説明

認証システム及び認証方法並びに認証プログラム

【課題】セキュリティを確保しつつ、認証情報の変更に適切に対処することができる認証システム及び認証方法並びに認証プログラムの提供。
【解決手段】認証情報を用いた認証方法であって、最新の認証情報と以前に設定された認証情報とを登録する第1ステップと、認証情報を入力させる第2ステップと、入力された認証情報と登録された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が前記最新の認証情報でなく、かつ、前記以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する第3ステップと、を少なくとも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証システム及び認証方法並びに認証プログラムに関し、特に、画像形成装置などの複数のユーザによって使用される装置を含む認証システム及び該システムにおける認証方法並びに認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能などを備える処理装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)が普及している。この画像形成装置には機密情報を含む文書などが記憶される場合もあり、機密情報の漏洩を防止するためにセキュリティを高める施策が必要である。そこで、予めパスワードなどの認証情報を設定しておき、画像形成装置の利用に際して、認証情報の入力を求め、認証されたユーザに対して画像形成装置の利用を許可するようにしている。
【0003】
ここで、同じ認証情報を長期間使用すると、認証情報が漏洩してセキュリティを保てなくなることから、認証情報はユーザによって適宜変更される。その場合、認証情報を変更したユーザは最新の認証情報を入力して画像形成装置を使用することができるが、認証情報が変更されたことを知らない他のユーザは古い認証情報を入力してしまい、画像形成装置の使用が拒否されてしまう。そこで、このような問題を回避するために、一定の条件で、古い認証情報でも認証可能にする方法が提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、端末が監視センタに回線接続したときに監視センタから送られてきた新旧2世代のパスワードのいずれかと自己の保持するパスワードとが一致したときにのみ、両者の間でデータ通信を行う方法が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、許可を受けたユーザに対してパスワードの変更要求を受け付け、パスワードの変更処理により、新パスワードの設定と旧パスワードの保持を行い、次回、そのユーザからの認証要求に対して、新パスワードでの依頼ならば旧パスワードを破棄、旧パスワードならば条件付き許可とする方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平5−30103号公報
【特許文献2】特開2000−82044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2のように、新旧どちらかの認証情報が入力された場合に装置の使用を許可する方式では、2種類の認証情報を受け付けることになるため、一度不正なルートで認証情報の取得が行われると、認証情報を変更する等の対策が無意味なものになってしまう。
【0008】
一方、認証情報を複数ユーザで共有している環境において、利用者の一人が認証情報を変更した場合、上述したように、他のユーザは装置を使用することができず、認証情報を確認して何度も入力したり、認証情報の変更連絡情報を検索したりするなど、対処方法を見つけるのに時間を要してしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、セキュリティを確保しつつ、認証情報の変更に適切に対処することができる認証システム及び認証方法並びに認証プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、認証情報に基づく認証処理によって利用が制限される装置を含む認証システムにおいて、入力された認証情報と予め記憶された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が最新の認証情報でなく、かつ、以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する判定部を少なくとも備えるものである。
【0011】
本発明においては、前記以前に設定された認証情報の中から、前記メッセージを通知する認証情報が選択可能であり、前記判定部は、選択された認証情報が入力された場合に、前記メッセージを通知する構成とすることができる。
【0012】
また、本発明においては、前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更したユーザを特定する情報、前記最新の認証情報に変更した日時を特定する情報、前記最新の認証情報を取得する方法を特定する情報を含む構成とすることができる。
