説明

試験装置

創傷に対して局所負圧治療を施すために創傷に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための方法、装置およびアダプターデバイスが開示され、当該方法は、創傷上に密閉キャビティを形成するために創傷に対してドレッシング(102)を取り付けるステップであって、当該キャビティは、このキャビティ内に真空を形成するために、それに対して作用的に接続された吸引管(106)を有するものであるステップと、ウォーターメスの使用中にウォータージェットが存在する領域の周囲に、実質的に閉鎖された容積を形成するために液体メス(10)に対してアダプターデバイス手段(50)を設けるステップと、メス上のアダプターデバイス手段によって形成された閉じた容積に対して吸引管の自由端を接続するステップと、ドレッシングキャビティ内に真空を形成するために閉じた容積内で液体ジェットのベンチュリ効果によって生じる真空を利用するステップとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所負圧(TNP)治療を施すために、患者に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための方法、装置およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
創傷が治癒し続けるには、ときどき、創傷を創面切除することが必要である。創面切除とは創傷から死んだ組織を除去することであり、こうした除去がときどき必要になる。というのは、死んだ組織は感染の温床となることがあり、たとえば硬化してしまうことがあり、そして新しい細胞の成長を停止させるかあるいは少なくとも遅らせるバリアを形成することがあるからである(実際、そうした死んだ組織は、たいてい、関連文献においては「治癒に対するバリア(a barrier to healing)」と呼ばれている)。
【0003】
創面切除に関する初期の技術では、しばしばメスが使用され、この場合、死んだ組織は、たいてい外科医によって、外科的に除去されていた。
【0004】
最新の技術では、いわゆるウォーターメスが使用されるが、この場合、非常に高い圧力の微細なウォータージェットが組織除去を実施するために使用される。繰り返すが、創面切除はたいてい手術室において外科医によって実施され、そしてそれは外科的処置として分類され、殺菌状況のもので実施される。創傷が創面切除され、新しいクリーンな創傷面が現れると、たいていは、処理しなければならない出血が生じ、しかも出血を止めるのを助けるために、そしてさらには感染を防止するために、創傷の手当てが必要になる。
【0005】
たとえば、外傷創傷などの治癒し難い創傷のために、TNP治療がたいていは利用されるが、これは、創傷上に密閉キャビティを形成するために粘着性密閉膜を用いて創傷を覆う特殊なドレッシングを必要とし、そしてこのキャビティは、創傷キャビティ内に(周囲大気圧よりも)低い圧力を作用させるために、続いて、真空源に対して接続される。そうしたTNP治療ドレッシングの必要性は、関連技術分野の当業者には周知である。
【0006】
そうしたTNPドレッシングの問題の一つは、それが漏れを生じること、すなわちたとえば密閉膜の周りでキャビティ内に周囲の空気が吸引されるので、創傷キャビティ内の真空を維持するのが困難であることである。理想を言えば、TNPドレッシングは、感染を防止するために、滅菌状況下の手術室内で取り付けられるべきである。だが、ドレッシングを試験するためには、ドレッシングを直ちに交換することを正当化するのに十分なほど漏れがひどいものであるかどうかを判定するためにキャビティに対して真空を作用させる必要がある。だが、真空を作用させる必要があるために、真空デバイスを手術室内に運び込む必要があり、したがってこの真空デバイスはそれ自体無菌状態である必要がある。これは、かなりの不便さおよびコストの増大を招く。代替案は、一時的であるが無菌の普通の非TNPドレッシングを創傷に対して取り付け、そして非TNPドレッシングがTNPドレッシングと交換可能でありかつ吸引デバイスに対して接続可能である病室に患者が戻ることであり、ドレッシングが漏る場合、それは病室内で交換されるかあるいは修復される。この代替案は明確な欠点を有する。すなわち、ドレッシングの提供に関して二度手間が生じ、不必要なドレッシングに関する付加的コストが生じ、そして最も重要なことには、非滅菌大気に対して新しい創傷をさらすことで感染のリスクが生じる。
【0007】
創傷が創面切除された直後に手術室においてTNPドレッシングが理想的に取り付けられるさらなる理由は、ときどき、死んだ組織の除去は血管付近の切削を必要とし、そして密閉ドレッシングを介した真空のそれに続く作用は表面付近の結果からの出血を引き起こすことがあり、これは特別な治療を必要とすることがある、というものである。これが事実であるならば、矯正処置を行う必要がある場合、これが、後に病室内においてよりも、滅菌環境を有する手術室内で見出されることは明らかに有益である。
