説明

調湿装置

【課題】冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える調湿装置において、再生動作を開始した直後の吸着熱交換器の吸着剤を短時間で再生させる。
【解決手段】調湿装置に温水コイル機構(66)を設ける。温水コイル機構(66)は、再生動作中の吸着熱交換器(51,52)の上流側の空気を、吸着動作から再生動作への切換直後に所定期間に亘って加熱する加熱動作と、加熱動作の後、再生動作から吸着動作へ切り替わるまでの間、空気の加熱を休止する休止動作と、を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着熱交換器が設けられた冷媒回路を備え、該吸着熱交換器の吸着剤で空気を調湿する調湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、吸着剤を利用して空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。特許文献1には、表面に吸着剤が担持された吸着熱交換器を備えた調湿装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された調湿装置には、2つの吸着熱交換器を備えた冷媒回路が設けられている。この冷媒回路には、該冷媒回路を流れる冷媒の循環方向を切り換える冷媒切換機構が設けられていて、該切換機構を切り換えることにより、第1吸着熱交換器が凝縮器となって第2吸着熱交換器が蒸発器となる動作と、第2吸着熱交換器が凝縮器となって第1吸着熱交換器が蒸発器となる動作とが交互に行われる。蒸発器として動作する吸着熱交換器では、吸着剤に空気中の水分が吸着される吸着動作が行われる。凝縮器として動作する吸着熱交換器では、水分が吸着剤から脱離する再生動作が行われる。
【0004】
特許文献1に開示された調湿装置は、各吸着熱交換器を通過した空気の一方を室内へ供給して他方を室外へ排出する。除湿運転中の調湿装置では、第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器のうち蒸発器として動作する方を通過した空気が室内へ供給され、凝縮器として動作する方を通過した空気が室外へ排出される。また、加湿運転中の調湿装置では、第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器のうち蒸発器として動作する方を通過した空気が室外へ排出され、凝縮器として動作する方を通過した空気が室内へ供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−078108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、切換機構を切り換えると、切換前に蒸発器として動作していた吸着熱交換器が凝縮器として動作する。切換機構を切り換えた直後は、凝縮器として動作し始めた吸着熱交換器の吸着剤は比較的低温であるため、切換直後には吸着剤を十分に再生させることができない。その結果、吸着剤の再生動作に時間がかかるため、室内の加湿に時間がかかったり、吸着剤による水分の吸着能力を回復するのに時間がかかったりしてしまう。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える調湿装置において、再生動作を開始した直後の吸着熱交換器の吸着剤を短時間で再生させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、表面に吸着剤が担持される吸着熱交換器(51,52)を有し、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(50)と、該冷媒回路(50)に設けられ前記冷媒の循環方向を切り換えるための切換機構(54)とを備え、前記吸着熱交換器(51,52)では、前記切換機構(54)を切り換えることによって前記吸着剤の吸着動作と再生動作とが交互に行われ、該再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れる空気を室内へ供給する又は室外へ排出する調湿装置を対象とする。そして、空気を加熱する温水コイル(67a,67b)を有し、前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)の上流側の空気を、前記吸着動作から前記再生動作への切換直後に所定期間に亘って加熱する加熱動作と、該加熱動作の後、前記再生動作から前記吸着動作へ切り替わるまでの間、空気の加熱を休止する休止動作と、を行う温水コイル機構(66)を備えることを特徴とする。
【0009】
第1の発明では、吸着熱交換器(51,52)は、切換機構(54)の切換によって吸着動作と再生動作とを交互に行う。再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れる空気は、室内へ供給されるか、又は室外へ排出される。この空気が室内へ供給されると、吸着剤から離脱した水分が該空気とともに室内へ流れ込むため、室内が加湿される。一方、この空気が室外へ排出されると、吸着剤から離脱した水分が該空気とともに室外へ排出され、吸着剤が再生される。
【0010】
また、第1の発明では、温水コイル機構(66)によって、吸着熱交換器(51,52)に流れ込む空気を加熱する加熱動作と、該空気の加熱を休止する休止動作とが行われる。
【0011】
具体的には、加熱動作では、切換機構(54)の切換によって吸着動作から再生動作へ切り換えられた吸着熱交換器(51,52)の上流側を流れる空気が、該切換直後の所定期間に亘って、温水コイル(67a,67b)を流れる温水によって加熱される。これにより、再生動作を開始した直後の吸着熱交換器(51,52)の吸着剤は、切換機構(54)の切換直後における所定期間中において、冷媒回路(50)内を循環する冷媒によって加熱されるだけでなく、温水コイル(67a,67b)によって加熱された空気によっても加熱される。
【0012】
一方、休止動作では、前記加熱動作の終了後、前記再生動作から前記吸着動作へ切り替わるまでの間、前記温水コイル(67a,67b)による空気の加熱が休止される。これにより、切換機構(54)の切換直後における前記所定時間が経過した後は、吸着熱交換器(51,52)には、前記温水コイル(67a,67b)によって加熱されていない比較的低温の空気が流れ込む。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を室外から取り込むための外気吸込口(24)と、室外の空気の温度を検出する外気温度検出部(99)とを備え、前記温水コイルは、前記外気吸込口(24)を通じて室外から取り込まれる空気を加熱する外気側温水コイル(67b)を含み、前記外気吸込口(24)から取り込まれる空気が前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室内へ供給されているとき、前記温水コイル機構(66)は、前記外気温度検出部(99)の検出温度(to)が所定値(tos1)以上の場合には前記加熱動作を禁止することを特徴とする。
【0014】
第2の発明では、外気吸込口(24)から取り込まれる空気が再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室内へ供給される。すなわち、室内へは加湿された空気が供給される。この場合において、室外の空気の温度が所定値(tos1)以上の場合は、該空気に含有させることができる水分量が比較的多くなるため、該空気を加熱しなくても、室内へ送られる空気へ多くの水分を含ませることができる。
【0015】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を室内から取り込むための内気吸込口(23)と、室内の空気の相対湿度を検出する内気湿度検出部(96)とを備え、前記温水コイルは、前記内気吸込口(23)を通じて室内から取り込まれる空気を加熱する内気側温水コイル(67a)を含み、前記内気吸込口(23)から取り込まれる空気が前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室外へ排出されているとき、前記温水コイル機構(66)は、前記内気湿度検出部(96)の検出湿度(hr)が所定値(hrs)以下の場合には前記加熱動作を禁止することを特徴とする。
【0016】
第3の発明では、内気吸込口(23)から取り込まれる空気が再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室外へ排出される。このとき、室内の相対湿度が所定値(hrs)以下の場合は、該空気に含有させることができる水分量が比較的多くなるため、該空気を加熱しなくても、吸着剤から離脱した水分が空気に十分に含まれた状態で、室外へ排出される。
