説明

貨幣処理機

【課題】顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能な貨幣処理機の提供。
【解決手段】顧客によって操作がなされる第1の操作手段20と、担当者によって操作がなされる第2の操作手段40と、貨幣の入金を受け付ける貨幣入金口と、貨幣入金口に入金された貨幣を収納する収納部と、貨幣入金口に入金された貨幣を収納部に向けて搬送する搬送路と、第1の操作手段20への操作によって貨幣入金口に入金された貨幣の入金処理を制御する制御手段と、顧客の認証情報を取得する認証情報取得手段30,32とを備え、制御手段は、第2の操作手段40への操作を受け付けた際に、認証情報取得手段30,32によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、第1の操作手段20への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関の店舗のロビー等に設置され、大口の入出金や両替を行うことができる顧客操作型の貨幣処理機がある。
【特許文献1】特開2004−70486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した貨幣処理機では、例えば収納部から貨幣を取り出す等、店舗側に急遽処理を行う必要が生じた場合であっても、顧客が処理を行っている状態では、顧客の処理が終了するまで待たなければならない。
【0004】
したがって、本発明は、顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能な貨幣処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、顧客によって操作がなされる第1の操作手段と、担当者によって操作がなされる、前記第1の操作手段とは異なる第2の操作手段と、貨幣の入金を受け付ける貨幣入金口と、該貨幣入金口に入金された貨幣を収納する収納部と、前記貨幣入金口に入金された貨幣を前記収納部に向けて搬送する搬送路と、前記第1の操作手段への操作によって前記貨幣入金口に入金された貨幣の入金処理を制御する制御手段と、を備えた貨幣処理機において、顧客の認証情報を取得する認証情報取得手段を備え、前記制御手段は、前記第2の操作手段への操作を受け付けた際に、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定することを特徴としている。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記利用情報は、顧客が過去に利用した際の処理時間であり、該処理時間の平均時間を算出し、当該平均時間に基づいて現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出する残時間算出手段を備え、前記制御手段は、前記第2の操作手段への操作を受け付けた際に、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている前記処理時間から前記残時間算出手段によって算出される前記残り時間に基づいて、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定することを特徴としている。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記制御手段は、前記残り時間が所定の時間よりも長いと判定した場合に、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させることを特徴としている。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明において、前記制御手段は、前記残り時間が所定の時間以下であると判定した場合に、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を継続させることを特徴としている。
【0009】
請求項5に係る発明は、顧客によって操作がなされる第1の操作手段と、担当者によって操作がなされる、前記第1の操作手段とは異なる第2の操作手段と、貨幣の入金を受け付ける貨幣入金口と、該貨幣入金口に入金された貨幣を収納する収納部と、前記貨幣入金口に入金された貨幣を前記収納部に向けて搬送する搬送路と、前記第1の操作手段への操作によって前記貨幣入金口に入金された貨幣の入金処理を制御する制御手段と、を備えた貨幣処理機において、顧客の認証情報を取得する認証情報取得手段と、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するモード設定手段とを備え、該モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴としている。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記利用情報は、顧客が過去に利用した際に入金した処理金額であり、該処理金額の平均金額を算出する平均金額算出手段を備え、前記モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された認証情報に関連付けられて記憶されている前記処理金額から前記平均金額算出手段によって算出される前記平均金額に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴としている。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記モード設定手段は、前記平均金額が所定の金額よりも多い場合に、前記割込可能モードに設定することを特徴としている。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項6または7に係る発明において、前記モード設定手段は、前記平均金額が所定の金額以下の場合に、前記割込不可モードに設定することを特徴としている。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記利用情報は、顧客が過去に利用した際の処理時間であり、該処理時間の平均時間を算出する平均時間算出手段を備え、前記モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された認証情報に関連付けられて記憶されている前記処理時間から前記平均時間算出手段によって算出される前記平均時間に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴としている。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明において、前記モード設定手段は、前記平均時間が所定の時間よりも長い場合に、前記割込可能モードに設定することを特徴としている。
【0015】
請求項11に係る発明は、請求項9または10に係る発明において、前記モード設定手段は、前記平均時間が所定の時間以下の場合に、前記割込不可モードに設定することを特徴としている。
【0016】
