説明

語意認識機能付き食品製造装置

【課題】語意認識機能付き食品製造装置の提供。
【解決手段】本語意認識機能付き食品製造装置は、語意認識モジュールと食品製造モジュールを包含し、該語意認識モジュールは音声信号を受信し、並びに該音声信号が包含する情緒を認識し、該食品製造モジュールは音声認識の結果に基づき、対応する味の食品を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は語意認識機能付き食品製造装置に係り、特に、使用者の音声信号を判断して対応する味の食品を製造することができる製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
語意或いは音声認識システムはすでに広く各種の異なる技術領域、たとえば電話音声システム、入力装置、メディアインタラクティブ装置等に応用されている。
【0003】
周知の技術に関しては、例えば特許文献1には、音声信号を受信し並びに音声信号に対応する出力語句を出力する、一種の多種言語を識別可能な音声認識システムが提供され、これによりサービスセンターの電話音声システムの適用グループを改善している。
【0004】
特許文献2は、音声の情報を受信反映して、受信情報の少なくとも一つの粗分類を決定し、決定した粗分類に基づいて受信情報を分類し、受信情報の分類に基づき、一つのモデルを選択し、並びに選択したモデルと受信情報を使用して音声識別し、これにより嵌合訓練隠れマルコフモデルが混合訓練同様に非マッチングチャネル環境で音声認識できない欠点を改善する。
【0005】
また、特許文献3は、マイクロホンで音声信号をアナログ式レベル信号に変換し、並びに増幅器で増幅し、さらにアナログデジタル変換器でアナログ音声信号をシリアルデジタル信号に変換し、並びにこのシリアルデジタル信号をパラレルデジタル信号に変換し、デジタルプロセッサでパラレルデジタル信号を前処理し、特徴点を抽出し及び音声端点を検出し、並びにマルチレベル固定点線性予測係数を取得し、訓練過程中にこのマルチレベル固定点線性予測係数を参考サンプルとして保存し、認識過程でこのマルチレベル固定点線性予測係数を対称法で修正したダイナミック規格対比法で参考サンプルと比較し、認識結果を得て出力する。
【0006】
また、特許文献4は、領域と無関係で特定語意を表現する情緒規則データベース構築プログラムと情緒分類モジュールを包含する。それは情緒心理学中で情緒を誘発する基本因子への帰納により、並びに語意ラベルを中心とし、データサーチの自動規則生成ルールを運用し、語句化をベクトル空間とし並びに情緒分類モジュールを訓練して語句表現の情緒を分類し、この文献は既存のマンマシンコミュニケーションインタフェースに情緒コミュニケーション次元を増し、使用者の情緒反応の探知により、その他のコミュニケーションインタフェース上の不足を補助し、同時にコンピュータシステムが常用する強化反応インタフェースの代わりとし、さらに自然なコミュニケーション設計が行える。
【0007】
また、特許文献5には音声認識、音色、及び発音情緒判断処理を同時に行う方法とシステムが記載されている。
【0008】
このほか、周知の米国特許文献には、少なからぬ語意情緒判断関係の技術手段があり、例えば脈拍検出、心拍数及び呼吸回数などの人体情緒反応の判断が、嘘発見器に応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】台湾特許公告第517221号明細書
【特許文献2】台湾特許公告第574684号明細書
【特許文献3】台湾特許公告第219993号明細書
【特許文献4】台湾特許公告第I269192明細書
【特許文献5】台湾特許公告第508564号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、周知の特許或いは現在市販されている各種の消費性製品中、語意或いは音声認識機能を食品製造設備に実施して、使用者と音声を通じてインタラクティブとし、これにより対応する食品を獲得する技術手段はみられない。
【0011】
周知の技術の欠点を鑑み、本発明は一種の語意認識機能付き食品製造装置を提供することを目的とし、それは使用者の音声信号を判断して対応する味の食品を製造できるものとする。
【0012】
以上の目的を達成するため、本発明は一種の語意認識機能付き食品製造装置を提供し、それは、語意認識モジュールと食品製造モジュールを包含し、該語意認識モジュールは音声信号を受信し、並びに該音声信号が包含する情緒を認識し、該食品製造モジュールは音声認識の結果に基づき、対応する味の食品を製造する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、語意認識機能付き食品製造装置において、
音声信号を受信し、並びに該音声信号が包含する情緒を認識する語意認識モジュールと、
該語意認識モジュールによる音声認識の結果に基づき、対応する味の食品を製造する食品製造モジュールと、
を包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールが製造する味は、甘み、酸味、苦み、辛味、清涼味のいずれか或いはその任意の組合せとされることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該音声信号を受信し、並びに該音声信号に包含される語句内容を認識する音声認識モジュールをさらに包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項4の発明は、請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールは該語句内容の認識の結果に基づき、対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項5の発明は、請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該音声認識モジュールの認識する語句内容は文字及び字数を包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項6の発明は、請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールは、