【0017】
第4の発明は、第1から第3の発明のうちいずれか1つにおいて、前記温水コイル機構(66)は、前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)の上流側の空気を加熱する温水コイル(67a,67b)へ、該再生動作の開始直前から温水を供給する予備加熱動作を行うことを特徴とする。
【0018】
第4の発明では、温水コイル(67a,67b)には、吸着熱交換器(51,52)が再生動作を開始する直前から温水が供給されるため、吸着熱交換器(51,52)が再生動作を開始した時には、該温水コイル(67a,67b)は既に加熱されている。従って、再生動作開始直後の吸着熱交換器(51,52)へは、比較的高温の空気が送り込まれる。
【0019】
第5の発明は、第1から第4の発明のうちいずれか1つにおいて、太陽光により温水を生成する温水生成部(61a)と、該温水生成部(61a)で生成された温水を前記温水コイル(67a,67b)へ供給するための温水供給路(61b)と、を有する温水供給機構(61)を備えることを特徴とする。
【0020】
第5の発明では、温水生成部(61a)で太陽光により生成された温水が、温水供給路(61b)を通じて温水コイル(67a,67b)へ供給される。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、再生動作を開始した直後の比較的低温の吸着熱交換器(51,52)は、冷媒回路(50)内を循環する冷媒によって加熱されるだけでなく、温水コイル(67a,67b)によって加熱された空気によっても加熱される。こうすると、再生動作開始直後における吸着熱交換器(51,52)の吸着剤が比較的短時間で昇温するため、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を比較的短時間で再生させることができる。その結果、室内を素早く加湿したり、吸着剤の吸着能力を素早く回復したりできる。
【0022】
また、前記吸着熱交換器(51,52)へ流れる空気の加熱は、再生動作開始直後の所定期間が経過した後は休止され、その後は、該吸着熱交換器(51,52)へは温水コイル(67a,67b)によって加熱されていない比較的低温の空気が流れ込む。これにより、該吸着熱交換器(51,52)の過剰な加熱が抑制されるため、冷媒回路(50)における高圧側の圧力上昇を抑制できる。しかも、上述のように吸着熱交換器(51,52)へ流れる空気の加熱が休止されている間は、温水コイル機構(66)を駆動させるための電力や、該温水コイル機構(66)に温水を供給するための機構を駆動させるための電力が不要となるため、調湿装置を省エネ化できる。
【0023】
また、第2の発明によれば、調湿装置の加湿能力を維持しつつ、温水コイル機構(66)等を駆動させるための電力を低減できる。
【0024】
また、第3の発明によれば、吸着剤に吸着された水分を十分に室外へ排出しつつ、温水コイル機構(66)等を駆動させるための電力を低減できる。
【0025】
また、第4の発明によれば、再生動作開始直後の吸着熱交換器(51,52)を比較的高温の空気で加熱できる。これにより、吸着剤を更に短時間で再生できる。
【0026】
また、第5の発明によれば、温水を生成するために電力やガス等のエネルギー源を利用する必要がなくなるため、調湿装置を省エネ化できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、前面側から見た調湿装置本体をケーシングの天板を省略して示す斜視図である。
【図2】図2は、前面側から見た調湿装置本体をケーシングの一部および電装品箱を省略して示す斜視図である。
【図3】図3は、内側温水コイル及び外側温水コイルが取り付けられた状態の調湿装置本体をケーシングの天板を省略して示す平面図である。
【図4】図4は、調湿装置本体の一部を省略して示す概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図5】図5は、冷媒回路の構成を示す配管系統図であって、図5(A)は第1通常動作を示すものであり、図5(B)は第2通常動作を示すものである。
【図6】図6は、加熱機構の温水回路の構成を示す配管系統図である。
【図7】図7は、除湿換気運転の第1通常動作における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図8】図8は、除湿換気運転の第2通常動作における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図9】図9は、加湿換気運転の第1通常動作における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図10】図10は、加湿換気運転の第2通常動作における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図11】図11は、単純換気運転における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図12】図12は、外気パージ動作における空気の流れを示す調湿装置本体の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。
【図13】図13は、各温水コイルへの入水条件をまとめた表である。
【図14】図14は、実施形態2に係る調湿装置の加熱機構の温水回路の構成を示す配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0029】
《発明の実施形態1》
実施形態1の調湿装置(1)は、調湿装置本体(10)と加熱機構(60)とを備えている。調湿装置本体(10)は、室内の湿度調節と共に室内の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外に排出する。調湿装置本体(10)の対象となる室内には、図示しない空気調和機も設けられている。つまり、この室内では、調湿装置本体(10)によって室内の湿度が調節されると同時に、空気調和機によって室内の温度も調節される。加熱機構(60)は、調湿装置本体(10)へ流れ込む室外空気(OA)及び室内空気(RA)を所定の条件下で加熱するためのものである。調湿装置(1)及び空気調和機は、室内の潜熱及び顕熱を同時に処理する空調システムを構成している。
【0030】
〈調湿装置本体の構成〉
調湿装置本体(10)について、図1〜図4を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置本体(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
【0031】
調湿装置本体(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、切換機構としての四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細については、詳しくは後述する。
【0032】
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図1に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
【0033】
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
【0034】
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
【0035】
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。
【0036】
第1仕切板(74)及び第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)及び第2側面パネル部(15)と平行な姿勢で設置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
【0037】
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
【0038】
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクト(図示省略)を介して室内と連通している。また、外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクト(図示省略)を介して室外空間と連通している。
【0039】