【0008】
それを行うために、真空ポンプなどを殺菌することを要さずに、滅菌環境においてTNPドレッシングを試験することができるならば、明らかに有益であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、たとえば治療において使用されるような従来型の真空生成装置を使用することなく、たとえば手術室などの滅菌環境においてTNPドレッシングを試験するための装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、創傷に対して局所負圧治療を施すために創傷に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための方法が提供されるが、当該方法は、創傷上に密閉キャビティを形成するために創傷に対してドレッシングを取り付けるステップであって、このキャビティはその中に真空を形成するためにそれに対して作用的に接続された吸引管を有するようなものであるステップと、ウォーターメスの使用中にウォータージェットが存在する領域の周囲に、実質的に閉じた容積を形成するために液体メスに対してアダプターデバイス手段を設けるステップと、メス上のアダプターデバイス手段によって形成された閉じた容積に対して吸引管の自由端を接続するステップと、ドレッシングキャビティ内に真空を形成するために閉じた容積内で液体ジェットのベンチュリ効果によって生じる真空を利用するステップとを具備する。
【0011】
TNPドレッシングの使用に先行する創傷の創面切除に関連付けて説明したが、本発明は、もちろん、TNPドレッシングの使用に先立つ適当な液体メスを使用する手術処置にも関連する。
【0012】
ウォーターメスは、TNPドレッシングの使用直前に手術室内で創傷に創面切除処置を実施するために使用されるウォーターメスであってもよい。
【0013】
好適なウォーターメスの例は、国際公開第2003/045259号に見出されるが、その内容、特に(これに限定されるわけではないが)その図12Aないし図12Dに関連する事項は、この引用によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
上記文献において説明されたウォーターメスは、そのチップ部分に切断液体ジェットを有し、液体ジェットはまた、ウォーターメスハンドセット内のチャネルおよび管内に組織屑を運ぶ。それを液体ジェットが通過する領域において、そして特にウォータージェットがハンドセット管内に流入する領域においては、当該領域における圧力の低下によってベンチュリ効果が生じる。本発明は、ウォータージェットメスの機能端部に嵌合するアダプターデバイス、ならびにベンチュリ効果が生じる領域の周囲に閉じた容積を形成するための、このアダプターデバイスの使用方法を提供する。アダプターデバイスは、吸引管を介してTNPドレッシングによって創傷の上に形成されたキャビティに対して接続されるが、この吸引管は、ドレッシングが適切に密閉される場合、創傷に対してTNP治療を施すために患者が病室に戻ったときに真空源に対して接続されることになる。ウォータージェットのベンチュリ効果によって生じる真空はドレッシングを排気する。ドレッシングの完全性が適切である場合、ドレッシングは創傷キャビティ内に形成される真空を有し、そしてこの真空は、直ぐに損なわれることなく、ある期間にわたって持続する。いったん真空が達成されると、吸引管はクランプで締め付けることができ、そして、ドレッシングの完全性を評価できるよう、それが損なわれるのに要する時間を測定できる。真空が持続する場合、吸引管クランプは適所に残すことができ、患者は病室に戻ることができる。ドレッシングの完全性が不十分である場合、ドレッシングは修理されるか交換され、そして再度試験される。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、アダプターデバイスが提供される。当該アダプターデバイスは、液体メス切断ヘッドを収容するための係合部を有していてもよく、この係合部は、使用される特定のメスに適合するような寸法とされ、しかも、この係合部は、液体ジェットのベンチュリ効果によって生じる圧力降下の影響を受けやすい閉じたチャンバーあるいは容積を形成する。当該アダプターデバイスはさらに、メスに対して係合部を取り付けるための取り付け手段と、アダプター係合部とメスとの間に形成された閉じた容積と流体連通状態にある吸引管接続手段とを具備してなる。
【0016】
