
図5(A)は、試験のバッチ処理のために用いられる第1のバッチ処理テーブルを例示する図であり、(B)は、(A)に示したバッチ処理テーブルに付記され、異常処理および試験結果に応じた例外処理を定義した例外処理テーブルを例示する図である。
図6は、図5(A),(B)に示したバッチ処理テーブルに従って行われる試験のタイムチャートを例示する図である。
なお、図5(A),(B)においては、各試験レシピの実行の間に測定器162および信号測定経路の競合が発生しない場合が前提とされており、構成部分180に符号として付されたn以外のa〜sの文字は、バッチ処理において定義される各数値を表し、同じ文字が常に同じ数値を表すとは限らない。
【0047】
試験レシピをバッチ処理により実行するためには、図5(A)に示されるように、試験対象装置18−1−1〜18−n−nそれぞれに対して定義された1つ以上の試験レシピ1〜nの実行開始時間、および、試験対象装置18−1−1〜18−n−nそれぞれに対して定義された1つ以上の試験レシピ1〜nそれぞれの監視時間(試験に要する最長時間の目安であって、試験レシピの実行がこの時間より極端に短かったり、長かったりした場合には試験の異常が検出される)を定義したバッチ処理テーブルが、操作制御装置140に対するユーザの操作により作成され、共有データ保持装置142に記憶される。
各操作制御装置140は、共有データ保持装置142に記憶されたバッチ処理テーブルの内容に従ったスケジュールで、各試験レシピを自動的に実行する。
共有データ保持装置142は、各操作制御装置140によるバッチ処理の実行を監視し、監視結果を各操作制御装置140に通知する。
各操作制御装置140は、このバッチ処理の通知結果を、図10を参照して後述するUI画像によるユーザの操作の受け入れなどのために用いる。
【0048】
以上のようにバッチ処理テーブルを定義し、操作制御装置140がそれを実行することにより、図6に示すように、複数の試験レシピを経時的に連続して実行することができる(ただし、図6は、試験対象装置18−1−1,18−1−5,18−n−nに対してバッチ処理テーブルが作成された場合を例示)。
このような試験レシピのバッチ処理により、ユーザが試験レシピの実行を監視して、ある試験レシピの実行が終了したときに、次の試験レシピの実行を開始させる操作を操作制御装置140に出すという手間を省くことができる。
【0049】
図5(B)に示すように、試験レシピの実行時間長に基づいて試験対象装置18およびその構成部分180に異常が検出されたり、試験レシピの実行自体により、試験対象装置18などに異常が検出されたときの処理を、バッチ処理テーブルに付記した例外処理テーブルとして定義することもできる。
図5(B)に示す例外処理テーブルには、試験レシピごとの監視時間と、監視時間に基づいて異常が検出されたとき、および、試験の結果が不合格だったときの処理(そのまま試験を継続する、強制的に終了させる(ABORT)、ユーザの支持操作待ち(WAIT)など)が定義され、操作制御装置140は、試験レシピの実行の際に、異常などが発生した場合には、この例外処理テーブルに定義された例外処理を実行する。
【0050】
以下、試験レシピに従った試験の第2のバッチ処理を説明する。
図7は、試験のバッチ処理のために用いられる第2のバッチ処理テーブルを例示する図である。
なお、図7には、試験対象装置18−1−1の試験の開始時間を、ユーザがこのバッチテーブルを作成した直後(即時)とし、試験対象装置18−1−1,18−1−nそれぞれの試験レシピ1〜nの監視時間を定義し、試験対象装置18−1−nの試験開始時間を、試験対象装置18−1−1の試験終了後としてある場合が例示されている。
このように定義されたバッチ処理テーブルに従って、操作制御装置140が試験対象装置18−1−1,18−1−nの試験を行うと、試験対象装置18−1−1の試験と、試験対象装置18−1−nの試験とを、1つずつ連続的に実行することができる。
【0051】
なお、図7に示したバッチ処理テーブルにおいて、開始時刻の定義は、例えば、下記のように複数の試験対象装置18の試験の間で試験の開始または終了のタイミングを定義することにより、複数の試験対象装置18の試験のタイミングを同期させることができる。
(1)直接、試験の開始時刻を指定する;
(2)図7に示したように時刻を指定せずに、
(2−1)バッチ処理テーブル完成直後(即時)