請求項12に係る発明は、請求項5乃至11のいずれか一項に係る発明において、前記制御手段は、前記モード設定手段によって前記割込不可モードが設定された場合には、前記第2の操作手段への操作を受け付けても、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させることなく継続させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、担当者によって操作がなされる第2の操作手段への操作を受け付けた際に、制御手段が、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定するため、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させると判定した場合には、店舗側の処理に対応可能となる。したがって、顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能となる。しかも、制御手段は、担当者によって操作がなされる第2の操作手段への操作を受け付けた際に、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定するため、比較的的確に入金処理を中断させるか否かを判定することができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、担当者によって操作がなされる第2の操作手段への操作を受け付けた際に、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の処理時間から、残時間算出手段が平均時間および現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出すると、制御手段が、この残り時間に基づいて、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定する。したがって、過去のデータから求まる残り時間に基づいて、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定するため、比較的的確に入金処理を中断させるか否かを判定することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、残り時間が所定の時間よりも長いと判定した場合に、制御手段は、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるため、過去のデータから求まる残り時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、残り時間が所定の時間以下であると判定した場合に、制御手段は、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を継続させるため、過去のデータから求まる残り時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の利用情報に基づいて、モード設定手段が、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、割込可能モードに設定した場合には、店舗側の処理に対応可能となる。したがって、顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能となる。また、モード設定手段が、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去に利用した際に入金した処理金額から、平均金額算出手段が平均金額を算出すると、モード設定手段は、この平均金額に基づいて、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、モード設定手段は、平均金額が所定の金額よりも多い場合に、割込可能モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、モード設定手段は、平均金額が所定の金額以下の場合に、割込不可モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【0025】
請求項9に係る発明によれば、認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の処理時間から、平均時間算出手段が平均時間を算出すると、モード設定手段は、この平均時間に基づいて、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0026】
請求項10に係る発明によれば、モード設定手段は、平均時間が所定の時間よりも長い場合に、割込可能モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0027】
請求項11に係る発明によれば、モード設定手段は、平均時間が所定の時間以下の場合に、割込不可モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【0028】
請求項12に係る発明によれば、モード設定手段によって割込不可モードが設定された場合には、制御手段が、第2の操作手段への操作を受け付けても、第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させることなく継続させるため、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となる場合に、担当者による第2の操作手段への操作に基づく割り込みの処理を規制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の第1実施形態の貨幣処理機を図1〜図12を参照して以下に説明する。
図1に示す第1実施形態の貨幣処理機10は、銀行等の金融機関の店舗に設置されるものである。通常、金融機関の店舗は、顧客が行き来可能な顧客側(ロビー側)スペースSkと、顧客の立ち入りが制限され係員等の担当者のみが行き来可能な担当者側スペースStとに仕切Wで区分けされている。
【0030】
そして、第1実施形態の貨幣処理機10は、これら顧客側スペースSkおよび担当者側スペースStに跨って配置される。仕切Wよりも顧客側スペースSk側を図1(a)に示すように顧客側領域部11kとし、仕切Wよりも担当者側スペースSt側を図1(b)に示すように担当者側領域部11tとする。貨幣処理機10は、顧客側領域部11kに対する係員側スペースSt側からの操作は不可となっており、担当者側領域部11tに対する顧客側スペースSkからの操作も不可となっている。
【0031】
貨幣処理機10は、顧客側領域部11kおよび担当者側領域部11tに一部共用されて紙幣についての処理を行う紙幣処理機構部12と、顧客側領域部11kおよび担当者側領域部11tに一部共用されて硬貨についての処理を行う硬貨処理機構部13とが左右に並設されている。
【0032】
ここで、顧客側領域部11kでは、紙幣処理機構部12においてはバラ紙幣の入金処理のみが可能となっており、硬貨処理機構部13においてはバラ硬貨の入金処理のみが可能となっている。また、担当者側領域部11tでは、紙幣処理機構部12によってバラ紙幣の入金処理、バラ紙幣の出金処理および小束紙幣の出金処理等の種々の処理が可能となっており、硬貨処理機構部13によってバラ硬貨の入金処理およびバラ硬貨の出金処理等の種々の処理が可能となっている。つまり、貨幣処理機10は、顧客に対しては入金処理が可能なロビー入金機として機能し、担当者に対しては入出金処理等の種々の処理が可能な出納機として機能する。
【0033】
顧客側領域部11kには、その紙幣処理機構部12側に、顧客側スペースSkにいる主として顧客によって操作がなされる顧客側操作部(第1の操作手段)20と、顧客に対して印刷物を発行するプリンタ部22と、顧客側の入金処理時に顧客に対してバラ紙幣のやり取りを行う顧客側紙幣入出部23とが設けられている。顧客側紙幣入出部23は、顧客側スペースSkにいる顧客によるバラ紙幣の入金を受け付けるとともに入金されたバラ紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を顧客に取出可能にリジェクトするものである。
【0034】
また、顧客側領域部11kには、その硬貨処理機構部13側に、顧客側の入金処理時に顧客によるバラ硬貨の入金を受け付ける顧客側硬貨入金口27と、入金されたバラ硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別されたリジェクト硬貨を顧客に取出可能にリジェクトする顧客側硬貨リジェクト部28とが設けられている。
【0035】
顧客側操作部20は、顧客に対して操作ガイダンス等の情報を表示するとともに操作が入力されるタッチパネル式の顧客側表示操作部21と、顧客のIDカードを走査するカードリーダ(認証情報取得手段)30と、顧客により操作される操作ボタン31と、顧客の通帳を走査する通帳リーダ(認証情報取得手段)32と等を有している。
【0036】
