説明

講義収録/配信システム

【課題】 講師が黒板を用いて行う講義の様子を収録または配信するための講義収録/配信システムにおいて、画像を見やすくし、省力化する。
【解決手段】 エリアセンサ21は、黒板2の表面を複数のエリアEa〜Ecに分け、その複数のエリアのうち講師Tが触れるか接近したエリアを検出する。また、画像選択手段32は、黒板2の各エリアEa〜Ecをそれぞれ撮影する固定カメラ25A〜25Cのうち、エリアセンサ21で検出されたエリアに対応する固定カメラの画像信号を選択的に出力する。識別表示手段33は、エリアランプ22A〜22Cおよびカメラランプ26A〜26Cの点灯を制御して、画像選択手段32によって選択された固定カメラが複数の固定カメラのいずれであるか、および選択された固定カメラが黒板2のどのエリアに対応しているかを、講師Tが識別できるように表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講師が黒板を用いて行う講義の様子を収録または配信するための講義収録/配信システムにおいて、画像が見やすく、また、省力化するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大学や各種学校などでは、講師が生徒のいる教室内で講義を行う方式だけでなく、その講義内容を別教室のモニタに送って別教室の生徒に受講させる方式や、インターネットなどのネットワークを介して生徒の端末に送って受講させる方式等がある。また、その講義内容を記録媒体に予め収録しておき、これを教室のモニタやスピーカに出力したり、ネットワークを介して生徒の端末に送り、講義を受けさせる方式あるいは講義内容を収録した記録媒体を受講生に頒布する方式等がある。
【0003】
このように講義の様子を収録あるいは配信するためのシステムとして、従来では、図5に示すように、講師Tが教室1で黒板2を用いて行う講義の様子を作業者Cがカメラ10を操作(遠隔操作の場合もある)して撮影し、講師Tの音声をマイク(図示せず)で検出して、カメラ10の画像情報とマイクの音声情報とを所定形式で配信したり、ビデオテープやDVD(デジタルビデオディスク)等の記録媒体に記録している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように1台のカメラ10を作業者Cが操作して講義を撮影する場合、教壇上4を移動する講師Tの動きや講義内容に合わせて、作業者Cがカメラ10の向きを変えたり焦点合わせをする必要があるが、その際に焦点ずれや画像のブレ等の乱れが発生し、画像を見ている生徒はその画像の乱れが気になって、講義に集中できないという問題があった。
【0005】
また、1つの講義の開始から終了まで撮影のために少なくとも一人の作業者が従事しなければならず、しかも、講師Tと作業者Cとが講義開始前に綿密に打ち合わせをしておかないと、例えば、講師Tが生徒に注目して欲しい黒板2の書き込み部分を映して欲しいときに、その方向にカメラ10を向けてくれない等の問題が発生して、講義が円滑に進行せず、記録媒体へ収録してから配信する場合であっても、その収録内容に対する大幅な編集作業が必要になってしまい、省力化が困難であった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決し、画像が見やすく、生徒が講義に集中でき、また、省力化できる講義収録/配信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の講義収録/配信システムは、
講師が黒板を用いて行う講義の画像と音声を収録または配信するための講義収録/配信システムにおいて、
前記黒板表面を複数のエリアに分け、該複数のエリアのうち講師が触れるか接近したエリアを検出するエリアセンサ(21)と、
前記黒板の各エリアをそれぞれ撮影する複数の固定カメラ(25A〜25C)と、
前記複数の固定カメラのうち、前記エリアセンサで検出されたエリアに対応する固定カメラの画像信号を選択的に出力する画像選択手段(32)と、
前記画像選択手段によって選択された固定カメラが前記複数の固定カメラのいずれであるか、または選択された固定カメラが前記黒板のどのエリアに対応しているかを、講師が識別できるように表示する識別表示手段(33)とを設けたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の請求項2の講義収録/配信システムは、請求項1記載の講義収録/配信システムにおいて、
前記黒板の周囲で且つ前記各エリアに対応付けされた位置にそれぞれエリアランプ(22A〜22C)が設けられ、
前記識別表示手段は、前記エリアランプのうち、前記選択された固定カメラに対応するエリアのエリアランプを点灯することを特徴としている。
