説明

請求書、請求書作成装置および請求書読取装置並びに請求書作成プログラムおよび請求書読取プログラム

【課題】紙を利用した請求書でも、EDIフォーマットを利用した電子データ交換システムと同様に請求書の請求内容を情報処理装置に取り込んで、電子データとして管理することができる請求書を作成する請求書作成装置を得ること。
【解決手段】作成する請求書の内容である請求書情報を取得する請求書情報取得部101と、請求書情報を符号化したQRコードを作成するQRコード作成部103と、請求書情報とQRコードを、所定のフォーマットに配置した請求書データを作成する請求書データ作成部104と、請求書データを印刷する印刷部105と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷された請求内容を情報処理装置に取込んで編集可能な請求書に関するものである。また、この請求書を作成する請求書作成装置および請求書作成プログラムと、その請求書の請求内容を読込んで電子的に編集することのできる請求書読取装置および請求書読取プログラムにも関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば企業間の取引において紙の請求書が、請求元から請求先へと商品とともに送付されている。このような紙の請求書がやり取りされる環境下にある請求先の企業では、請求元から送付された紙の請求書を、担当者が請求内容を確認しながら、自社の債務情報と照合し、債務の支払い手続を実施している。ほとんどの企業は、この債務管理を情報システムで管理し、支払い処理を実行しているため、請求元から送付された請求書の請求内容を自社の情報システムで管理している。この情報システムへの入力は、企業の債務照合や支払い手続を実施する担当者によって、請求書を受取る都度行われるが、請求書の形状、情報の内容や配置は請求書を発行する請求元によって千差万別であるため、担当者に大変な労力を掛けている。
【0003】
このような問題点を解決するために、企業間の情報システムを通信回線で結び、企業間で標準化させたEDI(Electronic Data Interchange)フォーマットに基づいて記述した請求情報を含む請求書を、電子的に交換する電子データ交換システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、電話代金や電気代金などの各種代金の収納において、各種代金を収納企業に代わって収納代行企業が収納する収納代行システムも提案されている。この収納代行システムでは、収納企業が有する収納企業サーバから受領した各顧客への請求書情報を二次元バーコードデータに変換してそれぞれの顧客の携帯情報端末に送信し、その携帯情報端末の表示画面に表示された二次元バーコードを顧客が支払いを行う店舗に設置されたPOS(Point-To-Sale)端末で読取って代金の収納を行うものである(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−105631号公報
【特許文献2】特開2003−108907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の電子データ交換システムは、システムを導入するにあたって、相応の情報化投資が必要などの理由で、多くの中小企業では実施が困難であるという問題点があった。また、業界が異なるとEDIフォーマットも異なっているのが現状であり、業界間のEDIフォーマットの標準化が難しいという問題点もあった。これらのため、電子データ交換システムは、現状では広く普及しているとはいえない状況にある。さらに、特許文献2に記載の収納代行システムは、個人の各種代金の収納を代行することを目的としているために、収納企業と顧客との間に収納代行企業の利用を前提としている。このような収納代行システムを企業間の取引に適用した場合には、既に存在している請求書を管理するための企業のシステムが無駄となってしまう。そのために、この収納代行システムを企業間の取引に適用するのは現実的でない。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、紙を利用した請求書でも、EDIフォーマットを利用した電子データ交換システムと同様に請求書の請求内容を情報処理装置に取り込んで、電子データとして管理することができる請求書を得ることを目的とする。また、この請求書を作成する請求書作成装置と、その請求書を電子データとして読込む請求書読取装置を得ることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明にかかる請求書は、請求書の内容である請求書情報を符号化したコード情報が前記請求書情報とともに配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、請求書情報の内容を含むコード情報を請求内容とともに印刷した請求書を使用することで、請求先の企業の債務照合や支払手続を行う担当者は、コード情報を読取る処理を行うだけで、請求書情報の内容を情報処理端末に取込むことができ、従来手入力していた手間を省くことができるという効果を有する。また、請求先側では、請求書情報の内容の誤りなどをチェックする必要がなくなる。その結果、電子データ交換システムを導入する場合に比して格段に低いコストで、請求書情報を電子データで管理することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる請求書、請求書作成装置および請求書読取装置並びに請求書作成プログラムおよび請求書読取プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