本明細書中で用いている「閉鎖チャンバー」、「閉鎖容積」および「実質的に閉鎖された容積」との用語は、その中で、通過するウォータージェットのベンチュリ効果に起因して圧力降下が生じる容積を意味することに留意されたい。アダプターデバイスによって形成されるチャンバーあるいは容積は、その中に液体ジェットが導入されかつそこから適当な廃棄物容器あるいは廃棄物処理手段へとそれが排出される排水通路が存在する必要があり、しかも僅かな漏れに適応可能であるので、完全には閉鎖されない。チャンバーあるいは容積は、しかしながら、周囲の大気の自由な流入に対しては閉じられる。
【0017】
アダプターデバイスは、液体ジェットメスとの密着性および密閉性を改善するために、フレキシブルあるいは柔順で、かつ、弾力性を有するプラスチック素材から形成可能である。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、創傷に対して局所負圧治療を施すために創傷に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための装置が提供されるが、当該装置は、創傷上に密閉キャビティを形成する創傷上のドレッシングであって、当該キャビティは、このキャビティ内に真空を形成するために、それに対して作用的に接続された吸引管を有するドレッシングと、ウォーターメスに対して取り付けられたアダプターデバイス手段であって、アダプターデバイスおよびメスは、ウォーターメスの使用中にウォータージェットが存在する領域の周囲に、実質的に閉じた容積を形成するアダプターデバイス手段と、アダプターデバイス手段およびメスによって形成された閉じた容積に対して接続された吸引管の自由端とを具備してなる。
【0019】
本発明に基づく装置はさらに、吸引管流路内に逆止弁を備えていてもよく、これによって、ドレッシングが完全性に関して試験されかつ適正であることが判明した後、液体メスおよびアダプターデバイスは、管をクランプで締め付けることを要さずに、吸引管から取り外すことができるようになる。
【0020】
適当なタイプの圧力ゲージあるいは圧力インジケータをさらに管ラインに対して取り付けることができ、これによって、創傷キャビティに対して作用している真空のレベルを、それが過度に高くならないように測定できるようになる。
【0021】
ドレッシング中の真空レベルが所定の最大値を超えないようにするために、吸引管ライン中に安全弁をさらに組み込むことも可能である。
【0022】
本発明のさらなる理解のために、以下、図面を参照して、例証としての実施例について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明に基づく方法および装置の両方において、かつ、本発明に基づくアダプターデバイスと共に使用するのに適した代表的液体メスの切断端部を示す図である。
【図1B】本発明に基づく方法および装置の両方において、かつ、本発明に基づくアダプターデバイスと共に使用するのに適した代表的液体メスの切断端部を示す図である。
【図1C】本発明に基づく方法および装置の両方において、かつ、本発明に基づくアダプターデバイスと共に使用するのに適した代表的液体メスの切断端部を示す図である。
【図1D】本発明に基づく方法および装置の両方において、かつ、本発明に基づくアダプターデバイスと共に使用するのに適した代表的液体メスの切断端部を示す図である。
【図2A】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図2B】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図2C】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図2D】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図2E】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図2F】図1に示す液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスを、ある方向から見た状態にて示す図である。
【図3】図1Dの液体メスに対して取り付けられた図2のアダプターデバイスの概略図である。
【図4】TNP治療を創傷に対して施すことができるドレッシングが配置された創傷の概略断面図である。
【図5】TNPドレッシングの完全性を試験するための本発明に基づく装置の第1実施形態の概略構造を示す図である。
【図6】TNPドレッシングの完全性を試験するための本発明に基づく装置の第2実施形態の概略構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1Aないし図1Dを参照するが、図1Aは、本発明に基づく方法および装置においてかつ本発明に基づくアダプターデバイスと共に使用するのに適した液体ジェットメスハンドセットの作用チップの概略上面側斜視図であり、図1Bは図1Aの液体メス作用チップの概略上面図であり、図1Cは図1Aの作用チップの上面図であり、そして図1Dは図1Aの液体メスの作用チップの縦断面図である。