(2−2)ある試験対象装置18の試験が終了した直後に他の試験対象装置18の試験を開始する;
(2−3)ある試験対象装置18の試験が終了してから指定の時間が経過した後に他の試験対象装置18の試験を開始する;
(2−4)ある試験対象装置18の試験の開始と同時に他の試験対象装置18の試験を開始する。
【0052】
このように、複数の試験対象装置18の試験の開始のタイミングを同期させることにより、複数の試験の間の測定器162に対する競合を回避したり、ある試験対象装置18の試験が他の試験対象装置18の試験に影響を与えることを防ぐことができる。
なお、複数の試験対象装置18の試験が同時に行われたときに、影響を与え合う試験としては、無線機の試験における受信ノイズ測定を要する試験、他所の場所で送信された電波信号を受信する必要がある試験、および、無線機の受信感度の試験などを例として挙げることができる。
なお、以上説明したように複数の試験対象装置18の試験の間で試験開始のタイミングを同期させるときには、タイミングチャートを作成し、影響を与え合う試験の有無を確認して、影響を与え合う試験がある場合には、試験の間の同期関係を手直しすることが好ましい。
【0053】
[UI画像]
以下、機器試験システム3において、操作制御装置140の入出力装置106に表示されるUI(User Interface)画像およびこれを用いたユーザによる操作を説明する。
図8は、操作制御装置140が、機器試験システム3全体で行われている試験を入出力装置106の表示装置に表示し、この表示に対してユーザがマウスなどを用いて操作を行うために用いられるUI(User Interface)画面を例示する第1の図である。
図9は、図8に示された試験対象装置18−n−3を示すアイコンがユーザによりクリックされたときに表示される機器試験システム1−n−3の個別の試験レシピを表示する画面を例示する図である。
操作制御装置140は、共有データ保持装置142に問い合わせることにより、あるいは、他の操作制御装置140それぞれに問い合わせることにより、いずれの試験対象装置18の試験を、いずれの操作制御装置140が行っているかなどを示す試験実行情報を得る。
【0054】
このようにして得られた試験実行情報は、操作制御装置140により、例えば図8に示すように入出力装置106に表示される。
なお、図8には、操作制御装置140−1が、試験対象装置18−1−1,18−1−3に対する試験を実行中であり、操作制御装置140−nが、試験対象装置18−n−1,18−n−nに対する試験を実行中である場合が例示されている。
なお、図8に示した画面の内容は、これを表示する全ての操作制御装置140において同一となる。
【0055】
例えば、ユーザが、操作制御装置140の入出力装置106のマウス(図示せず)を操作して、図8に示した試験対象装置18−n−3のアイコンをクリックすると、図9に例示する試験対象装置18−n−3の個別の試験レシピが表示される。
図9に示すように、例えば、試験対象装置18−n−3の試験の試験レシピがn個(試験レシピ1〜n)作成されているときには、画面の上部に、これらの試験レシピそれぞれのアイコンが表示され、その下に、いずれの試験レシピも実行されていない旨(試験レシピ実行状態:未実行)が表示される。
この部分(試験レシピ実行状態)の表示は、作成済みの試験レシピの実行開始、実行終了、実行中断および実行中止に伴って、操作制御装置140により変更される。
この画面において、例えば、作成済みの試験レシピiのアイコンがクリックされると、点線で示すように、画面中のさらに下の部分に試験レシピiの内容(試験レシピiに含まれる試験ステップ1〜n;図4(B)参照)が表示される。
【0056】
ユーザは、この画面に表示された実行用アイコンをクリックすることにより、先に選択された試験レシピiを即時実行させることができる。
また、試験対象装置18−n−3のいずれかの試験レシピが実行されているときには、実行されている試験レシピが試験レシピ実行状態に表示され、ユーザは、実行されている試験レシピを選択し、中断のアイコンまたは中止のアイコンをクリックすることにより、操作制御装置140に、実行中の試験レシピの実行を中断させたり、中止させたりすることができる。
