説明

貨幣入出金装置および貨幣入出金システム

【課題】口座に出納された金額データを、手入力することなく店舗内の所定機器に保持させることができる貨幣入出金装置を提供すること。貨幣入出金装置における口座への入金処理に関する入金データを、手入力することなく、店舗内の管理装置に保持させることができる貨幣入出金システムを提供すること。
【解決手段】ATM1は遊技店舗に設置され、管理装置2に通信可能に接続されている。カードリーダ部12によって読み出された口座情報が、特定口座データベースに格納されている特定口座である場合は(ステップS3)、その特定口座に対する入金処理が許可される。特定口座に対する入金処理が完了すると、店舗口座への入金処理に関する種々の情報(入金額・入金の日付および時刻・入金者など)を含む入金データが、ATM1から管理装置2に送信される(ステップS11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗やコンビニエンスストアなどの特定の店舗に設けられ、貨幣を入出金するための貨幣入出金装置および貨幣入出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗内には、その遊技店舗の売上げを管理するための売上管理装置が設置されている。この売上管理装置は、遊技店舗の売上げの他、店舗の銀行口座(以下、「店舗口座」という)に対する入出金(出納)をも管理している。遊技店の従業員(以下、「店員」という)は、遊技店舗の売上金を、一日1回または数回、銀行の窓口や夜間金庫に持参して、店舗口座に売上金を入金している。そして、店舗口座への入金後は、店舗口座への入金額を売上管理装置に手入力で入力している。
【0003】
一方、ATM(Automatic Teller Machine)などの貨幣入出金装置を遊技店舗に設置することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−197348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
貨幣入出金装置が設置されている遊技店舗では、当該遊技店舗における売上金を、自店舗の貨幣入出金装置を用いて店舗口座に入金することが考えられる。そうすることで、店員が銀行の窓口や夜間金庫に出向く手間を省略することができるばかりでなく、現金を持ち歩かなくてよいというセキュリティの面からのメリットがある。
しかしながら、自店舗の貨幣入出金装置を用いて売上金を入金する場合であっても、店員は、店舗口座への入金額を、売上管理装置に手入力により入力しなければならない。入金額の入力は、手作業で行われるので、入力ミスや入力忘れが生じることがある。
【0006】
これは、遊技店舗に設置されている貨幣入出金装置だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店の店舗に設置されている貨幣入出金装置にも共通する課題である。
そこで、この発明の目的は、口座に出納された金額データを、手入力することなく店舗内の所定機器に保持させることができる貨幣入出金装置を提供することである。
【0007】
また、この発明の他の目的は、貨幣入出金装置における口座への入金処理に関する入金データを、手入力することなく、店舗内の管理装置に保持させることができる貨幣入出金システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、特定の店舗に設置され、その店舗に設けられた所定の機器(2)と通信可能に接続され、貨幣を入出金するための貨幣入出金装置(1)であって、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(9)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報を読み取る口座情報読取手段(12)と、前記口座情報読取手段によって読み取られた前記口座情報に対応する口座に対して入金/引出処理を許可する出納許可手段(30,S10,S16)と、前記口座への出納が行われたことに応答して、出納された金額に関する金額データを、前記所定機器へ送信する金額データ送信手段(32,S11)とを含むことを特徴とする、貨幣入出金装置である。
【0009】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
請求項1の発明によれば、口座への出納(入金処理/出金処理)が行われたことに応答して、出納された金額に関する金額データが所定機器に送信される。これにより、金額データを所定機器に手入力することなく、所定機器に金額データを保持させることができる。そのため、手入力に伴う入力ミスや入力忘れをなくすことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記出納許可手段は、前記口座情報が予め定められた特定口座である場合のみ、前記入金処理を許可し、特定口座でない場合は、前記入金処理は許可しないことを特徴とする、請求項1記載の貨幣入出金装置である。
店舗に設置された貨幣入出金装置が入金取引可能とされていると、当該貨幣入出金装置内に多額の現金が収納されるために、貨幣入出金装置の警備を強固に行う必要が生じる。そのため、店舗の一般の客が当該店舗に設置された貨幣入出金装置を用いて入金取引を行うのは望ましくない。
【0011】
とくに遊技店舗においては、遊技店舗における遊技で獲得した特定景品を所定の交換場所で買い取ってもらうことにより現金化し、その現金を、貨幣入出金装置に入金することも考えられる。しかし、遊技店舗においては、一般の客の現金を預かるようなことは補償の上からしても行いたくない運用である。
