説明

読取装置

【課題】 極めて容易にバーコードなどのを読み取らせて作業者の作業負担を大幅に低減させて作業処理能力を向上させ、しかも、読み取りミスを確実になくして情報集積による商品管理並びに検品を極めて正確に行う。
【解決手段】 強化ガラスなどの透光性を有する上面板4に、バーコードが付された複数の化粧品Sがそれぞれ配置される複数の配置部7を有する商品配置領域Aを設ける。商品配置領域Aの各配置部7に配置された複数の化粧品Sのバーコードを読み取るスキャナ13を上面板4の下方に設ける。スキャナ13によって読み取った複数の化粧品Sのバーコードの情報を商品配置領域Aの各配置部7に対応させて表示するモニタ14を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品などの物品に付したバーコードなどの情報を読み取る読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧品などの商品には、バーコードが付されており、このバーコードの情報を読み取ることにより、商品管理を行っている。商品のバーコードを読み取る読取装置としては、作業者が把持可能なハンディスキャナを用い、このハンディスキャナを商品のバーコードへあてがうものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−4779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハンディスキャナを用いたバーコードの読み取りは、作業者が商品を一つずつ把持し、商品のバーコード部分にハンディスキャナの読み取り部を突き合わせることにより行うが、読み取り部を正確にバーコードに合わせないと読み取りエラーが生じ、確実に読み取ることができない。
したがって、ハンディスキャナによるバーコードの読み取りは、作業者への負担が大きく作業処理能力が低いだけでなく、人為的な読み取りミスが生じ易く、情報集積による商品管理並びに検品が正確に行われない場合がある。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、極めて容易にバーコードなどの情報を読み取らせて作業者の作業負担を大幅に低減させて作業処理能力を向上させることができ、しかも、読み取りミスを確実になくし、情報集積による商品管理並びに検品を極めて正確に行うことが可能な読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の読取装置は、複数の物品がそれぞれ配置される複数の配置部を有する商品配置領域が設けられ、該商品配置領域の各配置部に配置された複数の物品にそれぞれ付された情報を読み取るスキャナが設けられ、前記スキャナによって読み取った複数の物品の情報を前記商品配置領域の各配置部に対応させて表示するモニタが設けられたことを特徴とする。
【0007】
また、前記スキャナは、前記商品配置領域の配置部に配置された物品の情報を移動して読み取り、前記商品配置領域の配置部が升目状に形成され、これら配置部の升目の一列に沿って複数の前記スキャナが配列され、これら配列されたスキャナが前記商品配置領域の一端側から他端側へ移動することにより、各升目に配置された前記物品の情報を一列毎に読み取るものでも良い。
【0008】
また、前記スキャナは、前記商品配置領域すべての配置部に対応してそれぞれ設けられ、これらスキャナが前記配置部の物品の情報をそれぞれ読み取るものでも良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の読取装置によれば、複数の物品を商品配置領域の配置部に載置するだけで、極めて容易にそれぞれの物品に付された情報をスキャナによって読み取らせることができ、作業者の作業負担を大幅に低減させて作業処理能力を向上させることができる。
また、読み取りエラーが生じた場合は、モニタを目視し、読み取りエラーの物品の情報を改めて読み取らせるので、読み取りミスを確実になくし、情報集積による商品管理並びに検品を極めて正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る読取装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る読取装置の構成を説明する概略側断面図、図2は、読取装置の構成を説明する概略平面図、図3は、読取装置の構成及び機能を説明するブロック図、図4は、読取装置のモニタを説明する説明図である。
