説明

課金管理システム

【課題】画像形成に伴い消費される度数情報を利用者に対して一括に管理して付与することができる課金管理システムを提供する。
【解決手段】課金管理システム1は、画像を形成する画像形成装置26と、画像形成装置26の利用者と、画像形成装置26の利用に用いられる第一の度数情報とを対応付けて管理する管理装置12と、利用者と対応付けられ画像形成装置26の利用に用いられる第二の度数情報を記録する情報記録媒体28から、この第二の度数情報を読み取る読取装置22と、画像形成装置の利用に用いられる値が第一の度数情報を超えた場合に、第二の度数情報を消費する算出部64と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報サービス装置は電子メールにより処理依頼を受けると、電子メールからどのグループのどのユーザがサービスを利用するかの情報を取得し、該ユーザの課金が残っているかどうかを課金管理装置に問い合わせ、この課金管理装置は該ユーザの課金およびグループ全体の課金がそれぞれの制限額に達しているかどうかを調べて、情報サービス装置に返答し、情報サービス装置は該返答結果をもとに、該ユーザのサービスの利用の可否を判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−39943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成に伴い消費される度数情報を利用者に対して一括に管理して付与することができる課金管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置の利用者と、前記画像形成装置の利用に用いられる第一の度数情報とを対応付けて管理する管理装置と、利用者と対応付けられ前記画像形成装置の利用に用いられる第二の度数情報を記録する情報記録媒体から、この第二の度数情報を読み取る読取装置と、前記画像形成装置の利用に用いられる値が第一の度数情報を超えた場合に、第二の度数情報を消費する消費手段と、を有する課金管理システムである。
【0006】
請求項2に係る本発明は、利用者から画像形成を要求する要求情報を受付ける受付手段と、前記受付装置が受付けた要求情報に対し、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況を表示する表示手段と、要求情報から前記画像形成装置に画像を形成させる情報を選択する選択手段と、をさらに有する請求項1記載の課金管理システムである。
【0007】
請求項3に係る本発明は、一つの前記管理装置に対して、前記画像形成装置及び読取装置がそれぞれ二以上設けられている請求項1又は2記載の課金管理システムである。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記表示装置は、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況に応じて異なる態様で表示する請求項2又は3いずれか記載の課金管理システムである。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記画像形成装置は、複写装置である請求項1乃至4いずれか記載の課金管理システムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によれば、画像形成に伴い消費される度数情報を利用者に対して一括に管理して付与することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、利用者に対し、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況に応じて、画像を形成する情報を選択させることができる。
【0012】
請求項3に係る本発明によれば、本構成を有さない場合と比較して、より効果的に画像形成に伴い消費される度数情報を利用者に対して一括に管理して付与することができる。
【0013】
請求項4に係る本発明によれば、請求項2又は3に係る本発明の効果に加えて、利用者に対し、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況を判断し易くすることができる。
【0014】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4いずれかに係る本発明の効果に加えて、画像形成装置とネットワークとの接続を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態が適用される課金管理システムの構成の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用される課金情報送出装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態が適用される管理装置が管理する識別情報、課金条件、及び第一の度数情報の例示である。