少なくとも一種類の食品を供給する食品供給ユニットと、
該食品供給ユニットの提供した食品上に少なくとも一つの文字を成形する文字成形ユニットと、
を包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項7の発明は、請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはスタンピング装置とされ、該スタンピング装置は、食品表面にスタンピングにより食品表面と異なる高さを有する文字を成形することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項8の発明は、請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは彫刻装置とされ、該彫刻装置は食品表面に文字を彫刻することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項9の発明は、請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはドローイング装置とされ、該ドローイング装置は食品表面に文字をドローイングすることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項10の発明は、請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは食品を文字形状に成形することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項11の発明は、請求項10記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは彫刻装置とされ、該彫刻装置は食品を文字形状に彫刻することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項12の発明は、請求項10記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはドローイング装置とされ、該ドローイング装置は文字形状の食品を絞り出して形成することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項13の発明は、請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはマーク或いは符号或いは幾何パターンも成形できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項14の発明は、請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールの製造する食品の味、食品種類及び食品数量を表示するための表示装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項15の発明は、請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が食品の味、食品種類及び食品数量を入力するための入力装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項16の発明は、請求項15記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は該表示装置と結合されてタッチスクリーンとされたことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項17の発明は、請求項15記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する味、種類及び数量の食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項18の発明は、請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は該音声認識モジュールが認識した語句を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項19の発明は、請求項18記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は字体、文字サイズ、文字色及び文字配列方式を包含する文字内容を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項20の発明は、請求項18記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が語句を入力するための入力装置をさらに包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項21の発明は、請求項20記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は該表示装置と結合されてタッチスクリーンとされたことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項22の発明は、請求項20記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項23の発明は、請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は製造する食品のシミュレート外観映像を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項24の発明は、請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が食品の味を入力するための入力装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項25の発明は、請求項24記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は食品の種類と食品の数量も入力できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項26の発明は、請求項24記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項27の発明は、請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、少なくとも一種類の字形、少なくとも一種類の文字サイズ、少なくとも一種類の文字色を保存するデータベースをさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