なお、本実施形態では、取り扱う物品として、化粧品を例にとって説明する。
【0011】
図に示すように、この読取装置1は、底面にキャスタ2が設けられて移動可能とされたケーシング3を備えている。このケーシング3は、例えば、強化ガラスなどの透光性を有する材料から形成された上面板4を有しており、この上面板4上には、一端側に未読取商品用ボックス5が載置され、他端に読取完了商品用ボックス6が載置されている。なお、これらボックス5、6としては、折り畳みコンテナなどを用いるのが好適である。
【0012】
また、この読取装置1の上面板4には、その中央部分に、升目状に形成された複数の配置部7が描かれた商品配置領域Aが設けられている。
そして、この商品配置領域Aの各配置部7に、商品である化粧品Sが載置可能とされている。
ケーシング3の内部には、読取部11が設けられている。この読取部11は、商品配置領域Aの幅方向に沿って配置されており、移動機構であるサーボアクチュエータ12によって商品配置領域Aの長手方向に沿って移動可能とされている。
【0013】
読取部11は、商品配置領域Aの配置部7の列に対応する数のバーコードスキャナ13から構成されたもので、これらバーコードスキャナ13が、上面板4へ向けて配置されている。
そして、この読取部11がサーボアクチュエータ12によって商品配置領域Aの長手方向へ沿って移動されることにより、各バーコードスキャナ13が、商品配置領域Aの配置部7の長手方向の升目の配列方向に沿って移動する。
【0014】
また、この読取装置1は、タッチパネルを有するモニタ14を備えており、このモニタ14に各種の表示がされる。
さらに、この読取装置1は、ハンディスキャナ15を備えており、このハンディスキャナ15によって作業者による化粧品Sのバーコードの読み取りが可能とされている。
【0015】
次に、上記読取装置1の構成及び機能について、図3に示すブロック図によってさらに詳述する。
図3に示すように、読取装置1は、コントローラ21を備えている。このコントローラ21には、サーボアクチュエータ12が接続されており、サーボアクチュエータ12がコントローラ21によって制御され、バーコードスキャナ13の移動が制御される。
【0016】
また、このコントローラ21には、各バーコードスキャナ13及びハンディスキャナ15が接続されており、これらバーコードスキャナ13及びハンディスキャナ15からのバーコードの読み取り信号が、コントローラ21へ送信される。
さらに、このコントローラ21には、モニタ14が接続され、コントローラ21からの表示信号に基づいて、モニタ14にて各種の表示がされる。
【0017】
ここで、このモニタ14には、コントローラ21からの表示信号に基づいて、図4に示すように、商品配置領域Aの各配置部7に対応した升目状の表示部22が表示され、さらに、これら表示部22内に、商品配置領域Aの配置部7に配置した化粧品Sのバーコードから読み取ったデータ等が表示される。
【0018】
また、このモニタ14には、読み取り開始表示部23及び読み取り完了表示部24が表示されており、これら読み取り開始表示部23及び読み取り完了表示部24を作業者が指で触れることにより、コントローラ21へ読み取り開始信号及び読み取り完了信号がそれぞれ送信される。
そして、コントローラ21は、既存の検品システム25と接続可能とされており、このコントローラ21と検品システム25との間にて、各種データのやりとりが可能とされている。
【0019】
次に、上記の読取装置1を用い、オーダー出荷用の化粧品Sのバーコードの読み取り作業を行う場合について説明する。
まず、作業者は、未読取商品用ボックス5から出荷する化粧品Sを取り出し、この化粧品Sを、バーコードが付された面を下にして商品配置領域Aの配置部7内に配置させる。
【0020】
出荷する化粧品Sを配置部7に配置させたら、モニタ14の読み取り開始表示部23を押す。
このようにすると、モニタ14から読み取り開始の信号がコントローラ21へ送信され、コントローラ21がサーボアクチュエータ12に制御信号が出力され、サーボアクチュエータ12によって読取部11が商品配置領域Aの長手方向に沿って移動される。
【0021】
これにより、商品配置領域Aの幅方向に配列された各バーコードスキャナ13は、商品配置領域Aの長手方向に沿って移動しながら、各配置部7に配置された化粧品Sのバーコードを一列毎に読み取り、この読み取り信号がコントローラ21へ送信される。
コントローラ21は、バーコードスキャナ13からの読み取り信号に基づいて、その読み取り情報をモニタ14に送信する。