【0009】
また、本発明の請求項3の講義収録/配信システムは、請求項1記載の講義収録/配信システムにおいて、
前記固定カメラの近傍にそれぞれカメラランプ(26A〜26C)が設けられ、
前記識別表示手段は、前記カメラランプのうち、前記選択された固定カメラの近傍のカメラランプを点灯することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の請求項4の講義収録/配信システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の講義収録/配信システムにおいて、
前記画像選択手段によって選択された固定カメラが撮影している画像を、講師が確認できるように表示するモニタ(27)を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項5の講義収録/配信システムは、請求項1〜4のいずれかに記載の講義収録/配信システムにおいて、
教卓が設けられているエリアを撮影するための教卓用固定カメラ(25B)と、
前記教卓に設けられた操作部(29)とを有し、
前記画像選択手段は、前記操作部に対して所定操作がなされたとき、前記教卓用固定カメラの画像信号を選択的に出力するように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
このように構成したため、本発明の講義収録/配信システムでは、講師が黒板に文字などを書き込む操作や板面に触れる操作により、そのエリアに対応した固定カメラの画像が自動的に選択され、しかも、その選択された固定カメラあるいはそのカメラに対応する黒板のエリアを講師が識別できるよう表示されるため、円滑な講義が行え、講師の移動に伴う画面の乱れがなく、生徒は集中して受講できる。
【0013】
また、撮影のための作業者およびその作業者との打ち合わせ等が不要となり、大幅な省力化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の講義収録/配信システムの要部が配置されている教室1を上方から見た図(生徒用の机や椅子は省略している)、図2は、実施形態の講義収録/配信システム20の全体構成図である。
【0015】
図1に示しているように、教室1の壁に固定されている横長矩形の黒板2の近傍には、エリアセンサ21が設けられている。
【0016】
エリアセンサ21は、黒板2の表面を横並びに例えば3つのエリアEa〜Ecに分け、その3つのエリアEa〜Ecのうち、講師Tの体の一部やチョークが触れるか近接したエリアを検出するためのものである。なお、黒板2の表面には各エリアEa〜Ecの境界線2a、2bが描かれ、また、黒板2に書き込む文字の大きさの基準となる枡目(図示せず)が描かれている。
【0017】
このエリアセンサ21は、光学式、電気式、機械式のいずれでもよく、また、光学式、電気式の場合、非接触型、接触型のいずれでもよい。
【0018】
非接触型光学式の例としては、例えば、黒板2の隅からレーザ等のビーム光を黒板表面に沿って掃引し、そのビーム光が講師Tの体の一部やチョークに照射されたときの照射点からの光を受け、その照射点の結像位置とビーム掃引方向とにより照射点までの距離と方位を検出する方位距離測定器を用いることができる。この場合、予め黒板2の隅の基準位置から各エリアEa〜Ecの方位と距離の範囲を判定手段に設定しておき、方位距離測定器で得られた方位と距離がどのエリア内にあるかを判定手段により判定する。
【0019】
また、黒板2の各エリアEa〜Ecの上方(または下方)からそれぞれのエリアをカバーする光を投光器により出射し、この光を各エリアEa〜Ecの下方(または上方)に配置された受光器で受ける構成とし、光が講師Tの体の一部やチョークによって遮られた受光器を識別する方法であってもよい。なお、この場合、投光器が掃引光を出射する方式と並列光を出射する方式のいずれでもよく、両方式を組合せたものでもよい。
【0020】
また、非接触型電気式の場合、例えばエリア毎の電極板を黒板2の背面側に重なり合うように配置し、講師Tが黒板2の所望のエリアを手で触れて講師Tの体に誘導されている商用電源の信号成分をそのエリアの電極に入力されるようにし、各電極に入力される信号のレベルを比較することでエリアを特定する。
【0021】
また、接触型電気式の場合、例えばエリア毎の電極板を黒板2のチョークなどを置くための桟3の部分に露出するように配置し、講師Tが黒板2の所望エリアの下の電極を触れて講師の体に誘導されている商用電源の信号成分をそのエリアの電極に入力されるようにし、各電極に入力される信号のレベルを比較することで、エリアを特定する。