【図4】図4(a)は、本発明の一実施形態が適用される読取装置の機能構成であり、図4(b)は、情報記録媒体に記憶された情報の例示である。
【図5】本発明の一実施形態における課金管理システムの動作のフローチャートある。
【図6】本発明の一実施形態が適用される課金情報送出装置の表示装置に表示される課金状況の例示である。
【図7】第二実施形態に係る課金管理システムの構成の概略図である。
【図8】第二実施形態に係る読取装置の機能構成である。
【図9】第二実施形態に係る課金管理システムの動作のフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第一実施形態]
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る課金管理システム1の構成の概略図を示す。
【0017】
課金管理システム1は、例えば大学等、同一の事業者が管理する敷地内において、様々な身分の者(教員や学生等)が様々な場所で、共通の装置を使用して画像を形成するような状況において用いられる。
【0018】
課金管理システム1は、利用者が操作する複数の端末装置10と、管理装置12と、複数の課金機能付画像形成装置14a、14b、14cと、集計装置16とが、例えばLANやWAN等のネットワーク18を介して接続されることにより構成される。
【0019】
複数の端末装置10及び複数の課金機能付画像形成装置14a−14cそれぞれは、例えば、異なる場所や施設等に配置される。
課金機能付画像形成装置14a−14cは、同様の構成となっているため、以下、課金機能付画像形成装置14と総称して説明する場合がある。課金機能付画像形成装置14を構成する各装置についても同様とする。
課金機能付画像形成装置14は、管理装置12よりも多く設けられており、本実施形態においては、一つの管理装置12に対して複数の課金機能付画像形成装置14が設けられた構成となっている。
【0020】
端末装置10は、利用者(ユーザ)の要求に応じて、電子文書の内容を用紙等の記録媒体に印刷するよう要求する。端末装置10としては、例えばPC(Personal Computer)等が用いられる。
【0021】
具体的には、端末装置10は、利用者の要求に応じて印刷情報を管理装置12に通知する。
印刷情報には、文書特定情報と印刷条件とが含まれる。
文書特定情報には、例えば、印刷を要求した利用者の識別情報、文書名、印刷を要求した日時等が含まれる。識別情報は、利用者を一意に識別する情報を示す。
印刷条件には、例えば、印刷する部数や用紙のサイズ、印刷モード(カラー印刷又は白黒印刷)等の条件が含まれる。
【0022】
管理装置12は、識別情報、課金条件、及び第一の度数情報それぞれを対応付けて管理する。また、管理装置12は、利用者が印刷を要求する電子文書内容(文書や画像等、印刷する内容自体に関する情報)を管理する。
第一の度数情報は、例えばポイント等として表わされ、後述する画像形成装置26の利用に用いられる情報である。第一の度数情報は、例えば管理装置12の管理者等によって定期的に付与(チャージ)される。
管理装置12としては、例えば汎用のサーバコンピュータ等が用いられる。
【0023】
課金機能付画像形成装置14は、利用者を認証してそれぞれに応じた課金条件で課金し、画像を形成する。
課金機能付画像形成装置14は、読取装置22と、課金情報送出装置24と、画像形成装置26とにより構成される。
【0024】
読取装置22は、識別情報及び第二の度数情報を記録する例えばICカード等の情報記録媒体28(図4(b)参照)から識別情報及び第二の度数情報を読み取り、読み取った識別情報を課金情報送出装置24に伝送する。読取装置22は、例えばUSBにより課金情報送出装置24と接続されている。
第二の度数情報は、例えばポイント等として表わされ、画像形成装置26の利用に用いられる情報である。
【0025】
このように、第二の度数情報と第一の度数情報とは、管理あるいは記録される場所が異なっているものであり、画像形成装置26の利用に用いられる情報として共通する。以下、第一の度数情報及び第二の度数情報これらを、「度数情報」として総称する場合がある。
【0026】
また、読取装置22は、情報記録媒体28から読み取った識別情報に対応する課金条件に従って、管理装置12の第一の度数情報、あるいは、この情報記録媒体28の第二の度数情報を消費する。
情報記録媒体28に記録される第二の度数情報は、例えば、利用者それぞれによって所定の設備等を用いて追加(チャージ)されるものである。
【0027】
課金情報送出装置24は、管理装置12を参照して、読取装置22から伝送される識別情報に対応する課金条件及び第一の度数情報を、この読取装置22に通知する。あわせて課金情報送出装置24は、管理装置12が保持する印刷情報のうち識別情報に対応するものを読取装置22に伝送する。
また、課金情報送出装置24は、読取装置22により算出される第一の度数情報の残高を管理装置12に送信する。