最初に、この発明で使用される請求書について説明する。図1は、この発明にかかる請求書の構成の一例を示す図である。この請求書1は、請求内容2と、この請求内容2を請求書情報としてコード化したQR(Quick Response)コード3と、を含む。なお、このQRコード3は、特許請求の範囲におけるコード情報に対応している。また、請求書情報をコード化できるものであればQRコードに限られる必要はない。
【0012】
請求書情報20は、請求書1の基本的な内容からなる請求基本情報21と、請求先に関する請求先情報22と、請求元に関する請求元情報23と、請求の明細である請求明細情報24と、支払条件に関する支払情報25を含む。
【0013】
請求基本情報21は、請求日211、請求書番号212、請求件名213および請求額214を含む。請求額214は、たとえば、総額、本体価格、消費税に分けてもよい。請求先情報22は、請求先会社名称221、請求先担当者(代表者)名222、請求先住所223、請求先電話番号および請求先コード225の全てまたはいずれかを含む。この請求先コード225は、請求元や請求先の企業で独自に使用している業務用コードであってもよいし、世の中に存在する企業についての情報を企業情報としてデータベース化し、第三者にその企業情報を提供している提供者(たとえば、帝国データバンクやJEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)など)が企業ごとに付すコード(以下、標準コードという)であってもよい。請求元情報23は、請求元名称231、請求元住所232、請求元電話番号と請求元FAX番号233、代表者(担当者)名234および請求元コード235の全てまたはいずれかを含む。この請求元コード235も請求先コード225と同様に、各企業における業務用コードであってもよいし、標準コードであってもよい。請求明細情報24は、請求先の注文(発注)番号、請求元の受注番号241、摘要(図1では、品名)242、数量243、単価244および金額245の全てまたはいずれかを含む。支払情報25は、支払条件251、および金融機関・支店名252、預金種253、口座番号254、口座名義255などからなる振込情報を含む。なお、請求元によらない汎用性の高い請求書1を作成するために、請求書情報20に含まれる項目をEDIフォーマットに準拠させるようにしてもよい。
【0014】
請求書1中のこのような請求書情報20は、請求書1を作成する情報処理装置で、たとえば上記のように請求基本情報21、請求先情報22、請求元情報23、請求明細情報24および支払情報25ごとにその内容が分類され、CSV(Comma Separated Values)形式やXML(eXtensible Markup Language)形式のデータに変換される。この明細書では、この変換されたデータを、請求書情報テキストデータと呼ぶことにする。図2は、図1の請求書の請求書情報をCSV形式に変換した場合の一例を示す図である。CSV形式の請求書情報テキストデータは、分類された各情報21〜25ごとに、その項目がカンマ区切りで羅列され、別の行にその項目に対応するデータ(内容)が同様にカンマ区切りで羅列されている。この請求書情報テキストデータをさらにQRコード3に変換し、そのQRコード3を請求書情報(請求内容)20とともに紙に印刷する。
【0015】
請求書1中に付されるQRコード3は、請求書情報20を編集可能なテキストデータをコード化したものであるので、QRコード3を読取った情報処理装置では、その請求書情報20をテキストデータとして処理することができる。また、そのテキストデータを所定の表示形式に変換する変換手段を有する情報処理装置であれば、たとえば、図1に示すような形式の請求書1を情報処理装置の表示手段に表示させることが可能となる。
【0016】
なお、1枚の請求書1には1件の請求内容が含まれることが通常であるが、QRコード3に書込むことができる情報量の範囲内において、可能であれば複数件の内容を1枚の請求書1に含ませることも可能である。
【0017】
このように、請求書情報20の内容を含むQRコード3を請求内容とともに印刷した請求書1を使用することで、請求先の企業の債務照合や支払手続を行う担当者は、QRコード3を読取る処理を行うだけで、請求書情報20の内容(請求書情報テキストデータ)を情報処理端末に取込むことができ、従来手入力していた手間を省くことができるという効果を有する。また、請求先側では、請求書情報20の内容の誤りなどをチェックする必要がなくなる。その結果、電子データ交換システムを導入する場合に比して格段に低いコストで、請求書情報20を電子データで管理することが可能になる。
【0018】