担当者側領域部11tには、その紙幣処理機構部12側に、担当者側スペースStにいる担当者によって操作がなされる、上記した顧客側操作部20とは異なる担当者側操作部(第2の操作手段)40と、担当者側の入金処理時に担当者に対してバラ紙幣のやり取りを行う担当者側バラ紙幣入出部42と、担当者側の出金処理時に担当者に対して小束紙幣を出金する小束紙幣出金部43とが設けられている。担当者側バラ紙幣入出部42は、担当者によるバラ紙幣の入金を受け付けるとともに入金されたバラ紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を担当者に取出可能にリジェクトし、担当者側の出金処理時にバラ紙幣を担当者に取出可能に出金するものである。
【0037】
また、担当者側領域部11tには、その硬貨処理機構部13側に、担当者側の入金処理時に担当者によるバラ硬貨の入金を受け付ける担当者側硬貨入金部46と、入金されたバラ硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別されたリジェクト硬貨を担当者に取出可能にリジェクトする担当者側硬貨リジェクト部47と、バラ硬貨の出金処理時にバラ硬貨を担当者に取出可能に出金する担当者側硬貨出金部48とが設けられている。
【0038】
担当者側操作部40は、担当者に対して操作ガイダンス等の情報を表示するとともに操作が入力されるタッチパネル式の担当者側表示操作部41と、担当者の指静脈認証等の生体認証を行う生体認証装置50と、担当者のIDカードを走査するカードリーダ51と、担当者により操作される操作キーボード52と等を有している。
【0039】
上記したように、紙幣処理機構部12は、顧客側紙幣入出部23を介して投入されたバラ紙幣の入金処理と、担当者側バラ紙幣入出部42を介して投入されたバラ紙幣の入金処理と、担当者側バラ紙幣入出部42を介してのバラ紙幣の出金処理と、小束紙幣出金部43を介しての小束紙幣の出金処理とを行う。これに対して、硬貨処理機構部13は、顧客側硬貨入金口27を介して投入されたバラ硬貨の入金処理と、担当者側硬貨入金部46を介して投入されたバラ硬貨の入金処理と、担当者側硬貨出金部48を介してのバラ硬貨の出金処理とを行う。
【0040】
以下、紙幣処理機構部12について図2〜図5を主に参照してさらに説明する。
顧客側紙幣入出部23は、顧客側の入金処理時に顧客によるバラ紙幣の入金を受け付ける顧客側紙幣入金口(貨幣入金口)60と、顧客側の入金処理時に顧客側紙幣入金口60に入金されたバラ紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を顧客に返却可能にリジェクトする顧客側紙幣リジェクト口61とが可動板62によって画成されている。なお、顧客側紙幣入金口60には、バラ紙幣が長手方向を横向きにした状態で機外から投入される。
【0041】
顧客側紙幣入金口60に投入されたバラ紙幣は、分離繰出部63によって一枚ずつ分離されて内部の搬送路64に繰り出され、搬送路64の適宜の組み合わせで構成される、図2に太実線で示す搬送経路R1に沿って搬送される。この搬送経路R1の途中には、搬送経路R1で搬送中のバラ紙幣の真偽、金種、正損および重送を識別して計数を行う入金識別部65が設けられており、搬送経路R1における入金識別部65よりも下流側には、バラ紙幣の表裏を適宜反転させる表裏反転部66が設けられている。表裏反転部66は、入金識別部65の識別結果に基づいて適宜バラ紙幣を反転させることでバラ紙幣の表裏を取り揃える。搬送経路R1の表裏反転部66よりも下流側からは、搬送路64の一部で構成される太破線で示す搬送経路R2が分岐しており、入金識別部65で偽券等の入金不可紙幣と識別されたリジェクト紙幣は、図2に太破線で示す搬送経路R2を介して上記した顧客側紙幣リジェクト口61に、機外に取り出し可能にリジェクトされる。
【0042】
また、搬送経路R1の表裏反転部66よりも下流側からは、入金識別部65で識別されたバラ紙幣のうち入金可能紙幣と識別され表裏反転部66で適宜表裏が取り揃えられたバラ紙幣を入金識別部65の識別結果に基づいて適宜振り分ける、複数具体的には図2に太破線で示す三カ所の搬送経路R3,R4,R5が順に分岐しており、各搬送経路R3,R4,R5の端末および搬送経路R1の端末には、それぞれ、振り分けられたバラ紙幣を一時貯留させる一時貯留部67,68,69,70が接続されている。ここで、最も上流側の搬送経路R3に接続された一時貯留部67には、例えば一万円券のみが、上流側から二番目の搬送経路R4に接続された一時貯留部68には、例えば五千円券のみが、上流側から三番目の搬送経路R5に接続された一時貯留部69には、例えば一千円券のみが、それぞれ一時貯留されることになり、搬送経路R1の端末に接続された一時貯留部70には、例えば二千円券および金種別に分類して収納しきれないオーバーフロー紙幣が一時貯留されることになる。
【0043】
各一時貯留部67〜70のそれぞれの下方には、一対一で対応して紙幣収納部(収納部)71,72,73,74が設けられている。最も上流側の一時貯留部67の下方に設けられた紙幣収納部71は一時貯留部67の紙幣を、上流側から二番目の一時貯留部68の下方に設けられた紙幣収納部72は一時貯留部68の紙幣を、上流側から三番目の一時貯留部69の下方に設けられた紙幣収納部73は一時貯留部69の紙幣を、最も下流側の一時貯留部70の下方に設けられた紙幣収納部74は一時貯留部70の紙幣を、それぞれ受け入れて収納することになる。つまり、紙幣収納部71〜74は、顧客側紙幣入金口60に入金された紙幣を収納することになり、搬送路64は、顧客側紙幣入金口60に入金された紙幣を紙幣収納部71〜74に向けて搬送することになる。
【0044】
ここで、貨幣処理機10には、記憶部76と制御部(制御手段)77とが設けられている。制御部77は、貨幣処理機10の全体を制御するとともに、機外のデータベース(記憶手段)78に対しても通信可能となっている。
【0045】
図1に示す顧客側表示操作部21に顧客側の入金処理の開始の操作入力がなされると、図2に示す制御部77は、顧客側入金処理を実行する。つまり、制御部77は、まず、顧客によって顧客側紙幣入金口60にバラ紙幣が投入されたことが図示略のセンサで検出されると、顧客側紙幣入金口60からバラ紙幣を繰り出し、入金識別部65の識別結果に基づいて、搬送経路R1および搬送経路R2でリジェクト紙幣を顧客側紙幣リジェクト口61に、搬送経路R1および搬送経路R3〜R5で、受け入れ可能なバラ紙幣を計数しつつ一時貯留部67〜70のうちの対応するものに搬送する顧客側紙幣一時貯留処理を行う。そして、顧客側紙幣入金口60のバラ紙幣がすべて、顧客側紙幣リジェクト口61および一時貯留部67〜70のいずれかに搬送されたことを、顧客側紙幣入金口60および搬送経路R1〜R5のそれぞれに設けられた図示略のセンサにより検出すると、制御部77は、この顧客側紙幣一時貯留処理が終了したと判断して、入金識別部65の識別結果を顧客側表示操作部21に表示させる。
【0046】
これを見た顧客が、顧客側表示操作部21に承認操作を入力すると、制御部77は、入金識別部65の識別結果を記憶部76に記憶するとともに、すべての一時貯留部67〜70に一時貯留されていたバラ紙幣を紙幣収納部71〜74に収納する紙幣収納処理を行うことになる。この紙幣収納処理が終了すると、制御部77は、顧客側入金処理が終了したと判断する。
【0047】
すべての一時貯留部67〜70は、担当者側領域部11t側において引き出し可能となっており、顧客が、顧客側表示操作部21に、上記の承認操作ではなくキャンセル操作を入力すると、制御部77は、担当者側表示操作部41に顧客側の入金処理のキャンセル操作が入力されたことを表示する。この表示を見て担当者が、担当者側表示操作部41に確認操作を入力すると、制御部77は、一時貯留部67〜70のロックを解除して引き出し可能とする。これにより、担当者が一時貯留部67〜70を引き出して紙幣を取り出し、顧客に返却する。
【0048】
つまり、制御部77は、顧客側操作部20への操作によって顧客側紙幣入金口60に入金された紙幣の入金処理を制御する。
【0049】
担当者側バラ紙幣入出部42は、担当者側の入金処理時に担当者によるバラ紙幣の入金を受け付ける担当者側紙幣入金口80と、担当者側の入金処理時に担当者側紙幣入金口80に入金されたバラ紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を担当者に返却可能にリジェクトする担当者側紙幣リジェクト出金口81とが可動板82によって画成されている。なお、担当者側紙幣入金口80には、バラ紙幣が長手方向を横向きにした状態で機外から投入される。