【0013】
また、本発明は、認証情報を用いた認証方法であって、最新の認証情報と以前に設定された認証情報とを登録する第1ステップと、認証情報を入力させる第2ステップと、入力された認証情報と登録された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が前記最新の認証情報でなく、かつ、前記以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する第3ステップと、を少なくとも有するものである。
【0014】
また、本発明は、認証情報に基づく認証処理によって利用が制限される装置を含むシステムで動作する認証プログラムであって、コンピュータを、入力された認証情報と予め記憶された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が最新の認証情報でなく、かつ、以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する判定部、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の認証システム及び認証方法並びに認証プログラムによれば、セキュリティを確保しつつ、認証情報の変更に適切に対処することができる。
【0016】
その理由は、認証システムに判定部を設け、判定部では、入力された認証情報と予め記憶された認証情報とを比較し、入力された認証情報が最新の認証情報であれば装置の使用を許可し、最新の認証情報でなければ、以前に設定された認証情報であるかを判断し、以前に設定された認証情報であれば認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知して最新の認証情報を取得するためのヒントを提示し、以前に設定された認証情報でなければ装置の使用を拒否する制御を行うからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
背景技術で示したように、複数のユーザによって使用される装置を含むシステムでは、パスワード等の認証情報が使用され、セキュリティを確保するために認証情報は適宜変更される。その場合に、新旧いずれの認証情報も受け付けるようにすると、認証情報を変更する等の対策が無意味なものになる。一方、古い認証情報を一切受け付けないようにすると、他のユーザは最新の認証情報を入手するために時間を費やすことになり、利便性が著しく悪化する。
【0018】
そこで、本実施形態では、古い認証情報が入力された場合に、古い認証情報を無条件に受け付けたり、古い認証情報を一切受け付けないようにするのではなく、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する。これにより、認証情報が変更されたことが明確に伝わり、対処時間を短縮することができる。
【0019】
その際、メッセージとして、最新の認証情報に変更したユーザを特定する情報を通知することにより、ユーザは最新の認証情報を誰に確認すればよいのかが明確になるため、対処時間を短縮することができる。この場合、認証情報が変更可能な管理者レベルのユーザに新しい認証情報を確認することになるため、不正なルートでの認証情報の取得を防止することができる。
【0020】
また、メッセージとして、最新の認証情報に変更した日時を特定する情報や、最新の認証情報を取得するための方法を通知することにより、ユーザはどのようにして最新の認証情報を確認すればよいのかが明確になるため、対処時間を短縮することができる。
【0021】
また、以前に設定された認証情報の内のどの認証情報が入力された場合にメッセージを通知するかを選択可能とすることにより、何世代も前の認証情報しか知らないユーザを排除することもでき、セキュリティを高めることができる。また、メッセージをどの装置に通知するかを選択可能とすることにより、認証情報を入力したユーザのコンピュータ端末にメッセージを通知することもでき、セキュリティを高めることができる。また、メッセージをどのような方法で通知するかを選択可能とすることにより、利便性を向上させることもできる。
【実施例】
【0022】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る認証システム及び認証方法並びに認証プログラムについて、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る認証システムの構成を模式的に示す図であり、図2は、画像形成装置の認証に関わる部分の構成を示すブロック図である。また、図3乃至図5は、本実施例の認証システムの表示部に表示される画面の構成例を示す図であり、図6及び図7は、本実施例の認証方法の手順を示すフローチャート図である。
【0023】
図1に示すように、本実施例の認証システム10は、印刷を指示する1又は複数のクライアントのコンピュータ端末20と、印刷を実行するネットワークプリンタや複合機などの1又は複数の画像形成装置30とで構成され、これらは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワーク40を介して相互に接続されている。
