説明

負荷低減を早期に識別し先行的にコントロールするための方法及び装置

【課題】従来技法の欠点を解消し、特に迅速でかつ様々なケースにマッチした応答性という点で優れ、さらに発電側への適切な介入制御も可能にする、送電網における負荷側での負荷低減の早期識別と先行的コントロールのための方法を提供すること。
【解決手段】電流及び電圧が、少なくとも1つの発電機と単相又は多相交流送電網との間で測定されるか、及び/又は単相又は多相交流送電網において測定され、前記測定された電流及び電圧から、少なくとも1つの回転機械への介入制御のための1つ又は複数の信号を導出して用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの回転機械によって駆動される少なくとも1つの発電機により単相または多相交流が供給されている単相又は多相交流送電網における負荷側での負荷低減を早期に識別し先行的にコントロールするための方法及び該方法を実施するための装置に関している。
【背景技術】
【0002】
送電網において生成される電力は需要電力と同じ大きさでなければならない。しかしながらこの釣合いが負荷のスイッチオン・オフによって突然失われると、送電網が分離されるか又は発電設備が遮断されてしまい、このような不釣り合いは適切な手段を講じることによって補償されなければならない。非常に大きな変化が突然発生してしまうと、このことは送電網制御と個々の発電設備の個別の制御への要求をより高めることになる。特に大型の負荷の遮断又は送電網部分全体の遮断は、発電設備に対するリスクを表す。サーキットブレーカの遮断によって負荷制動トルクが発電設備から分離すると、回転式発電設備は、そこに内在する慣性モーメントに応じて加速を開始する。ここで適切な手段が講じられないと、発電設備はその最大許容回転数まで加速し、安全装置によって遮断されてしまう。
【0003】
送電網における負荷低減の後の許容不能な過回転を回避するシステムが例えば刊行物US-A-3,601,617号明細書から公知である。そこに開示されている手法は、回転数測定とそこから導出される回転数変化を主要な特性量として利用している。ここでは回転数とそれに結び付く加速度が設備典型値を上回ると、直ちに駆動電力を低減するための手段が開始される。送電網における負荷側での負荷低減の結果としての回転数の高まりを問題なく識別するために、さらなるプロセス量、例えば温度や圧力、流量などの他に、電力、電圧、電流などの電気量が測定され、それらが論理評価回路において関連付けられる。さらに送電網において存在しているスイッチも監視され、論理演算処理に結び付けられる。このような従来技術による手法においては、主要な特性量としての回転数の"機械的な"測定を省くことはできない。
【0004】
この公知の手段及び方法は、送電網において何らかの事象が発生しても、当該事象の発生後ある程度の時間が経過した後でしか応答することができない欠点を有している。すなわち詳細には、送電網において負荷側での負荷低減の二次的作用が発電設備の変動する回転数と加速度の形態で測定され、評価された場合にしかできない。そのようなことから、早期時点で適切な手段を開始して、当該発電設備を安全にかつ状況に応じた運転状態に置換えることは不可能である。それに伴い発電設備の遅すぎる応答は、その結果として部分的な制御不能に陥り、状況にマッチしない発電設備の遮断を引き起こし、そのような一部の制御不能な送電網に対する影響(ブラックアウト/一時的な機能停止状態)と共に、多大な経済的損失を生じさせる(発電設備の故障、摩耗など)。
【0005】
負荷低減を検出するためのさらに別の方法及び装置は公知文献DE-A1-103 28 932 号明細書から公知である。この公知文献においては、送電網における負荷低減識別のための基本は、発電機から生成された交流電圧の(交流)周波数を測定することにある。そしてこの周波数は予め定められた最大周波数と比較される。さらに周波数の時間に関する考慮に基づいて加速度が付加的な特性量として導出される。この導出された加速度は、所定の最大加速度値と比較される。さらにここでは補足的に以下のことも考慮される。すなわち
a)負荷に依存した最大加速度値の算出のための負荷低減時点における回転機械の電力(負荷)
b)回転機械における電気的な最低出力の下回りないし上回りの状態
c)電源網からの回転機械の接続ないし分離。
【0006】
発電機によって生成された交流電圧の周波数は、回転機械のローターの回転数に正比例している。そのため回転機械のローターの回転数が測定されるかどうか、または発電機によって生成される交流電圧の周波数が測定されるかどうかは全くどうでもよい。すなわち2つの特性量の時間に係わる変化は、回転機械のローターの慣性に同程度に依存しており、それ故"緩慢な"特性量である。従って送電網における負荷低減の"早期の"ないしは"先行的な"識別に対しては、このような"回転機械の慣性への依存性"は、時間に関して大きな欠点となる。さらに送電網における様々な障害、例えば一過性の経過が、周波数測定に多大な影響を与え、それによってそのような手段に基づく手法も誤った結論に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US-A-3,601,617号明細書