【0050】
担当者側紙幣入金口80に投入されたバラ紙幣は、分離繰出部83によって一枚ずつ分離されて、搬送路64の適宜の組み合わせで構成される、図3に太実線で示す搬送経路R6に沿って搬送される。この搬送経路R6の途中には、搬送経路R6で搬送中のバラ紙幣の真偽、金種、正損および重送を識別して計数を行う上記した入金識別部65が設けられており、搬送経路R6における入金識別部65よりも下流側には、バラ紙幣の表裏を適宜反転させる上記した表裏反転部66が設けられている。搬送経路R6の入金識別部65よりも下流側からは、搬送路64の一部で構成される図3に太破線で示す搬送経路R7が分岐しており、入金識別部65で偽券等で入金不可と識別されたリジェクト紙幣は、搬送経路R6から搬送経路R7を介して上記した担当者側紙幣リジェクト出金口81に、機外に取り出し可能にリジェクトされる。
【0051】
また、搬送経路R6の表裏反転部66よりも下流側には、図3に太破線で示す上記した搬送経路R3,R4,R5が順に分岐しており、各搬送経路R3,R4,R5の端末および搬送経路R6の端末は、上記した一時貯留部67,68,69,70に接続されている。
【0052】
ここで、担当者によって図1に示す担当者側表示操作部41に担当者側の入金処理の開始の操作入力がなされると、図3に示す制御部77は、担当者側入金処理を実行する。つまり、制御部77は、まず、担当者によって担当者側紙幣入金口80にバラ紙幣が投入されたことが図示略のセンサで検出されると、担当者側紙幣入金口80からバラ紙幣を繰り出し、入金識別部65の識別結果に基づいて、搬送経路R6および搬送経路R6から分岐する図3に太破線で示す搬送経路R7でリジェクト紙幣を担当者側紙幣リジェクト出金口81に、搬送経路R6および搬送経路R3〜R5で、受け入れ可能なバラ紙幣を計数しつつ一時貯留部67〜70のうちの対応するものに搬送する担当者側紙幣一時貯留処理を行う。そして、例えば、担当者側紙幣入金口80のバラ紙幣がすべて、担当者側紙幣リジェクト出金口81および一時貯留部67〜70のいずれかに搬送されたことを、顧客側紙幣入金口60および搬送経路R3〜R7のそれぞれに設けられた図示略のセンサにより検出すると、制御部77は、担当者側紙幣一時貯留処理が終了したと判断して、入金識別部65の識別結果を担当者側表示操作部41に表示させる。
【0053】
これを見た担当者が、担当者側表示操作部41に承認操作を入力すると、制御部77は、入金識別部65の識別結果を記憶部76に記憶するとともに、すべての一時貯留部67〜70に一時貯留されていたバラ紙幣を紙幣収納部71〜74に収納する紙幣収納処理を行うことになる。この紙幣収納処理の終了後、制御部77は、担当者側入金処理が終了したと判断する。
【0054】
担当者が、担当者側表示操作部41に上記した承認操作ではなく、キャンセル操作を入力すると、制御部77は、一時貯留部67〜70のロックを解除して引き出し可能とする。これにより、担当者が一時貯留部67〜70を引き出して紙幣を取り出す。
【0055】
紙幣収納部74は、収納しているバラ紙幣を一枚ずつ繰り出して、搬送路64の適宜の組み合わせで構成される、図4に太実線で示す搬送経路R8によって搬送可能となっており、紙幣収納部71〜73も、収納しているバラ紙幣を一枚ずつ繰り出して、搬送路64の一部で構成される、図4に太破線で示す搬送経路R9〜R11の対応するものおよび搬送経路R8によって搬送可能となっている。搬送経路R8の端末位置は、担当者側紙幣リジェクト出金口81に接続されており、搬送経路R8の途中には、バラ紙幣の重送の有無等を検出する出金識別部84が設けられている。搬送経路R8の出金識別部84よりも下流側から、搬送路64の一部で構成される搬送経路R12が分岐しており、搬送経路R12には、出金識別部84で重送等が検出された出金不可紙幣を収納する出金リジェクトボックス85が接続されている。
【0056】
担当者によって図1に示す担当者側表示操作部41に出金させるバラ紙幣の金種別の枚数が入力され出金処理の開始の操作入力がなされると、図4に示す制御部77が、バラ紙幣の出金処理を実行する。つまり、制御部77は、入力データに基づいて紙幣収納部71〜73からバラ紙幣を繰り出し、搬送経路R9〜R11から搬送経路R8を介して搬送する。そして、出金識別部84の識別結果に基づいて、出金リジェクト紙幣を搬送経路R8および搬送経路R8から分岐する搬送経路R12によって出金リジェクトボックス85に、出金可能なバラ紙幣を搬送経路R8によって担当者側紙幣リジェクト出金口81に出金する。そして、入力データに基づく金種および枚数の出金可能なバラ紙幣が担当者側紙幣リジェクト出金口81に搬送されると、バラ紙幣の出金処理を終了する。
【0057】
紙幣収納部74は、収納しているバラ紙幣を一枚ずつ繰り出して、搬送路64の適宜の組み合わせで構成される図5に太実線で示す搬送経路R13で搬送可能となっており、紙幣収納部71〜73も、収納しているバラ紙幣を一枚ずつ繰り出して搬送経路R9〜R11の対応するものを介して搬送経路R13で搬送可能となっている。搬送経路R13の途中位置には、上記した出金識別部84が設けられている。また、搬送経路R13の端末位置には、バラ紙幣を集積させる集積部88が接続されており、搬送経路R13の端末近傍から太破線で示す搬送経路R14が分岐して、バラ紙幣を集積させる集積部89に接続されている。
【0058】
集積部88,89は、搬送されてきたバラ紙幣を所定枚数(100枚)ずつ集積するもので、その側方には、集積された紙幣に結束テープを巻き回して結束し小束紙幣出金部43に出金する結束部90が設けられている。
【0059】
担当者によって図1に示す担当者側表示操作部41に金種データおよび小束紙幣の数の操作入力と小束紙幣の出金処理の開始の操作入力がなされると、図5に示す制御部77は、小束紙幣の出金処理を実行する。つまり、紙幣収納部71〜73の指定された金種のものからバラ紙幣を繰り出し、出金識別部84の識別結果に基づいて、出金リジェクト紙幣を搬送経路R13および搬送経路R13から分岐する太破線で示す搬送経路R15で出金リジェクトボックス85に、出金可能なバラ紙幣を搬送経路R13で集積部88に、あるいは搬送経路R13,R14で集積部89に搬送する。そして、集積部88あるいは集積部89のバラ紙幣が所定枚数になると、結束部90が集積状態のバラ紙幣に結束テープを巻き回して結束し小束紙幣出金部43に出金する。そして、入力データに基づく金種および束数の小束紙幣が小束紙幣出金部43に出金されると、小束紙幣の出金処理を終了する。
【0060】
なお、図1に示す硬貨処理機構部13は、バラ硬貨の顧客側の入金処理、バラ硬貨の担当者側の入金処理およびバラ硬貨の担当者側の出金処理が可能であり、これらは、上記した紙幣処理機構部12と略同様に処理される。
【0061】
次に、第1実施形態の貨幣処理機の制御部77による制御内容の要部について図6および図7のフローチャート等を参照して説明する。
【0062】
待機状態で、制御部77は、図6に示すように、顧客側領域部11kに配置された顧客側操作部20の顧客側表示操作部21に処理開始の操作が入力されたか(ステップSA1)、担当者側領域部11tに配置された担当者側操作部40の担当者側表示操作部41に処理開始の操作が入力されたかを判断しており(ステップSA2)、顧客側表示操作部21に処理開始の操作が入力されると(ステップSA1:Yes)、顧客側操作部20への顧客認証操作入力を受け付ける状態になって、顧客認証操作が入力されたか否かを判断する(ステップSA3)。この顧客認証操作は、例えば、カードリーダ30によるキャッシュカード等のIDカードに記録された認証情報の読み込み、通帳リーダ32による通帳に記録された認証情報の読み込み等で行うことになる。
【0063】
顧客認証操作が実行され顧客の認証情報を取得すると(ステップSA3:Yes)、制御部77は、通信回線を介して接続された機外のデータベース78と通信し、取得した認証情報と一致する認証情報をデータベース78で検索し、取得した認証情報と一致する認証情報がデータベース78に記憶されていて適正であるか否かを判断する(ステップSA4)。認証情報が適正でなければ(ステップSA4:No)、顧客側表示操作部21によって適正でない旨のエラー報知を行う(ステップSA5)。
