説明

識別情報を通信装置に供給可能なデータキャリア回路

データキャリアのための回路は、識別情報を、通信装置に供給することができる。通信装置(2)と非接触通信することができる、データキャリア(3)のための回路(4)に、情報単位で構成され、通信装置(2)に供給可能である識別情報(II)を記憶するためのメモリステージ(5)と、インジケータ信号(IS)を処理するための信号処理ステージ(25)とが設けられ、インジケータ信号(IS)は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、回路(4)のメモリステージ(5)に記憶された識別情報(II)に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路(4’)のメモリステージに記憶された異なる識別情報(II’)に含まれ、インジケータ信号(IS)は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に通信装置(2)により生成されて、回路(4)に伝達され、信号処理ステージ(25)は、インジケータ信号(IS)を処理した結果として、インジケータ信号(IS)を発生させた情報単位が出現した後に、識別情報(II)の供給を中断し、少なくとも、インジケータ信号(IS)を発生させた情報単位に、フラグを立てるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データキャリアのための回路に関し、データキャリアは、通信装置と非接触通信するためのインターフェースを備え、回路は、情報単位により構成される識別情報を記憶するためのメモリ手段を備え、識別情報は、インターフェースを介して通信装置に供給されることが可能であり、回路は、インジケータ信号を受信および処理するように構成された信号処理手段を備え、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、回路のメモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に通信装置により生成されて、回路に伝達される。
【0002】
本発明は、さらに、第1段落に述べられた種類の回路を有するデータキャリアに関する。
【0003】
本発明は、さらに、データキャリアのための回路によって記憶された識別情報を、非接触通信のために構成されたデータキャリアのインターフェースを介して通信装置に供給するための方法に関し、方法は、以下に述べる方法ステップ、すなわち、情報単位の形をとる識別情報を、インターフェースを介して通信装置に供給するステップと、インジケータ信号を受信および処理するステップであって、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、回路のメモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に通信装置により生成されて、回路に伝達される、ステップと、を備える。
【0004】
本発明は、さらに、データキャリアと非接触通信するためのインターフェースを備える通信装置であって、インターフェースを介して、データキャリアにより供給されることが可能な情報単位の形をとる識別情報を、受信することができ、通信装置は、衝突検出手段を備え、衝突検出手段は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出するように構成されており、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、データキャリアから発生し、他方の情報単位は、異なるデータキャリアから発生し、衝突検出手段は、インジケータ信号を生成し、インジケータ信号を、インターフェースを介して供給するように構成されており、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現の検出を示す。
【背景技術】
【0005】
最初に第1段落で述べた種類のような回路、および最初に第2段落で述べた種類のようなデータキャリア、および最初に第3段落で述べた種類のような方法、および最初に第4段落で述べた種類のような通信装置は、米国特許第5,751,570号により知られている。
【0006】
既知のデータキャリアの場合には、回路が設けられ、回路は、データキャリアを明確に識別するための情報単位により構成される識別情報が記憶されるメモリ手段を有する。データキャリアは、回路の回路セクションにより部分的に実現されるインターフェースを備え、これにより、通信装置による照会があると、識別情報が、照会を行なっている通信装置に対し、キャリア信号の負荷変調によるデータキャリアの電力供給の目的で通信装置から取り出されたキャリア信号によって、非接触で供給される。このプロセスにおいて、識別情報は、その情報単位の形で直列に、すなわちビットごとに、通信装置に伝達される。通信装置は、通信装置に入る識別情報のビット位置において、いわゆる衝突を検出するように構成されている。衝突を検出するために、通信装置は、衝突検出ステージを有する。このような衝突は、例えば、データキャリアが、値“1”を有するビットを、他のデータキャリアが値“0”を有するビットを供給するのとほぼ同時に、通信装置に供給するという点で区別される。2つのほぼ同時に出現したが異なっている情報単位を検出した結果として、通信装置は、キャリア信号によって、このイベント、すなわち衝突の発生を示すインジケータ信号を送信し、このインジケータ信号は、データキャリアにて受信され、処理される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知のデータキャリアおよび既知の通信装置の場合、データキャリアにて受信されるインジケータ信号を用いて、識別情報の供給が完全に停止され、識別情報の供給は、早くとも乱数により計算された時間間隔の経過後にのみ再開され、この時間間隔の経過後に、識別情報が、すなわち最も短い時間間隔が計算されたデータキャリアから、まったく新たに供給される、という問題が生じる。