説明

試験試料の電気的性質を試験するプローブ

本発明は、試験試料(508)の電気的性質を試験するプローブ(502)に関する。プローブは、近位端と反対の遠位端を画成するプローブアーム(506)を有する本体(504)を備え、プローブアームは、プローブアームの近位端において本体から延在し、更に、第1軸心が、近位端と遠位端によって画定される。その上、プローブアームは、第1軸心に沿った、第1軸心に垂直な第2軸心に沿った、更に、第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ったプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験試料の電気的性質を試験するプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
試験試料の電気的性質を決定するために抵抗測定を行う時、試験表面と電気的接触を図る先端を各々が支承する1個以上のアームを備える試験プローブが試験表面に接触させられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、非貫通静的接点が片持ばり先端と試験試料表面の間に形成されることを可能にする片持ばり幾何学的構造を提供する。
更に、本発明は、片持ばり幾何学的構造によって画定される1個以上の片持ばりを有するマルチ型片持ばりを提供する。
その上、本発明は、機械的接点又は電気機械的接点の安定性と寿命を改良するために低摩擦静的接点が望ましいナノエレクトロメカニカルシステム(NEMS)とマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)を設計する方法論を提供する。
【0004】
顕微鏡4点プローブは、導体薄膜及び半導体薄膜と多層構造物の電気特性決定のための度量衡器具として使用される。図1に示すように、表面と真直な片持ばりの先端の間の接触における機械的移動(滑りと振動)が、片持ばり先端の摩耗を生じる。この機械的摩耗を減らすと共に試料表面への先端の侵入を減らすために、軟質片持ばりが、表面への非貫通静的機械的接触をするように設計されてきた。
【0005】
関連するシステムと方法は、US2004/072452、US2003/102878、WO2005/031376、US6,672,875、US2001/012739、US4,383,217、EP1085327、US2004/183554、US6,943,571、US4,703,252、US5,691,648、US6,747,445、US2005/0151552、US2005/0081609、US2005/0062448等の公報に記載されている。上記の米国特許公報の全てを参照して、その全体が、本明細書に全ての目的のために組込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、少なくとも部分的に、試験実施中に試験試料の摩耗を減らすように形成された試験プローブに関する。試験プローブは、近位端及び反対の遠位端を画成するプローブアームを有する本体を備え、プローブアームが、プローブアームの近位端において本体から延在すると共に、第1軸心が、近位端と遠位端によって画定され、又、プローブアームが、第1軸心、第1軸心に垂直な第2軸心並びに第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ってプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成する。
【0007】
プローブアームによって画成される幾何学的構造が、プローブアームに柔軟な運動を付与することにより、プローブが、試験試料と接触して、試験プローブが試験装置のホルダーに保持されている時、回りからの振動が、少なくともある程度までプローブアームに吸収されて、プローブアームと試験試料の間の運動に伝達されない。試験プローブと試験試料の間のこの静的接触は、摩擦力が、試験試料の表面平面に印加される絶対力より大きいことを確実にすることにより、達成される。
【0008】
プローブアームは、本体から自由に延在する。プローブアームは、自由で柔軟な運動をする。
【0009】
本体は、第1平坦表面を画成する。プローブアームは、本体から延在する。又、プローブアームが、本体の第1平坦表面に平行な平面を画定する。プローブアームが試験試料の表面と接触していない時、第1平坦表面とプローブアームによって画定される平面が平行である。プローブアームは、L字状幾何学的構造、又は静的接触が得られるようにプローブアームに柔軟性を与える他の幾何学的構造を画成してもよい。