内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96)と内気温度センサ(98)とが設置されている。内気湿度センサ(96)は、室内の空気の相対湿度を検出する内気湿度検出部を構成している。内気温度センサ(98)は、室内の空気の温度を検出する内気温度検出部を構成している。また、外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気温度センサ(99)とが設置されている。外気温度センサ(99)は、室外の空気の温度を検出する外気温度検出部を構成している。なお、内気温度センサ(98)及び外気温度センサ(99)は、図4以外における図示は省略する。
【0040】
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
【0041】
各吸着熱交換器(51,52)は、吸着剤を空気と接触させるための吸着部材を構成している。各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものであって、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。なお、吸着熱交換器(51,52)に担持される吸着剤としては、ゼオライトやシリカゲル等、或いはそれらの混合物が用いられる。
【0042】
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
【0043】
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
【0044】
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
【0045】
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
【0046】
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。
【0047】
具体的に、これらのファン(25,26)は、ファンロータ(図示省略)と、ファンケーシング(86)と、ファンモータ(89)とを備えている。図示しないが、ファンロータは、その軸方向の長さが直径に比べて短い円筒状に形成され、その周側面に多数の翼が形成されている。ファンロータは、ファンケーシング(86)に収容されている。ファンケーシング(86)では、その側面(ファンロータの軸方向と直交する側面)の一方に吸入口(87)が開口している。また、ファンケーシング(86)には、その周側面から外側へ突出する部分が形成されており、その部分の突端に吹出口(88)が開口している。ファンモータ(89)は、ファンケーシング(86)における吸入口(87)と反対側の側面に取り付けられている。ファンモータ(89)は、ファンロータに連結されてファンロータを回転駆動する。
【0048】
給気ファン(26)及び排気ファン(25)において、ファンロータがファンモータ(89)によって回転駆動されると、吸入口(87)を通ってファンケーシング(86)内へ空気が吸い込まれ、ファンケーシング(86)内の空気が吹出口(88)から吹き出される。
【0049】
給気ファン室(36)において、給気ファン(26)は、ファンケーシング(86)の吸入口(87)が下流側仕切板(72)と対面する姿勢で設置されている。また、この給気ファン(26)のファンケーシング(86)の吹出口(88)は、給気口(22)に連通する状態で第1側面パネル部(14)に取り付けられている。
【0050】
排気ファン室(35)において、排気ファン(25)は、ファンケーシング(86)の吸入口(87)が下流側仕切板(72)と対面する姿勢で設置されている。また、この排気ファン(25)のファンケーシング(86)の吹出口(88)は、排気口(21)に連通する状態で第2側面パネル部(15)に取り付けられている。
【0051】
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
【0052】
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
【0053】
ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
【0054】
なお、図4の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
【0055】
ケーシング(11)の前面パネル部(12)では、その右寄りの部分に電装品箱(90)が取り付けられている。なお、図2及び図4において、電装品箱(90)は省略されている。電装品箱(90)は、直方体状の箱であって、その内部に制御用基板(91)と電源用基板(92)とが収容されている。制御用基板(91)及び電源用基板(92)は、電装品箱(90)の側板のうち前面パネル部(12)に隣接する部分(即ち、背面板)の内側面に取り付けられている。電源用基板(92)のインバータ部には、放熱フィン(93)が設けられている。この放熱フィン(93)は、電源用基板(92)の背面に突設されており、電装品箱(90)の背面板とケーシング(11)の前面パネル部(12)とを貫通して給気ファン室(36)に露出している(図3を参照)。
【0056】
〈冷媒回路の構成〉
図5に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
【0057】
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
【0058】
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図5(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図5(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
【0059】
圧縮機(53)は、冷媒を圧縮する圧縮機構(図示省略)と、圧縮機構を駆動する電動機(図示省略)とが1つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮である。圧縮機(53)の電動機へ供給する交流の周波数(即ち、圧縮機(53)の運転周波数)を変化させると、電動機により駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、単位時間当たりに圧縮機(53)から吐出される冷媒の量が変化する。つまり、この圧縮機(53)、容量可変に構成されている。
【0060】
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吐出側と四方切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(101)と吐出管温度センサ(103)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(101)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を計測する。吐出管温度センサ(103)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を計測する。
【0061】
また、冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吸入側と四方切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(102)と吸入管温度センサ(104)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(102)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吸入管温度センサ(104)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を計測する。
【0062】
また、冷媒回路(50)において、四方切換弁(54)の第3のポートと第1吸着熱交換器(51)とを繋ぐ配管には、配管温度センサ(105)が取り付けられている。配管温度センサ(105)は、この配管における四方切換弁(54)の近傍に配置され、配管内を流れる冷媒の温度を計測する。
【0063】
〈加熱機構の構成〉
加熱機構(60)は、図6に示すように、温水供給機構(61)と、温水コイル機構(66)とを備えている。
【0064】
温水供給機構(61)は、温水生成部(61a)と、該温水生成部(61a)で生成された温水を温水コイル機構(66)へ供給するための温水供給路としての第1循環流路(61b)とを備えている。
【0065】
