説明

誘導加熱調理器

【課題】異なる機種間でコイル受皿を共用する場合でも、加熱状態表示器を常に同じ位置
に取り付けられるようにする。
【解決手段】誘導加熱コイル13による加熱状態を表示するための加熱状態表示器20を
備えた誘導加熱調理器1であって、加熱状態表示器20は、誘導加熱コイル13が備える
略円盤状のコイル受皿15の手前側の側部に固定される長尺状のケース21を備えており
、ケース21をコイル受皿15に固定する固定構造は、ケース21の長手方向に沿って配
列した円柱軸状の固定ピン24を、コイル受皿15の外周に沿って配列した円筒状の貫通
孔からなる固定用孔15bに挿入係合させる構成であり、固定用孔15bの配列数を固定
ピン24の配列数よりも多くしたことで、コイル受皿15に対するケース21の相対的な
係合位置をコイル受皿15の外周方向に沿う複数箇所で選択できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理容器を誘導加熱コイルによる電磁誘導で加熱して当該調理容器に収容し
た被調理物を加熱調理する誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、調理容器を載置する天板と、該天板の下方に配
置した調理容器を加熱する誘導加熱コイルとを備えてなる誘導加熱調理器(いわゆるIH
クッキングヒータ)がある。この種の誘導加熱調理器は、ガスを使わずに大きな火力で揚
げ物や煮物あるいは焼き物などの調理が行えるため、近年、各家庭において広く普及して
いる。
【0003】
上記のような誘導加熱調理器は、誘導加熱コイルによる電磁誘導で調理容器を加熱する
ものであるため、ガスコンロのように実際に炎が出る構成ではない。そのため、火災や火
傷などの事故が起こりにくい反面、調理出力などの加熱状態の目視による確認が行えない
という問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1に示す誘導加熱調理器では、誘導加熱コイルの側部に加熱状態を表
示するための加熱状態表示器を設けている。加熱状態表示器は、誘導加熱コイルの手前側
外周部に配置した円弧型長尺状のケースと、該ケースの長手方向に沿って収納した長尺状
の導光体と、導光体の長手方向の端部に対向するようにケースに取り付けたLEDや蛍光
ランプなどからなる光源部品とを備えて構成されている。このような加熱状態表示器によ
れば、加熱調理が行われている誘導加熱コイルの手間側の天板を発光させることができ、
加熱状態を視覚的に判り易くできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−197357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に示す加熱状態表示器は、略円盤状の誘導加熱コイルの手前側の
端面に沿う位置に取り付けられており、誘導加熱コイルに対して誘導加熱調理器本体の正
面に位置合わせされた状態で設置されている。そして、加熱状態表示器への誘導加熱コイ
ルの固定構造は、誘導加熱コイルが備える略円盤状のコイル受皿の外周に加熱状態表示器
の円弧型長尺状のケースを熱カシメなどで固着させて固定する構造であった。したがって
、誘導加熱コイルに対する加熱状態表示器の相対的な固定位置は変更することができない
ものであった。
【0007】
しかしながら、誘導加熱コイルのコイル受皿は、異なる機種の誘導加熱調理器で共用す
る場合がある。この場合、コイル受皿は、誘導加熱調理器の機種に応じてその取付角度(
中心に対する回転方向の向き)が異なることがある。また、誘導加熱調理器の機種により
コイル受皿の周辺の部品配置が異なる場合もある。このような場合に、コイル受皿に対す
る加熱状態表示器の固定位置を変更できないと、コイル受皿の取付角度によっては、加熱
状態表示器を誘導加熱調理器の正面を向く位置に正確に取り付けられないという問題があ
った。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる機種間でコイル受
皿を共用する場合でも、加熱状態表示器を常に同じ向きに正確に取り付けることが可能な
誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、調理容器を載置する天板(12)と、該天板(1
2)の下方に配設した誘導加熱コイル(13)と、誘導加熱コイル(13)による加熱状