つぎに、このQRコードを有する請求書を作成する請求書作成装置について説明する。図3は、この発明にかかる請求書作成装置の概略構成を示すブロック図である。この請求書作成装置100は、請求元側に配置される装置であり、作成する請求書1の請求内容2である請求書情報20を取得する請求書情報取得部101と、請求書情報20を所定の形式のテキストデータ(請求書情報テキストデータ)に変換する請求書情報テキスト変換部102と、請求書情報テキストデータからQRコード3を作成するQRコード作成部103と、請求書情報20とQRコード3から印刷する請求書データを作成する請求書データ作成部104と、請求書データを印刷する印刷部105と、これらの各処理部を制御する制御部106と、を備える。
【0019】
請求書情報取得部101は、図示しない入力部によって請求元の担当者によって入力された請求書情報20を取得したり、または既に作成されている請求書情報20を外部から取得したりする。外部から請求書情報20を取得する場合とは、たとえば請求元がインターネットなどのネットワークを介して注文を受け付けるシステムを有している場合に、注文の受付を行うサーバ装置でその注文内容に基づいて作成される請求書情報20を、通信回線を介してまたは持ち運び可能な記録媒体を介して、請求書作成装置100で読込む場合などである。この請求書情報20は、上述したように、請求基本情報21、請求先情報22、請求元情報23、請求明細情報24および支払情報25を含むものである。
【0020】
請求書情報テキスト変換部102は、請求書情報取得部101で取得した請求書情報20を、その内容に基づいて請求基本情報21、請求先情報22、請求元情報23、請求明細情報24および支払情報25に分類し、この分類をCSV形式やXML形式などの所定の形式のテキストデータに変換する。たとえば、請求書情報20内の各項目は、その項目名に合致する内容を有する上記各情報21〜25中のいずれかの情報に分類され、所定の形式のテキストデータに変換される。なお、最初から上記分類にしたがって請求書情報20が分類されている場合には、改めて分類を行う必要はなく、その分類にしたがって所定の形式へのテキストデータに変換される。また、請求書情報取得部101によって、所定の形式のテキストデータ(請求書情報テキストデータ)で請求書情報20を取得した場合には、改めて変換を行う必要はない。CSV形式のテキストデータに変換する場合の請求書情報テキスト変換部102による変換の例が図2に示されている。
【0021】
QRコード作成部103は、請求書情報テキスト変換部102によって変換された請求書情報テキストデータを符号化してQRコード3を作成する。なお、このQRコード作成部103は、特許請求の範囲におけるコード情報作成手段に対応している。
【0022】
請求書データ作成部104は、請求書情報取得部101で取得した請求書情報20中の各項目の内容であるデータとQRコード作成部103で作成されたQRコード3を、予め用意された請求書のフォーマット中の所定の位置に配置して、印刷される請求書データを作成する。また、印刷部105は、プリンタなどの印刷装置によって構成され、請求書データ作成部104によって作成された請求書データを紙などの印刷媒体に印刷して請求書1を作成する。
【0023】
ここで、この請求書作成装置における請求書作成方法の処理手順の一例について図4のフローチャートを参照しながら説明する。まず、請求書情報20を請求書作成装置100から直接入力する場合(ステップS11でYesの場合)には、図示しない入力部から担当者(利用者)によって請求書情報20が入力され(ステップS12)、その請求書情報20を請求書情報取得部101は取得する。一方、請求書情報20が請求書作成装置100以外の情報処理装置で既に作成されており請求書情報20の直接入力が必要ない場合(ステップS11でNoの場合)には、その請求書情報20を情報処理装置から通信回線を介してまたは持ち運び可能な記録媒体を介して、請求書情報取得部101は請求書情報20のデータ取込みを行い(ステップS13)、請求書情報20を取得する。
【0024】
ついで、請求書情報テキスト変換部102は、請求書情報取得部101で取得した請求書情報20を所定の形式のテキストデータに変換し、請求書情報テキストデータを作成する(ステップS14)。なお、取得した請求書情報20が所定の形式のテキストデータである場合には、このステップS14の処理を行う必要はない。その後、QRコード作成部103は請求書情報テキストデータからQRコード3を作成し(ステップS15)、請求書データ作成部104は、請求書情報20中の各項目に対応するデータとQRコード3を、予め用意されたフォーマット中の対応する位置に配置した請求書データを作成する(ステップS16)。そして、印刷部105は、請求書データ作成部104によって作成された請求書データを紙などの印刷媒体に印刷して(ステップS17)、請求書1を作成し、請求書作成処理が終了する。この後、請求元の担当者は、印刷した請求書1を請求先へと配送する。
【0025】