【0010】
一実施形態において、プローブアームは、本体に材料を付着させることにより形成してもよい。例えば、より大きな構造物で開始して、その上にプローブアームを付着により形成し、次に、この段階でプローブアームを支持する材料の一部が除去されることにより、プローブアームが本体から自由に延在する。次に、本体は、より大きな構造物の残りの部分である。
【0011】
プローブが、試験試料に対して移動するよりもむしろ試験試料と静的接触状態で保持されている時、試験試料の寿命の大幅な増加が達成される。又、試験を行う条件が変更されず、試験試料の接触領域が大略同じままである場合に、行われた試験の品質が向上する。
【0012】
プローブが、試験試料の表面部分と静的接触状態で保持されている時、摩擦力Fの一般近似は、静摩擦係数μと垂直力Nの積によって与えられる。
=μ
【0013】
理想的には、横方向力Fはゼロであるべきだが、これは実際上不可能である。よって、静的接触を得るために、摩擦力は、表面平面内に作用する横方向力よりも大きくなければならない。
>F
【0014】
片持ばり先端に作用する横方向力Fは、小さな運動に対して垂直力に比例すると推測される。
【0015】
本発明の好都合な実施形態において、プローブアームが、試験試料と電気的接触を図る接触プローブと、試験装置と電気的接触を図るパッドと、本体上又は本体内に配置されて、接触プローブとパッドの間の電気的接触を図る導電ストリップとを支持する支持構造物である。
【0016】
上記構成は、試験試料に及び試験試料を透過して、夫々、伝送された電気信号を送受信するプローブに対して設けられる。電気信号は、AC、DC、RF、他のなんらかの電気信号、又はこれらの信号の組合せである。又、試験装置は、信号フィルター、ロックイン回路等を含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、上記幾何学的構造が、半円形部品及び/又は正方形部品及び/又は長方形部品及び/又は三角形部品及び/又は上記のいずれかの組合せを含む。異なる幾何学的構造又はその部分は、プローブアームが振動及び/又はドリフト等を受ける時に、プローブアームの柔軟な運動を許容するのを助ける。
【0018】
特定の実施形態において、上記幾何学的構造が、角度を形成するように接続された2個の大略直線状の部品を含む。更に、プローブアーム自身が、本体からある角度で延在してもよい。角度は、55度と145度の間、例えば、90度等の0度と180度の間である。
【0019】
上記の角度と幾何学的構造は、3次元のいずれか又は全てに適用される。
【0020】
プローブアームが、第1軸心、第2軸心と第3軸心の方向に大略等しいばね定数を画定することが好都合である。プローブアームが、3次元において等しい又は大略等しいばね定数を有することが非常に好都合であることが判明した。
【0021】
別の実施形態において、本体が、複数のプローブアームを含む。複数のプローブアームは、多点プローブ測定、例えば、4点プローブ測定を許容する。
【0022】
本発明の更に別の実施形態において、複数のプローブアームが、類似の幾何学的構造又は代わりとして、少なくとも2個の異なる幾何学的構造を画成する。いくつかの適用において、プローブアームが、例えば、近接して配置された複数のプローブアームを有して、プローブ先端において線を画定する大略同一の又は類似の幾何学的構造を画成することが考えられる。
【0023】
他の実施形態において、線を画定することなく多数のプローブ先端を近接して配置するため、複数のプローブアームを有するように、異なる幾何学的構造を画成するプローブアームを有するプローブを使用してもよい。他の適用も想定される。
【0024】
本発明の更に他の実施形態において、使用時のプローブが、試験試料の表面の平面に突出する時に、大略等しいばね定数又は1:1と1:20の間の比を有するばね定数を画定する。試験プローブが試験試料の表面に接触させられた時、角度が、試験プローブと試験試料表面の間に形成される。その角度は、0度と180度の間、通常、30度付近である。プローブアームは、他の所に記載したばね定数を有する又は画定し、これらのばね定数が試験試料の表面によって画定される平面上に投影される時、投影されたばね定数は、好ましくは大略等しい。しかしながら、ばね定数は、1:2と1:15の間、1:3と1:10の間、1:4と1:6の間、1:1と1:2の間、1:2と1:3の間、1:3と1:4の間、1:4と1:5の間、1:5と1:8の間、1:8と1:10の間、1:10と1:15、1:15と1:20の間等の1:1と1:20の間の比を有してもよい。