【0064】
認証情報が適正であれば(ステップSA4:Yes)、制御部77は、顧客側の入金処理を開始するか否かを、例えば顧客側表示操作部21に、入金処理を開始する旨の入力がなされたか否かにより判断する(ステップSA6)。顧客側の入金処理を開始すると判断すると(ステップSA6:Yes)、制御部77は、紙幣処理機構部12および硬貨処理機構部13について、顧客側入金処理を開始する(ステップSA7)。
【0065】
つまり、制御部77は、紙幣処理機構部12については、顧客によって顧客側紙幣入金口60にバラ紙幣が投入されたことが図示略のセンサで検出されると、顧客側紙幣入金口60からバラ紙幣を繰り出し、入金識別部65の識別結果に基づいて、搬送経路R1および搬送経路R2でリジェクト紙幣を顧客側紙幣リジェクト口61に、搬送経路R1および搬送経路R3〜R5で、受け入れ可能なバラ紙幣を計数しつつ一時貯留部67〜70のうちの対応するものに搬送する顧客側紙幣一時貯留処理を行う。硬貨処理機構部13についても同様の顧客側硬貨一時貯留処理を行う。
【0066】
そして、紙幣処理機構部12について、顧客側紙幣入金口60のバラ紙幣がすべて、顧客側紙幣リジェクト口61および一時貯留部67〜70のいずれかに搬送されたことを、顧客側紙幣入金口60および搬送経路R1〜R5のそれぞれに設けられた図示略のセンサにより検出すると、制御部77は、この顧客側紙幣一時貯留処理が終了したと判断することになる。硬貨処理機構部13についても同様に顧客側硬貨一時貯留処理が終了したと判断すると、制御部77は、紙幣処理機構部12の入金識別部65および硬貨処理機構部13の図示略の入金識別部の両方の識別結果を顧客側表示操作部21に表示させる。
【0067】
これを見た顧客が、顧客側表示操作部21に承認操作を入力すると、制御部77は、紙幣処理機構部12の入金識別部65および硬貨処理機構部13の図示略の入金識別部の識別結果を記憶部76に記憶するとともに、紙幣処理機構部12に対しては、すべての一時貯留部67〜70に一時貯留されていたバラ紙幣を紙幣収納部71〜74に収納する紙幣収納処理を行い、硬貨処理機構部13についても、同様の硬貨収納処理を行うことになる。そして、制御部77は、ステップSA4で適正と判断した顧客の認証情報に関連付けて、データベース78に今回の処理に関連する、処理時間および処理金額を含むデータを過去の利用情報の最新データとして追加して記憶させる。
【0068】
そして、制御部77は、ステップSA7の顧客側入金処理の開始後、担当者側操作部40に中断割込操作が入力されたか否かを監視している(ステップSA8)。この割込操作の入力は、例えば担当者がIDカードを担当者側操作部40のカードリーダ51に走査させること等により行われることになり、制御部77は、カードリーダ51で読み取ったIDカードの識別番号がデータベース78に記憶された識別番号と一致する場合に、割込操作が入力されたと判断する。担当者側操作部40への中断割込操作が入力されることなく、紙幣収納処理および硬貨収納処理が終了すると顧客側入金処理が終了したと判断して(ステップSA9:Yes)、制御を終了する。
【0069】
他方、ステップSA8で、担当者側操作部40への中断割込操作が入力されたと判断しこれを受け付けると(ステップSA8:Yes)、制御部77は、ステップSA3で入力されステップSA4で適正と判断した顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去の利用情報をデータベース78から読み出し(ステップSA10)、この利用情報に基づいて、顧客側操作部20への操作に基づく顧客側入金処理を中断させるか否かを判定する。制御部(残時間算出手段)77は、具体的には、利用情報に含まれる過去に利用した際の全処理時間から、一回の処理に要する平均時間を算出し、この平均時間から、ステップSA7の顧客側入金処理開始時点から現在までの経過時間を減算して、現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出する(ステップSA11)。算出された残り時間から、この残り時間が予め設定された所定の中断判定時間よりも長いか否かにより、顧客側入金処理を中断させるか否かを判定する(ステップSA12)。つまり、残り時間が中断判定時間よりも長くなく中断判定時間以下であれば(ステップSA12:No)、顧客側入金処理を中断させずに継続させることになり、ステップSA9を実行する。一方、残り時間が中断判定時間よりも長ければ(ステップSA12:Yes)、顧客側入金処理を中断させると判定して、中断処理の実行が指示されたか否かを判断する(ステップSA13)。つまり、担当者側表示操作部41に、図8に示すような選択画面を表示させることになり、この選択画面で、「ロビー入金取扱中止(割込)」が押圧操作されると、中断処理の実行が指示されたと判断して(ステップSA13:Yes)、以下の中断処理(ステップSA14)を行うことになる。
【0070】
ステップSA14の中断処理は、図7に示すように、紙幣処理機構部12について、分離繰出部63を制御して、顧客側紙幣入金口60からそれ以上の紙幣の繰り出しを中止するとともに(ステップSB1)、図示略のセンサの検出結果から搬送路64に残存する紙幣がなくなったと判断できるまで(ステップSB2)、搬送路64を駆動し、搬送路64に残存する紙幣がなくなったと判断すると(ステップSB2:No)、搬送路64を停止する(ステップSB3)。硬貨処理機構部13についても同様に制御する。それとともに、顧客側表示操作部21に、紙幣処理機構部12の入金識別部65および硬貨処理機構部13の図示略の入金識別部の識別結果を入金処理が中断した旨とともに示す、図9に示すような表示画面を表示させることになる。この表示画面では、紙幣処理機構部12の顧客側紙幣入金口60および顧客側紙幣リジェクト口61から紙幣を取り除き、硬貨処理機構部13の図示略の顧客側硬貨入金口および顧客側硬貨リジェクト口から硬貨を取り除いた後、一時中断承認操作を行うように、顧客側表示操作部21に表示させることになり、これを見て、顧客が紙幣および硬貨を取り除く。
【0071】
そして、顧客が、顧客側表示操作部21に一時中断承認操作を入力すると(ステップSB4:Yes)、図示略のセンサの検出結果から、顧客側紙幣入金口60および顧客側紙幣リジェクト口61に残存する紙幣がなくなったと判断し、且つ硬貨処理機構部13についても同様に残存する硬貨がなくなったと判断すると(ステップSB5:No)、担当者側操作部40への割込処理の入力を受け付ける状態になる(ステップSB6)。顧客側紙幣入金口60、顧客側紙幣リジェクト口61、顧客側硬貨入金口、顧客側硬貨リジェクト口のいずれかに貨幣が残存していた場合、その旨を示すエラー報知を行う(ステップSB7)。なお、エラー報知を行って貨幣の残存がなくなるまで待機するようにしても良く、あるいはエラー報知を行った後、以下の割込処理を続けて行うようにしても良い。
【0072】
担当者側操作部40への割込処理の入力を受け付ける状態になると(ステップSB6)、制御部77は、顧客側表示操作部21に、図10に示すように入金処理が準備中である旨の表示を行い、担当者側表示操作部41に、図11に示すように、割込処理として実行可能な処理の入力を受け付ける表示を行う(図示例では1〜16の処理を表示)。その後、制御部77は、入力された割込処理(ステップSB8)を行う。
【0073】
例えば、割込処理として、バラ紙幣の出金処理が選択され、担当者によって担当者側表示操作部41に出金させるバラ紙幣の金種別の枚数が入力され出金処理の開始の操作入力がなされると、制御部77は、入力データに基づいて紙幣収納部71〜73からバラ紙幣を繰り出し、搬送経路R9〜R11から搬送経路R8を介して搬送する。そして、出金識別部84の識別結果に基づいて、出金リジェクト紙幣を搬送経路R8および搬送経路R8から分岐する搬送経路R12によって出金リジェクトボックス85に、出金可能なバラ紙幣を搬送経路R8によって担当者側紙幣リジェクト出金口81に出金する。そして、入力データに基づく金種および枚数の出金可能なバラ紙幣が担当者側紙幣リジェクト出金口81に搬送されると、バラ紙幣の出金処理を終了する。