なお、上述した請求書作成装置100は、ハードディスクドライブなどの記憶手段やメモリ、CPU(Central Processing Unit)を有するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成することができる。この場合に、上述した請求書作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして情報処理装置の記憶手段に格納させ、メモリ上に呼び出して実行させることによって、上記処理を実行させることが可能となる。この請求書作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク、DVD(Digital Versatile DiscまたはDigital Video Disc)、メモリカードなどのコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、上述した請求書作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0026】
つぎに、QRコードを有する請求書を読取る請求書読取装置について説明する。図5は、この発明にかかる請求書読取装置の概略構成の一例を示すブロック図である。この請求書読取装置120は、請求先側に配置される装置であり、請求書1に印刷されているQRコード3を読取るQRコード読取部121と、取引先に関する取引先情報を格納する取引先情報格納部122と、QRコード読取部121によって読取られた請求書情報20に所定の処理を行って請求書情報格納部124に格納する請求書情報格納処理部123と、請求書情報20を格納する請求書情報格納部124と、請求書情報20を表示部126に表示させる処理を行う表示処理部125と、請求書情報20を表示する表示部126と、これらの各処理部を制御する制御部127と、を備える。
【0027】
QRコード読取部121は、2次元バーコードリーダなどの装置によって構成され、紙の請求書1に印刷されたQRコード3を読取り、その結果である請求書情報テキストデータを請求書情報格納処理部123に出力する。なお、このQRコード読取部121は、特許請求の範囲におけるコード情報読取手段に対応している。
【0028】
取引先情報格納部122は、この請求書読取装置120が配置される企業における取引先に関する取引先情報が格納される。取引先情報は、取引先企業名称、取引先住所、取引先電話番号、代表者(担当者)名および取引先コードの全てまたはいずれかを含む。この取引先情報は、上述した請求書情報20における請求元情報23に対応するものである。また、取引先コードは、上述した請求先コード225と同様に、各企業における業務用コードであってもよいし、標準コードであってもよい。
【0029】
請求書情報格納処理部123は、QRコード読取部121によって読取られた請求書情報テキストデータを、必要な場合には所定の処理を施して請求書情報格納部124に格納する。この図5の例では、請求書情報格納処理部123は、QRコード読取部121によって読取られた請求書情報テキストデータについて、その請求元情報23が取引先情報格納部122中の取引先情報に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には自社支払先コードとして請求書情報格納部124に登録し、含まれない場合には雑支払先コードとして請求書情報格納部124に登録する機能を備えているものとする。
【0030】
請求書情報格納部124は、請求書情報格納処理部123によって編集(分類)された請求書情報を格納する。この図5の例では、請求書情報には、請求書作成装置100で作成された請求書情報20に加えて、自社支払先コードか雑支払先コードかを分類する情報が含まれている。
【0031】
表示処理部125は、担当者(利用者)によって選択された請求書情報格納部124中の請求書情報の各項目における内容を、予め登録された表示フォーマットの対応する位置に配置させた表示データを作成する。また、表示部126は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置によって構成され、表示処理部125によって作成された表示データを表示する。図6は、請求書情報の表示画面の一例を示す図である。この表示画面300は、請求元である支払先情報表示領域310と、請求の内容である請求明細表示領域320からなる。支払先情報表示領域310は、支払先情報フォーマットとして予め表示する項目311が定められており、この項目311に対応した表示欄には請求書情報20中の対応する項目311のデータまたはそのコードなどが表示されるようになっている。この支払先情報フォーマットを構成する項目311は、請求書情報20中の請求元情報23と支払情報25と、請求先で任意に設定した項目から構成されている。たとえば、項目「支払希望日」は、請求書情報20中にはなく、請求先で任意に設定したものである。また、請求明細表示領域320は、請求明細フォーマットとして予め表示する項目321が定められており、この項目321に対応した表示欄には請求書情報20中の対応する項目321のデータが表示されるようになっている。この請求明細フォーマットを構成する項目321は、請求書情報20中の請求基本情報21から構成されている。なお、この表示画面300は一例であり、請求明細情報24を表示させるようにすることも可能である。