なお、ユーザが、図9に示した画面において、ある試験レシピを指定して、その実行を指示する操作を行ったときには、操作制御装置140は、指定された試験レシピの実行可能性(他の試験との測定器162あるいは信号測定経路の競合などの有無)を、上述したように判定し、指定された試験レシピが実行可能であるときにはそれを実行し、実行不可能であるときには、その旨と、実行不可能な理由(測定器162の競合、指定された試験に影響を与える試験が他で行われている、あるいは、信号測定経路の競合など;エラーメッセージ)を、いちばん下のメッセージ表示エリアに表示する。
【0057】
図10は、操作制御装置140が、機器試験システム3全体で行われている試験を入出力装置106の表示装置に表示し、この表示に対してユーザがマウスなどを用いて操作を行うために用いられるUI(User Interface)画面を例示する第2の図である。
図11は、図10に示されたバッチ処理iを示すアイコンがユーザによりクリックされたときに表示されるバッチ処理iの内容を表示する画面を例示する図である。
操作制御装置140は、図8を参照して上述したように、他のノードに問い合わせを行って、いずれの試験対象装置18に対して、いずれの操作制御装置140によるバッチ処理が行われているかを示す試験実行情報を得る。
このようにして得られた試験実行情報は、操作制御装置140により、例えば図10に示すように入出力装置106に表示される。
なお、図10には、操作制御装置140−1が、試験対象装置18−1−1,18−1−3に対するバッチ処理による試験を実行中であり、操作制御装置140−nが、試験対象装置18−n−1,18−n−nに対するバッチ処理による試験を実行中である場合が例示されている。
なお、図10に示した画面の内容は、これを表示する全ての操作制御装置140において同一となる。
【0058】
例えば、ユーザが、操作制御装置140の入出力装置106のマウス(図示せず)を操作して、図10に示した試験対象装置18−n−3のアイコンをクリックし、さらに、画面右下のバッチ処理と記されたアイコンをクリックすると、図11に例示する操作制御装置140−1が、図7を参照して説明したような試験対象装置18−n−3に対して行っているバッチ処理の内容が表示される。
図11に示すように、例えば、操作制御装置140−1による試験対象装置18−n−3を対象としたバッチ処理テーブルがn個(試験レシピ1〜n)作成されているときには、画面の上部に、これらのバッチ処理テーブルそれぞれのアイコンが表示され、その下に、バッチ処理が実行されている旨(バッチ実行状態:実行中)が表示される。
この部分(試験レシピ実行状態)の表示は、作成済みの試験レシピの実行開始、実行終了、実行中断および実行中止に伴って、操作制御装置140により変更される。
この画面において、例えば、作成済みのバッチ処理iのアイコンがクリックされると、点線で示すように、画面中のさらに下の部分にバッチ処理i用のバッチ処理テーブルの内容(バッチ処理iに含まれる試験レシピおよびそれらの開始時間など;図7参照)が表示される。
【0059】
ユーザは、この画面に表示された実行用アイコンをクリックすることにより、先に選択されたバッチ処理iを即時実行させることができる。
また、選択されたバッチ処理iが実行されているときには、ユーザは、中断のアイコンまたは中止のアイコンをクリックすることにより、操作制御装置140に、選択された実行中のバッチ処理の実行を中断させたり、中止させたりすることができる。
さらに、ユーザは、グラフのアイコンをクリックすることにより、選択したバッチ処理iおよび必要に応じてその他のバッチ処理の実行および進行状況を、例えば、図6に例示したように表示させることができる。
なお、ユーザが、図11に示した画面において、あるバッチ処理を指定して、その実行を指示する操作を行ったときには、操作制御装置140は、試験レシピの実行について上述したように、指定されたバッチ処理の実行可能性(他の試験との測定器162あるいは信号測定経路の競合などの有無)を判定し、指定されたバッチ処理が実行可能であるときにはそれを実行し、実行不可能であるときには、その旨と、実行不可能な理由(エラーメッセージ)を、いちばん下のメッセージ表示エリアに表示する。
【0060】
[機器試験システム3の全体動作]
以下、図3などに示した第3の機器試験システム3の全体的な動作を説明する。
図12は、図3などに示した機器試験システム3それぞれの試験レシピの実行処理(S10)を示す第1のフローチャートである。