請求項2の発明によれば、特定口座に対してのみ入金処理が許可され、特定口座以外の口座に対しては、入金処理は許可されない。すなわち、特定口座のキャッシュカードを所持する者しか、その貨幣入出金装置を用いて入金取引を行うことはできない。そのため、特定の者による入金取引を許容しつつ、他の一般客による入金取引を禁止することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記出納許可手段は、実行できる処理および時間帯が対応付けて記憶された許容処理記憶手段(31)を有し、前記許容処理記憶手段に記憶内容に基づいて、前記入金/引出処理を許可することを特徴とする、請求項1または2記載の貨幣入出金装置である。
請求項3の発明によれば、時間帯に応じて、所定の処理の実行が許可される。すなわち、所定の処理を所定の時間帯において禁止することもできる。
【0013】
したがって、たとえば、営業時間に該当する時間帯には、口座への引出処理を許可しつつ入金処理を禁止し、また、営業時間外に該当する時間帯には、口座への入金処理を許可しつつ引出処理を禁止することもできる。
請求項4記載の発明は、前記許容処理記憶手段に記憶される処理および/または時間帯を変更可能に操作するための入力設定手段(17)をさらに含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣入出金装置である。
【0014】
請求項4の発明によれば、入力設定手段の操作により、実行可能な処理および/または時間帯を書き換えることができる。そのため、実行できる処理および/または時間帯を、店員の操作により変更することができる。
請求項5記載の発明は、前記特定口座を設定するための特定口座操作設定手段(17)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣入出金装置である。
【0015】
請求項5の発明によれば、特定口座操作設定手段の操作により特定口座が設定される。そのため、店員が特定口座を設定できる。
請求項6記載の発明は、所定のタイミングにおいて、前記金額データ送信手段による金額データの送信の有無を判定するための金額データ送信判定手段(30,S22)と、前記金額データ送信判定手段によって金額データの送信がないと判定されたことに応答して報知をする報知手段(8,43,S24)とをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の貨幣入出金装置である。
【0016】
請求項6の発明によれば、金額データの送信の有無がチェックされ、金額データが未送信である場合は報知される。そのため、金額データの未送信を店員に知らせることができる。
請求項7記載の発明は、特定の店舗内に設置され、当該店舗における金銭に関する情報を管理するための管理装置(2)と、前記特定の店舗内に設置され、前記管理装置と通信可能に接続されて、貨幣を入出金するための貨幣入出金装置(1)とを含む貨幣入出金システムであって、前記貨幣入出金装置は、キャッシュカードが挿入されるカード挿入口(9)と、前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報を読み取る口座情報読取手段(12)と、前記口座情報読取手段によって読み取られた前記口座情報が予め定められた特定口座であるか否かを判別する特定口座判別手段(20,S3)と、前記特定口座判別手段により特定口座であると判別された場合に、入金処理を許可する入金許可手段(20,S10)とを含み、さらに所定のタイミングにおいて、前記貨幣入出金装置から前記管理装置への入金データの送信の有無を判定するための入金データ送信判定手段(20,S22)と、前記入金データ送信判定手段によって入金データの送信がないと判定されたことに応答して、報知をする報知手段(22,43,S24)とを含むことを特徴とする、貨幣入出金システムである。
【0017】
請求項7の発明によれば、貨幣入出金装置から管理装置への入金データの送信の有無がチェックされ、入金データが未送信である場合は報知される。そのため、入金データの未送信を、遊技店舗の店員に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る貨幣入出金システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すATMの構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】図1に示すATMおよび管理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】処理内容−時間帯対応テーブルの一例を示す図である。
【図5】図1に示すATMの入金取引/引出取引における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6A】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その1)。
【図6B】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その2)。
【図6C】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その3)。
【図6D】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その4)。
【図6E】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その5)。
【図6F】図1に示す表示/操作部に入金取引時に表示される画面を示す図である(その6)。
【図7】図1に示す管理装置における入金データ入力チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図1に示す管理装置の表示部に表示される警報画面の図である。