態を表示するための加熱状態表示器(20)と、を備えた誘導加熱調理器(1)であって
、加熱状態表示器(20)は、誘導加熱コイル(13)の側部に設置された長尺状のケー
ス(21)と、該ケース(21)の長手方向に沿って収容された長尺状の導光体(40)
と、導光体(40)の長手方向の一端(40a)に対向するようにケース(21)に取り
付けられた光源部品(41)と、を備え、ケース(21)は、誘導加熱コイル(13)が
備える略円盤状のコイル受皿(15)に固定されており、ケース(21)をコイル受皿(
15)に固定する固定構造は、ケース(21)の長手方向に沿って配列した一又は複数の
突起部又は窪み部(24)と、コイル受皿(15)の外周に沿って配列したケース(21
)の突起部又は窪み部(24)を係合させる一又は複数の窪み部又は突起部(15b)と
で構成されており、コイル受皿(15)の窪み部又は突起部(15b)の配列数と、ケー
ス(21)の突起部又は窪み部(24)の配列数とのいずれか一方が他方よりも多くなっ
ており、ケース(21)とコイル受皿(15)との相対的な係合位置をコイル受皿(15
)の外周方向に沿う複数箇所で選択できるように構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる誘導加熱調理器によれば、加熱状態表示器のケースと誘導加熱コイルの
コイル受皿との相対的な係合位置をコイル受皿の外周方向に沿う複数箇所で選択できるの
で、コイル受皿の設置角度(中心に対する回転方向の向き)が異なる場合でも、加熱状態
表示器を常に誘導加熱調理器の正面に合わせて取り付けることが可能となる。したがって
、コイル受皿の取付角度やコイル受皿周辺の部品配置が互いに異なる複数の機種で同一構
成のコイル受皿を共用することが可能となるので、誘導加熱調理器のコストダウンを図る
ことができる。なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符
号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる誘導加熱調理器によれば、異なる機種間でコイル受皿を共用する場合で
も、加熱状態表示器を常に同じ位置に取り付けることが可能となり、誘導加熱調理器のコ
ストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態にかかる誘導加熱調理器の全体構成を示す斜視図である。
【図2】加熱状態表示器を示す斜視図である。
【図3】加熱状態表示器の構成部品を示す分解斜視図である。
【図4】誘導加熱コイルの構成例を示す斜視図である。
【図5】誘導加熱コイルに加熱状態表示器を取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実
施形態にかかる誘導加熱調理器1の外観構成を示す斜視図である。同図に示す誘導加熱調
理器1は、システムキッチンなどにドロップイン方式で組み込まれて設置される調理器で
あり、略矩形状の筐体に収納された本体部11と、本体部11の上面に装着された耐熱ガ
ラス製の天板12と、本体部11の内部における天板12の下方に設置された熱源となる
左右一対の誘導加熱コイル13,13と、それらの中央奥側に配置されたラジエントヒー
タ17とを備えている。誘導加熱コイル13、13は、略円盤状の外形を有しており、天
板12の手前側の左右にそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0014】
一方、本体部11の前面11aの左側(正面から見た左側)には、手前側へ引き出し可
能に取り付けられたグリル扉18が設けられている。また、グリル扉18の右側には、操
作パネル19が配置されている。操作パネル19には、シーソー式の電源スイッチ19a
、ランプ類19b、プッシュプッシュ式の操作つまみ19cなどが配設されている。操作
つまみ19cは、プッシュ操作により引き出されることで、誘導加熱コイル13,13や
ラジエントヒータ17への通電による運転を開始できる一方、押し込まれることで、それ
らの運転が停止されるようになっている。また、操作つまみ19cを引き出し位置で回転
操作することで、誘導加熱コイル13,13やラジエントヒータ17による火力や調理時
間、調理温度などの各種設定が行えるようになっている。
【0015】
そして、誘導加熱コイル13,13の手前側の外周に沿う位置には、誘導加熱コイル1