【特許文献2】DE-A1-103 28 932号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に本発明の課題は、従来技法の欠点を解消し、特に迅速でかつ様々なケースにマッチした応答性という点で優れ、さらに発電側への適切な介入制御も可能にする、送電網における負荷側での負荷低減の早期識別と先行的コントロールのための方法を提供することである。
【0009】
さらに本発明の課題はそのような方法を実施することのできる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は本発明により、電流及び電圧が、少なくとも1つの発電機と単相又は多相交流送電網との間で測定されるか、及び/又は単相又は多相交流送電網において測定され、前記測定された電流及び電圧から、少なくとも1つの回転機械への介入制御のための1つ又は複数の信号を導出して用いるようにして解決される。
【0011】
本発明による方法の別の実施例によれば、前記少なくとも1つの回転機械は、送出された電力のための制御回路を有し、前記導出された信号が少なくとも1つの回転機械の制御回路に送出され、送電網側で負荷低減が生じた場合には前記少なくとも1つの回転機械がその出力を制御し、それによって電力の生成と需要が迅速に再び一致するようにされる。
【0012】
別の実施例によれば、測定された電流と電圧から1つ又は複数の電気量が導出され、該導出された電気量から、当該電気量及び/又はさらなる電気量の変化率ないしは時間に関する勾配が算出され、前記算出された1つ又は複数の変化率がそれぞれに割当てられた閾値を上回るか下回ると、前記少なくとも1つの回転機械への介入制御のための信号が生成される。
【0013】
特に有利には、前記導出された電気量は、有効電力、有効電流、無効電力または無効電流を含み、算出された変化率ないし時間に関する勾配は、有効電力勾配、有効電流勾配、無効電流又は無効電力勾配、及び回転数勾配を含んでいる。以下で説明する実施例では導出される電気量は有効電力、有効電流、無効電流を含む。但しこの無効電流の代わりに向こう電力が評価に用いられてもよい。
【0014】
本発明による方法の別の実施例によれば、算出された勾配及び無効電流又は無効電力と、所属の閾値との比較によって、相応する閾値信号の形成が行われ、前記少なくとも1つの回転機械への介入制御信号の生成のために、前記閾値信号が評価ユニットにおいて相互に論理結合される。
【0015】
別の実施例によれば、前記少なくとも1つの回転機械は、アクチュエータを介して出力が制御される回転機械、特にタービンであり、前記タービンへの介入制御のための信号が、前記アクチュエータの接続された制御回路に転送される。
【0016】
この場合前記タービンは、蒸気タービンであり、アクチュエータが当該蒸気タービンへの蒸気の供給を制御している。この制御はこの場合制御回路とアクチュエータ(メイン導入バルブ及び/又はバイパスバルブ)を介してタービンへの蒸気供給を行っている。
【0017】
また前記タービンはガスタービンの一部であり、アクチュエータが当該ガスタービンへの燃料の供給及び/又は燃焼空気の供給を制御している。この場合前記制御回路は、アクチュエータ(燃料バルブ及び/又は空気流量制御器/可変入口案内翼)を介してタービンの燃焼室内における燃焼過程を制御している。
【0018】
本発明のさらに別の実施例によれば、前記タービンへの介入制御のための信号は、制御回路への転送前に出力段において増幅される。
【0019】
有利には、負荷低減の識別に必要とされる全ての電気量、並びに少なくとも1つの回転機械のローターの"期待される"又は"仮想の"回転数勾配が単相又は多相送電網における電圧と電流の単相または多相測定から得られる。
【0020】
さらに裕利には、期待される加速度の計算は、現時点の電力と少なくとも1つの回転機械のローターの慣性モーメントに基づいて行われる。
【0021】
本発明の別の構成によれば、それぞれが少なくとも1つの回転機械によって駆動された複数の発電機が単相又は多相送電網に接続されており、単相又は多相送電網における負荷低減に対する応答として、測定された電流と電圧から導出された信号を用いた回転機械の電力生成への介入制御が選択的になされる。
【0022】
本発明の方法を実施するための装置には、電流変換器と電圧変換器が含まれており、前記電流変換器と電圧変換器は、少なくとも1つの発電機と単相又は多相送電網の間か、及び/又は単相又は多相送電網の選択された箇所に配設されており、さらに前記電流変換器と電圧変換器の出力側が少なくとも1つの負荷低減検出装置と接続されており、前記負荷低減検出装置の出力側は、少なくとも1つの回転機械と適切に作用するように接続されている。