【図9】特定口座設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】処理内容の書換の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、この発明の一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る貨幣入出金システムの構成を示すブロック図である。図1に示す貨幣入出金システムは、遊技機(パチンコ機やパチスロ機)とともに遊技店舗(特定の店舗)10に設置されたATM(貨幣入出金装置)1と、ATM1に対する外部機器として、遊技店舗10に設置された管理装置(所定の機器)2とを備えている。ATM1と管理装置2とは通信可能に接続されている。この貨幣入出金システムは、遊技店舗10で遊技をしている者/遊技をしようとしている者および店員が、銀行口座のキャッシュカード(図示しない)を使用して、貨幣を引き出したり、貨幣を入金したりできるようにしたシステムである。
【0020】
ATM1には、公衆回線3を介して情報処理センター5が接続されている。情報処理センター5は、複数の銀行のホストコンピュータ6(たとえば、銀行Aのホストコンピュータ、銀行Bのホストコンピュータおよび銀行Cのホストコンピュータ)と専用の通信回線7を介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ6は、顧客の口座の口座番号等を含む口座情報や、暗証番号、口座残高等の顧客情報を保持して、顧客の口座を管理している。
【0021】
図2は、ATM1の構成を概略的に示す斜視図である。
ATM1の装置本体の前面には、表示/操作部(報知手段)8が配設されている。表示/操作部8は、タッチパネル付きの液晶表示器により構成されている。表示/操作部8には、操作ガイダンス、入力情報等の各種情報が表示される。また、利用者は表示/操作部8の画面上に表示される後述のボタン35,36,37,38,39,40,41(図6A〜図6F参照)に触れることで、ATM1における入力操作を行うことができるようになっている。また、表示/操作部8の下方には、銀行口座のキャッシュカードが挿入/排出されるカード挿入/排出口(カード挿入口)9および明細票が発行される明細票発行口11が設けられている。
【0022】
銀行口座のキャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等には、銀行のコード(番号)や、利用者(口座所有者)の口座の口座番号を含む口座情報が記憶されている。カード挿入/排出口9に挿入されたキャッシュカードの口座情報は、装置本体内に内蔵されたカードリーダ部(口座情報読取手段)12(図3参照)によって読み取られる。そして、取引終了時/取引不能時にはカード挿入/排出口9からキャッシュカードが排出され、利用者に返却される。
【0023】
また、取引の終了時には、明細票発行口11から明細票が排出されて、利用者に対して発行される。明細票は、記録用紙に印字部13(図3参照)によって取引の内容や取引後の口座残高が印字された後に明細票発行口11から排出される。
ATM1の装置本体には、その前面の下端辺から前側(図2で示す左手前側)に向けて張り出す上面が設けられている。その上面には、紙幣を出入金するための紙幣入出金部14が設けられている。なお、また、ATM1は紙幣のみを取り扱うものであり、そのため、硬貨は取り扱うための硬貨出入金部が備えられていない。
【0024】
紙幣入出金部14は、紙幣を集積状態で収容できる紙幣投入/排出空間(図示しない)と、紙幣投入/排出空間の上部開口を開閉するための紙幣シャッタ15とを備えている。図2では、紙幣シャッタ15の閉状態を示している。紙幣投入/排出空間は、入金取引時において利用者による紙幣の投入を受け付けるとともに、引出取引時において利用者に払い出された紙幣を、集積状態で収容する。紙幣シャッタ15の開状態では、利用者による紙幣入出金部14への紙幣の投入や紙幣入出金部14からの紙幣の受け取りが可能であり、一方、紙幣シャッタ15が閉状態になると、紙幣投入/排出空間の上部開口が閉塞されて、利用者による紙幣入出金部14への紙幣の投入や受取りが不可能になる。また、ATM1には、紙幣入出金部14に投入された紙幣の額を計数する計数部(図示しない)が設けられている。
【0025】
ATM1の装置本体の上面における紙幣入出金部14の前側(図2で示す左手前側)には、利用者が操作するための入力操作部16が配設されている。入力操作部16は、テンキー等のキーを有している。この入力操作部16を用いて、キャッシュカードの暗証番号や取引金額等が入力される。さらに、ATM1には、店員が操作するための店員操作部(特定口座操作設定手段、入力設定手段)17(図3参照)が備えられている。
【0026】
遊技店舗10に設置されるATM1には、のめり込み防止などの観点から、次に述べる(1)〜(3)の基準が要求されている。(1)一日あたり予め定める上限額(たとえば3万円)を超える引出取引は不可。(2)クレジット・消費者金融系のカードは使用不可であり、銀行口座のキャッシュカードのみ使用可。(3)銀行口座に残高がある場合のみ、引出取引可。
【0027】
この実施形態に係るATM1では、引出取引および入金取引が許容されている。しかしながら、入金取引においては、特定口座に対してのみ入金処理が許可され、特定口座以外の口座への入金処理は許可されないようになっている。すなわち、特定口座のキャッシュカードがカード挿入/排出口9に挿入された場合は、入金取引および引出取引が許容されるが、他の銀行口座のキャッシュカードが挿入された場合は、引出取引しか許容されない。
【0028】
この遊技店舗10では、閉店後における売上金の締め処理の後、店員が当該遊技店舗10の売上金を、ATM1を用いて店舗口座に入金している。その反面、一般客が遊技店舗10の遊技機における遊技で獲得した紙幣を、ATM1を用いて遊技客の口座に入金することは望ましくない。そのため、遊技店舗10側としては、一般客に対するATM1の入金取引を禁止させたい。