この識別情報の供給の間に、新たな衝突を引き起こさないために、識別情報の情報単位の受信を新たに開始した直後に、通信装置は、さらなる信号、すなわちいわゆる“ビジー信号(busy signal)”を送信する必要があり、これにより、全ての他の残りのデータキャリアが、もっとも短い時間間隔を経たデータキャリアの識別情報が完全に送信された後に、再びこれらの識別情報に関する照会を受信するまで、これらをサイレントにさせる。その後、インジケータ信号により衝突が再び示され、残りのデータキャリアの群からのデータキャリアが、最短の時間間隔の計算によりこの群から再び選択されるまで、残りのデータキャリアは、再び、それぞれの識別情報の供給を、任意で同時に開始する。一般にアンチ衝突プロセスまたはインベンタライジング(inventarizing)プロセスとしても知られるこのプロセスは、全てのデータキャリアが、それらの識別情報を完全に、とりわけ衝突の発生なしに供給するまで、繰り返される。この接続において、このような乱数の計算は、時間がかかり、この目的に適切に設計された手段を、データキャリアにおいて必要とするという問題が生じる。さらに、このようなデータキャリアおよびこのような通信装置は、比較的多数のこのようなデータキャリアが、ほぼ同時に通信装置の通信領域に持ち込まれ、全てのデータキャリアの識別情報が、可能な限り早く検出される必要があるような用途の場合には、実用的でない。このような用途の場合においては、時間間隔の経過を待ち、その後に完全な識別情報を再供給する時間のかかるプロセスは、不利であり、それは、全ての識別情報を通信装置に迅速かつ効率的に送信することが、まったく不可能なためである。
【0008】
本発明の目的は、最初に第1段落で述べた種類の回路、および最初に第2段落で述べた種類のデータキャリア、および最初に第3段落で述べた種類の方法、および最初に第4段落において述べた種類の通信装置における、上述の問題を回避し、改善された回路と、改善されたデータキャリアと、改善された方法と、改善された通信装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に係る特徴が、本発明に係る回路において提供され、本発明に係る回路は、以下に述べられるように特徴付けられる。
【0010】
データキャリアのための回路であって、データキャリアは、通信装置と非接触通信するためのインターフェースを備え、回路は、情報単位により構成される識別情報を記憶するためのメモリ手段を備え、識別情報は、インターフェースを介して通信装置に供給されることが可能であり、回路は、インジケータ信号を受信および処理するように構成された信号処理手段を備え、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、回路のメモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に通信装置により生成されて、回路に伝達され、信号処理手段は、インジケータ信号を受信および処理した結果として、第1に、インジケータ信号を発生させた識別情報の供給を中断するように構成されており、第2に、少なくとも、インジケータ信号を発生させた情報単位に、フラグを立てるように構成されている。
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明に係るデータキャリアに、本発明に係る回路が設けられる。
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明に係る特徴が、本発明に係る方法において提供され、よって、本発明に係る方法は、以下に述べるように特徴付けられる。
【0013】
データキャリアのための回路によって記憶された識別情報を、非接触通信のために構成されたデータキャリアのインターフェースを介して通信装置に供給するための方法であって、方法は、以下に述べる方法ステップ、すなわち、情報単位の形をとる識別情報を、インターフェースを介して通信装置に供給するステップと、インジケータ信号を受信および処理するステップであって、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、回路のメモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に通信装置により生成されて、回路に伝達される、ステップと、インジケータ信号を発生させた情報単位の供給の後に、インジケータ信号を受信および処理した結果として、識別情報の供給を中断するステップと、少なくとも、インジケータ信号を発生させた情報単位にフラグを立てるステップと、を備える。
【0014】
上述の目的を達成するために、本発明に係る特徴が、本発明に係る通信装置において提供され、したがって、本発明に係る通信装置は、以下に述べるように特徴付けられる。
【0015】
通信装置であって、データキャリアと非接触通信するためのインターフェースを備え、インターフェースを介して、データキャリアにより供給可能である識別情報を、情報単位の形で受信することができ、通信装置は、衝突検出手段を備え、衝突検出手段は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出するように構成されており、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、データキャリアから発生し、他方の情報単位は、異なるデータキャリアから発生し、衝突検出手段は、インジケータ信号を生成し、インジケータ信号を、インターフェースを介して供給するように構成されており、インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現の検出を示し、通信装置は、情報単位処理手段を備え、情報単位処理手段は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を衝突検出手段により検出した結果として、インジケータ信号を発生させた情報単位の前に出現した全ての情報単位を記憶および処理するように構成されている。
【0016】