請求項28の発明は、請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールの製造する食品がチョコレート、キャンディー、飲料、ケーキ或いはクッキーであることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の提供する語意認識機能付き食品製造装置は、使用者の音声信号を判断して対応する味或いは文字を有する食品を製造できる。強調すべきことは、一般の食品自動販売機は販売者が決めた商品しか販売できないが、本発明は使用者の情緒に基づき対応する味の食品を販売でき、並びに使用者の要求に基づき異なる文字を有し、すなわち異なる外観の食品を製造でき、使用者はインタラクティブ方式での食品購入が行え、消費の楽しさと意欲を高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例の構造表示図である。
【図2】本発明の第2実施例の構造表示図である。
【図3A】本発明により製造される異なる食品態様表示図である。
【図3B】本発明により製造される異なる食品態様表示図である。
【図3C】本発明により製造される異なる食品態様表示図である。
【図3D】本発明により製造される異なる食品態様表示図である。
【図4】本発明の第3実施例の構造表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して本発明が目的を達成するために使用する技術手段及び作用効果について描写する。以下の図面に列挙された実施例は説明を補助し、理解を助けるためものであり、本発明の技術手段は列挙された図面に限定されない。
【0017】
図1には本発明の第1実施例の構造が示される。本発明の提供する語意認識機能付き食品製造装置10は、語意認識モジュール11と食品製造モジュール12を包含し、該食品製造モジュール12は食品供給ユニット121を包含し、該食品供給ユニット121より少なくとも一種類の食品、例えば、チョコレート、キャンディー、ケーキ、クッキー、飲料等を供給する。該語意認識モジュール11は音声信号を受信し、並びに該音声信号が包含する情緒を認識し、その認識方法には多種類があり、音量の高低、音声速度、音色による。或いは使用者の脈拍、心拍数及び呼吸回数等の人体情緒反応を判断する。該語意認識モジュール11設置の作用は、使用者の当時の情緒に基づき、該食品製造モジュール12により対応する味、例えば甘み、酸味、苦み、辛味、清涼味のいずれか或いはその任意の組合せの味の食品を製造することにある。
【0018】
チョコレートを例とすると、使用者の心情が愉快で且つ感情が充満していれば、該食品製造装置10に対して、「アイラブユー」「エルオーブイイー」「好き」等、英語、日本語、中国語或いは任意の言語或いは一文字ずつの綴りを発音するか、全体の語句を話しかける。声の調子が軽く柔らかで感情を帯びているため、該語意認識モジュール11は使用者が心情が愉快である状態を認識し、該食品供給ユニット121を制御してスウィートチョコレートを該食品製造装置10より送出する。使用者の機嫌が悪いときは、該食品製造装置10に向かって、「嫌い」「アイヘイトユー」「エイチエイティーイー」等、英語、日本語、中国語或いは任意の言語或いは一文字ずつの綴りを発音するか、全体の語句を話しかける。声の調子が硬く無感情であるため、該語意認識モジュール11は使用者が心情が悪い状態にあることを認識し、該食品供給ユニット121を制御して苦い或いは味のないチョコレートを該食品製造装置10より送出する。こうして、使用者は異なる情緒状態にあるときに、異なる語句を話しかけることで、異なる味の食品、例えば、チョコレート、キャンディー、ケーキ、クッキー、飲料等を獲得できる。
【0019】
図2は本発明の第2実施例の構造図である。該食品製造装置20は、語意認識モジュール21、音声認識モジュール22及び食品製造モジュール23を包含する。該食品製造モジュール23は食品供給ユニット231及び文字成形ユニット232を供給する。該語意認識モジュール21の作用及びその達成できる作用効果は図1の実施例中の語意認識モジュール11と同じであるため、説明は省略する。本実施例の異なる点は、音声認識モジュール22が設けられ、且つ該食品製造モジュール23が食品供給ユニット231と文字成形ユニット232を包含することにある。該音声認識モジュール22は音声信号を受信し、並びに該音声信号は文字、語、或いは句などの字句内容を包含し、該食品供給ユニット231は少なくとも一種類の食品を提供し、さらに該文字成形ユニット232が該食品供給ユニット231の供給した食品に少なくとも一つの文字を成形する。該文字成形ユニット232の文字成形の方式には多種類があり、該文字成形ユニット232はスタンピング装置、例えば文字型とされ得て、該スタンピング装置は食品表面に該食品表面とは異なる高さの文字を形成し、例えば成形する文字が食品表面より凹んで表示される。このほか、該文字成形ユニット232はカッタ等の彫刻装置とされ、食品表面に彫刻により文字を成形するか、或いは食品を切削して文字形状となす。さらに、該文字成形ユニット232はドローイング装置とされ得て、文字を食品表面に描くことができ、例えば、バター絞り用口金等の工具で、チョコレート、シュガーペースト、バター等の原料を食品上に絞り出して成形し、さらに、乾燥装置で絞り出した軟質チョコレート、シュガーペースト、バターを急速凝固させて食品と結合させる。また、ドローイング装置は、直接にチョコレート、シュガーペースト、バターを文字形に絞り出してもよい。該文字成形ユニット232内に字体、文字サイズ等の文字関係データが保存されるか、或いは該関係データは独立設置されたデータベース中に保存されてもよい。