【0029】
この実施形態では、店舗口座が特定口座として設定されている。そのため、店舗口座に対してのみ入金処理が許可され、店舗口座以外の口座に対しては、入金処理は許可されない。そして、店舗口座のキャッシュカードを所持する店員は、このATM1を用いて入金取引を行うことができる。これにより、店員による売上金の入金が許容されつつ、遊技店舗10の一般客による入金取引が禁止される。
【0030】
さらに、情報処理センター5を管理する管理会社により、ATM1を利用可能な時間帯が取り決められている。この実施形態では、ATM1は24時間中取引可能であると決められており、入金取引および引出取引は、24時間中いつでも取引可能である。しかしながら、この実施形態では、管理会社による取り決めとは別に、各遊技店舗10のATM1において独自に、引出取引可能な時間帯および入金取引可能な時間帯、言い換えれば、実行できる処理内容およびその時間帯が設定されている。しかも、ATM1の操作により、その設定を変更することが可能とされている。したがって、ATM1の引出取引可能な時間帯および入金取引可能な時間帯を、店舗ごとに異なせることもできる。
【0031】
ATM1の時間帯(実行できる処理内容およびその時間帯)の設定/変更は、管理装置2からの入力により行うようにしてもよい。この場合、設定値がATM1に送信されることにより、ATM1に設定されている時間帯(実行できる処理内容およびその時間帯)が設定/変更される。
図3は、ATM1および管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。管理装置2は、遊技店舗10の売上げや、店舗口座に対する入出金(出納)の管理を行うためのコンピュータシステムである。管理装置2は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部20を備えている。この制御部20には通信部21が接続されている。制御部20は、この通信部21を介してATM1と通信を行うことができるようになっている。管理装置2には、遊技店舗10における売上状況や、店舗口座の入出金状況を表示するための表示部(報知手段)22が備えられている。制御部20には、表示部22が制御対象として接続されている。また、管理装置2には、記憶部23が備えられている。記憶部23には、ATM1から通信部21が受信する後述する入金データが格納される入金データベースが設けられている。
【0032】
ATM1は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部30を備えている。この制御部30には制御対象として、紙幣入出金部14および印字部13が接続されている。
制御部30には、カードリーダ部12によって読み取られたキャッシュカードの口座情報が入力されるようになっている。また、入力操作部16が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部30に与えられ、店員操作部17が店員によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部30に与えられる。
【0033】
また、制御部30には通信部32が接続されている。この通信部32は管理装置2の通信部21と専用回線によって接続されている。制御部30は通信部32を介して管理装置2と通信を行うことができるようになっている。
また、制御部30には通信部34が接続されている。この通信部34は公衆回線3に接続されている。
【0034】
さらに、制御部30には表示/操作部8が接続されている。制御部30は表示/操作部8の表示を制御し、これにより、操作ガイダンス、入力情報等が表示/操作部8に表示される。また、表示/操作部8がタッチパネル付の画面を有しているので、そのタッチパネル付の画面が利用者によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部30に与えられる。制御部30には記憶部31が接続されている。記憶部31には、特定口座データベースおよび送信履歴データベースが設けられている。
【0035】
特定口座データベースには、特定口座の口座情報(銀行コード(番号)、口座番号、口座所有者氏名など)が格納されている。特定口座データベースは、書換可能(変更可能に)に設けられている。制御部30は、店員操作部17の操作に応じた入力信号に基づいて、特定口座データベースに特定口座の対象とすべき口座の口座情報を書き込む。記憶部31の特定口座データベースには、たとえば遊技店舗10の店舗口座の口座情報が記憶される。
【0036】
送信履歴データベースには、管理装置2への入金データの送信履歴が格納される。入金データが通信部32からATM1に送信される毎に、制御部30はその送信履歴を送信履歴データベースに追記する。
また、記憶部31には、処理内容−時間帯対応テーブル33が格納されている。この処理内容−時間帯対応テーブル33の内容は書換可能にされている。制御部30は、店員操作部17の操作に応じた入力信号に基づいて、処理内容−時間帯対応テーブル33の内容を書き換える。
【0037】
図4は、処理内容−時間帯対応テーブル33の一例を示す図である。処理内容−時間帯対応テーブル33には、0時から24時までの時間帯と、各時間帯において銀行口座に対する入金処理/引出処理が実行できるか否かの可否とが書き込まれている。図4では、各時間帯は1時間ごとに設定されている。図4では、実行できる処理を「○」で、実行できない処理を「×」で表している。10:00〜22:00の間では、銀行口座に対する引出処理は許可されるが、入金処理は許可されていない。また、22:00〜翌10:00の間では、銀行口座に対する入金処理が許可されるが、引出処理は許可されていない。すなわち、ATM1では、10:00〜22:00の間は引出取引のみが許容され、入金取引は禁止されている。また、22:00〜翌10:00の間は入金取引のみが許容され、引出取引は禁止されている。