【0032】
ここで、この請求書読取装置における請求書読取方法の処理手順の一例について図7のフローチャートを参照しながら説明する。まず、QRコード読取部121は、請求元から送付された請求書1中のQRコード3を読取り(ステップS31)、その結果得られる請求書情報テキストデータを請求書情報格納処理部123に渡す。ついで、請求書情報格納処理部123は、取引先情報を用いて取引先を特定する処理を行う。つまり、請求書情報テキストデータ中の請求元コードが取引先情報格納部122中の取引先情報に登録されているかを判定する(ステップS32)。請求元コードが取引先情報に登録されていない場合(ステップS32でNoの場合)には、請求書情報テキストデータ中の請求元名称または請求元住所が取引先情報格納部122中の取引先情報に登録されているかを判定する(ステップS33)。請求元名称または請求元住所が取引先情報に登録されていない場合(ステップS33でNoの場合)には、請求書情報テキストデータ中の請求元電話番号または振込口座(金融機関・支店名、口座番号)が取引先情報格納部122中の取引先情報に登録されているかを判定する(ステップS34)。請求元電話番号または振込口座が取引先情報に登録されていない場合(ステップS34でNoの場合)には、その請求書1の請求元は自社の提携先でないと判定し、読取った請求書情報テキストデータを雑支払先コードで請求書情報格納部124に登録し(ステップS35)、請求書読取処理が終了する。
【0033】
一方、ステップS32で請求元コードが取引先情報に登録されている場合(ステップS32でYesの場合)、請求元名称または請求元住所が取引先情報に登録されている場合(ステップS33でYesの場合)、または請求元電話番号または振込口座が取引先情報に登録されている場合(ステップS35でYesの場合)には、請求書1の請求元は自社の提携先であると判定し、自社支払システムで支払うように自社支払先コードで読取った請求書情報テキストデータを請求書情報格納部124に登録し(ステップS36)、請求書読取処理が終了する。
【0034】
なお、上述した請求書読取装置120は、ハードディスクドライブなどの記憶手段やメモリ、CPUを有するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成することができる。この場合に、上述した請求書読取方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして情報処理装置の記憶手段に格納させ、メモリ上に呼び出して実行させることによって、上記処理を実行させることが可能となる。この請求書読取方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク、DVD、メモリカードなどのコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、上述した請求書読取方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0035】
この実施の形態によれば、請求書1の請求内容2を情報処理装置で処理可能なテキスト形式のデータとし、これを符号化したQRコード3を、請求内容2とともに請求書1に印刷するようにしたので、この請求書1を受取った請求先では、請求書1の内容を従来同様に紙面上で確認することができるとともに、QRコード3を読取ることで請求内容を請求先の有する情報処理装置内に取込むことができる。その結果、請求先の債務照合や支払手続を行う担当者の負担が軽減されるとともに、入力したデータの信頼性も高めることができる。また、請求書情報20の形式をEDIフォーマットとすることで、請求書情報20の内容と、請求先で請求書の管理に使用される内容との間の変換を容易にし、汎用性を高めることができる。さらに、この場合、電子データ交換システムを用いてEDIフォーマットで請求書の受信を行っている請求先では、請求書情報20のその支払システムへの接続(取込み)が容易となるという効果も有する。
【0036】
また、請求書作成装置100では、請求書情報20の内容を所定の基準で分類し、それを所定のテキスト形式にしたものをQRコード化したので、請求先の情報処理装置で編集可能な請求書情報を有する請求書を提供することができる。
【0037】
さらに、請求書読取装置120では、請求書1に印刷されるQRコード3を読込むことで、所定のテキスト形式の請求書情報テキストデータが得られ、その請求書情報テキストデータを請求先独自の請求書管理システムで管理することを容易にするという効果を有する。また、請求書読取装置120に、請求先独自の請求書情報テキストデータの編集(変換)機能を設けることで、請求先の請求書管理システムに適合した形式の請求書情報が容易に得られるという効果も有する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、この発明にかかる請求書は、紙の請求書の内容を情報処理装置に入力して管理しているシステムで使用される請求書に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明による請求書の構成の一例を示す図である。