【0024】
なお、図1では、認証システム10をコンピュータ端末20と画像形成装置30とで構成しているが、認証システム10は画像形成装置30のみで構成することもできる。この場合、認証情報の入力及び認証情報が変更されたことを示すメッセージの通知は共に画像形成装置30で行えばよい。また、認証の対象となる装置は画像形成装置30に限らず、任意の処理を行う処理装置とすることができる。また、本実施例の認証処理は、管理サーバなどで実行してもよい。
【0025】
図2は、画像形成装置30の構成の内、本実施例の認証に関わる部分の構成を示すブロック図であり、CPU(Central Processing Unit)31とROM(Read Only Memory)32とRAM(Random Access Memory)33と記憶部34と操作部35と表示部36と判定部37などで構成される。
【0026】
CPU31は、ROM22に格納されている制御プログラムをRAM33に展開して実行し、画像形成装置30の各種制御を行う制御部として機能する。
【0027】
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)などを用いた不揮発性の記憶媒体であり、認証情報などを記憶する。認証情報は、最後に設定されたパスワード(最新パスワードと呼ぶ。)とそれ以前に設定されていた1又は複数の古いパスワード(旧パスワードと呼ぶ。)とで構成される。
【0028】
操作部35は、タッチパネルなどで構成され、IDやパスワード、通知するメッセージなどの入力を可能にする。
【0029】
表示部36は、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、後述するパスワード入力画面やパスワード変更画面、エラー通知変更画面などを表示する。
【0030】
判定部37は、操作部35から入力されたパスワードと記憶部34に予め登録されているパスワードとを比較する。そして、入力されたパスワードが最新パスワードであった場合には画像形成装置30の利用を許可する。最新パスワードでない場合には、旧パスワードであるかを判断し、旧パスワードであった場合には表示部36にパスワードが変更されたことを示すメッセージを表示させる。入力されたパスワードが最新パスワードでも旧パスワードでもない場合はパスワードが間違っていることを表示するなどして画像形成装置30の利用を拒否する。
【0031】
上記判定部27は画像形成装置30にハードウェアとして構成してもよいし、コンピュータを、判定部27として機能させる認証プログラムとして構成し、該認証プログラムを画像形成装置30などの認証システム10を構成する装置上で動作させる構成としてもよい。
【0032】
なお、本実施例では、画像形成装置30の記憶部34に認証情報を記憶する構成としているが、認証情報は、認証システム10内の任意の装置(判定部37が参照可能な装置)に記憶されていればよい。
【0033】
また、本実施例では、パスワードで認証を行う場合を示すが、キーストロークのパターン(キーを押す時間間隔の情報)で認証を行ってもよいし、指紋や静脈などの生体情報、各指の指紋入力順などで認証を行ってもよい。また、IDとパスワードが予め記憶されたICカードや磁気カード、RFID(Radio Frequency Identification)タグなどを用いて認証を行ってもよい。
【0034】
次に、本実施例の認証システム10における認証方法について、図3乃至図5の画面を例にして説明する。
【0035】
図3は、画像形成装置30の表示部36(又はコンピュータ端末20の表示部)に表示されるパスワード入力画面51の一例であり、パスワード入力画面51は、部門IDやパスワードなどを入力する欄(図の[A]欄)と、メッセージを入力する欄(図の[B]欄)と、操作部35として機能するソフトウェアキーボードなどで構成される。
【0036】
画像形成装置30の利用者は、部門ID、パスワードを正しく入力することにより、画像形成装置30を利用することができる。このとき、最新パスワードではないが、以前に設定された旧パスワードであった場合には、メッセージ欄に、パスワードが変更されていることを通知するメッセージが表示される。また、パスワードを変更する場合は、[パスワード変更]ボタンを押すことにより、図4に示すパスワード変更画面52がポップアップされる。
【0037】
図4はパスワード変更画面52の一例であり、パスワード変更画面52は、パスワードを変更するユーザのIDやパスワードを入力する欄と、部門ID、変更前のパスワード(旧パスワード)、変更後のパスワード(最新パスワード)を入力する欄と、操作部35として機能するソフトウェアキーボードなどで構成される。
【0038】
パスワード変更者はあらかじめ登録されている[変更者ID]、[変更者パスワード]を入力する。次に、[部門ID]、[旧パスワード]、[新パスワード]を入力し、[OK]ボタンを押すことにより新しいパスワードに変更できる。また、[詳細]ボタンを押すことにより、図5に示すエラー通知変更画面53がポップアップされる。
【0039】
