説明

調整された側面散乱をともなうマルチ方向性ライトパイプ

本発明は、機器に電源を入れたときにセットトップボックスの表面の一部を照光するために使用されるライトパイプを対象とする。このライトパイプは、例えば、プラスチックから成型することができる。このライトパイプは、有利には、直線状の経路を通る光子の好適な搬送体とすべきである。さらにライトパイプは、その一部分の側面外に光を伝送できるようにすべきである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整された側面散乱(metered side scatter)をともなうマルチ方向性ライトパイプ(multi−directional light pipe)に関し、より詳細には、衛星、ケーブル、電話会社、及びインターネットサービスプロバイダを介したブロードバンドとビデオが接続された構内向けのセットトップボックス(set top box)に用いられるマルチ方向性ライトパイプ関する。
【背景技術】
【0002】
一部のセットトップボックスは、機器に電源を入れたときに照光するキーパッド及び/又は部位を含んでいる。このような照光は、機器の他の部位に望ましくない干渉を及ぼす可能性がある。
【0003】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国登録商標特許庁に2007年11月30日に出願されて第61/004835号を割り当てられた仮出願に対する優先権及びそこから生じる全ての利益を主張する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、セットトップボックスに用いられる調整された側面散乱をともなうマルチ方向性ライトパイプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、機器に電源を入れたときにセットトップボックスの表面の一部を照光するために使用されるライトパイプを対象とする。このライトパイプは、例えば、プラスチックから成型することができる。このライトパイプは、有利には、直線状の経路を通る光子の好適な搬送体とすべきである。さらにライトパイプは、その一部分の側面外に光を伝送できるようにすべきである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、衛星、ケーブル、電話会社、及びインターネットサービスプロバイダを介したブロードバンドとビデオが接続された構内向けのセットトップボックス(set top box)に用いられるマルチ方向性ライトパイプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のライトパイプを有するセットトップボックスの透視図である。
【図2】光伝送の方向を示すライトパイプの図である。
【図3】ライトパイプの2つの側面間の隅の周りの光伝送を示すライトパイプの縁部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、機器に電源を入れたときにセットトップボックスの表面の一部を照光するために使用されるライトパイプを対象とする。このライトパイプは、例えば、プラスチック材料から成型することができる。
【0009】
図1は、本発明のライトパイプを有するセットトップボックスの透視図で、セットトップボックス100の側面図の一部を示している。セットトップボックス100は、ライトパイプ122を有している(図2)。ライトパイプ122は、セットトップボックス100の表面の一部を照光する。例えば、ライトパイプ122は、セットトップボックス100の表面のボタン、コマンドキー又は輪郭を照光することができる。
【0010】
図2は、光伝送の方向を示すライトパイプの図である。図2に示されたライトパイプ122は、ボタン及びコマンドキーを含むセットトップボックス100の表面の一部を照光する。
【0011】
ライトパイプ122は、様々な形状を有することができる。例えば、ライトパイプ122は、セットトップボックス100の特性に応じて、正方形の形状、楕円の形状、方形の形状又は円形状の輪郭を有することができる。図2を参照すると、例示の一実施形態におけるライトパイプ122は、ほぼ方形の形状を有している。
【0012】
例えば、方形の形状を有するライトパイプ122は、90度の角度をつけられた縁部及び/又は湾曲した縁部のいずれかを含むことができる。例えば、図2を参照すると、ほぼ方形の形状のライトパイプ122は、湾曲した縁部及び90度の角度をつけられた縁部の両方を有する。
【0013】
光は、例えば、光路から約45度の角度をなす表面150を置くことによって、ライトパイプ122内で直角に伝送することができる(図3を参照)。光路に沿った光伝送は、表面150の入射角が、全内反射(TIR)に対する臨界角に接近するにつれて低減する。
【0014】
光路に沿って伝送される光の効率は、表面150の反射率を増大させることによって改善することができる。例えば、45度の角度をつけられた表面に反射材料を塗布することができる。適切な反射材料の例には、とりわけ、銀の塗料、銀箔、及びクロム電気めっきが含まれ得る。
【0015】
本発明におけるライトパイプ122は、成型されたプラスチック材料で作ることができる。プラスチック材料は、着色されたプラスチック材料であってよい。着色されたプラスチック材料は、例えば、赤、青、緑、黄色、オレンジ、及びピンクを含む任意の色であってよい。
【0016】
あるいは、ライトパイプ122は、2つ以上の異なるセグメントを含む成型されたプラスチック材料で形成することができる。このような実施形態に対しては、この2つ以上の異なるセグメントは、2つ以上の異なる着色されたプラスチック材料で形成することができる。このように、当該ライトパイプの2つ以上の異なるセグメントは、異なる色で照光される。
【0017】
本発明におけるライトパイプ122は、プラスチック部材120内で経路(光路)を形成して、少なくとも1つの光源130に結合される。図2に示された例示のライトパイプ122は、成型されたプラスチック部材120の一部に沿って延びる光路を形成する。部材120は、任意の形状又は幅を有することができ、ライトパイプ122の全て又は少なくとも一部分を含むことができる。光路は、3つの次元に沿って延びることができる。例えば、図2を参照すると、ライトパイプ122は、部材120内で光源130からx方向及びy方向に沿って延びる。さらに、ライトパイプ122は、点122aから始めて部材120内でz方向に沿って延びることもできる。