【図2】図1の請求書の請求書情報をCSV形式に変換した場合の一例を示す図である。
【図3】この発明による請求書作成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】請求書作成の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明による請求書読取装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】請求書情報の表示画面の一例を示す図である。
【図7】請求書読取りの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 請求書
2 請求内容
3 QRコード
100 請求書作成装置
101 請求書情報取得部
102 請求書情報テキスト変換部
103 QRコード作成部
104 請求書データ作成部
105 印刷部
106,127 制御部
120 請求書読取装置
121 QRコード読取部
122 取引先情報格納部
123 請求書情報格納処理部
124 請求書情報格納部
125 表示処理部
126 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求書の内容である請求書情報を符号化したコード情報が前記請求書情報とともに配置されることを特徴とする請求書。
【請求項2】
前記コード情報は、情報処理装置で編集可能な所定のテキスト形式の前記請求書情報を符号化したものであることを特徴とする請求項1に記載の請求書。
【請求項3】
作成する請求書の内容である請求書情報を取得する請求書情報取得手段と、
前記請求書情報を符号化したコード情報を作成するコード情報作成手段と、
前記請求書情報と前記コード情報を、所定のフォーマットに配置した請求書データを作成する請求書データ作成手段と、
前記請求書データを印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする請求書作成装置。
【請求項4】
前記請求書情報が情報処理装置で編集可能な所定のテキスト形式でない場合に、前記請求書情報を前記所定のテキスト形式の請求書情報テキストデータに変換する請求書情報テキスト変換手段をさらに備え、
前記コード情報作成手段は、前記請求書情報テキストデータを符号化したコード情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の請求書作成装置。
【請求項5】
請求書の内容である請求書情報を符号化したコード情報が印刷された請求書から前記コード情報を読取るコード情報読取手段と、
請求書情報が格納される請求書情報格納手段と、
前記コード情報読取手段によって読取られた所定のテキスト形式の請求書情報を前記請求書情報格納手段に登録する請求書情報格納処理手段と、
を備えることを特徴とする請求書読取装置。
【請求項6】
取引先に関する取引先情報が格納される取引先情報格納手段をさらに備え、
前記請求書情報格納処理手段は、前記所定のテキスト形式の請求書情報中の請求元に関する請求元情報が、前記取引先情報に登録されているか否かを判定し、登録の有無によって、前記請求書情報格納手段に登録する場合の分類を変化させる機能をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の請求書読取装置。
【請求項7】
作成する請求書の内容である請求書情報を取得する請求書情報取得手順と、
前記請求書情報を符号化したコード情報を作成するコード情報作成手順と、
前記請求書情報と前記コード情報を、所定のフォーマットに配置した請求書データを作成する請求書データ作成手順と、
前記請求書データを印刷する印刷手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求書作成プログラム。
【請求項8】
前記請求書情報が情報処理装置で編集可能な所定のテキスト形式でない場合に、前記請求書情報を前記所定のテキスト形式の請求書情報テキストデータに変換する請求書情報テキスト変換手順をさらに含み、
前記コード情報作成手順では、前記請求書情報テキストデータを符号化したコード情報を作成することを特徴とする請求項7に記載の請求書作成プログラム。
【請求項9】
請求書の内容である請求書情報を符号化したコード情報が印刷された請求書から前記コード情報を読取るコード情報読取手順と、
前記コード情報読取手順で読取られた所定のテキスト形式の請求書情報を、所定の記憶手段に登録する請求書情報格納処理手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求書読取プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−281701(P2006−281701A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107651(P2005−107651)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】