【0074】
また、例えば、割込処理として、バラ硬貨の出金処理が選択され、担当者によって担当者側表示操作部41に出金させるバラ硬貨の金種別の枚数が入力され出金処理の開始の操作入力がなされると、制御部77は、入力データに基づいて硬貨処理機構部13を同様に制御する。
【0075】
そして、担当者側操作部40の操作に基づくすべての割込処理が終了すると、制御部77は、顧客側表示操作部21に、図12に示すように現在の入金受付額の表示と、終了する場合の承認操作つまり「終了」の押圧を促す表示と、追加の入金処理を行う場合の「入金追加」の押圧を促す表示と、入金をキャンセルする場合の「キャンセル」の押圧を促す表示とを行い、承認操作が入力された場合(ステップSA15:Yes)、入金識別部65の識別結果である入金金額および処理に要した時間である処理時間等を含む入金データを今回の処理の識別データと関連付けして記憶部76に記憶するとともに、紙幣処理機構部12については、すべての一時貯留部67〜70に一時貯留されていたバラ紙幣を紙幣収納部71〜74に収納する収納処理を行い、硬貨処理機構部13についても同様にバラ硬貨を収納する収納処理を行うことになる(ステップSA16)。承認操作が入力されず(ステップSA15:No)、追加の入金処理が入力された場合(ステップSA17:Yes)、ステップSA6に移行して追加の入金処理を受け付けることになる。承認操作が入力されず(ステップSA15:No)、追加の入金処理も入力されなかった場合(ステップSA17:No)、つまりキャンセル操作が入力された場合は、キャンセル処理を行う(ステップSA18)。
【0076】
なお、ステップSA2において、担当者側処理開始操作が入力された場合、担当者側操作部40への入力に基づく担当者側処理を行うことになる(ステップSA19)。この担当者側処理は、営業処理後のいわゆる出納処理であり、例えば、紙幣処理機構部12において、担当者側紙幣入金口80に入金された紙幣を、入金識別部65で識別しつつ一時貯留部67〜70に一時貯留させて、担当者側操作部40への承認操作後に紙幣収納部71〜74に収納したり、硬貨処理機構部13において同様の処理を行う担当者側入金処理がある。あるいは、紙幣処理機構部12において、紙幣収納部71〜74から収納しているバラ紙幣を一枚ずつ繰り出して、出金識別部84で識別しつつ担当者側紙幣リジェクト出金口81に出金したり、硬貨処理機構部13において同様の処理を行う担当者側出金処理がある。さらには、紙幣処理機構部12において、紙幣収納部71〜73の指定された金種のものからバラ紙幣を繰り出し、出金識別部84の識別結果に基づいて、出金可能なバラ紙幣を集積部88,89に所定枚数ずつ集積させて、集積された紙幣に結束部90で結束テープを巻き回して小束紙幣として小束紙幣出金部43に出金する小束紙幣の出金処理がある。
【0077】
以上により、制御部77は、ステップSA1,SA3における顧客側操作部20への操作に基づくステップSA7〜SA9の顧客側入金処理中に、ステップSA8で担当者側操作部40への操作を受け付けた際に、ステップSA3において、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報をステップSA10で読み出し、この情報に基づいて、ステップSA1,SA3における顧客側操作部20への操作に基づくステップSA7〜SA9の顧客側入金処理を中断させるか否かをステップSA12で判定することになる。
【0078】
また、制御部77は、上記した過去の利用情報として、顧客が過去に利用した際の処理時間を使用することになり、ステップSA8で担当者側の担当者側操作部40への操作を受け付けた際に、ステップSA3において例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去の処理時間から、ステップSA11において処理時間の平均時間、さらには現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出することになる。そして、この残り時間に基づいて、ステップSA1,SA3における顧客側操作部20への操作に基づくステップSA7〜SA9の顧客側入金処理を中断させるか否かをステップSA12で判定することになる。そして、残り時間が所定の中断判定時間よりも長いと判定した場合に、ステップSA7〜SA9の顧客側入金処理をステップSA14で中断させることになる一方、残り時間が所定の中断判定時間以下であると判定した場合に、顧客側入金処理を継続させることになる。
【0079】
以上に述べた第1実施形態の貨幣処理機10によれば、顧客によって操作がなされる顧客側操作部20への操作に基づく入金処理中に、担当者によって操作がなされる担当者側操作部40への操作を受け付けた際に、制御部77が、顧客側操作部20への操作に基づく顧客側入金処理を中断させるか否かを判定するため、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を中断させると判定した場合には、店舗側の処理に対応可能となる。したがって、顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能となる。しかも、制御部77は、担当者によって操作がなされる担当者側操作部40への操作を受け付けた際に、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定するため、比較的的確に入金処理を中断させるか否かを判定することができる。
【0080】
また、担当者によって操作がなされる担当者側操作部40への操作を受け付けた際に、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の処理時間から、制御部77が、平均時間および現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出すると、この残り時間に基づいて、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定する。したがって、過去のデータから求まる残り時間に基づいて、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定するため、比較的的確に入金処理を中断させるか否かを判定することができる。
【0081】
また、上記した残り時間が所定の中断判定時間よりも長いと判定した場合に、制御部77は、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を中断させるため、過去のデータから求まる残り時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0082】
また、上記した残り時間が所定の中断判定時間以下であると判定した場合に、制御部77は、顧客側操作部20への操作に基づく入金処理を継続させるため、過去のデータから求まる残り時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【0083】
次に、本発明の第2実施形態の貨幣処理機を主に図13を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。第2実施形態は第1実施形態に対して制御内容が一部相違している。
【0084】
第2実施形態の貨幣処理機における制御部77の制御内容は図13に示すフローチャートのようになっている。
【0085】
つまり、制御部77は、上記したステップSA1〜SA5の処理を適宜行うことになり、ステップSA3において、例えばカードリーダ30によってキャッシュカード等のIDカードに記録された顧客の認証情報を取得し(ステップSA3:Yes)、ステップSA4において、この認証情報が適正であると判断する(ステップSA4:Yes)と、第2実施形態においては、この認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている利用情報、つまりステップSA3で入力を行った顧客の過去の利用情報を読み出す(ステップSC1)。この過去の利用情報は、当該顧客が過去に利用した際に入金した処理金額の情報を含んでおり、制御部(平均金額算出手段)77は、この過去の処理金額から、処理金額の一回当たりの平均金額を算出する(ステップSC2)。