温水生成部(61a)は、貯湯タンク(62)と、第2ポンプ(63)と、集熱器(64)と、これらを互いに接続する第2循環流路(65)とを備えている。貯湯タンク(62)は、内部に温水を貯留するためのものである。貯湯タンク(62)の下部には第2循環流路(65)の始端が接続され、貯湯タンク(62)の上部には第2循環流路(65)の終端が接続されている。貯湯タンク(62)には、詳しくは後述する集熱器(64)によって加熱された温水が溜められる。第2ポンプ(63)は、第2循環流路(65)に設けられ、第2循環流路(65)の水を、該第2循環流路(65)の始端側から終端側へ向かって(図6の白抜き矢印方向へ向かって)搬送するためのものである。
【0066】
集熱器(64)は、太陽からの放射熱を用いて温水を生成するためのものである。集熱器(64)は、太陽光を受光しやすい屋外などに設置されている。集熱器(64)は、集熱部(64a)と、該集熱部(64a)の内部に形成される通水路(64b)とを備えている。集熱部(64a)は、太陽熱を吸収するためのもであって、例えばアルミニウムによって平板状に形成される。通水路(64b)は、その流入端及び流出端が第2循環流路(65)に接続されている。
【0067】
上述のような構成の温水生成部(61a)において、第2ポンプ(63)が駆動されると、貯湯タンク(62)内の水が第2循環流路(65)を循環する。貯湯タンク(62)から第2循環流路(65)へ流れた水は、集熱器(64)の通水路(64b)へ流れ込む。この水は、太陽光によって加熱された集熱部(64a)と熱交換することにより加熱されて温水となる。この温水は再び第2循環流路(65)へ戻された後、貯湯タンク(62)へ流入する。
【0068】
第1循環流路(61b)は、始端が貯湯タンク(62)の上部に接続され終端が貯湯タンク(62)の下部に接続されている。第1循環流路(61b)は、途中部分が第1分岐路(61c)と第2分岐路(61d)とに分岐した後、再び合流している。第1循環流路(61b)における第1分岐路(61c)及び第2分岐路(61d)よりも上流側の部分には、第1ポンプ(69)が設けられている。第1ポンプ(69)は、第1循環流路(61b)の水を、該第1循環流路(61b)の始端側から終端側へ向かって(図6の黒塗り矢印方向へ向かって)搬送するためのものである。
【0069】
第1循環流路(61b)における第1分岐路(61c)及び第2分岐路(61d)よりも上流側の部分には、温水温度センサ(106)が設けられている。温水温度センサ(106)は、第1分岐路(61c)及び第2分岐路(61d)へ流入する温水の温度を計測する。
【0070】
温水コイル機構(66)は、2つの温水コイル(67a,67b)と、それぞれが各温水コイル(67a,67b)に対応して設けられる2つの開閉弁(68a,68b)とを備えている。
【0071】
2つの温水コイルは、内気側温水コイル(67a)と、外気側温水コイル(67b)とで構成されている。図3に示すように、内気側温水コイル(67a)は内気吸込口(23)に取り付けられ、外気側温水コイル(67b)は外気吸込口(24)に取り付けられている。これらの温水コイル(67a,67b)は、それぞれ、温水流路(図示省略)を備えている。内気側温水コイル(67a)の温水流路は第1分岐路(61c)に接続されていて、外気側温水コイル(67b)の温水流路は第2分岐路(61d)に接続されている。内気側温水コイル(67a)の温水流路を流れる温水は、内気吸込口(23)を流れる空気と熱交換する。外気側温水コイル(67b)の温水流路を流れる温水は、外気吸込口(24)を流れる空気と熱交換する。
【0072】
2つの開閉弁は、内気側開閉弁(68a)と外気側開閉弁(68b)とで構成されている。内気側開閉弁(68a)は、第1分岐路(61c)における内気側温水コイル(67a)よりも上流側の部分に配置されている。外気側開閉弁(68b)は、第2分岐路(61d)における外気側温水コイル(67b)よりも上流側の部分に配置されている。
【0073】
温水コイル機構(66)は、第2制御部(56b)を備えている。該第2制御部(56b)は、詳しくは後述するコントローラ(56)に設けられている。該第2制御部(56b)は、所定の条件下において、内気側開閉弁(68a)及び外気側開閉弁(68b)を開閉する。
【0074】
〈コントローラの構成〉
調湿装置本体(10)は、コントローラ(56)を備えている。本実施形態の調湿装置本体(10)では、制御用基板(91)に設けられたマイコンがコントローラ(56)を構成している。コントローラ(56)には、第1制御部(56a)と第2制御部(56b)とが設けられている。
【0075】
第1制御部(56a)には、内気湿度センサ(96)、内気温度センサ(98)、及び外気温度センサ(99)の計測値が入力されている。また第1制御部(56a)には、冷媒回路(50)に設けられた各センサ(91,92,…)の計測値が入力されている。第1制御部(56a)は、入力されたこれらの計測値に基づいて、調湿装置本体(10)の運転制御を行う。
【0076】
調湿装置本体(10)では、第1制御部(56a)の制御動作によって、後述する除湿換気運転と加湿換気運転と単純換気運転とパージ運転とが切り換えられる。また、コントローラ(56)は、これらの運転中において、各ダンパ(41〜48)、各ファン(25,26)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)、及び四方切換弁(54)の動作を制御する。
【0077】
第2制御部(56b)は、前記温水コイル機構(66)の一部を構成している。第2制御部(56b)には、内気湿度センサ(96)、内気温度センサ(98)、外気温度センサ(99)及び温水温度センサ(106)の検出値(hr,tr,to,tw)が入力される。また、第2制御部(56b)には、予め所定値(hrs,tos1,tos2,tws)が入力されている。第2制御部(56b)は、これらの検出値(hr,tr,to,tw)及び所定値(hrs,tos1,tos2,tws)に基づいて、温水コイル機構(66)が、詳しくは後述する加熱動作、休止動作及び予備加熱動作を行うように、前記2つの開閉弁(68a,68b)の開閉を制御する。
【0078】
−運転動作−
本実施形態の調湿装置本体(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転と、パージ運転とを選択的に行う。この調湿装置本体(10)は、除湿換気運転と加湿換気運転とを通常運転として行う。
【0079】
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転中の調湿装置本体(10)では、後述する第1通常動作と第2通常動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この除湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0080】
除湿換気運転中の調湿装置本体(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
【0081】
先ず、除湿換気運転の第1通常動作について説明する。図7に示すように、この第1通常動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第1外気側ダンパ(43)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1通常動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
【0082】
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
【0083】
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0084】
次に、除湿換気運転の第2通常動作について説明する。図8に示すように、この第2通常動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2通常動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
【0085】
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
【0086】
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0087】
〈加湿換気運転〉
加湿換気運転中の調湿装置本体(10)では、後述する第1通常動作と第2通常動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
【0088】
加湿換気運転中の調湿装置本体(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
【0089】
先ず、加湿換気運転の第1通常動作について説明する。図9に示すように、この第1通常動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1通常動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