【0023】
本発明による装置の別の構成によれば、前記少なくとも1つの回転機械は、アクチュエータを介して出力が制御される回転機械、特にタービンであり、少なくとも1つの負荷低減検出装置の出力側と前記少なくとも1つの回転機械ないしタービンのアクチュエータとの間に制御回路が配設されている。
【0024】
さらに別の構成によれば、少なくとも1つの負荷低減検出装置が測定処理ユニットを有しており、前記測定値処理ユニットの入力側は、電流変換器と電圧変換器によって受入れられた電流と電圧を受取り、前記測定値処理ユニットの出力側からは、前記電流及び電圧から導出された有効電力及び有効電流と、無高電流又は無効電力が出力され、前記測定値処理ユニットの後方には、複数の計算ユニットが配設されており、前記計算ユニットは、測定値処理ユニットから出力された値から回転数、有効電力、有効電流、無効電流又は無効電力の変化率ないし時間に関する勾配を算出しており、前記複数の計算ユニットの後方にはそれぞれ1つ又は複数の対応する閾値発信器が配設されており、前記1つ又は複数の閾値発信器は閾値を上回った場合又は閾値を下回った場合に、相応する閾値信号を送出し、該閾値信号は後置接続されている評価ユニットに供給され、前記評価ユニットは、閾値信号に応じてその出力側から1つ又は複数の負荷低減信号を少なくとも1つの回転機械ないしタービンの制御のために送出している。
【0025】
特に有利には、前記測定値処理ユニットから送出された無効電流又は無効電力値が1つ又は複数の閾値発信器に直接供給され、前記閾値発信器の出力側は評価ユニットに接続されている。
【0026】
有利には前記評価ユニットの後方に、負荷低減信号を増幅するための1つ又は複数の出力段が接続される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の有利な実施例による、回転機械の制御に用いられる、負荷低減検出装置を備えたエネルギー生成設備のブロック回路図
【図2】a〜dは、本発明の枠内でのジェネレータとグリッド、バスバー又はスイッチギヤアセンブリの間の発電ブロックにおける、本発明の方法に必要な電流と電圧を測定し、増強された負荷低減信号を個々の発電ブロックの制御器にフィードバックするための様々な例示的手段を示した図
【図3】本発明の方法に必要な電流と電圧を測定し、増強された負荷低減信号を個々の発電ブロックの制御器にフィードバックするための本発明の枠内での複数の発電ブロックを含んだ発電所の一例を示した図
【図4】本発明の方法に必要な電流と電圧を測定し、増強された負荷低減信号を個々の発電ブロックの制御器にフィードバックするための本発明の枠内での複数の発電ブロックを含んだ発電所システムの一例を示した図
【図5】蒸気タービンの制御ループに対する負荷低減信号Pの影響の一例を示した図
【図6】ガスタービンの制御ループに対する負荷低減信号Pの影響の一例を示した図
【図7】風力エネルギー変換器又は潮流発電用タービンの制御ループに対する負荷低減信号Pの影響の一例を示した図
【実施例】
【0028】
本発明は、送電網における負荷側の負荷低減を従来技法よりも著しく早い時点で識別し、先行的にコントロールするための方法及び装置に関する。本発明のさらなる利点は、送電網において、特に負荷側で突発的な電力低減ないし電力低下を引き起こす障害が、電力発電プラント側での負荷低減に係わるものなのか(例えば送電線路の破断、負荷のスイッチオフなど)、電力発電プラント側での負荷低減に係わらないものなのか(例えば送電網における短絡、接地、短時間の中断等)が区別できるようになることである。さらに送電網における障害の重大性が識別でき、それに伴う状況に応じた対処も講じることができるようになる。
【0029】
本発明によれば電気的な量の測定のみで、1つ又は複数の回転式発電プラントの全体的な負荷低減又は部分的な負荷低減の必要性を導き出すことができ、これは従来技法のように回転式発電プラントでの加速度ないし回転数の測定を介して得られる結果よりも著しく早い。この発電設備に係わる事象の確実で著しく早い識別によれば、対抗手段もほどよく適度に、かつ可能な限り段階を追って実施できるようになる。このことは設備への負担を軽くする。
【0030】
それにより本願発明は発電プラントの保護のみに留まらず、ひいては送電網の保護にも結び付く。
【0031】
電気的な量である電圧及び電流の測定は、(これは以下の明細書でも図面に基づいてさらに詳細に説明する)送電網における様々な箇所において、ないしは発電機と送電網の間において行うことができる。例えば
−スイッチの前後、または発電プラントないし発電所のブロックのメイントランスの前後(図2a〜d参照)、
−複数のブロックからなる発電プラントないし発電所の送電側後方(図3参照)、
−複数の発電プラント内で給電している送電網の内部(図4参照)。