ステップ100(S100)において、操作制御装置140は、図8に示したUI画像を入出力装置106に表示し、ユーザは、表示された画像に対して所望の試験対象装置18を選択し、選択した試験対象装置18に対して実行使用とする試験レシピを選択する操作を行う。
操作制御装置140は、この操作を受け入れる。
【0061】
ステップ102(S102)において、ユーザからの操作を受けた操作制御装置140は、他の操作制御装置140それぞれがオンライン状態(LAN300に接続された状態)になっているか否かを判断する。
さらに、操作制御装置140は、共有データ保持装置142を参照し、いずれの操作制御装置140が、いずれの試験対象装置18に対して、いずれの試験レシピを実行しているか、および、いずれの操作制御装置140が、いずれのバッチ処理に含まれるいずれの試験レシピを、その時点において、いずれの試験対象装置18に対して実行しているかを示す試験実行情報を得る。
ステップ104(S104)において、試験を実行しようとする操作制御装置140は、共有データ保持装置142から得た試験実行情報に基づいて、他の操作制御装置140(場合によっては自らを含む全ての操作制御装置140)が、バッチ処理を実行しているか否かを判断する。
操作制御装置140は、バッチ処理が実行されているときにはS108の処理に進み、これ以外のときにはS114の処理に進む。
【0062】
ステップ106(S106)において、試験を実行しようとする操作制御装置140は、共有データ保持装置142から得た試験実行情報に基づいて、他の操作制御装置140(場合によっては自らを含む全ての操作制御装置140)が、試験レシピを実行しているか否かを判断する。
操作制御装置140は、試験レシピが実行されているときにはS108の処理に進み、これ以外のときにはS114の処理に進む。
ステップ108(S108)において、試験を実行しようとする操作制御装置140は、その時点で実行されているバッチ処理および試験レシピまたはこれらのいずれかを示す情報を共有データ保持装置142から得る。
【0063】
ステップ110(S110)において、試験を実行しようとする操作制御装置140は、S108の処理により得られた情報に基づいて、実行しようとする試験レシピと、その時点で実行されているバッチ処理および試験レシピまたはこれらのいずれかとの間で、試験対象装置18、試験対象装置18と測定器162との間の経路および測定器162が競合するか、あるいは、使用しようとしている測定器162に故障が発生しているかなど、試験レシピの実行を妨げる理由があるか否かを判断する。
操作制御装置140は、競合が生じるときにはS112の処理に進み、これ以外のときはS114の処理に進む。
ステップ112(S112)において、操作制御装置140は、図9を参照して説明したように、ユーザにより指定された試験レシピの実行ができない旨と、S110で判明したその理由と(エラーメッセージ)を入出力装置106に表示し、ユーザに示すとともに、図5(B)に示した例外処理を行う。
【0064】
ステップ114(S114)において、操作制御装置140は、ユーザにより指定された試験レシピを実行する。
ステップ116(S116)において、操作制御装置140は、図8,図9に示したUI画像を入出力装置106に表示し、ユーザによる操作を受け入れ得るようにするための処理を行う。
このときに、ユーザの操作により、例えば、互いに実行を妨げている2つの試験レシピのいずれかが、中止されたり、中断されたりしうる。
【0065】
図13は、図3などに示した機器試験システム3それぞれのバッチ処理の実行処理(S10)を示す第2のフローチャートである。
ステップ120(S120)において、操作制御装置140は、図10に示したUI画像を入出力装置106に表示し、ユーザは、表示された画像に対して所望のバッチ処理を選択する操作を行う。
操作制御装置140は、この操作を受け入れる。
【0066】
ステップ102(S102)において、ユーザからの操作を受けた操作制御装置140は、他の操作制御装置140それぞれがオンライン状態(LAN300に接続された状態)になっているか否かを判断する。
さらに、操作制御装置140は、共有データ保持装置142を参照し、いずれの操作制御装置140が、いずれの試験対象装置18に対して、いずれの試験レシピを実行しているか、および、いずれの操作制御装置140が、いずれのバッチ処理に含まれるいずれの試験レシピを、その時点において、いずれの試験対象装置18に対して実行しているかを示す試験実行情報を得る。