【0020】
上述の本発明の提供する食品製造装置20は、その製造できる文字を有する食品形態は異なる表現方式を有し、図3Aに示される実施例では、チョコレート60A上に字形61Aが描かれている。図3Bに示される実施例では、チョコレート60B上に字形61Bが彫刻されている。図3Cに示される実施例では、チョコレート60C上に突出する字形61Cが形成されている。この突出する字形61Cは彫刻方式で形成されても、或いは、流体チョコレート或いはキャンディー原料などで字形に形成され、字形硬化後にチョコレートと連結され一体とされてもよい。或いは図3Dに示される実施例のように、直接チョコレート60Dで文字の外形が形成されてもよく、これは彫刻方式で形成されてもよく、或いは流体チョコレートで文字を描いて硬化後に食品製造装置10より送出してもよく、その成形する字形は、一つずつ分けても(図3D)、或いは一部を接続して一つの全体としてもよい。
【0021】
図2の実施例によると、使用者が楽しい気分の時、本発明の提供する食品製造装置20に向けて「エルオーブイイー」(L,O,V,E)と発音する時、その声調は柔らかく感情的であり、語意認識モジュール21は使用者が心情が楽しい状態にあることを認識し、且つ該音声認識モジュール22は使用者が発した音声信号を受信し、並びに「L,O,V,E」の四つの文字を認識し、食品供給ユニット231を制御してスウィートチョコレートを該文字成形ユニット232に供給させた後、該文字成形ユニット232により「L,O,V,E」の四つの文字をチョコレート表面に成形させるか或いは文字形状を有するチョコレートを成形させ、さらに食品製造装置20より送出する。使用者が厭な気分で、本発明の食品製造装置20に対して「エイチエーティーイー」(H,A,T,E)のと発音する時、その声調は硬く無感情であり、語意認識モジュール21は使用者が心情が悪い状態にあることを認識し、且つ該音声認識モジュール22は使用者が発した音声信号を受信し、並びに「H,A,T,E」の四つの文字を認識し、食品供給ユニット231を制御して苦い或いは甘みのないチョコレートを該文字成形ユニット232に供給させた後、該文字成形ユニット232により「H,A,T,E」の四つの文字をチョコレート表面に成形させるか或いは文字形状を有するチョコレートを成形させ、さらに食品製造装置20より送出する。
【0022】
以上から類推されるように、異なる使用者が異なる情緒状態の時に異なる語句を発音する時、異なる文字或いは異なる味の食品を獲得できる。同様に、英文字のほか、本発明の食品製造装置20は日本語も認識でき、例えば、使用者がこの食品製造装置20に向けて日本語で「嫌い」と本発明の食品製造装置20に対して発音する時、その声調は硬く無感情であり、語意認識モジュール21は使用者が心情が悪い状態にあることを認識し、且つ該音声認識モジュール22は使用者が発した音声信号を受信し、並びに「嫌い」の二つの文字を認識し、食品供給ユニット231を制御して苦い或いは甘みのないチョコレートを該文字成形ユニット232に供給させた後、該文字成形ユニット232により「嫌い」の二つの文字をチョコレート表面に印刷成形させるか或いは文字形状を有する苦い或いは甘みのないチョコレートを成形させ、さらに食品製造装置20より送出する。使用者は表面に「嫌い」の二つの文字が印刷された苦い或いは甘みのないチョコレートを得ることができる。これから類推されるように、異なる使用者が異なる情緒状態で異なる語句を発音する時、異なる文字及び異なる味を有する食品を獲得できる。説明しておくべきことは、該語意認識モジュール21及び該音声認識モジュール22の認識順序は制限を設けても或いは同時進行してもよいことである。このほか、異なる情緒に合わせるために、文字のほかに、別にマーク、符号或いは幾何パターンを組み合わせてもよく、該符号或いは幾何パターンは、字体、文字サイズ、文字色及び文字配列方式等の文字関連データと共に該文字成形ユニット232に保存されるか、或いは独立設置されたデータベースに保存され得る。
【0023】
上述の使用者が個別に文字を発音する実施例のほか、本発明の該音声認識モジュール22はまた、語句認識の機能も有する。例えば、使用者が「I LOVE YOU」の語句を発音すると、該音声認識モジュール22は正確にこの語句中の、「I」、「LOVE」、「YOU」の英語の三つの語を正確に認識し、これはすなわち、8個の英文字に相当する。該食品供給ユニット231は1塊のチョコレートを該文字成形ユニット232に供給し、該文字成形ユニット232は「I」、「LOVE」、「YOU」の三つの語をチョコレート表面に、スタンピング、彫刻或いはドローイングの方式で形成するか、或いは文字形状のチョコレートを形成し、さらに該食品製造装置20より送出し、使用者は表面に「I LOVE YOU」の語句を成形されるか或いは字体外形のチョコレートを得ることができる。
【0024】
図4は本発明の具体的実施例の構造図である。該食品製造装置30は、機台31を包含し、該機台31にマイクロホン32、表示装置33、入力装置34及び出口35が設けられている。該表示装置33はスクリーンとされ、該入力装置34は電気的に該食品製造モジュールに接続され、実体キーボードとされるか、或いは表示装置33と一体とされたタッチスクリーンとされ得る。該機台31内に語意認識モジュール36、音声認識モジュール37、及び食品製造モジュール38が設けられる。該食品製造モジュール38は食品供給ユニット381と文字成形ユニット382を包含する。使用者が機台31の前で、マイクロホン32に向かって柔らかい調子で「好き」と話しかけると、マイクロホン32は音声信号を受け取り、並びに信号を該語意認識モジュール36及び音声認識モジュール37に伝送して、該語意認識モジュール36及び音声認識モジュール37が語意と音声認識を行い、その後、該表示装置33が該語意認識モジュール36及び音声認識モジュール37による語意と音声認識の結果を表示し、図示されるように、該表示装置33は食品表面に成形される字体、食品種類、味レベル及び数量等を表示するほか、文字サイズ、文字色及び文字配列内容などの語句内容を表示することもでき、また、該表示装置33が製造される食品のシミュレート外観映像を表示できるよう設定してもよい。
【0025】