【0086】
そして、制御部(モード設定手段)77は、算出した平均金額が所定の判定基準金額よりも多いか否かによって(ステップSC3)、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定する。つまり、算出した平均金額が所定の判定基準金額よりも多い場合には、割込可能モードに設定し(ステップSC4)、算出した平均金額が所定の判定基準金額を超えない場合つまり判定基準金額以下の場合にはモードを割込不可モードに設定する(ステップSC5)。
【0087】
その後、制御部77は、顧客側の入金処理を開始すると判断すると(ステップSA6:Yes)、紙幣処理機構部12および硬貨処理機構部13について、上記と同様の顧客側入金処理を開始することになるが(ステップSA7)、その後、制御部77は、第1実施形態と同様に、担当者側操作部40に中断割込操作が入力されたか否かを監視する(ステップSA8)。担当者側操作部40に中断割込操作が入力されることなく、紙幣収納処理および硬貨収納処理が終了すると顧客側入金処理が終了したと判断して(ステップSA9:Yes)、制御を終了する。
【0088】
他方、ステップSA8で、担当者側操作部40に、中断割込操作を受け付けたと判断すると(ステップSA8:Yes)、制御部77は、設定されているモードが割込可能モードであるか否か、つまり割込可能モードであるか割込不可モードであるかを判断する(ステップSC6)。割込不可モードである場合(ステップSC6:No)、顧客側入金処理の中断処理を行うことなく、ステップSA9を実行する一方、割込可能モードである場合(ステップSC6:Yes)、中断処理の実行が指示されたか否かを判断し(ステップSA13)、以降、中断処理の実行が指示されたと判断した場合(ステップSA13:Yes)に行う中断処理(ステップSA14)を含めて、第1実施形態と同様の処理を行うことになる。
【0089】
第2実施形態の貨幣処理機10によれば、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の利用情報に基づいて、制御部77が、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、割込可能モードに設定した場合には、店舗側の処理に対応可能となる。したがって、顧客による入金処理中に、店舗側に処理を行う必要が生じた場合に対応可能となる。
【0090】
また、制御部77が、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0091】
また、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去に利用した際に入金した処理金額から、制御部77が、処理の一回当たりの平均金額を算出し、この平均金額に基づいて、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することになるため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0092】
また、制御部77は、平均金額が所定の判定基準金額よりも多い場合に、割込可能モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0093】
また、制御部77は、平均金額が所定の判定基準金額以下の場合に、割込不可モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【0094】
また、割込不可モードを設定した場合に、制御部77は、担当者側操作部40の操作を受け付けても、顧客側操作部20への操作に基づく顧客側入金処理を中断させることなく継続させるため、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となる場合に、担当者による担当者側操作部40への操作に基づく割り込みの処理を規制できる。
【0095】
次に、本発明の第3実施形態の貨幣処理機を主に図14を参照して第2実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。第3実施形態は第2実施形態に対して制御内容が一部相違している。
【0096】
第3実施形態の貨幣処理機における制御部77の制御内容は図14に示すフローチャートのようになっている。
【0097】
つまり、制御部77は、上記したステップSA1〜SA5の処理を適宜行うことになり、ステップSA3において、例えばカードリーダ30によってキャッシュカード等のIDカードに記録された顧客の認証情報を取得し(ステップSA3:Yes)、ステップSA4において、認証情報が適正であると判断する(ステップSA4:Yes)と、第3実施形態においては、この認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている利用情報、つまりステップSA3で入力を行った顧客の過去の利用情報を読み出す(ステップSD1)。第3実施形態において、この過去の利用情報は、当該顧客が過去に利用した際の入金処理の処理時間の情報を含んでおり、制御部(平均時間算出手段)77は、この過去の処理時間から、処理時間の一回当たりの平均時間を算出する(ステップSD2)。
【0098】
そして、制御部77は、算出した平均時間が所定の判定基準時間よりも長いか否かによって(ステップSD3)、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定する。つまり、算出した平均時間が所定の判定基準時間よりも長い場合には、割込可能モードに設定し(ステップSC4)、算出した平均時間が所定の判定基準時間を超えない場合つまり判定基準時間以下の場合にはモードを割込不可モードに設定する(ステップSC5)。
【0099】
その後、制御部77は、顧客側の入金処理を開始すると判断すると(ステップSA6:Yes)、紙幣処理機構部12および硬貨処理機構部13について、上記と同様の顧客側入金処理を開始することになるが(ステップSA7)、第1,第2実施形態と同様に、担当者側操作部40に中断割込操作が入力されたか否かを監視する(ステップSA8)。担当者側操作部40に中断割込操作が入力されることなく、紙幣収納処理および硬貨収納処理が終了すると顧客側入金処理が終了したと判断して(ステップSA9:Yes)、制御を終了する。
【0100】
他方、ステップSA8で、担当者側操作部40に中断割込操作が入力されたと判断すると(ステップSA8:Yes)、制御部77は、設定されているモードが割込可能モードであるか否か、つまり割込可能モードであるか割込不可モードであるかを判断する(ステップSC6)。割込不可モードである場合(ステップSC6:No)、顧客側入金処理を中断する、担当者側操作部40の操作に基づく中断処理を行うことなく、ステップSA9を実行する一方、割込可能モードである場合(ステップSC6:Yes)、中断処理の実行が指示されたか否かを判断し(ステップSA13)、以降、中断処理の実行が指示されたと判断した場合(ステップSA13:Yes)に行う中断処理(ステップSA14)を含めて、第1,第2実施形態と同様の処理を行うことになる。
【0101】
第3実施形態の貨幣処理機10によれば、例えばカードリーダ30によって取得された顧客の認証情報に関連付けられてデータベース78に記憶されている、当該顧客の過去に利用した際の処理時間から、制御部77が、処理の一回当たりの平均時間を算出し、この平均時間が所定の判定基準時間よりも長いか否かによって、割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することになるため、比較的的確にモードを設定することができる。
【0102】
また、制御部77は、平均時間が所定の判定基準時間よりも長い場合に、割込可能モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が長い場合に、店舗側の処理に対応可能となる。
【0103】