【0025】
本発明の第2の態様は、試験試料の電気的性質を試験するプローブに関する。プローブは、第1平坦表面を画成する本体と、近位端及び反対の遠位端を有する第1部分を画成するプローブアームとを備え、プローブアームが、第1部分の近位端において本体から延在すると共に、第1軸心が、第1部分の近位端と遠位端によって画定され、又、プローブアームが、第1平坦表面と平行に延在し、更に、プローブアームが、第1軸心、第1軸心に垂直な第2軸心並びに第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ってプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成する。
【0026】
プローブが試験試料の表面に接触させられる時、プローブアームは試験試料の表面に侵入しない。
【0027】
プローブは、試験試料の電気的特性を得るために使用される。このような電気的特性は、抵抗と導電率を含む。
【0028】
プローブアームが、第1平坦表面と共通平面関係で配置されることが好都合であると考えられる。共通平面関係は、プローブアームの平面と本体の平面が同じ幾何学的平面内にあることを意味する。例えば、プローブアームは、第1平坦表面上に配置される、即ち、本体は、プローブアームを本体の第1平坦表面において支持する。
【0029】
更に、本体が、第1平坦表面に大略直角の第2平坦表面を画成する一方、プローブアームが、第2平坦表面から延在する。
【0030】
本発明の特に好都合な実施形態において、プローブアームが、L字状幾何学的構造を画成する。
【0031】
第1の態様のプローブと第2の態様のプローブは、使用時に、プローブを保持する保持装置を含む装置内に配置される。更に、信号発生器と信号検出器が、その装置に含まれるか、又は、プローブを介して試験試料への/からの信号を送受信/検出するように、少なくともその装置に接続される。
【0032】
本発明の第3の態様は、試験試料の電気的性質を試験する試験プローブに関する。第5の態様にかかる試験プローブは、試験試料と電気的接触を図る導電接点を含む本体を備え、試験プローブが試験試料の表面と静的接触を図るのを許容するように、本体が、ばね手段によって柔軟に吊下げられている
【0033】
静的接触が試験プローブと試験試料表面の間に図られるように、試験プローブが柔軟に吊下げられることを許容する、例えば、ばね又は他の構造要素によって、試験プローブが吊下げられる。
【0034】
更に、本発明の第1の態様にかかる試験プローブは、第2の態様及び/又は第3の態様に関して述べた特徴のいずれかを含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、プローブの先端500を図示する。
【0036】
プローブの寿命を延ばすには、先端の摩耗を最小化しなければならない。摩耗は、少なくとも2個の原因から発生するが、それらの個々の寄与は不明である。真直な片持ばりが表面に接触するにつれて、先端は、片持ばりの長手方向において表面とこすれる。測定中、接触点は動的であると考えられる、即ち、先端は、振動とドリフトにより表面をこする。
【0037】
図2は、本体504と、本体504から延在するプローブアーム506とを有するプローブ502を概略的に図示する。プローブ502は、試験試料508の表面に接触させられる。プローブアーム506の端において、プローブは、試験試料508の表面と電気的に接触して、試験試料508の電気的性質を決定する試験が行われる。
【0038】
プローブアーム506の先端が試験試料508の表面と接触している時、試験プローブ502と試験試料508を保持するシステムにおける振動とドリフトが、プローブ502の先端を試験試料508の表面に沿って移動又はこすれさせることにより、プローブ502の先端の摩耗を起こす。
【0039】
x’軸とz’軸がプローブの位置を示し、x軸とz軸が試験試料の位置を示す基準座標系が図3に示されている。角度θが、試験試料と試験プローブの間に形成される。
【0040】
上記摩耗を減らすために、本発明にかかるプローブは、係合中も測定中も共に静的接触をするように設けられる。片持ばりは、釣り合いの取れたばね定数(kx,y、)〜(k,k,k)を有するように、第3次元の自由を与えられる。従来のマイクロ4点プローブと異なって、振動/運動は全方向に吸収される。
【0041】
静的接触を得るために、摩擦力は、表面平面内に印加される絶対力よりも大きくなければならない。