図5はエラー通知変更画面53の一例であり、エラー通知変更画面53は、部門IDを入力する欄(図の[1]欄)と、パスワードに関する詳細設定情報を表示する欄(図の[2]欄)と、選択したパスワードに関する詳細設定情報を修正する欄(図の[4]欄)などで構成される。
【0040】
まず、[1]の[部門ID]をプルダウンメニューから選択すると、自分が設定変更可能なリスト([2]参照)が表示される。なお、管理者の場合は、リスト管理の目的で全ての設定者のリストを表示することが好ましい。パスワードを変更した場合、例えば、デフォルト値として[認証許可]:[許可しない]、[表示場所]:[装置]、[通知内容]:[パスワードは○○さんによって変更されました。確認をお願いします。]が自動的にリスト登録される([3]参照))。
【0041】
設定内容を変更する場合は、設定変更を行うリストにカーソルを置くと、[4]の欄に、現在設定されている[認証許可]、[表示場所]、[通知内容]が表示される。図では、2行目(網掛けの行)の設定情報が表示されている。
【0042】
[認証許可]を変更する場合、プルダウンメニューから[許可する]または[許可しない]を選択する([5]参照)。図5の例では[許可する]に設定されているので、[表示場所]及び[通知内容]が表示される。なお、[許可しない]に設定した場合は、従来どおり、このパスワードで画像形成装置30を利用することはできず、メッセージも通知されない。
【0043】
[表示場所]を変更する場合も、同様にプルダウンメニューから[装置]または[端末]を選択する([6]参照)。[装置]を選択した場合は画像形成装置30に、[端末]を選択した場合はコンピュータ端末20にメッセージが表示される。
【0044】
[通知内容]はテキスト編集することにより編集することができる([7]参照)。例えば、[7]では最新パスワードに変更したユーザから送付されたメールを確認するなど、最新パスワードを取得するための方法を通知している。この通知内容は任意に設定可能であり、最新パスワードを取得するためのヒントとなる情報であればよく、例えば、[3]のように、最新パスワードに変更したユーザを特定する情報としてもよいし、最新パスワードに変更した日時を特定する情報としてもよいし、これらを任意に組み合わせた情報としてもよい。
【0045】
また、[リスト削除]を押すことによりリストごと削除することもできる。
【0046】
なお、ここでは各メッセージに対して、[認証許可]、[表示場所]、[通知内容]を設定する構成としたが、設定項目はこれらに限定されない。また、ここではメッセージを画面上に表示する構成としたが、メッセージの通知方法も設定可能であり、例えば、画像形成装置30やコンピュータ端末20に予め設けたスピーカ等からメッセージを発音させる構成とすることもできる。
【0047】
このように、パスワード入力画面51でパスワードを入力すると、入力したパスワードが最新パスワードでなく、かつ、旧パスワードである場合は、パスワードが変更されていることを示すメッセージが通知されるため、ユーザはそのメッセージを参照して最新パスワードを取得することができる。また、エラー通知変更画面53で、旧パスワードが入力された場合の処置やメッセージの表示場所、メッセージの通知内容を設定することができるため、何度パスワードが変更されても適切な制御を行うことができる。
【0048】
次に、本実施例の認証システム10における認証方法の具体的な手順について、図6及び図7のフローチャート図を参照して説明する。本実施例の認証は、画像形成装置30のみで実行する場合と、コンピュータ端末20及び画像形成装置30で実行する場合がある。以下、個別に説明する。
【0049】
[画像形成装置30のみで実行する場合]
この場合の認証手順は図6のフローチャート図のようになる。なお、最新パスワードと旧パスワードは予め画像形成装置30の記憶部34に登録されているものとする。
【0050】
まず、ステップS101で、画像形成装置30の制御部は、表示部36に図3のパスワード入力画面51を表示させ、[A]欄で部門ID、パスワードの入力を受け付ける。
【0051】
次に、ステップS102で、判定部37は、入力されたパスワードと記憶部34に予め登録されている最新パスワードとが一致するかをチェックする。
【0052】
パスワードが一致する場合は、ステップS106で、画像形成装置30の利用を許可する。パスワードが一致しない場合は、ステップS103で、判定部37は、入力されたパスワードと記憶部34に登録されている旧パスワードとが一致するかをチェックする。
【0053】
旧パスワードと一致しない場合は、ステップS107で、画像形成装置30の利用を許可しない。旧パスワードと一致する場合は、ステップS104で、判定部37は、その旧パスワードに対する認証許可(図5の[5]に表示される情報)が[許可する]であるか[許可しない]であるかをチェックする。
【0054】
[許可しない]に設定されている場合、ステップS107で、画像形成装置30の利用を許可しない。[許可する]に設定されている場合、ステップS105で、判定部37は、その旧パスワードに対する表示場所(図5の[6]に表示される情報)が[装置]であるか[端末]であるかをチェックする。
【0055】