【0090】
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0091】
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
【0092】
次に、加湿換気運転の第2通常動作について説明する。図10に示すように、この第2通常動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2通常動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
【0093】
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0094】
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
【0095】
〈単純換気運転〉
単純換気運転中の調湿装置本体(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。ここでは、単純換気運転中の調湿装置本体(10)の動作について、図11を参照しながら説明する。
【0096】
単純換気運転中の調湿装置本体(10)では、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。
【0097】
単純換気運転中の調湿装置本体(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ取り込まれる。外気吸込口(24)を通って外気側通路(34)へ流入した室外空気は、第1バイパス通路(81)から第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入し、その後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
【0098】
また、単純換気運転中の調湿装置本体(10)では、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ取り込まれる。内気吸込口(23)を通って内気側通路(32)へ流入した室内空気は、第2バイパス通路(82)から第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入し、その後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0099】
〈パージ運転〉
パージ運転中の調湿装置(1)では、後述する第1パージ動作と第2パージ動作が1回ずつ行われる。第1パージ動作や第2パージ動作の継続時間であるパージ運転時間tpは、第1通常動作や第2通常動作の継続時間(本実施形態では3〜4分間)よりも長い値に設定される。
【0100】
図12に示すように、パージ運転中の調湿装置(1)では、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)が閉状態となる。また、パージ運転中の調湿装置(1)では、排気ファン(25)だけが運転され、給気ファン(26)は停止したままとなる。つまり、外気パージ動作中には、室外空気(OA)がケーシング(11)内に取り込まれ、この空気が第1空気として室外へ排出される。
【0101】
パージ運転中において、外気側通路(34)へ流入した室外空気は、その一部が第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、残りが第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入する。第1熱交換器室(37)へ流入した空気は、第1吸着熱交換器(51)を通過後に第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入する。第2熱交換器室(38)へ流入した空気は、第2吸着熱交換器(52)を通過後に第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入する。そして、排気側通路(33)へ流入した空気は、排気ファン室(35)へ流入し、排気口(21)を通って室外へ排出される。
【0102】
先ず、第1パージ動作について説明する。第1パージ動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第1状態(図5(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒が室外空気に対して放熱して凝縮する。第2吸着熱交換器(52)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じる吸着熱を吸熱して冷媒が蒸発する。
【0103】
第1パージ動作中において、第2吸着熱交換器(52)における冷媒の蒸発温度が室外空気の露点温度となるように圧縮機(53)の容量が調節され、第2吸着熱交換器(52)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標値となるように電動膨張弁(55)の開度が調節される。圧縮機(53)の容量制御や電動膨張弁(55)の開度制御は、コントローラ(56)によって行われる。コントローラ(56)の詳細な制御動作については、後述する。
【0104】
このように、第1パージ動作中には、第2吸着熱交換器(52)に空気中の水分が吸着されてゆく。そして、第1パージ動作の終了直前において、第2吸着熱交換器(52)の含水率(即ち、吸着熱交換器に吸着されている水分量の、吸着熱交換器が吸着可能な水分量に対する割合)が90%以上になる。除湿換気運転や加湿換気運転において、第1通常動作の終了直前における第2吸着熱交換器(52)の含水率は、70%程度である。従って、第1パージ動作の終了直前における第2吸着熱交換器(52)の含水量は、第1通常動作の終了直前における第2吸着熱交換器(52)の含水量よりも多くなる。
【0105】
ここで、調湿装置(1)は空気の湿度を調節するためのものであるため、そこでは水(H2O)を吸着する能力の高い吸着剤が用いられる。また、空気中に存在する水蒸気の量は臭気物質の量に比べて非常に多くいため、空気における水蒸気の分圧は臭気物質の分圧に比べて非常に高い。従って、吸着熱交換器(51,52)の吸着剤に対する吸着力は、水の方が臭気物質に比べて高くなる。
【0106】
このため、第1パージ動作によって第2吸着熱交換器(52)の含水率が高くなると、吸着剤に対する吸着力の強い水蒸気が優先的に吸着剤に吸着され、それまで吸着剤に吸着されていたアンモニア等の臭気物質が吸着剤から脱離してゆく。第2吸着熱交換器(52)から脱離した臭気物質は、第2吸着熱交換器(52)を通過する室外空気と共に流れて室外へ排出される。
【0107】
次に、第2パージ動作について説明する。第2パージ動作中の冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)が第2状態(図5(B)に示す状態)に設定され、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となる。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒が室外空気に対して放熱して凝縮する。第1吸着熱交換器(51)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じる吸着熱を吸熱して冷媒が蒸発する。
【0108】
第2パージ動作中において、第1吸着熱交換器(51)における冷媒の蒸発温度が室外空気の露点温度となるように圧縮機(53)の容量が調節され、第1吸着熱交換器(51)から流出した冷媒の過熱度が所定の目標値となるように電動膨張弁(55)の開度が調節される。圧縮機(53)の容量制御や電動膨張弁(55)の開度制御は、コントローラ(56)によって行われる。
【0109】
このように、第2パージ動作中には、第1吸着熱交換器(51)に空気中の水分が吸着されてゆく。そして、第2パージ動作の終了直前において、第1吸着熱交換器(51)の含水率が90%以上になる。除湿換気運転や加湿換気運転において、第2通常動作の終了直前における第1吸着熱交換器(51)の含水率は、70%程度である。従って、第2パージ動作の終了直前における第1吸着熱交換器(51)の含水量は、第1通常動作の終了直前における第1吸着熱交換器(51)の含水量よりも多くなる。
【0110】
上述したように、吸着熱交換器(51,52)の吸着剤に対する吸着力は、水の方が臭気物質に比べて高くなる。このため、第2パージ動作によって第1吸着熱交換器(51)の含水率が高くなると、吸着剤に対する吸着力の強い水蒸気が優先的に吸着剤に吸着され、それまで吸着剤に吸着されていたアンモニア等の臭気物質が吸着剤から脱離してゆく。第1吸着熱交換器(51)から脱離した臭気物質は、第1吸着熱交換器(51)を通過する室外空気と共に流れて室外へ排出される。