また、制御部77は、平均時間が所定の判定基準時間以下の場合に、割込不可モードに設定するため、過去のデータから想定される処理時間が短い場合に、店舗側の処理に対応してしまって処理が非効率となることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1実施形態の貨幣処理機を示す概略斜視図であって、(a)は顧客側から見たもの、(b)は担当者側から見たものである。
【図2】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における紙幣処理機構部を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における紙幣処理機構部を示す概略断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における紙幣処理機構部を示す概略断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における紙幣処理機構部を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における制御部の中断処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における担当者側表示操作部の表示内容を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における顧客側表示操作部の表示内容を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における顧客側表示操作部の表示内容を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における担当者側表示操作部の表示内容を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態の貨幣処理機における顧客側表示操作部の表示内容を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態の貨幣処理機における制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態の貨幣処理機における制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
10 貨幣処理機
20 顧客側操作部(第1の操作手段)
30 カードリーダ(認証情報取得手段)
32 通帳リーダ(認証情報取得手段)
40 担当者側操作部(第2の操作手段)
60 顧客側紙幣入金口(貨幣入金口)
64 搬送路
71〜74 紙幣収納部(収納部)
77 制御部(制御手段,残時間算出手段,モード設定手段,平均金額算出手段,平均時間算出手段)
78 データベース(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客によって操作がなされる第1の操作手段と、
担当者によって操作がなされる、前記第1の操作手段とは異なる第2の操作手段と、
貨幣の入金を受け付ける貨幣入金口と、
該貨幣入金口に入金された貨幣を収納する収納部と、
前記貨幣入金口に入金された貨幣を前記収納部に向けて搬送する搬送路と、
前記第1の操作手段への操作によって前記貨幣入金口に入金された貨幣の入金処理を制御する制御手段と、を備えた貨幣処理機において、
顧客の認証情報を取得する認証情報取得手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の操作手段への操作を受け付けた際に、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定することを特徴とする貨幣処理機。
【請求項2】
前記利用情報は、顧客が過去に利用した際の処理時間であり、
該処理時間の平均時間を算出し、当該平均時間に基づいて現在の入金処理が終了するまでの残り時間を算出する残時間算出手段を備え、
前記制御手段は、前記第2の操作手段への操作を受け付けた際に、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている前記処理時間から前記残時間算出手段によって算出される前記残り時間に基づいて、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記残り時間が所定の時間よりも長いと判定した場合に、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させることを特徴とする請求項2に記載の貨幣処理機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記残り時間が所定の時間以下であると判定した場合に、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を継続させることを特徴とする請求項2または3に記載の貨幣処理機。
【請求項5】
顧客によって操作がなされる第1の操作手段と、
担当者によって操作がなされる、前記第1の操作手段とは異なる第2の操作手段と、
貨幣の入金を受け付ける貨幣入金口と、
該貨幣入金口に入金された貨幣を収納する収納部と、
前記貨幣入金口に入金された貨幣を前記収納部に向けて搬送する搬送路と、
前記第1の操作手段への操作によって前記貨幣入金口に入金された貨幣の入金処理を制御する制御手段と、を備えた貨幣処理機において、
顧客の認証情報を取得する認証情報取得手段と、
割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定するモード設定手段とを備え、
該モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された顧客の認証情報に関連付けられて記憶手段に記憶されている、当該顧客の過去の利用情報に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴とする貨幣処理機。
【請求項6】
前記利用情報は、顧客が過去に利用した際に入金した処理金額であり、
該処理金額の平均金額を算出する平均金額算出手段を備え、
前記モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された認証情報に関連付けられて記憶されている前記処理金額から前記平均金額算出手段によって算出される前記平均金額に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴とする請求項5に記載の貨幣処理機。
【請求項7】
前記モード設定手段は、前記平均金額が所定の金額よりも多い場合に、前記割込可能モードに設定することを特徴とする請求項6に記載の貨幣処理機。
【請求項8】
前記モード設定手段は、前記平均金額が所定の金額以下の場合に、前記割込不可モードに設定することを特徴とする請求項6または7に記載の貨幣処理機。
【請求項9】
前記利用情報は、顧客が過去に利用した際の処理時間であり、
該処理時間の平均時間を算出する平均時間算出手段を備え、
前記モード設定手段は、前記認証情報取得手段によって取得された認証情報に関連付けられて記憶されている前記処理時間から前記平均時間算出手段によって算出される前記平均時間に基づいて、前記割込可能モードおよび割込不可モードの中から、いずれか一方のモードを選択設定することを特徴とする請求項5に記載の貨幣処理機。
【請求項10】
前記モード設定手段は、前記平均時間が所定の時間よりも長い場合に、前記割込可能モードに設定することを特徴とする請求項9に記載の貨幣処理機。
【請求項11】
前記モード設定手段は、前記平均時間が所定の時間以下の場合に、前記割込不可モードに設定することを特徴とする請求項9または10に記載の貨幣処理機。
【請求項12】
前記制御手段は、前記モード設定手段によって前記割込不可モードが設定された場合には、前記第2の操作手段への操作を受け付けても、前記第1の操作手段への操作に基づく入金処理を中断させることなく継続させることを特徴とする請求項5乃至11のいずれか一項に記載の貨幣処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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