[端末]である場合、ステップS107で、画像形成装置30の利用を許可しない。[装置]である場合、その旧パスワードに対する通知内容(図5の[7]に表示される情報)を図3のパスワード入力画面51の[B]欄に表示する。
【0056】
[画像形成装置30とコンピュータ端末20とで実行する場合]
この場合の認証手順は図7のフローチャート図のようになる。なお、図の網掛けのステップがコンピュータ端末20で実行される処理である。また、最新パスワードと旧パスワードは予め画像形成装置30の記憶部34に登録されているものとする。
【0057】
まず、ステップS301で、コンピュータ端末20の制御部は、表示部に図3のパスワード入力画面51を表示させ、[A]欄で部門ID、パスワードの入力を受け付け、ステップS302で、画像形成装置30へ入力された部門ID、パスワードを送信する。
【0058】
画像形成装置30では、ステップS201で、コンピュータ端末20からの部門ID、パスワードを受信する。
【0059】
次に、ステップS202で、判定部37は、コンピュータ端末20から受信したパスワードと記憶部34に予め登録されている最新パスワードとが一致するかをチェックする。
【0060】
パスワードが一致する場合は、ステップS206で、画像形成装置30の利用を許可する。パスワードが一致しない場合は、ステップS203で、判定部37は、受信したパスワードと記憶部34に登録されている旧パスワードとが一致するかをチェックする。
【0061】
旧パスワードと一致しない場合は、ステップS207で、画像形成装置30の利用を許可しない。旧パスワードと一致する場合は、ステップS204で、判定部37は、その旧パスワードに対する認証許可(図5の[5]に表示される情報)が[許可する]であるか[許可しない]であるかをチェックする。
【0062】
[許可しない]に設定されている場合、ステップS207で、画像形成装置30の利用を許可しない。[許可する]に設定されている場合、ステップS205で、判定部37は、その旧パスワードに対する表示場所(図5の[6]に表示される情報)が[装置]であるか[端末]であるかをチェックする。
【0063】
[装置]である場合、その旧パスワードに対する通知内容(図5の[7]に表示される情報)を表示部36に表示する。なお、表示方法は任意であり、例えば、図3のパスワード入力画面51を表示して、その[B]欄に通知内容を表示することができる。
【0064】
[端末]である場合は、ステップS209で、旧パスワードに対する通知内容を、部門ID、パスワードを送信したコンピュータ端末20へ送信する。コンピュータ端末20では、ステップS303で、画像形成装置30からの通知内容を受信し、ステップS304で、受信した通知内容を表示部に表示する。
【0065】
これにより、旧パスワードを入力した利用者は、通知されるメッセージによりパスワードが変更されていることを確認でき、最新パスワードを取得した後、もう一度利用を試みることにより画像形成装置30を利用することができ、パスワードの変更に対して適切に対処することができる。また、最新パスワードでもなく旧パスワードでもないパスワードを入力した利用者に対してはメッセージが表示されないため、画像形成装置30の不正な利用を防止することができ、セキュリティを確保することができる。
【0066】
なお、上記実施例では、画像形成装置30を含む認証システム10を例にして説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、複数のユーザに利用される任意の処理装置を含むシステムに対して同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、複数のユーザに利用される画像形成装置などの処理装置を含むシステム及び該システムにおける認証方法並びに認証プログラムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例に係る認証システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る画像形成装置の認証に係る部分の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る画像形成装置(又はコンピュータ端末)の表示部に表示される画面(パスワード入力画面)の一例である。
【図4】本発明の一実施例に係る画像形成装置(又はコンピュータ端末)の表示部に表示される画面(パスワード変更画面)の一例である。
【図5】本発明の一実施例に係る画像形成装置(又はコンピュータ端末)の表示部に表示される画面(エラー通知変更画面)の一例である。
【図6】本発明の一実施例に係る認証システム(画像形成装置のみの場合)における認証方法の具体的手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施例に係る認証システム(画像形成装置及びコンピュータ端末の場合)における認証方法の具体的手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0069】
10 認証システム
20 コンピュータ端末
30 画像形成装置
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