【0111】
〈温水コイル機構の予備加熱動作、加熱動作及び休止動作〉
温水コイル機構(66)は、調湿装置の除湿換気運転中、加湿換気運転中又は単純換気運転中において、所定の条件下で、予備加熱動作、加熱動作及び休止動作を行う。以下では、除湿換気運転中、加湿換気運転中及び単純換気運転中における温水コイル機構の動作について説明する。
【0112】
−除湿換気運転中の温水コイル機構の動作−
調湿装置の除湿換気運転中において、第2制御部(56b)は、内気湿度センサ(96)での検出値(hr)と所定値(hrs)(本実施形態1では50%)とを比較するとともに、温水温度センサ(106)での検出値(tw)と内気温度センサ(98)での検出値(tr)とを比較する。その結果、内気湿度センサ(96)での検出値(hr)が所定値(hrs)を超える場合、且つ、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が内気温度センサ(98)での検出値(tr)に5℃を加えた値を超える場合(図13参照)には、温水コイル機構(66)は、内気側温水コイル(67a)を加熱する加熱動作を行う。
【0113】
具体的には、温水コイル機構(66)は、除湿換気運転中において、2つの吸着熱交換器のうち再生動作中の吸着熱交換器の上流側の空気を加熱する温水コイル(すなわち内気側温水コイル(67a))へ、再生動作が開始されてから所定期間に亘って温水を供給し、内気側温水コイル(67a)によって前記空気を加熱する加熱動作を行う。以下では、最初に第1吸着熱交換器(51)で再生動作が行われ、次に第2吸着熱交換器(52)で再生動作が行われる場合について説明する。
【0114】
加熱動作では、第1ポンプ(69)が駆動されている。加熱動作は、調湿装置本体(10)が第2通常動作から第1通常動作へ切り換えられた後(四方切換弁(54)が第2状態から第1状態へ切り換えられた後)、内気側開閉弁(68a)が開状態となり外気側開閉弁(68b)が閉状態となることにより開始される。これにより、貯湯タンク(62)からの温水が内気側温水コイル(67a)へ流入し、該内気側温水コイル(67a)が加熱される。この内気側温水コイル(67a)によって加熱された室内からの空気は、再生動作を開始した直後の比較的低温の第1吸着熱交換器(51)を流れて該第1吸着熱交換器(51)を加熱するとともに、吸着剤から離脱した水分によって加湿されて室外へ流出する。この加熱動作は、数十秒程度に亘って継続される。加熱動作中には、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤は、圧縮機(53)によって圧縮された高温の冷媒と、内気側温水コイル(67a)によって加熱された空気とによって加熱される。
【0115】
休止動作は、前記加熱動作の終了後に行われる。休止動作では、第1ポンプ(69)が停止される。この休止動作は、内気側開閉弁(68a)及び外気側開閉弁(68b)がともに閉状態となることにより開始される。これにより、内気側温水コイル(67a)への温水の供給が休止される。第1吸着熱交換器(51)へは、内気側温水コイル(67a)によって加熱されていない比較的低温の空気が流れ込み、室外へ排出される。この休止動作は、次に調湿装置本体(10)が第1通常動作から第2通常動作へ切り換えられる直前まで継続される。
【0116】
予備加熱動作は、前記休止動作の終了後に行われる。予備加熱動作では、第1ポンプ(69)が駆動される。この予備加熱動作は、内気側開閉弁(68a)が開状態となり外気側開閉弁(68b)が閉状態となることにより開始される。これにより、内気側温水コイル(67a)への温水の流入が開始され、内気側温水コイル(67a)が加熱される。この予備加熱動作は、調湿装置本体(10)が第1通常動作から第2通常動作に切り換えられる時まで継続される。
【0117】
次に、調湿装置本体(10)が第1状態から第2状態に切り換えられた後(四方切換弁(54)が第1状態から第2状態へ切り換えられた後)、再び加熱動作、休止動作、及び予備加熱動作が順に行われる。加熱動作中には、内気側温水コイル(67a)によって加熱された空気は、再生動作を開始した直後の比較的低温の第2吸着熱交換器(52)を流れて該第2吸着熱交換器(52)を加熱するとともに、吸着剤から離脱した水分によって加湿されて室外へ流出する。加熱動作の後、休止動作が行われる。休止動作中には、内気側温水コイル(67a)への温水の供給が休止され、第2吸着熱交換器(52)へは、内気側温水コイル(67a)によって加熱されていない空気が流れ込み、室外へ排出される。休止動作の後、予備加熱動作が行われる。予備加熱動作中には、内気側温水コイル(67a)が加熱される。
【0118】
この予備加熱動作の終了後、調湿装置本体(10)が再び第2通常動作から第1通常動作へ切り換えられ、前記加熱動作が再び行われる。
【0119】
なお、調湿装置の除湿換気運転中において、内気湿度センサ(96)での検出値(hr)が所定値(hrs)以下の場合、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が内気温度センサ(98)での検出値(tr)に5℃を加えた値以下の場合、或いはその両方の場合には、温水コイル機構(66)は、前記加熱動作及び予備加熱動作を禁止する。
【0120】
−加湿換気運転中の温水コイル機構の動作−
調湿装置の加湿換気運転中において、第2制御部(56b)は、外気温度センサ(99)での検出値(to)と所定値(tos1)(本実施形態1では5℃)とを比較するとともに、温水温度センサ(106)での検出値(tw)と外気温度センサ(99)での検出値(to)とを比較する。その結果、外気温度センサ(99)での検出値(to)が所定値(tos1)未満の場合、且つ、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が外気温度センサ(99)での検出値(to)に5℃を加えた値を超える場合(図13参照)には、温水コイル機構(66)は、外気側温水コイル(67b)を加熱する予備加熱動作を行う。
【0121】
具体的には、温水コイル機構(66)は、加湿換気運転中において、2つの吸着熱交換器のうち再生動作中の吸着熱交換器の上流側の空気を加熱する温水コイル(すなわち外気側温水コイル(67b))へ、再生動作が開始されてから所定期間に亘って温水を供給し、外気側温水コイル(67b)によって前記空気を加熱する加熱動作を行う。以下では、最初に第1吸着熱交換器(51)で再生動作が行われ、次に第2吸着熱交換器(52)で再生動作が行われる場合について説明する。
【0122】
加熱動作では、第1ポンプ(69)が駆動されている。加熱動作は、調湿装置本体(10)が第2通常動作から第1通常動作へ切り換えられた後(四方切換弁(54)が第2状態から第1状態へ切り換えられた後)、内気側開閉弁(68a)が閉状態となり外気側開閉弁(68b)が開状態となることにより開始される。これにより、貯湯タンク(62)からの温水が外気側温水コイル(67b)へ流入し、該外気側温水コイル(67b)が加熱される。この外気側温水コイル(67b)によって加熱された室外からの空気は、再生動作を開始した直後の比較的低温の第1吸着熱交換器(51)を流れて該第1吸着熱交換器(51)を加熱するとともに、吸着剤から離脱した水分によって加湿されて室内へ流れ込む。この加熱動作は、数十秒程度に亘って継続される。加熱動作中には、第1吸着熱交換器(51)の吸着剤は、圧縮機(53)によって圧縮された高温の冷媒と、外気側温水コイル(67b)によって加熱された空気とによって加熱される。
【0123】
休止動作は、前記加熱動作の終了後に行われる。休止動作では、第1ポンプ(69)が停止される。休止動作は、内気側開閉弁(68a)及び外気側開閉弁(68b)がともに閉状態となることにより開始される。これにより、外気側温水コイル(67b)への温水の供給が休止される。第1吸着熱交換器(51)へは、外気側温水コイル(67b)によって加熱されていない比較的低温の空気が流れ込み、室内へ供給される。この休止動作は、次に調湿装置本体(10)が第1通常動作から第2通常動作へ切り換えられる直前まで継続される。
【0124】
予備加熱動作は、前記休止動作の終了後に行われる。予備加熱動作では、第1ポンプ(69)が駆動される。この予備加熱動作は、内気側開閉弁(68a)が閉状態となり外気側開閉弁(68b)が開状態となることにより開始される。これにより、外気側温水コイル(67b)への温水の流入が開始され、外気側温水コイル(67b)が加熱される。この予備加熱動作は、調湿装置本体(10)が第1通常動作から第2通常動作に切り換えられる時まで継続される。
【0125】