【0038】
このようにすれば「入金処理」の利用時間の設定および「引出処理」の利用時間の設定を同時に入力することができるのであるが、「入金処理」の利用時間の設定と「引出処理」の利用時間の設定とを個別に入力する構成であってもよい。
図5は、ATM1の入金取引/引出取引における処理の流れを示すフローチャートである。図6A〜図6Fは、入金取引において表示/操作部8に表示される画面を示す図である。
【0039】
ATM1の取り扱い可能時間中における待機状態では、表示/操作部8に図6Aに示す画面が表示される。この図6Aに示す画面では、画面の中央部に「ATMをご利用の方は取引開始ボタンを押してください」とのメッセージが表示され、画面の右下隅に、取引の開始時に利用者が操作するための取引開始ボタン35が表示される。
利用者によって取引開始ボタン35が押操作されると、表示/操作部8が図6Bに示す画面に切り換わる。図6Bに示す画面では、画面の上部に「いらっしゃいませ」とのメッセージが表示されるとともに、画面の右上隅に取引の手続を途中で取り消すために操作される手続取消ボタン36が表示される。また、画面の中央部には、「カードをお入れください お取引を開始します」とのメッセージが表示される。手続取消ボタン36は、図6Bに示す画面だけでなく、その後取引終了までに表示される各画面(図6C〜図6F参照)において表示される。
【0040】
銀行口座のキャッシュカードがカード挿入/排出口9(図2参照)に挿入されると(ステップS2でYES)、キャッシュカードの磁気ストライプやICチップ等に記憶された口座情報が、カードリーダ部12(図3参照)に読み出されて制御部30に与えられる。カード挿入/排出口9に挿入されたカードが、取扱いの対象外である場合(たとえば、他行のキャッシュカードである場合やクレジットカードである場合)や、カードリーダ部12によって口座情報が読み出せない場合は、カードがカード挿入/排出口9から返却される。
【0041】
制御部30は、カードリーダ部12によって読み出された口座情報が、特定口座データベースに格納されている特定口座であるか否かをチェックする(ステップS3)。その後、表示/操作部8に、ATM1の取引可能な時間帯や、各取引に必要な手数料を示す「取引可能時間・手数料の案内」が表示された後、取引内容選択画面が表示される(ステップS4,S5)。
【0042】
カードリーダ部12によって読み出された口座情報が予め定める特定口座である場合は(ステップS3でYES)、図6Cに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS4)。一方、カードリーダ部12によって読み出された口座情報が予め定める特定口座でない場合は(ステップS3でNO)、図6Dに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS5)。図6Cに示す取引内容選択画面では、引出ボタン37と入金ボタン38とが表示され、これらのボタン37,38の選択操作が可能になっている。それに対し、図6Dに示す取引内容選択画面では、引出ボタン37のみが表示され、入金ボタン38が表示されない。そのため、利用者が入金取引を選択することはできない。この実施形態では、店舗口座が特定口座として設定されており、それ以外の口座が特定口座として設定されていないので、一般の客による取引の場合は、図6Dに示す取引内容選択画面が表示される。
【0043】
引き続き、遊技店舗10の売上金をATM1に入金する場合を例にとって、入金取引における処理の流れを説明する。
遊技店舗10の店員が店舗口座のクレジットカードを、カード挿入/排出口9に挿入すると(ステップS2)、図6Cに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS4)。そして、店員により、入金ボタン38が押操作されると、制御部30は、記憶部31の処理内容−時間帯対応テーブル33(図4参照)を参照し、当該制御部30に内蔵された時計の現在時刻が、銀行口座に対する入金処理の実行が許可される時間帯に含まれるか否かをチェックする(ステップS7)。そして、現在時刻が、当該入金処理の実行が許可される時間帯に含まれるときは(ステップS7でYES)、利用者(店員)に対して暗証番号の入力を要求する。利用者が入力操作部16を操作して暗証番号を入力すると、紙幣入出金部14の紙幣シャッタ15が開状態にされて、紙幣入出金部14の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される(ステップS8)。これにより、紙幣入出金部14への紙幣の投入が可能になる。そして、店員によって紙幣入出金部14に売上金の紙幣が投入されると(ステップS9でYES)、紙幣シャッタ15が閉状態にされた後、紙幣入出金部14に投入された紙幣が計数部(図示しない)によって計数される。紙幣の計数後、表示/操作部8には、図6Eに示す入金画面が表示される。この入金画面には、計数部によって計数された紙幣の額が表示される。図6Eに示す画面では、画面の上部に「入金」とのタイトルが表示され、また、画面の中央部には、「ご確認のうえ[確認]をおしてください。」とのメッセージが表示される。画面の右下隅には、店舗口座(銀行口座)に対する入金処理の実行を確定させるための確認ボタン39が表示される。
【0044】
次いで、店員によって確認ボタン39が押操作されると、銀行口座への入金を許可する口座入金許可処理が実行される(ステップS10)。この口座入金許可処理においては、制御部30は、入金額、口座情報および暗証番号を含む入金要求を情報処理センター5に向けて送出する。