課金情報送出装置24としては、例えばPC(Personal Computer)等が用いられる。
【0028】
画像形成装置26は、読取装置22から印刷の指示を受けると、管理装置12から文書情報内容を受信して、この内容を画像として用紙等の記録媒体に形成する。
画像形成装置26としては、例えば電子写真方式等のものが用いられる。
【0029】
集計装置16は、複数設けられた課金機能付画像形成装置14それぞれの画像形成装置26において印刷された印刷情報を集計する。複数の画像形成装置26の使用に対する全体的な費用は、集計装置16が収集した印刷情報に基づいて算出される。
【0030】
集計装置16は、識別情報と全体の画像形成装置26における印刷情報とを対応付けて管理するようにしてもよい。この場合、集計装置16によって、利用者それぞれについての、例えばカラー印刷した枚数や、使用した用紙サイズ等について把握される。
【0031】
次に、課金情報送出装置24のハードウエア構成について説明する。
図2は、課金情報送出装置24のハードウエア構成を示す。
【0032】
課金情報送出装置24は、CPU30及びメモリ32等を含む制御装置34と、ハードディスクドライブ(HDD)等の記録装置36と、ユーザインタフェース(UI)装置38と、ネットワーク18を介し管理装置12等と情報の送受信を行う通信装置40と、読取装置22と接続し情報の伝送を行う接続部42とにより構成される。
UI装置38は、液晶ディスプレイ等の表示装置44と、キーボード及びマウス等の入力装置46とを含む。
【0033】
表示装置44は、端末装置10が利用者から受付けた印刷情報と、それぞれの印刷情報に対して課金される課金状況とを表示する(図6参照)。
入力装置46は、端末装置10が受付けた印刷情報のうち画像形成装置26に印刷させる印刷情報(文書名)について利用者からの入力を受付ける。
このように、課金情報送出装置24は、端末装置10に要求した印刷情報に対してなされる課金状況を利用者に把握させた上で、画像形成装置26に印刷させる文書を選択させて、印刷を指示するようになっている、
【0034】
課金情報送出装置24において、所定の課金管理プログラムは、通信装置40又はコンパクトディスク(CD)等の情報伝達媒体48を介して記録装置36に格納され、メモリ32にロードされて、制御装置34で動作する図示しないOS(Operating System)上で実行される。
【0035】
端末装置10、管理装置12、及び集計装置16のハードウエア構成は、接続部42を除いて、課金情報送出装置24の構成と同様となっている。
端末装置10における通信装置40は、ネットワーク18を介して管理装置12等と情報の送受信を行う。
管理装置12における通信装置40は、ネットワーク18を介して端末装置10、課金情報送出装置24、及び画像形成装置26等と情報の送受信を行う。
集計装置16における通信装置40は、ネットワーク18を介して課金情報送出装置24等と情報の送受信を行う。
【0036】
次に、管理装置12が管理する識別情報、課金条件、及び第一の度数情報について説明する。
図3は、管理装置12が管理する識別情報、課金条件、及び第一の度数情報を例示する。
【0037】
図3(a)に示すように、管理装置12は、識別情報それぞれに対応付けて種々の課金形態、及び第一の度数情報を管理する。
図3(b)に示すように、それぞれの課金形態について、例えば用紙サイズや印刷モード(カラー印刷か白黒印刷か等)に応じて画像形成に用いられる値(消費する度数情報)が設定されている。
【0038】
図3においては、識別情報「0001」の利用者(具体的には、識別情報「0001」を記憶する情報記録媒体28を所持する者)に対しては、課金形態Fが適用される。このため、識別情報「0001」の利用者に対しては度数情報が消費されず、無料で画像形成装置26を利用させることとなる。
また、識別情報「0001」の利用者には、第一の度数情報が「500」付与されている。
【0039】
一方、識別情報「0003」の利用者に対しては、課金形態Aが適用される。このため、識別情報「0003」の利用者に対しては、用紙サイズ等に応じて度数情報が消費され、有料で画像形成装置26を利用させることとなる。
また、識別情報「0003」の利用者には、第一の度数情報が「2500」付与されている。
【0040】
識別情報「0004」の利用者に対しては、識別情報「0003」の利用者とは単価の異なる課金形態Bが適用される。このため、識別情報「0004」の利用者に対しては、識別情報「0003」の利用者とは異なる単価で度数情報が消費され、有料で画像形成装置26を利用させることとなる。
識別情報「0004」の利用者の第一の度数情報は「0」、すなわち、第一の度数情報の残高がない状態となっている。
【0041】
課金管理システム1が、例えば大学において用いられる場合、教員に対しては課金形態Fを、来校者に対しては課金形態Aを、学生に対しては課金形態Bを適用する等、それぞれの利用者に応じた課金条件が管理装置12により一括して管理される。