【0042】
摩擦力は、静摩擦係数と垂直力の積によって与えられる。
=μ・N=−μ・F (II)
【0043】
係合深さdの結果として作用する力は、次式によって与えられる。



【0044】
上式(I)、(II)、(III)と(IV)から、以下の不等式が導かれる。



【0045】
上記不等式は、

に対して満足されることが明らかである。これは、片持ばりばね常数が絶対値において等しくあるべきことを意味する。これは、多数の異なる手法によって得ることができる。定式化は、3次元に拡張され得る。
【0046】
図4乃至図8は、上記の要件を満たすように考えられたプローブアームの異なる実施形態を図示する。
【0047】
図4は、約90度の角度で接続された2個の大略真直な又は直線状の部分から成る複数のプローブアームを有するプローブを図示する。
【0048】
図5は、各々が、本体510に接続された2個の部分512及び514と、2個の部分512と514を連結する部分516とを有する2個のプローブアームが形成された本発明のプローブの一実施形態を概略的に図示する。軟質接触部518が部分516に設けられている。プローブアームは、一体部品として形成されることが好ましく、この一体部品の全てが本発明の一部と見做される
【0049】
図6は、各々が、方形波状の幾何学的構造を含む構造物を有する2個のプローブアームが形成された本発明のプローブの一実施形態を概略的に図示する。方形波状幾何学的構造の1周期より大きい周期を有する実施形態並びに異なる周期を有する方形波状幾何学的構造も考えられる。これらの全てが本発明の一部と見做される。
【0050】
図7は、各々が、開口を形成した2個の長方形部分を含む構造物を有する2個のプローブアームが形成された本発明のプローブの一実施形態を概略的に図示する。1個だけの長方形を有する実施形態並びに2個より多い長方形を有する実施形態も考えられ、これら両方は本発明の一部と見做される。
【0051】
図8は、各々が、正弦波幾何学的構造を含む構造物を有する4個のプローブアームが形成された本発明のプローブの一実施形態を概略的に図示する。正弦波幾何学的構造が異なる周期を有する実施形態は、本発明の一部と見做される。
【0052】
上記の幾何学的構造を有するプローブを使用する時、プローブと試験試料の間の接触は静的に維持され、プローブの寿命は大幅に伸びる。同じ効果は、同様の幾何学的構造によって達成される。
【0053】
本発明の更に別の実施形態において、本発明の他の実施形態と同じ効果を達成するために、プローブをばね等で吊下げてもよい。
【0054】
摩擦力Fの一般近似は、静摩擦係数μと垂直力Nの積によって与えられる。
=μN (I)
【0055】
理想的には、横方向力Fはゼロであるべきだが、これは実際上不可能である。よって、静的接触を得るために、摩擦力は、表面平面内に作用する横方向力よりも大きくなければならない。
>F (II)
【0056】
片持ばり先端に作用する横方向力Fは、小さな運動に対して垂直力に比例すると推測される。
【0057】
本発明の片持ばり設計の一実施形態は、図9に図示するような高い縦横比のL字状片持ばりである。
【0058】
図9は、長方形断面の2個の真直はりを有するL字状片持ばりの略図である。2個のはりは90度の角度で交差する。座標フレーム(x’,y’,z’)は、片持ばり基準フレームとして規定される。
【0059】
図9の片持ばりは、片持ばり基準フレーム(0,0,0)と同じ原点を有する表面基準フレーム(x,y,z)内の試料に対して規定される。
【0060】
片持ばりは、第1長さLを有する第1部分と第2長さLを有する第2部分を含む。更に、第1部分は第1幅wを有し、第2部分は第2幅wを有する。第1部分と第2部分は、大略等しい高さhを有する。
【0061】
図10と図11は、表面基準フレーム内のL字状片持ばりの略図である。図10は、片持ばりの概略正面図である。図11は、片持ばりの概略側面図である。図11において、片持ばりは、片持ばりサポートの側壁から延在するように図示されている。しかしながら、片持ばりは、支持部材の上面に配置されて、支持部材から自由に延在してもよい。
【0062】
片持ばり基準フレームにおいて、先端撓み

が、フックの法則によって印加力の関数として得られる。

【0063】
力を

方向に印加することは、

方向と

方向の撓みを生じる。
又、力を

方向に印加することは、

方向と

方向の撓みを生じる。
これは、等しいことを示し得る交差項CxyとCyxを生じる。力を

方向に印加することは、

方向の撓みのみを生じる。
【0064】

【0065】
はり基準フレーム内の片持ばり先端のばね定数

は、

に等しい。
【0066】

【0067】
表面基準フレーム内の片持ばり先端のばね定数は、回転により、見出される。

【0068】
回転行列は、図12と図13により見出される。
【0069】

【0070】
図12は、一時的基準フレームへのz’軸の回りの片持ばり基準フレームの回転を概略的に図示する。
【0071】
図13は、表面基準フレームへのy軸の回りの一時的基準フレームの回転を概略的に図示する。
【0072】
図16と図17は、θ=45°及び