【0025】
図1Aないし図1Dは国際公開第2003/0452259号に見出され、しかもその図12Aないし図12Dにおいて、液体ジェット切断メスに関するその他の情報と共に説明されていることに留意されたい(当該文献の内容は、この引用によって、本明細書に組み込まれる)。
【0026】
液体メスハンドヘルド器具の作用チップは概して10で示されている。従来公知であるように、液体メスは、器具の先端にノズル14から出現する高圧液体ジェット12を形成することによって機能し、ジェット12を形成する液体は、遠隔高圧ポンプ(図示せず)によって供給を受けるチューブシステム16を介して供給される。高圧ジェット12はチャネル18を横切り、かつ、ジェット液体および実施されている処理からの組織屑を受けるための廃棄物容器あるいは廃棄物処理コンテナ(図示せず)に対して下流で接続された廃棄物流出内腔22の端部に存在する開口20内に送り込まれる。メスのノーズ24は、平面視で略テーパー形状を有し(図1C)、かつ、比較的簡単な幾何学的形状のものである。ノーズ24の周囲で、下側部分において、側面チーク26はチャネル18から離れるように湾曲している。液体ジェットの領域においてかつそれが廃棄物流出内腔22内へと開口20に流入する場所では、流動ジェット液体流によってベンチュリ効果が実現され、そして圧力降下がこの領域において生じる。本発明が獲得しようとするのが、ベンチュリ効果によって生じるこの圧力降下である。
【0027】
以下、図2Aないし図2Fを参照するが、図2Aは図1の液体メスと共に使用するのに適したアダプターデバイスの側面図であり、図2Bは端面図であり、図2Cは上面図であり、図2Dは上方からの斜視図であり、図2Eは下方からの斜視図であり、そして図2Fは図2Aの線2F−2Fを通る断面図である。
【0028】
アダプターデバイスは、概して50で示されており、かつ、本体部52と、取り付けクリップ部材54と、吸引管58の自由端部を受けるための管コネクター56とを具備してなる(管58の遠隔端部は、以下で説明するように、TNPドレッシングに対して作用的に接続されている)。本体部52は、メスのノーズ24の形状に対応するテーパー状凹部60をそれ自身に有する。本体部はさらに、凹部60および管コネクター56とつながる開口62を備える。取り付けクリップ部材54は略「U」形状のものであり、メスが凹部60内に収まったとき、その底部バー65は本体部の上面66の上に載り、そして内側に曲がったフィンガー68はメスの下部側面チーク26を把持する。管コネクター56は、吸引管58を収容するためのソケット部70を有する。
【0029】
図3は、図1の液体ジェット切断メスに対して取り付けられた、図2のアダプターデバイス50の概略図である。メスのノーズ24は、アダプターデバイスの本体部52の凹部60内に収容されている(本体部52は破線で示している)。
【0030】
図4は、図1の液体ジェットメス10によって創面切除が施され、かつ、それに対して取り付けられると共に患者が手術室(図示せず)から移動させられる前にその完全性が試験される必要があるドレッシング102を備えた創傷100の概略図である。ドレッシングは、たとえばガーゼの塊104などの創傷充填物質と、流体(創傷浸出液および空気)の両方を吸引する吸引管106と、被覆密封ドレープ108とを具備してなる。被覆密封ドレープ108はドレッシング分野では公知であり、かつ、創傷100の周囲の健全な皮膚110に対して張り付けられた面上に感圧性接着剤の層(図示せず)を有する。吸引管106は、その後のTNP治療の間、たとえば電動真空ポンプ(図示せず)などの真空源に対して接続され、そしてそれはドレッシングドレープ108の下方に形成された創傷キャビティ112内に真空(周囲大気圧を下回る圧力)を形成する。だが、TNP治療の成功のためには、ドレープ108が、創傷100の周囲で皮膚110と、そして、しばしばポイント114においてドレープを通過するようになされた吸引管とも効果的に密着し、そして、このドレープがそれ自身と密着するように管の周囲で締め付けられることが重要である(管106をシールする他の手段、たとえばグロメットなども採用可能であり、かつ、締め付けられたシーリングドレープは一つの方法の単なる実例である)。上首尾なTNP治療は、真空ポンプ(図示せず)の稼働中に所望の真空レベルを創傷キャビティが維持できることに依存する。したがって、ドレッシング内への周囲空気のひどい漏れが存在しないことを保証するために、ドレッシングの完全性を試験することが必要である。
【0031】