情報処理センター5は、ATM1からの入金要求を受信すると、入金要求に含まれている口座情報に基づき、いずれの銀行のホストコンピュータ6にその入金要求を通知すべきかを判断し、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として、その口座情報に対応する口座に決済要求に含まれる入金額を加算するとともに、当該口座から手数料を減算して、決済処理を行う。当該口座に対する決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。また、処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部32が受信することにより、ステップS10の口座入金許可処理が終了する。
【0045】
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部32が受信すると、紙幣が、収納部(図示しない)に向けて搬送され、その収納部に収納される。
また、情報処理センター5からの処理完了通知の受信に応答して、制御部30は、店舗口座への入金処理に関する種々の情報(入金額・入金の日付および時刻・入金者など)を含む入金データを、通信部21を介して管理装置2に送信する(ステップS11)。管理装置2の制御部20は入金データを受信すると、その入金データを記憶部23に設けられた入金データベースに格納する。また、ATM1の制御部20は、記憶部23の送信履歴データベースに、通信部21から入金データを送信した旨の情報を書き込む。
【0046】
さらに、情報処理センター5からの処理完了通知の受信に応答して、表示/操作部8に図6Fに示す取引内容表示画面が表示される。図6Fに示す取引内容表示画面では、画面の上部に「お取引内容をご確認のうえ明細票必要・不要を選択してください。」というメッセージが表示される。画面の上下方向の中央部には、取引金額、手数料および取引後の口座残高が表示される。画面の下方部には、明細票必要ボタン40と明細票不要ボタン41とが左右に並べて配置される。
【0047】
そして、明細票必要ボタン40が押操作されると、印字部13が制御されて、記録用紙に取引内容、手数料および取引後口座残高が印字されて明細票発行口11から排出される。こうして、明細票として利用者に発行される(ステップS12)。明細票不要ボタン41が押操作されると、ステップS12はスキップされて、一連の入金取引が終了する。
一方、ステップS7のチェックにおいて、現在時刻が、銀行口座に対する入金処理の実行が許可される時間帯に含まれないときは表示/操作部8に所定の処理不能表示画面が表示され(ステップS13)、一連の入金取引が途中で終了する。
【0048】
次に、遊技店舗10の遊技客がATM1から現金を引き出す場合を例にとって、引出取引を説明する。
遊技店舗10の遊技客が自己所有の銀行口座のキャッシュカードを、カード挿入/排出口9に挿入すると(ステップS2)、図6Cに示す取引内容選択画面が表示される(ステップS5)。そして、遊技客(利用者)により、引出ボタン37が押操作されると、制御部30は、記憶部31の処理内容−時間帯対応テーブル33を参照し、当該制御部30に内蔵された時計の現在時刻が、銀行口座に対する引出処理の実行が許可される時間帯に含まれるか否かをチェックする(ステップS15)。そして、現在時刻が、当該引出処理の実行が許可される時間帯に含まれるときは(ステップS15でYES)、利用者(遊技客)に対して暗証番号の入力および引出額の入力を要求する。利用者が入力操作部16を操作して自己の暗証番号および引出額を入力すると、利用者の銀行口座からの引出額の引出しを許可する口座引出許可処理が実行される(ステップS16)。具体的には、制御部30は、引出額、口座情報および暗証番号を含む引出要求を情報処理センター5へ送出する。
【0049】
情報処理センター5は、ATM1からの引出要求を受信すると、当該引出要求に含まれる口座情報に対応する口座のその日における引出額に今回の引出額を併せた額が、予め定める上限額(たとえば3万円)を超えないか否かをチェックする。予め定める上限額を超えない場合、情報処理センター5は、対応する銀行のホストコンピュータ6に対し、通信回線7を介して決済処理を依頼する。ホストコンピュータ6は、口座情報が正常であり、かつ暗証番号がホストコンピュータ6に登録されている当該口座の暗証番号と一致することを条件として、その口座情報に対応する口座から、決済要求に含まれる出金データ分および手数料を減算して、決済処理を行う。当該口座に対する決済処理が終了すると、ホストコンピュータ6は、情報処理センター5に処理完了の通知を行う。処理完了の通知を受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。
受けた情報処理センター5は、処理完了通知をATM1に対して行う。処理完了の通知をATM1の通信部32が受信することにより、ステップS16の口座引出許可処理が終了する。
【0050】
情報処理センター5からの処理完了通知を通信部32が受信すると、収納部(図示しない)に収納されている紙幣が、紙幣入出金部14の紙幣投入/排出空間(図示しない)に向けて搬送され、紙幣投入/排出空間に集積された状態で排出される(S17:出金処理)。紙幣投入/排出空間への紙幣の排出後、紙幣シャッタ15が開状態にされて、紙幣入出金部14の紙幣投入/排出空間の上部開口が開放される。これにより、紙幣投入/排出空間からの紙幣の取出しが可能になる。
【0051】
そして、取引内容表示画面の明細票必要ボタン40が押操作されると、その後、ステップS12のように明細票が発行されるとともに、カード挿入/排出口9からキャッシュカードが排出されて、このキャッシュカードが利用者に返却される。これにより、一連の引出取引が終了する。また、明細票不要ボタン41が押操作されると、ステップS12の処理はスキップされる。
【0052】