この場合、複数ある読取装置22や画像形成装置26等、あるいは、利用者が所有する情報記録媒体28それぞれについての設定を変更することなく、利用者に応じた課金条件が管理される。
【0042】
また、第一の度数情報は、例えば月初め等、定期的にそれぞれの利用者ごとに応じて管理装置12に対して一括に付与される。
この場合、例えば、利用者が所定の設備等に出向いて第一の度数情報を追加(チャージ)する等の手間を省いてそれぞれの利用者に第一の度数情報が付与される。
【0043】
次に、読取装置22の機能構成について説明する。
図4(a)は、読取装置22の機能構成を示す。
図4(b)は、情報記録媒体28に記憶される情報を例示する。
【0044】
読取装置22は、読取部60と、伝送部62と、算出部64と、画像形成指示部66と、書込部68と、表示部70とにより構成される。
【0045】
読取部60は、情報記録媒体28から識別情報及び第二の度数情報(図4(b)参照)を読み取る。読取部60は、読取った識別情報を伝送部62に転送し、第二の度数情報を算出部64に転送する。
【0046】
伝送部62は、読取部60から転送される識別情報、及び算出部64から転送される第一の度数情報残額を課金情報送出装置24に伝送する。また、伝送部62は、課金情報送出装置24から識別情報に対応する第一の度数情報、課金条件、及び印刷情報を受信し、これらを算出部64に転送する。
【0047】
算出部64は、読取部60から第二の度数情報を、伝送部62から第一の度数情報、課金条件、及び印刷情報を受信する。
【0048】
算出部64は、課金条件及び印刷条件に基づいて、その印刷に対し課金される値(課金額)を算出し、この課金額と受信した第一の度数情報及び第二の度数情報とから新たな度数情報(残高)を算出する。
具体的には、算出部64は、課金額についてまず第一の度数情報を消費し、第一の度数情報の残額を算出する。第一の度数情報が課金額以上ある場合、情報記録媒体28から読み取った第二の度数情報は消費されない。一方、第一の度数情報が課金額未満である場合、その不足分については第二の度数情報が消費される。
このように、算出部64は、第一の度数情報を第二の度数情報に優先して消費する消費手段として機能するようになっている。
【0049】
算出部64は、第一の度数情報残額を課金情報送出装置24に転送し、第二の度数情報に関する算出結果を書込部68及び表示部70に転送する。なお、第二の度数情報が消費されていない場合は、書込部68に第二の度数情報に関する算出結果を転送しないようにしてもよい。
【0050】
また、算出部64は、算出結果が有効な場合、画像形成指示部66に印刷情報を転送する。算出結果が有効な場合とは、例えば、第一の度数情報及び情報記録媒体28から読み取った第二の度数情報との合計が、課金額以上である状態を示す。
【0051】
画像形成指示部66は、算出部64から印刷情報を受信すると、これに従って画像形成装置26に画像の形成を指示する。
【0052】
書込部68は、算出部64から受信した算出結果を新たな第二の度数情報として情報記録媒体28に書き込む。
【0053】
表示部70は、算出部64から受信した算出結果に基づいて、課金額及び新たな第二の度数情報を表示する。利用者が表示部70を参照することにより、その印刷に要した課金額及び残高が確認される。
【0054】
次に、課金管理システム1による課金動作について説明する。
図5は、課金管理システム1による課金動作(S10)のフローチャートを示す。
図6は、課金情報送出装置24の表示装置44に表示される課金状況を例示する。
【0055】
ステップ102(S102)において、端末装置10は、利用者の要求に応じて印刷情報を管理装置12に送信し、管理装置12はこの印刷情報を保持する。
【0056】
ステップ104(S104)において、複数ある課金機能付画像形成装置14いずれかの読取装置22は、利用者の有する情報記録媒体28から識別情報を読み取り、これを課金情報送出装置24に伝送する。
例えば、利用者が所望する場所に配置された課金機能付画像形成装置14に出向き、その読取装置22に情報記録媒体28をかざすことで、識別情報が読み取られることとなる。
【0057】
ステップ106(S106)において、課金情報送出装置24は、読取装置22から伝送された識別情報を管理装置12に送信する。
【0058】
ステップ108(S108)において、管理装置12は、管理する情報を参照して、課金情報送出装置24から送信された識別情報に対応する第一の度数情報及び課金条件をその課金情報送出装置24に送信する。あわせて管理装置12は、保持する印刷情報のうち識別情報に対応するものを課金情報送出装置24に送信する。
【0059】
ここで、管理装置12は、識別情報が記録された情報に一致しない場合(例えば、対応する識別情報が存在しない場合)、その旨を課金情報送出装置24に通知する。
この場合、識別情報が認証されないとして、その利用者に対して画像形成装置26による画像形成は許可されないこととなる。この際、読取装置22の表示部70又は画像形成装置26の表示部に、その旨を表示するようにしてもよい。
