説明

認知症患者観察システム

【課題】医師が認知症患者の日常生活状況や排便状態の状態を把握することができる認知症患者観察システムを提供する。
【解決手段】認知症患者観察システムを形成する第1携帯端末13は、患者データおよび日常生活データの入力エリアを表示する入力表示手段と、入力された患者データおよび日常生活データを記憶するデータ第1記憶手段と、入力された患者データおよび日常生活データを第2携帯端末14,15に送信するデータ送信手段とを実行する。認知症患者観察システムを形成する第2携帯端末14,15は、患者データおよび日常生活データを受信するデータ受信手段と、受信した患者データおよび日常生活データを記憶するデータ第2記憶手段とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークを利用して認知症患者の療養状況を観察する認知症患者観察システムに関する。
【背景技術】
【0002】
寝たきりの病人や老人の体調に関するデータを測定可能な測定器と、電波受信機が取り付けられて測定器からの電波を受信可能な電話機と、電話回線を介して電話機に接続された携帯電話機とから形成された遠隔モニターシステムがある(特許文献1参照)。測定器は、リストバンドに組み込まれ、病人や老人の体温および脈拍を測定する。携帯端末装置は、看護人が所持する。遠隔モニターシステムでは、測定器が測定した病人や老人の体温および脈拍が電波受信機に送信され、体温や脈拍が電話回線を介して看護人の携帯電話機に送信される。この遠隔モニターシステムは、看護人が携帯電話機を介して寝たきりの病人や老人の体温および脈拍を監視することができ、病人や老人の体温または脈拍が突然変化したとしても、その事態に即座に対処することができる。
【特許文献1】特開2002−17691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公報に開示の遠隔モニターシステムは、病人や老人の体温および脈拍を常時監視することはできるが、病人や老人の日常生活に関するデータや排便に関するデータを収集することはできず、病人や老人の長期的な体調の変化を把握することが難しい。このシステムは、症状の時系列的な進行状況や治癒状況を判断することができないから、病人や老人の長期的な治療方針を決定することができない。
【0004】
本発明の目的は、医師が認知症患者の日常生活状況や排便状態を把握することができ、患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を把握することができる認知症患者観察システムを提供することにある。本発明の他の目的は、認知症の医薬品を製造する製薬会社の製薬の参考資料を提供することができる認知症患者観察システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、無線通信ネットワークを利用して認知症患者の療養状況を観察する認知症患者観察システムである。
【0006】
前記前提における本発明の特徴は、認知症観察システムが、認知症患者の世話を担当するヘルパーが所持する第1携帯端末と、第1携帯端末と無線通信可能であって、認知症患者を診断する医師と認知症の医薬品を製造する製薬会社の担当者との少なくとも一方が所持する第2携帯端末とから形成され、第1携帯端末が、認知症患者に関する患者データの入力エリアを表示部に表示する患者データ入力表示手段と、認知症患者の日常生活データの入力エリアを表示部に表示する日常生活データ入力表示手段と、入力された患者データを記憶部に記憶する患者データ第1記憶手段と、入力された日常生活データを患者データに関連付けて記憶部に記憶する日常生活データ第1記憶手段と、入力された患者データを第2携帯端末に送信する患者データ送信手段と、入力された日常生活データを第2携帯端末に送信する日常生活データ送信手段とを有し、第2携帯端末が、第1携帯端末から送信された患者データを受信する患者データ受信手段と、第1携帯端末から送信された日常生活データを受信する日常生活データ受信手段と、受信した患者データを記憶部に記憶する患者データ第2記憶手段と、受信した日常生活データを患者データに関連付けて記憶部に記憶する日常生活データ第2記憶手段とを有することにある。
【0007】
本発明の一例としては、第1携帯端末が、認知症患者の排便データの入力エリアを表示部に表示する排便データ入力表示手段と、入力された排便データを患者データに関連付けて記憶部に記憶する排便データ第1記憶手段と、入力された排便データを第2携帯端末に送信する排便データ送信手段とを有し、第2携帯端末が、第1携帯端末から送信された排便データを受信する排便データ受信手段と、受信した排便データを患者データに関連付けて記憶部に記憶する排便データ第2記憶手段とを有する。
【0008】
本発明の他の一例としては、第1携帯端末と第2携帯端末とのうちの少なくとも一方が、記憶した患者データを過去に遡って表示部に表示する過去分患者データ表示手段と、記憶した日常生活データを過去に遡って表示部に表示する過去分日常生活データ表示手段と、記憶した排便データを過去に遡って表示部に表示する過去分排便データ表示手段とを有する。
【0009】
本発明の他の一例としては、第1携帯端末と第2携帯端末とが、記憶した日常生活データをその記憶時から所定期間経過後に記憶部から消去する日常生活データ消去手段と、記憶した排便データをその記憶時から所定期間経過後に記憶部から消去する排便データ消去手段とを有する。
【0010】
本発明の他の一例としては、第2携帯端末が、第1携帯端末に記憶された過去から現在までの日常生活データを該第1携帯端末から強制的に閲覧する日常生活データ強制閲覧手段と、第1携帯端末に記憶された過去から現在までの排便データを該第1携帯端末から強制的に閲覧する排便データ強制閲覧手段とを有する。
【0011】
本発明の他の一例としては、第2携帯端末が、第1携帯端末に記憶された過去から現在までの日常生活データを該第1携帯端末に強制的に転送させる日常生活データ強制転送手段と、第1携帯端末に記憶された過去から現在までの排便データを該第1携帯端末に強制的に転送させる排便データ強制転送手段とを有する。
【0012】
本発明の他の一例としては、患者データが、認知症患者の氏名、認知症患者を特定するID番号(患者識別番号)、医師によって認定された患者の症状の軽重、患者の連絡先郵便番号、患者の連絡先住所、患者の連絡先電話番号、患者データの格納日付である。
【0013】
本発明の他の一例としては、日常生活データが、起床時間,就寝時間,朝食の有無,朝食時間,昼食の有無,昼食時間,夕食の有無,夕食時間,進み具合,食前血圧,食後血圧,投与薬剤の種類,薬剤投与の時間,体温,体温測定時間,健康状態である。
【0014】
本発明の他の一例としては、排便データが、排便時間,排便量,排便硬さ,排便色である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る認知症患者観察システムによれば、ヘルパーが認知症患者に関する日常生活データを第1携帯端末に入力し、患者の日常生活データが第1携帯端末から第2携帯端末に送信されるから、患者の日常生活状況を調書や診断書等の書面に記載する手間を省くことができ、ヘルパーの負担を大幅に軽減させることができる。観察システムは、医師が第2携帯端末を介して認知症患者の日常生活データを参照することで、患者の日常生活状況を把握することができ、それによって患者の現在の容体を判断しつつ、患者の介護方針をヘルパーにリアルタイムに伝えることができる。観察システムは、医師が認知症患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を把握することができ、医師が日常生活データに基づいて患者の長期的な治療方針を決定することができる。この観察システムは、製薬会社の担当者が第2携帯端末を介して認知症患者の日常生活状況を把握、分析することができ、日常生活データを認知症のあらたな医薬品開発の参考にすることができるから、製薬会社に認知症のあらたな医薬品開発の有益な資料を提供することができる。
【0016】
入力された排便データを第1携帯端末が第2携帯端末に送信する認知症患者観察システムは、患者の排便状態を調書や診断書等の書面に記載する手間を省くことができ、ヘルパーの負担を大幅に軽減させることができる。観察システムは、医師が第2携帯端末を介して認知症患者の排便データを参照することで、患者の排便状態を把握することができ、それによって患者の現在の容体を判断しつつ、患者の介護方針をヘルパーにリアルタイムに伝えることができる。観察システムは、医師が認知症患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を把握することができ、医師が排便データに基づいて患者の長期的な治療方針を決定することができる。この観察システムは、製薬会社の担当者が第2携帯端末を介して認知症患者の排便状態を把握、分析することができ、排便データを認知症のあらたな医薬品開発の参考にすることができるから、製薬会社に認知症のあらたな医薬品開発の有益な資料を提供することができる。
【0017】
第1携帯端末と第2携帯端末との少なくとも一方がその記憶部に記憶した患者データや日常生活データ、排便データを過去に遡って表示部に表示する認知症患者観察システムは、医師が過去のいずれかの時点におけるそれらデータを再び確認することができ、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。観察システムは、ヘルパーが過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者の今後の介護方針を容易に決定することができる。この観察システムは、製薬会社の担当者が過去のデータと現在のデータとを比較分析することで、認知症のあらたな医薬品開発の参考にすることができるから、製薬会社に認知症のあらたな医薬品開発の有益な資料を提供することができる。
【0018】
第1携帯端末と第2携帯端末とが、日常生活データや排便データをその記憶時から所定期間経過後に消去する認知症患者観察システムは、第1および第2携帯端末における記憶部の記憶容量を確保することができ、記憶部の記憶容量のオーバーフローを防ぐことができる。この観察システムは、それら携帯端末の記憶部の記憶容量がオーバーフローすることはなく、第1および第2携帯端末に認知症患者の各種データを確実に保持させることができる。
【0019】
過去から現在までの日常生活データや排便データを第1携帯端末から強制的に閲覧することができる認知症患者観察システムは、医師が第2携帯端末によって認知症患者の日常生活データや排便データを何時でも閲覧することができるから、第1携帯端末から患者の日常生活データや排便データが送信されなくても、医師が患者の日常生活状況や排便状態を把握することができる。観察システムは、医師が第2携帯端末によって認知症患者の過去の日常生活データや排便データを何時でも閲覧することができるから、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。この観察システムは、製薬会社の担当者が第2携帯端末によって認知症患者の過去から現在までの日常生活データや排便データを何時でも閲覧することができるから、製薬会社に認知症のあらたな医薬品開発の有益な資料を何時でも提供することができる。
【0020】
第2携帯端末が過去から現在までの日常生活データや排便データを第1携帯端末に強制的に転送させる認知症患者観察システムは、医師が認知症患者の日常生活データや排便データを第1携帯端末から第2携帯端末に何時でも転送させることができるから、第1携帯端末から患者の日常生活データや排便データが送信されなくても、医師が患者の日常生活状況や排便状態を把握することができる。観察システムは、医師が認知症患者の過去の日常生活データや排便データを第1携帯端末から第2携帯端末に何時でも転送させることができるから、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。この観察システムは、製薬会社の担当者が認知症患者の過去から現在までの日常生活データや排便データを第1携帯端末から第2携帯端末に何時でも転送させることができるから、製薬会社に認知症のあらたな医薬品開発の有益な資料を何時でも提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
添付の図面を参照し、本発明に係る認知症患者観察システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、一例として示す観察システム10の概略構成図である。観察システム10は、それを利用することで、医師に認知症患者18の日常生活状況や排便状態を正確に把握させ、それによって患者18の最適な治療方針を決定させるとともに、患者18の最適な介護方針を介護者や保護者、付添人(以下、ヘルパーという)に指示させる。さらに、製薬会社に認知症患者18の日常生活状況や排便状態を正確に把握させ、認知症に関する医薬品開発の際の有効な参考資料とさせる。また、この観察システム10は、無線通信ネットワークを利用することで、認知症患者18の現在位置を特定するとともに、患者18の時系列的な移動経路を推定し、ヘルパーによる患者18の適切かつ確実な保護を実現する。
【0022】