引出額に手数料を加算した額が、引出しの対象となる銀行口座の口座残高よりも少ない場合は、ホストコンピュータ6は、決済処理を実行せずに、残高不足の旨を情報処理センター5に通知する。残高不足の通知を受けた情報処理センター5は、残高不足の通知をATM1に対して行う。そして、表示/操作部8にその旨が表示されるとともに、カード挿入/排出口9からキャッシュカードが排出されて、キャッシュカードが利用者に返却される。
【0053】
ところで、管理装置2では、当該遊技店舗10の売上金に係る入金データを受信したか否かをチェックしている。具体的には、遊技店舗10では、閉店後から所定の時間が経過した予め定める時刻に、入金データの受信をチェックしている。
図7は、管理装置2における入金データ入力チェック処理の流れを示すフローチャートである。図8は、管理装置2の表示部22に表示される警報画面の図である。
【0054】
1日1回所定時刻になると(ステップS21でYES)、管理装置2の制御部20は、記憶部23に設けられた入金データベースを参照して、ATM1から管理装置2への入金データの受信状況をチェックする(ステップS22)。そして、前回チェック時以降に入金データの受信がなかったときは(ステップS23でYES)、制御部20は、図8に示す売上金未入力の警告表示43を表示部22に表示する(S24:売上金未入力アラーム)。そのため、ATM1からの入金データ未受信の旨を、遊技店舗の店員に知らせることができる。その後、警告表示43がクリアされて(ステップS25)、入金データ入力チェック処理は終了する。一方、前回チェック時以降に入金データの受信がなかったときは(ステップS23でYES)、警報表示は表示されず、入金データ入力チェック処理は終了する。
【0055】
特定口座は、店員操作部17を用いて設定される。
図9は、特定口座設定処理の流れを示すフローチャートである。特定口座設定処理の際には、特定口座を設定するための特定口座設定画面が表示/操作部8に表示される(ステップS31)。店員は、特定口座設定画面を見ながら、店員操作部17を操作して、特定口座に設定する口座の口座情報を入力する。口座情報の入力があると(ステップS32でYES)、その口座情報が記憶部31の特定口座データベースに格納される(ステップS33)。これにより、特定口座の設定が完了し、そして、次回以降の取引において、新たな口座情報が格納された後の特定口座データベースが制御部30に参照されるようになる。
【0056】
また、処理内容―時間帯対応テーブル(図4参照)に格納された内容、すなわち、実行できる処理および/または時間帯は、店員操作部17を用いた操作により書き換えられる。
図10は、処理内容の書換の流れを示すフローチャートである。処理内容―時間帯対応テーブル33の処理内容の書換の際は、制御部30は、記憶部31(図3参照)に格納されている処理内容―時間帯対応テーブル33の内容を読み出して、その内容を表示/操作部8に表示する(S42:テーブル書換画面の表示)。そして、店員は表示/操作部8の表示を見ながら、店員操作部17を操作して時間帯に対応する処理内容を変更する。そして、内容の変更が入力されると(ステップS43でYES)、処理内容―時間帯対応テーブルが更新される(ステップS44)。そして、次回以降の取引において、書換え後の処理内容―時間帯対応テーブル33が制御部30に参照されるようになる。
【0057】
以上によりこの実施形態によれば、特定口座に対する入金処理が実行されると、その入金処理に関する入金データが管理装置2に送信される。これにより、入金データを管理装置2に手入力することなく、管理装置2に入力データを保持させることができる。そのため、手入力に伴う入力ミスや入力忘れをなくすことができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
【0058】
たとえば前述の実施形態では、管理装置2側でATM1から管理装置2への入金データの送信がチェックされ、かつデータ未入力警告が行われるものとして説明した。しかし、ステップS22の入金データの送信チェックとステップS24の売上金未入力アラームの双方を、ATM1で行うものであってもよい。
具体的には、1日1回所定時刻になると、制御部30は、記憶部31に設けられた入金データ送信履歴データベースを参照して、通信部32から管理装置2への入金データの送信状況をチェックする。そして、前回チェック時以降に入金データの受信がなかったときは、図8に示す売上金未入力の警告表示43を表示/操作部8に表示する。これにより、入金データの未送信を、遊技店舗の店員に知らせることができる。
【0059】
さらに、前記の実施形態では、ATM1から管理装置2への入金データの送信がない場合は、表示部22または表示/操作部8に警告表示43を表示する場合を例に挙げて説明したが、この警告表示43に代えて警報音(ブザー音)が出力されるようになっていてもよい。
また、前述の実施形態では、操作/表示部22に取引内容選択画面(図6Cおよび図6D参照)の表示後に、その操作選択画面で選択された処理の実行が許可されるか否かのチェック(ステップS7)が行われるものとして説明したが、ステップS7のチェックは、取引内容選択画面の表示(ステップS4,S5)に先立って実行されるものであってもよい。この場合、ステップS7のチェックの結果、現在の時刻において実行が許可される処理だけが、図6Cおよび図6Dに示す取引内容選択画面に表示される。
【0060】
また、前述の実施形態では、カードリーダ部12によって読み出された口座情報が特定口座ではない場合に、入金ボタン38が含まれないボタン選択画面が表示/操作部8に表示されるものを例に挙げて説明した。しかしながら、これに代えて、表示/操作部8に表示されるボタン選択画面に入金ボタンが表示されるが、その入金ボタンは選択操作できないものとしてもよい。
【0061】
特定口座には、遊技店舗の口座でなく、他の顧客の口座を設定することができるのはもちろんのことである。