3,13の加熱状態を表示するための加熱状態表示器20,20が設けられている。加熱
状態表示器20,20は、誘導加熱コイル13,13の外周に沿う円弧型の帯状に形成さ
れており、発光によって誘導加熱コイル13,13の加熱状態を視覚的に確認可能とする
ものである。なお、天板12は、表面に石目模様などの印刷を施してあるが、該表面の加
熱状態表示器20,20に対応する箇所には、印刷が施されていない透過窓12a,12
aが設けられている。透過窓12a,12aにより、加熱状態表示器20,20の発光を
天板12の上方から視認可能となっている。加熱状態表示器20,20は、後述するよう
に誘導加熱コイル13,13と一体に取り付けられている。
【0016】
図2は、加熱状態表示器20の全体構成を示す斜視図であり、図3は、加熱状態表示器
20の構成部品を示す分解斜視図である。図2及び図3に示すように、加熱状態表示器2
0は、合成樹脂材の成形品であるケース21と、ケース21内に収容される導光体40と
、ケース21の長手方向の一端21a又は他端21bに取り付けられる光源ユニット(光
源部品)41と、ケース21の長手方向の他端21b又は一端21aに取り付けられる反
射板(反射部材)51とを備えて構成されている。ケース21は、略矩形の断面形状を有
し、誘導加熱コイル13の外周に沿う長尺円弧状であり、その長手方向の略全体に渡って
上面が開口する略矩形の凹部からなる導光体収納部22が設けられている。また、円弧状
のケース21の内側の側壁21cには、該側壁21cの上端から円弧中心に向かって突出
する平板状の固定片23が一体形成されている。固定片23は、ケース21の上面と平行
に延びる略矩形の平板状に形成されている。そして、固定片23には、その下面から下方
に突出する円柱軸状の突起からなる固定ピン(突起部)24が一体形成されている。固定
片23及び固定ピン24は、ケース21の長手方向に沿う複数箇所に設けられており、本
実施形態では、側壁21cの長手方向の両端近傍と中央付近の合計3箇所に設けられてい
る。3箇所の固定ピン24は、互いに等間隔に配列されている。
【0017】
ケース21の導光体収納部22に収納される導光体40は、アクリル樹脂あるいはポリ
カーボネイト樹脂などの透明あるいは半透明の合成樹脂材からなる成型品で、断面が円形
に形成された円柱棒状で、長手方向がケース21の長手方向に沿う円弧形状に形成されて
いる。導光体40は、その長手方向の端面から光を入射させると、入射した光が内部で拡
散することで、側面の略全体が発光するように構成されている。
【0018】
光源ユニット41は、平板状の基板部42と、該基板部42の一面に取り付けたLED
を有してなる発光体43と、該基板部42の他面に取り付けた小型の回路部品44と、該
回路部品44から延びる配線45とを備えて構成されている。基板部42は、その外形が
ケース21の長手方向の断面よりも一回り大きな略矩形状に形成されている。反射板51
は、表面に鏡面加工が施されたステンレス板などで構成されている。反射板51は、その
外形がケース21の長手方向の断面よりも一回り小さい略矩形状に形成されている。
【0019】
ケース21は、長手方向における中央を中心にその両側が互いに対称な形状であり、ケ
ース21の長手方向の一端21aと他端21bにはそれぞれ、光源ユニット取付部25と
反射板取付部31との組が一組ずつ設けられている。
【0020】
光源ユニット取付部25は、ケース21の端面に一体形成した取付板26と、該取付板
26の上端に設けた係合片28と下端に設けた係合片27,27とからなるスナップイン
係合部29とを備えて構成されている。取付板26は、その面がケース21の長手方向に
対して直交して配置され、光源ユニット41の基板部42の外形に沿う略矩形の平板状に
形成されており、面内の中央付近には、導光体収納部22に貫通する開口部26aが形成
されている。開口部26aには、光源ユニット41の発光体43が配置されるようになっ
ている。また、取付板26の上端に設けた係合片28は、取付板26の外面に突出する略
コ字型の突起状に形成されており、取付板26の下端に設けた係合片27,27は、取付
板26の下端の両側からそれぞれ下方に突出する細片状に形成されている。係合片27,
27の先端の外面には、光源ユニット41の基板部42をスナップイン係合させるための
小突起状の爪部27a,27aが一体形成されている。
【0021】