【0022】
なお、このエリアセンサ21は、板面に触れるか接近するという講師Tによるエリア指定のための操作があったときそのエリアを検出するように感度等が設定され、単に講師Tが黒板2から離れた状態で教壇4上を移動しても、検出エリアは変更されないようにしている。
【0023】
黒板2の各エリアEa〜Ecの上縁および下縁には、選択されているエリアを識別表示するためのエリアランプ22A、22B、22Cがそれぞれ設けられている。下側の各エリアランプ22A〜22Cは例えば黒板2の桟3の上面側に配置されている。
【0024】
また、教室1の天井部には、黒板2の各エリアをそれぞれ撮影するための3台の固定カメラ25A、25B、25Cが吊り下げられるようにして取り付けられている。
【0025】
これらの固定カメラ25A〜25Cの向きと焦点深度は、それぞれの撮影対象のエリアEa〜Ebに合うように予め設定されており、講義中に向きや焦点距離が変化することは無い。
【0026】
各固定カメラ25A〜25Cの近傍には、現在どの固定カメラの画像が選択されているかを講師Tが教壇4側から識別できるようにするためのカメラランプ26A〜26Cがそれぞれ取り付けられている。
【0027】
さらに、中央の固定カメラ25Bの近傍で教壇4側から視認できる位置には、現在選択されている固定カメラの画像を表示するモニタ27が取り付けられている。
【0028】
また、教室1には、講師が使用するワイヤレスマイク(図示せず)の電波を受信し復調する受信機28が設けられている。
【0029】
一方、教壇4の前端中央に配置された教卓5には、第1操作部29と第2操作部30が設けられている。
【0030】
第1操作部29は、講師Tが教卓5の部分の画像を指定するためのものであり、光センサ、押しボタンスイッチ等で構成されている。
【0031】
なお、ここでは、教卓部分の画像を撮影するための教卓用固定カメラは、黒板2の中央のエリアEbを撮影する固定カメラ25Bを兼用しているが、教卓5が教室1の隅にある場合や、黒板2の各エリアEa〜Ebの境界部分と重なる位置にある場合には、専用の教卓用固定カメラを設ければよい。
【0032】
また、第2操作部30は、講師が収録や配信の開始と終了を要求する際に使用するものであり、例えば押しボタンスイッチや収録あるいは配信中であることを示すランプ等が設けられている。
【0033】
各固定カメラ25A〜25Cの画像信号Va〜Vcは、図2に示しているように、画像選択手段32に入力される。
【0034】
画像選択手段32は、複数の固定カメラ25A〜25Cのうち、エリアセンサ21で検出されたエリアに対応する固定カメラの画像信号を選択的に出力する。
【0035】
また、識別表示手段33は、黒板2の上下に設けられたエリアランプ22A〜22Cのうち、画像選択手段32によって選択された固定カメラに対応するエリアのエリアランプを点灯して、黒板2側に向かっている講師が現在選択されているエリアを確認できるようにし、また、カメラランプ26A〜26Cのうち、画像選択手段32によって選択された固定カメラの近傍のカメラランプを選択的に点灯して、固定カメラ側を向いている講師が現在選択されている固定カメラを確認できるようにしている。
【0036】
画像選択手段32によって選択された画像信号は、モニタ27および講義内容収録部40に入力される。
【0037】
講義内容収録部40は、講師Tによる第2操作部30に対する収録開始操作を受けて、画像選択手段32によって選択されている画像信号と受信機28から出力される音声信号とを合わせてDVDやビデオテープ等の記録媒体に所定形式で記録するとともに記録中であることを第2操作部30のランプ点灯で知らせる。また、講師Tによる第2操作部30に対する収録終了操作を受けて上記記録を終了させるとともに、第2操作部30のランプを消灯させ記録が終了したことを講師Tに知らせる。
【0038】
また、講義内容配信部41は、第2操作部30の操作に応じて、画像選択手段32によって選択されている画像信号と受信機28から出力される音声信号を、その画像と音声の再生が可能な別教室に配信したり、インターネットを含むコンピュータネットワークを介して所定の動画形式で配信する等の処理を行う。なお、この配信処理は、リアルタイムに行う場合と、講義内容収録部40で収録された記録媒体を用いて行う場合とがある。
【0039】
また、上記講義内容収録部40および講義内容配信部41の処理は、講師Tの操作のみにしたがって自動的に行われる形態だけでなく、集中管理室のオペレータによる操作が介在して行われる場合もある。この場合、講師による第2操作部30の操作を確認したオペレータが、収録や配信の開始あるいは終了の操作を行い、その状態を第2の操作部30のランプの点灯や消灯により講師Tに通知する。