【0032】
送電網における電気量の測定箇所、及び発電プラントの数や構造(発電所の数、発電所毎の発電ブロックの数など)に応じて、本発明による負荷低減識別装置は、1つの発電プラント及び/又は1つ又は複数の発電プラントの1つ又は複数のブロック毎に負荷低減の種別と程度に関する1つ又は複数の信号を生成できる。この装置は1つの発電プラントの唯一のブロックに対し例えば送電網における負荷低減のレベルに応じた段階的な負荷遮断(負荷低減)のために、複数の信号を供給することもできる。
【0033】
本発明による負荷低減装置は、発電プラント毎に、
・負荷遮断ないし負荷低減に係わる事象と、
・負荷遮断ないし負荷低減に係わらない事象とを、
区別することが可能である。送電網における負荷低減に係わる事象のケースでは、負荷低減の反応は、
・跳躍的
であってもよいし、
・段階的
であってもよい。
【0034】
この負荷低減は電力レベルに基づいて
・部分負荷状態
・隔離運転状態(island operation)
・ブロックまたは発電所固有の需要
・無負荷状態又は
・遮断状態(ゼロ)
に関連して行われる。
【0035】
回転機械の種別に応じて負荷低減の実現は例えば、
・内燃機関又はガスタービンにおける燃料供給のコントロールされた低減、
・蒸気タービンにおける蒸気供給のコントロールされた低減(図5参照)、
・水力発電における水力供給のコントロールされた低減、
・揚水発電におけるタービンモードからポンプモードへのコントロールされた切換え、
・空気タービンにおける空気供給のコントロールされた低減、
・風力エネルギー変換器または潮力発電タービンにおけるコントロールされた制御又は遮断によって行われる。
【0036】
ここで前述の"コントロールされた低減"は、一般に"電力に係わるアクチュエータ"を介して行われる。最も慣用的な形態としては、回転機械の供給側管路におけるバルブを介した直接的な介入制御が挙げられる。ガスタービンプラントにおいては、例えば燃料バルブによる燃料質量流量の低減の他に、いわゆる可変入口案内翼(VIGV)を用いて空気質量流量を低減することが可能である(図6参照)。
【0037】
しかしながら負荷低減は、回転機械のバイパス路内のアクチュエータを介して間接的に行うことも可能である。例えば蒸気タービン設備はバイパス管路を有しており、この管路を介して蒸気タービン周辺で蒸気を誘導することが可能である。風力エネルギー変換器又は潮力発電タービンにおいては、例えばローターブレードの設定角の調節を介して介入制御することが可能である(図7参照)。
【0038】
図1には、本発明の有利な実施例による、回転機械の制御に用いられる負荷低減検出装置を備えたエネルギー生成設備がブロック回路図で示されている。ここではエネルギー生成のために少なくとも1つのタービン15、特に蒸気タービンが用いられている。この蒸気タービンは、アクチュエータ14(ここでは制御可能なタービンバルブ)を介して蒸気が供給されている。前記少なくとも1つのタービン15は発電機16を駆動しており、この発電機は多相交流、例えば三相交流を発生し、相応の接続線路を介して送電網17に給電している。この送電網17においては負荷側での負荷低減ないし負荷低下が発生するケースを想定して、そのような負荷低減をできるだけ早期に負荷低減検出装置20によって検出することが望ましい。そうすることで少なくとも1つのタービン15を、送電が不要に損なわれることなくそのような負荷低減の連鎖が確実に克服されるように制御することが可能になる。
【0039】
負荷低減検出装置20は、電流変換器18と電圧変換器19から入力信号を受信し、これらの変換器はフェーズ内に、若しくは接続線路の位相間に配置されている。電圧変換器19ないし電流変換器18から送出される電圧測定値Aないし電流測定値Bは、当該負荷低減検出装置20内の測定値処理ユニット1に供給される。測定値処理ユニット1は前記測定値A及びBから有効電力(C)及び有効電流(D)と、無効電流又は無効電力(E)を導出し、それらを出力側から送出している。
【0040】
これらの3つの出力値C,D,Eは、後置接続されている計算ユニット2,3,4,5に供給され、これらの計算ユニット2,3,4,5は、前記出力値から回転数の勾配信号(変化率)(F)、有効電力の勾配信号(G)、有効電流の勾配信号(H)、無効電流又は無効電力の勾配信号(I)を算出する。これらの勾配信号F,G,H,Iと無効電流又は無効電力Eは、入力信号として閾値発信器6,7,8,9,10に供給される。これらの全ての閾値発信器6,7,8,9,10の閾値信号J,K,L,M,Nは、最終的に、後置接続されている評価ユニット11において相応の論理回路を用いて処理される。負荷側の負荷低減が検出されると、評価ユニット11は出力側から相応の負荷低減信号Oを送出する。これらの信号は出力段12において増幅される。増幅された負荷低減信号Pは制御回路13に送出され、該制御回路13は負荷低下の連鎖を迅速かつ確実に食い止めるために操作量信号Qを用いてタービン15への蒸気供給量をアクチュエータ14を介して相応に制御する。