図5は、ドレッシング102によって形成された創傷キャビティ内への周囲空気の望ましくない漏れを阻止するための、図4に例示したようなドレッシング102の完全性の試験用の本発明に基づく装置200の第1実施形態を概略図である。当該装置は、開口20に流入するジェット12のベンチュリ効果によって真空を形成するために開口20に流入するジェット20を形成するために、図1を参照して説明した切断メス10に液体ジェット切断流体を供給する高圧ポンプ204に対して滅菌流体を供給するための流体リザーバ202を備える。使用済み切断流体は使用済み流体リザーバ208へと排出される。メス10は、図2および図3を参照して説明しかつドレッシング102の管106に対して接続されたアダプターデバイス50に対して固定される。ベンチュリ効果によって生み出された真空は、ドレッシング102内で創傷キャビティ112に対して真空を作用させ、そしていったん真空が創傷キャビティ内で実現されると、管106はクランプ210によって締め付けることができ、ドレッシングは、十分な時間にわたって真空が維持されているかどうか、そして真空の消滅が急速ではないことを判定するために観察される。真空が維持されているようならば、クランプは適所に残され、そしてコネクター50は管106から切り離され、そして患者は、管106をTNP治療装置(図示せず)に接続可能である病室へ移動できる。
【0032】
図6は、ドレッシング102の完全性を試験するための装置300の第2実施形態の概略図である。当該装置は、基本的に、図5に関して説明したものの装置特徴を具備してなるが、さらに、逆止弁302と、圧力ゲージ304と、安全弁306を含んでいる。この実施形態では、アダプターデバイス50は開口/管を含むよう改変可能であり、それに対して、逆止弁302、安全弁306および圧力ゲージ304を接続することができる。逆止弁によって、創傷キャビティ内の真空が適切に維持されているかどうかを判定するために、液体ジェット12を停止させることが、したがって管106をクランプで締め付けることを要さずに吸引を停止させることが可能となる。安全弁は、創傷キャビティに作用させられた真空が安全な最大値を超えないことを保証し、そして、圧力ゲージは、真空レベルが安全なレベルを超えないことを保証するための二次チェックを実現する。図5に関して説明した実施形態のように、管106は、これまでのように、真空が適切に維持されるかつ患者が病室に戻る場合には、最終的にクランプで締め付けられてもよい。
【0033】
発明の詳細な説明および特許請求の範囲の記載を通じて、「〜を具備してなる」および「〜を含む」との語句ならびに当該語句の変化形は、「〜には限定されないが〜を含む」を意味し、その他の成分、添加物、コンポーネント、完全体あるいはステップを排除することを意図していない(そして排除しない)。
【0034】
発明の詳細な説明および特許請求の範囲の記載を通じて、不整合が生じない限り、単数は複数を包含する。特に、不定冠詞が使用されている場合、不整合が生じない限り、本明細書は単数だけでなく複数を想定しているものとして解釈すべきである。
【0035】
本発明の特定の態様、実施形態あるいは実施例に関連付けて説明した機能、完全体、特徴、複合体、化学成分あるいは群は、それと適合しない場合を除いて、本明細書において説明した、その他の態様、実施形態あるいは実施例に対して適用可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0036】
10 作用チップ
12 高圧液体ジェット
14 ノズル
16 チューブシステム
18 チャネル
20 開口
22 廃棄物流出内腔
24 ノーズ
26 側面チーク
50 アダプターデバイス
52 本体部
54 取り付けクリップ部材
56 管コネクター
58 吸引管
60 テーパー状凹部
62 開口
65 底部バー
66 上面
68 フィンガー
70 ソケット部
100 創傷
102 ドレッシング
104 ガーゼの塊
106 吸引管
108 被覆密封ドレープ
110 皮膚
112 創傷キャビティ
114 ポイント
200 装置
202 流体リザーバ
204 高圧ポンプ
208 使用済み流体リザーバ
210 クランプ
300 装置
302 逆止弁
304 圧力ゲージ
306 安全弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に対して局所負圧治療を施すために創傷に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための方法であって、
当該方法は、
前記創傷上に密閉キャビティを形成するために前記創傷に対してドレッシングを取り付けるステップであって、前記キャビティは、このキャビティ内に真空を形成するために、それに対して作用的に接続された吸引管を有するものであるようなステップと、