【0040】
上記のように構成された講義収録/配信システム20により例えば講義の収録を行う場合、始めに講師Tが、教卓5の第1操作部29を操作する。この操作により、図3のように、中央の固定カメラ25Bによって撮影されている教卓5部分の画像が選択され、その画像がモニタ27に表示され、さらにカメラランプ26Bが点灯する。
【0041】
講師Tは、カメラランプ26Bの点灯とモニタ27の画像に教卓5部分が映しだされていることを確認して、第2操作部30を操作し、収録開始を指示する。
【0042】
この指示を受けた講義内容収録部40が画像選択手段32で選択されている画像信号と音声信号の収録を開始し、これを第2操作部30のランプ点灯で講師Tに知らせる。
【0043】
収録が開始されたことを確認した後、講師Tは、点灯しているカメラランプ26Bの近傍の固定カメラ25Bに向き、ワイヤレスマイクで講義を開始する旨を告げ、講義を開始する。そして、この講義中に必要な事項を黒板2に書き込む際には、黒板2のエリアを常に意識して行う。
【0044】
例えば、図4に示しているように、黒板2の左端のエリアEaにチョークによる書き込みを開始すると、エリアセンサ21によりエリアEaが検出され、画像選択手段32によって、教卓5部分を撮影していた固定カメラ25Bの画像からエリアEaを撮影している固定カメラ25Aの画像が選択されるとともに、エリアEaの上下のエリアランプ22Aが点灯し、カメラランプ26Aが点灯する。
【0045】
黒板2のエリアEaに書き込みをしている講師Tは、エリアランプ22Aの点灯により、その書き込みをしているエリアEaの画像が選択されていることを確認できる。
【0046】
また、前記したように、各固定カメラ25A〜25Cの向きおよび焦点は、黒板2の各エリアEa〜Ecに合った状態で固定されており、画像の切り換えが瞬時に行われ、焦点ずれや画面のブレ等の乱れが発生しないため、例えばこの画像を見ている生徒は、講義に集中することができる。
【0047】
ただし、講師Tによる書き込みの一部がエリアEaから隣のエリアEbへはみ出してしまうと、エリアセンサ21によりエリアEbへの書き込みが検出されて画像が一時的にエリアEbの画像に切り替わってしまい見にくくなるので、黒板2に対する書き込みは一つのエリア内に収まるように行うのが望ましい。
【0048】
また、上記のようにごく短い時間だけ隣のエリアに移るような場合、エリアセンサ21あるいは画像選択手段32がこれを無視するように構成してもよい。例えばあるエリアから別のエリアに移り、その別のエリア内に一定時間以上位置しているときだけ、エリア切り替わりと判断し、一定時間内に元のエリアに戻った場合には、エリア切り替わり無しと判断する。
【0049】
なお、各固定カメラ25A〜25Cの撮影範囲は、各エリアより僅かに広く設定されていて、書き込みのうち隣のエリアへの多少のはみだし部分は表示されるので、書き込みの一部が隣のエリアにはみ出しそうな場合には、講師Tが現在書き込み中のエリアを手で触れ続けておき、隣のエリアにはみ出したことをエリアセンサ21で感知されないようにすれば、上記画像の切り替わりを防ぐことができる。この場合、エリアセンサ21は、先に検出したエリアに対する解除がなされるまでの間に、隣のエリアに触れてもこれを感知しない構造になっているものとする。
【0050】
また、前記したように、黒板2の表面に枡目が設けられているので、文字の大きさをこの枡目に合わせることで、画像内の文字が適正な大きさとなり、コンピュータ等のモニタで見たときに文字が小さくて確認できないという問題が解消される。
【0051】
このようにして講師Tによる黒板2への書き込みが行われて講義が続いている間、講師Tがチョークで書き込みをしているエリアあるいは手で触れているエリアに対応した固定カメラの画像が選択され、そのエリアとカメラが、エリアランプ22A〜22Cおよびカメラランプ26A〜26Cで識別表示され、さらに選択画像がモニタ27に表示されるので、講師Tは黒板2側に向いているときもカメラ側を向いているときも、正しく画像が選択されているかを確認でき、円滑に講義を進めることができる。
【0052】
そして、例えば講義終了時に、講師Tは、教卓5の位置に戻り、第1操作部29を操作して、固定カメラ25Bの画像を選択させ、この画像の切り替わりをカメラランプ26Bの点灯とモニタ27の画像で確認して、講義終了の旨を告げ、第2操作部30により収録終了を指示する。
【0053】
この指示を受けた講義内容収録部40は、画像および音声の収録を停止させ、収録中であることを示していたランプを消灯させる。
【0054】