【0041】
ここではさらなる操作量信号Qiを異なる値でタービン15の同じアクチュエータ若しくは別のアクチュエータに送出することも、あるいは別の回転機械に送出することも可能である。さらなる制御回路13に接続されている波線で示された線路は、増幅された負荷低減信号Pの他にも、増幅されたさらなる別の負荷低減信号Piが制御回路13に入力可能であることを表している。それらは別の閾値から導出された負荷低減信号Oiから形成されている。これらの同じ負荷低減信号P1,P2…Piは1つまたは複数の制御回路13に同時に供給することも可能である。
【0042】
なお前述の蒸気タービン15の代わりに、本願ではその他の回転機械、例えばガスタービン、水力タービン、風力エネルギー変換器、潮力発電タービン、内燃機関、空気タービンなどが用いられ得ることも理解されたい。それらのもとでは電力低減ないし電力遮断が別のアクチュエータを用いて別の方式で行われている。
【0043】
本発明の解決手段の利点はこの場合、送電網17における負荷低減の識別のための、専ら機械的な慣性に左右されることのない遅延なしで検出される電気的な量A,Bの利用にある。そして負荷低減の識別に必要とされる全ての電気的な量、並びに"期待される"又は"仮想の"回転数勾配が電圧と電流の単相又は多相測定から得られる。
【0044】
期待される加速度の計算(これは回転数勾配に相当する)は、現時点の電力と回転機械のシャフトの慣性モーメントに基づいて、あるいは電力と回転機械の慣性モーメントの和に基づいて行われる。
【0045】
最小負荷の問合せは不要である。なぜならこれは現時点の電力において既に考慮されているからである。また1つ又は複数の回転機械が送電網17に接続されている場合の当該装置の非活動化も必要ない。
【0046】
提案される解決手段の実質的な利点は、結果が測定可能な周波数変化に作用し得る前に、負荷低減の非活動化が従来技法よりも十分に早い時点で行われることにある。それにより適切な手段を講じるためのより多くの時間を手に入れることができる(特に回転機械の制御の際には)。さらに付加的に、回転機械の負荷低減の変化の所要のレベルに関し、回転機械の安定化のための手段を改めて向上させる情報が得られる。
【0047】
算出された電気量の評価は、送電網17における負荷低減にフィードバックされない回転機械の特性に類似した作用を及ぼす状態の確実な識別を可能にする。
【0048】
例えば送電網17における短絡も、ローターの加速と周波数の上昇に結び付く。しかしながら発電機16は、そのような状況においても、局所化と短絡の遮断を可能にするために、できるだけタービン制御回路13の介入なしで短時間だけ送電網17に給電するのが望ましい。例えばここで提案されている方法はこのような状況も、測定された電気量から識別している(有効電流成分又は無効電流成分の評価)。
【0049】
さらにこの方法は勾配の評価に基づき、絶対値の評価には基づいていないので、従来技法から公知の手段に対する部分負荷状況の"特別な処置"も不要となる。
【0050】
図2a〜dには、発電機16を含んだ発電プラントブロック31における電流変換器18と電圧変換器19の測定箇所での本発明の実施に適した装置構成が示されている。この場合、は図2a、図2bの前記発電プラントブロックはスイッチ32を伴い、図2c、図2dの発電プラントブロックはトランス33を伴って構成されている。図2aでは電圧Aと電流Bの測定がスイッチ32の送電網側で行われている。それに対して図2bでは、発電機側で行われている。図2cでは、電圧Aと電流Bの測定がトランス33の送電網側で行われており、それに対して図2dでは発電機側で行われている。変換器18と19の配置構成は、もちろん図1のように発電機16と送電網17の間で直接行われていてもよいし、スイッチ32とトランス33の任意の配置構成における任意の箇所で行われてもよい。ここではただ測定値A及びBが発電機16の電力特性をほぼ完全に網羅することが保証される。測定された電圧値Aと電流値Bは、全てのケースにおいて負荷低減検出装置20に供給される。負荷低減検出装置20は、事象の発生の際に、増幅処理した負荷低減信号Pをタービン15の制御回路13に送出する。制御回路13は操作量信号Qを用いてアクチュエータ14を介してタービン15ないし発電機16の電力送出を制御する。
【0051】
図3には、バスバー若しくはスイッチギヤアセンブリ34上で動作する複数の発電プラントブロック31ないしB1…Bnを含んだ発電プラント35における複数の測定箇所での本発明の実施に適した装置構成が示されている。電流変換器18は、ここではバスバー又はスイッチギヤアセンブリ34とスイッチ32との間に設けられており、電圧変換器19は、直接バスバー又はスイッチギヤアセンブリ34に配置されているか若しくは送電網出力側に配置されている。しかしながらこの装置構成は、スイッチ32とトランス33の間、又はトランス33と送電網17の間、又は発電プラント35と送電網17の間、又はスイッチ32とトランス33の任意の配置構成における任意の箇所で実施されてもよい。測定された電圧値Aと電流値Bからは負荷低減検出装置20において増幅処理された負荷低減信号Pが形成され、この形成された信号は複数の発電プラントブロック31ないしB1…Bnにフィードバックされる。