本発明に係る手段を提供することにより、本発明に係る回路から発生する情報単位が、本発明に係る異なる回路から発生する情報単位と衝突するイベントにおいて、既に供給されている情報単位は、その後に使用されるという見込みなしに時間の無駄として無意味に供給されないという利点が得られる。それは、インジケータ信号を発生させた、フラグが立てられた情報単位に基づいて、まだ供給されていない残りの情報単位を供給すべきかどうかについて、回路内で決定できるからである。さらに、通信装置において、既に受信された情報単位は、衝突が起こったとしても、さらなる処理に使用可能であり、従来技術でのように単に棄てられない、という利点が得られる。したがって、比較的多数のデータキャリアが、通信装置の通信領域内に同時に配置された場合であっても、各データキャリアが、その識別情報を、時間のかかる識別情報全体の反復なしに、可能な限り迅速かつ確実に通信装置に供給できることを保証する、という要求が生じる。
【0017】
本発明に係る一解決策の場合、例えば、インジケータ信号が受信されたかどうかを決定するために、電圧ランプ評価手段が設けられるようにすることができ、電圧ランプ評価手段は、インターフェースを介した非接触通信の間に回路内で起こった電圧ランプを、検出し評価するように構成されている。電圧ランプ評価手段によって、例えば、2つの同時に出現した異なる情報単位を示す目的で、通信装置によって生成されたキャリア信号の振幅が、2つの異なる情報単位が同時に出現した後のある時間間隔にわたって変更され、これにより、インジケータ信号を発生させた情報単位の供給後に電圧ランプが起こり、この電圧ランプは、振幅が変わっていないキャリア信号によって発生した電圧ランプとは異なる、ということを確定することができる。本発明に係る一解決策の場合には、さらに、上述の目的でコード監視手段を設けるようにすることができ、コード監視手段により、情報単位の供給の間に用いられたコードの劣化が、インジケータ信号の受信を示すものとみなされる。しかしながら、これは、追加的に、請求項2および請求項8に記載の手段がそれぞれ設けられる際に、特に有利であることが証明された。これにより、インジケータ信号の受信は、インターフェースに出現する情報単位を、回路内に存在しインターフェースに供給される情報単位と単に比較することによって、達成可能であるという利点が得られ、これは、インターフェースでは、インジケータ信号の受信の間に、供給されている情報単位とインジケータ信号の間に、オーバーレイがあり、このオーバーレイは、回路から供給される情報単位とは異なっているからである。
【0018】
本発明に係る一実施形態において、例えば、情報単位と、識別情報内での情報単位の特定の位置の両方が記憶されるようにすることができる。しかしながら、これは、請求項3および請求項9のそれぞれに記載の手段が、追加的に提供される場合に、特に有利であると証明された。これにより、特定の情報単位に対するいわゆるポインタのみを記憶させればよく、これにより、メモリ要求の点において、可能な限り経済的である識別情報の処理を可能にする、という利点が得られ、それは、識別情報が、通常は、変更できないように記憶されており、識別情報の情報単位のコピーを作成することは、どのような追加の利点となりもせず、単にメモリスペースを占有するだけだからである。
【0019】
本発明に係る一解決策において、例えば、インジケータ信号を発生させた情報単位を決定または定義することができる制御信号を受信した結果として、制御信号により決定された情報単位が、インジケータ信号を発生させた情報単位と同一である場合に、識別情報が、その直後またはその後の時間遅延をおいて、完全に再供給されるようにすることができる。しかしながら、これは、請求項4および請求項10および請求項13のそれぞれに記載の手段が、追加的に提供される場合に、特に有利であると証明された。これにより、前記インジケータ信号を発生させた情報単位が制御信号により決定された情報単位と同一である回路からの識別情報の供給が、インジケータ信号を発生させた情報単位に続く情報単位により継続される、という利点が得られる。これにより、上述の基準を満たす回路が、どのような時間がかかる双方向の通信もなしに制御信号によって選択され、また、インジケータ信号を発生させた情報単位の送信の反復も省略されるというさらなる利点が得られ、したがって、可能な限り効率的なアンチ衝突方法が実現される。
【0020】
本発明に係る一解決策において、例えば、制御信号が、インジケータ信号の直後、またはインジケータ信号が出現した後の時間間隔の経過後に受信され、したがって、インジケータ信号から独立して処理されるようにすることができる。しかしながら、これは、請求項5および請求項11および請求項14のそれぞれに記載の手段が、追加的に提供される場合に、特に有利であると証明された。これにより、識別情報の供給の継続は、2つの異なる情報単位の出現に際しても、ほとんど遅延なく実行される、という利点が得られ、それは、インジケータ信号を発生させた情報単位の反復は、インジケータ信号を処理した後は必要なく、次の情報単位による、すなわちインジケータ信号を発生させた情報単位に続く情報単位による、識別情報の供給の継続まで、待ち時間がほとんど必要ないからである。
【0021】
回路に関して列記された利点は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の本発明に係る回路を有する請求項6に記載の本発明に係るデータキャリアの場合にも有効であることに留意すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に述べられる実施形態から明らかとなり、これらを参照して非限定の例によって説明される。
【0023】
図1は、通信システムを示しており、この通信システムは、以下では略してシステム1と呼ばれ、非接触通信の規格ISO14443に基づいて構成されている。システム1は、通信装置2と、複数のデータキャリアとを備え、これらデータキャリアのうち、1つのデータキャリア3のみが図1に示されている。
【0024】