なお、上記実施形態では、第1操作部29が教卓部分の画像に切り換えるためのものであったが、第1操作部29により、黒板2のエリアEa〜Ecの画像を任意に選択できる構成であってもよい。また、選択された画像信号を教卓5に設けたモニタで確認できるようにしてもよい。
【0055】
また、教卓5にコンピュータあるいはコンピュータ接続用のインタフェースを設けておき、画像選択手段32により選択されている画像を教卓5のコンピュータのモニタに表示させ、また、第1操作部29、第2操作部30の操作の代わりに、教卓5のコンピュータに対する操作で、画像の切り換え、講義内容の収録開始や終了の指示等を行うようにしてもよい。
【0056】
また、上記動作説明では、画像と音声を記録媒体に収録する場合について説明したが、前記したように、画像選択手段32で選択されている画像と受信機28で復調された音声信号とを、講義内容配信部41により複数の教室に同時配信し、その教室のモニタとスピーカでリアルタイムに再生して教室内の生徒に講義を受けさせることもでき、また、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して生徒の端末にリアルタイムに配信してもよい。さらに、講義内容収録部40で記録媒体に収録された講義内容を、必要に応じて編集し、これを講義内容配信部41により配信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態の講義収録システムを適用した教室の図
【図2】実施形態の全体構成図
【図3】本発明の動作を説明するための画像図
【図4】本発明の動作を説明するための画像図
【図5】従来の講義収録システムの構成図
【符号の説明】
【0058】
1……教室、2……黒板、5……教卓、20……講義収録システム、21……エリアセンサ、22A〜22C……エリアランプ、25A〜25C……固定カメラ、26A〜26C……カメラランプ、27……モニタ、28……受信機、29……第1操作部、30……第2操作部、32……画像選択手段、33……識別表示手段、40……講義内容収録部、41……講義内容配信部、T……講師

【特許請求の範囲】
【請求項1】
講師が黒板を用いて行う講義の画像と音声を収録または配信するための講義収録/配信システムにおいて、
前記黒板表面を複数のエリアに分け、該複数のエリアのうち講師が触れるか接近したエリアを検出するエリアセンサ(21)と、
前記黒板の各エリアをそれぞれ撮影する複数の固定カメラ(25A〜25C)と、
前記複数の固定カメラのうち、前記エリアセンサで検出されたエリアに対応する固定カメラの画像信号を選択的に出力する画像選択手段(32)と、
前記画像選択手段によって選択された固定カメラが前記複数の固定カメラのいずれであるか、または選択された固定カメラが前記黒板のどのエリアに対応しているかを、講師が識別できるように表示する識別表示手段(33)とを設けたことを特徴とする講義収録/配信システム。
【請求項2】
前記黒板の周囲で且つ前記各エリアに対応付けされた位置にそれぞれエリアランプ(22A〜22C)が設けられ、
前記識別表示手段は、前記エリアランプのうち、前記選択された固定カメラに対応するエリアのエリアランプを点灯することを特徴とする請求項1記載の講義収録/配信システム。
【請求項3】
前記固定カメラの近傍にそれぞれカメラランプ(26A〜26C)が設けられ、
前記識別表示手段は、前記カメラランプのうち、前記選択された固定カメラの近傍のカメラランプを点灯することを特徴とする請求項1記載の講義収録/配信システム。
【請求項4】
前記画像選択手段によって選択された固定カメラが撮影している画像を、講師が確認できるように表示するモニタ(27)を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の講義収録/配信システム。
【請求項5】
教卓が設けられているエリアを撮影するための教卓用固定カメラ(25B)と、
前記教卓に設けられた操作部(29)とを有し、
前記画像選択手段は、前記操作部に対して所定操作がなされたとき、前記教卓用固定カメラの画像信号を選択的に出力するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の講義収録/配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−25425(P2007−25425A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209625(P2005−209625)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(399104899)TAC株式会社 (1)
【Fターム(参考)】