と最小静摩擦係数=0.2を推測して、L字状片持ばりに対して、式(II)により数値計算した設計基準を図示する。図16と図17は、同一のものであるが異なる角度から見ている。
【0073】
図18乃至図20は、図16と図17のグラフによって規定される寸法で設計されたL字状片持ばりを有するマイクロ4点プローブのSEM(走査型電子顕微鏡)顕微鏡写真である。
【0074】
図14では、試験試料の表面部に接触する前の片持ばりが表され、図15では、試験試料の表面部に接触した後の片持ばりが表されている。結果としての撓みは、試料表面に対して垂直のみであり、よって、静的接触となる。接触点がサブミクロンサイズであるため、接触点における回転は小さな撓みに対して無視し得る。
【0075】
図14は、試験試料の表面に接触する前のL字状プローブの正面図を概略的に図示し、図15は、試験試料の表面に接触した後の図14のL字状プローブの正面図を概略的に図示する。
【0076】
本発明は、以下の点1〜10によって特徴付けられる。
【0077】
1.
試験試料の電気的性質を試験するプローブにおいて、
近位端及び反対の遠位端を画成するプローブアームを有する本体を備え、プローブアームが、プローブアームの近位端において本体から延在すると共に、第1軸心が、近位端と遠位端によって画定され、又、プローブアームが、第1軸心、第1軸心に垂直な第2軸心並びに第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ってプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成するプローブ。
【0078】
2.
プローブアームが、試験試料と電気的接触を図る接触プローブと、試験装置と電気的接触を図るパッドと、本体上又は本体内に配置されて、接触プローブとパッドの間の電気的接触を図る導電ストリップとを支持する支持構造物である上記の点1に記載のプローブ。
【0079】
3.
上記幾何学的構造が、半円形部品及び/又は正方形部品及び/又は長方形部品及び/又は三角形部品及び/又は上記のいずれかの組合せを含む上記の点1又は2に記載のプローブ。
【0080】
4.
上記幾何学的構造が、角度を形成するように接続された2個の大略直線状の部品を含む上記の点1又は2に記載のプローブ。
【0081】
5.
プローブアームが、第1軸心、第2軸心と第3軸心の方向に大略等しいばね定数を画定する上記の点1−4のいずれかに記載のプローブ。
【0082】
6.
本体が、複数のプローブアームを含む上記の点1−5のいずれかに記載のプローブ。
【0083】
7.
複数のプローブアームが、類似の幾何学的構造又は代わりとして、少なくとも2個の異なる幾何学的構造を画成する上記の点6に記載のプローブ。
【0084】
8.
使用時のプローブが、試験試料の表面の平面に突出する時に、大略等しいばね定数又は1:1と1:20の間の比を有するばね定数を画定する上記の点1−7のいずれかに記載のプローブ。
【0085】
9.
試験試料の電気的性質を試験する試験プローブにおいて、
試験試料と電気的接触を図る導電接点を含む本体を備え、試験プローブが試験試料の表面と静的接触を図るのを許容するように、本体が、ばね手段によって柔軟に吊下げられている試験プローブ。
【0086】
10.
上記の点1−8の特徴のいずれかを含む上記の点9に記載の試験プローブ。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】プローブ先端の図である。
【図2】プローブと試験試料の略図である。
【図3】座標系の略図である。
【図4】複数のプローブアームを有するプローブの図である。
【図5】2個のプローブアームを有するプローブの異なる略図である。
【図6】2個のプローブアームを有するプローブの異なる略図である。
【図7】2個のプローブアームを有するプローブの異なる略図である。
【図8】4個のプローブアームを有するプローブの略図である。
【図9】L字形プローブの略図である。
【図10】L字形プローブの概略正面図である。
【図11】図10のL字形プローブの概略側面図である。
【図12】座標系の略図である。
【図13】座標系の略図である。
【図14】試験試料の表面に接触する前のL字形プローブの概略正面図である。
【図15】試験試料の表面に接触した後の図14のL字形プローブの概略正面図である。
【図16】L字形片持ばりのための数値計算設計基準を示す。
【図17】L字形片持ばりのための数値計算設計基準を示す。
【図18】L字形片持ばりを有するマイクロ4点プローブの異なる倍率のSEM顕微鏡写真である。
【図19】L字形片持ばりを有するマイクロ4点プローブの異なる倍率のSEM顕微鏡写真である。
【図20】L字形片持ばりを有するマイクロ4点プローブの異なる倍率のSEM顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0088】
