説明

詰め替え容器

【課題】詰め替え作業を効率良く行うこと。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2を備え、容器本体2には、容器本体2の内部と外部とを連通する注出口および空気導入孔が、互いに独立して形成され、容器本体2における注出口の開口周縁部5aには、注出口を閉塞する第1蓋体14が、破断可能な第1弱化部15を介して連設され、容器本体2における空気導入孔の開口周縁部8aには、空気導入孔を閉塞する第2蓋体16が、破断可能な第2弱化部17を介して連設され、第1蓋体14と第2蓋体16とは、連結体18を介して連結されている詰め替え容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の詰め替え容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容される容器本体を備える構成が知られている。この容器本体には、容器本体の内部と外部とを連通する注出口が形成されており、この注出口には、注出口を閉塞する蓋体が弱化部を介して連設されている。
この容器本体では、弱化部を破断し蓋体を容器本体から離脱させて注出口を開放した後、容器本体内の内容物を注出口から注出し、内容物の詰め替え先である本容器に注入することで、内容物の詰め替えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−67705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の詰め替え容器には、詰め替え作業の作業効率に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、詰め替え作業を効率良く行うことができる詰め替え容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る詰め替え容器は、内容物が収容される容器本体を備え、前記容器本体には、前記容器本体の内部と外部とを連通する注出口および空気導入孔が、互いに独立して形成され、前記容器本体における前記注出口の開口周縁部には、前記注出口を閉塞する第1蓋体が、破断可能な第1弱化部を介して連設され、前記容器本体における前記空気導入孔の開口周縁部には、前記空気導入孔を閉塞する第2蓋体が、破断可能な第2弱化部を介して連設され、前記第1蓋体と前記第2蓋体とは、連結体を介して連結されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、内容物の詰め替えを行う際に、まず第1蓋体、第2蓋体およびこれらの蓋体を連結する連結体のうちの少なくとも1つに、容器本体から引き離す力を加えると、この力が、第1蓋体、第2蓋体および連結体の全体に伝達される。これにより、第1弱化部および第2弱化部が破断され、第1蓋体および第2蓋体が容器本体から一体的に離脱させられて注出口および空気導入孔が開放される。その後、注出口が空気導入孔よりも下側に位置するように容器本体を傾けると、外気が空気導入孔から容器本体内に導入されながら、内容物が注出口から注出される。
【0008】
このように、内容物の注出時に、容器本体内に外気を導入しながら内容物を注出することができるので、内容物を効率良く注出することができる。
また、第1蓋体および第2蓋体を容器本体から一体的に離脱させることができるので、これらの蓋体を各別に離脱させる場合に比べて、効率良く離脱させることができる。
以上より、詰め替え作業を効率良く行うことができる。
【0009】
また、注出口および空気導入孔が、互いに独立して形成されているので、容器本体内に導入される外気の流路面積、および容器本体内から注出される内容物の流路面積をそれぞれ安定して確保し易くすることが可能になり、内容物を円滑に注出することができる。
【0010】
また、前記容器本体は、有底筒状の胴部と、胴部の上端開口部に連設された肩部と、肩部に立設された口部と、を備え、前記注出口は、前記口部の上端開口部とされ、前記空気導入孔は、前記肩部に形成されていても良い。
【0011】
この場合、注出口が、口部の上端開口部とされ、かつ空気導入孔が、肩部に形成されているので、注出口と空気導入孔とが互いに離れて配置されることとなる。これにより、内容物を注出するために、注出口が空気導入孔よりも下側に位置するように傾けるときに、空気導入孔から内容物が注出されるのを抑制することができる。
また注出口が、口部の上端開口部とされているので、内容物の詰め替えを行う際に、この詰め替え容器から内容物を詰め替える本容器の注入口に口部を位置決めすることで、注入口に対して注出口を容易に位置決めすることができる。これにより、内容物の詰め替え時に内容物が零れるのを抑制することができる。
【0012】
また、前記連結体は、破断可能な第3弱化部を介して前記容器本体に連設され、前記第1弱化部と前記第2弱化部とは、前記第3弱化部を介して連結されていても良い。
【0013】