35 操作部
36 表示部
37 判定部
40 通信ネットワーク
51 パスワード入力画面
52 パスワード変更画面
53 エラー通知画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証情報に基づく認証処理によって利用が制限される装置を含む認証システムにおいて、
入力された認証情報と予め記憶された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が最新の認証情報でなく、かつ、以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する判定部を少なくとも備える、ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記以前に設定された認証情報の中から、前記メッセージを通知する認証情報が選択可能であり、
前記判定部は、選択された認証情報が入力された場合に、前記メッセージを通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更したユーザを特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更した日時を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の認証システム。
【請求項5】
前記メッセージは、前記最新の認証情報を取得する方法を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の認証システム。
【請求項6】
認証情報を用いた認証方法であって、
最新の認証情報と以前に設定された認証情報とを登録する第1ステップと、
認証情報を入力させる第2ステップと、
入力された認証情報と登録された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が前記最新の認証情報でなく、かつ、前記以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する第3ステップと、を少なくとも有する、ことを特徴とする認証方法。
【請求項7】
前記第1ステップでは、前記以前に設定された認証情報の中から、前記メッセージを通知する認証情報を選択し、
前記第3ステップでは、選択された認証情報が入力された場合に、前記メッセージを通知する、ことを特徴とする請求項6に記載の認証方法。
【請求項8】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更したユーザを特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の認証方法。
【請求項9】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更した日時を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の認証方法。
【請求項10】
前記メッセージは、前記最新の認証情報を検索する方法を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載の認証方法。
【請求項11】
認証情報に基づく認証処理によって利用が制限される装置を含むシステムで動作する認証プログラムであって、
コンピュータを、
入力された認証情報と予め記憶された認証情報とを比較し、前記入力された認証情報が最新の認証情報でなく、かつ、以前に設定された認証情報である場合に、認証情報が変更されたことを示すメッセージを通知する判定部、として機能させる、ことを特徴とする認証プログラム。
【請求項12】
前記以前に設定された認証情報の中から、前記メッセージを通知する認証情報が選択可能であり、
前記判定部は、選択された認証情報が入力された場合に、前記メッセージを通知する、ことを特徴とする請求項11に記載の認証プログラム。
【請求項13】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更したユーザを特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の認証プログラム。
【請求項14】
前記メッセージは、前記最新の認証情報に変更した日時を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一に記載の認証プログラム。
【請求項15】
前記メッセージは、前記最新の認証情報を取得する方法を特定する情報を含む、ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一に記載の認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−294746(P2009−294746A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145523(P2008−145523)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】