該表示装置33の表示する語句内容、味などの食品情報が正確である時、使用者は該入力装置34を通して確認でき、さらに該食品製造モジュール38により食品を製造し並びに該出口35に送り出すことができ、こうして使用者は一つの「好き」の二つの日本語文字を有するスウィートチョコレート60Eを得ることができる。もし、該表示装置33の表示する食品情報が不正確であれば、使用者は該入力装置34により修正でき、例えば使用者の音量不足、発音不正確などの問題で、語意認識モジュール36が使用者の情緒を誤って評価し食品の味が間違いとなった時、或いは音声認識モジュール37の認識エラーにより、語句内容が使用者の必要なものでないものとなった場合である。このほか、使用者が食品情報を修正できるようにするため、選択項目、例えば、食品数量、文字配列方式或いは食品サイズ、形状などを増加してもよく、これにより、使用者が実際の必要に応じて自分で食品種類、食表面に成形する語句内容、食品の味、及び食品数量の内容を修正できる。さらに食品製造モジュール38が修正された内容に応じて食品を製造し送り出す。
【0026】
このほか、使用者は直接該入力装置34で必要な語句内容、字体、味及び数量を自分で修正或いは設計でき、並びに該表示装置33で食品情報を表示することができる。もしさらに修正が必要であれば、さらに該入力装置34で使用者が満足できるまで修正でき、さらに食品製造モジュール38で食品を製造し並びに送出する。このようにして使用者に異なる製造方式を提供し、マンマシンインタファクティビティーを高めることができる。
【0027】
総合すると、本発明の提供する語意認識機能付き食品製造装置は、使用者の音声信号を判断して対応する味或いは文字を有する食品を製造できる。強調すべきことは、一般の食品自動販売機は販売者が決めた商品しか販売できないが、本発明は使用者の情緒に基づき対応する味の食品を販売でき、並びに使用者の要求に基づき異なる文字を有し、すなわち異なる外観の食品を製造でき、使用者はインタラクティブ方式での食品購入が行え、消費の楽しさと意欲を高める。
【0028】
以上の実施例は本発明の実施例の説明にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に基づきなし得る均等の変化及び修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲のカバーする範囲内に属することをここに申し述べる。
【符号の説明】
【0029】
10、20、30 食品製造装置
11、21 語意認識モジュール
12、23 食品製造モジュール
121、231 食品供給ユニット
232 文字成形ユニット
22 音声認識モジュール
31 機台
32 マイクロホン
33 表示装置
34 入力装置
35 出口
36 語意認識モジュール
37 音声認識モジュール
38 食品製造モジュール
381 食品供給ユニット
382 文字成形ユニット
60A、60B、60C、60D チョコレート
61A、61B、61C 字形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
語意認識機能付き食品製造装置において、
音声信号を受信し、並びに該音声信号が包含する情緒を認識する語意認識モジュールと、
該語意認識モジュールによる音声認識の結果に基づき、対応する味の食品を製造する食品製造モジュールと、
を包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールが製造する味は、甘み、酸味、苦み、辛味、清涼味のいずれか或いはその任意の組合せとされることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項3】
請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該音声信号を受信し、並びに該音声信号に包含される語句内容を認識する音声認識モジュールをさらに包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項4】
請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールは該語句内容の認識の結果に基づき、対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項5】
請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該音声認識モジュールの認識する語句内容は文字及び字数を包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項6】
請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールは、
少なくとも一種類の食品を供給する食品供給ユニットと、
該食品供給ユニットの提供した食品上に少なくとも一つの文字を成形する文字成形ユニットと、
を包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項7】
請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはスタンピング装置とされ、該スタンピング装置は、食品表面にスタンピングにより食品表面と異なる高さを有する文字を成形することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項8】
請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは彫刻装置とされ、該彫刻装置は食品表面に文字を彫刻することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項9】
請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはドローイング装置とされ、該ドローイング装置は食品表面に文字をドローイングすることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項10】