ステップ104(S104)において、バッチ処理を実行しようとする操作制御装置140は、共有データ保持装置142から得た試験実行情報に基づいて、他の操作制御装置140(場合によっては自らを含む全ての操作制御装置140)が、バッチ処理を実行しているか否かを判断する。
操作制御装置140は、バッチ処理が実行されているときには第1のS108−1の処理に進み、これ以外のときには第1のS110の処理に進む。
【0067】
第1のステップ108−1(S108−1)において、バッチ処理を実行しようとする操作制御装置140は、その時点で実行されているバッチ処理および試験レシピまたはこれらのいずれかを示す情報を共有データ保持装置142から得る。
第1のステップ110−1(S110−1)において、バッチ処理を実行しようとする操作制御装置140は、S108−1の処理により得られた情報に基づいて、上記競合など、実行しようとするバッチ処理と、その時点で実行されているバッチ処理との間で、バッチ処理の実行を妨げる理由があるか否かを判断する。
操作制御装置140は、競合が生じるときにはS108−1の処理に進み、これ以外のときはS124の処理に進む。
【0068】
ステップ106(S106)において、バッチ処理を実行しようとする操作制御装置140は、共有データ保持装置142から得た試験実行情報に基づいて、他の操作制御装置140(場合によっては自らを含む全ての操作制御装置140)が、試験レシピを実行しているか否かを判断する。
操作制御装置140は、試験レシピが実行されているときにはS108−2の処理に進み、これ以外のときにはS122の処理に進む。
【0069】
第2のステップ108−2(S108−2)において、バッチ処理を実行しようとする操作制御装置140は、その時点で実行されているバッチ処理および試験レシピまたはこれらのいずれかを示す情報を共有データ保持装置142から得る(S108−2の処理が実行されているときにはS108−2の処理は省略可)。
第2のステップ110−2(S110−2)において、試験を実行しようとする操作制御装置140は、S108−2の処理により得られた情報に基づいて、競合など、実行しようとするバッチ処理の実行を妨げる理由があるか否かを判断する。
操作制御装置140は、競合が生じるときにはS124の処理に進み、これ以外のときはS122の処理に進む。
【0070】
ステップ122(S122)において、操作制御装置140は、ユーザにより指定されたバッチ処理を実行する。
ステップ124(S124)において、操作制御装置140は、図11を参照して説明したように、ユーザにより指定された試験レシピの実行ができない旨と、S110−2で判明したその理由とを入出力装置106に表示し、ユーザに示すとともに、例外処理を行う。
このときに、ユーザの操作により、例えば、互いに実行を妨げている2つのバッチ処理のいずれかが、中止されたり、中断されたりしうる。
ステップ116(S116)において、操作制御装置140は、図10,図11に示したUI画像を入出力装置106に表示し、ユーザによる操作を受け入れ得るようにするための処理を行う。
【0071】
[機器試験システム3の特徴]
以下、第3の機器試験システム3の特徴を説明する。
以上説明した第3の機器試験システム3によれば、複数の操作制御装置140により、複数の測定器162を制御して、測定器162と信号切替器32を介して接続された試験対象装置18の試験を、共有データ保持装置142に記憶され、全ての操作制御装置140により共有される試験レシピに従って行うことができる。
また、機器試験システム3によれば、複数の試験レシピを組み合わせて(レシピコンビネーションを行って)、バッチ処理テーブルに沿って実行させることができ、試験対象装置18に対する試験を自動化できるので、ユーザの手間が省かれる。
また、機器試験システム3によれば、例えば、測定器162あるいは試験対象装置18と測定器162との経路の競合により、互いに実行を妨げない限り、複数の試験レシピおよびその複数のバッチ処理を同時並行して行うことができるので、試験時間が短縮されうる。
【0072】
また、機器試験システム3においては、複数の試験レシピの同時並行的な実行と、複数のバッチ処理の同時並行的な実行とが両立するので、いずれかのみが可能な場合と比べて、さらに多くの数の試験対象装置18に対する試験が、同時並行的に行なわれうる。