502 プローブ
504 本体
506 プローブアーム
508 試験試料
512 部分
514 部分
516 部分
518 軟質接触部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験試料の電気的性質を試験するプローブにおいて、
近位端及び反対の遠位端を画成するプローブアームを有する本体を備え、プローブアームが、プローブアームの近位端において本体から延在すると共に、第1軸心が、近位端と遠位端によって画定され、又、プローブアームが、第1軸心、第1軸心に垂直な第2軸心並びに第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ってプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成するプローブ。
【請求項2】
プローブアームが、試験試料と電気的接触を図る接触プローブと、試験装置と電気的接触を図るパッドと、本体上又は本体内に配置されて、接触プローブとパッドの間の電気的接触を図る導電ストリップとを支持する支持構造物である請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
上記幾何学的構造が、半円形部品及び/又は正方形部品及び/又は長方形部品及び/又は三角形部品及び/又は上記のいずれかの組合せを含む請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項4】
上記幾何学的構造が、角度を形成するように接続された2個の大略直線状の部品を含む請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項5】
上記角度が90度である請求項4に記載のプローブ。
【請求項6】
プローブアームが、第1軸心、第2軸心と第3軸心の方向に大略等しいばね定数を画定する請求項1乃至5のいずれかに記載のプローブ。
【請求項7】
本体が、複数のプローブアームを含む請求項1乃至6のいずれかに記載のプローブ。
【請求項8】
複数のプローブアームが、類似の幾何学的構造を画成する請求項7に記載のプローブ。
【請求項9】
複数のプローブアームが、少なくとも2個の異なる幾何学的構造を画成する請求項7に記載のプローブ。
【請求項10】
意図した位置にあるプローブが、試験試料の表面の平面に突出する時に、大略等しいばね定数又は1:1と1:20の間の比を有するばね定数を画定する請求項1乃至9のいずれかに記載のプローブ。
【請求項11】
複数のプローブアームの各々が、L字状幾何学的構造を画成する請求項1乃至10のいずれかに記載のプローブ。
【請求項12】
試験試料の電気的性質を試験するプローブにおいて、
第1平坦表面を画成する本体と、近位端及び反対の遠位端を有する第1部分を画成するプローブアームとを備え、プローブアームが、第1部分の近位端において本体から延在すると共に、第1軸心が、第1部分の近位端と遠位端によって画定され、又、プローブアームが、第1平坦表面と平行に延在し、更に、プローブアームが、第1軸心、第1軸心に垂直な第2軸心並びに第1軸心と第2軸心によって画定される平面に直角な第3軸心に沿ってプローブアームの柔軟な運動を許容する幾何学的構造を画成するプローブ。
【請求項13】
プローブアームが、第1平坦表面と共通平面関係で配置される請求項12に記載のプローブ。
【請求項14】
本体が、第1平坦表面に大略直角の第2平坦表面を画成する一方、プローブアームが、第2平坦表面から延在する請求項12に記載のプローブ。
【請求項15】
プローブアームが、L字状幾何学的構造を画成する請求項12乃至14のいずれかに記載のプローブ。
【請求項16】
試験試料の電気的性質を試験する試験プローブにおいて、
試験試料と電気的接触を図る導電接点を含む本体を備え、試験プローブが試験試料の表面と静的接触を図るのを許容するように、本体が、ばね手段によって柔軟に吊下げられている試験プローブ。
【請求項17】
請求項1乃至15の特徴のいずれかを含む請求項16に記載の試験プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−513986(P2009−513986A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538257(P2008−538257)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000603
【国際公開番号】WO2007/051471
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504262203)カプレス・アクティーゼルスカブ (9)
【氏名又は名称原語表記】CAPRES A/S
【Fターム(参考)】