【0018】
ライトパイプ122は、有利には、その直線状の長手に沿った光子の好適な伝送体である材料で形成すべきである。さらに、ライトパイプ122の材料は、その側面外に光を伝送できるようにすべきである。
【0019】
図2に示されたように、ライトパイプ122は、少なくとも1つの光源130に結合される。少なくとも1つの光源130は、全体的に一様な照光でライトパイプ122の直線状の長手に沿って延びる光を提供するのに十分なものとすべきである。さらに、少なくとも1つの光源130は、全体的に一様な照光で光をライトパイプ122の側面外に伝送するのに十分なものとすべきである。
【0020】
少なくとも1つの光源130は、ライトパイプ122の長手に沿った任意の場所に配置することができる。図2に示された例示において、2つの光源130は、方形状のライトパイプ122の一端で互いに隣接して配置される。しかし、複数の光源130が使用される場合、そのような光源130は、ライトパイプ122に沿った異なる位置に配置することができる。例えば、2つの光源は、方形状のライトパイプの向かい合う隅に配置することができる(図示せず)。
【0021】
少なくとも1つの光源130は、全体的に一様な照光でライトパイプ122の直線状の長手に沿って延びる光を提供するのに適した任意の光源であってよい。さらに、少なくとも1つの光源は、全体的に一様な照光で光をライトパイプ122の側面外に伝送するのに十分なものとすべきである。少なくとも1つの光源130は、例えば、発光ダイオードであってよい。
【0022】
図3は、ライトパイプの2つの側面間の隅の周りの光伝送を示すライトパイプの縁部の断面図で、1つ又は複数の光源130がライトパイプ122に照光を提供する場合のライトパイプ122の縁部の断面図である。1つ又は複数の光源130は、ライトパイプ122の下面から照光を提供する。図3は、ライトパイプ122の下面に提供された光源130からの光を示している。1つ又は複数の光源130は、先細の溝(tapered groove)140から照光を提供することができる。この先細の溝140は、好ましくは、約90度未満のテーパー角を有すべきである。約90度未満の角度を有する先細の溝140は、光を散乱させ、光路の方向に向かって光子を垂直に反射させる(図3を参照)。このような先細の溝140の配置により、制御された方法で光が調整され、全体的に一様な形でライトパイプ122の外周の周りに光を伝送することができる。
【0023】
このように、本発明は、調整された側面散乱(metered side scatter)をともなうマルチ方向性ライトパイプ(multi−directional light pipe)である。本発明に係るセットトップボックスは、ブロードバンドとビデオが接続された構内向けのセットトップボックスである。そして、このセットトップボックスは、筐体であって、その筐体の1つ又は複数の部分がライトパイプを備えた筐体と、ライトパイプを含む筐体の1つ又は複数の部分に結合された少なくとも1つの光源とを含んでいる。また、ライトパイプは、角度のつけられた表面を有している。また、角度のつけられた表面は、ある材料を塗布されている。また、少なくとも1つの光源は、発光ダイオード(LED)である。
【0024】
以上は、本発明を実施するための可能性のうちのいくつかを示している。他の多くの実施形態が、本発明の範囲及び趣旨内で可能である。したがって、上記の説明は限定ではなく例示としてみなされ、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲と共にそのあらゆる均等物によって与えられることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体であって、その筐体の1つ又は複数の部分が光伝送的である筐体と、
前記筐体の前記光伝送部分に結合された少なくとも1つの光源と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記筐体の前記1つ又は複数の光伝送部分は、ライトパイプであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ライトパイプは、角度のつけられた表面を有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記角度のつけられた表面は、ある材料を塗布されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源は、発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ブロードバンドとビデオが接続された構内向けのセットトップボックスにおいて、
筐体であって、その筐体の1つ又は複数の部分がライトパイプを備えた筐体と、
前記ライトパイプを含む前記筐体の前記1つ又は複数の部分に結合された少なくとも1つの光源と
を含むことを特徴とするセットトップボックス。
【請求項7】
前記ライトパイプは、角度のつけられた表面を有することを特徴とする請求項6に記載のセットトップボックス。
【請求項8】
前記角度のつけられた表面は、ある材料を塗布されることを特徴とする請求項7に記載のセットトップボックス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの光源は、発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項6に記載のセットトップボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−507150(P2011−507150A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535946(P2010−535946)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/002993
【国際公開番号】WO2009/070183
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】