例えば、複数の試験レシピの同時並行的な実行ができなくとも、複数のバッチ処理の同時並行的な実行ができれば、事実上、複数の試験レシピの同時並行的な実行が実現されていることになる。
また、機器試験システム3においては、複数の試験対象装置18に対してバッチ処理と試験レシピとが同時並行的に行われうるので、これらの組みあわせにより、いずれか一方が可能なときに比べて、試験時間の短縮およびユーザの手間の削減の両方の効果が大きくなる。
【0073】
また、機器試験システム3においては、全ての操作制御装置140において、図8〜図11に示した共通のUI画面が用いられるので、ユーザは、任意の操作制御装置140において、全く同じ操作により、試験レシピの実行と、バッチ処理の作成および実行とを行うことができるので、第1の機器試験システム1に比べて、ユーザの使い勝手(習熟、誤操作防止)が向上する。
さらに、ある操作制御装置140が故障しても、他の操作制御装置140により同じ試験を行うことができるので、機器試験システム3の稼働率は、第1の機器試験システム1よりも高くなる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、試験対象となる機器に対する試験のために利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1〜3・・・・機器試験システム,140・・・操作制御装置,100・・・本体,102・・・CPU,104・・・メモリ,106・・・入出力装置,110・・・通信装置,112・・・記録装置,114・・・記録媒体,16,20・・・試験ブロック,160・・・信号切替器,162・・・測定器,18・・・試験対象装置,180・・・構成部分,24・・・計測器信号線,320・・・制御部,322・・・メインスイッチ,324・・・サブスイッチ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つ以上の試験対象機器の試験に用いられる値を測定する1つ以上の測定器と、
それぞれ前記試験対象機器から前記測定器への前記値を受け渡す接続、または、この接続の切断を行うために用いられる1つ以上のスイッチと、
前記試験対象機器に対して指定された試験に対して予め定められた前記試験それぞれの手順により、前記試験対象機器に接続された測定器による前記値の測定結果が、この試験において必要とされるときに、前記スイッチそれぞれを制御して、前記試験対象機器と前記測定器とを、前記値を測定できるように接続させ結果がされた前記試験対象機器の前記値を測定させ、この測定結果に基づいて、それぞれに対して指定された試験を行う複数の試験制御装置と
を有する試験システムであって、
前記試験制御装置それぞれは、
他の試験制御装置が前記試験対象機器の試験を行っているとき以外には、必要に応じて前記スイッチの接続および切断を行って、前記指定された試験を実行し、
他の試験制御装置が前記試験対象機器の試験を行っているときには、この他の試験制御装置により前記スイッチの接続および切断が行われた状態で、前記指定された試験のために、この試験制御装置が行おうとする前記スイッチの接続および切断が可能であるか否かを判断し、
この試験制御装置が行おうとする前記スイッチの接続および切断が可能であるときには、前記指定された試験を実行し、これ以外のときには、前記指定された試験の例外処理を行う
試験システム。
【請求項2】
前記試験制御装置それぞれは、
前記指定された試験の実行を待機させている他の試験制御装置が終了したときに、前記実行を待機させていた試験を実行する
請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
関試験制御装置それぞれは、
前記指定された試験の実行を待機させているときに、その旨と、前記指定された試験の実行を待機させている他の試験制御装置が終了して、前記指定された試験の実行される時間を示す情報とを、外部に対して表示する
請求項1または2に記載の試験システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−169606(P2011−169606A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30980(P2010−30980)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】