データキャリア3は、集積回路の形をとりメモリ手段5を含む回路4を備える。メモリ手段5は、情報単位すなわちビットにより構成される識別情報IIを記憶するために設けられている。システム1内の、通信ユニット2とデータキャリア3の間の特定の通信プロセスを可能にするために、データキャリア3は、まず、その識別情報IIを通信装置2に供給して、通信装置2に対して自身を明確に識別させなければならず、これにより、通信プロセスに際して、この1つのデータキャリア3と通信装置2の間だけで通信が行なわれることが保証される。それは、いくつかのデータキャリア3が、通信装置2の通信領域に配置されることもあるからである。
【0025】
この目的で、通信装置2は、第1のインターフェース6を備え、データキャリア3は、第2のインターフェース7を備え、2つのインターフェース6および7を介して、通信装置2およびデータキャリア3が、規格ISO14443に準じた通信を行なうことができる。第1のインターフェース6は、第1の通信コイル8のみが図1に示されている。第2のインターフェース7は、第2の通信コイル9が図1に示されている。回路4は、さらに、キャパシタ10を備え、キャパシタ10は、第1の回路接続11と、第2の回路接続12とによって、第2の通信コイル9と接続され、第2の通信コイル9と共に、共振回路13を形成する。データキャリア3が、通信装置2の通信領域に持ち込まれるとすぐに、誘導結合が通信装置2とデータキャリア3の間に存在し、したがって、通信装置2で生成可能なキャリア信号Cを、第1の通信コイル8から第2の通信コイル9に送信することができ、その結果、キャリア信号Cを、電力供給の目的および通信装置2との情報交換の目的で回路4に供給することができ、これは、専門家には以前から知られている状態である。
【0026】
通信配置2からデータキャリア3に伝達される情報を受信する目的で、データキャリア3は、受信手段14を備え、受信手段14は、第2のインターフェース7と接続された復調ステージ15と、復調ステージ15と接続された復号ステージ16と、復号ステージ16と接続されたコマンド検出ステージ17と、同じく復号ステージ16と接続されたデータ検出ステージ18と、により実現される。受信手段14の実現および機能は、専門家にはよく知られているため、この段階では、キャリア信号Cに含まれる識別情報照会コマンドなどのコマンド情報CIを、コマンド検出ステージ17によって検出および供給でき、キャリア信号Cに含まれるデータ情報DIが、データ検出ステージ18によって検出および供給できる、ということだけを述べておく。
【0027】
回路4は、さらに、シーケンス制御手段19を備え、シーケンス制御手段19は、コマンド情報CIおよびデータ情報DIを受信し、コマンド情報CIおよびデータ情報DIの処理を制御するように構成されている。シーケンス制御手段19は、さらに、メモリ手段5にアクセスし、さらなる情報の処理を制御するように構成されており、例えば、識別情報照会コマンドCIを処理した結果として、メモリ手段5に記憶されている識別情報IIを取り出す。
【0028】
シーケンス制御手段19は、さらに、送信情報BI、例えば、情報単位の形すなわちこの場合ではビットの形をとる識別情報II、を供給するように構成されている。
【0029】
送信情報BIを、通信装置2に供給する目的で、回路4は、送信手段20を備え、送信手段20は、送信情報BIを受信するように構成されており、送信情報BIに基づいて、キャリア信号C内に負荷変調信号セクションおよび非変調信号セクションを生成する。この目的で、送信手段20は、符号化ステージ21を備え、符号化ステージ21は、マンチェスター(Manchester)コードに基づいて符号化するように構成され、かつシーケンス制御手段19に接続されており、送信情報BIを受信して、送信情報BIを表す符号化送信情報CBIを生成するように構成されている。送信手段20は、さらに、変調ステージ22を備え、変調ステージ22は、符号化ステージ21に接続され、符号化送信情報CBIを受信し、かつインターフェース7の第2の回路接続12に出現するキャリア信号Cを負荷符号化するように構成されている。ここで、補助キャリアを提供することもでき、これは、一方で、マンチェスターコードに基づいて符号化できることに留意すべきである。さらに、例えばUHF範囲で用いられるいわゆるFM0コード、またはF2Fコードなどの、他のコードを代わりに用いてもよい。
【0030】
通信装置2の場合、データキャリア3から供給された情報単位は、第1のインターフェース6によって受信することが可能である。しかしながら、序文で述べた場合、すなわち複数のデータキャリア3が、通信装置2の通信領域内に配置され、情報単位の形をとるそれらの識別情報IIが、ほぼ同時に供給される場合を包含するために、通信装置2は、衝突検出手段23を備え、衝突検出手段23は、第1のインターフェース6に接続されており、かつ、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出するように構成されており、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、データキャリア3から発生し、他方の情報単位は、図1には示されていない異なるデータキャリアから発生する。2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した結果として、衝突検出手段23は、インジケータ信号ISを生成し、インジケータ信号ISを第1のインターフェース6を介して供給するように構成されており、インジケータ信号ISは、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、従来技術で供給されるように、データキャリア3に供給される。衝突検出手段23は、さらに、衝突検出信号CRを供給するように構成されており、衝突検出信号CRは、通信装置2での内部処理のために供給され、インジケータ信号ISで示される検出状態を表す。
【0031】
通信装置2は、さらに、情報単位処理手段24を備え、情報単位処理手段24は、第1のインターフェース6に接続され、データキャリア3から送信される情報単位を連続して受信するように構成されている。情報単位処理手段24は、さらに、衝突検出信号CRを受信するように構成されており、衝突検出信号CRは、衝突検出手段23から情報単位処理手段24に送信することができる。衝突検出信号CRを受信した結果として、情報単位処理手段24は、インジケータ信号を発生させた情報単位の前に出現した全ての情報単位を記憶し、処理するように構成されている。
【0032】
情報単位処理手段24は、追加的に、インジケータ信号ISを発生させた情報単位を決定するように構成されており、この情報単位は、バイナリ値1を表すようなやり方で決定される。情報単位処理手段24は、さらに、制御信号CSを生成し、制御信号CSを衝突検出手段23に供給するように構成されており、制御信号CSは、インジケータ信号ISを発生させた情報単位を決定するために、すなわちこの場合はバイナリ値1の情報単位を決定するために供給され、これにより、そのバイナリ値に関する決定がなされた情報単位が、第1のインターフェース6を介して第2のインターフェース7に供給できるようになる。
【0033】
情報単位処理手段24は、さらに、制御信号CSの供給に続いて、制御信号CSにより決定された情報単位を、インジケータ信号ISを発生させた情報単位の前に出現した全ての情報単位と共に、記憶および処理するように構成されており、これにより、決定された情報単位は、あたかもこの決定された情報単位がデータキャリア3で受信されたかのように、インジケータ信号ISを発生させた情報単位と入れ替わる。
【0034】
衝突検出手段23は、さらに、制御信号CSを情報単位処理手段24から受信し、制御信号CSをインジケータ信号ISの成分として供給するように構成されている。ここで、従来のやり方で、すなわち従来技術に基づいて振幅を変更されずに生成されたキャリア信号Cを、情報単位の受信の間に、通信装置2を通じてインジケータ信号ISを供給する目的で変調を受けさせ、そして制御信号CSを、インジケータ信号ISを表すキャリア信号の変調信号セクション内のさらなる変調を通じて、さらなる変調信号セクションで表されるようにすることができる。同時に、例えば、インジケータ信号ISは、90%のわずかな変調深さにより定義することができ、制御信号は、90%の変調深さを有する信号セクション内で、30%のわずかな変調深さで定義することができる。ここで、インジケータ信号IS自体がキャリア信号C内に出現することも、その定義上、2つの可能なバイナリ値1または0のうちの1つを表すことができるが、これは、システム1向けの適用の領域の最大の柔軟性に関する限定を表すこともできる、ということに注意すべきである。
【0035】
データキャリア3は、さらに、信号処理手段25を備え、信号処理手段25は、インジケータ信号ISおよび制御信号CSを受信および処理するように構成されている。この目的で、信号処理手段25は、第2の復調ステージ26と、決定ステージ27とを備える。第2の復調ステージ26は、第2のインターフェース7に接続され、第2のインターフェース7を介して受信したキャリア信号Cを復調し、復調キャリア信号DCを決定ステージ27に供給するように構成されている。第2の復調ステージ26の代わりに、情報受信手段14の第1の復調ステージ15を、信号処理手段25のために使用することもできる。決定ステージ27は、さらに、符号化送信情報CBIを、符号化ステージ21から受信するように構成されており、かつ、符号化送信情報CBIの補助により、キャリア信号Cがインジケータ信号ISを含むかどうかを決定するように構成されている。同時に、回路4内に符号化送信情報CBIとして存在する、供給されるべき特定の情報単位が、インターフェース7にキャリア信号Cの変調の形で存在する情報と同一かどうかの決定が行われる。通信装置2が、キャリア信号Cを、インジケータ信号ISと共に変調する場合、第2のインターフェース7に出現する情報は、もはや符号化送信情報CBIと一致せず、その結果、決定ステージ27が、決定結果情報DRを供給し、この決定結果情報DRは、不一致を表し、シーケンス制御手段19に供給される。
【0036】
シーケンス制御手段19は、メモリステージ19Mを備え、メモリステージ19Mは、内部レジスタで形成され、これにより、インジケータ信号ISを発生させた情報単位の位置を、識別情報II内に保存させることができる。信号処理手段25は、さらに、制御信号検出ステージ28を備え、制御信号検出ステージ28は、第2の復調ステージ26に接続され、制御信号CSを検出し、制御信号CSによって決定された情報単位を、シーケンス制御手段19に供給するように構成されている。これにより、信号処理手段25は、制御信号CSを、インジケータ信号ISの成分として受信および処理できるように構成されている。シーケンス制御手段19は、決定結果情報DRと、制御信号CSによって決定された情報単位とを受信し、かつ、制御信号CSを受信および処理した結果として、制御信号CSによって決定された情報単位が、インジケータ信号ISを発生させたフラグが立てられた情報単位と同一であった場合に、インジケータ信号ISを発生させた情報単位に続く情報単位により、識別情報IIの供給を続けるように構成されている。
【0037】
情報単位処理手段24は、さらに、決定された情報単位の後に受信された全ての情報単位を、すでに記憶されている情報単位に加え、識別情報II全体が現れると、この識別情報IIを、データキャリア3と通信する目的で供給するように構成されている。これにより、衝突が起こった後に、既に供給された情報単位の不要な反復が省かれるという利点が得られる。
【0038】
ここで、次々と起こるいくつかの衝突にも、データキャリア3の識別情報II全体が通信装置2によって受信されるまで、上述のやり方で対処することができる、ということに留意すべきである。
【0039】
決定された情報単位が、インジケータ信号ISを発生させた情報単位と同一でない場合、シーケンス制御手段19は、識別情報IIのさらなる情報単位の供給を、情報単位の供給を継続するリクエストが通信装置2から受信されるまで、停止するように構成されている。継続のリクエストの受信に続いて、インジケータ信号ISを発生させた情報単位に続く情報単位により、供給が継続され、ここでは、インジケータ信号ISを発生させた情報単位が、バイナリ値0に固定されたと暗に仮定され、これは、先に制御信号CSにより明確に決定されたバイナリ値1を補足するものである。
【0040】
情報単位処理手段24は、さらに、先に決定された情報単位を、これを補足する情報単位と置き換え、異なるデータキャリアからの決定された情報単位の後に受信された情報単位を、既に記憶されている情報単位と結合し、かつ、異なるデータキャリアから受信された異なる識別情報II全体が存在する状態で、この異なる識別情報IIを、異なるデータキャリア3と通信する目的で供給するように構成されている。したがって、この例においても、既に供給された情報の不要な反復が省略されるという利点が得られる。
【0041】
同様に、上述の説明は、2つ以上のデータキャリアが、それらの識別情報IIを、通信装置に伝達する場合にも当てはまる。
【0042】
通信装置2およびデータキャリア3の機能を、図1によるシステム1の適用の例を参照して以下に述べる。
【0043】
この適用例によると、第1のデータキャリア3および図1には示されていない第2のデータキャリアが、通信装置2の通信領域内に配置されていると仮定され、第2のデータキャリアは、第1のデータキャリア3と同一の構成であり、第1のデータキャリア3は、第1のデータキャリア3が、その第1の識別情報II、すなわち連続数“00101”を含み、第2のデータキャリアが、第2の識別情報II’、すなわち連続数“00001”を含む、という限りにおいて、第2のデータキャリアと異なっている。
【0044】
通信装置2と、2つのデータキャリア3のうちの1つの間の通信を確立する目的で、まず、識別情報照会コマンドが、通信装置2から、キャリア信号Cによって送られる。2つのデータキャリア3により、この識別情報照会コマンドが、それぞれの受信手段14によって受信および処理され、そこで直ちに、データキャリア3において、処理手順が開始され、それらの回路4に記憶された識別情報IIおよびII’の、通信装置2への供給が、非接触通信のために構成されたそれらのインターフェース7を介して行なわれる。同時に、それらのシーケンス制御手段19によって、情報単位の形をとるそれらの識別情報II、II’それぞれの供給が、それらのインターフェース7を介して開始される。
【0045】
この場合では、2つのデータキャリア3が、両方の場合において値0を表すそれらの識別情報II,II’ それぞれの第1ビットを、通信装置2にほぼ同時に供給する。通信装置2により、衝突は確定されず、それは、2つの異なるデータキャリア3から発生する2つの情報単位が、同一であり、第1の情報単位が、情報単位処理手段24に記憶されているからである。次いで、2つのデータキャリア3は、両方の場合において論理値0を表すそれらの識別情報II,II’ それぞれの第2の情報単位を、通信装置2に供給する。衝突は、この場合でも通信装置2によって確定されず、第2の情報単位は、情報単位処理手段24によって記憶される。
【0046】
次いで、2つのデータキャリア3は、第1のデータキャリア3の場合では論理値0を表し、第2のデータキャリア3’の場合では論理値1を表す、それらの識別情報II,II’ それぞれの第3の情報単位を、通信装置2に供給する。そこで直ちに、通信装置2において、衝突検出手段23によって衝突が確定され、すなわち、2つの異なる情報単位が、ほぼ同時に出現する。すると直ちに、衝突検出信号CRが、情報単位処理手段24に供給される。情報単位処理手段24は、インターフェース7を介して受信した異なる重複した情報単位を記憶する代わりに、論理値1を表す第3の情報単位を記憶する。情報単位処理手段24は、次いで、値1において決定された第3の情報単位を表す制御信号CSを、衝突検出手段23に供給する。衝突検出手段23によって、次いで、キャリア信号Cが、振幅変調され、正確には、振幅変調が、一方でインジケータ信号ISを表し、他方でインジケータ信号ISの成分として制御信号CSを表すようにする。
【0047】
データキャリア3において、次に、信号処理手段25により、インジケータ信号ISの受信および処理が行なわれ、インジケータ信号ISを受信および処理した結果としてのその識別情報II,II’ それぞれの供給が、それらの識別情報II,II’ それぞれのインジケータ信号ISを発生させた第3の識別情報が供給された後に、中断される。同時に、2つのデータキャリア3において、インジケータ信号ISを発生させた情報単位は、フラグが立てられ、正確には、識別情報II,II’内でインジケータ信号ISを発生させた情報単位の位置が、この情報単位へのポインタによって記憶される。この場合、これは第3の位置である。
【0048】
同時に、インジケータ信号ISの受信により、データキャリア3において、インジケータ信号ISの一成分を形成する制御信号CSが、それらのインターフェース7を介して受信される。制御信号CSを受信および処理した結果として、それらの識別情報II,II’ それぞれの供給が、インジケータ信号ISを発生させた情報単位に続く情報単位、この場合は第4の情報単位と共に、正確には第1のデータキャリア3の場合のみにおいて、継続される。その理由は、制御信号CSによって決定された情報単位が、インジケータ信号ISを発生させたフラッグが付された情報単位と同一、すなわち値1を表すためである。
【0049】
第2のデータキャリア3の場合には、第3のデータ情報単位は、値0を表すため、第3の位置における第2の識別情報II’の供給は、第2のデータキャリアが、第2の識別情報II’の供給を継続するリクエストを受信するまで、停止される。
【0050】
第1のデータキャリア3は、次いで、値0を有する第4の情報単位、および結果として値1を有する第5の情報単位を、衝突なしに供給する。それは、この例では、2つのデータキャリア3のみが、通信装置2の通信領域内に存在するからであり、また、第2のデータキャリアが、インジケータ信号ISを受信し、インジケータ信号ISに含まれる制御信号CSを評価した後に、それ以上の情報単位を供給しないからである。
【0051】
2つ以上のデータキャリア3が通信領域内に存在する場合、その識別情報のいくつかの位置で、異なるデータキャリア3から発生する情報単位の間の衝突が生じることも起こり得る。上述の説明と同様に、特定のデータキャリア、またはデータキャリアの群が、次いで、インジケータ信号ISを発生させた情報単位が通信装置2によって決定された情報単位と同一である、その/それらの識別情報の供給を継続する。この場合では、この決定された情報単位が、常に値1を表すことが仮定された。しかしながら、2つの値1または0のうちの1つで、あるいは乱数原理に基づいて、情報単位の固定を実行できることに留意すべきである。
【0052】
ひとたび、通信装置2が、第1のデータキャリア3の完全な第1の情報単位IIを受信すると、通信装置2は、識別情報継続コマンドを送り出し、このコマンドは、その第1の識別情報IIが既に完全に供給されているため、第1のデータキャリア3には無視される。第2のデータキャリアにおいて、この識別情報継続コマンドは、値0を表す情報単位によって、第4の位置での第2の識別情報II’の供給を継続させる。その後、第2の識別情報II’の値1を有する第5の情報単位も、衝突なしに、通信装置2に供給される。通信装置2において、データキャリア3との通信を避けつつ、第2の識別情報II’を完成する目的で、インジケータ信号ISを発生させた第2のデータキャリアのための情報単位が、値0において決定され、これは、第3の情報単位のために先に決定された値1を補足し、インジケータ信号ISの出現前に出現した情報単位が、第2のデータキャリアからなおも突出している情報単位により補足される。
【0053】
これにより、情報単位IIおよびII’の送信において第3の情報単位にて衝突が生じるが、2つのデータキャリア3のそれぞれが、その識別情報II,II’全体のそれぞれを、通信装置2に1度だけ供給すればよく、衝突が起こる前に通信装置2に有効に入った情報単位は、従来技術とは対照的に、失われず、連続して送信される情報単位IIおよびII’を完成するために保持および利用される、という利点が得られる。さらに、インジケータ信号ISを発生させた情報単位が、通信装置2自体によって決定または定義され、制御信号CSによってデータキャリア3に伝達される、この決定された情報単位により、同時に、2つのデータキャリア3のうちの一方が、その識別情報II,II’それぞれの供給を継続するように選択される、という利点が得られる。
【0054】
上述の適用の例において、この適用が、キャリア信号Cに出現する信号を監視し、かつ、先に制御信号CSによって選択されたデータキャリア3が、その情報単位の全てを供給したことを確定するように構成されていれば、第2の識別情報II’の供給は、第2のデータキャリアによって自動的に開始することも可能であることに留意すべきである。これは、送信されるべき情報単位の数を認識した上で、送信された合計の情報単位を数えることによって行なうことができる。これは、また、しかしながら、第1の識別情報IIの完全な受信を示す通信装置2のコマンドを評価することによっても、行なうことができる。
【0055】
ここで、アンテナ構成または容量的に実効的な送信構成を、2つの通信コイル8,9の代わりに設けることができることに留意すべきである。
【0056】
さらに、インジケータ信号ISを供給する目的でキャリア信号の振幅を変化させる代わりに、フェーズまたは周波数における変化を提供してもよいことに留意すべきである。
【0057】
さらに、ここで、インジケータ信号ISは、キャリア信号内のパルスまたはパルスシーケンスによって形成することもできることにも留意すべきである。したがって、このような場合は、決定ステージを、このインジケータ信号ISを評価するように構成しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態に係る回路を有し、本発明の好適な実施形態に係る通信装置を有するデータキャリアを有する通信システムを、ブロック図の形で概略的に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データキャリアのための回路であって、
前記データキャリアは、通信装置と非接触通信するためのインターフェースを備え、
前記回路は、情報単位により構成される識別情報を記憶するためのメモリ手段を備え、識別情報は、インターフェースを介して通信装置に供給されることが可能であり、
前記回路は、インジケータ信号を受信および処理するように構成された信号処理手段を備え、
前記インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、前記回路の前記メモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、前記インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に前記通信装置により生成されて、前記回路に伝達され、
前記信号処理手段は、前記インジケータ信号を受信および処理した結果として、第1に、前記インジケータ信号を発生させた識別情報の供給を中断するように構成されており、第2に、少なくとも、前記インジケータ信号を発生させた情報単位を、記憶するように構成されている、
ことを特徴とする回路。
【請求項2】
前記信号処理手段は、復調ステージを備え、
前記復調ステージは、前記インターフェースに出現したキャリア信号を復調し、かつ、復調されたキャリア信号を供給するように構成されており、
前記信号処理手段は、決定ステージを備え、前記決定ステージは、復調されたキャリア信号を受信し、かつ、前記インジケータ信号が受信されたかどうかを決定するように設計されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記信号処理手段は、シーケンス制御装置を備え、
前記シーケンス制御装置は、メモリステージを含み、
前記メモリステージにより、前記インジケータ信号を発生させた識別情報内の情報単位の位置を記憶することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記信号処理手段は、追加的に、前記インターフェースを介して制御信号を受信し、受信された制御信号を処理するように構成されており、
前記制御信号は、前記インジケータ信号を発生させた情報単位を決定するために供給され、
前記信号処理手段は、前記制御信号を受信および処理した結果として、前記制御信号により決定された情報単位が、前記インジケータ信号を発生させた記憶された情報単位と同一である場合、前記インジケータ信号を発生させた情報単位に続く情報単位により、識別情報の供給を継続するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記信号処理手段は、前記制御信号を、前記インジケータ信号の成分として受信および処理することができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の回路。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回路を有することを特徴とするデータキャリア。
【請求項7】
データキャリアのための回路によって記憶された識別情報を、非接触通信のために構成された前記データキャリアのインターフェースを介して通信装置に供給するための方法であって、
前記方法は、以下に述べる方法ステップ、すなわち、
情報単位の形をとる識別情報を、インターフェースを介して前記通信装置に供給するステップと、
インジケータ信号を受信および処理するステップであって、前記インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を示し、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、前記回路のメモリステージに記憶された識別情報に含まれ、他方の情報単位は、異なる回路のメモリステージに記憶された異なる識別情報に含まれ、前記インジケータ信号は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出した際に前記通信装置により生成されて、前記回路に伝達される、ステップと、
前記インジケータ信号を発生させた情報単位の供給の後に、前記インジケータ信号を受信および処理した結果として、識別情報の供給を中断するステップと、
少なくとも、前記インジケータ信号を発生させた情報単位を記憶するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記インターフェースに出現したキャリア信号が、復調され、
復調されたキャリア信号に基づいて、前記インジケータ信号が受信されたかどうかに関する決定が行なわれる、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記インジケータ信号を発生させた識別情報内の情報単位の位置が記憶される、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
制御信号が、前記インターフェースを介して受信され、
前記制御信号は、前記インジケータ信号を発生させた情報単位を決定するために供給され、
前記制御信号を受信および処理した結果として、前記制御信号により決定された情報単位が、前記インジケータ信号を発生させた記憶された情報単位と同一である場合、前記インジケータ信号を発生させた情報単位に続く情報単位により、識別情報の供給が継続される、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記制御信号は、前記インジケータ信号の成分として受信および処理される、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
データキャリアと非接触通信するためのインターフェースを備える通信装置であって、
前記インターフェースを介して、前記データキャリアから供給されることが可能な識別情報を、情報単位の形で受信することができ、
前記通信装置は、衝突検出手段を備え、
前記衝突検出手段は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現を検出するように構成されており、2つの異なる情報単位のうち、一方の情報単位は、前記データキャリアから発生し、他方の情報単位は、異なるデータキャリアから発生し、
前記衝突検出手段は、インジケータ信号を生成し、前記インジケータ信号を、前記インターフェースを介して供給するように構成されており、前記インジケータ信号は、2つの異なる情報単位のほぼ同時の出現の検出を示し、
前記通信装置は、情報単位処理手段を備え、前記情報単位処理手段は、このような異なる情報単位のほぼ同時の出現を前記衝突検出手段により検出した結果として、前記インジケータ信号を発生させた情報単位の前に出現した全ての情報単位を記憶および処理するように構成されている、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項13】
前記情報単位処理手段は、追加的に、制御信号を生成するように構成されており、
前記制御信号は、前記インジケータ信号を発生させた情報単位を決定し、かつ、前記インターフェースを介した供給が可能となるように供給され、
前記情報単位処理手段は、前記制御信号の供給に続いて、前記制御信号により決定された情報単位を、前記インジケータ信号を発生させた情報単位の前に出現した全ての情報単位と共に記憶および処理するように構成されている、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記衝突検出手段は、前記制御信号を、前記情報単位処理手段から受信し、かつ、前記制御信号を、前記インジケータ信号の成分として供給するように構成されている、ことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。

【図1】
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【公表番号】特表2007−508634(P2007−508634A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534890(P2006−534890)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052065
【国際公開番号】WO2005/038697
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】