請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは食品を文字形状に成形することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項11】
請求項10記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットは彫刻装置とされ、該彫刻装置は食品を文字形状に彫刻することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項12】
請求項10記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはドローイング装置とされ、該ドローイング装置は文字形状の食品を絞り出して形成することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項13】
請求項6記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該文字成形ユニットはマーク或いは符号或いは幾何パターンも成形できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項14】
請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールの製造する食品の味、食品種類及び食品数量を表示するための表示装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項15】
請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が食品の味、食品種類及び食品数量を入力するための入力装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項16】
請求項15記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は該表示装置と結合されてタッチスクリーンとされたことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項17】
請求項15記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する味、種類及び数量の食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項18】
請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は該音声認識モジュールが認識した語句を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項19】
請求項18記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は字体、文字サイズ、文字色及び文字配列方式を包含する文字内容を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項20】
請求項18記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が語句を入力するための入力装置をさらに包含したことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項21】
請求項20記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は該表示装置と結合されてタッチスクリーンとされたことを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項22】
請求項20記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項23】
請求項14記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該表示装置は製造する食品のシミュレート外観映像を表示できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項24】
請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、使用者が食品の味を入力するための入力装置をさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項25】
請求項24記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は食品の種類と食品の数量も入力できることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項26】
請求項24記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該入力装置は電気的に該食品製造モジュールに接続され、該食品製造モジュールは使用者が入力した入力情報に基づき対応する文字を有する食品を製造することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項27】
請求項3記載の語意認識機能付き食品製造装置において、少なくとも一種類の字形、少なくとも一種類の文字サイズ、少なくとも一種類の文字色を保存するデータベースをさらに包含することを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。
【請求項28】
請求項1記載の語意認識機能付き食品製造装置において、該食品製造モジュールの製造する食品がチョコレート、キャンディー、飲料、ケーキ或いはクッキーであることを特徴とする、語意認識機能付き食品製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−130762(P2011−130762A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117268(P2010−117268)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】