これにより、モニタ14の表示部22には、化粧品Sのバーコードのデータ及び各配置部7のアドレス番号などが表示される。
【0022】
ここで、化粧品Sが配置されなかった商品配置領域Aの配置部7に対応した表示部22には、例えば、「×」印を表示し、化粧品Sがないことを作業者に知らせる。
また、バーコードスキャナ13によるバーコードの読み取りエラーを生じた場合は、その配置部7のアドレス番号に対応する表示部22に、例えば、読み取りがキャンセルされたことを示す赤色の「CAN」を点滅表示させる。
【0023】
その後、作業者は、キャンセル表示された表示部22のアドレス番号に対応した配置部7の読み取りエラーの化粧品Sのバーコードをハンディスキャナ15によって読み取らせる。
なお、作業者は、モニタ14の読み取り開始表示部23を再度押下し、読取部11のバーコードスキャナ13によって読み取りエラーの化粧品Sのバーコードを読み取らせても良い。
【0024】
全ての化粧品Sのバーコードを読み取らせたら、モニタ14の読み取り完了表示部24を押す。
このようにすると、コントローラ21にて読み取ったバーコードの商品データの確定が行われ、商品データが検品システム25へ送信される。
その後、作業者は、商品配置領域Aの化粧品Sを読取完了商品用ボックス6へ投入する。
【0025】
以上、説明したように、上記実施形態に係る読取装置1によれば、バーコードが付された複数の化粧品Sを商品配置領域Aの配置部7に載置するだけで、極めて容易にそれぞれの化粧品Sのバーコードをバーコードスキャナ13によって読み取らせることができ、作業者の作業負担を大幅に低減させて作業処理能力を向上させることができる。
また、読み取りエラーが生じた場合は、モニタ14を目視し、読み取りエラーの化粧品Sのバーコードを改めて読み取らせるので、読み取りミスを確実になくし、情報集積による商品管理並びに検品を極めて正確に行うことができる。
【0026】
なお、読取部11としては、上記実施形態に係るものに限らず、例えば、一つのバーコードスキャナ13を移動させて、商品配置領域Aの全ての配置部7の下方を通過させて読み取らせるようにしても良い。
また、商品配置領域Aの全ての配置部7の下方にそれぞれバーコードスキャナ13を配設し、これらバーコードスキャナ13によって各配置部7内の化粧品Sのバーコードをそれぞれ読み取らせるようにしても良い。
なお、上記実施形態では、扱う物品として化粧品を例にとって説明したが、この扱う物品としては化粧品に限定されないのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る読取装置の構成を説明する概略側断面図である。
【図2】読取装置の構成を説明する概略平面図である。
【図3】読取装置の構成及び機能を説明するブロック図である。
【図4】読取装置のモニタを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 読取装置
7 配置部
13 バーコードスキャナ
14 モニタ
15 ハンディスキャナ
A 商品配置領域
S 化粧品(物品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品(S)がそれぞれ配置される複数の配置部(7)を有する商品配置領域(A)が設けられ、該商品配置領域の各配置部に配置された複数の物品にそれぞれ付された情報を読み取るスキャナ(13)が設けられ、
前記スキャナ(13)によって読み取った複数の物品(S)の情報を前記商品配置領域(A)の各配置部に対応させて表示するモニタ(14)が設けられたことを特徴とする読取装置(1)。
【請求項2】
前記スキャナ(13)は、前記商品配置領域の配置部に配置された物品の情報を移動して読み取り、
前記商品配置領域(A)の配置部(7)が升目状に形成され、これら配置部の升目の一列に沿って複数の前記スキャナ(13)が配列され、これら配列されたスキャナが前記商品配置領域の一端側から他端側へ移動することにより、各升目に配置された前記物品の情報を一列毎に読み取ることを特徴とする請求項1に記載の読取装置(1)。
【請求項3】
前記スキャナ(13)は、前記商品配置領域(A)すべての配置部(7)に対応してそれぞれ設けられ、これらスキャナが前記配置部の物品の情報をそれぞれ読み取ることを特徴とする請求項1又は2に記載の読取装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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