認知症患者観察システム10は、無線通信可能なエンドデバイス11と、無線通信可能な複数のアクセスポイント12と、複数のPHS携帯端末(Personal Handyphone System)13,14,15とから形成されている。PHS携帯端末13(第1携帯端末)は、ヘルパーが所持し、PHS携帯端末14,15(第2携帯端末)は、医師や製薬会社の担当者が所持する。医師が所属する医療機関、製薬会社には、PHS携帯端末14,15から各種データを送受信可能な管理コンピュータ16,17が設置されている。管理コンピュータ16,17には、キーボードやスキャナ、マウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイス(有線または無線)を介して接続されている。この観察システム10では、エンドデバイス11が各アクセスポイント12に各種データを含む電波を発信し、エンドデバイス11から発信された電波を受信した各アクセスポイント12が各種データや受信電力(電波強度)をPHS携帯端末13に送信する。また、PHS携帯端末13から携帯端末14,15に認知症患者に関する各種データが送信される。なお、図1にはエンドデバイス11が1つだけ図示されているが、実際には複数のデバイス11が存在し、それらデバイス11が各アクセスポイント12に電波を発信する。
【0023】
この観察システム10における無線通信ネットワークには、近距離無線通信規格である無線LANジグビー(ZigBee)(登録商標)が利用されている。無線LANジグビーは、通信コストが安価で消費電力が少ない近距離無線通信規格であり、物理層にIEEEが使用され、2.4GHz帯の周波数帯域を16のチャネルに分割して利用する。無線LANジグビーでは、データの転送(電波の送受信)に指向性がなく、データ転送速度が最大で250kbpsであり、データ転送距離が1〜100mである。無線LANジグビーは、相互に接続するマルチホッピング機能により、64000個の機器を接続することができ、すべてを無線でコントロール可能な無線通信ネットワークを構築することができる。
【0024】
図2,3は、エンドデバイス11の平面図と、図2のA−A線端面図とである。図4,5は、図2のB−B線端面図と、一例として示すジグビーチップ20の概略構成図とである。図6は、認知症患者18を背面から示す図である。図6では、エンドデバイス11が認知症患者18の背中に貼付されている。エンドデバイス11は、円形のシート19と、シート19に固着されたジグビーチップ20(無線通信チップ)とから形成されている。シート19は、粘着剤21が塗布された粘着面22と、粘着面22の反対側の非粘着面23とを有する。シート19には、粘着剤21が塗布されていない摘み部分24が形成されている。粘着面22は、それと同形同大の剥離紙25に被覆保護されている。各エンドデバイス11には、それを特定するためのID番号(エンドデバイス識別番号)が設定されている。なお、シート19の平面形状を図示の円形に限定するものではなく、四角形や多角形、楕円形等の他のあらゆる形状を採用することができる。エンドデバイス11は、その面積が50〜350mm、その重量が5〜30gである。
【0025】
シート19には、プラスチックフィルムや繊維不織布を使用することができる。剥離紙25には、片面に剥離剤が塗布されたプラスチックフィルムや繊維不織布を使用することができる。フィルムには、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム等を使用することができる。不織布には、スパンボンド、スパンレース、メルトブローン、ニードルパンチ、ステッチボンド、ケミカルボンド、サーマルボンド等を使用することができる。フィルムや不織布には、伸縮性を有するそれらを使用することもできる。粘着剤には、ゴム系、アクリル系、シリコン系のいずれかを使用することができる。
【0026】
ジグビーチップ20は、無線LANジグビーを利用することで無線通信可能かつ各種データを記憶可能である。ジグビーチップ20は、図5に示すように、IC26と、IC26にインターフェイス27を介して接続されたバッテリー28(電池)とから形成されている。IC26は、メモリ29とマイクロプロセッサ30とを備え、記憶機能や近距離無線通信機能等を有する。IC26とバッテリー30とは、ハウジング31の内部に収納されている。ジグビーチップ20は、粘着剤21によってシート19の粘着面22に固着されている。
【0027】
ジグビーチップ20のマイクロプロセッサ30は、メモリ29に記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリ29からアプリケーションプログラムを起動し、起動したプログラムに従って、PHS携帯端末13から認知症患者18に関する患者データを受信する患者データ受信手段、受信した患者データをメモリ30に記憶する患者データ記憶手段を実行する。また、メモリ29に記憶した患者データを各アクセスポイント12に送信する患者データ送信手段を実行する。患者データには、認知症患者の氏名,認知症患者を特定するID番号(患者識別番号),医師によって認定された患者の症状の軽重,患者の連絡先郵便番号,患者の連絡先住所,患者の連絡先電話番号,ヘルパーの氏名,患者データの格納日付または変更日付がある。
【0028】
認知症患者18にエンドデバイス11を貼付する手順は、指でシート19の摘み部分24を摘持し、粘着面22を被覆する剥離紙25を剥がして粘着剤21を露出させた後、粘着面22を患者18の所定の部位に押し付ける。図5では、エンドデバイス11が患者18の背中に貼付されているが、背中に限らず患者18の他の部位に貼り付けることもできる。また、エンドデバイス11が患者18の服の外側は貼付されているが、患者18の肌に直接貼り付けることもできる。エンドデバイス11を患者18の肌に直接貼り付ける場合は、シート19(フィルムや不織布)が伸縮性を有することが好ましい。シート19が伸縮性を有することで、シート19が患者18の動きに追従することができ、シート19が患者18の肌から剥がれることはなく、エンドデバイス11の患者18からの脱落を確実に防ぐことができる。なお、エンドデバイス11を患者18に貼付するときには、ジグビーチップ20のメモリ29に患者データが既に記憶されている。
【0029】
図7は、一例として示すジグビーアダプタ34の概略構成図である。アクセスポイント12は、所定の区域内に分散して配置される。アクセスポイント12には、それを特定するID番号(ポイント識別番号)が設定されている。アクセスポイント12は、ハウジング32と、ハウジング32に取り付けられたアンテナ33と、ハウジング32の内部に収容された送受信装置(図示せず)とから形成されている。アクセスポイント12には、ジグビーアダプタ34が着脱可能に接続されている。ジグビーアダプタ34は、ジグビーチップ35と、コネクタ36と、アダプタ34の外形を画成するハウジング37とから形成されている。それらアクセスポイント12は、ジグビーアダプタ34を介してエンドデバイス11のジグビーチップ20と無線通信可能であり、送受信装置を介してヘルパーが所持するPHS携帯端末13と無線通信可能である。各アクセスポイント12の送受信装置は、その使用周波数帯域が1.9GHz、送信出力が10mW、通信速度が64KB/sである。
【0030】
アダプタ34を形成するジグビーチップ35は、無線LANジグビーを利用することで無線通信可能かつ所定のデータを記憶可能である。ジグビーチップ35は、IC38と、IC38にインターフェイス39を介して接続されたバッテリー40(電池)とから形成されている。IC38は、メモリ41とマイクロプロセッサ42とを備え、記憶機能や近距離無線通信機能等を有する。IC38とバッテリー40とは、ハウジング37の内部に収納されている。コネクタ36は、ハウジング37の端部からハウジング37の外側に露出している。アクセスポイント12にアダプタ34を接続するには、アクセスポイント12の接続端子(図示せず)にコネクタ36を挿し込む。なお、それらジグビーチップ20,35は、その構成部品としてIC26,38を使用しているが、IC26,38の他に、ゲートアレイやフィールドプログラマブルゲートアレイ、専用ハードウェアのうちのいずれかを使用することもできる。
【0031】
ジグビーチップ35のマイクロプロセッサ42は、メモリ41に記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリ41からアプリケーションプログラムを起動し、起動したプログラムに従って、患者データとエンドデバイス11のID番号とをデバイス11から無線通信によって受信するデータ受信手段、受信した患者データやID番号をアクセスポイント12に転送するデータ転送手段を実行する。マイクロプロセッサ42は、患者データやID番号をアクセスポイント12に転送した後、患者データやID番号のPHS携帯端末13への送信をアクセスポイント12に指示するデータ送信指示手段を実行する。
【0032】
PHS携帯端末13,14,15は、CPU(中央処理装置)と大容量ハードディスク(メモリ)(記憶部)とを備えたコンピュータであり、通信機能の他に、演算機能や記憶機能等を有する。PHS携帯端末13,14,15は、その使用周波数帯域が1.9GHz、送信出力が10mW、通信速度が64KB/sである。それらPHS携帯端末13,14,15は、PHS通信方式に基づいて他のPHS携帯端末と通信可能である。ヘルパーが所持するPHS携帯端末13は、PHS通信方式に基づいてアセスポイント12と無線通信可能である。PHS携帯端末13には、ジグビーチップが内蔵されている(図示せず)。なお、携帯端末13に内蔵されたジグビーチップは図2のエンドデバイス11のそれと同一であるから、その説明は省略する。PHS携帯端末13のジグビーチップとエンドデバイス11のジグビーチップ20とは、無線LANジグビーを利用することで互いに無線通信可能である。
【0033】
無線LANジグビーを利用するこの観察システム10では、エンドデバイス11と各アクセスポイント12との間の通信距離を1〜100mの範囲で設定可能である。エンドデバイス11のジグビーチップ20と各アクセスポイント12のジグビーアダプタ34との間の通信速度、エンドデバイス11のジグビーチップ20とPHS携帯端末13のジグビーチップとの間の通信速度は、20〜250KB/sであり、エンドデバイス11のジグビーチップ20と各アクセスポイント12のジグビーアダプタ34との通信時における利用周波数帯域、エンドデバイス11のジグビーチップ20とPHS携帯端末13のジグビーチップとの通信時の利用周波数帯域は、2.4GHzである。また、エンドデバイス11のジグビーチップ20と各アクセスポイント12のジグビーアダプタ34との通信時における消費電力、エンドデバイス11のジグビーチップ20とPHS携帯端末13のジグビーチップとの通信時における消費電力は、60mW以下である。
【0034】
ヘルパーが所持するPHS携帯端末13のCPUは、メモリに記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションプログラムを起動し、プログラムに従って以下の各手段を実行する。なお、PHS携帯端末13のメモリには、患者18が徘徊する区域の地図座標(図14参照)、各アクセスポイント12を特定するID番号(ポイント識別番号)、各アクセスポイント12の地図座標上の位置(図14参照)、受信電力の減衰曲線(図15参照)があらかじめ記憶されている。
【0035】
PHS携帯端末13のCPUは、アクセスポイント12に受信された認知症患者18の患者データや電波の受信電力をそのアクセスポイント12から無線通信によって受信するデータ受信手段を実行する。CPUは、認知症患者18に関する患者データの入力エリアをディスプレイ43(表示部)に表示する患者データ入力表示手段、患者18の日常生活状況に関する日常生活データの入力エリアをディスプレイ43に表示する日常生活データ入力表示手段、患者18の排便状態に関する排便データの入力エリアをディスプレイ43に表示する排便データ入力表示手段を実行する。
【0036】
PHS携帯端末13のCPUは、ヘルパーが患者データ入力エリアに患者データを入力した後、入力された患者データをメモリに記憶する患者データ記憶手段(患者データ第1記憶手段)、ヘルパーが日常生活データ入力エリアに日常生活データを入力した後、入力された日常生活データを患者データに関連付けてメモリに記憶する日常生活データ記憶手段(日常生活データ第1記憶手段)、ヘルパーが排便データ入力エリアに排便データを入力した後、入力された排便データを患者データに関連付けてメモリに記憶する排便データ記憶手段(排便データ第1記憶手段)を実行する。日常生活データには、起床時間,就寝時間,朝食の有無,朝食時間,昼食の有無,昼食時間,夕食の有無,夕食時間,食の進み具合,食前血圧,食後血圧,投与薬剤の種類,薬剤投与の時間,体温,体温測定時間,健康状態がある。排便データには、排便時間,排便量,排便硬さ,排便色がある。
【0037】
PHS携帯端末13のCPUは、各アクセスポイント12から受信したエンドデバイス11の受信電力に基づいてエンドデバイス11と各アクセスポイント12との距離を算出し、算出した距離からエンドデバイス11の位置を測定することで、認知症患者18の位置を特定する位置特定手段を実行する。CPUは、位置特定手段を介して特定したエンドデバイス11の位置を時系列につなげることで、患者18の時系列的な移動経路を推定する移動経路推定手段を実行する。CPUは、移動経路推定手段を介して推定した現在の移動経路を移動経路記憶手段を介して記憶した過去の移動経路と比較する移動経路比較手段、過去の移動経路に対する現在の移動経路の距離差を算出する距離差算出手段を実行する。
【0038】