また、前述の実施形態では、記憶部の特定口座データベースに遊技店舗の店舗口座の口座情報を格納するものとして説明したが、この遊技店舗がチェーン店である場合、記憶部の特定口座データベースにチェーン店の本部口座の口座情報が格納されていてもよい。
【0062】
さらに、特定口座以外の口座に対する入金処理が許可されていてもよい。
前述の実施形態では、ATM1が利用可能であっても、引出取引が許容されない時間帯や入金取引が許容されない時間帯が設けられているとして説明した。しかし、ATM1が利用可能な状態では、引出取引および入金取引の双方が常時許容されていてもよい。
特定口座に対する入金処理時(ステップS10の口座入金許可処理の完了時)だけでなく、特定口座への引出処理時(ステップS16の口座引出許可処理の完了時)にもATM1から管理装置2に金額データ(特定口座への引出処理に関する出金データ)が送信されていてもよい。
【0063】
また、特定口座への出納(入金処理/出金処理)の際だけ、その取引にかかる金額データ(入金データ/出金データ)がATM1から管理装置2に送信されるとして説明したが、特定口座以外の口座に対する出納(入金処理/出金処理)の際にも、金額データが管理装置2に送信されるようにしてもよい。
さらに、ATM1は、引出取引および入金取引だけを行えるものとして説明したが、その他、残高照会処理や、振込み取引が行えるものであってもよい。
【0064】
さらに、前述の実施形態では、ATM1として、硬貨を取り扱わず紙幣だけを取り扱うものを例に挙げて説明したが、ATM1は硬貨および紙幣の両方を取り扱うものであってもよいし、硬貨のみを取り扱うものであってもよい。
さらにまた、ATM1は遊技店舗以外の店舗に設置されていてもよい。具体的には、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ガソリンスタンドなどの小売店の店舗に設置されていてもよい。
【0065】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 ATM(貨幣入出金装置)
2 管理装置(所定の機器)
8 表示/操作部(報知手段)
9 カード挿入/排出口(カード挿入口)
12 カードリーダ部(口座情報読取手段)
17 店員操作部(特定口座操作設定手段、入力設定手段)
20 制御部(特定口座判別手段、入金許可手段、入金データ送信判定手段)
22 表示部(報知手段)
30 制御部(出納許可手段、金額データ送信判定手段)
31 記憶部(許容処理記憶手段)
32 通信部(金額データ送信手段)
43 警告表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の店舗に設置され、その店舗に設けられた所定の機器と通信可能に接続され、貨幣を入出金するための貨幣入出金装置であって、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報を読み取る口座情報読取手段と、
前記口座情報読取手段によって読み取られた前記口座情報に対応する口座に対して入金/引出処理を許可する出納許可手段と、
前記口座への出納が行われたことに応答して、出納された金額に関する金額データを、前記所定機器へ送信する金額データ送信手段とを含むことを特徴とする、貨幣入出金装置。
【請求項2】
前記出納許可手段は、前記口座情報が予め定められた特定口座である場合のみ、前記入金処理を許可し、特定口座でない場合は、前記入金処理は許可しないことを特徴とする、請求項1記載の貨幣入出金装置。
【請求項3】
前記出納許可手段は、実行できる処理および時間帯が対応付けて記憶された許容処理記憶手段を有し、
前記許容処理記憶手段に記憶内容に基づいて、前記入金/引出処理を許可することを特徴とする、請求項1または2記載の貨幣入出金装置。
【請求項4】
前記許容処理記憶手段に記憶される処理および/または時間帯を変更可能に操作するための入力設定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣入出金装置。
【請求項5】
前記特定口座を設定するための特定口座操作設定手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貨幣入出金装置。
【請求項6】
所定のタイミングにおいて、前記金額データ送信手段による金額データの送信の有無を判定するための金額データ送信判定手段と、
前記金額データ送信判定手段によって金額データの送信がないと判定されたことに応答して報知をする報知手段とをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の貨幣入出金装置。
【請求項7】
特定の店舗内に設置され、当該店舗における金銭に関する情報を管理するための管理装置と、前記特定の店舗内に設置され、前記管理装置と通信可能に接続されて、貨幣を入出金するための貨幣入出金装置とを含む貨幣入出金システムであって、
前記貨幣入出金装置は、
キャッシュカードが挿入されるカード挿入口と、
前記カード挿入口に挿入されたキャッシュカードに記憶された口座情報を読み取る口座情報読取手段と、
前記口座情報読取手段によって読み取られた前記口座情報が予め定められた特定口座であるか否かを判別する特定口座判別手段と、
前記特定口座判別手段により特定口座であると判別された場合に、入金処理を許可する入金許可手段とを含み、さらに
所定のタイミングにおいて、前記貨幣入出金装置から前記管理装置への入金データの送信の有無を判定するための入金データ送信判定手段と、
前記入金データ送信判定手段によって入金データの送信がないと判定されたことに応答して、報知をする報知手段とを含むことを特徴とする、貨幣入出金システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図6F】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate