説明

調光器

【課題】制御基板に配線を半田付け等で接合した配線接合部に引張力等による応力がかかることを抑制できる調光器を提供する。
【解決手段】調光器10は、本体11と、本体11に立設された複数の放熱フィン32と、複数の放熱フィン32に隣接された制御基板24と、制御基板24に接合されるとともに、複数の放熱フィン32間の収納溝33に配設された入力配線および出力配線27とを備えている。これにより、複数の放熱フィン32間の収納溝33に入力配線26および出力配線27をそれぞれ個別に収納して入力配線26および出力配線27を放熱フィン32間に保持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に複数の放熱フィンが立設され、複数の放熱フィンに制御基板が隣接され、制御基板に配線が接合された調光器に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具は、ランプに電流を供給してランプの点灯を制御するインバータと、インバータに調光信号を出力する調光器とを備えている。
調光器からインバータに調光信号を入力することによりインバータの出力を調整する。インバータの出力を調整することにより、ランプが任意の調光レベルに出力調整される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−45006号公報(段落0030、0059、0060)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常の調光器は、本体内にコイルや制御基板を備え、コイルの配線が制御基板に半田付け等で接合されている。
ここで、制御基板に半田付け等で接合する配線は太くて硬い。このため、制御基板に半田付け等で接合した配線を整理する際に、配線接合部に引張力等による応力がかかる。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、制御基板に配線を半田付け等で接合した配線接合部に引張力等による応力がかかることを抑制できる調光器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の調光器は、本体と、前記本体に立設された複数の放熱フィンと、前記複数の放熱フィンに隣接された制御基板と、前記制御基板に接合されるとともに、前記複数の放熱フィン間の溝に配設された配線と、を備えている。
【0007】
また、本発明の調光器は、前記複数の放熱フィンの溝の延長上に、前記制御基板に接合した配線接合部が配設されている。
【0008】
さらに、本発明の調光器は、前記複数の放熱フィンが前記配線接合部に対して間隔をおいて配設されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の調光器によれば、複数の放熱フィン間に配線を配設することにより放熱フィン間に配線を保持できる。これにより、制御基板に接合(半田付け)された配線接合部に引張力等による応力がかかることを抑制できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る調光器を示す斜視図
【図2】図2の調光器を示す分解斜視図
【図3】図2の調光器を示す側面図
【図4】図2の調光器を示す平面図
【図5】本発明に係る調光器の放熱ブロックを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る調光器について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態である調光器10は、本体11と、本体11の底部12に設けられた放熱板15と、放熱板15の一方の端部15A寄りに設けられた一対のコイル21と、放熱板15の他方の端部15B寄りに設けられた制御基板24と、制御基板24に接合された入力配線(配線)26および出力配線(配線)27と、制御基板24および一対のコイル21間に設けられた放熱ブロック31とを備えている。
【0013】
この調光器10は、例えば、照明器具に設けられ、インバータに調光信号を出力するものである。
調光器10からインバータに調光信号を入力することにより、インバータの出力を調整できる。インバータの出力を調整することにより、インバータでランプの調光レベルを任意に調整できる。
【0014】
図2に示すように、本体11は、略矩形状に形成された底部12と、底部12の一端から立ち上げられた一方の側壁13と、底部12の他端から立ち上げられた他方の側壁14とを有する。
この本体11内に、放熱板15、一対のコイル21、制御基板24および放熱ブロック31が収納されている。
【0015】
放熱板15は、本体11の底部12に設けられた板材である。
この放熱板15は、一方の側壁13寄りに設けられた第1隆起部16と、他方の側壁14寄りに設けられた第2隆起部17と、第1隆起部16および第2隆起部17間に設けられた中央部18とを有する。
【0016】
図3に示すように、第1隆起部16は、底部12に対して所定間隔H1だけ上方に隆起されている。
第2隆起部17は、底部12に対して所定間隔H2だけ上方に隆起されている。
中央部18は、底部12に接触されている。
第1隆起部16および本体11の底部12間には放熱用に複数の放熱フィン35が設けられている。また、第2隆起部17の上面17Aには複数の発熱部品36(図2も参照)が設けられている。
【0017】
図2に示すように、一対のコイル21は、ボビン22に入力配線26が巻き付けられている。そして、図4に示すように、ボビン22から引き出された入力配線26の端部26Aが制御基板24の接合部24Aに半田付け等で接合されている。
【0018】
図2、図3に示すように、制御基板24は、第2隆起部17に対して所定間隔開けて配置された状態で第2隆起部17にビス25を用いて設けられている。この制御基板24は、放熱ブロック31に隣接されている。
前述したように、制御基板24の接合部24Aに入力配線26の端部26Aが半田付け等で接合されている。また、図4に示すように、制御基板24の接合部24Bに出力配線27の端部27Aが半田付け等で接合されている。
【0019】
図3に示すように、放熱ブロック31は、放熱板15の中央部18に載置されることにより、一対のコイル21および制御基板24間に配置されている。
この放熱ブロック31は、図5に示すように、複数の放熱フィン32が制御基板24に沿って所定間隔S1をおいて設けられることにより、収納溝(溝)33が形成されている。
複数の放熱フィン32は、本体11の底部12に対して立設され、図3に示す制御基板24に隣接されている。
【0020】
図3に示すように、放熱板15の中央部18に放熱ブロック31を載置することにより、複数の発熱部品36の熱を放熱板15を経て矢印A方向に放熱できる。
また、放熱板15の第2隆起部17および本体11の底部12間に空間29を備えることにより、複数の発熱部品36の熱を第2隆起部17を経て矢印B方向に放熱できる。
【0021】
図5に示すように、複数の放熱フィン32で形成された個別の収納溝33に入力配線26および出力配線27がそれぞれ収納されている。
図4に示すように、収納溝33から入力配線26が制御基板24に向けて延出され、延出された入力配線26の端部26Aが制御基板24の接合部24Aに半田付け等で接合されている。以下、入力配線26の端部26Aが制御基板24の接合部24Aに接合された配線接合部を入力配線接合部37という。
【0022】
また、収納溝33から出力配線27が制御基板24に向けて延出され、延出された出力配線27の端部27Aが制御基板24の接合部24Bに半田付け等で接合されている。以下、出力配線27の端部27Aが制御基板24の接合部24Bに接合された配線接合部を出力配線接合部38という。
【0023】
個別の収納溝33に入力配線26および出力配線27をそれぞれ個別に収納することにより、入力配線26および出力配線27を放熱フィン32間に保持できる。
これにより、制御基板24の接合部24Aに接合(半田付け)された入力配線接合部37に引張力等による応力がかかることを抑制できる。
加えて、制御基板24の接合部24Bに接合(半田付け)された出力配線接合部38に引張力等による応力がかかることを抑制できる。
【0024】
ここで、複数の放熱フィン32で形成された収納溝33の延長上に入力配線接合部37や出力配線接合部38が配設されている。
よって、収納溝33に配設された入力配線26を真直ぐに入力配線接合部37まで延出でき、収納溝33に配設された出力配線27を真直ぐに出力配線接合部38まで延出できる。
これにより、入力配線接合部37や出力配線接合部38を無理に曲げる必要がなく、入力配線接合部37や出力配線接合部38に引張力が作用することを一層良好に抑えることができる。
【0025】
ここで、複数の放熱フィン32は、入力配線接合部37に対して間隔S2(図3も参照)をおいて配設され、かつ、出力配線接合部38に対して間隔S2をおいて配設されている。
これにより、複数の放熱フィン32および入力配線接合部37間に絶縁距離を確保でき、さらに、複数の放熱フィン32および出力配線接合部38間に絶縁距離を確保できる。
【0026】
なお、本発明に係る調光器は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、実施形態で使用した調光器、本体、放熱板、制御基板、入力配線、出力配線、放熱ブロック、複数の放熱フィンおよび収納溝等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 調光器
11 本体
15 放熱板
24 制御基板
26 入力配線(配線)
27 出力配線(配線)
31 放熱ブロック
32 複数の放熱フィン
33 収納溝(溝)
37 入力配線接合部(配線接合部)
38 出力配線接合部(配線接合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に立設された複数の放熱フィンと、
前記複数の放熱フィンに隣接された制御基板と、
前記制御基板に接合されるとともに、前記複数の放熱フィン間の溝に配設された配線と、
を備えた調光器。
【請求項2】
請求項1に記載の調光器において、
前記複数の放熱フィンの溝の延長上に、前記制御基板に接合した配線接合部が配設された調光器。
【請求項3】
請求項2に記載の調光器において、
前記複数の放熱フィンが前記配線接合部に対して間隔をおいて配設された調光器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−114195(P2012−114195A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261100(P2010−261100)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】