PHS携帯端末13のCPUは、位置特定手段を介して特定した認知症患者18の時系列的な位置データを患者データに関連付けてメモリに記憶する位置データ記憶手段、移動経路推定手段を介して推定した患者18の移動経路データを患者データに関連付けてメモリに記憶する移動経路データ記憶手段を実行する。CPUは、移動経路比較手段を介して比較した移動経路比較データを患者データに関連付けてメモリに記憶する比較データ記憶手段、距離差算出手段を介して算出した距離差データを患者データに関連付けてメモリに記憶する距離差データ記憶手段を実行する。
【0039】
PHS携帯端末13のCPUは、患者データをジグビーチップを介してエンドデバイス11に送信し、患者データを医師や製薬会社の担当者が所持するPHS携帯端末14,15に送信する患者データ送信手段、日常生活データをPHS携帯端末14,15に送信する日常生活データ送信手段、排便データをPHS携帯端末14,15に送信する排便データ送信手段を実行する。CPUは、患者18の位置データをPHS携帯端末14,15に送信する位置データ送信手段、移動経路データをPHS携帯端末14,15に送信する移動経路データ送信手段を実行する。CPUは、移動経路比較データをPHS携帯端末14,15に送信する比較データ送信手段、距離差データをPHS携帯端末14,15に送信する距離差データ送信手段を実行する。
【0040】
PHS携帯端末13のCPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における患者データをディスプレイ43に表示する過去分患者データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における日常生活データをディスプレイ43に表示する過去分日常生活データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における排便データをディスプレイ43に表示する過去分排便データ表示手段を実行する。CPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における認知症患者18の位置データをディスプレイ43に表示する過去分位置データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における患者18の移動経路データをディスプレイ43に表示する過去分移動経路データ表示手段を実行する。CPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における移動経路比較データをディスプレイ43に表示する過去分比較データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における距離差データをディスプレイ43に表示する過去分距離差データ表示手段を実行する。
【0041】
PHS携帯端末13のCPUは、記憶した日常生活データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する日常生活データ消去手段、記憶した排便データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する排便データ消去手段を実行する。CPUは、記憶した位置データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する位置データ消去手段、記憶した移動経路データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する移動経路データ消去手段を実行する。CPUは、記憶した比較データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する比較データ消去手段、記憶した距離差データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する距離差データ消去手段を実行する。
【0042】
医師や製薬会社の担当者が所持するPHS携帯端末14,15のCPUは、メモリに記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションプログラムを起動し、プログラムに従って以下の各手段を実行する。CPUは、PHS携帯端末13から送信された患者データを受信する患者データ受信手段、PHS携帯端末13から送信された日常生活データを受信する日常生活データ受信手段、PHS携帯端末13から送信された排便データを受信する排便データ受信手段を実行する。CPUは、PHS携帯端末13から送信された位置データを受信する位置データ受信手段、PHS携帯端末13から送信された移動経路データを受信する移動経路データ受信手段を実行する。CPUは、PHS携帯端末13から送信された移動経路比較データを受信する比較データ受信手段、PHS携帯端末13から送信された距離差データを受信する距離差データ受信手段を実行する。
【0043】
PHS携帯端末14,15のCPUは、受信した患者データをメモリに記憶する患者データ記憶手段(患者データ第2記憶手段)、受信した日常生活データを患者データに関連付けてメモリに記憶する日常生活データ記憶手段(日常生活データ第2記憶手段)、受信した排便データを患者データに関連付けてメモリに記憶する排便データ記憶手段(排便データ第2記憶手段)を実行する。CPUは、受信した患者18の位置データを患者データに関連付けてメモリに記憶する位置データ記憶手段、受信した移動経路データを患者データに関連付けてメモリに記憶する移動経路データ記憶手段を実行する。CPUは、受信した移動経路比較データを患者データに関連付けてメモリに記憶する比較データ記憶手段、受信した距離差さデータを患者データに関連付けてメモリに記憶する距離差データ記憶手段を実行する。
【0044】
PHS携帯端末14,15のCPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における患者データをディスプレイ43に表示する過去分患者データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における日常生活データをディスプレイ43に表示する過去分日常生活データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における排便データをディスプレイ43に表示する過去分排便データ表示手段を実行する。CPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における認知症患者18の位置データをディスプレイ43に表示する過去分位置データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における患者18の移動経路データをディスプレイ43に表示する過去分移動経路データ表示手段を実行する。CPUは、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における移動経路の比較データをディスプレイ43に表示する過去分比較データ表示手段、メモリに記憶された現在から過去のいずれかの時点における距離差データをディスプレイ43に表示する過去分距離差データ表示手段を実行する。
【0045】
PHS携帯端末14,15のCPUは、記憶した日常生活データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する日常生活データ消去手段、記憶した排便データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する排便データ消去手段を実行する。CPUは、記憶した患者18の位置データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する位置データ消去手段、記憶した移動経路データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する移動経路データ消去手段を実行する。CPUは、記憶した移動経路比較データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する比較データ消去手段、記憶した距離差データをその記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する距離差データ消去手段を実行する。
【0046】
PHS携帯端末14,15のCPUは、ヘルパーが所持するPHS携帯端末13に記憶された過去から現在までの患者データや日常生活データ,排便データ,患者18の位置データ,移動経路データ,移動経路の比較データ、移動経路の距離差データを強制的に閲覧する強制閲覧手段を実行し、PHS携帯端末13が特定した患者18の現在の位置データを強制的に閲覧する強制閲覧手段を実行する。CPUは、PHS携帯端末13に記憶された過去から現在までの患者データや日常生活データ,排便データ,患者18の位置データ,移動経路データ,移動経路の比較データ、移動経路の距離差データを携帯端末13から強制的に転送させる強制転送手段を実行し、PHS携帯端末13が特定した患者18の現在の位置データを強制的に転送させる強制転送手段を実行する。
【0047】
したがって、医師や製薬会社の担当者は、それらが所持するPHS携帯端末14,15を介し、ヘルパーが所持するPHS携帯端末13に記憶された患者データや日常生活データ,排便データ,患者18の移動経路,移動経路の比較、移動経路の距離差を何時でも閲覧することができ、PHS携帯端末13が特定した患者18の現在位置を何時でも閲覧することができる。さらに、患者データや日常生活データ,排便データ,患者18の移動経路,移動経路の比較、移動経路の距離差をPHS携帯端末13から何時でも強制的に転送させることができ、患者18の現在位置をPHS携帯端末13から何時でも強制的に転送させることができる。なお、PHS携帯端末14,15は、管理コンピュータ16,17へ各種データを送信可能、かつ、管理コンピュータ16,17から各種データを受信可能である。
【0048】
図8は、PHS携帯端末13のディスプレイ43に表示された患者データ入力画面の一例を示す図であり、図9〜図12は、PHS携帯端末13のディスプレイ43に表示された日常生活データ入力画面の一例を示す図である。ヘルパーがPHS携帯端末13の所定のボタンを押すと、患者データ入力画面の表示の有無(する,しない)、日常生活データ入力画面の表示の有無(する,しない)、排便データ入力画面の表示の有無(する,しない)、過去のデータの検索の有無(する,しない)、それらデータを変更する場合の変更がPHS携帯端末13のディスプレイ43に表示される(図示せず)。
【0049】
PHS携帯端末14,15に患者データを送信する場合やエンドデバイス11のジグビーチップ20に患者データを入力する場合、ヘルパーは、患者データ入力画面の表示の有(する)のボタンを選択する。ヘルパーが患者データ入力画面の表示有(する)を押すと、PHS携帯端末13のディスプレイ43には、図8に示すように、患者データ入力画面が表示され(患者データ入力表示手段)、患者データを入力する各入力エリアが表示される。それら入力エリアには、認知症患者18の氏名の入力エリア,ふりがな入力エリア,郵便番号入力エリア,住所入力エリア,電話番号入力エリア,症状の軽重の入力エリア,ヘルパー氏名入力エリアがある。症状の軽重は重,中,軽に区分され、医師によってあらかじめ認定された区分を入力する。重を入力するには携帯端末13の数字番号(1)を押し、中を入力するには携帯端末13の数字番号(2)を押す。軽を入力するには携帯端末13の数字番号(3)を押す。
【0050】
ヘルパーがそれら患者データ入力エリアに各項目を入力すると、ディスプレイ43に各患者データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。確認画面に誤りがある場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された再入力を押し、患者データ入力エリアに再度各項目を入力する。確認画面に誤りがない場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された正常を押す。次に、ヘルパーは、患者データの格納の有無(する,しない)を選択する。格納有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。格納有(する)が選択されると、PHS携帯端末13のCUPは、その認知症患者18に対応するID番号(患者識別番号)を生成し、格納日付(年月日)および格納時間(時分)とともにそれら患者データとID番号とをメモリに記憶する(患者データ記憶手段)(患者データ第1記憶手段)。
【0051】
格納無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。格納無(しない)を選択すると、患者データのメモリへの格納は行われず、ディスプレイ43に患者データ入力画面が再び表示されるとともに、データ入力の有無(する,しない)が表示される(図示せず)。患者データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面(図示せず)が表示される。
【0052】