【0052】
図4には、バスバー若しくはスイッチギヤアセンブリ34上で動作する複数の発電プラント35ないしK1…Knを含んだ発電プラントシステム36における複数の測定箇所での本発明の実施に適した装置構成が示されている。電流変換器18は、ここでもバスバー又はスイッチギヤアセンブリ34とスイッチ32との間に設けられており、電圧変換器19は、直接バスバー又はスイッチギヤアセンブリ34に配置されるか若しくは送電網出力側に配置され得る。しかしながらこの装置構成は、スイッチ32とトランス33の間、又はトランス33と送電網17の間、又は発電プラントシステム36と送電網17の間、又はスイッチ32とトランス33の任意の配置構成における任意の箇所で実施されてもよい。測定された電圧値Aと電流値Bからは負荷低減検出装置20において増幅処理された負荷低減信号Pが形成され、この形成された信号は複数の発電プラントシステム36ないしK1…Knにフィードバックされる。
【0053】
ここでは単に次のことが保証されるだけでよい。すなわち、1つの負荷低減信号Pまたは複数の負荷低減信号P1,P2…Piが発電プラントブロック31又は発電プラント35又は発電プラントシステム36の回転機械の制御回路13にフィードバックされることが保証されるだけでよい。送電網17に送出される発電プラントブロック、発電プラント、発電プラントシステムの総電力は、電圧測定値Aと電流測定値Bを用いて検出される。
【0054】
異なる箇所において電流測定及び電圧測定が実施され、そこから複数の負荷低減信号Oiが導出されると、これらの信号の論理結合が送電網構造に基づいて実施される。これは選択された発電プラントブロック31ないしはそれらの回転機械において予め定められた手法で介入できるようにするためである。
【0055】
図5には、負荷低減に対して実施可能である、発電機16を駆動している蒸気タービン15への介入制御が表されている。この蒸気タービン15はアクチュエータ/メイン導入バルブ14bを介して蒸気37を受取る。さらなるアクチュエータ/バイパスバルブ14aは必要に応じて蒸気をタービン15を迂回させてその出力側にもたらしている。これらの2つのアクチュエータ14a,bは、適切に組み合わされて用いられてもよいし、負荷低減信号Oの変換のために用いられてもよい。
【0056】
図6には、負荷低減に対して実施可能である、発電機16を駆動しているガスタービン15への介入制御が表されている。このガスタービン15では圧縮機40がアクチュエータ/調整可能な入口案内翼(adjustable inlet guide vane)14cを介して空気39を吸入し、それを圧縮している。圧縮された空気は燃焼室41に供給され、そこで燃料38の燃焼のために用いられる。この燃料38は、アクチュエータ/燃料バルブ14dを介して供給される。その際に発生する高温ガスはタービン15内で膨張し、動作出力となる。ここでも2つのアクチュエータ14c,dが適切に組合わされて用いられてもよいし、負荷低減信号Oの変換のために用いられてもよい。
【0057】
図7には、ローター42を備えた風力エネルギー変換器又は潮力発電タービンが示されており、ローターブレードのピッチはアクチュエータ/ブレード角度調整器14eを用いて調節可能である。駆動された発電機16は、コンバータを備えた適切なパワーエレクトロニクスを介して送電網に接続されている。ここではアクチュエータ/ブレード角度調整器14eが負荷低減信号Oの変換のために用いられる。
【0058】
提案された解決手段は、送電網における単相ないし多相の電流/電圧の迅速で遅延のない検出に基づくものである。
【0059】
測定された電気量からは種々異なる導出量が算出される。
【0060】
導出された有効電力算出値からは、回転機械の慣性モーメントの考慮のもとで、予期される加速度の瞬時の推定が(それらが完全に現われる前に)、回転機械の事象前の基礎となる現下の動作点の考慮下で行われる。
【0061】
予期される負荷変化の検出が行われる。
【0062】
さらに別の導出値を考慮することにより、送電網の状況が負荷低減に類似した特徴でもって識別され、相応の切換えスイッチの不所望なトリガが抑圧される。
【符号の説明】
【0063】
1 測定値処理ユニット
2 計算ユニット(回転数勾配)
3 計算ユニット(有効電力勾配)
4 計算ユニット(有効電流勾配)
5 計算ユニット(無効電流勾配/無効電力勾配)
6 閾値発信器(回転数勾配)
7 閾値発信器(有効電力勾配)
8 閾値発信器(有効電流勾配)
9 閾値発信器(無効電流勾配/無効電力勾配)
10 閾値発信器(無効電流/無効電力)
11 評価ユニット(相応の論理回路付き)
12 出力段
13 制御回路
14 (パワー)アクチュエータ
14a アクチュエータ/バイパスバルブ
14b アクチュエータ/メイン導入バルブ
14c アクチュエータ/調整可能な入口案内翼
14d アクチュエータ/燃料バルブ
14e アクチュエータ/ブレード角度調整器
15 回転機械/タービン
16 発電機
17 送電網/交流網/三相交流網
18 電流変換器
19 電圧変換器
20 負荷低減検出装置
31,B1…Bn 発電プラントブロック
32 スイッチ(ブレーカ)
33 トランス
34 バスバー
35,K1…Kn 発電所
36 発電プラントシステム
37 蒸気
38 燃料
39 空気
40 圧縮機
41 燃焼室
42 ローター
A 電圧値
B 電流値
C 有効電力
D 有効電流
E 無効電流/無効電力
F 回転数勾配信号
G 有効電力勾配信号
H 有効電流勾配信号
I 無効電流勾配信号/無効電力勾配信号
J 閾値信号(回転数勾配)
K 閾値信号(有効電力勾配)
L 閾値信号(有効電流勾配)
M 閾値信号(無効電流勾配/無効電力勾配)
N 閾値信号(無効電流/無効電力)
O,Oi 負荷低減信号
P,Pi 増幅された負荷低減信号
Q,Qi 操作量信号(アクチュエータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの回転機械(15)によって駆動される少なくとも1つの発電機(16)により単相または多相交流が供給されている単相又は多相交流送電網(17)における負荷側での負荷低減を早期に識別し先行的にコントロールするための方法において、
電流(B)及び電圧(A)が、少なくとも1つの発電機(16)と単相又は多相交流送電網(17)との間で測定されるか、及び/又は、単相又は多相交流送電網(17)において測定され、
前記測定された電流(B)及び電圧(A)から、少なくとも1つの回転機械(15)への介入制御のための1つ又は複数の信号(O,Oi,P,Pi)を導出して用いるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回転機械(15)は、送出された電力のための制御回路(13)を有し、前記導出された信号(O,Oi,P,Pi)が少なくとも1つの回転機械(15)の制御回路(13)に送出され、送電網側で負荷低減が生じた場合には前記少なくとも1つの回転機械(15)がその出力を制御し、それによって電力の生成と需要が迅速に再び一致するようにした、請求項1記載の方法。
【請求項3】
測定された電流(B)と電圧(A)から1つ又は複数の電気量(C,D,E)が導出され、該導出された電気量(C,D,E)から、当該電気量及び/又はさらなる電気量の変化率ないしは時間に関する勾配(F,G,H,I)が算出され、前記算出された1つ又は複数の変化率(F,G,H,I)がそれぞれに割当てられた閾値(J,K,L,M)を上回るか下回ると、前記少なくとも1つの回転機械(15)への介入制御のための信号(O,Oi,P,Pi)が生成される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記導出された電気量(C,D,E)は、有効電力、有効電流、無効電力または無効電流を含み、算出された変化率ないし時間に関する勾配は、有効電力勾配(G)、有効電流勾配(H)、無効電流又は無効電力勾配(I)、及び回転数勾配(F)を含んでいる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
算出された勾配(F,G,H,I)及び無効電流又は無効電力(E)と、所属の閾値との比較によって、相応する閾値信号(J,K,L,M,N)の形成が行われ、前記少なくとも1つの回転機械(15)への介入制御信号(O,Oi,P,Pi)の生成のために、前記閾値信号(J,K,L,M,N)が評価ユニット(11)において相互に論理結合される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの回転機械(15)は、アクチュエータ(14;14a−e)を介して出力が制御される回転機械、特にタービン(15)であり、前記タービン(15)への介入制御のための信号(O,Oi,P,Pi)が、前記アクチュエータ(14;14a−e)の接続された制御回路(13)に転送される、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記タービン(15)は、蒸気タービンであり、アクチュエータ(14;14a,14b)が当該蒸気タービン(15)への蒸気の供給を制御している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記タービン(15)はガスタービンの一部であり、アクチュエータ(14;14c,14d)が当該ガスタービン(15)への燃料(38)の供給及び/又は燃焼空気(39)の供給を制御している、請求項6記載の方法
【請求項9】
前記タービン(15)への介入制御のための信号(O,Oi)は、制御回路(13)への転送前に出力段(12)において増幅される、請求項6記載の方法。
【請求項10】
負荷低減の識別に必要とされる全ての電気量、並びに少なくとも1つの回転機械(15)のローターの"期待される"又は"仮想の"回転数勾配が単相又は多相送電網(17)における電圧(A)と電流(B)の単相または多相測定(18,19)から得られる、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
期待される加速度の計算は、現時点の電力と少なくとも1つの回転機械(15)のローターの慣性モーメントに基づいて行われる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
それぞれが少なくとも1つの回転機械によって駆動された複数の発電機(16)が単相又は多相送電網(17)に接続されており、単相又は多相送電網(17)における負荷低減に対する応答として、測定された電流(B)と電圧(A)から導出された信号(O,Oi,P,Pi)を用いた回転機械の電力生成への介入制御が選択的になされる、請求項1から11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12いずれか1項記載の方法を実施するための装置において、
電流変換器(18)と電圧変換器(19)が含まれており、
前記電流変換器(18)と電圧変換器(19)は、少なくとも1つの発電機と単相又は多相送電網の間か、及び/又は、単相又は多相送電網(17)の選択された箇所に配設されており、さらに前記電流変換器(18)と電圧変換器(19)の出力側が少なくとも1つの負荷低減検出装置(20)と接続されており、
前記負荷低減検出装置(20)の出力側は、少なくとも1つの回転機械(15)と適切に作用するように接続されていることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの回転機械(15)は、アクチュエータ(14;14a−e)を介して出力が制御される回転機械、特にタービン(15)であり、少なくとも1つの負荷低減検出装置(20)の出力側と前記少なくとも1つの回転機械ないしタービン(15)のアクチュエータ(14;14a−e)との間に制御回路(13)が配設されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの負荷低減検出装置(20)が測定処理ユニット(1)を有しており、
前記測定値処理ユニット(1)の入力側は、電流変換器(18)と電圧変換器(19)によって受入れられた電流(B)と電圧(A)を受取り、
前記測定値処理ユニット(1)の出力側からは、前記電流(B)及び電圧(A)から導出された有効電力(C)及び有効電流(D)と、無高電流又は無効電力(E)が出力され、
前記測定値処理ユニット(1)の後方には、複数の計算ユニット(2,3,4,5)が配設されており、
前記計算ユニットは、測定値処理ユニット(1)から出力された値(C,D,E)から回転数、有効電力、有効電流、無効電流又は無効電力の変化率ないし時間に関する勾配(F,G,H,I)を算出しており、
前記複数の計算ユニットの後方にはそれぞれ1つ又は複数の対応する閾値発信器(6,7,8,9)が配設されており、前記1つ又は複数の閾値発信器は閾値を上回った場合又は閾値を下回った場合に、相応する閾値信号(J,K,L,M)を送出し、該閾値信号(J,K,L,M)は後置接続されている評価ユニット(11)に供給され、
前記評価ユニット(11)は、閾値信号(J,K,L,M)に応じてその出力側から1つ又は複数の負荷低減信号(O,Oi)を少なくとも1つの回転機械ないしタービン(15)の制御のために送出している、請求項13または14記載の装置。
【請求項16】
前記測定値処理ユニット(1)から送出された無効電流又は無効電力値(E)が1つ又は複数の閾値発信器(10)に直接供給され、前記閾値発信器の出力側は評価ユニット(11)に接続されている、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記評価ユニット(11)の後方に、負荷低減信号(O,Oi)を増幅するための1つ又は複数の出力段(12)が接続されている、請求項15又は16記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−36123(P2011−36123A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172417(P2010−172417)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】