【0060】
ステップ110(S110)において、課金情報送出装置24は、第一の度数情報、課金条件、及び印刷情報を読取装置22に伝送する。
【0061】
ステップ112(S112)において、読取装置22は、印刷情報についての課金額やそれに従って消費される第一の度数情報及び第二の度数情報等を算出し、算出結果を課金情報送出装置24に伝送する。
【0062】
ステップ114(S114)において、課金情報送出装置24は、印刷情報に対する課金状況を表示する(図6参照)。
表示装置44を参照することにより、印刷情報それぞれに対して消費される第一の度数情報及び第二の度数情報が利用者に把握される。
例えば、情報記録媒体28に記録された第二の度数情報を消費しない印刷情報と、これを消費する印刷情報とで色彩や濃度等を変更する等、これらを区別した態様で表示するようにしてもよい。
【0063】
本実施形態においては、第一の度数情報及び第二の度数情報を消費する状況として、第二の度数情報を消費しない(第一の度数情報のみ消費する)状況、第二の度数情報を第一の度数情報と合せて消費する状況、及び第二の度数情報のみを消費する状況、これら三つの状況に応じて異なる態様で表示するようになっている。
【0064】
図6において、端末装置10が受付けた印刷情報に対する受付番号1〜3については、第一の度数情報の消費により印刷される状態を表している。
受付番号4については、第一の度数情報と第二の度数情報とを消費することで印刷される状態を表している。
受付番号5については、第二の度数情報の消費により印刷される状態を表している。
受付番号6については、第一の度数情報及び第二の度数情報が不足しており、印刷することができない状態を表している。
【0065】
また、表示装置44は、読取装置22の算出結果より、第二の度数情報が不足する印刷情報に対しては印刷することができない旨、表示するようにしてもよい。
あわせて、表示装置44は、その利用者に対応する識別情報や印刷情報を受付けた日時等を表示するようにしてもよい。
【0066】
ステップ116(S116)において、課金情報送出装置24は、利用者から画像形成装置26により印刷する印刷情報の選択を受付け、この選択された印刷情報を読取装置22に伝送する。
【0067】
ステップ118(S118)において、読取装置22は、課金情報送出装置24において選択された印刷情報を画像形成装置26に送信し印刷を指示する。
【0068】
ステップ120(S120)において、画像形成装置26は、管理装置12に印刷情報に対応する電子文書内容を要求する。
【0069】
ステップ122(S122)において、管理装置12は、電子文書内容を要求した画像形成装置26にその電子文書内容を送信する。
画像形成装置26は、電子文書内容を受信すると、その内容を用紙等の記録媒体に印刷する。この際、画像形成装置26は印刷が完了した旨を読取装置22を介して課金情報送出装置24に通知するようにしてもよい。
このようにして、画像形成装置26により利用者の要求に応じた印刷が行われる。
【0070】
ステップ124(S124)において、読取装置22は、実際の印刷により消費された後の第一の度数情報の残額を課金情報送出装置24に伝送する。
【0071】
ステップ124(S124)において、課金情報送出装置24は、読取装置22から伝送された第一の度数情報の残額を管理装置12に送信する。そして、管理装置12は、利用者と対応づけて第一の度数情報を書き換える。
【0072】
ステップ126(S126)において、課金情報送出装置24は、画像形成装置26が実際に印刷した印刷情報を集計装置16に送信する。
なお、課金情報送出装置24は、印刷情報を例えば一日分まとめて所定の時間に集計装置16に送信するようにしてもよい。
【0073】
上記実施形態においては、管理装置12は、利用者を識別する識別情報と課金形態とを対応づけて管理する構成について説明したが、これに限らず、複数の画像形成装置26それぞれの個体を識別する情報を加えて管理するようにしてもよい。
この場合、利用者に応じた課金条件に加えて、画像形成装置26それぞれに応じて単価を設定した管理がなされる。
例えば、高画質で印刷できる等、他の画像形成装置26よりも高性能の画像形成装置26に対しては単価を高く設定する等、画像形成装置26それぞれの性能や設置場所、利用頻度等に応じて、状況に合わせた単価設定がなされる。
【0074】
上記実施形態においては、読取装置22において第一の度数情報及び第二の度数情報に対する算出を行う構成について説明したが、これに限らず、そのような算出を課金情報送出装置24により行うようにしてもよい。
【0075】
また、課金情報送出装置24は、利用者から画像形成装置26により印刷する印刷情報の選択を受付ける前に、印刷する印刷情報の候補を受付け、その候補に対して課金される状況を新たに表示するようにしてもよい。この場合、本構成を有さない場合と比較して、利用者に対し、印刷に伴い消費される第一の度数情報及び第二の度数情報に応じた選択や判断等がされ易い構成となる。
【0076】
例えば、図6において、受付番号5、6を印刷する候補として選択し、これら受付番号5、6を印刷する場合に課金される状況を表示するように切り替わる構成としてもよい。
【0077】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
図7は、第二実施形態に係る課金管理システム100の構成の概略図を示す。
【0078】
課金管理システム100は、管理装置12と、複数の課金機能付画像形成装置14a、14b、14cと、集計装置16とが、例えばLANやWAN等のネットワーク18を介して接続されることにより構成される。
【0079】
第二実施形態においては、課金機能付画像形成装置14は、読取装置102と、課金情報送出装置24と、複写装置104とにより構成される。
【0080】
複写装置104は、利用者によってこの複写装置104に載置された用紙等を複写するもの(例えばコピー機)であり、管理装置12から文書情報の内容の受信を要するものでない。このため、本実施形態においては、複写装置104自体とネットワーク18との接続が省略される。
なお、複写装置104をネットワーク18に接続するようにしてもよい。
【0081】
複写装置104は、利用者から複写条件を受付けそれに応じて複写するとともに、複写条件を読取装置102に送信する。
複写条件には、例えば、複写して印刷する部数や用紙のサイズ、印刷モード(カラー印刷又は白黒印刷)等の条件が含まれる。
【0082】
次に、第二実施形態にかかる読取装置102の機能構成について説明する。
図8は、読取装置102の機能構成を示す。
【0083】
読取装置22は、読取部120と、伝送部122と、算出部124と、複写送受信部126と、書込部128と、表示部130とにより構成される。
【0084】
読取部120は、情報記録媒体28から識別情報及び第二の度数情報(図4(b)参照)を読み取る。読取部120は、読取った識別情報を伝送部122に転送し、第二の度数情報を算出部124に転送する。
【0085】
伝送部122は、読取部120から転送された識別情報、及び算出部64から転送される第一の度数情報残額を課金情報送出装置24に伝送する。また、伝送部122は、課金情報送出装置24から識別情報に対応する第一の度数情報、課金条件を受信し、これを算出部124に転送する。
【0086】
算出部124は、読取部120から第二の度数情報を、伝送部122から課金条件を、
複写送受信部126から複写条件をそれぞれ受信する。算出部124は、課金条件及び複写条件に基づいて、その複写に対し課金される値(課金額)を算出し、この課金額と受信した第二の度数情報とから新たな第二の度数情報(残高)を算出する。
算出部124は、算出結果を書込部128及び表示部130に転送する。
【0087】
また、算出部124は、算出結果が有効な場合、複写送受信部126にその旨を通知する。
【0088】
算出部124は、読取部120から第二の度数情報を、伝送部122から第一の度数情報及び課金条件を、複写送受信部126から複写条件をそれぞれ受信する。
【0089】
算出部124は、課金条件及び複写条件に基づいて、その複写に対し課金される値(課金額)を算出し、この課金額と受信した第一の度数情報及び第二の度数情報とから新たな第二の度数情報(残高)を算出する。
具体的には、算出部124は、課金額についてまず第一の度数情報を消費し、第一の度数情報残額を算出する。第一の度数情報が課金額以上ある場合、情報記録媒体28から読み取った第二の度数情報は消費されない。一方、第一の度数情報が課金額未満である場合、その不足分については第二の度数情報が消費される。
算出部124は、第一の度数情報残額を課金情報送出装置24に転送し、第二の度数情報に関する算出結果を書込部128及び表示部130に転送する。なお、第二の度数情報が消費されていない場合は、書込部128に第二の度数情報に関する算出結果を転送しないようにしてもよい。
【0090】
また、算出部124は、算出結果が有効な場合、複写送受信部126に複写の許可を通知する。
【0091】
複写送受信部126は、算出部124から複写の許可が通知されると、これに従って複写装置104に複写の許可を通知する。
【0092】
書込部128は、算出部124から受信した算出結果を新たな第二の度数情報として情報記録媒体28に書き込む。
【0093】
表示部130は、算出部124から受信した算出結果に基づいて、課金額及び新たな第二の度数情報を表示し、利用者に新たな第二の度数情報を示す。
【0094】
次に、課金管理システム100による課金動作について説明する。
図8は、課金管理システム100による課金動作(S20)のフローチャートを示す。
【0095】
ステップ202(S202)において、複数ある課金機能付画像形成装置14いずれかの読取装置102は、利用者の有する情報記録媒体28から識別情報を読み取り、これを課金情報送出装置24に伝送する。
例えば、利用者が所望する場所に配置された課金機能付画像形成装置14に出向き、その読取装置102に情報記録媒体28をかざすことで、識別情報が読み取られることとなる。
【0096】
ステップ204(S204)において、課金情報送出装置24は、読取装置102から伝送された識別情報を管理装置12に送信する。
【0097】
ステップ206(S206)において、管理装置12は、管理する情報を参照して、課金情報送出装置24から送信された識別情報に対応する第一の度数情報及び課金条件をその課金情報送出装置24に送信する。
ここで、管理装置12は、識別情報が記録された情報に一致しない場合(例えば、対応する識別情報が存在しない場合)、その旨を課金情報送出装置24に通知する。この場合、識別番号が認証されないとして、その利用者に対して複写装置104による複写は許可されないこととなる。
【0098】
ステップ208(S208)において、課金情報送出装置24は、第一の度数情報及び課金条件を読取装置102に伝送する。
【0099】
ステップ210(S210)において、複写装置104は、利用者から複写条件を受付ける。
【0100】
ステップ212(S212)において、複写装置104は、利用者から受付けた複写条件を読取装置102に伝送する。
【0101】
ステップ214(S214)において、読取装置102は、複写条件についての課金額やそれに従って消費される第一の度数情報及び第二の度数情報等を算出し、算出結果を課金情報送出装置24に伝送する。
【0102】
ステップ216(S216)において、課金情報送出装置24は、複写条件に対する算出結果を表示する。
表示装置44を参照することにより、複写条件に対して消費される第一の度数情報及び第二の度数情報が利用者に把握される。
【0103】
ステップ218(S218)において、課金情報送出装置24は、利用者から複写装置104により複写する複写条件の選択を受付け、この選択された複写条件を読取装置102に伝送する。
【0104】
ステップ220(S220)において、読取装置102は、課金情報送出装置24において選択された複写条件を複写装置104に送信し複写を指示する。
このようにして、複写装置104により利用者の要求に応じた複写が行われる。
【0105】
ステップ222(S222)において、読取装置102は、実際の印刷により消費された後の第一の度数情報の残額を課金情報送出装置24に伝送する。
【0106】
ステップ224(S224)において、課金情報送出装置24は、読取装置102から伝送された第一の度数情報の残額を管理装置12に送信する。そして、管理装置12は、利用者と対応づけて第一の度数情報を書き換える。
【0107】
ステップ226(S226)において、課金情報送出装置24は、複写装置104が実際に複写した複写条件を識別情報に対応付けて集計装置16に送信する。
【符号の説明】
【0108】
1 課金管理システム
10 端末装置
12 管理装置
14 課金機能付画像形成装置
16 集計装置
18 ネットワーク
22 読取装置
24 課金情報送出装置
26 画像形成装置
28 情報記録媒体
60 読取部
62 伝送部
64 算出部
66 画像形成指示部
68 書込部
70 表示部
100 課金管理システム
104 複写装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置の利用者と、前記画像形成装置の利用に用いられる第一の度数情報とを対応付けて管理する管理装置と、
利用者と対応付けられ前記画像形成装置の利用に用いられる第二の度数情報を記録する情報記録媒体から、この第二の度数情報を読み取る読取装置と、
前記画像形成装置の利用に用いられる値が第一の度数情報を超えた場合に、第二の度数情報を消費する消費手段と、
を有する課金管理システム。
【請求項2】
利用者から画像形成を要求する要求情報を受付ける受付手段と、
前記受付装置が受付けた要求情報に対し、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況を表示する表示手段と、
要求情報から前記画像形成装置に画像を形成させる情報を選択する選択手段と、
をさらに有する請求項1記載の課金管理システム。
【請求項3】
一つの前記管理装置に対して、前記画像形成装置及び読取装置がそれぞれ二以上設けられている請求項1又は2記載の課金管理システム。
【請求項4】
前記表示装置は、第一の度数情報及び第二の度数情報それぞれが消費される状況に応じて異なる態様で表示する請求項2又は3いずれか記載の課金管理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、複写装置である請求項1乃至4いずれか記載の課金管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−25360(P2013−25360A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156553(P2011−156553)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】