患者データを変更する場合は、ディスプレイ43の変更を押した後、患者データ入力画面の表示の有(する)を押す。ディスプレイ43には、認知症患者18のID番号の入力エリアが表示される。ヘルパーがID番号を入力すると、ディスプレイ43には、その患者18の患者データが表示される。ヘルパーは、携帯端末13を介してディスプレイ43に表示された患者データを変更する。患者データが変更されると、変更された各患者データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。その後の手順は初期の患者データ入力手順と同一であるから、その説明は省略する。PHS携帯端末13のCUPは、変更日付(年月日)および変更時間(時分)とともに患者18のID番号を含む変更された患者データをメモリに記憶する。
【0053】
ヘルパーは、患者データの格納処理を行った後、患者データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、PHS携帯端末13の近傍にエンドデバイス11を置き、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者18のID番号を含む患者データがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信されるとともに、患者18のID番号を含む患者データがPHS携帯端末13のジグビーチップからエンドデバイス11のジグビーチップ20に送信される(患者データ送信手段)。
【0054】
PHS携帯端末14,15は、PHS携帯端末13から患者データを受信し(患者データ受信手段)、受信した日付(年月日)および時間(時分)とともに患者データをメモリに記憶する(患者データ記憶手段)。携帯端末14,15では、患者データに含まれる患者18のID番号によって、患者データと患者18との関連付けを行う。なお、変更された患者データがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信されると、携帯端末14,15は、メモリに記憶した患者データを変更されたそれに書き替える。
【0055】
エンドデバイス11のジグビーチップ20は、PHS携帯端末13のジグビーチップから患者データを受信する(患者データ受信手段)。エンドデバイス11のジグビーチップ20は、受信した日付(年月日)および時間(時分)とともに患者データをメモリ29に記憶し、デバイス11を特定するID番号と患者18を特定するID番号とを互いに関連付けた状態でそれらID番号をメモリ29に記憶する(患者データ記憶手段)(患者データ第2記憶手段)。エンドデバイス11では、患者データに含まれる患者18のID番号によって、患者データと患者18とが関連付けられ、デバイス11のID番号と患者18のID番号とによって、デバイス11と患者データとが関連付けられる。
【0056】
送信無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。送信無(しない)が選択されると、患者データの送信は行われず、ディスプレイ43に患者データ入力画面が再び表示されるとともに、データ入力の有無(する,しない)が表示される。患者データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面が表示される。
【0057】
PHS携帯端末13に日常生活データを入力する場合、ヘルパーは、日常生活データ入力画面の表示の有(する)のボタンを選択する。ヘルパーが日常生活データ入力画面の表示有(する)を押すと、患者18を特定するID番号の入力エリアと朝,昼,夕の各選択エリアとが表示される(図示せず)。ID番号の入力エリアに患者18のID番号を入力し、朝,昼,夕のいずれかを選択すると、PHS携帯端末13のディスプレイ43には、図9〜図11に示すように、朝,昼,夕に対応した日常生活データ入力画面が表示される(日常生活データ入力表示手段)。ディスプレイ43には、日付(年月日)と患者氏名とが表示されるとともに、日常生活データを入力する各入力エリアが表示される。それら入力エリアには、起床時間入力エリア,就寝時間入力エリア,朝食有無入力エリア,昼食有無入力エリア,夕食有無入力エリア,朝食時間入力エリア,昼食時間入力エリア,夕食時間入力エリア,食の進み具合入力エリア,食前血圧入力エリア,食後血圧入力エリア,投与薬剤の種類入力エリア,薬剤投与の時間入力エリア,体温入力エリア,体温測定時間入力エリア,健康状態入力エリアがある。
【0058】
日常生活データ入力において朝食や昼食、夕食の有を選択する場合は、ディスプレイ43の有を押すか、または、携帯端末の数字番号(1)を押す。朝食や昼食、夕食の無を選択する場合は、ディスプレイ43の無を押すか、または、携帯端末の数字番号(2)を押す。食事の進み具合は、ディスプレイ43の優,良,可,不可を押すか、または、携帯端末の数字番号(1),(2),(3),(4)を押す。投与薬剤の種類の特定は、ディスプレイ43のA,B,C,D,Eを押すか、または、携帯端末の数字番号(1),(2),(3),(4),(5)を押す。ここで、A,B,C,D,Eは、薬剤の種類を示すものとする。健康状態の特定は、ディスプレイ43の優,良,可,不可を押すか、または、携帯端末の数字番号(1),(2),(3),(4)を押す。
【0059】
ヘルパーは、それら日常生活データ入力エリアに各項目を入力した後、日常生活データの格納の有無(する,しない)を選択する。格納有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。格納有(する)が選択されると、ディスプレイ43に日常生活データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。確認画面に誤りがある場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された再入力を押し、日常生活データ入力エリアに再度各項目を入力する。確認画面に誤りがない場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された格納を押す。PHS携帯端末13のCUPは、格納日付(年月日)および格納時間(時分)とともに入力されたそれら日常生活データをメモリに記憶する(日常生活データ記憶手段)(日常生活データ第1記憶手段)。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、日常生活データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0060】
格納無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。格納無(しない)を選択すると、日常生活データのメモリへの格納は行われず、ディスプレイ43に日常生活データ入力画面が再び表示されるとともに、データ入力の有無(する,しない)が表示される(図示せず)。日常生活データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面が表示される。
【0061】
ヘルパーは、日常生活データの格納処理を行った後、日常生活データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者のID番号とそれら日常生活データとがPHS携帯端末13から医師や製薬会社の担当者が所持するPHS携帯端末14,15に送信される(日常生活データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から日常生活データとID番号とを受信し(日常生活データ受信手段)、受信した日付(年月日)および時間(時分)とともに日常生活データとID番号とをメモリに記憶する(日常生活データ記憶手段)(日常生活データ第2記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、日常生活データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0062】
送信無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。送信無(しない)が選択されると、ID番号やそれら日常生活データの送信は行われず、ディスプレイ43に日常生活データ入力画面が再び表示されるとともに、データ入力の有無(する,しない)が表示される。日常生活データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力の無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面が表示される。
【0063】
日常生活データを変更する場合は、ディスプレイ43の変更を押した後、日常生活データ入力画面の表示の有(する)を押す。ディスプレイ43には、認知症患者のID番号の入力エリア、日付(年月日)の入力エリアが表示される。ヘルパーがID番号と日付とを入力すると、ディスプレイ43には、指定した日付におけるその患者の日常生活データが表示される。ヘルパーは、携帯端末13を介してディスプレイ43に表示された日常生活データを変更する。日常生活データが変更されると、変更された各日常生活データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。その後の手順は通常の日常生活データ入力手順と同一であるから、その説明は省略する。PHS携帯端末13のCUPは、変更日付(年月日)および変更時間(時分)とともに変更された日常生活データとID番号とをメモリに記憶する。なお、変更された日常生活データがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信されると、携帯端末14,15は、メモリに記憶した日常生活データを変更されたそれに書き替える。
【0064】
PHS携帯端末13に排便データを入力する場合、ヘルパーは、排便データ入力画面の表示の有(する)のボタンを選択する。ヘルパーが排便データ入力画面の表示有(する)を押すと、患者18を特定するID番号の入力エリアが表示される(図示せず)。ID番号の入力エリアに患者18のID番号を入力すると、PHS携帯端末13のディスプレイ43には、図12に示すように、排便データ入力画面が表示される(排便データ入力表示手段)。ディスプレイ43には、日付(年月日)と患者氏名とが表示されるとともに、排便データを入力する各入力エリアが表示される。それら入力エリアには、排便時間入力エリア,排便量入力エリア,排便硬さ入力エリア,排便色入力エリアがある。排便データ入力において排便の量は、ディスプレイ43の多,中,少を押すか、または、携帯端末の数字番号(1),(2),(3)を押す。排便の硬さは、ディスプレイ43の硬,中,軟,水様を押すか、または、携帯端末の数字番号(1),(2),(3),(4)を押す。
【0065】
ヘルパーは、それら排便データ入力エリアに各項目を入力した後、排便データの格納の有無(する,しない)を選択する。格納有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。格納有(する)が選択されると、ディスプレイ43に排便データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。確認画面に誤りがある場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された再入力を押し、排便データ入力エリアに再度各項目を入力する。確認画面に誤りがない場合、ヘルパーは、ディスプレイ43に表示された格納を押す。PHS携帯端末13のCUPは、格納日付(年月日)および格納時間(時分)とともに入力されたそれら排便データをメモリに記憶する(排便データ記憶手段)(排便データ第1記憶手段)。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、排便データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0066】
格納無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。格納(しない)を選択すると、排便データのメモリへの格納は行われず、ディスプレイ43に排便データ入力画面が再び表示されるとともに、入力の有無(する,しない)が表示される(図示せず)。排便データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面が表示される。
【0067】
ヘルパーは、排便データの格納処理を行った後、排便データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者のID番号とそれら排便データとがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信される(排便データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から排便データとID番号とを受信し(排便データ受信手段)、受信した日付(年月日)および時間(時分)とともに排便データとID番号とをメモリに記憶する(排便データ記憶手段)(排便データ第2記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、排便データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0068】