この場合、第1弱化部と第2弱化部とが第3弱化部を介して連結されているので、これらの弱化部を連続して破断することが可能になり、第1蓋体および第2蓋体を容器本体から円滑に離脱させることができる。これにより、この詰め替え容器の開封作業時に、注出口や空気導入孔から容器本体内の内容物が零れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る詰め替え容器によれば、詰め替え作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る詰め替え容器の側面図である。
【図2】図1に示す詰め替え容器の開封状態における上面図である。
【図3】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図4】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図5】図1に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る詰め替え容器の側面図である。
【図7】図6に示す詰め替え容器の開封状態における上面図である。
【図8】図6に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図9】図6に示す詰め替え容器を用いた詰め替え作業を説明する図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る詰め替え容器の側面図である。
【図11】図10に示すA−A断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る詰め替え容器を説明する。
図1に示すように、詰め替え容器1は、内容物が収容される容器本体2を備えている。この容器本体2は、有底筒状の胴部3と、胴部3の上端開口部に連設された肩部4と、肩部4に立設された筒状の口部5と、を備えている。
【0017】
なお本実施形態では、胴部3、肩部4および口部5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿った口部5側を上側といい、胴部3側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0018】
図2に示すように、容器本体2には、容器本体2の内部と外部とを連通する注出口6および空気導入孔7が、互いに独立して形成されている。注出口6および空気導入孔7は、互いに近接して配置されるとともに、同一方向(図示の例では上方)に向けて開口している。そして注出口6は、口部5の上端開口部とされるとともに、空気導入孔7は、肩部4に形成されている。本実施形態では、肩部4には、上方に向けて膨出する台座部8が形成されており、空気導入孔7は、台座部8を容器軸O方向に貫通するように配設されている。空気導入孔7の上面視形状は、径方向に長い長方形状となっている。
なお以下では、径方向のうち、台座部8が口部5から離間している方向を径方向一方側L1といい、この径方向一方側L1の反対側の方向を径方向他方側L2という。
【0019】
口部5には、径方向一方側L1に向けて張り出す張出部9が形成されている。図1に示すように、張出部9は、口部5の容器軸O方向の全長にわたって延在しており、張出部9の下端部は、台座部8に径方向他方側L2から連結されている。
また口部5には、径方向他方側L2に向けて固定板部10が突設されている。固定板部10の表裏面は、容器軸O方向および径方向の双方向に延在しており、固定板部10の側面視形状は、容器軸O方向に長い長方形状となっている。また固定板部10の上端縁は、口部5の上端部に径方向他方側L2から連結されている。
【0020】
固定板部10の径方向他方側L2の先端部には、この詰め替え容器1内の内容物が注入される本容器30(図5参照)の注入口31の開口周縁部32に係合可能な凹欠き部11が形成されている。凹欠き部11は、径方向他方側L2に向けて開口するとともに、固定板部10の上端縁よりも下方に配設されており、凹欠き部11の側面視形状は、矩形状となっている。
【0021】
また、固定板部10の表裏面それぞれには、容器軸O方向に延在する第1縦リブ12が、径方向に間隔をあけて複数配設されている。
また、口部5の外周面において固定板部10と張出部9との間に位置する部分には、容器軸O方向に延びる第2縦リブ13が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。第2縦リブ13は、口部5の剛性向上および滑り止めなどの効果を発揮する。
【0022】
また、口部5の上端縁(容器本体における注出口の開口周縁部)5aには、注出口6を閉塞する第1蓋体14が、破断可能な第1弱化部15を介して連設されている。さらに、台座部8の上端縁(容器本体における空気導入孔の開口周縁部)8aには、空気導入孔7を閉塞する第2蓋体16が、破断可能な第2弱化部17を介して連設されている。
【0023】
そして、第1蓋体14と第2蓋体16とは、連結体18を介して連結されている。
連結体18は、容器軸O方向に延在しており、連結体18の上端部は、径方向一方側L1から第1蓋体14に連結されるとともに、連結体18の下端部は、径方向他方側L2から第2蓋体16に連結されている。
【0024】
また連結体18は、破断可能な第3弱化部19を介して容器本体2に連設されている。そして、第1弱化部15と第2弱化部17とは、第3弱化部19を介して連結されている。本実施形態では、連結体18は、口部5の張出部9に第3弱化部19を介して連設され、第3弱化部19の上端部は、第1弱化部15に連結されるとともに、第3弱化部19の下端部は、第2弱化部17に連結されている。
【0025】
図示の例では、第1弱化部15および第2弱化部17の側面視形状は、径方向に沿って延びる直線状となっている。また、第3弱化部19の上端部の側面視形状は、上方から下方に向かうに従い漸次、径方向一方側L1に向かうように湾曲するとともに、径方向一方側L1に向けて突出する凸曲線状となっている。また、第3弱化部19の下端部の側面視形状は、上方から下方に向かうに従い径方向一方側L1に向かうように湾曲するとともに、径方向他方側L2に向けて突出する凸曲線状となっている。
【0026】
また図示の例では、口部5の上端部は、第1弱化部15から下方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該上端部の外面は傾斜面となっている。また、台座部8の上端部は、第2弱化部17から下方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該上端部の外面は傾斜面とされている。さらに、張出部9において径方向一方側L1に位置する部分は、第3弱化部19から径方向他方側L2に離れるに従い漸次、拡幅しており、該部分の外面は傾斜面とされている。これらの傾斜面は、段差無く滑らかに連なっている。
【0027】
さらに図示の例では、第1蓋体14の下端部は、第1弱化部15から上方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該下端部の外面は傾斜面となっている。また、第2蓋体16の下端部は、第2弱化部17から上方に離れるに従い漸次、外径が大きくなっており、該下端部の外面は傾斜面とされている。さらに、連結体18において径方向他方側L2に位置する部分は、第3弱化部19から径方向一方側L1に離れるに従い漸次、拡幅しており、該部分の外面は傾斜面とされている。これらの傾斜面は、段差無く滑らかに連なっている。
【0028】
また第1蓋体14には、上方に向けて摘み片20が突設されている。摘み片20は、径方向他方側L2に向けて斜め上方に突設されている。摘み片20の径方向他方側L2の下端部は、第1蓋体14の下端部に径方向他方側L2から連結されている。また摘み片20には、この摘み片20を貫通する指掛け孔21が形成されている。
以上のように構成された詰め替え容器1は、例えばブロー成形等により全体が一体に形成されている。
【0029】
次に前記詰め替え容器1を用いて、内容物の詰め替えを行う方法の一例について説明する。
まず図3に示すように、一方の手の指で固定板部10を摘むとともに、他方の手の指を摘み片20の指掛け孔21に掛けた後、前記他方の手の指を、径方向一方側L1に向けて引く。すると、第1蓋体14のうちの径方向他方側L2に位置する部分に、第1蓋体14を口部5から引き離す力が摘み片20を介して加えられ、第1弱化部15が破断される。その後、この力が、第1蓋体14を介して連結体18に加えられることで第3弱化部19が破断され、さらに、第1蓋体14および連結体18を介して第2蓋体16に前記力が加えられることで第2弱化部17が破断される。これにより、図4に示すように、第1蓋体14、連結体18および第2蓋体16の全体が容器本体2から一体的に離脱されることとなり、注出口6および空気導入孔7が開放される。なおこのとき、第1弱化部15、第3弱化部19および第2弱化部17は、この順に連続して破断される。
【0030】
その後、図5に示すように、本容器30の注入口31の開口周縁部32に凹欠き部11を係合させるとともに、容器本体2を径方向他方側L2に傾けると、外気が空気導入孔7から容器本体2内に導入されながら、内容物が注出口6から注出される。このとき、詰め替え容器1の前記凹欠き部11と、本容器30の前記開口周縁部32と、の接触部分を起点として本容器30に対する容器本体2の傾斜を漸次大きくしたり、前記凹欠き部11と前記開口周縁部32との係合を解除して本容器30の注入口31内に容器本体2の口部5を挿入した状態で、容器本体2を倒立姿勢にしたりすることなどによって詰め替えが行われる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る詰め替え容器1によれば、内容物の注出時に、容器本体2内に外気を導入しながら内容物を注出することができるので、内容物を効率良く注出することができる。
また、第1蓋体14および第2蓋体16を容器本体2から一体的に離脱させることができるので、これらの蓋体14、16を各別に離脱させる場合に比べて、効率良く離脱させることができる。
以上より、詰め替え作業を効率良く行うことができる。
【0032】
また、注出口6および空気導入孔7が、互いに独立して形成されているので、容器本体2内に導入される外気の流路面積、および容器本体2内から注出される内容物の流路面積をそれぞれ安定して確保し易くすることが可能になり、内容物を円滑に注出することができる。
【0033】
また注出口6が、口部5の上端開口部とされ、かつ空気導入孔7が、肩部4に形成されているので、注出口6と空気導入孔7とが互いに離れて配置されることとなる。これにより、内容物を注出するために容器本体2を径方向他方側L2に傾けるときに、空気導入孔7から内容物が注出されるのを抑制することができる。
【0034】
また注出口6が、口部5の上端開口部とされているので、内容物の詰め替えを行う際に、本容器30の注入口31に口部5を位置決めすることで、注入口31に対して注出口6を容易に位置決めすることができる。これにより、内容物の詰め替え時に内容物が零れるのを抑制することができる。
さらに本実施形態では、固定板部10に凹欠き部11が形成されているので、本容器30の注入口31の開口周縁部32に凹欠き部11を係合させることで、容器本体2の注出口6を本容器30の注入口31に安定して位置決めすることができる。これにより、内容物の詰め替え時に内容物が零れるのをより抑制することができる。
また、固定板部10が中実の板部材となっているため、容器本体2を本容器30に対して傾斜させていっても、固定板部10の変形が起こり難く、詰め替え操作を安定して行うことができる。
【0035】
また、第1弱化部15と第2弱化部17とが第3弱化部19を介して連結されているので、これらの弱化部15、17、19を連続して破断することが可能になり、第1蓋体14および第2蓋体16を容器本体2から円滑に離脱させることができる。
さらに、固定板部10の表裏面それぞれに、第1縦リブ12が径方向に間隔をあけて複数配設されているので、例えば固定板部10を指等で摘むときに、指が滑りにくく固定板部10を強く摘むことが可能になり、第1蓋体14および第2蓋体16を容器本体2からより円滑に離脱させることができる。
以上のように、第1蓋体14および第2蓋体16を容器本体2から円滑に離脱させることができるので、この詰め替え容器1の開封作業時に、注出口6や空気導入孔7から容器本体2内の内容物が零れるのを抑制することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る詰め替え容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0037】
図6および図7に示すように、本実施形態の詰め替え容器40では、連結体41が口部5と非連結とされるとともに、第1弱化部15と第2弱化部17とが非連結とされ、口部5と連結体41との間には、容器軸O方向の全長にわたって隙間42があいている。図6に示すように、連結体41の下端部は、第2蓋体16の下端部のうちの径方向他方側L2に位置する部分から、第2蓋体16の上面にわたって第2蓋体16に連結されている。また連結体41の上端部は、摘み片20の径方向一方側L1の下端部に連結されており、摘み片20の表裏面と連結体41の表裏面とは互いに面一となっている。
【0038】
次に、以上のように構成された詰め替え容器40を用いて内容物の詰め替えを行う際に、注出口6および空気導入孔7を開放する方法の一例について説明する。
まず図8に示すように、一方の手の指で固定板部10を摘むとともに、他方の手の指を摘み片20の指掛け孔21に掛けた後、前記他方の手の指を、径方向一方側L1に向けて引く。すると、第1蓋体14のうちの径方向他方側L2に位置する部分に、第1蓋体14を口部5から引き離す力が摘み片20を介して加えられ、第1弱化部15が破断され、注出口6が開放される。
【0039】
その後、図9に示すように、さらに前記他方の手の指を引き続けると、第2蓋体16のうちの径方向他方側L2に位置する部分に、第2蓋体16を台座部8から引き離す力が摘み片20および連結体41を介して加えられ、第2弱化部17が破断され、空気導入孔7が開放される。
以上により、第1蓋体14および第2蓋体16が容器本体2から一体的に離脱させられる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る詰め替え容器40によれば、前記第1実施形態の詰め替え容器1と同様の作用効果を奏することができる。
また、第1弱化部15と第2弱化部17とが非連結とされているので、第1弱化部15と第2弱化部17とが間欠的に破断され、注出口6と空気導入孔7とを段階的に開封することができるため、開封状態を破断の感触によって正確に把握できるとともに、比較的小さな力での開封操作が可能となる。
なお本実施形態では、連結体41の上端部が摘み片20の径方向一方側L1の端部に連結されているものとしたが、連結されていなくても良い。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る詰め替え容器を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0042】
図10および図11に示すように、本実施形態の詰め替え容器50では、容器本体2内には、空気導入孔7に連通する導入路51が配設されている。図示の例では、容器本体2の胴部3の上側部分内は、前記導入路51と、注出口6に連通する注出空間52と、に区画されている。これらの導入路51および注出空間52は、容器本体2の肩部4に下方に向けて延設された区画部53によって区画されている。
【0043】
図10に示すように、区画部53は、容器本体2の肩部4において注出口6と空気導入孔7との間に位置する部分から、容器本体2の側面視形状における外周縁のうちの径方向一方側L1に位置する部分に沿って、下方に向けて延在している。なお図11に示すように、本実施形態では、区画部53は、容器本体2の内面同士が固着されることで形成されている。
【0044】
以上のように構成された詰め替え容器50を用いて内容物の詰め替えを行う際に、注出口6および空気導入孔7を開放した後、容器本体2を径方向他方側L2に傾けると、前述のように外気が空気導入孔7から容器本体2内に導入されながら、内容物が注出口6から注出される。このとき、空気導入孔7から容器本体2内に導入された外気は、導入路51を通して容器本体2の胴部3の底壁部側に向かい、容器本体2内の内容物は、注出空間52および口部5内を通して注出口6から注出される。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る詰め替え容器50によれば、前記第2実施形態の詰め替え容器40と同様の作用効果を奏することができる。
また、容器本体2内に前記導入路51が配設されているので、容器本体2を径方向他方側L2に傾けたときに、空気導入孔7から容器本体2内の内容物が注出されるのを抑制することができる。
【0046】
なお本実施形態では、区画部53は、容器本体2の内面同士が固着されることで形成されているものとしたが、これに代えて、区画部として、容器本体2内に区画壁部を配設しても良い。
さらに本実施形態では、前記第2実施形態の詰め替え容器40の容器本体2内に導入路51を配設した構成としたが、前記第1実施形態の詰め替え容器1の容器本体2内に導入路を配設した構成としても良い。
【0047】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記各実施形態では、摘み片20が、第1蓋体14に設けられているものとしたが、これに限られるものではなく、連結体18や第2蓋体16に設けられていても良い。さらに、摘み片20には指掛け孔21が形成されているものとしたが、指掛け孔21は無くても良い。さらに、摘み片20は無くても良い。
【0048】
また前記各実施形態では、固定板部10には第1縦リブ12が配設されているものとしたが、第1縦リブ12は無くても良い。さらに前記各実施形態では、凹欠き部11の側面視形状が矩形状となっているものとしたが、これに限られるものではない。さらにまた、凹欠き部11は無くても良く、固定板部10が無くても良い。
また前記各実施形態では、口部5には第2縦リブ13が設けられているものとしたが、第2縦リブ13は無くても良い。
【0049】
また前記各実施形態では、空気導入孔7は、台座部8に形成されているものとしたが、これに限られるものではなく、台座部8はなくても良い。
また前記各実施形態では、容器本体2は口部5を備えているものとしたが、口部5は無くても良く、例えば、容器本体2の肩部4に注出口6および空気導入孔7が形成されていても良い。
【0050】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1、40、50 詰め替え容器
2 容器本体
3 胴部
4 肩部
5 口部
5a 口部の上端縁(容器本体における注出口の開口周縁部)
6 注出口
7 空気導入孔
8a 台座部の上端縁(容器本体における空気導入孔の開口周縁部)
14 第1蓋体
15 第1弱化部
16 第2蓋体
17 第2弱化部
18、41 連結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体を備え、
前記容器本体には、前記容器本体の内部と外部とを連通する注出口および空気導入孔が、互いに独立して形成され、
前記容器本体における前記注出口の開口周縁部には、前記注出口を閉塞する第1蓋体が、破断可能な第1弱化部を介して連設され、
前記容器本体における前記空気導入孔の開口周縁部には、前記空気導入孔を閉塞する第2蓋体が、破断可能な第2弱化部を介して連設され、
前記第1蓋体と前記第2蓋体とは、連結体を介して連結されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項2】
請求項1記載の詰め替え容器であって、
前記容器本体は、有底筒状の胴部と、胴部の上端開口部に連設された肩部と、肩部に立設された口部と、を備え、
前記注出口は、前記口部の上端開口部とされ、
前記空気導入孔は、前記肩部に形成されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の詰め替え容器であって、
前記連結体は、破断可能な第3弱化部を介して前記容器本体に連設され、
前記第1弱化部と前記第2弱化部とは、前記第3弱化部を介して連結されていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−230822(P2011−230822A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105185(P2010−105185)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】