ウォーターメスの使用中にウォータージェットが存在する領域の周囲に、実質的に閉じた容積を形成するために、液体メスに対してアダプターデバイス手段を設けるステップと、
前記メス上の前記アダプターデバイス手段によって形成された前記閉じた容積に対して前記吸引管の自由端を接続するステップと、
前記ドレッシングキャビティ内に真空を形成するために前記閉じた容積内で液体ジェットのベンチュリ効果によって生じる真空を利用するステップと、
を具備することを特徴とする試験方法。
【請求項2】
前記ドレッシングと前記液体メスとの間に逆止弁を設けるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドレッシング内の真空が損なわれる時間をモニターするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
圧力モニタリング手段を設けるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ドレッシングに対して作用させられる最大真空を制限するための安全弁手段を設けるステップをさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法において使用するためのアダプターデバイス。
【請求項7】
創傷に対して局所負圧治療を施すために創傷に対して使用されるドレッシングの完全性を試験するための装置であって、
当該装置は、
前記創傷上に密閉キャビティを形成する前記創傷上のドレッシングであって、前記キャビティは、このキャビティ内に真空を形成するために、それに対して作用的に接続された吸引管を有しているドレッシングと、
ウォーターメスに対して取り付けられたアダプターデバイス手段であって、前記アダプターデバイスおよびメスは、前記ウォーターメスの使用中にウォータージェットが存在する領域の周囲で実質的に閉じた容積を形成するアダプターデバイス手段と、
前記アダプターデバイス手段およびメスによって形成された前記閉じた容積に対して接続された前記吸引管の自由端と、
を具備してなることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記吸引管流路内に逆止弁をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
圧力モニタリング手段をさらに含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記吸引管ライン内に安全弁をさらに含むことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の装置用のアダプターデバイスであって、
前記アダプターデバイスは、
液体ジェットメス切断ヘッドを収容するための係合部であって、この係合部は、前記液体ジェットのベンチュリ効果によって生じる圧力降下の影響を受けやすい閉じたチャンバーあるいは容積を形成する係合部と、
前記メスに対して前記係合部を取り付けるための取り付け手段と、
前記アダプター係合部と前記メスとの間に形成された前記閉じた容積と流体連通状態にある吸引管接続手段と、
を具備してなることを特徴とするアダプターデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、フレキシブルな弾性プラスチック素材からなることを特徴とする請求項11に記載のアダプター。
【請求項13】
明細書および図1ないし図5あるいは図6に関連付けて実質的に説明された、創傷に対して局所負圧治療を施すための、前記創傷に対して取り付けられたドレッシングの完全性を試験するための方法。
【請求項14】
明細書および図1ないし図5あるいは図6に関連付けて実質的に説明された、創傷に対して局所負圧治療を施すための、前記創傷に対して取り付けられたドレッシングの完全性を試験するための装置。
【請求項15】
明細書および図1ないし図5あるいは図6に関連付けて実質的に説明された、請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の装置のためのアダプターデバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−507568(P2011−507568A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538915(P2010−538915)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051151
【国際公開番号】WO2009/081181
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】