送信無(しない)を選択する場合は、ディスプレイ43の(しない)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(2)を押す。送信無(しない)が選択されると、それら排便データの送信は行われず、ディスプレイ43に排便データ入力画面が再び表示されるとともに、データ入力の有無(する,しない)が表示される。排便データの入力を中止する場合は、入力の無(しない)を選択する。入力無(しない)を選択すると、携帯端末13のディスプレイ43に初期状態画面が表示される。
【0069】
排便データを変更する場合は、ディスプレイ43の変更を押した後、排便データ入力画面の表示の有(する)を押す。ディスプレイ43には、認知症患者18のID番号の入力エリア、日付(年月日)の入力エリアが表示される。ヘルパーがID番号と日付とを入力すると、ディスプレイ43には、指定した日付におけるその患者18の排便データが表示される。ヘルパーは、携帯端末13を介してディスプレイ43に表示された排便データを変更する。排便データが変更されると、変更された各排便データを表示した確認画面が表示される(図示せず)。その後の手順は通常の排便データ入力手順と同一であるから、その説明は省略する。PHS携帯端末13のCUPは、変更日付(年月日)および変更時間(時分)とともに変更された排便データとID番号とをメモリに記憶する。なお、変更された排便データがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信されると、携帯端末14,15は、メモリに記憶した排便データを変更されたそれに書き替える。
【0070】
図13は、PHS携帯端末13,14,15のメモリ(記憶部)に記憶された過去から現在までのいずれかの時点における患者データ、日常生活データ、排便データを検索する検索画面の一例を示す図である。PHS携帯端末13,14,15からそれらデータを検索する場合、ヘルパーや医師、製薬会社の担当者は、データの検索の有(する)を選択する。検索有(する)を押すと、患者18を特定するID番号の入力エリアが表示される(図示せず)。ID番号の入力エリアに患者18のID番号を入力すると、PHS携帯端末13,14,15のディスプレイ43(表示部)には、図13に示すように、その患者18に関するデータの検索画面が表示される。ディスプレイ43には、日付(年月日)入力エリアと患者氏名とが表示されるとともに、各データの選択エリアが表示される。過去の患者データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の患者データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(1)を押す。患者データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における患者データが表示される(過去分患者データ表示手段)(図示せず)。
【0071】
携帯端末13,14,15において過去から現在までのいずれかの時点における日常生活データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の日常生活データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(2)を押し、さらに、朝,昼,夕のいずれかを押す。日常生活データを選択するとともに朝,昼,夕のいずれかを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における朝,昼,夕のいずれかの日常生活データが表示される(過去分日常生活データ表示手段)(図示せず)。携帯端末13,14,15において過去から現在までのいずれかの時点における排便データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の排便データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(3)を押す。排便データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における排便データが表示される(過去分排便データ表示手段)(図示せず)。
【0072】
ヘルパーは、認知症患者18の日常生活データや排便データをPHS携帯端末13に毎日入力し、それらデータを医師や製薬会社の担当者が所持するPHS携帯端末14,15に送信する。それらデータを受信した医師や製薬会社の担当者は、それらデータを管理コンピュータ16,17に転送し、コンピュータ16,17においてそれらデータを管理する。この観察システム10は、ヘルパーが認知症患者18に関する日常生活データや排便データをPHS携帯端末13に入力し、患者18のそれらデータが携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信されるから、患者18の日常生活状況や排便状態を調書や診断書等の書面に記載する手間を省くことができ、ヘルパーの負担を大幅に軽減させることができる。また、認知症患者18の日常生活データや排便データがPHS携帯端末14に送信されるから、医師が患者18の日常生活状況や排便状態をヘルパーに問い合わせる手間を省くことができる。
【0073】
観察システム10は、医師がPHS携帯端末14を介して認知症患者18の日常生活データや排便データを参照することで、患者18の日常生活状況や排便状態を把握することができるから、日常生活状況や排便状態から患者18の現在の容体を判断しつつ、患者18に対する適切な処置や介護方針をヘルパーにリアルタイムに伝えることができ、患者18に与える薬の種類をリアルタイムに伝えることができる。観察システム10は、医師が認知症患者18の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を把握することができ、医師が日常生活データや排便データに基づいて患者18の長期的な治療方針を決定することができる。この観察システム10は、製薬会社の担当者がPHS携帯端末15を介して認知症患者18の日常生活状況や排便状態を把握、分析することができ、日常生活データや排便データを認知症のあらたな薬品開発の参考にすることができるから、製薬会社に認知症のあらたな薬品開発の有益な資料を提供することができる。
【0074】
観察システム19は、PHS携帯端末14がメモリに記憶した患者データや日常生活データ、排便データを過去に遡ってディスプレイに表示するから、医師が過去のいずれかの時点におけるそれらデータを再び確認することができ、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者18の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。観察システム10は、PHS携帯端末15がメモリに記憶した患者データや日常生活データ、排便データを過去に遡ってディスプレイに表示するから、製薬会社の担当者が過去のデータと現在のデータとを比較、分析することで、認知症のあらたな薬品開発の参考にすることができ、製薬会社に認知症のあらたな薬品開発の有益な資料を提供することができる。この観察システム10は、PHS携帯端末13がメモリに記憶した患者データや日常生活データ、排便データを過去に遡ってディスプレイに表示するから、ヘルパーが過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者18の今後の介護方針を容易に決定することができる。
【0075】
図14は、認知症患者18の徘徊の一例を示す図であり、図15は、一例として示す受信電力の減衰曲線図である。図16は、認知症患者18の位置特定の一例を説明する図であり、図17は、認知症患者18の位置特定の他の一例を説明する図である。患者18が徘徊する区域には、複数のアクセスポイント12が設置されている。それらアクセスポイント12は、少なくとも3つのそれらがエンドデバイス11からの電波を受信することができるようにその配置が設計されている。それらアクセスポイント12の電波受信距離は1〜100mの範囲で設定可能であり、建造物、電柱等の各障害物の間隔や道路の長さに応じて、それらアクセスポイント12の設置間隔が定められる。
【0076】
ヘルパーは、患者データを記憶したエンドデバイス11を患者18の身体に貼付する。エンドデバイス11からは、患者データとデバイス11のID番号とを含む電波が断続的(定期的)に発信される(患者データ送信手段)。電波を定期的に発信する場合の電波の発信間隔は、5秒〜5分の範囲で設定することができる。なお、エンドデバイス11は、電波を連続的に発信することもできる。この観察システム10では、ヘルパーがPHS携帯端末13の所定のボタンを押し、携帯端末13に患者18の位置特定を要求することで、徘徊する患者18の現在位置を知ることができる。
【0077】
エンドデバイス11を貼付された患者18が徘徊区域を徘徊すると、図14に示すように、エンドデバイス11のジグビーチップ20から電波が定期的に発信され、電波発信地点において電波が各アクセスポイント12に接続されたアダプタ34のジグビーチップ35に受信される(データ受信手段)。アダプタ34のジグビーチップ35は、エンドデバイス11から受信した患者データを含む電波をアクセスポイント12の送受信装置に転送した後(データ転送手段)、電波をPHS携帯端末13に送信させる指令をアクセスポイント12の送受信装置に出力する(データ送信指示手段)。アクセスポイント12の送受信装置は、エンドデバイス11から受信した電波とその電波の受信電力とをアンテナ33を介してPHS携帯端末13に送信する。アクセスポイント12から送信される電波には、患者データ、アクセスポイント12のID番号(ポイント識別番号)、エンドデバイス11のID番号(デバイス識別番号)が含まれる。PHS携帯端末13は、アクセスポイント12から送信された患者データ、アクセスポイント12のID番号、エンドデバイス11のID番号、電波の受信電力を受信する(データ受信手段)。
【0078】
PHS携帯端末13は、アクセスポイント12から受信したポイント12のID番号をメモリに記憶したポイント12のID番号に当て嵌め、電波を送信したポイント12を特定するとともに、そのポイント12の地図座標上の位置を特定する。また、アクセスポイント12から受信した患者18のID番号やエンドデバイス11のID番号をメモリに記憶した患者18のID番号やエンドデバイス11のID番号に当て嵌め、患者18とデバイス11とを特定する。さらに、アクセスポイント12から受信した患者データをメモリに記憶された患者データと比較し、それらデータが同一であることを判断することで、患者18の同一性を保障する。
【0079】
PHS携帯端末13は、アクセスポイント12から受信した電波の受信電力をメモリに記憶した減衰曲線に当て嵌め、各アクセスポイント12からエンドデバイス11までの距離を測定する。たとえば、図15,16に示すように、患者18がA地点に存在する場合、アクセスポイント12αとエンドデバイス11との距離Lα1は、受信電力Eα1から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められ、アクセスポイント12βとエンドデバイス11との距離Lβ1は、受信電力Eβ1から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められ、アクセスポイント12γとエンドデバイス11との距離Lγ1は、受信電力Eγ1から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められる。なお、PHS携帯端末13は、次式を用いて各アクセスポイント12からエンドデバイス11までの距離Lを求めることもできる。
【数1】

ここで、Sは減衰率,λは波長,Rは受信レベル,Eは受信電力,Gはエンドデバイス11の利得,Gはアクセスポイント12のアンテナ利得,Gはアクセスポイント12のアンプのゲインである。
【0080】
図16に基づいてPHS携帯端末113によって行われる患者18の位置特定の一例を説明すると、以下のとおりである。PHS携帯端末13は、少なくとも3つのアクセスポイント12がエンドデバイス11から電波を受信することでそれらポイント12の座標上の既知の位置を特定しつつ、各アクセスポイント12の座標上の位置とアクセスポイント12からエンドデバイス11までの距離を用いてデバイス11の座標上の位置を算出する。すなわち、アクセスポイント12αの座標上の位置(Xα,Yα)、アクセスポイント12βの座標上の位置(Xβ,Yβ)、アクセスポイント12γの座標上の位置(Xγ,Yγ)が既知であり、それらアクセスポイント12α,12β,12γの座標上の位置とそれらアクセスポイント12α,12β,12γからエンドデバイス11までの距離Lα1,Lβ1,Lγ1とから、A地点におけるエンドデバイス11の座標上の位置(X,Y)を算出する。PHS携帯端末13は、エンドデバイス11の座標上の位置(X,Y)を認知症患者18の位置として特定する(位置特定手段)。PHS携帯端末13のディスプレイ43には、区域の地図座標が表示されるとともに、A地点に存在する患者18の位置が表示される。
【0081】
患者がA地点からB地点に移動した場合、アクセスポイント12βとエンドデバイス11との距離Lβ2は、受信電力Eβ2から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められ、アクセスポイント12γとエンドデバイス11との距離Lγ2は、受信電力Eγ2から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められる。アクセスポイント12δとエンドデバイス11との距離Lδ2は、受信電力Eδ2から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められ、アクセスポイント12εとエンドデバイス11との距離Lε2は、受信電力Eε2から減衰曲線に向かって延びる線と減衰曲線との交点から求められる。アクセスポイント12βの座標上の位置(Xβ,Yβ)、アクセスポイント12γの座標上の位置(Xγ,Yγ)、アクセスポイント12δの座標上の位置(Xδ,Yδ)、アクセスポイント12εの座標上の位置(Xε,Yε)が既知であり、それらアクセスポイント12β,12γ,12δ,12εの座標上の位置とそれらアクセスポイント12β,12γ,12δ,12εからエンドデバイス11までの距離Lβ2,Lγ2,Lδ2,Lε2とから、B地点におけるエンドデバイス11の座標上の位置(X,Y)を算出する。PHS携帯端末13は、エンドデバイス11の座標上の位置(X,Y)を認知症患者18の位置として特定する(位置特定手段)。PHS携帯端末13のディスプレイ43には、区域の地図座標が表示されるとともに、B地点に存在する患者18の位置が表示される。PHS携帯端末13は、位置特定手段によって特定した患者18の位置データをメモリに時系列に記憶する(位置データ記憶手段)。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、位置データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0082】
ヘルパーは、位置データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者18のID番号と位置データとがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信される(位置データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から送信された患者18のID番号と位置データとを受信し(位置データ受信手段)、受信した位置データを患者18のID番号とともにメモリに記憶する(位置データ記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、位置データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0083】
図17に基づいてPHS携帯端末13によって行われる患者18の位置特定の他の一例を説明すると、以下のとおりである。PHS携帯端末13は、それらアクセスポイント12α,12β,12γからエンドデバイス11までの距離Lα1,Lβ1,Lγ1を求めた後、距離Lα1を半径とするとともにアクセスポイント12αを中心とする円αC1を画き、距離Lβ1を半径とするとともにアクセスポイント12βを中心とする円βC1を画き、距離Lγ1を半径とするとともにアクセスポイント12γを中心とする円γC1を画く。次に、PHS携帯端末13は、それら円αC1,βC1,γC1の円周どうしが交わる点を求め、円周どうしの交点をA地点におけるエンドデバイス11の位置とし、円周どうしの交点を認知症患者18の位置として特定する(位置特定手段)。PHS携帯端末13のディスプレイ43には、区域の地図座標が表示されるとともに、A地点に存在する患者18の位置が表示される。
【0084】
患者18がA地点からB地点に移動した場合、PHS携帯端末13は、それらアクセスポイント12β,12γ,12δ,12εからエンドデバイス11までの距離Lβ2,Lγ2,Lδ2,Lε2を求めた後、距離Lβ2を半径とするとともにアクセスポイント12βを中心とする円βC2を画き、距離Lγ2を半径とするとともにアクセスポイント12γを中心とする円γC2を画く。さらに、距離Lδ2を半径とするとともにアクセスポイント12δを中心とする円δC2を画き、距離Lε2を半径とするとともにアクセスポイント12εを中心とする円εC2を画く。次に、PHS携帯端末13は、それら円βC2,γC12,δC12,γC12の円周どうしが交わる点を求め、円周どうしの交点をB地点におけるエンドデバイス11の位置とし、円周どうしの交点を認知症患者18の位置として特定する(位置特定手段)。PHS携帯端末13のディスプレイ43には、区域の地図座標が表示されるとともに、B地点に存在する患者18の位置が表示される。PHS携帯端末13は、位置特定手段によって特定した患者18の位置データをメモリに時系列に記憶する(位置データ記憶手段)。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、位置データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0085】
ヘルパーは、位置データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者18のID番号と位置データとがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信される(位置データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から送信された患者18のID番号と位置データとを受信し(位置データ受信手段)、受信した位置データを患者18のID番号とともにメモリに記憶する(位置データ記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、位置データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。この位置特定では、円周どうしの交点からエンドデバイス11の位置を特定することができるから、各アクセスポイント12の座標上の位置がわからない場合でも、患者18の位置を特定することができる。また、エンドデバイス11から電波が連続的に発信されている場合、患者18の時系列的な位置変化を連続的に捕捉することができる。
【0086】
図18は、認知症患者18の移動経路の一例を示す図であり、図19は、患者18の徘徊の他の一例を示す図である。図20は、患者18の移動経路の他の一例を示す図であり、図21は、移動経路の距離差を示す図である。図18は、図14の徘徊における移動経路を示し、図20は、図19の徘徊における移動経路を示す。ヘルパーは、PHS携帯端末13の所定のボタンを押し、携帯端末13に患者18の移動経路を要求することで、徘徊する患者18の移動経路を知ることができる。
【0087】
PHS携帯端末13は、特定したエンドデバイス11の位置を時系列につなげることで、認知症患者18の時系列的な移動経路を推定する(移動経路推定手段)。たとえば、図14においてエンドデバイス11の位置を算出した地点どうしを順につなげ、図18に示す移動経路を推定する。なお、エンドデバイス11の位置を算出した地点は、デバイス11が電波を発信した地点である。PHS携帯端末13は、推定した移動経路データをメモリに記憶する(移動経路データ記憶手段)。PHS携帯端末13のディスプレイ43には、区域の地図座標が表示されるとともに、患者18の移動経路が表示される。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、移動経路データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0088】
ヘルパーは、移動経路データの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者18のID番号と移動経路データとがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信される(移動経路データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から送信された患者18のID番号と移動経路データとを受信し(移動経路データ受信手段)、受信した移動経路データを患者18のID番号とともにメモリに記憶する(移動経路データ記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、移動経路データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行う。
【0089】
ヘルパーは、PHS携帯端末13に患者18の現在の位置を特定させ、患者18の現在の移動経路を推定させた後、携帯端末13の所定のボタンを押すことで、推定させた現在の移動経路とメモリに記憶された過去の移動経路との比較を携帯端末13に要求することができる。PHS携帯端末13は、図19に示す患者18の現在の位置を特定し、特定した位置を時系列的につなげることで、図20に示す患者18の現在の移動経路を推定した後、図20の移動経路とメモリに記憶された図18の移動経路とを比較し(移動経路比較手段)、図21に示すように、各移動経路を一纏めにした移動経路をディスプレイ43に表示するとともに、各電波発信地点における距離の差Lを算出する(距離差算出手段)。PHS携帯端末13は、各移動経路を一纏めにしてそれら移動経路を比較した移動経路比較データをメモリに記憶し(比較データ記憶手段)、各電波発信地点における距離差データをメモリに記憶する(距離差データ記憶手段)。携帯端末13では、患者18のID番号を参照することによって、比較データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行うとともに、患者データと距離差データとの関連付けを行う。移動経路の距離の差Lは、図21に示すように、各電波発信地点におけるそれら発信地点どうしの距離の差として表されている。なお、図18および図19におけるエンドデバイス11の電波の発信間隔は同一である。
【0090】
ヘルパーは、移動経路比較データと距離差データとの送信の有無(する,しない)を選択する。送信有(する)を選択する場合は、ディスプレイ43の(する)を押すか、または、携帯端末13の数字番号(1)を押す。送信有(する)が選択されると、患者18のID番号と移動経路比較データと距離差データとがPHS携帯端末13からPHS携帯端末14,15に送信される(比較データ送信手段)(距離差データ送信手段)。PHS携帯端末14,15は、携帯端末13から送信された患者18のID番号と移動経路比較データと距離差データとを受信し(比較データ受信手段)(距離差データ受信手段)、受信した移動経路比較データと距離差データとを患者18のID番号とともにメモリに記憶する(比較データ記憶手段)(距離差データ記憶手段)。携帯端末14,15では、患者18のID番号を参照することによって、比較データとすでにメモリに記憶した患者データとの関連付けを行うとともに、距離差データと患者データとの関連付けを行う。
【0091】
図22は、PHS携帯端末13,14,15のメモリ(記憶部)に記憶された過去から現在までのいずれかの時点における位置データ、移動経路データ、比較データ、距離差データを検索する検索画面の一例を示す図である。PHS携帯端末13,14,15からそれらデータを検索する場合、ヘルパーや医師、製薬会社の担当者は、データの検索の有(する)を選択する。検索有(する)を押すと、患者18を特定するID番号の入力エリアが表示される(図示せず)。ID番号の入力エリアに患者18のID番号を入力すると、PHS携帯端末13,14,15のディスプレイ43(表示部)には、図22に示すように、その患者18に関するデータの検索画面が表示される。ディスプレイ43には、日付(年月日)入力エリアと患者氏名とが表示されるとともに、各データの選択エリアが表示される。過去の位置データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の位置データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(1)を押す。位置データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における位置データが表示される(過去分患者データ表示手段)(図示せず)。
【0092】
携帯端末13,14,15において過去から現在までのいずれかの時点における移動経路データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の移動経路データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(2)を押す。移動経路データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における移動経路データが表示される(過去分移動経路データ表示手段)(図示せず)。携帯端末13,14,15において過去から現在までのいずれかの時点における比較データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の比較データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(3)を押す。比較データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における比較データが表示される(過去分比較データ表示手段)(図示せず)。携帯端末13,14,15において過去から現在までのいずれかの時点における距離差データを検索する場合は、日付入力エリアに検索する日付を入力した後、ディスプレイ43の距離差データ検索を押すか、または、携帯端末13,14,15の数字番号(4)を押す。距離差データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における距離差データが表示される(過去分距離差データ表示手段)(図示せず)。
【0093】
PHS携帯端末13は、メモリに記憶した日常生活データや排便データをそれらデータの記憶時から所定時間経過後にメモリから消去する(日常生活データ消去手段)(排便データ消去手段)。さらに、メモリに記憶した位置データや移動経路データ、比較データ、距離差データをそれらデータの記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する(位置データ消去手段)(移動経路データ消去手段)(比較データ消去手段)(距離差データ消去手段)。データの消去時間は、時間単位、日単位、週単位、月単位で設定することができる。PHS携帯端末13は、データを消去する際にPHS携帯端末14,15に未送信のデータが含まれる場合、未送信のデータをPHS携帯端末14,15へ強制的に送信した後、そのデータの消去を行う。したがって、PHS携帯端末13に記憶されたすべてのデータがPHS携帯端末14,15に転送される。この観察システム10では、PHS携帯端末13がメモリに記憶した日常生活データや排便データをそれらデータの記憶時から所定時間経過後にメモリから消去するから、携帯端末13におけるメモリの記憶容量を確保することができ、メモリの記憶容量のオーバーフローを防ぐことができる。
【0094】
医師や製薬会社の担当者が所持するPHS携帯端末14,15は、ヘルパーが所持するPHS携帯端末13から送信された各種データを管理コンピュータ16,17に転送する。管理コンピュータ16,17は、転送された各種データをメモリに記憶する。PHS携帯端末14,15は、日常生活データや排便データをそれらデータの記憶時から所定時間経過後にメモリから消去する(日常生活データ消去手段)(排便データ消去手段)。さらに、メモリに記憶した位置データや移動経路データ、比較データ、距離差データをそれらデータの記憶時から所定期間経過後にメモリから消去する(位置データ消去手段)(移動経路データ消去手段)(比較データ消去手段)(距離差データ消去手段)。データの消去時間は、時間単位、日単位、週単位、月単位で設定することができる。この観察システム10では、PHS携帯端末14,15がメモリに記憶した日常生活データや排便データをそれらデータの記憶時から所定時間経過後にメモリから消去するから、携帯端末14,15におけるメモリの記憶容量を確保することができ、メモリの記憶容量のオーバーフローを防ぐことができる。
【0095】
図23は、携帯端末13からデータを強制的に閲覧する場合の要求画面であり、図24は、携帯端末13にデータを強制的に転送させる場合の要求画面である。医師や製薬会社の担当者は、所持するPHS携帯端末14,15によってヘルパーが所持するPHS携帯端末13に記憶された各種データを何時でも閲覧し、各種データを何時でも転送させることができる。閲覧可能かつ転送可能なデータには、患者データ、日常生活データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較対象の各移動経路を一纏めにして比較した比較データ、各電波発信地点における距離差データがある。医師や製薬会社の担当者がPHS携帯端末14,15の所定のボタンを押すと、患者18のID番号入力エリアとデータ閲覧選択エリアとデータ転送選択エリアとが携帯端末14,15のディスプレイ43に表示される(図示せず)。ID番号入力エリアに患者18のID番号を入力し、データ閲覧を選択すると、PHS携帯端末14,15のディスプレイ43(表示部)には、図23に示すように、日付(年月日)の入力エリアと患者氏名とが表示されるとともに、閲覧するデータの選択画面が表示される。医師や製薬会社の担当者が日付を入力するとともに閲覧を希望するデータを選択すると、携帯端末14,15から携帯端末13に指定したデータの表示指令が送信される。携帯端末13は、携帯端末14,15からの指令にしたがって、メモリから指定された日付におけるデータを取り出し、そのデータを携帯端末13に送信する。携帯端末14,15のディスプレイには、指定した日付の指定したデータ(患者18の氏名や日付を含む)が表示される(強制閲覧手段)。
【0096】
携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの位置データを閲覧する場合は、日付入力エリアに閲覧する日付を入力した後、ディスプレイ43の位置データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(1)を押す。位置データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における位置データが表示される(図示せず)。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの移動経路データを閲覧する場合は、日付入力エリアに閲覧する日付を入力した後、ディスプレイ43の移動経路データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(2)を押す。移動経路データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における移動経路データが表示される(図示せず)。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの比較データを閲覧する場合は、日付入力エリアに閲覧する日付を入力した後、ディスプレイ43の比較データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(3)を押す。比較データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における比較データが表示される(図示せず)。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの距離差データを閲覧する場合は、日付入力エリアに閲覧する日付を入力した後、ディスプレイ43の距離差データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(4)を押す。距離差データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における距離差データが表示される(図示せず)。
【0097】
現在位置データを閲覧する場合は、日付入力エリアに当日の日付を入力した後、ディスプレイ43の現在位置データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(5)を押す。医師や製薬会社の担当者が認知症患者の現在位置閲覧を選択すると、携帯端末14,15から携帯端末13に現在位置データの表示指令が送信される。携帯端末13が患者18の現在位置を特定中の場合は、携帯端末13が特定した患者18の現在位置データが携帯端末14,15に送信され、区域の地図座標が表示されるとともに患者18の現在位置が携帯端末14,15のディスプレイに表示される(強制閲覧手段)。携帯端末13が患者18の現在位置の特定を中止している場合は、携帯端末14,15からの位置特定指令によって、携帯端末13が患者18の位置を特定するとともに、携帯端末13が特定した患者18の現在位置データが携帯端末14,15に送信され、区域の地図座標が表示されるとともに患者18の現在位置が携帯端末14,15のディスプレイに表示される(強制閲覧手段)。
【0098】
医師や製薬会社の担当者がディスプレイ43のID番号入力エリアに患者18のID番号を入力し、データ転送を選択すると、図24に示すように、日付(年月日)の入力エリア、転送希望のデータの選択画面が表示される。医師や製薬会社の担当者が日付を入力するとともに転送を希望するデータを選択すると、携帯端末14,15から携帯端末13に指定したデータの転送指令が送信される。携帯端末13は、携帯端末14,15からの指令にしたがって、メモリから指定された日付におけるデータを取り出し、そのデータを携帯端末13に送信する(強制転送手段)。携帯端末14,15は、携帯端末13から送信された各種データをメモリに記憶する。医師や製薬会社の担当者は、強制転送手段によって送信された各種データを携帯端末14,15のディスプレイに表示させ、そのデータを確認することができる。医師や製薬会社の担当者は、PHS携帯端末14,15を介して強制転送されたデータを管理コンピュータ16,17に送信する。
【0099】
携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの位置データを転送させる場合は、日付入力エリアに日付を入力した後、ディスプレイ43の位置データ転送を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(1)を押す。位置データを選択した場合、指定された日付における位置データが携帯端末13から携帯端末14,15に送信される。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの移動経路データを転送させる場合は、日付入力エリアに日付を入力した後、ディスプレイ43の移動経路データ転送を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(2)を押す。移動経路データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における移動経路データが表示される(図示せず)。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの比較データを閲覧する場合は、日付入力エリアに日付を入力した後、ディスプレイ43の比較データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(3)を押す。比較データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における比較データが表示される(図示せず)。携帯端末13のメモリに記憶された過去から現在までの距離差データを閲覧する場合は、日付入力エリアに日付を入力した後、ディスプレイ43の距離差データ閲覧を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(4)を押す。距離差データを選択した場合、ディスプレイ43には、指定された日付における距離差データが表示される(図示せず)。
【0100】
現在位置データを転送させる場合は、ディスプレイ43の現在位置データ転送を押すか、または、携帯端末14,15の数字番号(5)を押す。医師や製薬会社の担当者が認知症患者の現在位置転送を選択すると、携帯端末14,15から携帯端末13に現在位置データの転送指令が送信される。携帯端末13が患者18の現在位置を特定中の場合は、携帯端末13が特定した患者18の現在位置データが携帯端末14,15に送信され、区域の地図座標とともに現在位置データが携帯端末14,15のメモリに記憶される(強制転送手段)。携帯端末13が患者18の現在位置の特定を中止している場合は、携帯端末14,15からの位置特定指令によって、携帯端末13が患者18の位置を特定するとともに、携帯端末13が特定した患者18の現在位置データが携帯端末14,15に送信され、区域の地図座標とともに現在位置データが携帯端末14,15のメモリに記憶される(強制転送手段)。
【0101】
観察システム10は、医師がPHS携帯端末14によって認知症患者18の患者データや日常生活データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データを何時でも閲覧することができるから、ヘルパーが所持するPHS携帯端末13から患者18のそれらデータが送信されなくても、医師が患者18の日常生活状況や排便状態、患者の徘徊に関する情報を把握することができる。観察システム10は、医師がPHS携帯端末14によって認知症患者18の過去の患者データや日常生活データ、排便データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データを何時でも閲覧することができるから、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者18の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。観察システム10は、製薬会社の担当者がPHS携帯端末15によって認知症患者18の過去から現在までの患者データや日常生活データ、排便データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データを何時でも閲覧することができるから、製薬会社に認知症のあらたな薬品開発の有益な資料を何時でも提供することができる。
【0102】