次に、調湿装置本体(10)が第1状態から第2状態に切り換えられた後(四方切換弁(54)が第1状態から第2状態へ切り換えられた後)、再び加熱動作、休止動作、及び予備加熱動作が順に行われる。加熱動作中には、外気側温水コイル(67b)によって加熱された空気は、再生動作を開始した直後の比較的低温の第2吸着熱交換器(52)を流れて該第2吸着熱交換器(52)を加熱するとともに、吸着剤から離脱した水分によって加湿されて室内へ流れ込む。加熱動作の後、休止動作が行われる。休止動作中には、外気側温水コイル(67b)への温水の供給が休止され、第2吸着熱交換器(52)へは、外気側温水コイル(67b)によって加熱されていない空気が流れ込み、室内へ供給される。休止動作の後、予備加熱動作が行われる。予備加熱動作中には、外気側温水コイル(67b)が加熱される。
【0126】
この予備加熱動作の終了後、調湿装置本体(10)が再び第2通常動作から第1通常動作へ切り換えられ、加熱動作が再び行われる。
【0127】
なお、調湿装置の加湿換気運転中において、外気温度センサ(99)での検出値(to)が所定値(tos1)以上の場合、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が外気温度センサ(99)での検出値(to)に5℃を加えた値以下の場合、或いはその両方の場合には、温水コイル機構(66)は、前記加熱動作及び予備加熱動作を禁止する。
【0128】
−単純換気運転中の温水コイル機構の動作−
調湿装置の単純換気運転中において、第2制御部(56b)は、外気温度センサ(99)での検出値(to)と所定値(tos2)(本実施形態1では15℃)とを比較するとともに、温水温度センサ(106)での検出値(tw)と外気温度センサ(99)での検出値(to)とを比較する。その結果、外気温度センサ(99)での検出値(to)が所定値(tos2)未満の場合、且つ、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が外気温度センサ(99)での検出値(to)に5℃を加えた値を超える場合(図13参照)には、温水コイル機構(66)は加熱動作を行う。
【0129】
ここでの加熱動作は、単純換気運転が行われている間に亘って行われる。具体的には、加熱動作は、内気側開閉弁(68a)が閉じられるとともに外気側開閉弁(68b)が開放されることにより行われる。これにより、外気側温水コイル(67b)への温水の流入が開始され、外気側温水コイル(67b)が加熱される。この外気側温水コイル(67b)によって加熱された空気は、第1バイパス通路(81)を通じて室内へ供給される。これにより、室外の気温が15℃以下であっても、この外気は外気側温水コイル(67b)によって加熱されてから室内へ供給されるため、室内へ冷たい空気が流入してしまうのを回避できる。
【0130】
なお、調湿装置の単純換気運転中において、外気温度センサ(99)での検出値(to)が所定値(tos2)以上の場合、温水温度センサ(106)での検出値(tw)が外気温度センサ(99)での検出値(to)に5℃を加えた値以下の場合、或いはその両方の場合には、温水コイル機構(66)は、前記加熱動作を禁止する。
【0131】
−実施形態1の効果−
以上のように、実施形態1に係る調湿装置では、再生動作開始直後の比較的低温の吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を加熱しているため、該空気によって該吸着熱交換器(51,52)を加熱できる。こうすると、再生動作開始直後の吸着熱交換器(51,52)を比較的短時間で昇温できるため、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を比較的短時間で再生させることができる。その結果、加湿換気運転中においては室内を素早く加湿できるとともに、除湿換気運転中においては吸着剤に吸着された水分を素早く室外へ放出できる。
【0132】
また、温水コイル機構(66)の加熱動作により吸着熱交換器(51,52)が昇温した後は、該吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気の加熱が休止されるため、該吸着熱交換器(51,52)に対する高温の空気での加熱が停止する。これにより、昇温後の吸着熱交換器(51,52)が過剰に加熱されるのが抑制されるため、冷媒回路(50)における高圧側の圧力が上昇してしまうのを抑制できる。しかも休止動作中には、第1ポンプ(69)が停止状態となるため、第1ポンプ(69)の消費電力を低減できる。従って、調湿装置(1)を省エネ化できる。
【0133】
また、再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れた室外空気(OA)が室内へ供給されているとき、該室外空気(OA)は、温度が所定値(tos1)未満の場合に加熱されるため、該空気に含ませることができる水分量を増加することができる。その結果、室内に送られる空気に十分に水分を含ませることができる。逆に、室外空気(OA)は、温度が所定値(tos1)以上の場合には加熱されない。これは、室外空気(OA)の温度(to)が所定値(tos1)以上の場合には室外空気(OA)に含有させることができる水分量が比較的多くなるため、わざわざ室外空気(OA)を加熱しなくても、室内へ送られる空気へ多くの水分を含ませることができるためである。これにより、調湿装置の加湿能力を維持しつつ、温水コイル機構(66)を駆動させるための電力を低減できる。
【0134】
更に、再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れた室外空気(OA)が室内へ供給されているとき、該室外空気(OA)は、該室外空気(OA)よりも5℃以上温度の高い温水が流れる外気側温水コイル(67b)によって加熱されるため、該室外空気(OA)を確実に加熱できる。
【0135】
また、再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れた室内空気(RA)が室外へ排出されているとき、該室内空気(RA)は、相対湿度が所定値(hrs)を超える場合に加熱されるため、該空気に含ませることができる水分量を増加することができる。その結果、該空気に水分を十分に含ませて室外へ排出できる。逆に、室内空気(RA)は、相対湿度が所定値(hrs)以下の場合には加熱されない。これは、室内空気(RA)の相対湿度(hr)が所定値(hrs)以下の場合には室内空気(RA)に含有させることができる水分量が比較的多くなるため、わざわざ室内空気(RA)を加熱しなくても、室外へ排出される空気へ多くの水分を含ませることができるためである。これにより、吸着剤に吸着された水分を十分に室外へ排出しつつ、温水コイル機構(66)を駆動させるための電力を低減できる。
【0136】
更に、再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れた室内空気(RA)が室外へ排出されているとき、該室内空気(RA)は、該室内空気(RA)よりも5℃以上温度の高い温水が流れる内気側温水コイル(67a)によって加熱されるため、該室内空気(RA)を確実に加熱できる。
【0137】
また、再生動作を開始する吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を加熱する温水コイル(67a,67b)は、該吸着熱交換器(51,52)が前記再生動作を開始する直前に、予備加熱動作によって予め加熱されているため、再生動作開始直後の吸着熱交換器(51,52)へ比較的高温の空気を送ることができる。従って、該吸着熱交換器(51,52)を更に短時間で昇温できるため、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を更に短時間で再生させることができる。
【0138】
また、室外空気(OA)が吸着熱交換器(51,52)を通過せずに室内へ供給されているとき、該室外空気(OA)は、温度が所定値(tos2)未満の場合に加熱されるため、室内へ比較的低温の空気が流入してしまうのを回避できる。
【0139】
また、実施形態1では、温水を生成するのに太陽光を利用しているため、温水を生成するためにガスや電力等を利用する必要がなく、調湿装置全体を省エネ化できる。
【0140】
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る調湿装置は、加熱機構の構成が実施形態1に係る調湿装置と異なる。具体的には、実施形態2に係る調湿装置では、各温水コイル(67a,67b)に供給される温水が熱源ユニット(110)によって生成される。
【0141】
〈熱源ユニットの構成〉
熱源ユニット(110)は、図14に示すように、圧縮機(112)と加熱熱交換器(113)と膨張弁(114)と室外熱交換器(115)とを備えている。熱源ユニット(110)では、圧縮機(112)、加熱熱交換器(113)、膨張弁(114)、及び室外熱交換器(115)が冷媒配管を介して順に接続され、閉回路となる冷媒回路(111)が構成される。冷媒回路(111)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。