また、反射板取付部31は、光源ユニット取付部25の内側に設けたスリット状の溝部
31aからなる。溝部31aは、導光体収納部22の端部近傍に形成されており、ケース
21の上面から下方に向かって切り込まれている。溝部31aに反射板51を差し込んで
取り付けることができ、これにより、反射板51は、その面が導光体収納部22の長手方
向に直交した状態で、導光体収納部22の端面を覆うように設置される。
【0022】
この加熱状態表示器20では、導光体収納部22に収納された導光体40の一端40a
に発光体43が対向しており、導光体40の他端40bに反射板51が対向している。し
たがって、発光体43の発光により導光体40の一端40aから入射した光と、導光体4
0の他端40bの反射板51で反射した光との両方が導光体40の内部で拡散され、導光
体40の側面の全体が略均一に発光するようになっている。なお、発光体43は、少なく
とも緑・オレンジ・赤の3色での発光が可能となっており、弱火−緑、中火−オレンジ、
強火−赤のように、誘導加熱コイル13の加熱温度(出力)に対応して導光体40の発光
色を切り換えることができる。
【0023】
図4は、誘導加熱コイル13の構成例を示す斜視図であり、図5は、誘導加熱コイル1
3に加熱状態表示器20を取り付けた状態を示す斜視図である。図4に示すように、誘導
加熱コイル13は、コイル受皿15に載置されたコイル本体14を備えている。コイル本
体14は、線状の導電材を同心円状に巻き回して略円盤状に形成されており、コイル受皿
15は、コイル本体14を載置可能な直径を有する略円盤形状に形成された合成樹脂製の
板状部材からなる。コイル受皿15の手前側の端辺15aの近傍には、貫通孔からなる複
数の固定用孔(窪み部)15bが設けられている。固定用孔15bは、加熱状態表示器2
0のケース21に形成した固定ピン24を挿入係合させるもので、固定ピン24の外径よ
りも僅かに大きな内径を有する円筒状の小貫通孔として形成されている。本実施形態の固
定用孔15bは、ケース21に設けた3個の固定ピン24に対応して形成された3個の固
定用孔15bに加えて、該3個の固定用孔15bの両側にそれぞれ設けた各1個の固定用
孔15bを加えた合計5個の固定用孔15bが形成されている。5個の固定用孔15bは
、コイル受皿15の手前側(誘導加熱調理器1の手前側)の外周に沿って互いに等間隔に
配列されている。
【0024】
図5に示すように、加熱状態表示器20は、コイル受皿15の手前側の端辺15aに沿
って該端辺15aとの間に若干の間隔を有した状態で固定される。コイル受皿15への加
熱状態表示器20の固定は、ケース21の固定ピン24とコイル受皿15の固定用孔15
bとの係合で行なわれる。すなわち、ケース21の固定ピン24を5個の固定用孔15b
のうち隣り合ういずれか3個の固定用孔15bに上方から挿通し、コイル受皿15の下面
側に突出する各固定ピン24の先端を熱カシメなどで潰すことで、各固定ピン24が各固
定用孔15bに固着されて、加熱状態表示器20がコイル受皿15に取り付けられる。
【0025】
そして、本実施形態の誘導加熱調理器1では、コイル受皿15に設けた固定用孔15b
の配列数の方が、ケース21に設けた固定ピン24の配列数よりも多くなっている。これ
により、ケース21の固定ピン24とコイル受皿15の固定用孔15bとの相対的な係合
位置をコイル受皿15の外周方向に沿う複数箇所で選択できるように構成されている。具
体的には、本実施形態では、固定用孔15bは5個が配列されているのに対して、固定ピ
ン24は3個が配列されている。したがって、固定用孔15bに対する固定ピン24の固
定箇所を3通りの中から選択することができ、加熱状態表示器20の固定位置をコイル受
皿15の外周方向に沿う3箇所の位置から選択できるようになっている。
【0026】
したがって、誘導加熱調理器1の本体部11に取り付けるコイル受皿15の設置角度(
中心に対する回転方向の向き)が異なる場合でも、加熱状態表示器20を常に誘導加熱調
理器1の正面に位置合わせした状態で取り付けることが可能となる。したがって、コイル
受皿15の取付角度やコイル受皿15の周辺の部品配置が互いに異なる複数機種の誘導加
熱調理器1で同一構成のコイル受皿15を共用することが可能となるので、誘導加熱調理
器1のコストダウンを図ることができる。
【0027】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく
、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変
形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であって
も、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば
、上記実施形態では、ケース21の固定ピン24を3個とし、コイル受皿15の固定用孔
15bを5個とした場合を説明したが、固定ピン24及び固定用孔15bの数は、これ以
外の数とすることも可能である。すなわち、固定ピン24の数と固定用孔15bの数は、
いずれか一方が他方よりも多ければ、具体的な数は上記実施形態に示すものには限定され
ない。また、固定ピン24及び固定用孔15bの具体的な形状は、円柱軸と円筒の組み合
わせ以外の形状であってもよく、例えば、角柱軸と角筒の組み合わせであってもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、加熱状態表示器20のケース21に突起状の固定ピン24を
設け、誘導加熱コイル13のコイル受皿15に固定用孔15bを設けた場合を説明したが
、これとは逆に、図示は省略するが、誘導加熱コイル13のコイル受皿15側に突起状の
固定ピンを設け、加熱状態表示器20のケース21側に固定ピンを挿入して係合させる窪
み状の固定用孔を設けてもよい。さらにいえば、本発明で加熱状態表示器のケースに設け
る突起部又は窪み部、及び誘導加熱コイルのコイル受皿に設ける窪み部又は突起部は、加
熱状態表示器のケースを誘導加熱コイルのコイル受皿に対して固定できるものであれば、
上記実施形態に示す固定ピンと固定用孔との組み合わせ以外にも、他の形状の突起部と窪
み部との組み合わせであってもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、加熱状態表示器20の光源としてLEDを有する発光体43
を用いた場合を説明したが、光源はこれに限定されることなく、他にも蛍光ランプ、ハロ
ゲンランプなどを用いてもよい。また、上記実施形態で示した加熱状態表示器20を構成
するケース21、導光体40、光源ユニット41、反射板51の具体的な形状や構成はい
ずれも一例であり、他の形状や構成を採用することも可能である。したがって、例えば、
導光体40は角柱状など円柱棒状以外の形状としても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 誘導加熱調理器
11 本体部
12 天板
12a 透過窓
13 誘導加熱コイル
14 コイル本体
15 コイル受皿
15b 固定用孔(窪み部)
20 加熱状態表示器
21 ケース
22 導光体収納部
23 固定片
24 固定ピン(突起部)
25 光源ユニット取付部
31 反射板取付部
40 導光体
41 光源ユニット(光源部材)
51 反射板(反射部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器を載置する天板と、該天板の下方に配設した誘導加熱コイルと、前記誘導加熱
コイルによる加熱状態を表示するための加熱状態表示器と、を備えた誘導加熱調理器であ
って、
前記加熱状態表示器は、前記誘導加熱コイルの側部に設置された長尺状のケースと、該
ケースの長手方向に沿って収容された長尺状の導光体と、前記導光体の長手方向の一端に
対向するように前記ケースに取り付けられた光源部品と、を備え、
前記ケースは、前記誘導加熱コイルが備える略円盤状のコイル受皿に固定されており、
前記ケースを前記コイル受皿に固定する固定構造は、前記ケースの長手方向に沿って配列
形成した一又は複数の突起部又は窪み部と、前記コイル受皿の外周に沿って配列形成した
前記ケースの突起部又は窪み部を係合させる一又は複数の窪み部又は突起部と、で構成さ
れており、
前記コイル受皿の窪み部又は突起部の配列数と、前記ケースの突起部又は窪み部の配列
数は、いずれか一方が他方よりも多くなっており、前記ケースと前記コイル受皿との相対
的な係合位置を前記コイル受皿の外周方向に沿う複数箇所で選択できるように構成した
ことを特徴とする誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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