観察システム10は、医師が認知症患者18の患者データや日常生活データ、排便データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データをPHS携帯端末13からPHS携帯端末14に何時でも転送させることができるから、携帯端末13から患者18のそれらデータが送信されなくても、医師が患者18の日常生活状況や排便状態を把握することができる。観察システム10は、医師が認知症患者18の過去の患者データや日常生活データ、排便データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データをPHS携帯端末13からPHS携帯端末14に何時でも転送させることができるから、過去のデータと現在のデータとを比較することで、患者18の症状の時系列的な進行状況や治癒状況を確実に把握することができる。観察システム10は、製薬会社の担当者が認知症患者18の過去から現在までの患者データや日常生活データ、排便データ、排便データ、移動経路データ、位置データ、比較データ、距離差データをPHS携帯端末13からPHS携帯端末15に何時でも転送させることができるから、製薬会社に認知症のあらたな薬品開発の有益な資料を何時でも提供することができる。
【0103】
観察システム10は、認知症患者の現在位置を携帯端末14,15に強制的に表示させることができるとともに、患者の現在位置を携帯端末13から携帯端末14,15に強制的に転送させることができるから、ヘルパーの他に、医師や製薬会社の担当者が患者の現在位置を確認することができ、医師や製薬会社の担当者が患者の行動を一層詳細に把握することができる。
【0104】
管理コンピュータ16,17は、PHS携帯端末14,15から送信された各種データをメモリに記憶する。管理コンピュータ16,17は、患者18の移動経路や移動経路の距離の差Lをディスプレイに表示し、プリンタを介してプリントする。管理コンピュータ16,17は、患者データを一纏めにした患者データ一覧表、各患者毎の日常生活データを時系列的に一纏めにした日常生活データ一覧表、各患者毎の排便データを時系列的に一纏めにした排便データ一覧表を作成し、それら一覧表をディスプレイに表示し、プリンタを介してプリントする。
【0105】
観察システム10は、PHS携帯端末13が各アクセスポイント12から受信した受信電力に基づいてエンドデバイス11とそれらアクセスポイント12との距離を測定し、測定した距離からエンドデバイス11の座標上の位置を算出することで、認知症患者18の位置を特定するから、位置の特定精度を一定に保持することができ、患者18の位置を正確に特定することができる。観察システム10は、ヘルパーが目を離した隙に認知症患者18の所在が不明になったとしても、PHS携帯端末13によって患者18の現在位置を確認することができるから、所在不明になった患者18をヘルパーが容易に保護することができる。
【0106】
観察システム10は、PHS携帯端末13が位置特定手段を介して特定した認知症患者18の位置を時系列につなげることで、患者18の時系列的な移動経路を推定することができるから、徘徊する認知症患者18が辿った移動経路を特定することができ、患者18の行動パターンを分析することで、患者18の移動経路や所在をあらかじめ予測することができる。観察システム10は、PHS携帯端末13によって予測した認知症患者18の所在地に向かうことで、ヘルパーが患者18を確実に保護することができる。観察システム10は、PHS携帯端末13が移動経路どうしを比較し、それら移動経路どうしの距離の差Lを算出することができるから、認知症患者18の先の移動経路と後の移動経路とを比較することで、患者の症状の進行状況を分析することができ、患者の治療の参考にすることができる。この観察システム10は、先の移動経路と後の移動経路との相違を判断することができ、それら移動経路が大きく異なる場合、認知症患者18を常時監視することできる環境に置き、患者18の行動を規制することで、患者18が所在不明になる事態を事前に防ぐことができる。
【0107】
位置特定手段において、算出したエンドデバイス11と各アクセスポイント12との距離を半径とするとともに該アクセスポイント12を中心とする円を画き、それら円の円周どうしが交わる点をエンドデバイス11の位置とする観察システム10は、少なくとも3つの円の円周どうしの交点をエンドデバイス11の位置とするから、交点の時系列的な移動を捉えることで、認知症患者18の時系列的な動きを連続的に捕捉することができる。観察システム10は、アクセスポイント12の座標上の位置が不明でも、エンドデバイス11の時系列的な位置を測定することができ、認知症患者18の現在位置を確実に特定することができる。
【0108】
エンドデバイス11を認知症患者18に所持させると、患者18がそれを遺棄する可能性があり、エンドデバイス11を患者18が遺棄すると、患者18の所在を特定することができなくなる。しかし、この観察システム10では、エンドデバイス11を形成するシート19の粘着面22を認知症患者18の身体に貼付することで、患者18にエンドデバイス11の存在を気づかせることなく、患者18がエンドデバイス11を遺棄することによる患者18の所在の特定不能を防ぐことができる。観察システム10は、エンドデバイス11の認知症患者18からの脱落を防ぐことができるから、エンドデバイス11が患者18から脱落することによる患者18の所在の特定不能を防ぐことができる。
【0109】
観察システム10は、無線LANジグビーを利用することで1つのアクセスポイント12が複数のエンドデバイス11と通信することができるから、複数の患者の位置を特定することができ、複数の患者の移動経路を推定することができる。観察システム10は、エンドデバイス11のジグビーチップ20とジグビーアダプタ34のジグビーチップ35との通信時における消費電力やPHS携帯端末13のジグビーチップとエンドデバイス11のジグビーチップ20との通信時における消費電力が60mW以下であるから、エンドデバイス11やアダプタ34の長期間の使用が可能であり、充電間隔や電池交換間隔を大幅に延長することができるとともに、バッテリー切れによる患者18の所在の不特定を防ぐことができる。
【0110】
なお、この認知症患者観察システム10では、認知症患者18に関する各種データを医師が所持する携帯端末14と製薬会社の担当者が所持する携帯端末15とのいずれか一方へのみ送信することもできる。また、観察システム10では、近距離無線通信規格として無線LANジグビーを利用しているが、ジグビーの他に、Bluetooth(ブルートゥース)を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】一例として示す観察システムの概略構成図。
【図2】エンドデバイスの平面図。
【図3】一例として示すエンドデバイスの概略構成図。
【図4】図2の1−1線端面図。
【図5】図2の2−2線端面図。
【図6】認知症患者を背面から示す図。
【図7】一例として示すジグビーアダプタの概略構成図。
【図8】PHS携帯端末のディスプレイに表示された患者データ入力画面の一例を示す図。
【図9】PHS携帯端末のディスプレイに表示された日常生活データ入力画面の一例を示す図。
【図10】PHS携帯端末のディスプレイに表示された日常生活データ入力画面の一例を示す図。
【図11】PHS携帯端末のディスプレイに表示された日常生活データ入力画面の一例を示す図。
【図12】PHS携帯端末のディスプレイに表示された日常生活データ入力画面の一例を示す図。
【図13】携帯端末のメモリに記憶された過去のデータを検索する検索画面の一例を示す図。
【図14】認知症患者の徘徊の一例を示す図。
【図15】一例として示す受信電力の減衰曲線図。
【図16】認知症患者の位置特定の一例を説明する図。
【図17】認知症患者の位置特定の他の一例を説明する図。
【図18】患者の移動経路の一例を示す図。
【図19】認知症患者の徘徊の他の一例を示す図。
【図20】患者の移動経路の他の一例を示す図。
【図21】移動経路の距離差を示す図。
【図22】携帯端末のメモリに記憶された過去のデータを検索する検索画面の一例を示す図。
【図23】データを強制的に閲覧する場合の要求画面。
【図24】データを強制的に転送させる場合の要求画面。
【符号の説明】
【0112】
10 認知症患者観察システム
11 エンドデバイス
12 アクセスポイント
13 PHS携帯端末(携帯端末)
14 PHS携帯端末
15 PHS携帯端末
18 認知症患者
19 シート
20 ジグビーチップ(無線通信チップ)
21 粘着剤
22 粘着面
23 非粘着面
24 摘み部分
25 剥離紙
34 ジグビーアダプタ
35 ジグビーチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークを利用して認知症患者の療養状況を観察する認知症患者観察システムにおいて、
前記観察システムが、前記認知症患者の世話を担当するヘルパーが所持する第1携帯端末と、前記第1携帯端末と無線通信可能であって、前記認知症患者を診断する医師と認知症の医薬品を製造する製薬会社の担当者との少なくとも一方が所持する第2携帯端末とから形成され、
前記第1携帯端末が、前記認知症患者に関する患者データの入力エリアを表示部に表示する患者データ入力表示手段と、前記認知症患者の日常生活データの入力エリアを表示部に表示する日常生活データ入力表示手段と、入力された患者データを記憶部に記憶する患者データ第1記憶手段と、入力された日常生活データを前記患者データに関連付けて記憶部に記憶する日常生活データ第1記憶手段と、入力された患者データを前記第2携帯端末に送信する患者データ送信手段と、入力された日常生活データを前記第2携帯端末に送信する日常生活データ送信手段とを有し、
前記第2携帯端末が、前記第1携帯端末から送信された患者データを受信する患者データ受信手段と、前記第1携帯端末から送信された日常生活データを受信する日常生活データ受信手段と、受信した患者データを記憶部に記憶する患者データ第2記憶手段と、受信した日常生活データを前記患者データに関連付けて記憶部に記憶する日常生活データ第2記憶手段とを有することを特徴とする認知症患者観察システム。
【請求項2】
前記第1携帯端末が、前記認知症患者の排便データの入力エリアを表示部に表示する排便データ入力表示手段と、入力された排便データを前記患者データに関連付けて記憶部に記憶する排便データ第1記憶手段と、入力された排便データを前記第2携帯端末に送信する排便データ送信手段とを有し、前記第2携帯端末が、前記第1携帯端末から送信された排便データを受信する排便データ受信手段と、受信した排便データを前記患者データに関連付けて記憶部に記憶する排便データ第2記憶手段とを有する請求項1記載の認知症患者観察システム。
【請求項3】
前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とのうちの少なくとも一方が、記憶した患者データを過去に遡って表示部に表示する過去分患者データ表示手段と、記憶した日常生活データを過去に遡って表示部に表示する過去分日常生活データ表示手段と、記憶した排便データを過去に遡って表示部に表示する過去分排便データ表示手段とを有する請求項2記載の認知症患者観察システム。
【請求項4】
前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが、記憶した日常生活データをその記憶時から所定期間経過後に記憶部から消去する日常生活データ消去手段と、記憶した排便データをその記憶時から所定期間経過後に記憶部から消去する排便データ消去手段とを有する請求項2または請求項3に記載の認知症患者観察システム。
【請求項5】
前記第2携帯端末が、前記第1携帯端末に記憶された過去から現在までの日常生活データを該第1携帯端末から強制的に閲覧する日常生活データ強制閲覧手段と、前記第1携帯端末に記憶された過去から現在までの排便データを該第1携帯端末から強制的に閲覧する排便データ強制閲覧手段とを有する請求項2ないし請求項4いずれかに記載の認知症患者観察システム。
【請求項6】
前記第2携帯端末が、前記第1携帯端末に記憶された過去から現在までの日常生活データを該第1携帯端末に強制的に転送させる日常生活データ強制転送手段と、前記第1携帯端末に記憶された過去から現在までの排便データを該第1携帯端末に強制的に転送させる排便データ強制転送手段とを有する請求項2ないし請求項5いずれかに記載の認知症患者観察システム。
【請求項7】
前記患者データが、認知症患者の氏名、認知症患者を特定するID番号(患者識別番号)、医師によって認定された患者の症状の軽重、患者の連絡先郵便番号、患者の連絡先住所、患者の連絡先電話番号、患者データの格納日付である請求項1ないし請求項6いずれかに記載の認知症患者観察システム。
【請求項8】
前記日常生活データが、起床時間,就寝時間,朝食の有無,朝食時間,昼食の有無,昼食時間,夕食の有無,夕食時間,進み具合,食前血圧,食後血圧,投与薬剤の種類,薬剤投与の時間,体温,体温測定時間,健康状態である請求項1ないし請求項7いずれかに記載の認知症患者観察システム。
【請求項9】
前記排便データが、排便時間,排便量,排便硬さ,排便色である請求項2ないし請求項8いずれかに記載の認知症患者観察システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−113720(P2008−113720A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297526(P2006−297526)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505398262)
【Fターム(参考)】