【0142】
加熱熱交換器(113)は、一次側伝熱部(113a)と二次側伝熱部(113b)とを有している。一次側伝熱部(113a)は、圧縮機(112)と膨張弁(114)との間の高圧ラインに接続されている。二次側伝熱部(113b)は、第2循環流路(65)に接続されている。加熱熱交換器(113)では、一次側伝熱部(113a)を流れる冷媒と、二次側伝熱部(113b)を流れる水とが熱交換する。熱源ユニット(110)では、二次側伝熱部(113b)を流れる水と比較すると、一次側伝熱部(113a)を流れる冷媒の方が温度が高くなる。このため、加熱熱交換器(113)では、一次側伝熱部(113a)を流れる冷媒の熱が、二次側伝熱部(113b)を流れる水へ付与される。つまり、二次側伝熱部(113b)は、第2循環流路(65)を流れる水を加熱する加熱部を構成している。室外熱交換器(115)の近傍には、ファン(116)が設けられている。室外熱交換器(115)では、その内部を流れる冷媒と、ファン(116)が送風する室外空気とが熱交換する。
【0143】
熱源ユニット(110)の冷媒回路(111)では、圧縮機(112)が運転されて冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。即ち、この冷媒回路(111)では、圧縮機(112)で圧縮された冷媒が、一次側伝熱部(113a)で放熱し、膨張弁(114)で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器(115)で蒸発し、圧縮機(112)に吸入される。この冷凍サイクルは、冷媒としての二酸化炭素を臨界圧力以上まで圧縮する、いわゆる超臨界サイクルである。
【0144】
実施形態2に係る調湿装置では、冷凍サイクルを利用して温水を生成しているため、実施形態1のように太陽光を利用して温水を生成する場合と比べて、比較的温水を安定的に生成できる。
【0145】
また、実施形態2に係る調湿装置は、実施形態1に係る調湿装置における温水温度センサ(106)が省略された構成となっている。
【0146】
〈温水コイル機構の予備加熱動作、加熱動作及び休止動作〉
温水コイル機構(66)は、実施形態1の場合と同様、予備加熱動作、加熱動作及び休止動作を行う。しかし、実施形態1と比べて、これらの動作を行う際の条件が異なる。具体的には、温水コイル機構(66)は、各温水コイル(56a,56b)に流入する温水の温度に関係なく、予備加熱動作、加熱動作及び休止動作を行う。
【0147】
−実施形態2の効果−
以上のように、実施形態2に係る調湿装置では、各温水コイル(67a,67b)へ供給する温水を、冷凍サイクルを利用した熱源ユニット(110)によって生成している。こうすると、実施形態1の場合と異なり、安定した温度の温水を生成できる。
【0148】
また、熱源ユニット(110)によって温水の温度が安定化するため、温水コイル(67a,67b)に流入する温水の温度を検出するための温水温度センサ(106)を省略した構成にできる。その結果、調湿装置(1)の構成を簡素化できる。
【0149】
−その他の実施形態−
前記実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
【0150】
前記各実施形態では、各温水コイル(67a,67b)への温水の供給と停止とを切り換えることによって温水コイル機構(66)の加熱動作と休止動作とを切り換えているが、この限りでない。例えば、内気吸入口を2つ設け一方の内気吸込口のみに内気側温水コイルを取り付け、室内空気(RA)を一方の内気吸込口と他方の内気吸込口とに交互に流入させることにより、加熱動作と休止動作とを切り換えることもできる。同様に、外気吸込口を2つ設け一方の外気吸込口のみに外気側温水コイルを取り付け、室外空気(OA)を一方の外気吸込口と他方の外気吸込口とに交互に流入させることにより、加熱動作と休止動作とを切り換えることができる。
【0151】
また、前記各実施形態では、2つの吸着熱交換器(51,52)を備える調湿装置を対象としたが、吸着熱交換器を1つだけ備える調湿装置を対象とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0152】
以上説明したように、本発明は、2つの吸着熱交換器の再生動作と吸着動作とを切り換えて行う調湿装置に特に有用である。
【符号の説明】
【0153】
1 調湿装置
23 内気吸込口
24 外気吸込口
50 冷媒回路
51 第1吸着熱交換器(吸着熱交換器)
52 第2吸着熱交換器(吸着熱交換器)
54 四方切換弁(切換機構)
61 温水供給機構
61a 温水生成部
61b 第1循環流路(温水供給路)
66 温水コイル機構
67a 内気側温水コイル(温水コイル)
67b 外気側温水コイル(温水コイル)
96 内気湿度センサ(内気湿度検出部)
99 外気温度センサ(外気温度検出部)
hr 検出値(検出湿度)
to 検出値(検出温度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に吸着剤が担持される吸着熱交換器(51,52)を有し、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(50)と、該冷媒回路(50)に設けられ前記冷媒の循環方向を切り換えるための切換機構(54)とを備え、
前記吸着熱交換器(51,52)では、前記切換機構(54)を切り換えることによって前記吸着剤の吸着動作と再生動作とが交互に行われ、該再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れる空気を室内へ供給する又は室外へ排出する調湿装置であって、
空気を加熱する温水コイル(67a,67b)を有し、前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)の上流側の空気を、前記吸着動作から前記再生動作への切換直後に所定期間に亘って加熱する加熱動作と、該加熱動作の後、前記再生動作から前記吸着動作へ切り替わるまでの間、空気の加熱を休止する休止動作と、を行う温水コイル機構(66)を備えることを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を室外から取り込むための外気吸込口(24)と、室外の空気の温度を検出する外気温度検出部(99)とを備え、
前記温水コイルは、前記外気吸込口(24)を通じて室外から取り込まれる空気を加熱する外気側温水コイル(67b)を含み、
前記外気吸込口(24)から取り込まれる空気が前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室内へ供給されているとき、前記温水コイル機構(66)は、前記外気温度検出部(99)の検出温度(to)が所定値(tos1)以上の場合には前記加熱動作を禁止することを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記吸着熱交換器(51,52)へ流れ込む空気を室内から取り込むための内気吸込口(23)と、室内の空気の相対湿度を検出する内気湿度検出部(96)とを備え、
前記温水コイルは、前記内気吸込口(23)を通じて室内から取り込まれる空気を加熱する内気側温水コイル(67a)を含み、
前記内気吸込口(23)から取り込まれる空気が前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)を流れて室外へ排出されているとき、前記温水コイル機構(66)は、前記内気湿度検出部(96)の検出湿度(hr)が所定値(hrs)以下の場合には前記加熱動作を禁止することを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか1つにおいて、
前記温水コイル機構(66)は、前記再生動作中の吸着熱交換器(51,52)の上流側の空気を加熱する温水コイル(67a,67b)へ、該再生動作の開始直前から温水を供給する予備加熱動作を行うことを特徴とする調湿装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1つにおいて、
太陽光により温水を生成する温水生成部(61a)と、該温水生成部(61a)で生成された温水を前記温水コイル(67a,67b)へ供給するための温水供給路(61b)と、を有する温水供給機構(61)を備えることを特徴とする調湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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